JP3892527B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、高い強度および剛性を有し、摺動性に優れ、かつ良好な外観を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂は優れた機械特性、耐熱性を有し、エンジニアリングプラスチックとして広く使用されている。さらに芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレーク等に代表される強化材、およびフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂およびオレフィンワックス等に代表される摺動性付与材を配合した樹脂組成物は高強度、高剛性および摺動特性の必要な用途、例えばギアに代表される内部機構部材の各種用途、に従来より広く使用されてきている。すなわち従来かかる芳香族ポリカーボネート樹脂に強化材および摺動性付与材を配合した組成物はほとんど人目に触れることのない個所に使用され、よって成形品の外観に対して特に要求されることはなかった。しかしながら近年CD−ROMドライブにおけるCDトレイ、カーCDまたはMDチェンジャーのCDまたはMDチェンジャートレイ、カメラの鏡筒等に代表される、高強度、高剛性および摺動性が必要でありながら、かつ人目に触れやすいため良好な成形品の外観の要求される用途が数多く現れている。しかしながら芳香族ポリカーボネート樹脂に強化材および摺動性付与材を配合した組成物は外観がきわめて悪化するという欠点があるため、かかる外観の要求される用途での使用は困難であった。一般的に熱可塑性樹脂組成物の成形品の外観を改良する手段として成形時の金型温度を高める方法がある。また樹脂組成物に流動改質剤を添加することが効果的であることも広く知られており、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の場合には流動改質剤として脂肪族ポリエステルやリン酸エステル化合物等が広く知られている。しかしながらかかる芳香族ポリカーボネート樹脂に強化材および摺動性付与材を配合した組成物に対しては、成形時の金型温度の高温化や流動改質剤の添加を行っても、表面の平滑性は向上するもの、表面に不均一な縞模様が発生し外観は十分に改良されない。そのため現在は芳香族ポリカーボネートに強化材を配合し、得られた成形品にグリースや摺動塗料を塗布する方法、強化材として平均粒子径が6μm未満のタルクに代表される粒径の小さな特定の強化材を使用し外観の悪化を防止する方法、および外観の悪化が目立ちにくい着色を施す方法等の対策により対応しているのが現状である。グリースや摺動塗料の塗布は製品の製造工程の煩雑化やコストアップを招くという問題がある。タルク等の粒径の小さな特定の強化材の使用は補強効果が不十分であったり成形品がつや消し調になり製品デザインの幅を狭めるいう問題がある。さらに特にタルク等の鉱物系無機フィラーの場合、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性がやや低下するため、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレークに代表される強化材と比較して成形管理に手間がかかるという問題がある。また目立ちにくい着色を施す方法は製品デザインの幅を狭めたり、多量の染顔料の添加により芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性を低下させ機械的特性の低下やシルバー等の発生により外観がより悪化するという問題があった。すなわち現在の対応はどれも十分なものではなく、高強度、高剛性、良好な摺動特性および良好な外観を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められているものの、かかる特性を有した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はこれまでなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い強度および剛性を有し、摺動性に優れ、かつ良好な外観を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供せんとするものである。
【0004】
本発明者は上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに芳香族ポリカーボネート系樹脂、強化材および摺動性付与材からなる混合物に、特定のポリエステルエラストマーを配合することにより、高い強度および剛性を有し、摺動性に優れ、かつ良好な外観を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
芳香族ポリカーボネート樹脂にポリエステルエラストマーを添加することが既に特開昭51−54651号公報に提案されている。しかしながらかかる公報においては芳香族ポリカーネート樹脂の衝撃強度の厚み依存性を改良する効果のみが記述されており、さらに強化剤および摺動性付与剤を添加した場合の効果については明示されていない。芳香族ポリカーボネート樹脂に共役ジエン系ゴム強化スチレン系樹脂およびポリエステルエラストマーを添加することが特開昭60−219250号公報に提案されている。しかしながらかかる公報においては芳香族ポリカーボネート系樹脂の耐薬品性およびウエルド強度を改良する効果のみが記述されており、さらに強化剤および摺動性付与剤を添加した場合の効果については明示されていない。芳香族ポリカーボネート樹脂にABS樹脂、平均繊維径が2μm以下のガラス繊維および各種の熱可塑性エラストマーを添加することが特開平04−65452号公報に提案されており、かかる組成物の外観が良好であることが記述されている。しかしながらかかる公報においては外観改良は特定の繊維径のガラス繊維の効果によるものであり、通常使用される平均繊維径のガラス繊維を使用した場合に特定の熱可塑性エラストマーにおいて外観が特に改良されることについては記述されていない。さらに特表平08−501328号公報においては各種ポリマーのブレンド物に各種のエラストマーを添加することによりポリテトラフルオロエチレン樹脂などの一般の摺動性付与剤を添加した場合と同等の耐摩耗性を有する組成物が安価に得られることが提案されている。しかしながらかかる公報においては芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレークに代表される強化材を添加した場合の外観については全く記載されておらず、実際に添加した場合外観は悪く実用には耐えないものである。さらに芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステルエラストマーとを組み合わせることにより外観を改良する効果も記載されていない。