JP2016110802A - 互いに接触する金属製部品と樹脂製部品を備えた物品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の上記局面では、上記2つの部品の接触する箇所の材質が、耐衝撃性に優れたゴム強化芳香族ビニル系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物(X)から構成されているので、物品の上記破損が抑制されるという利点が得られる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記熱可塑性樹脂組成物(X)として、結晶性を有するもの、具体的には、JIS K 7121−1987に準じて測定した融点が0〜120℃の範囲にあるものが使用される。この態様では、物品の上記破損が抑制されるだけでなく、上記異音の発生の抑制が更に良好なものとなる。
本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び/又は共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
また、JIS K 7121−1987に準じて測定した融点(本明細書において、「Tm」と表記することもある)は、DSC(示差走査熱量計)を用い、1分間に20℃の一定昇温速度で吸熱変化を測定し、得られた吸熱パターンのピーク温度を読みとった値である。
本発明の物品は、互いに接触する金属製部品と樹脂製部品とを少なくとも備えたものであればよい。とりわけ、本発明の構成は、金属製部品と樹脂製部品とがスナップフィット、螺合等により凹凸部を介して接触する物品における上記破損を抑制するのに好適であり、また、加熱と冷却に繰り返し曝されるため、金属製部品と樹脂製部品との間の膨張率の差により相互にずれを生じることのある物品における上記異音の発生を抑制するのに好適である。本発明の物品の具体例としては、例えば、直管型LEDランプ、電球型LEDランプの他、電球型蛍光灯、などの照明器具、携帯電話、タブレット端末、炊飯器、冷蔵庫、電子レンジ、ガスコンロ、掃除機、食器洗浄機、空気清浄機、エアコン、ヒーター、TV、レコーダーなどの家電器具、プリンター、FAX、コピー機、パソコン、プロジェクター等のOA機器、オーディオ器具、オルガン、電子ピアノ等の音響機器、車両内外装部品などが挙げられる。
本発明の構成は、長尺の物品、特に、金属製部品と樹脂製部品とが長尺であって、その長手方向に沿って接触する物品の場合、両部品間の熱膨張や収縮による寸法変化の差が大きいので、特に効果的である。
が挙げられる。
なお、図示の態様は直管型LEDランプの例であるが、本発明の技術的効果は、同様の嵌合部を備えるその他の照明器具及びその他の物品でも同様に発揮される。
本発明の物品に用いられる熱可塑性樹脂組成物(X)(本明細書では「成分(X)」ともいう)は、ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)(本明細書では「成分(A)」ともいう)を必須成分として含む。
2−1.ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)
ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)は、上記熱可塑性樹脂組成物(X)に耐衝撃性を付与するのに好適に使用され、ゴム含量は、上記熱可塑性樹脂組成物(X)全体を100質量%とした場合に、ゴム含量が5〜60質量%であることが好ましい。また、ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)は、上記熱可塑性樹脂組成物(X)が有する上記の軋み音等の異音の発生を抑制する機能をさらに優れたものとするため、結晶性を有することが好ましい。具体的には、JIS K 7121−1987に準じて測定した上記熱可塑性樹脂組成物(X)の融点が0〜120℃の範囲にあることが好ましく、10〜90℃の範囲がより好ましく、20〜80℃の範囲がさらにより好ましい。
グラフト率(質量%)=((S−T)/T)×100 …(1)
上記式中、Sはゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)1グラムをアセトン20mlに投入し、25℃の温度条件下で、振とう機により2時間振とうした後、5℃の温度条件下で、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Tはゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)1グラムに含まれるゴム部分(a1)の質量(g)である。このゴム部分(a1)の質量は、重合処方及び重合転化率から算出する方法により求めることができる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物(X)は、上記のとおり、ポリカーボネート樹脂(B)を含有することができる。ポリカーボネート樹脂(B)を含有する場合、耐熱性が向上するので好ましい。本発明において、ポリカーボネート樹脂(B)は、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば特に限定されず、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐衝撃性、耐熱性等の観点から、芳香族ポリカーボネートが好ましい。尚、これらのポリカーボネート樹脂は、末端がR−CO−基、R’−O−CO−基(R及びR’は、いずれも有機基を示す。)に変性されたものであってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(X)は、照明器具等の難燃性が要求される物品の部品の成形材料として用いられる場合、高い難燃性を備えていることが好ましい。したがって、熱可塑性樹脂組成物(X)には、難燃性付与剤を添加することもできる。
