JP3900942B2 - 産業車両における荷役機器の自動位置制御装置、産業車両及び荷役機器の自動位置制御方法 - Google Patents

産業車両における荷役機器の自動位置制御装置、産業車両及び荷役機器の自動位置制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業車両における荷役機器の自動位置制御装置、産業車両及び荷役機器の自動位置制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、この種の産業車両であるフォークリフトでは、多段式のマストが車体に備えられ、フォーク等の荷役機器(アタッチメント)を有したキャリッジがマストに沿って昇降可能に設けられている。例えば棚の高所で荷取り作業や荷置き作業をする際は、運転者は荷役レバー(リフトレバー)を操作して多段式マストを油圧駆動でスライド伸長させることにより、フォーク等の荷役機器をマストに沿って上昇させ、荷役機器を棚上のパレットまたは棚面に対し所定の位置関係となるように位置合わせを行う。
【0003】
この際、運手者は高所(例えば3〜6メートル)を仰ぎ見ながらフォークがパレットの穴または棚面の少し上方位置に合ったかどうかを目で確認しつつ荷役レバーを操作する必要がある。しかし、高所を下方から仰ぎ見ながらフォークとパレット等が水平方向に位置合わせされたかを目視で判断することは困難で、熟練者でもこの位置合わせに時間を要するという問題があった。
【0004】
従来、フォークリフト等の産業車両の分野において、高所に位置するフォークの位置合わせを支援するシステムが開発されている。このシステムの一種として、例えば米国特許5586620号には、フォークを支持するキャリッジにカメラを取り付け、このカメラで撮影した画像を運転席から表示装置の画面を通して見られる技術が開示されている。この場合、カメラで撮影した高所位置の画像を表示装置の画面を通して見られるので、高所の荷役作業でも運転者はフォークの位置合せ作業を比較的簡単かつ正確に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許公報は運転席から見難い高所領域が、カメラ映像によって運転者にとって見易くなるという視覚的支援を行っているに過ぎない。従って、前記特許公報では高所領域が見易くなる分だけ荷役作業が行い易くなるものの、荷役対象に対してフォークを位置決めするという動作は運転者がマニュアル操作で行う必要があり、必ずしも荷役作業を大幅に簡易化するものではない。特に、運転者にとっては荷役作業にかかる負荷をなるべく軽減したい要望がある。
【0006】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、荷役作業時に運転者にかかる負荷を軽減できる産業車両における荷役機器の自動位置制御装置、産業車両及び荷役機器の自動位置制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、撮影手段は荷役対象に設けられた標識を撮影する。標識位置検出手段は前記撮影手段により得られた画像データを画像処理して、前記標識位置を検出する。目標点算出手段は前記標識位置検出手段の画像処理結果に基づき、前記荷役機器の自動位置合わせ先となる目標点を算出する。ずれ量算出手段は前記目標点算出手段により求まる前記目標点と、現在の荷役機器の位置との間のずれ量を算出する。制御手段は自動位置決め制御を作動して、前記位置ずれ量算出手段により求まる前記ずれ量をなくすようにアクチュエータを駆動して前記荷役機器を位置合わせする。また、前記制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのとき前記荷役機器を前記目標点に対し上下左右方向で位置合わせし、前記作動モードが荷置きモードのとき前記荷役機器を上下方向にのみ位置合わせする。
【0008】
この発明によれば、自動位置決め制御により荷役機器が目標点に対して自動で位置合わせされるので、運転者は荷役機器の位置決めを自分で行わずに済み、荷役作業が簡易化する。また、作動モードが荷取りモードのときには荷役機器が目標点と一致するように上下左右方向で位置合わせが行われ、作動モードが荷置きモードのときには目標点に対し荷役機器が上下方向のみで位置合わせされる。ところで、荷役機器に荷を載せた状態で左右方向に自動位置合わせを実行すると、場合によっては荷崩れを起こすことも考えられるが、荷置き作業のときには上下方向にのみ自動位置合わせが行われるので、このような問題が生じずに済む。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記自動位置決め制御を作動させるときに操作される操作手段を備えた。
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、操作手段を操作したときに自動位置決め制御が作動し、荷役機器の自動位置合わせが開始される。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記撮影手段により撮影された画像を表示する表示手段を備えた。
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、表示手段には撮影手段により撮影された画像が表示されるので、荷役機器の位置合わせ状態が視覚的に認識可能になる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記撮影手段の画像を表示する際の画面上で前記標識の表示サイズが変わっても、その標識を1つで認識可能な形状のテンプレートを記憶した記憶手段を備え、前記標識位置検出手段は、前記テンプレートを用いたパターンマッチング処理により前記標識を画像認識する。
【0012】
この発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、画像処理の際に用いるテンプレートとして、画面上での表示サイズが変わってもその標識を1つで認識可能な形状のテンプレートを使用するので、画像処理の際に必要なテンプレートが相対的に少なくて済む。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記自動位置決め制御の作動モードを荷役作業に応じたモードにマニュアル操作可能なモード切換手段を備えた。
【0014】
この発明によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、モード切換手段を操作することによって、自動位置制御機能の作動モードを荷役作業に応じたモードにマニュアル設定可能になる。
【0017】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、前記荷役機器の傾動角を検出する検出手段と、前記検出手段の検出値に基づき、傾動用アクチュエータを駆動して前記荷役機器を車体に対して水平状態にする水平制御手段を備えた。
【0018】
この発明によれば、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、荷役機器を水平状態にする自動水平制御を行うので、荷役機器が水平状態となる。このため、例えば撮影手段が荷役機器と同期して動く構成の場合において、撮影手段により撮影された画像が実空間に対して傾いたものにならず、画像処理により求まる目標点や、荷役機器と目標点との間のずれ量に誤差が生じずに済む。また、荷役機器を前方に移動させた場合に、目標点からずれてしまうこともない。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記水平制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのときのみに作動する。
【0020】
この発明によれば、請求項に記載の発明の作用に加え、自動水平制御は自動位置決め制御の作動モードが荷取り作業のときのみに実行される。ところで、荷役機器に荷を載せた状態で自動水平制御を実行すると、場合によっては荷崩れを起こすことも考えられるが、荷を積んだ荷置き作業のときには自動水平制御を行わないので、自動水平制御に起因する荷崩要因をなくせる。