すなわち芳香族ポリカーボネート系樹脂、強化材および摺動性付与材からなる混合物に、特定のポリエステルエラストマーを配合することにより、高い強度および剛性を有し、摺動性に優れ、かつ良好な外観を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることは従来の技術からは容易に想像できるものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)60〜100重量%とジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂から選択される少なくとも一種以上の熱可塑性樹脂(A−2成分)40〜0重量%からなる熱可塑性樹脂(A成分)、強化充填材(B成分)、摺動性付与材(C成分)およびポリ(オキシアルキレン)グリコール成分を含有するポリエステルエラスマー(D成分)よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、(i)A成分、B成分、C成分およびD成分の比率が、それらの合計100重量%とした場合、A成分が95〜40重量%、B成分が3〜55重量%、C成分が0.1〜10重量%およびD成分が1〜20重量%であり、(ii)曲げ弾性率が30,000kgf/cm2以上、かつ本文中に定義される摩擦摩耗試験方法においてピン状試験片に摩耗により生ずる断面の長径が1.50mm以下である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形品に係るものである。
【0007】
本発明においてA−1成分として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで使用する二価フェノールの代表例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4´−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0008】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、二価フェノールは単独でまたは二種以上を併用してもよく、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤等を使用してもよい。また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐芳香族ポリカーボネート樹脂であっても、二種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
【0009】
かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で14,000〜30,000であり、好ましくは15,000〜25,000である。粘度平均分子量が14,000未満の芳香族ポリカーボネート樹脂では、強度が十分でなく好ましくない。粘度平均分子量が30,000を越える芳香族ポリカーボネート樹脂では、成形時の流動性に劣るため、押出、成形が困難となり良好な成形品が得られ難い。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c
(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
【0010】
芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆体としてホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用される。また反応促進のため例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を使用することができ、分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を使用することが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応温度は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。
【0011】
カーボネート前駆体として炭酸ジエステルを使用するエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガスの存在下に所定割合の二価フェノールを炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌し、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行う。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等によりことなるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために通常エステル交換反応に用いられる触媒を使用することができる。このエステル交換反応に使用する炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート。ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0012】
本発明においてB成分として使用される強化充填材は通常樹脂に使用される強化充填材が広く使用できるが、より好ましくは平均直径が6μm以上の繊維状強化充填材、平均粒径が6μm以上の板状充填材および粒状充填材から選択される少なくとも1種以上の強化充填材をいう。かかる強化充填材の具体例としてはガラス繊維、ガラス短繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカ、ワラストナイト、炭素繊維、金属被覆炭素繊維、炭素短繊維、耐熱有機繊維、および金属繊維が挙げられる。かかる強化充填材は通常樹脂に使用される強化充填材として極めて一般的なものである。平均直径が6μm未満の繊維状強化充填材においては、芳香族ポリカーボネート樹脂に強化材および摺動性付与材を配合した組成物の外観を改良する効果はある程度認められるものの十分でなく、また靭性の低下を招いたりさらに極めて細い径の繊維状物は衛生上も好ましくない。かかる繊維状強化充填材の繊維径については光学顕微鏡観察より樹脂中の各繊維の任意の径を1000本測定した平均値として求められる。平均粒径が6μm未満の板状充填材においては強度および剛性の向上が十分でなくなる。また平均粒径が6μm未満の粒状充填材においては表面積の増大により芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性を低下させたり、熱安定性改良のためには過剰の表面処理剤を添加する必要があるため物性を低下させる等の問題がある。本発明の強化充填材に該当しない例としては平均粒径が6μm未満のタルク、シリカ粉末、炭酸カルシウム等が挙げられる。本発明に使用される強化充填材はその目的に応じて使い分けられ、また2種以上を適当な割合で配合することも可能である。
