JP3900902B2 - 産業車両における荷役作業支援装置及び産業車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業車両に設けられた荷役機器の作業エリアを撮影した画像を、運転席などに設けられた表示手段の画面を通して見られるようにし、例えばパレットなどの荷役対象に荷役機器を位置合わせする位置合わせ作業を支援する産業車両における荷役作業支援装置及び産業車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、この種の産業車両であるフォークリフトでは、多段式のマストが車体に備えられ、フォーク等の荷役機器(アタッチメント)を有したキャリッジがマストに沿って昇降可能に設けられている。例えば棚の高所で荷取作業や荷置作業をする際は、運転者は荷役レバー(リフトレバー)を操作して多段式マストを油圧駆動でスライド伸長させることにより、フォーク等の荷役機器をマストに沿って上昇させ、荷役機器を棚上のパレットまたは棚面に対し所定の位置関係となるように位置合わせを行う。
この際、運手者は高所(例えば3〜6メートル)を仰ぎ見ながらフォークがパレットの穴または棚面の少し上方位置に合ったかどうかを目で確認しつつ荷役レバーを操作する必要がある。しかし、高所を下方から仰ぎ見ながらフォークとパレット等が水平方向に位置合わせされたかを目視で判断することは困難で、熟練者でもこの位置合わせに時間を要するという問題があった。
【0003】
従来、例えば米国特許5586620号には、キャリッジにカメラを取り付け、フォーク正面に見える棚やパレット等の様子を撮影した画像を、運転席にいる運転者が表示装置の画面を通して見られるようにすることで、高所でのフォークの位置合わせ作業を支援する装置が知られている。この場合、カメラで撮影された画像を表示装置の画面を通して見られるので、高所の荷役作業でも運転者はフォークの位置合せ作業を比較的簡単かつ正確に行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高所を見上げてフォークを目標とする荷に目視によりおおよそ位置合わせした後、画面上でフォークを目標とする荷に対し位置合わせすることになる。しかし、画面上にはその位置合わせのためにフォークを移動させるべき移動目標とすべき目印となるものが何もなかったので、何を目標に位置合わせすればよいか画面上で目標取りがしにくいという問題があった。
【0005】
また、カメラで撮影した作業エリアの画像データを基にパレットや棚部の位置を画像処理によって割り出し、フォークを目標とするパレットや棚部などの荷役対象に対して自動で位置合わせする自動制御を採用することも考えられる。この場合、画面を見てフォークが自動で位置合わせされたことの完了を容易に知ることができないという問題がある。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、荷役機器の作業エリア(荷役対象)を映し出す表示手段の画面に表示された画像上に、荷役機器を位置合わせするための位置決め情報を表示(描画)することにより、画面を通して荷役機器を位置合わせするときの助けとすることができる産業車両における荷役作業支援装置及び産業車両を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されていることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示されることを要旨とする。
請求項1〜3に記載の発明によれば、検出手段によって、撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置が検出される。演算手段によって、この位置データを基に荷役機器を荷役対象に対し位置合わせするときの位置決め情報が演算される。そして、描画制御手段により表示手段の画面に荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報が描画される。
【0010】
請求項4に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行することを要旨とする。
請求項6に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示されることを要旨とする。
【0011】
請求項4〜6に記載の発明によれば、検出手段によって、撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって画面上における荷役対象の位置が検出される。演算手段によって、荷役機器を荷役対象に対し位置合わせするときの表示手段の画面上における移動目標点が位置演算される。そして、描画制御手段により画面の画像上には、移動目標点の位置を報知するための位置決め情報が描画される。
請求項1,4に記載の発明によれば、荷役作業の種別(荷取作業・荷置作業)に応じて荷役機器に対するカメラの配置位置が異なる。荷が荷役機器に取られた状態で行われる荷置作業時は、カメラは荷役機器に取られた荷によって作業エリア(荷役対象)の撮影が妨げられない位置(高さ)に移動配置される。例えば、荷取作業時にほぼ正面から荷役対象(作業エリア)を撮影できるようにカメラを位置設定し、荷置作業時には荷役機器に取られた荷によって荷役対象の撮影が遮られないようにカメラを配置することが可能になるので、カメラによりなるべく荷役機器の位置合わせに適切な位置から撮影することが可能となる。
請求項2,5に記載の発明によれば、マストの構成部材に固定されたカメラは、荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するとき、荷役機器に対し少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保つことになる。従って、所定揚高以上の揚高ではカメラによって荷役機器の作業エリア(荷役対象)を荷役機器に対し常に同じ撮影位置から撮影できることになる。よって、カメラをマストの構成部材に固定する簡単なカメラ取付構造を採用でき、この際、画面の画像上に描画される目印によって荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を視認できる。
請求項3,6に記載の発明によれば、検出手段により、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象が位置検出され、表示手段には検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される。
【0012】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記位置決め情報は、前記荷役機器と荷役対象との位置関係の情報であることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、表示手段には荷役機器と荷役対象との位置関係の情報が表示される。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、前記表示手段に表示される前記位置決め情報は、前記荷役機器と荷役対象との位置関係を方向及び量で示す文字情報であることを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、表示手段には、荷役機器と荷役対象との位置関係を方向及び量で示す文字情報が表示される。
上記目的を達成するために請求項9に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されていることを要旨とする。
請求項10に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行することを要旨とする。
請求項11に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示されることを要旨とする。
【0015】
請求項9〜11に記載の発明によれば、検出手段によって、撮影手段により撮影された画像データを基に画面上における荷役対象の位置が検出される。演算手段によって、荷役機器を荷役対象に対し位置合わせするときの表示手段の画面上における移動目標点が位置演算される。そして、描画制御手段により画面の画像上には、移動目標点の位置を視認させるための目印が描画される。従って、画面上に描画された目印から荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を画面を通して視認することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、荷役作業の種別(荷取作業・荷置作業)に応じて荷役機器に対するカメラの配置位置が異なる。荷が荷役機器に取られた状態で行われる荷置作業時は、カメラは荷役機器に取られた荷によって作業エリア(荷役対象)の撮影が妨げられない位置(高さ)に移動配置される。例えば、荷取作業時にほぼ正面から荷役対象(作業エリア)を撮影できるようにカメラを位置設定し、荷置作業時には荷役機器に取られた荷によって荷役対象の撮影が遮られないようにカメラを配置することが可能になるので、カメラによりなるべく荷役機器の位置合わせに適切な位置から撮影することが可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、マストの構成部材に固定されたカメラは、荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するとき、荷役機器に対し少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保つことになる。従って、所定揚高以上の揚高ではカメラによって荷役機器の作業エリア(荷役対象)を荷役機器に対し常に同じ撮影位置から撮影できることになる。よって、カメラをマストの構成部材に固定する簡単なカメラ取付構造を採用でき、この際、画面の画像上に描画される目印によって荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を視認できる。