【0021】
請求項に記載の発明では、請求項又はに記載の発明において、前記水平制御手段は、前記自動位置決め制御を行う前に自動水平制御を行って前記荷役機器を前記車体に対して水平状態にする。
【0022】
この発明によれば、請求項又はに記載の発明の作用に加え、自動位置決め制御を行う前に自動水平制御が実行されて荷役機器が水平状態に位置合わせされる。従って、自動位置決め制御を実行する際に、撮影手段により得られる画像データから画像処理を行って荷役機器の目標点に対するずれ量を算出しても誤差が生じ難くなる。
【0023】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明において、前記標識位置検出手段は前記撮影手段により得られた画像データを基に、前記標識の画面座標上における位置及びサイズを検出する標識情報検出手段を備え、前記位置ずれ量算出手段は前記標識情報検出手段から求まる前記標識の位置及びサイズと所定の既知情報とを基に前記ずれ量を算出する。
【0024】
この発明によれば、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、標識サイズ検出手段から求まる前記標識の位置及びサイズと所定の既知情報とを基に、位置ずれ量算出手段によって目標点と荷役機器との間のずれ量が算出される。
【0025】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明において、前記撮影手段は前記荷役機器を支持するキャリッジに対して取り付けられ、前記撮影手段が荷役作業に応じた配置位置となるように当該撮影手段を駆動する昇降用アクチュエータと、前記昇降用アクチュエータを駆動して前記撮影手段を昇降させる昇降制御手段とを備えた。
【0026】
この発明によれば、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、撮影手段は荷役機器を支持するキャリッジに取り付けられ、昇降制御手段により昇降用アクチュエータが駆動されることで、荷役作業に応じた配置位置となるように昇降する。従って、荷置き作業時に荷役機器に荷が載せられていても、例えば撮影手段を降下させれば撮影手段の前方が荷によって遮断されずに済み、充分な撮影視界が得られる。
【0027】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明において、前記荷役機器がインナマストの最上端に位置した後の上方位置では、前記荷役機器とインナマストとの相対位置関係が不変となった状態でマストがスライド伸縮する昇降機構を備え、前記撮影手段は、前記インナマストのうち前記荷役機器に荷を載せても前方が撮影可能となる位置に固定されている。
【0028】
この発明によれば、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、撮影手段はインナマストに固定されているので、荷役機器の位置に対して干渉を受けずに済み、荷を積んだ状態でも充分な撮影視界が得られる。さらに、この昇降機構においてはインナマストの最上端よりも上方の位置では、撮影手段と荷役機器との位置関係が不変となるので、画像処理を用いて荷役機器と目標点との間のずれ量を算出する際の計算が簡単になる。
【0029】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜1のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、画面上において前記標識が位置すべき目標として移動目標点を算出する移動目標点算出手段と、前記表示手段の画面上に前記移動目標点を描画として表示させる表示制御手段とを備えた。
【0030】
この発明によれば、請求項1〜1のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、荷役機器が目標点に対して位置合わせされたとき、表示手段の画面上では移動目標点と標識とが一致した状態となる。従って、運転者にとって荷役機器が目標点に対して位置合わせされたか否かが容易に判断可能になる。
【0031】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の荷役機器の自動位置制御装置を備えた産業車両である。
この発明によれば、請求項1〜1のうちいずれか一項に記載の作用と同様の作用が得られる。
【0032】
請求項1に記載の発明では、撮影手段により得られた画像データを画像処理して、標識位置検出手段が荷役対象に設けられた標識の位置を検出し、目標点算出手段が荷役機器の位置合わせ先となる目標点を算出し、前記標識位置検出手段の画像処理結果に基づき、位置ずれ量算出手段が前記目標点と現在の荷役機器の位置との間のずれ量を算出し、前記位置ずれ量算出手段により求まる前記ずれ量をなくすように、制御手段が自動位置決め制御を作動することによりアクチュエータを駆動して前記荷役機器を位置合わせする。また、前記制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのとき前記荷役機器を前記目標点に対し上下左右方向で位置合わせし、前記作動モードが荷置きモードのとき前記荷役機器を上下方向にのみ位置合わせする。
【0033】
この発明によれば、自動位置決め制御により荷役機器が目標点に対して自動で位置合わせされるので、運転者は荷役機器の位置決めを自分で行わずに済み、荷役作業が簡易化する。また、作動モードが荷取りモードのときには荷役機器が目標点と一致するように上下左右方向で位置合わせが行われ、作動モードが荷置きモードのときには目標点に対し荷役機器が上下方向のみで位置合わせされる。ところで、荷役機器に荷を載せた状態で左右方向に自動位置合わせを実行すると、場合によっては荷崩れを起こすことも考えられるが、荷置き作業のときには上下方向にのみ自動位置合わせが行われるので、このような問題が生じずに済む。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をフォークリフトに具体化した一実施形態を図1〜図14に従って説明する。
【0035】
図1は、フォークリフト1の斜視図である。産業車両(車両)としてのリーチ型フォークリフトトラック(以下、単にフォークリフトと記す)1は、車体(機台)2の前側に左右一対のリーチレグ3を備え、リーチレグ3に沿ってマスト装置4が前後方向に移動(リーチ動作)可能となっている。車体2にはリーチシリンダ5が配設され、このリーチシリンダ5によりマスト装置4がリーチ動作される。マスト装置4は荷役機器としてのフォーク6を備え、フォーク6はマスト装置4のリーチ動作に伴い前後方向で位置調整される。
【0036】
マスト装置4のマスト7はアウタマスト7a、ミドルマスト7b、インナマスト7cからなる3段マストであり、中央のリフトシリンダ8aと左右一対のリフトシリンダ8b,8b(片側のみ図示)とを駆動源とするテレスコピック型(フルフリー型)である。詳述すると、まず中央のリフトシリンダ8aが駆動されるとキャリッジ9のみが上昇し、キャリッジ9がインナマスト7cの最上位置に到達した後にマスト7がスライド伸縮することでキャリッジ9が上下方向に移動する。また、フォーク6はキャリッジ9に取り付けられ、マスト7のスライド伸縮に伴い上下方向に位置調整される。なお、各種シリンダ5,8a,8b,11,12がアクチュエータを構成する。
【0037】
キャリッジ9にはサイドシフタ10が配設され、サイドシフタ10はサイドシフトシリンダ11(図5参照)が駆動されることで左右方向に移動可能となっている。フォーク6は、サイドシフタ10のサイドシフトに伴い左右方向で位置調整される。また、キャリッジ9にはティルトシリンダ(傾動用アクチュ−タ)12(図5参照)が接続され、このティルトシリンダ12がティルト動作することによりフォーク6の傾動角が調整される。
【0038】
各リーチレグ3には、先端部に前輪(従動輪)13aが取り付けられ、車体2には車輪としての後輪(駆動輪)13bが取り付けられている。後輪13bは操舵輪を兼ねており、車体2に配備されたバッテリ2aを電源として駆動される走行用モータ14の動力により走行駆動される。車体2の後部右部分には、立席タイプの運転席15が設けられ、ハンドル16を操作することで後輪13bが操舵される。ハンドル16は樹脂製であり、その上面にはハンドル16を操作する際に運転者により握られるハンドルノブ17が形成されている。