【0013】
本発明におけるガラス繊維としては通常樹脂の強化充填材として広く使用されているものが使用される。製造方法や成分を特に限定するものではないが、Eガラス繊維であることが好ましい。また断面の形状は一般的な真円状の他に、真円状の繊維を平行に重ね合わせた異形断面形状のものを使用してもよい。さらに真円状と異形断面形状の混合したガラス繊維であってもよい。ガラス繊維の平均直径は6〜25μmが好ましい。6μm未満では靭性の低下が大きくなり、25μmを越えるとガラス繊維の配合により期待される強度、剛性の向上効果が十分でなくなる。
【0014】
本発明におけるガラス短繊維としてはガラス繊維を切断または粉砕したものであり、一般に樹脂用強化材として使用されるものである。該ガラス短繊維はL/D≦10を満足するガラス繊維であり、ここでいうLはガラス短繊維の平均長さ、Dは平均直径である。L/Dの値が10より大きいとガラス短繊維に期待される配向による異方性の抑制効果が十分でなくなる。さらにDは6〜25μmであることが好ましい。6μ未満では靭性の低下が大きくなり、25μmを越えると強度の向上効果が十分でなくなる。該ガラス短繊維としてはガラス種を特に限定するものではないが、Eガラスであるものがより好ましい。さらに該ガラス短繊維はいかなる製造方法で得られたものでも使用可能であり、一般にボールミル法、ヘンシルミル法で得られたものが使用できる。
【0015】
本発明におけるガラスフレークとしては板状のものが好ましい。さらにその平均粒径は6〜1000μmのものが好ましく、より好ましくは10〜900μm、さらに好ましくは15〜800μmのものである。かつその平均粒径を(a)、厚さを(c)とした時、(a)/(c)比が5〜500のものが好ましく、6〜450のものがより好ましく、7〜400のものがさらに好ましい。平均粒径が6μm未満もしくは(a)/(c)比が5未満であると剛性が十分でなく、平均粒径が1000μmを越えるかもしくは(a)/(c)比が500を越えると成形品の外観が悪くなり好ましくない。ここでいうガラスフレークの平均粒径とは、標準ふるい法により求められる粒度の重量分布のメジアン径として算出されるものである。該ガラスフレークも特にガラス種を限定するものではないが、Eガラスであることが好ましい。さらにその製造方法も限定するものではない。
【0016】
本発明におけるガラスビーズとしてはほぼ真球のものであり、平均直径が6〜50μmであるものが好ましく、特に好ましくは6〜30μmのものである。50μm以上では該ガラスビーズに期待される高い寸法精度が安定して得られにくい。該ガラスビーズは樹脂成分の劣化を抑制する目的でEガラスビーズの使用が好ましい。さらに製造方法を特に限定するものではなく、ガラス微粉末を高温火炎中に投入し球状になったところで急速に冷却する方法、ガラス溶融体をスプレーする方法等が使用できる。また該ガラスビーズの粒径分布を特に限定するものではない。
【0017】
本発明におけるマイカとしては、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。マイカには白雲母、金雲母、黒雲母、人造雲母等があり、いずれのマイカも使用できるが金雲母、黒雲母は白雲母に比べて柔軟であるため剛性確保の面から白雲母の使用が好ましい。さらに剛性確保の面から平均粒径が6〜80μmの粉末状のものが好ましい。ここでいうマイカの平均粒径とはレーザー回折法により測定された値をいう。マイカの場合には、平均粒径がこの範囲より小さくなると剛性が不十分となり、この範囲を越えると成形品の外観が悪くなり好ましくない。また該マイカの製造に際しての粉砕法としては、マイカ原石を乾式粉砕機にて粉砕する乾式粉砕法とマイカ原石を乾式粉砕機にて粗粉砕した後、水を加えてスラリー状態にて湿式粉砕機で本粉砕し、その後脱水、乾燥を行う湿式粉砕法があり、本発明に使用されるマイカにおいてはいずれの方法も使用できるが、マイカをより薄く細かく粉砕しより高い剛性確保できることから、湿式粉砕したものがより好ましい。
【0018】
本発明におけるワラストナイトとしては、ワラストナイト原石を粉砕および分級したものをいい、一般的に樹脂強化材として使用されるものであって、レーザー回折法により測定された繊維径が6μm以上のものが好ましく使用される。
【0019】
本発明における炭素繊維としては通常樹脂の強化充填材として広く使用されるものが使用でき、アクリロニトリル系、ピッチ系のいずれも使用できる。また炭素繊維の製造方法や表面の酸化処理方法等を特に限定するものではない。さらに得られた炭素繊維の強度を限定するものでもなく高強度タイプ、汎用タイプのいずれについても使用できる。炭素繊維の平均直径は6〜20μmが好ましい。6μm未満では靭性の低下が大きくなり、20μmを越えると炭素繊維の配合により期待される強度、剛性の向上効果が十分でなくなる。さらにかかる炭素繊維にメッキ、蒸着等通常知られている方法によりニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄等およびこれらの合金等の金属をコーティングした金属被覆炭素繊維も使用可能である。かかる金属被覆炭素繊維は本発明の組成物の導電性を高める目的で好ましく使用できる。
【0020】
また本発明においては該炭素繊維を切断または粉砕することにより得られる炭素短繊維を配合することも可能である。該炭素短繊維を配合することにより剛性を確保しながら、異方性の抑制、外観の向上の効果が得られる。
【0021】
本発明の組成物における耐熱有機繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維等が挙げられ特に融点が少なくとも260℃以上のものが挙げられる。かかる耐熱有機繊維の繊維長としては0.1mm以上6mm以下が好ましく、0.5mm以上3mm以下がより好ましい。0.1mm以下では補強効果が十分でなく、耐衝撃性の向上が不十分であり、6mm以上では製造時の取り扱いが困難になると共に組成物の流動性が劣り、成形性が不良となる。
【0022】
またかかる耐熱有機繊維は集束の有無に関係なく効果を発揮するが、集束されているものは取り扱い易く好ましい。集束のための結合剤としては芳香族ポリエステル、ポリエーテルスルホン樹脂等があげられる。本発明においてかかる耐熱有機繊維は単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。
【0023】
耐熱有機繊維は帝人(株)よりコーネックス、テクノーラとして、また米国デュポン社よりケブラーとして、また(株)クラレよりベクトランとして市販されており容易に入手可能である。
【0024】
本発明における金属繊維としては、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維等が挙げられる。かかる金属繊維は本発明の樹脂組成物の導電性を高める目的で使用できる。