請求項11に記載の発明によれば、検出手段により、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象が位置検出され、表示手段には検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される。
【0016】
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発明において、前記検出手段は、前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を割り出すための画像認識処理を行う画像認識手段であることを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、撮影手段により撮影された画像データを基に画面上における荷役対象の位置を割り出すための画像認識処理が画像認識手段により行われることで、画面上における荷役対象の位置が割り出される。従って、表示手段の画面に荷役機器の作業エリア(荷役対象)を映し出すために用いられる撮影手段の画像データを利用して荷役対象の位置の割り出し処理が行われる。
【0018】
前記目的を達成するために請求項13に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されていることを要旨とする。
請求項14に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行することを要旨とする。
請求項15に記載の発明では、荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示されることを要旨とする。
【0019】
請求項13〜15に記載の発明によれば、前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの移動目標点を視認させるための目印が、表示手段の画面の画像上に描画される。従って、例えば画面上のマークが目印と一致するように荷役機器を移動させることにより荷役機器の荷役対象に対する位置合わせを行うことができる。また荷役機器が自動で位置合わせされるときには安心感が得られるとともに、マークが目印で示された移動目標点に一致(許容範囲内での一致も含む)したことをもって、位置合わせ制御の完了を知ることもできる。
請求項13に記載の発明によれば、荷役作業の種別(荷取作業・荷置作業)に応じて荷役機器に対するカメラの配置位置が異なる。荷が荷役機器に取られた状態で行われる荷置作業時は、カメラは荷役機器に取られた荷によって作業エリア(荷役対象)の撮影が妨げられない位置(高さ)に移動配置される。例えば、荷取作業時にほぼ正面から荷役対象(作業エリア)を撮影できるようにカメラを位置設定し、荷置作業時には荷役機器に取られた荷によって荷役対象の撮影が遮られないようにカメラを配置することが可能になるので、カメラによりなるべく荷役機器の位置合わせに適切な位置から撮影することが可能となる。
請求項14に記載の発明によれば、マストの構成部材に固定されたカメラは、荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するとき、荷役機器に対し少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保つことになる。従って、所定揚高以上の揚高ではカメラによって荷役機器の作業エリア(荷役対象)を荷役機器に対し常に同じ撮影位置から撮影できることになる。よって、カメラをマストの構成部材に固定する簡単なカメラ取付構造を採用でき、この際、画面の画像上に描画される目印によって荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を視認できる。
請求項15に記載の発明によれば、検出手段により、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象が位置検出され、表示手段には検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される。
【0020】
請求項16に記載の発明では、請求項1〜15のいずれか一項に記載の発明において、産業車両には、前記荷役機器を移動させる手動操作をするための手動操作手段と、前記手動操作手段の手動操作に応じて前記荷役機器を移動させる駆動手段を駆動制御する制御手段とが備えられている。前記演算手段は、前記手動操作手段の手動操作によって前記荷役機器を移動させるときの前記表示手段の画面上における移動目標点を演算する。
【0021】
この発明によれば、荷役機器を手動操作手段の手動操作により移動させる際、表示手段の画面上には荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を示す目印が画像上に描画される。従って、例えば高揚高における荷役機器の位置合わせを画面上に映し出された画像を見ながら行うときに、画面の画像上に描画された目印を目標にして画面上の荷役対象が動くように手動操作手段を手動操作して荷役機器を移動させればよい。よって、画面を見ながら荷役機器を荷役対象に位置合わせする作業がし易くなる。
【0026】
請求項17に記載の発明では、産業車両には荷役機器を有するキャリッジが車体に設けられたマストに沿って昇降可能に設けられている。前記荷役機器の作業エリアを撮影可能にカメラは前記マストの構成部材に設けられている。表示手段は、前記カメラにより撮影された画像を画面に表示する。判別手段は、荷役機器により行われる荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する。検出手段は、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じて荷役対象を決定し、前記カメラにより撮影された画像データを基に、当該荷役対象の位置検出用の被画像認識対象を画像認識処理することにより前記表示手段の画面上における該荷役対象の位置を検出する。演算手段は、前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する。描画制御手段は、前記表示手段の画面上における前記移動目標点を視認させる目印を該画面の画像上に描画する。
【0027】
この発明によれば、カメラがマストの構成部材に固定される簡単な取付構造であるため、カメラの取付構造に比較的コストをかけず、表示手段の画の画像面上に移動目標点を示す目印を描画することが可能になる。従って、例えば荷役機器を荷役対象に対し手動操作で位置合わせするタイプの産業車両において、コストをあまりかけず荷役機器を荷役対象に位置合わせする際の移動目標点の目印を画面上に描画でき、その目印により画面上における移動目標点の位置を簡単に視認させることが可能となる。
【0030】
請求項18に記載の発明は、産業車両は、請求項1〜17のいずれか一項に記載の荷役作業支援装置を備えている。
この発明によれば、請求項1〜17のいずれか一項に記載の荷役作業支援装置を備えていることから、請求項1〜17のいずれか一項に記載の発明と同様の作用が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明をフォークリフトの位置検出装置に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0032】
図1に示すように、産業車両としてのリーチ型フォークリフトトラック(以下、フォークリフトという)1は、荷役機器としてのフォーク2を用いて荷役作業を行う。車体3の前部から前方へ延出する左右一対のリーチレグ4の先端部に左右の前輪(従動輪)5がそれぞれ取付けられており、後輪である駆動操舵輪6は、車体3に配備されたバッテリ7を電源とする走行用モータ8の動力により走行駆動される。運転者は車体3の後部右側に設けられた立席タイプの運転席9に立った状態で、ハンドル10を操作して駆動操舵輪6を操舵することによりフォークリフト1を運転する。
【0033】
車体3の前側に配備された荷役装置(マスト装置)11は、リーチシリンダ12の駆動により左右のリーチレグ4に沿って前後方向に移動(リーチ動作)可能に設けられている。荷役装置11は、多段式(本例では3段式)マスト13と、荷役用のキャリッジ14と、中央のリフトシリンダ15Aと、左右一対のリフトシリンダ15B(片側のみ図示)とを備えている。マスト13はアウタマスト13A、ミドルマスト13Bおよびインナマスト13Cからなる3段マストである。本実施形態の荷役装置11は、キャリッジ14がインナマスト13Cの最上位置に一旦到達後はじめてマスト13のスライド伸長が開始されるテレスコピック型(フルフリー型)である。すなわち、リフトシリンダ15Aはインナマスト13Cの底板に立設されており、リフトシリンダ15Aが駆動することによりキャリッジ14は、インナマスト13Cに沿って昇降する。リフトシリンダ15Bはアウタマスト13Aの背面に立設され、キャリッジ14がインナマスト13Cの最上端に位置することが検知された状態で駆動され、その駆動により3段マスト13A,13B,13Cがスライド伸縮する。フォーク2は例えば最高約6メートルまで上昇する。
【0034】
フォークリフト1には、高所(高揚高範囲)におけるフォーク2の位置合わせ操作を支援する荷役操作支援装置(フォーク位置決め操作支援装置)20が設けられている。荷役操作支援装置20は、キャリッジ14を構成するサイドシフタ16の前面中央部に縦長に延びた状態に組付けられたカメラ昇降装置21を備える。カメラ昇降装置21は、キャリッジ14の前面中央部に組付けられたハウジング22に収納されその下方から出没するように昇降する昇降式のカメラユニット23を備えている。カメラユニット23は、ハウジング22内に格納される格納位置と、ハウジング22の下端から突出する下降位置との間を昇降する。カメラユニット23はその下端部に撮影手段としてのカメラ(例えばCCDカメラ)24を内蔵し、撮影部(レンズ部)24Aからフォーク前方の荷役作業エリアの撮影が可能となっている。また格納位置からでも、ハウジング22の前面下部に形成された撮影窓22Aを通してフォーク前方の荷役作業エリアをカメラ24によって撮影可能となっている。つまり、カメラ24は格納位置と下降位置の二位置からフォーク前方の荷役作業エリアを撮影可能である。サイドシフタ16は、マスト13に昇降可能に組付けられたリフトブラケット(図示せず)に対し左右方向に移動可能な状態に組付けられており、サイドシフト時はフォーク2とともにカメラ昇降装置21も一緒に左右にシフトする。
