JP2022150927A - 打音低減材、熱可塑性組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる成形品の打音低減特性、外観特性及び耐衝撃性に優れる打音低減材を提供する。【解決手段】芳香族ビニル系化合物に由来する構造単位を主体とするブロック(I)と、イソプレン或いはイソプレン及びブタジエンに由来する構造単位を主体とするブロック(II)とを有し、該ブロック(II)は0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック共重合体の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物或いは(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と共重合可能な他のビニル単量体よりなるグラフト成分をグラフト重合してなるグラフト共重合体よりなる打音低減材。【選択図】図1

Description

本発明は、打音低減特性及び外観特性に優れる打音低減材と、この打音低減材を含む熱可塑性樹脂組成物及びこの熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に関する。
ABS樹脂などのゴム強化樹脂は、その優れた機械的性質、耐熱性、成形性により自動車内装部品等の車両部品の成形材料として広範囲に使用されている。
ポリカーボネート樹脂、特に芳香族ポリカーボネート樹脂もまた、その優れた耐熱性、機械的性質に加えて、耐衝撃性及び寸法安定性等に優れることから、自動車内装部品等の車両部品の成形材料として広範囲に使用されている。
樹脂で車両部品を成形する場合、一定以上の機械的強度を充足するだけでなく、車両室内での居住性の関係から、部品から発生する騒音を低下させ、車両の静粛性を向上させる打音低減特性が求められる。
従来、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体が、熱可塑性樹脂成形品に対して打音低減特性を示すことが知られており、このブロック共重合体としては「ハイブラー5127」(商品名、クラレ社製)が市販されている。また、特許文献1,2には、この「ハイブラー5127」に芳香族ビニル化合物を含むビニル単量体をグラフト重合したグラフト共重合体を、熱可塑性樹脂組成物に配合する打音低減材として用いることが記載されている。
なお、特許文献1,2には、「ハイブラー5127」等のブロック共重合体にグラフト重合するビニル単量体について、芳香族ビニル化合物を必須成分とし、好ましくは芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を用いるとあり、これら特許文献1,2には、グラフト重合するビニル単量体として(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の例示はなされているが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物をグラフト重合した具体例の記載はない。
特開2020-139028号公報 国際公開第2019/044709号
本発明者の検討によれば、従来の打音低減材は、ABS樹脂に対しては外観不良の問題を引き起こすことはないものの、ポリカーボネート樹脂に対して配合した場合、所望の打音低減効果を得るべく、その配合量を多めにすると、耐衝撃性が大きく低下すると共に、剥離現象のために、得られる成形品の外観が著しく損なわれる問題があることが判明した。
なお、ここで剥離現象とは、成形品の表面層が層状に剥離する現象であり、この現象は特に射出成形品のゲートカット部周辺で顕著であった。
また、特許文献1,2に記載の打音低減材では、剥離現象は抑制されるが、打音低減材の添加量を多くすると耐衝撃性が大きく損なわれることが判明した。
従って、本発明の目的は、従来の打音低減材の打音低減効果や機械的特性を損なうことなく、剥離現象を低減し、得られる成形品の打音低減特性、外観特性及び耐衝撃性に優れる打音低減材と、この打音低減材を含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、打音低減材のグラフト成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を用いることによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 芳香族ビニル系化合物に由来する構造単位を主体とするブロック(I)と、イソプレン或いはイソプレン及びブタジエンに由来する構造単位を主体とするブロック(II)とを有し、該ブロック(II)は0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック共重合体の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物或いは(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と共重合可能な他のビニル単量体よりなるグラフト成分をグラフト重合してなるグラフト共重合体よりなる打音低減材。
[2] 前記グラフト共重合体の前記ブロック(I)とブロック(II)の質量比がブロック(I)/ブロック(II)=10~30/90~70であり、前記ブロック共重合体の含有率が1~80質量%、グラフト率が8~35%である[1]に記載の打音低減材。
[3] 前記グラフト成分100質量%中の前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の含有率が80~100質量%である[1]又は[2]に記載の打音低減材。
[4] 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が(メタ)アクリル酸メチルである[1]ないし[3]のいずれかに記載の打音低減材。
[5] ポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂組成物用打音低減材である[1]ないし[4]のいずれかに記載の打音低減材。
[6] [1]ないし[5]のいずれかに記載の打音低減材と、ポリカーボネート樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物。