【0025】
かかるガラス繊維、ガラス短繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカ、ワラストナイト、炭素繊維、金属被覆炭素繊維、炭素短繊維、耐熱有機繊維、金属繊維等の強化充填材はシランカップリング剤等で表面処理されているものが使用でき、特にガラス繊維、ガラス短繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マイカ、ワラストナイトにおいては好ましい。この表面処理により、芳香族ポリカーボネート樹脂の分解の抑制、密着性の向上が図れる。ここでいうシランカップリング剤とは下記式
【0026】
【化1】
【0027】
[ここでYはアミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、ピニル基、メルカプト基、ハロゲン原子等の樹脂マトリックスと反応性または親和性を有する基、R1〜R4は夫々単結合または炭素数1〜7のアルキレン基を表し、そのアルキレン分子鎖の中にアミド結合、エステル結合、エーテル結合またはイミノ結合が介在してもよい。X1〜X3は各々水素原子、ハロゲン原子およびアルコキシ基であり、炭素数1〜4のアルコキシ基より選択される基が好ましい。X1〜X3の少なくとも2つはハロゲン原子またはアルコキシ基である。]で表されるシラン化合物をいい、具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。更にかかる強化充填剤はアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の結合剤で造粒または集束したものが取扱い易いので好ましい。またマイカにおいては造粒方法の1つとして脱気圧縮方法が挙げられる。但し、かかる造粒または集束により得られる顆粒状物または集束物に対しては、上述したガラスフレーク、およびマイカの平均粒径範囲、およびガラス繊維、炭素繊維、金属被覆炭素繊維、耐熱有機繊維および金属繊維の繊維径は適用されるものではない。
【0028】
本発明のB成分としては、高強度、高剛性の点から、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、金属被覆炭素繊維から選ばれる少なくとも1種以上をB成分100重量%中、30重量%以上含有することが好ましく、50重量%以上を含有することがより好ましい。
【0029】
本発明のC成分として使用される摺動性付与材は通常樹脂に使用される摺動性付与材が広く使用できる。具体的にはオレフィン系ワックス、フッ素樹脂、フッ素オイル、シリコンオイル、シリコンパウダー、ポリエチレン樹脂、鉱物油,合成油、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドおよび二硫化モリブデンから選択される少なくとも1種以上の摺動性付与材が挙げられ、摺動性の点からオレフィン系ワックス、フッ素樹脂、フッ素オイル、シリコンオイル、シリコンパウダー、ポリエチレン樹脂から選択される少なくとも1種以上の摺動性付与材がより好ましく使用できる。さらに好ましくはオレフィン系ワックス、フッ素樹脂、フッ素オイル、シリコンオイルであり、もっとも好ましくはオレフィン系ワックス、フッ素オイル、シリコンオイルである。
【0030】
本発明におけるオレフィン系ワックスとしては、特にポリエチレンワックスおよび/または1−アルケン重合体の使用が好ましくきわめて良好な摺動特性が得られる。ポリエチレンワックスとしては現在一般に広く知られているものが使用でき、エチレンを高温高圧下で重合したもの、ポリエチレンを熱分解したもの、ポリエチレン重合物より低分子量成分を分離精製したもの等が挙げられる。また分子量、分岐度等は特に制限されるものではないが、分子量としては数平均分子量で1,000以上が好ましい。更にポリエチレンワックスをマレイン酸および/または無水マレイン酸で変性したタイプも使用できる。1−アルケン重合体としては炭素数5〜40の1−アルケンを重合したものが使用でき、更にマレイン酸および/または無水マレイン酸を同時に共重合したタイプも使用できる。マレイン酸および/または無水マレイン酸を同時に共重合したタイプでは摺動性向上効果と共に、衝撃強度が向上する特徴がある。1−アルケン重合体の分子量としては数平均分子量で1,000以上が好ましい。ポリエチレンワックスおよび1−アルケンの分子量が1,000より小さいと強度に対して悪影響を及ぼすようになる。
【0031】
本発明におけるフッ素樹脂としては、低分子量ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等が挙げられいずれの使用も可能であるが、中でも摺動性の面から低分子量ポリテトラフルオロエチレンの使用が好ましい。該低分子量ポリテトラフルオロエチレンには少量の共重合成分を含んでいるものも含まれる。低分子量ポリテトラフルオロエチレンとしては、通常乾性潤滑剤として使用されるものが使用でき、好ましくは、微粉末状である。微粉末の粒子径は、パークロルエチレン中に分散させた分散液を光透過法により測定する方法で平均0.1〜100μmのものである。またポリテトラフルオロエチレン微粉末の融点は、DSC法測定で320℃以上のものが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン微粉末は再凝集しやすいので再凝集し難くするために焼成処理等の処理を施したものもあり、これらも好ましく使用できる。ポリテトラフルオロエチレン樹脂はダイキン工業(株)よりルブロンL−5,L−2,L−7として、また旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)よりフルオンL−150J,L−169J,L−170J,L−172Jとして、また三井・デュポンフロロケミカル(株)よりTLP−10F−1として、またヘキストジャパン(株)よりホスタフロンTF9202,TF9205として市販されており、容易に入手可能である。
【0032】
本発明におけるフッ素オイルとしてはポリトリフルオロクロロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレングリコール等が挙げられ、特に20℃における動粘度が10000cst以下であるものが取り扱いの点から好ましい。フッ素オイルは本発明の樹脂組成物に更に難燃性が要求される場合には特に好適である。
【0033】
本発明におけるシリコンオイルとしては、ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロジェンシリコンオイル、環状ジメチルシリコンオイル、芳香族ポリカーボネートと反応する官能基を有するジメチルシリコーオイルおよびメチルフェニルシリコンオイル、ポリエーテル変性シリコンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコンオイル等が挙げられる。かかるシリコンオイルとしては、20℃における動粘度が10000cst以下であるものが取り扱いの点から好ましい。