【0035】
また、ルーフ27には運転席9に立つ運転者からよく見える位置に表示手段としての表示装置(液晶ディスプレイ装置(LCD))28が取り付けられている。表示装置28の画面には、荷役作業時にカメラ24によって撮影されたフォーク前方の画像が映し出されるようになっている。
【0036】
また、インストルメントパネル上には、図2に示す操作レバー(マルチレバー)31が設けられている。操作レバー31は、これ1つで走行操作と荷役操作の全ての操作を可能とするもので複数種類の操作部を備えている。
【0037】
操作レバー31は、インストルメントパネル上の所定箇所に形成されたスロット32に沿って前後方向に傾動するレバー本体33を備えている。レバー本体33は操作しない状態ではパネル面に対し略垂直となる中立位置にバネ(図示せず)の付勢力により復帰する。レバー本体33の上端部にはグリップ34が車幅方向に対し30度〜60度程度の角度をもって傾斜する姿勢に取付けられている。グリップ34の左端部には、略円筒形のノブ35が軸線Cを中心に回転可能に設けられている。またグリップ34の左部分前縁にシーソースイッチ36が、グリップ34の左部分背面に十字スイッチ37が、グリップ34の左部分前面に作動スイッチ38がそれぞれ設けられている。グリップ34は、運転者が右肘を付いて右手で握る状態で使用される。グリップ34を握った状態では、親指でノブ35と十字スイッチ37を操作でき、人差し指でシーソースイッチ36を操作でき、中指で作動スイッチ38を操作できる。なお、同図における円内がA方向から見た十字スイッチ37である。
【0038】
グリップ34を握った右手でレバー本体33を前方に傾けるとフォークリフト1が前進し、レバー本体33を後方に傾けるとフォークリフト1が後進する。ノブ35に形成された突起35Aを親指で上方へ押してノブ35を上側に回すとフォーク2が上昇し、親指で突起35Aを下方へ押してノブ35を下側に回すとフォーク2が下降する。また、人差し指でシーソースイッチ36の前端を押すと荷役装置11が前方に移動し、人差し指でシーソースイッチ36の後端を押すと荷役装置11が後方に移動する。十字スイッチ37は上下・左右の4方向に操作可能になっており、上下方向の操作でマスト13のティルトを操作し、左右方向の操作でサイドシフトを操作する。親指で十字スイッチ37の上端部を押すとマスト13が前傾し、十字スイッチ37の下端部を押すとマスト13が後傾する。また親指で十字スイッチ37の右端部を押すとフォーク2が右方向に移動し、十字スイッチ37の左端部を押すとフォーク2が左方向に移動する。
【0039】
図3に示すように、本実施形態では、荷役対象である棚40とパレット41には、フォーク2を棚40またはパレット41に対して位置合わせする際の位置目標とするマークM1,M2が付されている。すなわち、パレット41の正面と背面には2つの差込穴41A間中央部にパレット位置検出用のマークM1が付されている。一方、棚40の棚部(ビーム)42にはその正面中央部に棚位置検出用のマークM2が付されている。ここで、パレット41に付されたマークM1と、棚部42に付されたマークM2は互いに白黒が反転した模様の図形となっている。カメラ24により撮影されたマークM1(またはM2)の画面上の位置からフォーク2と荷役対象(パレット41または棚部42)の左右(Y方向)・上下(Z方向)のずれ量を算出し、そのずれ量を無くすようにフォーク2を荷役対象に自動で位置合わせするフォーク自動位置合わせ制御が行われる。
【0040】
次に、荷役操作支援装置20の電気的構成を図4に基づいて説明する。
荷役操作支援装置20はコントローラ45を備える。コントローラ45は、画像制御部46、荷役制御部47、駆動回路48,49およびソレノイド駆動回路50を備えている。
【0041】
画像制御部46にはその入力側にカメラ24が電気的に接続され、映像信号(画像信号)が入力されるとともに、その出力側には表示装置28およびスピーカ51が接続されている。画像制御部46は、カメラ24からの映像信号(画像信号)を基に表示装置28の画面に撮影画像を表示させる。また画像制御部46は、撮影画像中からマークを画像認識する画像認識処理(テンプレートマッチング処理)をし、この画像認識によって把握される画面上(画面座標系)におけるマークの位置から荷役対象の位置を把握する。そして荷役対象を捉えられる位置にフォーク2を位置合わせする際の目標となる目標移動点(目標目印)を画面上に表示させる表示処理を行う。この表示処理では、目標移動点を案内する方法として、表示装置28の画面に目標マークを表示させる方法を採用する。この表示処理については後で詳述する。またスピーカ51からは荷役作業支援状況や作業者への指示内容などが音声ガイドで知らせられる。
【0042】
一方、荷役制御部47には、上限位置検知スイッチ52、下限位置検知スイッチ53、マルチレバー31の各ポテンショメータ54,55およびスイッチ36〜38、さらに揚高検出手段としての揚高センサ58、荷重センサ59、ティルト角センサ60などが接続されている。また荷役制御部47には、駆動回路48,49を介して昇降駆動手段としての電動アクチュエータ61および荷役モータ(電動モータ)62がそれぞれ接続されるとともに、ソレノイド駆動回路50を介してオイルコントロールバルブ64に組付けられた各種電磁比例弁65〜69のソレノイドが接続されている。なお、荷役制御部47および荷重センサ59により判別手段が構成される。
【0043】
荷役制御部47は、各ポテンショメータ54,55、スイッチ36,37からの信号を基に電磁比例弁65〜69の電流値制御と荷役モータ62の駆動制御を行う。荷役モータ62の作動により荷役ポンプ(油圧ポンプ)70が駆動されることでオイルコントロールバルブ65に作動油が供給される。マルチレバー31の操作信号を基にその操作に対応する各電磁比例弁65〜69が比例制御されることにより、リフトシリンダ15A,15B、リーチシリンダ12、サイドシフトシリンダ71、ティルトシリンダ72が油圧制御され、フォーク2の昇降操作、リーチ操作、サイドシフト操作、ティルト操作が可能となっている。なお、シリンダ15A,15B,71により駆動手段が構成される。
【0044】
荷役制御部47は、マルチレバー操作時の荷役制御の他、カメラユニット23の昇降制御と、フォーク自動位置合わせ制御とを司る。フォーク自動位置合わせ制御は、フォーク2を一定高さ以上に上昇させて行われる高所の荷役作業を支援するためのもので、揚高センサ58により検出されたフォーク2の揚高が設定揚高(例えば約2メートル)以上にあるときに限り行われる。荷役制御部47は荷重センサ59の検出値を基にフォーク2上の荷の有無を判断して荷役モードを判別し、フォーク2上に荷が無く荷重検出値が閾値以下となる「荷取りモード」では、カメラユニット23を格納位置に配置し、フォーク2上に荷が有って荷重検出値が閾値を超える「荷置きモード」では、カメラユニット23を下降位置に配置する。カメラユニット23の昇降のため駆動された電動アクチュエータ61は、カメラユニット23が上限位置に達して上限位置検知スイッチ52がオンしたときと、カメラユニット23が下限位置に達して下限位置検知スイッチ53がオンしたときに駆動停止される。
【0045】
画像制御部46は、表示処理部75、画像処理部76、描画表示部77、描画データ記憶部78および音声合成部79を備える。表示処理部75は、カメラ24により撮影された画像が画面に映し出されるようにカメラ24から入力した映像信号を表示装置28に出力する。また音声合成部79は、音声アナウンス(音声ガイド)などのための音声合成処理を行ってスピーカ51に音声信号を出力する。また表示処理部75からの画像データが画像処理部76に入力される。なお、描画表示部77および描画データ記憶部78により描画制御手段が構成される。
【0046】
画像処理部76は、画面上のマークM1,M2の位置を割り出す画像認識処理と、その割り出したマーク位置を基に車両(フォーク2)と荷役対象との位置関係を演算する。画像処理部76は、画像認識処理部81、テンプレート記憶部82、画像演算部83および演算手段としての表示位置決定部84を備えている。画像認識処理部81はパターンマッチング処理による画像認識処理を行う。画像演算部83は、車両と荷役対象との車幅方向のずれ量が許容範囲を超える場合にそのずれ量を無くすために必要な車両の幅寄せ方向および幅寄せ距離を算出する。表示位置決定部84は、幅寄せ方向および幅寄せ距離を指示する表示を画面上のどの位置に表示させるべきかその表示位置を決定する。なお、画像処理部76は、マイクロコンピュータ(マイコン)およびメモリ(ROM)等に格納されたプログラムデータによって構成される。また描画表示部77および描画データ記憶部78は、描画制御用ゲートアレイと描画用VRAMにより構成される。また、画像認識処理部81、テンプレート記憶部82および画像演算部83によって、検出手段および画像認識手段が構成される。
【0047】
図5は、マークとテンプレートを示す。同図(a)はパレット位置検出用のマークM1を示し、同図(c)は棚位置検出用のマークM2を示す。また同図(b)がマークM1用のテンプレートT1、同図(d)がマークM2用のテンプレートT2である。
【0048】
マークM1はパターンP1,P1を2個並べて構成され、マークM2はパターンP2,P2を2個並べて構成されている。マークとは全体の模様、パターンとはマークを構成する2つの模様を指す。パターンマッチング処理に使うテンプレートT1,T2は、パターンP1,P2と同じ模様を有する。2つのマークM1,M2の各パターンP1,P2は、互いに白と黒が反転した模様となっている。
【0049】
各パターンP1,P2は、一点を中心として放射状に真っ直ぐ延びる複数本の境界線によって白と黒に色分けされた模様である。本実施形態の各パターンP1,P2は、正方形の2本の対角線により区画された4つの領域を白と黒で色分けした模様である。但し、テンプレートの四角形の辺に相当する外形線は模様の一部ではない。マークとカメラの距離の違いに応じて画面28A上に映し出されるマークM1,M2の大きさが変化しても、その撮影されたパターンP1,P2の中心部分には常にテンプレートT1,T2と同サイズのパターンが存在するので、1つのテンプレートT1,T2を用いただけのパターンマッチング処理によりマークM1,M2を認識できるようになっている。テンプレートT1,T1は、カメラ24から所定距離以内で撮影されたマークM1,M2は全て認識可能となるような所定サイズ(前記所定距離離れた撮影時のマークサイズと同サイズ以下のサイズ)に設定してある。