【0039】
フォークリフト1は高所(高揚高範囲)におけるフォーク6の位置合わせ操作を支援するために、サイドシフタ10の前面中央部に組み付けられたカメラ昇降装置18を備えている。カメラ昇降装置18は撮影手段としてのカメラ(CCDカメラ)19を内蔵したカメラユニット20を備え、カメラユニット20はキャリッジ9の前面中央部に組み付けられたハウジング21内に格納される格納位置と、ハウジング21の下端から突出する下降位置との間を昇降するようになっている。カメラユニット20はフォーク6が高所にあるときに、荷物(パレット)を取り出す荷取り作業時に格納位置に、フォーク6上に載せられた荷物を所定位置に載置する荷置き作業時に下降位置に位置するように位置調整される。
【0040】
カメラユニット20はカメラ19の撮影部(レンズ)22から、フォーク6の前方の荷役作業エリアを撮影することが可能となっている。また、ハウジング21の前面下部には撮影窓23が形成され、この撮影窓23を通して格納位置からでも荷役作業エリアの撮影が可能である。つまり、このカメラ19によって格納位置と下降位置の二位置からフォーク6の正面(前方)を撮影できる。また、サイドシフタ10のサイドシフト時にはフォーク6とともにカメラ昇降装置18も左右方向に移動する。
【0041】
車体2の上部を覆うルーフ24には、運転席15に立つ運転者からよく見える位置に表示手段としての液晶ディスプレイ装置(以下、単にディスプレイ装置と記す)25が取り付けられている。ディスプレイ装置25の表示画面25aには、荷役作業時にカメラ19によって撮影されたフォーク6の前方のエリアの画像が映し出される。運転者は、このディスプレイ装置25の表示画面25aを見ながら荷役作業が行えるようになっている。
【0042】
図2は、カメラ19を備えたフォークリフト1で荷役作業を行うときの模式側面図である。荷26の荷役作業は、パレット27に載置された状態で行われる。また、荷26を載置するための棚28は多段構造となっており、その全長高さがフォークリフト1の高さの2倍以上のものもある。このように棚28の全長が高いと、高所に位置する棚部29で荷役作業を行うときに、運転者が運転席15から荷役作業を見ることができない場合がある。これを解消するために、カメラ19を備えたこのフォークリフト1では、カメラ19によってフォーク6の前方のエリアを撮影し、この撮影された画像を基にしてフォーク6の位置合わせを自動で行うことで荷役作業を支援している。
【0043】
図3はマルチレバー31の平面図である。インストルメントパネル30上には、マルチレバー31が設けられている。マルチレバー31は、これ1つで走行操作と荷役操作の全ての操作を可能とするもので複数種類の操作部を備えている。マルチレバー31はインストルメントパネル30上のスロット32に沿って前後方向に傾動するレバー本体33を有し、このレバー本体33は操作しない状態ではパネル面に対し略垂直となる中立位置にバネ(図示せず)の付勢力により復帰する。レバー本体33の上端部には、グリップ部34が車幅方向に対し30度〜60度程度の角度をもって傾斜する姿勢に取付けられている。
【0044】
グリップ部34の左端部には、略円筒形のリフト用ノブ35が回転可能に設けられている。また、グリップ部34の左部分前縁にシーソースイッチ36が、グリップ部34の左部分背面に十字スイッチ37が、グリップ部34の左部分前面に操作手段としての作動スイッチ38がそれぞれ設けられている。マルチレバー31は右手で操作され、グリップ部34を握った状態では親指でリフト用ノブ35または十字スイッチ37を操作でき、人差し指でシーソースイッチ36または作動スイッチ38を操作できる。
【0045】
グリップ部34を握った右手でレバー本体33を前方に傾けるとフォークリフト1が前進し、レバー本体33を後方に傾けるとフォークリフト1が後進する。リフト用ノブ35に形成された突起35aを親指で上方へ押してノブ35を上側に回すとフォーク6が上昇し、親指で突起35aを下方へ押してリフト用ノブ35を下側に回すとフォーク6が下降する。また、人差し指でシーソースイッチ36の前端36aを押すとマスト装置4が前方に移動し、人差し指でシーソースイッチ36の後端36bを押すとマスト装置4が後方に移動する。
【0046】
十字スイッチ37は上下・左右の4方向に操作可能になっており、上下方向の操作でマスト7のティルトを操作し、左右方向の操作でサイドシフトを操作する。即ち、親指で十字スイッチ37の上端部37aを押すとフォーク6が前傾し、十字スイッチ37の下端部37bを押すとフォーク6が後傾する。また親指で十字スイッチ37の右端部37cを押すとフォーク6が右方向に移動し、十字スイッチ37の左端部37dを押すとフォーク6が左方向に移動する。
【0047】
図5は、キャリッジ9の側断面図である。キャリッジ9はフォーク6を支持するリフトブラケット39を備えている。リフトブラケット39はチェーン(図示省略)を介して吊り下げ支持され、リフトシリンダ8a,8bが駆動されたとき左右2つづずのローラ39a(片側のみ図示)がインナマスト7cの内面に沿って転動しながら昇降する。リフトブラケット39の前面にはフィンガーバー40が前後方向に傾動可能に支持され、そのフィンガーバー40にはサイドシフタ10が相対移動可能に取り付けられている。
【0048】
サイドシフトシリンダ11はサイドシフタ10とフィンガーバー40との間に接続され、サイドシフトシリンダ11の駆動に伴いサイドシフタ10がフィンガーバー40に対して相対移動することでフォーク6が左右方向に移動する。一方、ティルトシリンダ12はリフトブラケット39とフィンガーバー40との間に接続され、ティルトシリンダ12の駆動に伴いフィンガーバー40がリフトブラケット39に対して傾動することでフォーク6が前後方向に傾動する。
【0049】
リフトブラケット39には、例えばポテンショメータからなる検出手段としてのティルト角センサ41が取り付けられている。ティルト角センサ41はセンサ本体42に対して回動するレバー43を有し、そのレバー43の先端がフィンガーバー40の当接部44に当接している。そして、フィンガーバー40の傾動に伴いレバー43が回動して、ティルト角センサ41はフォーク6の傾動角に応じた信号を出力する。また、フィンガーバー40にはカメラ19の上限位置を検出する上限位置検知スイッチ45と、下限位置を検出する下限位置検知スイッチ46とが配設されている。
【0050】
図4は、フォークの位置合わせを自動で行うフォーク自動位置決め制御についての説明図である。荷役対象としてのパレット27および棚28には、パレット27、棚28に対するフォーク6の相対位置を求めるための標識としてのマークM1,M2が付されている。つまり、パレット27の側面(正面)には、2つの差込孔27a,27aの間の中央にマークM1が付されている。一方、棚28の棚部29には、その正面中央にマークM2が付されている。ここで、パレット27に付されたマークM1と、棚28に付されたマークM2とは図形が同じであるが、白黒が反転した模様となっている。そして、フォーク6の位置合わせを自動で行うフォーク自動位置決め制御が実行されると、これらマークM1,M2を目標にフォーク6が自動で位置合わせされる。
【0051】
要するに、荷取り作業を行う荷取りモード時は、パレット27に付されたマークM1を目標にして、フォーク6がパレット27の差込孔27aに相対するように自動で位置合わせが行われる。また、荷置き作業を行う荷置きモード時は、棚28に付されたマークM2を目標にして、フォーク6が棚部29の棚面(荷置き面)29aの上方所定高さ(棚面29aから例えば10〜20cm上方の高さ)に位置するとともに、2つのフォーク6の中間点がマークM2と左右方向でほぼ同じ位置となるように自動で位置合わせが行われる。フォーク6の位置合わせは、リフトシリンダ8bを駆動することで上下方向(同図ではz方向)に、サイドシフトシリンダ11を駆動することで左右方向(同図ではy方向)に移動させることにより行われる。