【0034】
本発明におけるシリコンパウダーとしては、シリコンオイルを無機担持材にシリコンオイルを担持させたもの、シリコンレジン、およびシリコンゴムの粒状のものが挙げられる。
【0035】
本発明におけるポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等が挙げられ、分岐度や共重合成分であるα−オレフィン成分を特に限定するものではない。さらに製造方法に対しても特に限定するものではなく高圧ラジカル法、チーグラー触媒を使用する方法、塩化マグネシウム担持チーグラー触媒を使用する方法、メタロセン触媒を使用する方法等いずれの方法により得られたポリエチレン樹脂であっても使用できる。さらに分子量やタクティシティー等の特性を特に限定するものではない。
【0036】
本発明でD成分として使用されるポリエステルエラストマーはポリ(オキシアルキレン)グリコール成分を含有するものが好ましく使用される。さらに好ましくはテレフタル酸を70モル%以上含有するジカルボン酸、ブチレン−1,4−グリコールを70モル%以上含有するグリコール成分、および平均分子量が500〜5,000のポリ(オキシアルキレン)グリコールの3成分を共重合させた共重合体である。
【0037】
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、主にイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられるが、それ以外にも本発明の効果を損なわない範囲内で、例えばシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸および脂環式ジカルボン酸が挙げられる。ブチレン−1,4−グリコール成分以外のグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレン−1,2−グリコール、プロピレン−1,3−グリコール、ブチレン−1,4−グリコール、ブチレン−2,3−グリコール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール、ネオペンチルグリコール、デカン−1,10−ジオール等の単素数2〜15の脂肪族ジオールが挙げられる。
【0038】
ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、平均分子量が500〜5,000でありこのグリコール中に含有される炭素原子と酸素原子との数の比が2.0〜4.3であることが好ましく、例えばポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール、ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グリコールおよびこれらの共重合体等が挙げられ、特にポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコールが好ましい。ポリエステルエラストマー中のポリ(オキシアルキレン)グリコール量は20〜80重量%であり、好ましくは30〜80重量%であり、特に好ましくは50〜80重量%である。ポリエステルエラストマーの重合度は、35℃オルソクロロフェノール中1.2g/100mlの濃度で測定した還元粘度が0.5〜5.0のものが好ましく、特に0.7〜4.0のものが好ましい。
【0039】
本発明の組成物においてA−2成分としては、ジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との熱可塑性共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーカーボネート樹脂との相溶性の点から好ましく使用できる。
【0040】
本発明で使用されるジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体のジエンゴム成分としては、例えばポリブタジエン、ポリイプレン、およびスチレン−フダジエン共重合体等が挙げられ、かかる熱可塑性グラフト共重合体および芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との熱可塑性共重合体における芳香族ビニル化合物成分としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレンおよびハロゲン化スチレン等が挙げられ、スチレンが好ましく用いられる。さらにその他の共重合可能なアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸オクチル等を使用することができる。かかる熱可塑性グラフト共重合体および熱可塑性共重合体の中でABS樹脂およびAS樹脂が好ましく用いられる。かかる熱可塑性グラフト共重合体および熱可塑性共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれかの重合法で製造してよく、またグラフトの方式としては1段グラフトでも多段グラフトでもよい。さらにかかる熱可塑性グラフト共重合体および熱可塑性共重合体は1種のみならず2種以上を混合して使用することができる。
【0041】
本発明で使用されるポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましく使用できる。ポリエチレンテレフタレート樹脂としてはテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体わ主原料として縮合反応させて得られる重合体でありテレフタル酸の一部およびエチレングリコール成分の一部、通常30モル%以下を他のジカルボン酸、オキシカルボン酸ジオール等で置き換えた共重合体であってもよい。かかる共重合体に用いられる第3成分としては例えばイソフタル酸、アルキル置換テレフタル酸、スルホン酸塩置換テレフタル酸、アジピン酸、オキシ安息香酸、ポリメチレン−α,ω−ジオール類、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
【0042】
ポリブチレンテレフタレート樹脂はテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とテトラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体を主原料として縮合反応させて得られる重合体であり、テレフタル酸成分の一部およびテトラメチレングリコール成分の一部、通常30モル%以下を他のジカルボン酸、オキシカルボン酸、ジオール等で置き換えた共重合体であってもよい。かかる共重合体の第3成分としてはイソフタル酸、アルキル置換テレフタル酸、スルホン酸塩置換テレフタル酸、アジピン酸、オキシ安息香酸、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