【0050】
図4に示すテンプレート記憶部82には、2つのテンプレートT1,T2のデータが記憶されている。画像認識処理部81は、荷役制御部47から通知された荷役モードが「荷取モード」であればテンプレートT1を使用し、「荷置モード」であればテンプレートT2を使用する。つまり荷取モードであればパレット位置検出用のマークM1を認識するパターンマッチング処理が行われ、荷置モードであれば棚位置検出用のマークM2を認識するパターンマッチング処理が行われる。
【0051】
図6(a)は画面上に設定された画面座標系を示す。画面座標系では座標を画素の単位で取り扱い、同図(a)における画面28Aでは、横方向画素数H、縦方向画素数Vとなっている。ここではマークM2を例にして説明する。画像認識処理部81は、同図(b)に示すように、画像データ上のマークM2を構成する2つのパターンP2,P2に対しテンプレートT2により2箇所でマッチングし、各パターンP2,P2を認識する。画像演算部83は、画像認識処理部81が認識した2つのパターンP2,P2の各中心点(放射中心点)の座標(I1 ,J1 ),(I2 ,J2 )をそれぞれ算出し、これら2つの座標値を基にマークM2の重心(I,J)とパターンP2,P2の中心間距離Dを求める。なお、マークM1についてもI,J,D値の求め方は同様である。
【0052】
図7は、実座標系を示す。実座標系は同図のようにマークMの中心(重心)を原点Oとし、マークMに垂直な方向でカメラ24と逆の向きにX軸、X軸を水平面内で反時計回りに90度回転した方向にY軸、鉛直方向(上方向)にZ軸をとる3次元座標を想定している。そしてこの実座標系でカメラ24の相対座標(相対位置)(Xc,Yc,Zc)を求め、この相対座標を基にフォーク2の位置ずれ量を算出する。図6に示す画面座標系において計算したデータI,J,Dを使用し、幾何変換を行って実座標系の相対座標(Xc,Yc,Zc)は計算される。
【0053】
以下、I,J,D値からカメラ24の実座標系における相対座標(Xc ,Yc ,Zc )を求める計算方法について説明する。
図8は、実座標系でカメラとマークを上から見た図を示す。また図9は、実座標系と画面座標系について相似関係にあることを示す。同図左側がカメラ24に撮影された実座標系のYZ平面を示すもので、同図右側がカメラ24に撮影された画像の画面座標系におけるIJ平面を示す。像の歪みを考慮しなければ、これらの2つの像は相似関係にある。
【0054】
図8,図9に示すように、実座標系において撮影範囲の横幅は、2L・tan αで示され、これは画面座標系では画面28Aの横方向画素数Hとなる。ここで、角度「α」は、図8に示すようにカメラ24の水平画角の2分の1である。またLは、カメラ24とYZ平面との間の距離であり、|Xc |に等しい(L=|Xc |)。また、実座標系におけるマークM内の2つのパターンP,Pの中心間距離dは、画面座標系では中心間距離Dとなる。つまり実座標系と画面座標系の相似比は、d:Dとなる。また、原点Oから像の中心までの横座標については、実座標系のYc と、画面座標系のI−H/2とが対応関係にある。また原点Oから像の中心までの縦座標については、実座標系のZc と、画面座標系のJ−V/2とが対応関係にある。
【0055】
画面座標系の座標(I,J)と距離Dの値を用いて、図9の相似関係を用いた幾何変換を行えば、図7に示す実座標系(XYZ座標系)におけるカメラ24の相対座標(Xc,Yc,Zc)は、次式より算出される。
Xc =−L=−Hd/(2Dtan α) … (1)
Yc =d/D(I−H/2) … (2)
Zc =d/D(J−V/2) … (3)
ここで、H,V,α,d値は既知の値であるため、I,J,D値を算出すれば、座標(Xc,Yc,Zc)が求まる。
【0056】
荷役制御部47には、相対座標算出部85および制御量算出部86が備えられている。相対座標算出部85は、画像制御部46から荷役制御部47へ送られたデータI,J,Dを基に、実座標系におけるカメラ24の相対座標OC(Xc,Yc,Zc )を算出する。制御量算出部86は、この実座標系で求めたカメラ24の相対座標(相対位置)(Xc,Yc,Zc)を基に、フォーク2を荷役対象に位置合わせする際のフォーク2と目標位置との位置ずれ量を演算する。すなわち、フォーク2を荷役対象に位置決めするときに必要なX、Y、Z方向の移動距離を計算する。
【0057】
図11は、画像認識処理からフォーク自動位置合わせ制御までの制御処理の流れを説明するものである。
まず画像データを取得すると、画像認識処理部81がテンプレート記憶部82からテンプレートTを読み出してパターンマッチング処理を行う。画像演算部83は、画像認識処理部81で認識されたパターンの位置を基にマークMの重心座標(I,J)とパターン中心間距離Dを画面座標系(画素レベル)で算出する。ここで算出されたデータI,J,Dは、表示位置決定部84に送られる。表示位置決定部84は、データI,J,Dを基に、フォーク2を荷役対象(パレット41または棚部42)に位置合わせするときの画面28A(画面座標系)におけるマークMの移動目標点の座標を演算する。
【0058】
ここで、図10に示すように、カメラ位置C、フォーク位置F、パレット位置P、マーク重心位置(原点)Oとおき、荷取作業時に、フォーク位置Fをパレット位置Pに位置合わせするときのベクトルFPを考えると、ベクトルFP=ベクトルOP−ベクトルOC−ベクトルCFの関係にある。ここで、点Cと点F、点Oと点Pはそれぞれ同一鉛直線上の位置にとるものとする。ベクトルCF,OPは、それぞれカメラ位置Cとフォーク位置Fとの距離、マーク重心位置Oとパレット位置Pとの距離に相当し、共に既知情報である。
【0059】
この既知情報についてベクトルOPの成分(Xp,Yp,Zp)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)とそれぞれおくと、フォーク2をパレット41に位置合わせするために画面28A上でマークM1を移動させるべき移動目標点の座標(It,Jt)は、次式により与えられる。
It=H/2+(Yp−Ycf)*D/d … (4)
Jt=V/2+(Zp−Zcf)*D/d … (5)
ここで、Yp,Zp、Ycf、Zcfは、既知の値である。
【0060】
同様に、荷置作業時を考えると、フォーク2を棚部42に対し位置合わせする棚面42Aから所定距離(10〜20cm)上方位置を荷置位置Rとおくと、ベクトルCF,ORが既知情報となる。ベクトルORは、マーク重心位置Oと荷置位置Rとの距離に相当する。この既知情報についてベクトルORの成分(Xr,Yr,Zr)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)とそれぞれおくと、フォーク2を荷置位置Rに位置合わせするために画面28A上でマークM2を移動させるべき移動目標点の座標(It,Jt)は、次式により与えられる。
It=H/2+(Yr−Ycf)*D/d … (6)
Jt=V/2+(Zr−Zcf)*D/d … (7)
ここで、Yr,Zr、Ycf、Zcfは、既知の値である。
上記(4) 〜(7) の各式の求め方については後述する。表示位置決定部84で算出された移動目標点の座標(It,Jt)は、描画表示部77に送られ、画面28Aの画像上における移動目標点の位置に図13に示す移動目標点マーク87を描画する描画処理が行われる。移動目標点マーク87は、4つの三角形が頂点を中心を向けて等角度間隔に配置された図形からなり、各4頂点で囲まれた中心点が移動目標点を指し示す。
【0061】
またデータI,J,Dは荷役制御部47へ送られる。相対座標算出部85は、データI,J,Dを基に、実座標系におけるカメラ24の相対座標OC(Xc,Yc,Zc )を算出する。制御量算出部86は、カメラ24の相対座標(Xc,Yc,Zc)を基に、既知情報(ベクトルCF,OP)を用いてフォーク2を荷役対象に位置合わせする際のフォーク2と目標位置との位置ずれ量(ベクトルFPの各成分)を演算する。すなわち、フォーク2を荷役対象に位置決めするときに必要なX、Y、Z方向の移動距離を計算する。
【0062】
ベクトルFPは次式で表される。
ベクトルFP=−ベクトルCF−ベクトルOC+ベクトルOP
よって、荷取作業時の位置ずれ量(Xfp、Yfp,Zfp)は、
(Xfp、Yfp,Zfp)=(Xcf−Xc+Xp,Ycf−Yc+Yp,Zcf−Zc+Zp)
荷置作業時の位置ずれ量(Xfr、Yfr,Zfr)は、
(Xfr、Yfr,Zfr)=(Xcf−Xc+Xr,Ycf−Yc+Yr,Zcf−Zc+Zr)
となる。
【0063】
この位置ずれ量のデータは画像制御部46に送られ、描画表示部77は、位置ずれ量のデータであるX,Y,Z方向の各距離の数値を示すテキストデータを、描画データ記憶部78から読み出して、画面28Aの上段の文字情報表示領域に図13に示すように描画する。この結果、フォーク2を荷役対象に位置合わせするために必要なフォーク2のX,Y,Z方向の各移動距離が描画される。ここで「距離」は荷役対象までの距離(前後方向の移動距離)、「横」は左右方向の移動距離(右方向を正)、「高さ」は上下方向の移動距離(上方向を正)を示す。
【0064】
例えば荷取作業時は、「距離Xfp」、「横Yfp」、「高さZfp」の位置決め情報が文字情報で描画され、荷置作業時は「距離Xfr」、「横Yfr」、「高さZfr」の位置決め情報が文字情報で描画される。このため、画面28A上に文字情報で表示された各方向の距離を見ることにより、フォーク2をどの方向にどれだけの距離だけ移動させればよいかが容易に分かる。
【0065】
そして、荷役制御部47は、ベクトルFPが「0」になるような制御量指令値をソレノイド駆動回路50に出力する。但し、本実施形態では、フォーク2の上下方向および左右方向についてのみ自動位置制御を行い、前後方向(リーチ方向)については運転者による手動操作に任せている。このため、荷役制御部47は、ベクトルFPのうちYZ成分を「0」とするよう算出したフォーク2の上下方向および左右方向の各シフト量に応じた値を制御量指令値としてソレノイド駆動回路50に出力する。これによりフォーク2は上下方向および左右方向については自動で位置合わせされる。この結果、フォーク2は荷取モード時はパレット41の差込穴41Aに位置決めされ、荷置モード時は棚部42から所定距離上方の目標位置に位置合わせされる。この位置合わせの後、リーチ操作を行ってマスト13をリーチさせることにより荷取作業または荷置作業が行われる。なお、フォーク2のリーチ動作も自動制御で行ってもよい。