【0052】
図6は、フォークリフト1の電気的構成図である。フォークリフト1はコントローラ48を備え、このコントローラ48は画像制御部49、制御手段、水平制御手段、昇降制御手段を構成する荷役制御部50、駆動回路51,52、ソレノイド駆動回路53を備えている。荷役制御部50には、その入力側に上限位置検知スイッチ45、下限位置検知スイッチ46、揚高センサ54、荷重センサ55、ティルト角センサ41が接続されている。また、荷役制御部50の入力側には、マルチレバー31のレバー本体33の変位量を検出するレバー用ポテンショメータ56、リフト用ノブ35の変位量を検出するノブ用ポテンショメータ57と、各種スイッチ36〜38が接続されている。
【0053】
荷役制御部50の出力側には、駆動回路51,52を介して昇降用アクチュエータとしてのカメラ昇降モータ58および荷役モータ(電動モータ)59がそれぞれ接続されている。また、荷役制御部50の出力側にはソレノイド駆動回路53を介してオイルコントロールバルブ60に組付けられた各種電磁比例弁60a〜60dのソレノイドが接続されている。これら電磁比例弁60a〜60dは、リフトシリンダ8a,8b、リーチシリンダ5、サイドシフトシリンダ11、ティルトシリンダ12にそれぞれ接続される。
【0054】
荷役制御部50はマルチレバー31からの操作信号を基に、電磁比例弁60a〜60dの電流値制御と荷役モータ59の駆動制御を行う。オイルコントロールバルブ60には、荷役モータ59の作動により荷役ポンプ(油圧ポンプ)59aが駆動されることで作動油が供給される。マルチレバー31が操作されたとき、マルチレバー31からの操作信号を基にその操作に対応する各電磁比例弁60a〜60dが比例制御されることにより、リフトシリンダ8a,8b、リーチシリンダ5、サイドシフトシリンダ11、ティルトシリンダ12が油圧制御される。そして、フォーク6の移動操作として昇降操作、リーチ操作、サイドシフト操作、ティルト操作が行われる。
【0055】
揚高センサ54はフォーク6が設定揚高以上の高さ(揚高)にあるか否かを検出するもので、例えばキャリッジ9がインナマスト7cの最上位に位置してインナマスト7cがスライドするときにオン・オフが切換わる揚高スイッチからなる。荷重センサ55は、フォーク6に積載された荷の重量(荷重)を検出するもので、本実施形態ではリフトシリンダ8a,8b内の油圧を検出する圧力センサからなる。荷重センサ55は、フォーク6上の荷の重量に応じた電圧値の検出信号を出力する。
【0056】
フォークリフト1は、フォーク自動位置合わせシステム(ロックオンシステム)61を備えている。このロックオンシステム61はカメラ19により撮影された画像データを基に、マークM1,M2の画像認識処理を行ったり、ターゲットとして設定したマークM1(M2)を目標としてフォーク6の自動位置決め制御を実行する。ちなみに、ロックオンシステム61は画像認識処理やフォーク自動位置決め制御を行う各種部材から構成され、例えば主にカメラ19、ディスプレイ装置25、作動スイッチ38、画像制御部49、荷役制御部50、モードスイッチ62,63等から構成される。
【0057】
荷役制御部50は荷重センサ55からの検出値を基に、ロックオンシステム61の作動モードを荷取りモードと荷置きモードのうちの一方に設定する。即ち、荷役制御部50は荷重センサ55の検出値から求まる荷重が設定値以下(荷重W≦設定値Wo )のとき、フォーク6上に荷が載置されていない「荷無し」と判断して作動モードを「荷取りモード」に設定する。一方、荷役制御部50は荷重センサ55の検出値から求まる荷重が設定値を超える(荷重W>設定値Wo )とき、フォーク6上に荷が載置されている「荷有り」と判断して作動モードを「荷置きモード」に設定する。
【0058】
これにより、操作者の操作に関係なく、フォーク6上の荷重に基づき自動で作動モードが設定される。また、荷重センサ55の検出値にはキャリッジ9等の重量分も含まれるので、空荷のときの検出値またはその検出値に少し余裕をみた値が設定値Wo に設定されている。例えば、パレット27のみを積んだときには「荷有り」と判定され得る設定値Wo を設定することが望ましい。なお、この作動モードの設定処理は一定時間(例えば数10msec.)ごとに実行される。
【0059】
一方、ハンドルノブ17には荷取りモードスイッチ62および荷置きモードスイッチ63が形成されている。即ち、ロックオンシステム61の作動モード設定は荷重センサ55の検出値に基づき自動で行われることに限らず、これらスイッチ62,63を押すことでマニュアル設定することも可能である。この2つのスイッチ62,63は、無線通信により荷役制御部50の入力側に接続されている。
【0060】
そして、これらスイッチ62,63のうち荷取りモードスイッチ62が押されると荷役制御部50は作動モードを「荷取りモード」に設定し、荷置きモードスイッチ63が押されると作動モードを「荷置きモード」に設定する。また、作動モード設定は荷重センサ55の検出値を用いた自動設定よりも、スイッチ62,63を用いたマニュアル設定が優先される。なお、作動モードをマニュアル操作で設定するスイッチは、スイッチを押す度に作動モードが荷取りモードと荷置きモードの間で切り替わる一つのスイッチでもよい。
【0061】
また、荷役制御部50はマルチレバー操作時の荷役制御の他に、フォーク6の自動水平制御を行う。ところで、図7(a)に示すようにフォーク6が水平でない場合、カメラ19も同じ分だけ傾いた状態となる。この状態でカメラ19によりマークM1(M2)を撮影すると、カメラ19の座標系(画面座標系)がマークM1(M2)の座標系(実座標系)に対して傾いてしまい、フォーク自動位置決め制御時にフォーク6の推定位置として高さ方向にΔZ(=Atan θ)だけ誤差が生じてしまう。
【0062】
この問題を解消するために、フォーク自動位置決め制御の前段階の作業として自動水平制御が実行される。即ち、荷役制御部50はティルト角センサ41からの検出値に基づきフォーク6の傾動角を算出している。そして、荷役制御部50は作動スイッチ38が押されたときにフォーク自動位置決め制御の前に自動水平制御を行い、フォーク6が水平となるようにティルトシリンダ12を駆動してフォーク6の傾動角を調整する。この結果、図7(b)に示すようにフォーク6が水平状態となり、これと共にカメラ19も水平状態となってフォーク6の推定位置として高さ方向に誤差が生じなくなる。
【0063】
荷役制御部50は、カメラユニット20の昇降制御とフォーク自動位置決め制御も行う。荷役制御部50はフォーク自動位置決め制御を、揚高センサ54により検出されたフォーク6の揚高が設定揚高(例えば約2メートル)以上にあるときに限り行い、2メートル未満ではカメラユニット20を格納位置の状態にする。また、荷役制御部50はカメラユニット昇降制御として、荷取りモードではカメラユニット20を格納位置に配置し、荷置きモードではカメラユニット20を下降位置に配置する。カメラ昇降モータ58はカメラユニット20が上限位置に達して上限位置検知スイッチ45がオンしたときと、カメラユニット20が下限位置に達して下限位置検知スイッチ46がオンしたときに駆動停止される。
【0064】
一方、画像制御部49には入力側にカメラ19が接続され、出力側にディスプレイ装置25が接続されている。ディスプレイ装置25は表示画面25aと出力手段としてのスピーカ64とを備え、画像制御部49はカメラ19により撮影された画像(映像)を表示画面25aに表示させるとともに、スピーカ64に所定の音声を報知させる。また、画像制御部49はフォーク自動位置決め制御時にフォーク6のずれ量を求めるために、カメラ19により取り込まれた画像データを基に画像処理を実行する。
【0065】
画像制御部49は表示処理部65、標識位置検出手段としての画像処理部66、表示制御手段としての描画表示部67、描画データ記憶部68および音声処理部69を備えている。表示処理部65は、カメラ19により撮影された画像が表示画面25aに映し出されるようにカメラ19から入力した映像信号をディスプレイ装置25に出力する。画像処理部66は表示処理部65から画像データを入力し、その画像データを基に画像認識処理を行い、表示画面25a上(図10(a)に示す画面座標系)のマークM1,M2の座標、移動目標点70(図13,14参照)の座標等を算出する。