【0043】
本発明で使用されるポリアリレート樹脂としては、イソフタル酸を酸成分としジオール成分として2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン単独、または2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびハイドロキノンからなる全芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0044】
本発明で使用されるポリアミド樹脂としては、例えば環状ラクタムの開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体、2塩基酸とジアミンとの重縮合体等が挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)等の脂肪族−芳香族ポリアミドおよびこれらの共重合体および混合物を挙げることができる。
【0045】
かかる熱可塑性樹脂の中でも熱安定性の点からジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との熱可塑性共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂がより好ましく使用できる。かかるA−2成分の配合割合は、A−1成分およびA−2成分の合計100重量%当り40〜0重量%であり、20〜0重量%が好ましい。
【0046】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物におけるA成分、B成分、C成分およびD成分の比率はA成分、B成分、C成分およびD成分の合計100重量%当たりA成分が95〜40重量%、B成分が3〜55重量%、C成分が0.1〜10重量%およびD成分が1〜20重量%であり、好ましくはA成分が95〜50重量%、B成分が5〜45重量%、C成分が0.5〜5重量%およびD成分が1〜15重量%であり、さらに好ましくはA成分が95〜60重量%、B成分が5〜35重量%、C成分が0.5〜3重量%およびD成分が1〜10重量%である。
【0047】
強化充填材(B成分)の含有量は、A成分、B成分、C成分およびD成分の合計100重量部当り、3〜55重量%であり、好ましくは5〜45重量%であり、さらに好ましくは5〜35重量%である。3重量%より少なくなると剛性向上の効果が十分でなく、55重量%より多くなると成形時の流動性に劣るため、押出、成形が困難となり外観の良好な成形品が得られ難い。
【0048】
本発明における摺動性付与材(C成分)の含有量はA成分、B成分、C成分およびD成分の合計100重量部当り0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。0.1重量部より少なくなると摺動性の向上が十分でなく、10重量部より多くなると摺動性の向上効果以上に外観の悪化および強度の低下が大きくなり好ましくない。
【0049】
本発明におけるポリエステルエラストマー(D成分)の含有量はA成分、B成分、C成分およびD成分の合計100重量部当り、1〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、、さらに好ましくは1〜10重量%である。1重量部より少ないと摺動性の向上が十分でなく、30重量部より多くなると剛性および強度の低下が大きくなるため好ましくない。
【0050】
ここで本発明における摺動性の評価方法について説明する。評価機器として(株)オリエンテック製往復動摩擦摩耗試験機AFT−15Mを使用した。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとカーボネート前駆体から実質的になる芳香族ポリカーボネート(帝人化成(株)パンライトL−1225粘度平均分子量22,500)より、直径5mmΦの半球と直径5mmΦ長さ30mmΦの円柱とを円断面部分で結合した先端に球面を有するピン状試験片を射出成形により作成し、固定試験片ホルダーに装着した。一方本発明の樹脂組成物および参考例とする樹脂組成物より長さ90mm×幅50mm×厚さ2mmの平板状試験片を射出成形により作成し、往復動作する台座上に固定した。かかる平板上試験片は摺動性評価前に(株)東京精密製表面粗さ計サーフコム3BE−MD−S10Aを使用し、測定前の平板状試験片の表面粗さ(Ra値)が1.5μm以下であることを確認した。かかるピン状試験片の先端の球面部分をかかる平板状試験片の平面部分に、ピン状試験片の円柱軸方向と平板状試験片の平面法線方向が平行となる状態で500gの荷重をかけた状態で接触させ、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で平面内の1直線上を1往復2秒の割合で片道25mmの距離を2000回往復動作させた。さらにピン状試験片側に接続した容量2kgfのロードセルにより摩擦力の測定を行った。かかる試験後ピン状試験片の摩耗断面を顕微鏡により観察し摩耗により生じた断面の長径を測定し摩耗量の指標とした。また平板状試験片においては(株)東京精密製表面粗さ計サーフコム3BE−MD−S10Aを使用し、摩耗により表面に生じた溝深さを測定した。かかる表面の溝深さが5μm以下の場合にはNDと表記した。またこの溝深さが5μmを超えた場合には実質的な摩耗が起こったと判定した。
【0051】
本発明において上記の摺動性評価方法を取り上げた理由を以下に説明する。一般に材料が凝着作用により摩耗する場合の摺動性を評価する方法として、2つの円筒状試験片の端面を重ねあわせ一方の円筒状試験片を回転させる方法、ピン状試験片の端面を回転する平板状試験片上に押し付ける方法、およびピン状試験片の端面を往復運動する平板状試験片上に押し付ける方法等が挙げられる。この中で本発明の対象としては特にスライド動作に伴う摺動性が問題となるため、ピン状試験片の端面を往復運動する平板状試験片上に押し付ける方法を採用した。かかる摺動性評価方法においてはピン状試験片の摩耗がわずかであり、かつ平板状試験片が実質的な摩耗が起こらない場合にのみ摺動性が良好と判定する。さらに摩擦係数が低い場合がより好ましい。どちらか一方の試験片の摩耗がわずかであっても他方の試験片の摩耗が大きい場合には摺動性が十分とはいえない。
【0052】