【0066】
次に移動目標点の演算方法について、図12(a),(b)を用いて説明する。ここで、同図12(a)は実座標系、同図(b)は画面座標系である。
図12(a)に示すように、実座標系においてマークMを含む仮想平面(YZ平面)Gを考える。この仮想平面Gは、カメラ24によって撮影され画面28Aに映し出される撮影領域に相当するもので、カメラ24の移動とともに一緒に移動するものと仮定する。荷取作業時を考えたとき、フォーク2をパレット41に位置合わせするため、カメラ24が仮想平面Gと平行にベクトルFP(X成分は考えない)移動すれば、このときカメラ24と共に仮想平面Gが移動することで、仮想平面G上においてマークMは移動目標点マーク87へ向かって移動して原点Oが移動目標点Tに一致する。よって、
ベクトルOT=−ベクトルFP … (8)
と表される。
【0067】
また同図(b)に示すように、移動目標点Tの画面座標を(It,Jt)とおく。実座標系で原点O(画面座標(I,J))からカメラ位置Cを見たベクトルOCの成分(Xc,Yc,Zc)は、画面座標(I,J)を用いて、前記(2) ,(3) 式で表される。よって、移動目標点T(画面座標(It,Jt))からカメラ位置Cを見たベクトルTCの成分(Xtc,Ytc,Ztc)についても、画面座標(It,Jt)を用いて、前記(2) ,(3) 式の関係が同様に成り立つことから、以下のように表される。
Ytc=d/D(It−H/2) … (9)
Ztc=d/D(Jt−V/2) … (10)
またベクトルTC=ベクトルOC−ベクトルOT … (11)
の関係から、(8) 式の関係を(11)式に代入すると、
ベクトルTC=ベクトルOC+ベクトルFP … (12)
ここで、
ベクトルFP=ベクトルOP−ベクトルCF−ベクトルOC …(13)
(13)式の関係を(12)式に代入して、
ベクトルTC=ベクトルOP−ベクトルCF … (14)
ここで、ベクトルOPの成分(Xp,Yp,Zp)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)である。移動目標点の座標(It,Jt)を求める方法は、マークMが移動目標点Tに置き換わったと考えれば、前記(2),(3) の式において、ベクトルOCの成分→ベクトルTCの成分、I→It、J→Jtに置き換えて計算すればよい。ベクトルTCの成分(Xtc,Ytc,Ztc)は、(14)式の関係を用いて、
よって、(9) ,(15) 式から、
Yp−Ycf=d/D(It−H/2) … (16)
また、(10),(15)式から、
Zp−Zcf=d/D(Jt−V/2) … (17)
上記(16),(17) 式をそれぞれIt,Jtについて解くと、荷取作業のときの移動目標点Tの座標(It,Jt)が、前記(4) ,(5) 式のように求まる。
【0068】
同様に、荷置作業時を考えると、フォーク2を棚部42から所定距離(10〜20cm)上方の荷置位置Rに位置合わせするため、カメラ24が仮想平面Gと平行にベクトルFR(X成分は考えない)移動すれば、このときカメラ24と共に仮想平面Gが移動することで、仮想平面G上においてマークM2は移動目標点マーク87へ向かって移動して原点Oが移動目標点Tに一致する。よって、
ベクトルOT=−ベクトルFR … (18)
と表される。この(18)式を(11)式に代入すると、
ベクトルTC=ベクトルOC+ベクトルFR … (19)
ここで、
ベクトルFR=ベクトルOR−ベクトルCF−ベクトルOC …(20)
さらに(20)式の関係を(19) 式に代入して、
ベクトルTC=ベクトルOR−ベクトルCF … (21)
ここで、ベクトルORの成分(Xr,Yr,Zr)、ベクトルCFの成分(Xcf,Ycf,Zcf)である。移動目標点の座標(It,Jt)を求める方法は、マークMが移動目標点Tに置き換わったと考えれば、前記(2),(3) 式において、ベクトルOCの成分→ベクトルTCの成分、I→It、J→Jtに置き換えて計算すればよい。ベクトルTCの成分(Xtc,Ytc,Ztc)は、(21)式の関係を用いて、
最終的に求めたいのは、最終到達点にマークMがあるときの画面座標なので、上記(2),(3) 式に、前記(22) 式の関係を代入し、移動目標点の座標(It,Jt)について解くと、荷置作業のときの移動目標点Tの座標が、前記(6) ,(7) 式のように求まる。
【0069】
次に、フォーク自動位置合せ制御および移動目標点マーク87の描画処理について説明する。
まずフォーク2が設定揚高を超える揚高にあるときには、カメラ24によって撮影された画像データを基に、マークMを画像認識する画像認識処理(マーク認識処理)が行われる。すなわち荷取モードであるとテンプレートT1を用いてマークM1を認識する画像処理を行い、荷置モードであればテンプレートT2を用いてマークM2を認識する画像処理を行う。そして画像認識されたマークMの画面上における位置データI,J,D値を求める。
【0070】
表示位置決定部84は、このうちのデータD値を用いて、移動目標点Tの座標(It,Jt)を演算する。すなわち、荷取作業時は、データD値を用いて式(4),(5) に従って移動目標点Tの座標(It,Jt)を演算し、荷置作業時は、データD値を用いて式(6),(7) に従って移動目標点Tの座標(It,Jt)を演算する。この座標データ(It,Jt)は描画表示部77に送られる。描画表示部77は、表示位置決定部84からの指示に従って描画データ記憶部78から表示マーク用の図形データを読み出し、図13(a)に示すような移動目標点マーク87を画像の上に重ねるように座標(It,Jt)位置に表示する。
【0071】
荷取作業時の画面28Aには、フォーク2がパレット41に位置合わせされる際にマークM1が最終的に到達すべき移動目標点Tを指し示す移動目標点マーク87が表示される。一方、荷置作業時の画面28Aには、フォーク2が棚部42から所定距離上方に位置合わせされた際にマークM2が最終的に到達すべき移動目標点Tを指し示す移動目標点マーク87が表示される。
【0072】
マルチレバー31の作動スイッチ38を操作すると、フォーク自動位置合わせ制御が開始される。荷役制御部47では、位置データI,J,D値を基にマークMを原点Oとするカメラ24の相対位置座標(Xc,Yc,Zc)が算出される。そして、ベクトルFPを零とすべくYc,Zc値を共に零にする制御量を求める。そして荷役制御部47はこの制御量を基にソレノイド駆動回路44を介してリフト用電磁比例弁65,66とサイドシフト用電磁比例弁68を電流値制御し、リフトシリンダ15A,15Bとサイドシフトシリンダ71を必要に応じて駆動制御することでフォーク2を位置合わせする。その結果、フォーク2が上下方向に−Zc移動するとともに、左右方向に−Ycだけ移動する。
【0073】
フォーク2が移動することによって例えば荷取作業時には、図13(b)に示すように、移動目標点マーク87の中心点である移動目標点TにマークM1の中心点が一致し、フォーク2は差込穴41Aに一致する荷取位置に位置決めされる。一方、荷置作業時には、この移動目標点マーク87の中心点である移動目標点TにマークM2の中心点が一致し、フォーク2は棚面42Aから約10〜20cm上方の荷置位置に位置決めされる。
【0074】
このようにマークMが移動すべき移動目標点Tを画面28A上で見ることができるので、マークMと移動目標点マーク87の各中心点の一致を確認することで、フォーク2が位置決めされたかどうかを容易に視認することができる。また、荷役作業時に作業者が意図する荷役対象にフォーク2が正しく位置合せされたかどうかを判断することもできる。
【0075】
この実施の形態では、以下の効果が得られる。
(1)フォーク自動位置合わせ制御が行われる際、画面28Aには荷役対象に付されたマークMの移動目標点を示す移動目標点マーク87が画像上に描画される。よって、画面28A上における移動目標点マーク87の描画位置から、フォーク2を荷役対象に位置合わせするときにマークMを移動させるべき移動目標点を画面28Aから一目で視認できる。よって、運転者が意図する荷役対象に付されたマークMが移動目標点マーク87に向かって画面28A上を移動する過程から、フォーク2が位置合わせされる様子を確認できる。そして、画面28A上で両マークM,87が一致したことをもって、フォーク2の自動位置合わせ制御が完了したことを画面28Aを通して知ることができる。
【0076】
(2)荷役対象に付された位置検出用のマークM(画像認識対象)を選びその移動目標点にマーク87を描画する手法を採用したので、画面28A上に表示または描画された2つのマークM,87に着目すればこれらの位置関係からフォーク2の位置合わせの様子を容易に把握することができる。
【0077】
(3)移動目標点マーク87と一致したマークMがパレット41のものか棚部42のものかを見ることで、フォーク2の位置合わせが成功したかミスしたかを画面28A上の画像を通して簡単に見つけることができる。
【0078】
(4)フォーク2と荷役対象41,42との3方向(X,Y,Z方向)のずれ量を画面28A上に数値で描画するようにしたので、フォーク2をどの方向にどれだけの距離移動させればよいかを運転者は知ることができる。
【0079】
(5)フォーク自動位置合わせ制御において、運転者は制御があとどのくらいで終了するかを知ることができ、制御が順調に進行している安心感、制御終了時の次の動作へのタイムリーな心構えを得ることができる。
【0080】
(6)荷取モードと荷置モードを区別して移動目標点マーク87を描画するので、どちらの荷役モードにも対応できる。
(7)カメラ24(カメラユニット23)をキャリッジ14に対し昇降する昇降式とし、荷役作業の種別(荷取作業・荷置作業)に応じて格納位置と下降位置の二位置にカメラ24を移動配置するようにした。この結果、フォーク2上に荷の無い荷取作業時には、格納位置に配置されたカメラ24によってフォーク2と略同じ高さから作業エリアを撮影でき、一方、フォーク2上に荷のある荷置作業時には、下降位置に配置されたカメラ24によって荷に遮られることなく作業エリアを撮影できる。従って、画面28Aに映し出された画像の撮影角度がフォーク2の位置合わせに都合がよい。
【0081】