【0066】
描画表示部67は画像処理部66の処理結果を基にして、描画データ記憶部68に記憶された描画データとして表示画面25a上に移動目標点70やターゲット線71(図13,14参照)等の描画を表示させる。また、描画表示部67は作動モードが荷取りモードのときに表示画面25a上に「荷取りモード」(図13参照)と、作業モードが荷置きモードのときに「荷置きモード」(図14参照)とそれぞれ表示させる。
【0067】
画像処理部66は、画像認識処理部72、記憶手段としてのテンプレート記憶部73および画面座標位置算出部74を備えている。また、画面座標位置算出部74は標識情報検出手段としてのマーク位置算出部75と移動目標点算出手段としての移動目標点算出部76とを備えている。一方、荷役制御部50は実座標位置算出部77とずれ量算出部78とを備えている。また、ずれ量算出部78は目標点算出手段としての既知情報設定部79を備えている。なお、実座標位置算出部77とずれ量算出部78により位置ずれ量算出手段が構成される。以下、フォーク自動位置決め制御時に画像制御部49および荷役制御部50が行う処理内容を図8〜図12に従って説明する。
【0068】
テンプレート記憶部73には、マークM1用のテンプレートT1と、マークM2用のテンプレートT2が記憶されている。即ち、図8(a)に示すマークM1は同図(b)に示すパターンP1,P1を2個並べて構成され、同図(c)に示すマークM2は同図(d)に示すパターンP2,P2を2個並べて構成されている。マークとは全体の模様、パターンとはマークを構成する2つの模様を指す。パターンマッチング処理に使うテンプレートT1,T2は、パターンP1,P2と同じ模様を有する。
【0069】
2つのマークM1,M2の各パターンP1,P2は、互いに白と黒が反転した模様となっている。各パターンP1,P2は、一点を中心として放射状に真っ直ぐ延びる複数本の境界線によって白と黒に色分けされた模様である。本実施形態の各パターンP1,P2は、正方形の2本の対角線により区画された4つの領域を白と黒で色分けした模様である。但し、テンプレートの四角形の辺に相当する外形線は模様の一部ではない。
【0070】
パターンP1,P2にこの種の模様を用いることで、マークとカメラの距離の違いに応じて表示画面25a上に映し出されるマークM1,M2の大きさが変化しても、その撮影されたパターンP1,P2の中心部分には常にテンプレートT1,T2と同サイズのパターンが存在することになる。よって、画像認識処理部72は1つのテンプレートT1,T2を用いただけのパターンマッチング処理によりマークM1,M2を認識できるようになっている。テンプレートT1,T2は、マークM1,M2が認識されなければならない所定サイズに設定してあり、所定距離以内で撮影されたマークM1,M2は全て認識可能となっている。
【0071】
また、図10(a)は画面上に設定された画面座標系を示す画面図であり、画面座標系では座標を画素の単位で取り扱うものとする。また、同図におけるHはディスプレイ装置25の表示画面25aの横方向画素数であり、Vは表示画面25aの縦方向画素数である。一方、図10(b)は実座標系を示す表示図であり、図10(a)の画面図と相似関係をとっている。
【0072】
画像認識処理部72はカメラ19により取り込んだ画像データを基に、荷取りモードのときテンプレートT1を、荷置きモードのときテンプレートT2を用いて、図9に示すように各パターンP1,P1の2箇所で画像認識処理(パターンマッチング処理)を行う。そして、画像認識処理部72はディスプレイ装置25の表示画面25a上、つまり画面座標系におけるマークM1,M2の認識を行う。
【0073】
即ち、図10(a)に示すように作動モードが荷取りモードでマークM1が認識された場合、画像認識処理部72はマークM1を構成する2つのパターンP1,P1に対しテンプレートT1により2箇所でマッチングし、各パターンP1,P1を認識する。なお、作動モードが荷置きモードの場合も同様に、マークM2を構成する2つのパターンP2,P2に対し、テンプレートT2による2箇所マッチングによって各パターンP2,P2が認識される。
【0074】
パターン認識後、マーク位置算出部75は画面座標系における各パターンP1,P1の中心点(放射中心点)の座標(I1,J1),(I2,J2)を算出する。そして、マーク位置算出部75はこれら2つの座標値を基にマークM2の重心座標(I,J)を算出するとともに、パターンP1,P1の中心間距離Dを算出する。なお、作業モードが荷置きモードの場合もマークM1と同様の手順で、マークM2の重心座標とパターンP2,P2の中心間距離とが算出される。
【0075】
実座標位置算出部77は画面座標系の重心座標(I,J)と中心間距離Dの値を用い幾何変換を行って、図10(b)に示す実座標系(XYZ座標系)におけるカメラ19のマークMに対する3次元相対位置座標(Xc,Yc,Zc)を計算する。カメラ19の座標(Xc,Yc,Zc)は次式より算出される。
Xc==−Hd/(2Dtan α) … (1)
Yc=d/D(I−H/2) … (2)
Zc=d/D(J−V/2) … (3)
ここで、「α」は図11に示すカメラ19の水平画角の2分の1、dは実座標系においてマークM1の2つのパターンP1,P1の中心間距離である。H,V,α,d値は既知の値であるため、I,J,D値を算出すれば、カメラ19の3次元相対位置座標(Xc,Yc,Zc)が求まる。この3次元相対位置座標(Xc,Yc,Zc)は、図12に示すようにカメラ位置をC、フォーク位置をF、目標点をP、マーク重心位置(原点)をOとおくと、座標OCとして求まる。また、目標点Pはフォーク6の位置合わせ先であり、荷取りモードではパレット27、荷置きモードでは棚面29aから所定高さの位置となる。
【0076】
この後、ずれ量算出部78は(1) 〜(3) 式を用いて求めたカメラ座標OC(Xc,Yc,Zc)を基に、フォーク6のずれ量としてベクトルFPを算出する。フォーク6のずれ量を算出するに先立ち、まず既知情報設定部79はマーク重心を原点とすることで、ベクトルOPとベクトルCFを既知情報として読み込む。即ち、点Cと点F、点Oと点Pはそれぞれ同一鉛直線上の位置にとるものであるため、ベクトルCF,OPはそれぞれカメラ位置Cとフォーク位置Fとの距離、マーク重心位置Oとパレット位置Pとの距離に相当してともに既知情報となり、既知情報設定部79はこれら既知情報を読み込む。
【0077】
また、図12に示すように点O,P,C,Fの間にはベクトルFP=ベクトルOP−ベクトルOC−ベクトルCFの関係がある。このため、カメラ座標OC(Xc,Yc,Zc)が求まれば、既知情報であるベクトルOP、ベクトルCFを用いてベクトルFPを求めることが可能になる。そして、ベクトルFPを求めることでフォーク6の目標点に対する相対的なずれ量が算出されることになる。よって、作動スイッチ38が押されてフォーク自動位置決め制御を実行するとき、荷役制御部50はずれ量算出部78で算出されたベクトルFPを「0」とするようにリフトシリンダ8bとサイドシフトシリンダ11を駆動し、フォーク6の位置合わせを実行する。
【0078】
一方、移動目標点算出部76はフォーク6の現在位置に応じた点として表示画面25a上に表示される移動目標点70の中心座標(It,Jt)を算出している。即ち、目標点Pをパレット27の位置に相当する荷取位置Pとし、既知情報であるベクトルOPの成分(Xp,Yp,Zp)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)とそれぞれおくと、荷取り作業時において移動目標点の中心座標(It,Jt)は次式により求まる。なお、Yp,Zp、Ycf、Zcfは、既知の値である。
It=H/2+(Yp−Ycf)×D/d … (4)
Jt=V/2+(Zp−Zcf)×D/d … (5)
同様に荷置き作業時を考えると、目標点Pを荷置位置Rとし、この荷置位置Rをフォーク6を棚部29に対し位置合わせする棚面29aから所定距離(10〜20cm)上方位置とすると、ベクトルCF,ORが既知情報となる。ベクトルORは、マーク重心位置Oと荷置位置Rとの距離に相当する。この既知情報についてベクトルORの成分(Xr,Yr,Zr)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)とそれぞれおくと、フォーク6を荷置位置Rに位置合わせするために画面25a上でマークM2を移動させるべき移動目標点の座標(It,Jt)は次式により求まる。なお、Yr,Zr、Ycf、Zcfは、既知の値である。