[7] 前記打音低減材以外の樹脂成分(以下、「マトリックス樹脂成分」と称す。)として前記ポリカーボネート樹脂とゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂及び/又はスチレン系樹脂とを含み、該マトリックス樹脂成分100質量%中のポリカーボネート樹脂の含有率が50~100質量%である[6]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8] 前記マトリックス樹脂成分と前記打音低減材との合計100質量部に対する該打音低減材の含有割合が10~30質量部である[6]又は[7]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[9] [6]~[8]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
本発明によれば、打音の発生が抑制された成形品であって、耐衝撃性等の機械的特性を損なうことなく、また、剥離現象が防止され外観特性に優れた成形品を提供することができる。
実施例において音圧の測定に使用した試験片を示す斜視図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び/又は共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
[打音低減材]
本発明の打音低減材は、芳香族ビニル系化合物に由来する構造単位を主体とするブロック(I)と、イソプレン或いはイソプレン及びブタジエンに由来する構造単位を主体とするブロック(II)とを有し、該ブロック(II)は0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック共重合体(以下、「本発明のブロック共重合体」と称す場合がある。)の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物或いは(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と共重合可能な他のビニル単量体よりなるグラフト成分をグラフト重合してなるグラフト共重合体(以下、「本発明のグラフト共重合体」と称す場合がある。)よりなるものである。
<ブロック共重合体>
本発明のブロック共重合体のブロック(I)を構成する芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、β-メチルスチレン、エチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、スチレン及びα-メチルスチレンが好ましい。
ブロック(I)は芳香族ビニル系化合物に由来する構造単位を主体として80質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは90~100質量%である。
ブロック(I)が芳香族ビニル系化合物以外の他の化合物に由来する構造単位を含む場合、他の化合物としては、以下のブロック(II)を構成するイソプレンやブタジエン等が挙げられる。
ブロック(II)は、イソプレンに由来する構造単位、或いはイソプレンとブタジエンに由来する構造単位を主体とするものである。
ブロック(II)はイソプレン或いはイソプレン及びブタジエンに由来する構造単位を主体として80質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは90~100質量%である。
ブロック(II)がイソプレン及びブタジエン以外の他の化合物に由来する構造単位を含む場合、他の化合物としては、上述のブロック(I)を構成する芳香族ビニル系化合物等が挙げられる。
ブロック(II)の3,4結合及び1,2結合含有量は、好ましくは40%以上であり、より好ましく50%以上であり、さらに好ましくは60~98%である。
ブロック(II)のtanδの主分散のピークは、0℃以上であることが必要であるが、好ましくは5℃以上であり、より好ましくは10℃以上である。tanδの主分散のピークは、粘弾性測定装置〔東洋ボールドウイン(株)製、DDV III EP〕を用い、周波数11Hz、測定温度-110℃~+100℃、昇温速度2℃/minで測定して求めることができる。ブロック(II)のtanδの主分散のピークは特に20~30℃であることが好ましい。
ブロック(I)の数平均分子量は好ましくは2500~40000であり、より好ましくは3500~35000であり、さらにより好ましくは4000~30000である。
ブロック(II)の数平均分子量は好ましくは10000~200000であり、より好ましくは20000~180000であり、さらにより好ましくは25000~150000である。
本発明のブロック共重合体の全体の数平均分子量は好ましくは30000~300000であり、より好ましくは40000~270000であり、さらにより好ましくは50000~250000である。
ここで、数平均分子量は、GPCにより測定した値である。
本発明のブロック共重合体は、ブロック(I)とブロック(II)の質量比がブロック(I)/ブロック(II)=10~30/90~70であることが好ましい。このブロック(I)/ブロック(II)質量比が上記範囲内であれば、打音の抑制効果がさらに優れる。ブロック(I)/ブロック(II)の質量比は好ましくは10~30/90~70であり、より好ましくは15~25/85~75である。
本発明において、打音低減材中のブロック共重合体の含有量即ちゴム含量は、打音低減材全体100質量%に対して、好ましくは1~80質量%、より好ましくは3~75質量%、さらに好ましくは4~70質量%、特に好ましくは5~70質量%、とりわけ好ましくは7~65質量%である。ゴム含量が前記範囲にあると、これを配合して得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、打音の低減効果、及び成形性等がさらに優れて好ましい。
なお、本発明の打音低減材は、本発明の目的を損なわない範囲で本発明のブロック共重合体以外のゴム成分を含有していてもよい。
<グラフト成分>
本発明の打音低減材は、本発明のブロック共重合体に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を必須成分とするグラフト成分をグラフト重合してなるものである。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
グラフト成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物以外の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と共重合可能なビニル単量体(以下、「他のビニル単量体」と称す場合がある。)を含んでいてもよい。