かかる摺動性評価方法において、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の摺動性を評価するためには、一方の試験片の材料を同一とし他方を本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物とすればよい。本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の主たる用途としては樹脂成形品同士の摺動性が必要となるため、かかる同一とする試験片の材料としては樹脂が好ましく熱可塑性樹脂がより好ましい。さらに本発明においては芳香族ポリカーボネート樹脂の使用が適切である。かかる使用の理由としては、凝着作用により摩耗が生ずる場合同種材料間での摩耗はより悪い傾向を示すが、本発明の組成物は芳香族ポリカーネート樹脂組成物であるため摺動性の改良効果がより明確になるとの理由が挙げられる。すなわち芳香族ポリカーボネート樹脂との摺動が十分に良好であれば、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、金属、木材および無機材等との摺動においてはより良好であるとの理由による。さらにかかる樹脂試験片の組み合わせとしてはより摩耗しやすい材料をピン状試験片とすることが好ましい。これはピン状試験片の摩耗量がより正確に測定できるとの理由による。本発明においては本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が強化充填材を配合しているため強化充填材を配合しない芳香族ポリカーボネート樹脂に比較して摩耗しにくい。かかる理由により本発明においてはピン状試験片を芳香族ポリカーボネート樹脂とし、平板状試験片を本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物とする評価方法が好ましく、かかる理由によりピン状試験片として芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、平板状試験片を本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物とした。
【0053】
本発明の摺動性評価に用いるピン状試験片として端面が球面形状のものを使用した理由としては、かかる球面形状は接触部分の面圧をより高めることにより材料の摺動性をより判断しやすくなる特徴を有することが挙げられる。他方平板状試験片においては平面部分の表面は均一かつ良好であるものが好ましい。平板状試験片の表面粗さによってピン状試験片の摩耗量はある程度影響を受けること、および本発明の目的の1つに成形品の高外観の達成があり実用において本発明の組成物が十分に高外観な状態で成形品に作成されることを考慮すると、かかる状態に出来るだけ近い状態で摺動性を評価することが望ましい。ここで良好な表面状態の目安としては表面粗さ(Ra値)が1.5μm以下であることが挙げられ、かかる理由により平板状試験片の表面粗さを摺動性評価試験前に確認した。
【0054】
本発明において摺動性評価に使用されるピン状試験片はいかなる方法によっても作成されるが、特に射出成形により作られることが好ましい。さらにかかる摺動性評価方法において使用される本発明の組成物より作成される平板状試験片においてもいかなる方法によっても作成されるが、特に射出成形により作られることが好ましい。
【0055】
本発明の摺動性評価方法における摩耗量の指標として、ピン状試験片においては摩耗により生じた実質的な円断面の長径を使用した。円柱の軸方向(長さ方向)とかかる円断面がの法線が平行になることから、かかる長径を測定することによりピン状試験片の球面頂点からの長さ方向の摩耗量も幾何学的な関係を計算することにより求めることが可能である。また若干の偏摩耗や摩耗粉の影響などにより円断面が円形をわずかに逸脱することがあっても長径を測定することにより長さ方向の摩耗量を過小評価することを避けることが可能となる。
【0056】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の添加剤、例えば臭素化ビスフェノール、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、ホスホン酸アミドおよび赤燐等のような難燃剤、三酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウム等のような難燃助剤、燐酸エステルおよび亜燐酸エステル等の熱安定剤、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤、シランカップリング剤等の充填材への表面処理剤、光安定剤、離型剤、流動改質剤、着色剤、滑剤および発泡剤等を必要に応じてその有効発現量配合してもよい。
【0057】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造するには、任意の方法で行うことができる。例えばタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機で混合する方法が適宜採用される。このようにして得られたポリカーボネート樹脂組成物は既知の種々の方法、例えば射出成形、押出成形および圧縮成形等により成形され、一般には射出成形により成形される。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。なお評価は以下の(1)〜(5)の方法により行った。
【0059】
(1)曲げ弾性率[kgf/cm2]:ASTM D−790により23℃相対湿度50%RHの雰囲気中で測定した。
【0060】
(2)外観:幅50mm×長さ90mm×厚み2mmの平板角板を同一の条件で射出成形により成形し目視にて外観状態の観察を実施した。外観の良好なものを○、良好でないものを×と判定した。×の判定のものについてはその状態を区別するため×1:外観の均一感に劣るもの、×2:シルバーの発生のあるもの、と判定した。
【0061】
(3)摩耗量(mm):本文中に記載の摺動性評価方法に基づいて摩耗量を測定した。なお平板状試験片の表面粗さはすべてのサンプルにおいてRa=0.3〜0.5μmであり評価を行うに適当であることを確認した。
【0062】
摩擦係数:本文中に記載の摺動性評価方法に基づいて最大摩擦力の往復回数1〜30回までの平均値を求め、それより摩擦係数を算出した。摩擦係数は0.30以下が好ましい。本文中に記載の摺動性評価方法に基づいて、試験後の平板状試験片の摺動部分の溝深さを測定した。溝深さが十分でなく測定できないものをNDとして記載した。
【0063】
[実施例1〜8、比較例1〜10]
表1および表2に示す樹脂、摺動性付与剤およびポリエステルエラストマーを表1および表2に示す割合でドライブレンドした後、スクリュー径30mmのベント付き同方向2軸押出機[日本製鋼(株)製TEX 30XSST]の第1シュートに供給し、シリンダ温度温度260℃で溶融混練し、更に表1および表2に示す強化材を表1および表2に示す割合で第2シュートに供給し全体の組成物を均一に混練した後ストランドカットによりペレットを得た。第1シュートおよび第2シュートのそれぞれの原材料の供給は計量器[(株)クボタ製CWF]により所定の配合量になるように調整した。選られたペレットを120℃で5時間熱風循環乾燥機により乾燥した後射出成形機[住友重機械工業(株)製SG150U]によりシリンダ温度280℃、金型温度90℃で曲げ試験片および外観評価用および摺動性評価用の平板状試験片を得た。