It=H/2+(Yr−Ycf)*D/d … (6)
Jt=V/2+(Zr−Zcf)*D/d … (7)
そして、移動目標点算出部76は移動目標点70の中心座標(I,J)を、荷取り作業時ではデータD値を用いて(4) ,(5) 式に従い、荷置き作業時ではデータD値を用いて(6) ,(7) 式に従って算出する。移動目標点70の中心座標(It,Jt)が求まると、描画表示部67は画面25aの画像上における中心座標(It,Jt)の位置に図13,14に示す移動目標点70を描画する。なお、移動目標点70は4つの三角形が頂点を中心を向けて等角度間隔に配置された図形として画面25a上に表示され、各4頂点で囲まれた中心点が中心座標(I,J)となる。
【0079】
次に、フォーク6を自動位置合わせするまでの流れを説明する。
まず、マルチレバー31のリフト用ノブ35を操作して、フォーク6を2メートル以上に上昇させる。そして、荷取り作業を行う場合には図13(a)に示すように表示画面25a上に荷取り対象とするパレット27とそのマークM1を映し出す。この状態で作動スイッチ38が押されると、まず荷役制御部50により自動水平制御が実行されてフォーク6が水平状態となる。続いて、画像認識処理部72により画像処理(パターンマッチング処理)が行われ、これによりマークM1が画像認識され、画面座標系においてマークM1のI,J,D値が算出される。
【0080】
マークM1のI,J,D値が求まると、実座標位置算出部77によりカメラ19の座標OC(Xc,Yc,Zc)が算出される。続いて、このカメラ座標OC(Xc,Yc,Zc)と既知情報であるベクトルCF,OPとに基づき、ずれ量算出部78によってベクトルFPが算出される。そして、荷役制御部50によってベクトルFPが「0」となるように各種シリンダ8b,11が駆動され、フォーク6の自動位置合わせが実行される。これにより、図13(a)に示す状態から、表示画面25a上において移動目標点70とマークM1とが一致した図13(b)に示す状態となってフォーク自動位置決め制御が完了する。
【0081】
これにより、フォーク6がパレット27に対して自動で位置合わせが行われるので、運転者はフォーク6の位置決めを自分で行わずに済み、荷役作業が楽になる。また、フォーク6に対し自動水平制御が実行される構成であるので、カメラ19の画像データからなる画面座標系とマークM1を撮影した実座標系との間に傾きが生じず、カメラ座標OCを算出する際にその傾きに起因する誤差が生じない。さらに、この自動水平制御によりフォーク6が水平になっているので、荷取り作業時にフォーク6がパレット27の差込孔27aに6がスムーズにささることにもなる。
【0082】
一方、荷置き作業のときも同様であり、図14(a)に示すように表示画面25a上に荷置き対象とする棚部29とそのマークM2を表示させる。この状態で作動スイッチ38が押されると、荷取り作業のときと同様にフォーク6の自動水平制御が行われ、続いてマークM2が画像認識されて画面座標系におけるマークM2のI,J,D値が算出される。そして、カメラ座標OCと既知情報であるベクトルCF,ORとに基づき、ずれ量算出部78によってベクトルFRが算出される。
【0083】
そして、荷役制御部50によってベクトルFPに基づき、上下方向にのみ位置合わせをするようにリフトシリンダ8bが駆動され、フォーク6が上下方向にのみ自動で位置決めされる。そして、十字スイッチ37の右端部37c,左端部37dを操作して、表示画面25a上で移動目標点70とマークM2が一致するようにフォーク6をマニュアル操作でサイドシフトさせる。これにより、図14(b)に示すように移動目標点70とマークM2が一致し、フォーク6が位置合わせされた状態となる。
【0084】
ところで、フォーク6に荷26を載せた状態でフォーク6を自動で左右方向にサイドシフトさせると荷崩れを起こすことも考えられる。しかし、フォーク自動位置決め制御の制御内容として上下方向にのみ位置決めする構成であるので、フォーク自動位置決め制御において荷崩れ発生要因をなくせる。また、荷置き作業においてフォーク6の位置合わせを全て自動化していないが、上下方向ではフォーク6を自動で位置合わせするので、全ての位置決めをマニュアル操作で行う場合に比べれば荷役作業は簡易化する。
【0085】
従って、この実施形態では以下のような効果を得ることができる。
(1)フォークリフト1にロックオンシステム61を搭載し、このロックオンシステム61によりフォーク6の自動位置決め制御が実行される。従って、フォーク6がパレット27や棚28に対して自動で位置合わせが行われるので、運転者はフォーク6の位置決めを自分で行わずに済み、荷役作業にかかる負荷を軽減することができる。
【0086】
(2)マルチレバー31にはフォーク自動位置決め制御を作動させる作動スイッチ38が設けられているので、この作動スイッチ38を押すことにより任意のタイミングでフォーク自動位置決め制御を開始することができる。
【0087】
(3)フォークリフト1にはディスプレイ装置25が設置されているので、このディスプレイ装置25の表示画面25aを見ることでフォーク6の位置合わせ状態を確認することができる。また、表示画面25aには移動目標点70が描画されるので、フォーク6が位置決めされたか否かを移動目標点70とマークM1(M2)との位置関係で判断することができ、位置合わせ状態を容易に判断することができる。
【0088】
(4)パターンP1,P2に本例のような模様を用いることで、マークとカメラの距離の違いに応じて表示画面25a上に映し出されるマークM1,M2の大きさが変化しても、その撮影されたパターンP1,P2の中心部分には常にテンプレートT1,T2と同サイズのパターンが存在する。従って、1つのテンプレートT1,T2を用いただけのパターンマッチング処理によりマークM1,M2を認識でき、用いるテンプレートをT1,T2の各1つずつで済ますことができる。
【0089】
(5)ハンドルノブ17には荷取りモードスイッチ62とに置きモードスイッチ63が設けられているので、ロックオンシステム61の作動モードをマニュアル操作により設定することができる。
【0090】
(6)フォーク自動位置決め制御が実行される前に、フォーク6に対し自動水平制御が実行される構成であるので、カメラ19の画像データからなる画面座標系とマークM1を撮影した実座標系との間に傾きが生じない。従って、カメラ座標OC(Xc,Yc,Zc)を正確な値で算出でき、これに伴いフォーク6のずれ量も正確に算出することができる。さらに、この自動水平制御によりフォーク6が水平になっているので、フォーク6を前方に移動させたときにフォーク6のずれを防止でき、例えば荷取り作業時にフォーク6をパレット27の差込孔27aに6がスムーズに挿し込むことができる。
【0091】
(7)荷置きモード時では、フォーク自動位置決め制御の制御内容として上下方向にのみ位置決めする構成としている。従って、フォーク自動位置決め制御を実行する構成において、荷役機器のサイドシフト動作に起因する荷崩れを防止することができる。
【0092】
(8)カメラ19はカメラ昇降モータ58を駆動源として、荷取りモードのときには格納位置に荷置きモードのときには下降位置に位置するので、荷によって撮影視界を邪魔されずに済む。また、フォーク6の揚高が2メートル未満の場合にはカメラ19が格納位置に位置した状態となるので、フォーク6が最下端に位置してもカメラ19が邪魔になることはない。
【0093】
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば、次の態様に変更してもよい。
○ カメラ19の取付位置はキャリッジ9に限定されない。例えば、図15に示すようにカメラ19は左右のインナマスト7c,7cを連結するミドルビーム90に固定されていてもよい。テレスコピック型の昇降機構を備えたフォークリフト1ではフォーク6がインナマスト7cの最上端に位置した後、その上方位置でフォーク6を昇降させる場合にはフォーク6とカメラ19との位置関係が不変となる。よって、カメラ座標やずれ量を算出する際に複雑な計算を行わずに済み、簡単にカメラ座標やずれ量が算出できる。