難燃性付与剤としては、樹脂組成物に添加した際に充分な難燃性を付与できる化合物であればよく、例えば、有機ハロゲン系難燃剤、有機リン系難燃剤の他、窒素含有化合物、赤リン、ホウ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ等の公知の難燃性付与剤を用いることができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、環境面から、有機リン系難燃剤が好ましく使用される。
ゴム強化芳香族ビニル系樹脂として、下記の合成例1〜2で得られたエチレン・α−オレフィン系ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(原料P1〜P2)と、下記の合成例3で得られたジエン系ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(原料P3)とを用いた。
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計等を装着したステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(エチレン/プロピレン=78/22(%)、Tm:40℃、ガラス転移温度:−50℃、ムーニー粘度(ML1+4,100℃):20)25部、スチレン11部、アクリロニトリル4部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部及びトルエン110部を仕込み、昇温した。内温が75℃に達したところで、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.09部を添加し、更に昇温した。内温を100℃に保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合を開始した。60分間重合した後、スチレン44部、アクリロニトリル16部及びtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.86部を3時間かけて連続的に添加した。重合を開始して4時間経過した後、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合を終了した。重合転化率は98%であった。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した。次いで、反応液をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去した。その後、40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化し、エチレン・プロピレン共重合体ゴムからなる部分と、シアン化ビニル化合物(アクリロニトリル)に由来する構造単位及び芳香族ビニル化合物(スチレン)に由来する構造単位を含むビニル系共重合体からなる部分とを含むエチレン・α−オレフィン系ゴムグラフト共重合体(グラフト樹脂)、及び、未グラフトのビニル系共重合体(アクリロニトリル・スチレン共重合体)からなる樹脂混合物であるゴム強化芳香族ビニル系樹脂(原料P1)を得た。この原料P1に含まれる上記グラフト樹脂(アセトン不溶分)のグラフト率は48%であった。グラフト率の計算に用いた原料P1に含まれるゴム含量は、重合処方及び重合転化率より求めた。原料P1に含まれる未グラフトのビニル系共重合体(以下、「アセトン可溶分」ともいう。)の含有率は、原料P1全体を100%とした場合に、63%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.42dl/gであった。その後、このペレットを用いて原料P1のTmを測定したところ、40℃であった。
リボン型攪拌機翼、助剤連続添加装置、温度計などを装備した容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体(エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン=63/32/5(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)33、融点(Tm)なし、ガラス転移温度(Tg)は−52℃)30部、スチレン45部、アクリロニトリル25部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、トルエン140部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温して、100℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながら更に2時間反応を行って重合反応を終了した。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加した。次いで、反応液をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去した。その後、40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化し、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴムからなる部分と、シアン化ビニル化合物(アクリロニトリル)に由来する構造単位及び芳香族ビニル化合物(スチレン)に由来する構造単位を含むビニル系共重合体からなる部分とを含むエチレン・α−オレフィン系ゴムグラフト共重合体(グラフト樹脂)、及び、未グラフトのビニル系共重合体(アクリロニトリル・スチレン共重合体)からなる樹脂混合物であるゴム強化芳香族ビニル系樹脂(原料P4)を得た。この原料P4に含まれる上記グラフト樹脂(アセトン不溶分)のグラフト率は60%であった。グラフト率の計算に用いた原料P4に含まれるゴム含量は、重合処方及び重合転化率より求めた。原料P4に含まれるアセトン可溶分の含有率は、原料P4全体を100%とした場合に、52%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.45dl/gであった。その後、このペレットを用いて原料P4のTmを測定したところ、0〜120℃の範囲に融点は存在しなかった。