(8)高所での荷役作業を支援するために設けたカメラ24および表示装置28を利用し、その表示装置28の画面28Aに移動目標点を視認させるための目印となる移動目標点マーク87を描画させる。つまり、カメラ24に撮影された画像データを用いた画像認識処理によりマークMの位置を割り出し、フォーク自動位置合わせ制御のために求めたこのマークMの位置データ(I,J,D)を利用して移動目標点の座標を算出して移動目標点マーク87の描画位置を求める。従って、移動目標点の位置算出だけのために追加される演算処理が少しで済み、移動目標点マーク87を画面28Aに描画する描画処理を追加しても、フォーク自動位置合わせ制御のためのCPUの処理負担をさほど増やさずに済む。
【0082】
(第2の実施形態)
この実施形態では、カメラがマストの構成部材に固定されているカメラ固定式の荷役作業支援装置を採用する。
【0083】
図14に示すように、マスト13は外側から順にアウタマスト91、ミドルマスト92およびインナマスト93により構成されている。インナマスト93の高さ方向中央よりやや上方位置にはビーム94が横架されており、このビーム94の下側にはカメラ95がビーム94に固定された状態で取り付けられている。カメラ95はその撮影部95Aによりフォーク2の作業エリアを撮影可能に前方を向く状態に配置されている。
【0084】
図15は、荷役装置(マスト装置)の上部を正面から見たもので、キャリッジ14はインナマスト13Cの最上位置に配置されている。キャリッジ14がインナマスト93の最上位置に配置された状態において、カメラ95はフォーク2の所定距離下方に位置し、左右方向(車幅方向)にはキャリッジ14がサイドシフトしていない状態下で一対のフォーク2間中心線上に位置する。マスト13はキャリッジ14がインナマスト93の最上位置に一旦到達後はじめてスライド伸長を開始するテレスコピック型(フルフリー型)である。このため、キャリッジ14がインナマスト93の最上位置に到達したの後のマスト伸長時、すなわちキャリッジ14がインナマスト93の最上位置に到達した所定揚高以上の揚高では、フォーク2とカメラ95との位置関係は上下方向において常に一定に保たれる。
【0085】
図15にけるカメラ95の位置は、フォーク2に対し前記第1の実施形態におけるカメラ下降時の位置にほぼ相当しており、フォーク2上に荷が積載されている荷置作業時にもそのときの荷役対象である棚部42に付されたマークM2を撮影できるようになっている。もちろん、フォーク2上に荷が積載されていない荷取作業時にはそのときの荷役対象であるパレット41に付されたマークM1を撮影できるようになっている。このようにカメラ95がインナマスト93に固定されている点が前記第1の実施形態と異なるのみで、カメラ95が電気的に接続されたコントローラ45は、前記第1の実施形態と同様に、カメラ95に撮影された画像データを用いた画像処理および荷役制御などを司る。
【0086】
サイドシフトシリンダ71にはストロークセンサ73が設けられており、ストロークセンサ73によりサイドシフトシリンダ71のストローク量が検出される。ストロークセンサ73の検出結果によりフォーク2のサイドシフト量が把握され、フォーク2とカメラ95との左右方向(Y方向)の相対位置関係、すなわちカメラ95とフォーク2のY方向のずれ量が把握される。
【0087】
図16は、荷役操作支援装置20の電気構成ブロックを示す。同図に示すように、荷役操作支援装置20は、前記第1の実施形態と基本的に同様の電気的構成であり、昇降式のカメラに替え、インナマスト93に固定された固定式のカメラ95を採用する点が異なるのみである。従って、前記第1の実施形態の電気的構成に比べてカメラ昇降装置用のセンサ類およびアクチュエータが廃止された構成となっている。本実施形態では、ストロークセンサ73の計測値から求められたカメラ95とフォーク2のY方向のずれ量を用いて、移動目標点、およびフォーク2と荷役対象とのX,Y,Z方向のずれ量が計算されるようになっている。
【0088】
次にカメラ24がインナマスト13Cに固定された本実施形態における移動目標点の計算方法について説明する。
荷取作業時にフォーク2をパレット41に位置合わせするために画面28A上でマークM1を移動させるべき移動目標点の座標(It,Jt)は、前記第1の実施形態と同様に次式により与えられる。
It=H/2+(Yp−Ycf)*D/d … (4)
Jt=V/2+(Zp−Zcf)*D/d … (5)
ここで、Itは画面上の移動目標点横座標、Jtは画面上の移動目標点縦座標、Hは画面の横方向画素数、Vは画面の縦方向画素数、Ypはフォーク根元左右中心の移動目標点をマークM1から見た横座標、Zpはフォーク根元左右中心の移動目標点をマークM1から見た縦座標、Ycfはフォーク根元左右中心をカメラから見た横座標、Ycfはフォーク根元左右中心をカメラから見た縦座標、dは実際のマークの距離、Dは画像処理により取得したマークサイズ[画素]、Ycfはストロークセンサ73を用いて計測および算出する。Yp,Zp、Ycf、Zcfは、既知の値である。
【0089】
また荷置作業時にフォーク2を棚部42に対し棚面42Aから所定距離(10〜20cm)上方の荷置位置Rに位置合わせするために画面28A上でマークM2を移動させるべき移動目標点の座標(It,Jt)は、次式により与えられる。
It=H/2+(Yr−Ycf)*D/d … (6)
Jt=V/2+(Zr−Zcf)*D/d … (7)
ここで、Yrはフォーク根元左右中心の移動目標点をマークM2から見た横座標、Zrはフォーク根元左右中心の移動目標点をマークM2から見た縦座標であり、共に既知の値である。
【0090】
前記第1の実施形態では、カメラ24がサイドシフタ16に付いておりフォーク2と共に動くためYcfは固定値であったが、本実施形態ではサイドシフトによりフォーク2が横方向に動いてもカメラ24は動かないので、Ycfはサイドシフトの状態によって変化する変数となる。従って、上記(4),(6)式において、Ycfは例えばストロークセンサ73で計測して求める。
【0091】
ストロークセンサ73により、サイドシフトシリンダ76が一杯に伸びた状態からの縮み量ΔYを測定し、ΔY=0のときのYcfをYcf0とすると、Ycfは次式で表される。
Ycf=Ycf0+ΔY … (23)
この(23)式を(4),(6)式の「It」値を求める計算式に代入すれば以下の式が求まる。
It=H/2+(Yp−Ycf0−ΔY) * D/d … (24)
It=H/2+(Yr−Ycf0−ΔY) * D/d … (25)
ここで、Ycf0は、サイドシフトシリンダ71が伸びきった際にフォーク根元左右中心をカメラ24から見た横座標、ΔYは、サイドシフトシリンダ71が一杯に伸びきった状態からの縮み量(ストロークセンサ73により計測)、Zcfは、フォーク根元左右中心をカメラから見た縦座標である。
【0092】
この第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(9)カメラ24をインナマスト93に固定しているので、前記第1の実施形態で採用したカメラ昇降装置を不要にでき、カメラ24を有する撮影システムを簡易構造かつ低コストで実現することができる。しかも、画面28A上には移動目標点マーク87が描画されることにより、運転者は画面28Aの画像上に描画されたマーク87からフォーク2を移動させるべき移動目標点を一目で視認できる。従って、第1の実施形態で述べた効果(1)〜(6),(8)も同様に得られる。
【0093】
(第3の実施形態)
この実施形態は、フォークを自動位置合わせする自動制御が採用されていない点が前記各実施形態と異なる。図17は荷役操作支援装置の電気構成ブロックを示す。カメラ95は前記第2の実施形態と同様でインナマスト93に固定された固定式である。
【0094】
荷役制御部47は、自動位置合わせ制御を行わないため、相対座標算出部85および制御量算出部86は廃止されている。荷役制御部47には、運転席9のインストルメントパネルに設けられた荷役レバー、すなわちリフトレバー96、リーチレバー97、サイドシフトレバー98およびティルトレバー99の操作を検出する各センサ101〜104およびセンサ58〜60,96が電気的に接続されている。荷役制御部47は、各センサ101〜104の信号を基にソレノイド駆動回路50を介して電磁比例弁のソレノイド65〜69を電流値制御し、各レバー96〜99の操作に応じてシリンダ12,15A,15B,71,72を駆動制御する。なお、レバー96,98により手動操作手段が構成される。
【0095】
このようにレバーを手動操作してシリンダを駆動制御する手動操作式であるが、高揚高の作業エリアをカメラ95で撮影した画像は表示装置28の画面28A上に表示される。画像制御部46は、前記各実施形態と同様の構成を有しており、カメラ95で撮影された画像データを基に、マークの画像認識処理、マークの位置データ演算処理、移動目標点算出処理、移動目標点マークなどの位置決め情報の描画処理などを司る。
【0096】
よって、画面28A上には、所定揚高以上の揚高にあるときには、フォーク2の移動目標点を知らせる移動目標点マーク87が描画されることになる。このため、高揚高で撮影された高所での作業エリアの画像が表示装置28の画面28Aに表示され、画面28Aを見ながらフォーク2の位置合わせを手動操作で行うときに、その移動目標点をマーク87から視認することができる。また画面28A上にはフォーク2と荷役対象41,42とのX,Y,Z方向のずれ量も描画される。よって、前記各実施形態と同様に効果(2),(4)〜(6)を得ることができる。
【0097】
(10)運転者は画面28A上に描画されたフォーク2と荷役対象41,42との3方向のずれ量(移動距離)が「0」になるように荷役操作すれば、フォーク2を荷役対象41,42に確実に位置決めすることができる。よって、高揚高など目視しにくい位置での荷役作業効率を向上させることができる。
【0098】
なお、実施の形態は上記に限定されず、次の態様で実施することもできる。
○前記各実施形態では、荷役作業内容が荷取作業か荷置作業かを荷重センサの検出値を基に判別し、その判別した荷役作業の種別に応じて目標とするマークMを決定し、荷役対象をパレットとするか棚部とするかを決定する構成とした。これに対し例えば運転席のインストルメントパネル上に荷役作業を指定するために操作するボタンを設け、運転者がボタン操作により自ら荷役作業の種別をコントローラに対し指定する方法を採用することもできる。
【0099】