【0064】
表1および表2におけるA成分、B成分、C成分、D成分およびその他の記号は下記のものを示す。
PC−1:芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225L;粘度平均分子量19,500]
PC−2:芳香族ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225LL;粘度平均分子量15,500]
ABS:ABS樹脂[三井東圧化学(株)製サンタックUT−61]CS:ガラス繊維[日本電気硝子(株)製ECS03T−511/P、繊維径1
3μm]
MF:ガラス短繊維[日東紡績(株)製PFE301S、繊維径9μm]
CF:炭素繊維[東邦レーヨン(株)製ベスファイトHTA−C6−U、直径7μm]
GFL:ガラスフレーク[日本板硝子(株)製REFG−101、平均厚さ5μm、平均粒径600μm]
マイカ:マイカ粉[(株)山口雲母工業所製A−41、レーザー回折法により測定された平均粒径40μm]
タルク:タルク[林化成(株)製HST−0.8、レーザー回折法により測定された平均粒径5μm]
ワックス:ポリエチレンワックス[三井石油化学(株)製ハイワックスHW405MP]
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン樹脂[ダイキン工業(株)製ルブロンL−5]
Fオイル:フッ素オイル[ダイキン工業(株)製デムナムS−100]
Siオイル:シリコンオイル[東レ・ダウ・コーニングシリコーン(株)製SH−556]
TPEE:ポリエステルエラストマー[東洋紡績(株)製ペルプレンP−40B、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール含有量約70重量%]
PCL:ポリカプロラクトン[ダイセル化学工業(株)製プラクセルH1P]
PBT:PBT樹脂[帝人(株)製TRB−J]
MBS:MBS樹脂[呉羽化学工業(株)製パラロイドEXL−2602]
SEPS:水添スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー[(株)クラレ製セプトン2005]
TPP:トリフェニルホスフェート[大八化学工業(株)製S−4]
安定剤:燐酸エステル[大八化学工業(株)製トリメチルホスフェート]
表面処理剤:エポキシ系シランカップリング剤[信越化学工業(株)製KBM−403]
CB:カーボンブラック
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
この表から明らかなように、例えば実施例1と比較例1を比較した場合、D成分のポリエステルエラストマーがない場合には外観良好なレベルまでC成分の摺動性付与剤を低減すると摺動性を満足しなくなる。さらに比較例2と比較した場合摺動性を満足するレベルまで摺動性付与剤を添加すると良好な外観を得ることはできず、さらに比較例3と比較した場合摺動性付与剤がない場合には摺動性を満足せず、また比較例4と比較した場合ポリエステルエラストマーを多量に配合した場合には外観および摺動性を満足するものの曲げ弾性率が大幅に低下し好ましくないことがわかる。さらに実施例2と比較例5を比較した場合通常の熱可塑性ポリエステルでは摺動性の改良効果が得られないことがわかる。また比較例6と比較した場合も同様に摺動性の改良効果は得られずさらに比較例7と比較した場合には摺動性はやや向上しているもののポリエステルエラストマーには及ばずさらに外観が悪化し好ましくないことがわかる。すなわちポリエステルエラストマーを使用したときのみ良好な外観と良好な摺動性の両立ができることがわかる。さらに実施例2と比較例8を比較した場合、摺動性付与剤とポリエステルエラストマーの併用ではポリテトラフルオロエチレン樹脂単独の高充填を上回る摺動性を示していることがわかる。また実施例8と比較例9および比較例10を比較した場合、小粒径の強化充填材であるタルク単独の添加では良好な摺動性を満足するが不均一な外観になったり、またシルバーの発生があり外観は良好でなくなる。またタルクと本発明の強化充填材を組み合わせただけでは、外観の改良を行うことはできない。この場合にもポリエステルエラストマーの添加により良好な外観と摺動性を両立できることがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、強化充填材および摺動性付与剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂の持つ優れた剛性、機械的特性および摺動性を維持しつつ外観に優れるため、高い寸法精度、高い剛性、摺動性かつ高外観の要求されるCDトレイ、CDまたはMDチェンジャートレイを始めとする幅広い産業分野で好適であり、その奏する工業的効果は格別のものである。
Claims (4)
- 芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)60〜100重量%とジエンゴム成分に芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂から選択される少なくとも一種以上の熱可塑性樹脂(A−2成分)40〜0重量%からなる熱可塑性樹脂(A成分)、強化充填材(B成分)、摺動性付与材(C成分)およびポリ(オキシアルキレン)グリコール成分を含有するポリエステルエラストマー(D成分)よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、(i)A成分、B成分、C成分およびD成分の比率が、それらの合計100重量%とした場合、A成分が95〜40重量%、B成分が3〜55重量%、C成分が0.1〜10重量%およびD成分が1〜20重量%であり、(ii)曲げ弾性率が30,000kgf/cm2以上、かつ摩擦摩耗試験方法においてピン状試験片に摩耗により生ずる断面の長径が1.50mm以下である芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 強化充填材(B成分)が平均直径が6μm以上の繊維状強化充填材、平均粒径が6μm以上の板状充填材および粒状充填材から選択される少なくとも1種以上の強化充填材である請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 摺動性付与材(C成分)がオレフィン系ワックス、フッ素樹脂、フッ素オイル、シリコンオイル、シリコンパウダー、ポリエチレン樹脂から選択される少なくとも1種以上の摺動性付与材である請求項1又は2記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形品。
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