【0094】
○ インナマスト7cにカメラ19が固定された図15に示すフォークリフト1において、作動スイッチ38が押された状態(自動位置決め制御作動時)で、かつ荷置きモードのときに、ティルト角を手動操作可能としてもよい。従って、フォーク自動位置決め制御時に十字スイッチ37を操作してフォーク6のティルト角を後傾状態にすることで、フォーク6上の荷を落下し難い状態にすることができる。また、このフォークリフト1ではフォーク6を後傾させてもカメラ19は荷役対象に対して傾かないので、ティルト角を手動操作可能としても自動位置決め制御の際に画像処理により求まるずれ量に誤差が生じずに済む。また、ずれ量の誤差が許容範囲となるのであれば、カメラ19がキャリッジ9に固定された第1実施形態に示すフォークリフト1でティルト角を手動操作可能としてもよい。
【0095】
○ インナマスト7cにカメラ19が固定された図15に示すフォークリフト1において、作動スイッチ38が押された状態で、かつ荷置きモードのときに、フォーク6のティルト角を所定の後傾角度に保持させてもよい。即ち、作動スイッチ38が押され、このときの作動モードが荷置きモードのとき、荷役制御部50がティルトシリンダ12を駆動してフォーク6の傾動角を所定の後傾角度にする。従って、フォーク自動位置決め制御の際にフォーク6上の荷を落下し難い状態にすることができる。また、このフォークリフト1ではフォーク6を後傾させてもカメラ19は荷役対象に対して傾かないので、フォーク6を後傾角度としても自動位置決め制御の際に画像処理により求まるずれ量に誤差が生じずに済む。また、ずれ量の誤差が許容範囲となるのであれば、カメラ19がキャリッジ9に固定された第1実施形態に示すフォークリフト1でフォーク6を後傾角度に保持させてもよい。
【0096】
○ ロックオンシステム61の作動モードが荷置きモードのとき、フォーク自動位置決め制御としてフォーク6の位置合わせが上下方向にのみ行われることに限定されない。例えば、荷置きモードのときにも上下左右の4方向でフォーク6を自動で位置合わせしてもよい。
【0097】
○ ロックオンシステム61のフォーク自動位置決め制御は、リフトシリンダ8bとサイドシフトシリンダ11の2つを駆動させてフォーク6を上下左右の4方向で行うことに限定されない。例えば、リーチ操作も含ませて前後方向でもフォーク6を自動で位置合わせするようにしてもよい。
【0098】
○ 自動水平制御は荷取りモードと荷置きモードの両方で行われることに限定されず、例えば荷取りモードのときのみに実行してもよい。フォークリフト1ではフォーク6に荷26を載せた状態でフォーク自動位置決め制御によりサイドシフト操作させると、場合によっては荷崩れを起こすことも考えられるが、荷置きモード時には自動水平制御を行わないので、自動水平制御に起因する荷崩要因をなくせる。
【0099】
○ フォークリフト1には必ずしもディスプレイ装置25を搭載する必要はなく、ディスプレイ装置25がない構成でもよい。また、ディスプレイ装置25の配置位置は運転席15に対して前方斜め上方であることに限らず、運転席15から見える位置であればその配置位置は特に限定されない。
【0100】
○ ロックオンシステム61を作動させる作動スイッチ38は必ずしも必要ではなく、例えばカメラ19によりマークM1(M2)が画像認識された時点でフォーク6の位置合わせが開始される構成でもよい。また、作動スイッチ38は押ボタン式のものに限らず、例えばレバー式でもよい。また、操作手段は作動スイッチ38に代えて、ロックオンシステム61の作動を解除する解除スイッチでもよい。さらに、荷取りモードスイッチ62や荷置きモードスイッチ63はなくてもよく、荷重センサ55の検出値に基づき自動でモード設定されるのみの構成でもよい。
【0101】
○ 画像認識処理部72が行うパターンマッチング方法は、同一テンプレートT1(T2)を用いた2ヶ所マッチングに限定されない。例えば、表示画面25aに表示されるマークM1(M2)の表示サイズに合わせて複数のテンプレートを用意し、そのテンプレートを用いて1つ1つマッチングさせる方式でもよい。
【0102】
○ 走行操作や荷役操作を行うレバーはマルチレバー31に限らず、操作系ごとにレバーが別々にあるものでもよい。即ち、操作系・荷役系レバーとしてアクセルレバー、リフトレバー、リーチレバー、ティルトレバー、サイドシフトレバーを有するものでもよい。この場合、これらレバーのうちのどれかに作動スイッチ38が設けられる。
【0103】
○ フォークリフト1に搭載されるカメラは1つであることに限定されない。即ち、カメラは複数であってもよく、車両前方を撮影するカメラ19の他に、車両後方や側方を撮影するカメラを取り付けてもよい。
【0104】
○ 荷取りモードスイッチ62と荷置きモードスイッチ63のコントローラ48に対する接続方式は、有線方式と無線方式のどちらでもよい。本例ではスイッチ62,63がハンドルノブ17に設けられているので、ハンドル16は回転操作が行われることから、配線の干渉等を考慮に入れるとなるべく無線方式とした方がよい。
【0105】
○ 検出手段としてティルト角センサ41はポテンショメータに限らず、傾斜角センサ等の他の構成のものを用いてもよい。
○ 産業車両はリーチ型フォークリフトトラック1に限定されず、カウンタバランス式のフォークリフトでもよい。また、荷役機器もフォーク6に限定されず、ロールクランプなどの他のものを採用してもよい。
【0106】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)前記標識位置検出手段は、テンプレートを用いてパターンマッチングにより前記標識を画像認識する。この場合、パターンマッチング処理により標識を画像認識できる。
【0107】
(2)前記標識位置検出手段は、前記テンプレートを用いた2箇所マッチング処理により前記標識を画像認識する。この場合、標識のサイズ(大きさ)を算出することができる。
【0108】
(3)前記制御手段は前記アクチュエータを駆動して、前記荷役機器をリフト操作及びサイドシフト操作することで当該荷役機器を自動位置合わせする。この場合、上下左右方向で荷役機器を位置決めできる。
【0109】
(4)前記制御手段は前記アクチュエータを駆動して、前記荷役機器を上下左右前後方向で位置合わせする。この場合、荷役機器を上下左右前後方向で位置決めできる。
【0110】
(5)前記荷役機器の傾動角を調整するときに操作される傾動角用操作手段(37)を備え、前記自動位置決め制御作動時、かつ当該制御の作動モードが荷置きモードのとき、前記傾動角用操作手段を操作して前記荷役機器の傾動角が手動操作可能である。この場合、自動位置決め制御を行う構成とした際に荷役機器上の荷を好適な状態に調整することができる。
【0111】
(6)前記自動位置決め制御作動時、かつ当該制御の作動モードが荷置きモードのとき、前記荷役機器の傾動角を所定の後傾角度に保持する保持制御手段(50)を備えた。この場合、自動位置決め制御時に荷を落下し難くできる。
【0112】
(7)前記ずれ量算出手段は、前記標識情報検出手段により求まる前記標識の画面座標上における位置及びサイズに基づき、前記撮影手段の実座標上の位置を算出する実座標位置算出手段(77)を備え、
前記既知情報は実座標上における前記標識の位置を原点として、当該標識と目標点との間の距離、及び前記撮影手段の位置と前記荷役機器の位置との間の距離を構成要素とし、前記位置ずれ量算出手段は実座標上における前記撮影手段の位置と前記既知情報とを基に、前記荷役機器と目標点との間のずれ量を算出する。
【0113】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、画像処理を用いた自動位置決め制御により荷役機器が自動で位置合わせされるので、荷役作業時に運転者にかかる負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態におけるフォークリフトの斜視図。
【図2】 荷役作業を行うとき作業状態を説明する模式側面図。