○ カメラが撮影した画像データを基に画像認識処理をする対象(被画像認識対象)は、荷役対象に付されたマークM1,M2に限定されない。例えばパレット41または棚部42の形状等をパターンとして画像認識処理をし荷役対象の位置を割り出す手法を採用することもできる。
【0100】
○ 移動目標点マーク87のデザインは、前記各実施形態のものに限定されない。移動目標点を特定できる形状であれば足りる。例えば移動目標点を指し示す矢印図形など方向性を持つ形状の図形を採用することができる。また移動目標点に重心が一致するように丸や三角、四角、多角形などの所定形状のマークを描画してもよい。移動目標点を示す目印として画面に表示するマークは、任意のデザインや図形とすることができる。例えば「十字」、「点」「線(ライン)」などでもよい。例えば十字線であれば、マークMの重心が十字線を構成する縦横の2本の線にそれぞれ一致するように位置合わせすればよいので、手動操作方式の場合にフォークの位置合わせ操作がし易い。さらに放射状の図形やその他の線図、イラストでもよい。但し、前記各実施形態で用いたような点対象の性質を持つ図形であると、一点を特定し易いので好ましい。また目印(目標点標識)は、静止画像に限らず動画画像(アニメーション)であっても構わない。またマークを点滅させてもよく、マークが時間経過とともに色変化してもよい。フォークをパレットの穴に挿入可能な位置範囲を位置合わせ範囲と見なせるので、この位置合わせ範囲内にフォークが位置合わせされたときにその旨を運転者に視覚的に知らせるために、目印の表示色を変えるようにしてもよい。
【0101】
○ 移動目標点を運転者に視覚的に知らせることができれば必ずしも移動目標点の位置にマークを表示することに限定はされない。例えば移動目標点のI座標とJ座標を個々に指し示す2つの目印を、画面28Aの縦と横の二辺に沿って描画し、両目印からI座標とJ座標を特定することで移動目標点を画面上に特定する手法を採用することもできる。
【0102】
○ 画像認識マークとして放射状の図形を採用したが、このような図形に限定されない。四角(■)や三角(▲)などの単純図形でもよい。パターンマッチングによりテンプレートを多数用意する必要があって画像認識処理に時間を要することにはなるが、荷役対象の位置検出はすることができる。またパターンマッチング以外の画像認識方法を採用し、荷役対象の位置検出を行ってもよい。さらに画像認識以外の方法を用いて移動目標点座標を求める方法を採用することもできる。例えばパレットや棚部などの荷役対象に付した被検出部をセンサにより検出することにより荷役対象の位置を検出する方法を採用できる。
【0103】
○ 位置決め情報とは、荷役機器を荷役対象に位置決めする際の方向およびずれ量が分かる情報であれば足りる。すなわち前記実施形態のように位置決めのためにフォーク2をシフトさせる距離そのものである必要はない。例えば画面のスケールを100としてYZ方向の位置決めのためのシフト量を相対的な量として示すゲージを描画させても構わない。
【0104】
○ 前記各実施形態における移動目標点マーク87は、画面28A上におけるマークMの移動目標点としたが、マークMの移動目標点とする必要は必ずしもない。例えばパレット41の一方(例えば右側)の穴41Aを基準とし、この穴41Aの移動目標点を指し示す移動目標点マークを描画してもよい。要するに荷役機器を荷役対象に位置合わせするときに都合のよい基準点をどこかに決め、荷役機器を荷役対象に位置合わせするときにその基準点を移動させるべき移動目標点を指し示す目印が描画されれば足りる。そして、この基準点はその役割を果たしえる限り車両以外のどこに決めてもよく、荷役対象の一部、荷役対象の周辺の特定箇所(例えば棚の特定箇所)、あるいはこれらの部位や箇所に付された目印(マーク)とすることもできる。基準点を目印(マーク)とする場合、そのマークは画像認識用のマークを流用する必要は必ずしもなく、基準点用のマークをマークM1,M2とは別に設けることもできる。
【0105】
○ 前記各実施形態では、移動目標点マークによってフォーク2を上下方向および左右方向に位置決めできるようにしたが、上下または左右の1方向のみに位置決めできる移動目標点マークを画面に表示させてもよい。
【0106】
○ 第3の実施形態のようにフォークの位置合わせを手動操作で行う場合、上下方向と左右方向にフォークを操作する必要があるが、このとき、上下方向と左右方向のそれぞれの移動方向で位置が合ったら、位置が合った旨を視覚的に分かる表示態様で示すか、音声で知らせる方法を採用する。
【0107】
○ 第2及び第3の実施形態において、カメラ24をインナマスト93に昇降可能に設けてもよい。すなわち、カメラ24とフォーク2との相対位置関係において、第1の実施形態における格納位置と下降位置に相当する二位置を昇降可能にカメラ24をインナマスト93のビームに取り付ける。荷取作業時には格納位置に配置されたカメラ24で撮影し、荷置作業時には下降位置に配置されたカメラ24で撮影する。
【0108】
○ 荷役対象の位置情報を得る検出手段は、カメラの撮影画像データの画像処理によるものに限定されない。例えば超音波センサ、近接センサ、レーザー式センサなどを使用してその検出値から荷役対象の位置を測長し、ずれ量または移動目標点を計算する方法を採用することもできる。この場合、荷役対象に被検出対象としてのマークを付すことにし、このマークの移動目標点を移動目標点マークの描画位置として採用することもできる。また画像処理以外のセンサによる位置検出方法を採用する場合、カメラは併存させてもよいし廃止してもよい。例えばカメラを廃止した場合は、表示装置の画面にXYZ方向の数値だけ表示させたり、荷役対象と移動目標点の位置関係が分かるマークのみ描画させることもできる。またカメラがある場合も、撮影画像は荷役対象の位置検出のみに用い、同様に画面には数値のみ、またはマークのみの描画を行うのみであってもよい。
【0109】
○ 前記各実施形態ではフォーク位置決め支援の仕方として荷役対象に付されたマークMと移動目標点マーク87を画面上で一致させるようにした。これに対し、撮影されたマークに替え、現在のフォーク位置を示すマークを画面上の適宜な位置に描画し、このマークに対する移動目標点に別のマークを描画することで、2つの描画マークの位置関係からフォークの位置決めを支援する方法を採用することもできる。
【0110】
○ 前記各実施形態では、3方向(XYZ方向)のずれ量(移動距離)を表示したが、YZ方向のみ、Z方向のみを表示するだけとしてもよい。
○ フォーク(荷役機器)が車幅方向に移動可能に設けられた産業車両に限定されない。例えばサイドシフト機能を備えないフォークリフトに適用することもできる。
【0111】
○ 荷役機器はフォークに限定されない。フォーク以外のアタッチメントでもよい。また荷を把持するクランプ装置、荷をすくうバケットでもよい。さらに荷を磁着によって把持する荷役機器でもよい。
【0112】
○ 産業車両はリーチ型フォークリフトに限定されない。カウンタバランス型フォークリフトでもよい。また産業車両はフォークリフトに限定されない。例えばパワーショベルでもよい。なお荷役作業の対象とされる荷は、パレットやパレットで取り扱われる荷物に限定されず、丸太、ロール紙、コンテナ、土砂等の流動物など産業車両が作業で扱う対象であればよい。またパレット以外の荷載置用部材や荷収容箱をも含む。
【0113】
前記実施形態及び別例等から把握される技術的思想を、以下に記載する。
(1)前記マストは、多数段の構成部材がスライドすることで伸縮するとともに、前記荷役機器が前記構成部材のうちインナマストの最上段に移動配置された後、前記マストがはじめてスライド伸長する機構を有するテレスコピック型の多段式マストであって、前記カメラは前記インナマストに固定されている。
【0114】
(2)前記技術的思想(1)において、前記カメラは、前記インナマストのビームに固定された状態で、前記荷役機器の幅方向略中央に相当する位置に配置されている。
【0115】
(3)前記荷役対象には位置合わせの基準とする基準マークが付されており、前記演算手段は、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における前記基準マークの移動目標点を位置演算するもので、前記描画制御手段は、前記画面の画像上に前記基準マークの前記移動目標点を指し示す目印を描画することを特徴とする。なお、前記各実施形態では、被画像認識対象であるマークM1,M2が、ここでいう基準マークを兼ねている。この構成によれば、画面上において基準マークが移動目標点の目印に一致するように荷役機器を移動させれば、画面を見ながら荷役機器が荷役対象に位置合わせされたことを確認できる。
【0116】
(4)前記被画像認識対象は前記荷役対象に位置を割り出すために付されたマークである。
(5)前記画像認識手段は、前記荷役対象の位置を特定するために付されたマークを前記撮影手段により撮影された画像データを基に画像認識して画面上における該マークの位置を割り出すものであって、前記演算手段は、前記画像認識手段により割り出された前記マークの位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における前記マークの移動目標点を位置演算するもので、前記描画制御手段は、前記画面の画像上に前記マークの前記移動目標点を指し示す目印を描画することを特徴とする。
【0117】
(6)前記目印は、点対象の性質を持つ図形からなり、該目印はその点対象の点が前記移動目標点と一致するように描画される。この構成によれば、目印として使用される図形の形状から、その目印によって指し示される移動目標点を容易に一点に特定できる。
【0118】
(7)前記荷役対象とは、パレット又は棚部である。ここで、棚部とは、棚に荷を収納する荷役作業時に荷役機器の位置合わせの対象(基準)となる棚の部分である。
【0119】
【発明の効果】
以上詳述したように各請求項に記載の発明によれば、荷役機器の作業エリア(荷役対象)を映し出す表示手段の画面の画像上に、荷役機器を位置合わせするための位置決め情報が表示(描画)されるため、画面を通して荷役機器を位置合わせするときの助けとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるフォークリフトの斜視図。
【図2】 操作レバーの平面図。
【図3】 棚に対する荷役作業の様子を示す斜視図。