他のビニル単量体としては特に制限はないが、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物、不飽和酸無水物、カルボキシル基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、β-メチルスチレン、エチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらのうち、スチレン及びα-メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル化合物の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α-エチルアクリロニトリル、α-イソプロピルアクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。
マレイミド系化合物としては、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
不飽和酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有不飽和化合物の具体例としては、3-ヒドロキシ-1-プロペン、4-ヒドロキシ-1-ブテン、シス-4-ヒドロキシ-2-ブテン、トランス-4-ヒドロキシ-2-ブテン、3-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロペン、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
グラフト成分として、他のビニル単量体を用いる場合、グラフト成分((メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と他のビニル単量体の合計)100質量%中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の含有率は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を用いることによる本発明の効果を確実に得る上で、80質量%以上、特に90質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
<グラフト率>
本発明の打音低減材であるグラフト共重合体のグラフト率は、好ましくは8~35%、より好ましくは9~26%、特に好ましくは10~20%である。打音低減材のグラフト率が上記範囲にあることが、打音の低減効果の観点で好ましい。
ここで、グラフト率は、下記式(1)により求めることができる。
グラフト率(質量%)=((S-T)/T)×100 …(1)
上記式中、Sは打音低減材であるグラフト共重合体1gをアセトン20mLに投入し、25℃の温度条件下で、振とう機により2時間振とうした後、5℃の温度条件下で、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Tは打音低減材1gに含まれるゴム質部分である本発明のブロック共重合体の質量(g)である。このブロック共重合体の質量は、重合処方及び重合転化率から算出する方法の他、赤外分光分析、熱分解ガスクロマトグラフィー、CHN元素分析等により求めることができる。
グラフト率は、例えば打音低減材を製造する際のグラフト重合で用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合時の単量体成分の添加方法及び添加時間、重合温度等を適宜選択することにより調整することができる。
<打音低減材の製造方法>
本発明の打音低減材は、本発明のブロック共重合体の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を含むビニル系単量体をグラフト重合して製造することができる。
なお、ブロック共重合体は常法に従って製造することができる。また、ブロック共重合体は該当する市販品を用いてもよい。
本発明の打音低減材の製造方法における重合方法は、本発明のグラフト共重合体が得られる限り特に限定されず、公知の方法を適用することができる。重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、又は、これらを組み合わせた重合方法とすることができる。これらの重合方法では、公知の重合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤等を適宜使用することができる。
これらの重合方法のうち、VOCの抑制の観点から乳化重合法を用いることが好ましい。
乳化重合により本発明のグラフト共重合体を製造する方法としては、例えば、グラフト成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を含むビニル単量体にレドックス系開始剤を混合した上で、このビニル単量体混合物を1時間以上にわたって、本発明のブロック共重合体の水性分散体に連続的に添加する乳化重合が挙げられる。ビニル単量体の添加時間が1時間未満の場合、グラフト率が低下する傾向にある。また、重合の際に、連鎖移動剤、乳化剤等を状況に応じて用いてもよい。
なお、得られるグラフト共重合体には必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。
レドックス系開始剤としては、油溶性有機過酸化物と硫酸第一鉄-キレート剤-還元剤とを組み合わされたものが好ましい。
油溶性有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
より好ましいレドックス系開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイドと、硫酸第一鉄と、ピロリン酸ナトリウムと、デキストロースとからなるものである。
連鎖移動剤としては、メルカプタン類(オクチルメルカプタン、n-,t-ドデシルメルカプタン、n-ヘキサデシルメルカプタン、n-,t-テトラデシルメルカプタン等)、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ等のソーダー塩等のアリル化合物、α-メチルスチレンダイマー等が挙げられ、これらの中でもメルカプタン類が好ましい。また、これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の添加方法は、一括、分割、連続のいずれでもよい。
また、連鎖移動剤の添加量は、グラフト成分のビニル単量体100質量部に対し、2.0質量部以下が好ましい。
乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系塩、脂肪酸塩、アミノ酸誘導体塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部にカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を有し、カチオン部にアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有するものが挙げられる。
乳化剤の添加量は、グラフト成分のビニル単量体100質量部に対し、10質量部以下が好ましい。
このようにして得られるグラフト共重合体は、水中に分散した状態である。グラフト共重合体を含有する水性分散体からグラフト共重合体を回収する方法としては、例えば水性分散体に析出剤を添加し、加熱、撹拌した後、析出剤を分離し、これを水洗、脱水、乾燥する析出法が挙げられる。
析出法における析出剤としては、例えば硫酸、酢酸、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等の水溶液が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<用途>
前述の如く、剥離現象による外観低下の問題は、ポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂組成物に従来の打音低減材を配合した場合に起こる問題であることから、本発明の打音低減材は、特に、ポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂組成物用打音低減材として有用である。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の打音低減材とポリカーボネート樹脂とを含むことを特徴とする。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂としては、耐衝撃性に優れることから、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重縮合法、ジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換反応(溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られるものが全て使用できる。
上記ジヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’-ジヒドロキシフェニルエーテル、4、4’-ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン、ヒドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。さらに、ヒドロキシアリールオキシ末端化されたポリオルガノシロキサン(例えば、米国特許第3,419,634号明細書参照)等がある。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニルプロパン(ビスフェノールA)が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、好ましくは12,000~40,000、さらに好ましくは15,000~35,000、特に好ましくは18,000~30,000である。分子量が高い方が得られる成形品の機械的強度が高くなるが、流動性の低下で成形品の外観が低下する傾向となる。芳香族ポリカーボネート樹脂(A3)として分子量の異なる2種以上の芳香族ポリカーボネート系樹脂を用いることもできる。
ここで、芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常、塩化メチレンを溶媒として、20℃、濃度〔0.7g/100ml(塩化メチレン)〕で測定した比粘度(ηsp)を以下の式(2)に挿入して算出できる。
粘度平均分子量=(〔η〕×8130)1.205 …(2)
ここで、〔η〕=〔(ηsp×1.12+1)1/2-1〕/0.56Cであり、Cは濃度を示す。
<マトリックス樹脂成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の打音低減材以外のマトリックス樹脂成分としてポリカーボネート樹脂のみを含むものであってもよく、ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。
ポリカーボネート樹脂以外のその他の熱可塑性樹脂としては、ゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリカーボネート樹脂と混合して用いるその他の熱可塑性樹脂としては、特にABS樹脂、AES樹脂等のゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂及び/又はAS樹脂等のスチレン系樹脂が、耐衝撃性の観点から好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物が、打音低減材以外のマトリックス樹脂成分として、ポリカーボネート樹脂と共にABS樹脂、AES樹脂等のゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂やAS樹脂等のスチレン系樹脂といった他の熱可塑性樹脂を含有する場合、本発明の打音低減材による剥離現象防止の効果をより有効に得る観点から、打音低減材以外のマトリックス樹脂成分100質量%中のポリカーボネート樹脂の含有率は50質量%以上であることが好ましく、特に60質量%以上であることが好ましい。
マトリックス樹脂成分が芳香族ポリカーボネート樹脂とABS樹脂及び/又はAES樹脂とAS樹脂とを含む場合、マトリックス樹脂成分100質量%中の各樹脂の含有率は、芳香族ポリカーボネート樹脂50~90質量%、ABS樹脂及び/又はAES樹脂5~30質量%、AS樹脂0~30質量%であることが耐衝撃性がさらに優れることから好ましい。
<打音低減材の含有割合>
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、打音低減材の含有割合は、ポリカーボネート樹脂を含むマトリックス樹脂成分と本発明の打音低減材の合計100質量部に対して、5~40質量部、特に8~33質量部であることが好ましい。
打音低減材の含有割合が上記下限以上であれば、打音低減材を配合することによる打音低減効果を十分に得ることができる。打音低減材の含有割合が上記上限以下であれば、打音低減材を多量配合することによる耐衝撃性、曲げ弾性率等の低下の問題を抑制することができる。