攪拌機を備えたガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水42部、ロジン酸カリウム0.35部、tert−ドデシルメルカプタン0.2部、平均粒子径300nmのポリブタジエンゴム(ゲル含有率80%)32部を含むラテックス80部、平均粒子径600nmのスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(スチレン単位量30%)8部を含むラテックス19部、スチレン14部及びアクリロニトリル6部を収容し、攪拌しながら昇温した。内温が40℃に達したところで、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.3部を、イオン交換水8部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。30分間重合させた後、イオン交換水45部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert−ドデシルメルカプタン0.13部及びクメンハイドロパーオキサイド0.1部を、3時間かけて連続的に添加した。その後、更に1時間重合を継続し、反応系に、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を完結させた。次いで、反応生成物を含むラテックスに、硫酸水溶液を添加して、樹脂成分を凝固し、水洗した。その後、水酸化カリウム水溶液を用いて、洗浄・中和し、更に、水洗した後、乾燥し、スチレン・ブタジエン共重合体ゴムからなる部分と、シアン化ビニル化合物(アクリロニトリル)に由来する構造単位及び芳香族ビニル化合物(スチレン)に由来する構造単位を含むビニル系共重合体からなる部分とを含むジエン系ゴムグラフト共重合体(グラフト樹脂)、及び、未グラフトのビニル系共重合体(アクリロニトリル・スチレン共重合体)からなる樹脂混合物であるゴム強化芳香族ビニル系樹脂(原料P5)を得た。この原料P5に含まれるジエン系ゴム質重合体強化芳香族ビニル系樹脂(グラフト樹脂、アセトン不溶分)のグラフト率は55%であった。グラフト率の計算に用いた原料P5に含まれるゴム含量は、重合処方及び重合転化率より求めた。原料P5に含まれる未グラフトの(共)重合体(アセトン可溶分)の含有率は、原料P5全体を100%とした場合に、38%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.45dl/gであった。尚、この原料P5のTmは観測されなかった。
ゴム質重合体に由来する部分を含まない熱可塑性樹脂として、下記の原料Q1を用いた。
アクリロニトリル単位及びスチレン単位の割合が、それぞれ、27%及び73%であり、極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)が、0.30dl/gであるアクリロニトリル・スチレン共重合体。ガラス転移温度(Tg)は、103℃であった。
3−1.原料R1(PC樹脂)
出光興産社製ポリカーボネート樹脂「タフロンA2200(商品名)」を使用した。粘度平均分子量(Mv)は、22,000、ガラス転移温度(Tg)は、153℃であった。
4−1.原料S1(ポリオレフィン系ワックス)
三洋化成工業株式会社製ポリエチレンワックス「サンワックス171−P(商品名)」を使用した。数平均分子量(Mn)は1500、DSCを用いて測定した融点は101℃であった。
信越シリコーン株式会社製シリコーンオイル「KF−54(商品名)」を使用した。25℃の動粘度は400cStであった。
5−1.原料T1(難燃性付与剤)
大八化学工業株式会社製の芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤「PX−200」(商品名)を用いた。
1.熱可塑性樹脂組成物〔X〕の作製
表1に示す原料〔P〕、〔Q〕、〔R〕、〔S〕及び〔T〕を表1に示す配合割合でヘンシェルミキサーにより混合した。その後、二軸押出機(型式名「TEX44、日本製鋼所」)を用いて、バレル温度270℃で溶融混練してペレット化した。
2台の株式会社プラスチック工学研究所製の短軸押出機「PLABORGT−50−A型」(フルフライトスクリュー、L/D=30)を準備した。上記1で得られた熱可塑性樹脂組成物〔X〕を1台の短軸押出機に供給し、バレル温度230℃、スクリュー回転数10rpmで溶融させ押し出した。もう1台の短軸押出機に、帝人化成株式会社製の光拡散性ポリカーボネート樹脂「パンライトML−6100」(商品名)供給し、バレル温度260℃、スクリュー回転数10rpm溶融させ押し出した。フィードブロックにより、前記溶融押し出しを行った2種の材料を合流させ、図8の斜線部分が上記熱可塑性樹脂組成物〔X〕で形成され、それ以外の部分が上記ポリカーボネート樹脂で形成された図7の樹脂カバー20を得た。樹脂カバー20を、アルミニウム製の金属シャーシ10の上方から押し込み、両者を接合させた。その際に、樹脂カバー20の熱可塑性樹脂組成物〔X〕からなる部分に破壊が生じるかを評価した。評価は、下記評価基準に基づき判定を行った。
<耐衝撃性の評価>
○:破壊は生じなかった。
×:破壊が生じた。
3−1.軋み音評価I:
株式会社日本製鋼所製の射出成形機「J―100E」(形式名)を用い、上記1で得られた熱可塑性樹脂組成物〔X〕からなるフラットバー試験片(幅9mm、長さ125mm、厚さ2mm)を射出成形し、その後、試験片を80±5℃に調整したオーブンで300時間加熱エージングした。次に、上記原料R1からなるポリカーボネート製のフラットバー(幅9mm、長さ125mm、厚さ2mm)を射出成形し、その後、試験片を80±5℃に調整したオーブンで300時間加熱エージングした。さらに、熱可塑性樹脂組成物〔X〕と同寸法であり、且つ80±5℃に調整したオーブンで300時間加熱エージングしたアルミ角棒(フラットバータイプ、押出し成形品、材質6063)を準備した。その後、ポリカーボネート製のフラットバー、熱可塑性樹脂組成物〔X〕製のフラットバー試験片、アルミ角棒の順に重ね合わせ、この両端を金属製の冶具で固定し、手でひねって軋み音の発生の状況を評価した。評価は5回行い、下記評価基準に基づき判定を行った。
<軋み音低減効果の評価>
○:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生は僅かであった。
△:5回の評価において、軋み音の発生が顕著な場合が含まれていた。
×:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生が顕著であった。
2台の株式会社プラスチック工学研究所製の短軸押出機「PLABORGT−50−A型」(フルフライトスクリュー、L/D=30)を準備した。上記1で得られた熱可塑性樹脂組成物〔X〕を1台の短軸押出機に供給し、バレル温度230℃、スクリュー回転数10rpmで溶融させ押し出した。もう1台の短軸押出機に、帝人化成株式会社製の光拡散性ポリカーボネート樹脂「パンライトML−6100」(商品名)供給し、バレル温度260℃、スクリュー回転数10rpm溶融させ押し出した。フィードブロックにより、前記溶融押し出しを行った2種の材料を合流させ、図8の斜線部分が上記熱可塑性樹脂組成物〔X〕で形成され、それ以外の部分が上記ポリカーボネート樹脂で形成された図7の樹脂カバー20を得た。樹脂カバー20と、アルミニウム製の金属シャーシ10を組合せ、樹脂カバー20を長手方向に水平に金属シャーシ10に対してずらしたときに、軋み音が発生するかを評価した。評価は5回行い、下記評価基準に基づき判定を行った。
<軋み音低減効果の評価>
○:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生は僅かであった。
△:5回の評価において、軋み音の発生が顕著な場合が含まれていた。
×:5回の評価全てにおいて、軋み音の発生が顕著であった。
米国アンダーライターラボラトリーズ発行のUL94規格に定められた方法により、長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.5mmの試験片について垂直燃焼試験を行った。本発明においては、評価結果を、UL94規格V−2ランクを「V2」と記載した。試験片は、株式会社日本製鋼所製の射出成形機「J―100E」(形式名)を用いて準備した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物〔X〕を用いた実施例1〜9は、スナップフィットにおける耐衝撃性に優れ、アルミニウムとの接触による異音の発生も抑制されており、さらに、難燃性にも優れることが判った。
これに対し、ゴム強化芳香族ビニル系樹脂を含まない比較例1では、耐衝撃性が低く、異音の発生を抑制する効果も得られなかった。
11 LED
12 基板
15a,15b 凹部
20 ケーシング
25a,25b 凸部
X 熱可塑性樹脂組成物
Claims (15)
- 互いに接触する金属製部品と樹脂製部品とを少なくとも備えた物品であって、前記金属製部品及び樹脂製部品の少なくとも一方は、他方の部品と接触する部分の少なくとも表面の一部が、ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)を含む熱可塑性樹脂組成物(X)で形成されている物品。
- 前記樹脂製部品は、その全体又は前記金属製部品と接触する部分の一部又は全部が、前記熱可塑性樹脂組成物(X)で形成されている、請求項1に記載の物品。
- 前記金属製部品又は樹脂製部品の他方の部品と接触する部分の表面の一部又は全部が、前記熱可塑性樹脂組成物(X)で形成された層からなる、請求項1に記載の物品。
- 前記樹脂製部品が、前記金属製部品と接触する部分に、前記熱可塑性樹脂組成物(X)から形成されたスペーサーを備えている、請求項1に記載の物品。
- 前記熱可塑性樹脂組成物(X)のゴム含量が5〜60質量%である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の物品。
- 前記熱可塑性樹脂組成物(X)が、ポリカーボネート系樹脂(B)を含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載の物品。
- 前記熱可塑性樹脂組成物(X)のJIS K 7121−1987に準じて測定した融点が0〜120℃の範囲にある、請求項1乃至6の何れか1項に記載の物品。
- 前記ゴム強化芳香族ビニル系樹脂(A)のゴム部分が、エチレン・α―オレフィン系ゴムである、請求項7に記載の物品。
- 前記エチレン・α―オレフィン系ゴムの融点(JIS K 7121−1987に準じて測定)が、0〜120℃の範囲にある、請求項8に記載の物品。
- 前記熱可塑性樹脂組成物(X)が、摺動性付与剤を含む、請求項1乃至9の何れか1項に記載の物品。
- 前記摺動性付与剤が、低分子量ポリオレフィンワックス及びシリコーンオイルからなる群より選ばれた少なくとも1つである、請求項10に記載の物品。
- 前記熱可塑性樹脂組成物(X)が、難燃剤を含有する、請求項1乃至11の何れか1項に記載の物品。
- 前記金属製部品と前記樹脂製部品とが互いにスナップフィットにより嵌合することにより接触する請求項1乃至12の何れか1項に記載の物品。
- 照明器具である、請求項1乃至13の何れか1項に記載の物品。
- 前記照明器具は、直管型LEDランプである、請求項14に記載の物品。
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