【図3】 マルチレバーの平面図。
【図4】 フォーク自動位置決め制御についての説明図。
【図5】 キャリッジの側断面図。
【図6】 フォークリフトの電気的構成図。
【図7】 自動水平制御の説明図であり、(a)が自動水平制御前、(b)が自動水平制御後である。
【図8】 (a),(c)はマーク、(b),(d)はテンプレートの正面図。
【図9】 2箇所マッチングについての説明図。
【図10】 (a)は画面上に設定された画面座標系を示す画面図。(b)は実座標系を示す表示図。
【図11】 カメラ座標を求める際の算出方法を説明する説明図。
【図12】 フォークのずれ量の求め方を説明する説明図。
【図13】 荷取りモードのときの表示画面図であり、(a)は位置合わせ前、(b)は位置合わせ後である。
【図14】 荷置きモードのときの表示画面図であり、(a)は位置合わせ前、(b)は位置合わせ後である。
【図15】 別例におけるフォークリフトの斜視図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…車体、6…荷役機器としてのフォーク、5,8a,8b,11,12…アクチュエータを構成する各種シリンダ、7…マスト、7c…インナマスト、9…キャリッジ、19…撮影手段としてのカメラ、25…表示手段としてのディスプレイ装置、25a…表示画面、26…荷、27…荷役対象としてのパレット、28…荷役対象としての棚、38…操作手段としての作動スイッチ、41…検出手段としてのティルト角センサ、50…制御手段、水平制御手段、昇降制御手段を構成する荷役制御部、58…昇降用アクチュエータとしてのカメラ昇降モータ、62,63…モード切換手段としての各種スイッチ、66…標識位置検出手段としての画像処理部、67…表示制御手段としての描画表示部、70…移動目標点、73…記憶手段としてのテンプレート記憶部、75…標識情報検出手段としてのマーク位置算出部、76…移動目標点算出手段としての移動目標点算出部、77…位置ずれ量算出手段を構成する実座標位置算出部、78…位置ずれ量算出手段を構成するずれ量算出部、79…目標点算出手段としての既知情報設定部、M1,M2…標識としてのマーク、P,R…目標点、T1,T2…テンプレート、ずれ量…ベクトルFP、既知情報…ベクトルOP、ベクトルCF。

Claims (14)

  1. 荷役対象に設けられた標識を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段により得られた画像データを画像処理して、前記標識位置を検出する標識位置検出手段と、
    荷役機器の位置合わせ先となる目標点を算出する目標点算出手段と、
    前記標識位置検出手段の画像処理結果に基づき、前記目標点と現在の荷役機器の位置との間のずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、
    自動位置決め制御を作動して、前記位置ずれ量算出手段により求まる前記ずれ量をなくすようにアクチュエータを駆動して前記荷役機器を位置合わせする制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのとき前記荷役機器を前記目標点に対し上下左右方向で位置合わせし、前記作動モードが荷置きモードのとき前記荷役機器を上下方向にのみ位置合わせする産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  2. 前記自動位置決め制御を作動させるときに操作される操作手段を備えた請求項1に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  3. 前記撮影手段により撮影された画像を表示する表示手段を備えた請求項1又は2に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  4. 前記撮影手段の画像を表示する際の画面上で前記標識の表示サイズが変わっても、その標識を1つで認識可能な形状のテンプレートを記憶した記憶手段を備え、
    前記標識位置検出手段は、前記テンプレートを用いたパターンマッチング処理により前記標識を画像認識する請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  5. 前記自動位置決め制御の作動モードを荷役作業に応じたモードにマニュアル操作可能なモード切換手段を備えた請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  6. 前記荷役機器の傾動角を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出値に基づき、傾動用アクチュエータを駆動して前記荷役機器を車体に対して水平状態にする水平制御手段を備えた請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  7. 前記水平制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのときのみに作動する請求項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  8. 前記水平制御手段は、前記自動位置決め制御を行う前に自動水平制御を行って前記荷役機器を前記車体に対して水平状態にする請求項6又は7に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  9. 前記標識位置検出手段は、前記撮影手段により得られた画像データを基に、前記標識の画面座標上における位置及びサイズを検出する標識情報検出手段を備え、
    前記位置ずれ量算出手段は、前記標識情報検出手段から求まる前記標識の位置及びサイズと所定の既知情報とを基に前記ずれ量を算出する請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  10. 前記撮影手段は前記荷役機器を支持するキャリッジに対して取り付けられ、前記撮影手段が荷役作業に応じた配置位置となるように当該撮影手段を駆動する昇降用アクチュエータと、
    前記昇降用アクチュエータを駆動して前記撮影手段を昇降させる昇降制御手段とを備えた請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  11. 前記荷役機器がインナマストの最上端に位置した後の上方位置では、前記荷役機器とインナマストとの相対位置関係が不変となった状態でマストがスライド 伸縮する昇降機構を備え、
    前記撮影手段は、前記インナマストのうち前記荷役機器に荷を載せても前方が撮影可能となる位置に固定されている請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  12. 画面上において前記標識が位置すべき目標として移動目標点を算出する移動目標点算出手段と、
    前記表示手段の画面上に前記移動目標点を描画として表示させる表示制御手段とを備えた請求項1〜1のうちいずれか一項に記載の産業車両における荷役機器の自動位置制御装置。
  13. 求項1〜12のうちいずれか一項に記載の荷役機器の自動位置制御装置を備えた産業車両
  14. 撮影手段により得られた画像データを画像処理して、標識位置検出手段が荷役対象に設けられた標識の位置を検出し、目標点算出手段が荷役機器の位置合わせ先となる目標点を算出し、前記標識位置検出手段の画像処理結果に基づき、位置ずれ量算出手段が前記目標点と現在の荷役機器の位置との間のずれ量を算出し、前記位置ずれ量算出手段により求まる前記ずれ量をなくすように、制御手段が自動位置決め制御を作動することによりアクチュエータを駆動して前記荷役機器を位置合わせする荷役機器の自動位置制御方法であって、
    前記制御手段は、前記自動位置決め制御の作動モードが荷取りモードのとき前記荷役機器を前記目標点に対し上下左右方向で位置合わせし、前記作動モードが荷置きモードのとき前記荷役機器を上下方向にのみ位置合わせする荷役機器の自動位置制御方法
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