【図4】 荷役操作支援装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】 マークとテンプレートを示す正面図。
【図6】 (a)画面座標系を説明する画面図、(b)マッチング方法の説明図。
【図7】 実座標系を説明する模式斜視図。
【図8】 実座標系を説明する平面図。
【図9】 実座標系と画面座標系との関係を示す相関関係図。
【図10】 位置合わせ制御を説明する模式図。
【図11】 位置合わせ制御の処理の流れを示すブロック図。
【図12】 描画位置の演算方法を説明する図であり、(a)は実座標系、(b)は画面座標系をそれぞれ示す模式図。
【図13】 位置合わせ制御における画面を示し、(a)は移動目標点マークが表示された状態の画面図、(b)は位置合わせ終了時の画面図。
【図14】 第2の実施形態におけるフォークリフトの斜視図。
【図15】 カメラがマストに固定された荷役装置の模式部分正面図。
【図16】 荷役操作支援装置の電気的構成を示すブロック図。
【図17】 第3の実施形態における荷役操作支援装置の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…荷役機器としてのフォーク、3…車体、11…荷役装置、13…マスト、14…キャリッジ、15…駆動手段としてのリフトシリンダ、20…荷役作業支援装置としての荷役操作支援装置、23…撮影手段を構成するカメラユニット、24…検出手段及び撮影手段を構成するカメラ、28…表示手段としての表示装置、28A…画面、31…手動操作手段としての操作レバー(マルチレバー)、40…棚、41…荷役対象としてのパレット、42…荷役対象としての棚部、45…制御手段としてのコントローラ、46…表示制御部、47…判別手段を構成するとともに制御手段としての荷役制御部、58…揚高検出手段としての揚高センサ、59…判別手段を構成する荷重センサ、61…昇降駆動手段としての電動アクチュエータ、71…駆動手段としてのサイドシフトシリンダ、73…ストロークセンサ、76…画像処理部、77…描画制御手段を構成する描画表示部、78…描画制御手段を構成する描画データ記憶部、81…検出手段及び画像認識手段を構成する画像認識処理部、82…画像認識手段を構成するテンプレート記憶部、83…検出手段、画像認識手段及び演算手段を構成する画像演算部、84…演算手段としての表示位置決定部、85…相対位置演算手段としての相対座標算出部、87…目印としての移動目標点マーク、93…マストの構成部材としてのインナマスト、96…手動操作手段としてのリフトレバー、98…手動操作手段としてのサイドシフトレバー、M1,M2…被画像認識対象としてのマーク。
Claims (18)
- 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、
前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されている産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、
前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、
前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、
前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行する産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段の撮影エリア内における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの位置決め情報を演算する演算手段と、
前記表示手段の画面に前記荷役機器を荷役対象に位置決めする際の位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されている産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、
前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、
前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行する産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを画像処理することによって前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を報知するための位置決め情報を描画する描画制御手段とを備え、
前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される産業車両における荷役作業支援装置。 - 前記位置決め情報は、前記荷役機器と荷役対象との位置関係の情報である請求項1〜6のいずれか一項に記載の産業車両における荷役作業支援装置。
- 前記表示手段に表示される前記位置決め情報は、前記荷役機器と荷役対象との位置関係を方向及び量で示す文字情報である請求項1〜7のいずれか一項に記載の産業車両における荷役作業支援装置。
- 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されている産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、
前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、
前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行する産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された位置データを基に、前記荷役機器を荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点の位置を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される産業車両における荷役作業支援装置。 - 前記検出手段は、前記撮影手段により撮影された画像データを基に前記画面上における前記荷役対象の位置を割り出す画像認識処理を行う画像認識手段である請求項1〜11のいずれか一項に記載の産業車両における荷役作業支援装置。
- 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは前記荷役機器に対し昇降可能に設けられ、前記荷役機器による荷役作業が荷取作業か荷置作業であるかを判別する判別手段と、前記判別手段に より判別された荷役作業の種別に応じた高さに前記カメラを前記荷役機器に対し移動配置するよう駆動される昇降駆動手段とを備え、荷置作業時の前記カメラの配置位置は前記荷役機器に取られた荷によって作業エリアの撮影が妨げられない位置に設定されている産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記撮影手段を構成するカメラは、前記荷役機器を有するキャリッジが昇降可能に設けられたマストの構成部材に対し固定され、前記荷役機器が所定揚高以上の揚高を昇降するときに該荷役機器と前記カメラとが少なくとも高さ方向に一定の位置関係を保ったまま前記キャリッジが前記マスト上を移動するように荷役装置が構成されており、
前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段を備え、
前記描画制御手段は、前記揚高検出手段により検出された揚高が前記所定揚高以上のときに、前記演算手段により演算された移動目標点の位置データを基に前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する処理を実行する産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役作業をするために車体に移動可能に設けられた荷役機器と、
前記荷役機器による作業の対象となる荷役対象を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
前記表示手段の画面上における前記荷役対象に付されたマークの前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記画面の画像上に前記移動目標点を視認させるための目印を描画する描画制御手段とを備え、
前記検出手段は、荷取作業と荷置作業を区別して荷役対象を位置検出し、前記表示手段には前記検出手段により位置検出された荷役対象の荷取作業か荷置作業に応じた位置決め情報が表示される産業車両における荷役作業支援装置。 - 前記荷役機器を移動させる手動操作をするための手動操作手段と、前記手動操作手段の手動操作に応じて前記荷役機器を移動させる駆動手段を制御する制御手段とを備え、
前記演算手段は、前記手動操作手段の手動操作によって前記荷役機器を移動させるときの前記表示手段の画面上における移動目標点を演算する請求項1〜15のいずれか一項に記載の産業車両における荷役作業支援装置。 - 荷役機器を有するキャリッジが車体に設けられたマストに沿って昇降可能に設けられた産業車両において、
前記荷役機器の作業エリアを撮影可能に前記マストの構成部材に設けられたカメラと、
前記カメラにより撮影された画像を画面に表示する表示手段と、
荷役機器により行われる荷役作業が荷取作業か荷置作業かを判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された荷役作業の種別に応じて荷役対象を決定し、前記カメラにより撮影された画像データを基に、当該荷役対象の位置検出用の被画像認識対象を画像認識処理することにより前記表示手段の画面上における該荷役対象の位置を検出する検出手段と、
前記荷役機器を前記荷役対象に位置合わせするときの前記表示手段の画面上における移動目標点を位置演算する演算手段と、
前記表示手段の画面上における前記移動目標点を視認させる目印を該画面の画像上に描画する描画制御手段と
を備えた産業車両における荷役作業支援装置。 - 請求項1〜17のいずれか一項に記載の荷役作業支援装置を備えている産業車両。
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