<その他の成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の打音低減材及びマトリックス樹脂成分以外のその他の成分を、本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
(摺動性付与剤)
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、摺動性付与剤を含んでもよい。摺動性付与剤は、熱可塑性樹脂組成物に摺動性を付与して、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られた成形品からなる物品の組み立てを容易にするだけでなく、使用時にかかる成形品からなる物品から軋み音等の異音が発生するのを抑制する効果を付与することができる。
摺動性付与剤の代表例としては、特開2011-137066号公報に記載されるような低分子量酸化ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンや、低分子量(例えば、数平均分子量10,000以下)ポリオレフィンワックス、シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に摺動性付与剤を配合する場合、その配合量は、マトリックス樹脂成分と本発明の打音低減材との合計100質量部に対して、0.1~10質量部とすることが好ましい。
(熱老化防止剤)
軋み音の発生が抑制され、表面の光沢の高い成形品を得るために、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、熱老化防止剤を添加することができる。熱老化防止剤としては、ゴム等に配合されている熱老化防止剤であれば特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、下記一般式(I)で表されるようにオルト位にt-ブチル基を有するフェノール基を備えたフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
Figure 2022150927000002
Figure 2022150927000003
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を表し、t-Buはt-ブチル基を表す。)
上記一般式(I)において、置換基R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、t-ブチル基又はメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましく、とりわけ、Rが水素原子である場合が特に好ましい。具体的には、本発明で使用するフェノール系酸化防止剤は、上記一般式(I)で示される基を1又は複数備える化合物であることが好ましく、下記式(C1)、(C2)及び(C3)の何れか1つで表される化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2022150927000004
Figure 2022150927000005
リン系酸化防止剤としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022150927000006
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を表す。特に好ましくは、R及びRは、t-C基である。)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に熱老化防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を100質量部とした場合、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.02~3質量部、さらに好ましくは0.03~2質量部、特に好ましくは0.03~1質量部であり、最も好ましい範囲としては、0.02~0.6質量部、0.02~0.2質量部、0.03~0.6質量部、又は、0.03~0.2質量部が挙げられる。熱老化防止剤の配合量が上記範囲にあると、成形品の光沢が優れ、良好な外観が得られる。
(その他の添加剤)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合し得る他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、充填剤、帯電防止剤、難燃性付与剤、防曇剤、滑剤、抗菌剤、防かび剤、粘着付与剤、可塑剤、着色剤、黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、顔料(例えば、赤外線吸収、反射能力等の機能性を付与した顔料も含む。)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのその他の添加剤の配合量は、マトリックス樹脂成分と本発明の打音低減材との合計100質量部に対して、通常0.1~30質量部である。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各成分を所定の配合比で、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーなどで混合した後、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダー等の混練機を用いて適当な条件下で溶融混練して製造することができる。好ましい混練機は、二軸押出機である。さらに、各々の成分を混練するに際しては、それらの成分を一括して混練しても、多段、分割配合して混練してもよい。なお、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練した後、押出機によりペレット化することもできる。溶融混練温度は、通常220~280℃、好ましくは240~260℃である。
[好適物性等]
以下に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の好適物性等を説明する。以下に記載する本発明の熱可塑性樹脂組成物の物性等は具体的には、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
<音圧の最大値>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、打音の抑制の観点から、下記の条件(1)で測定した場合に、20~20,000Hzの周波数域の音圧の最大値が75dB以下であることが好ましい。
また、この音圧の最大値を与える周波数は3,000Hz以下であることが好ましく、2,000Hz以下であることがより好ましい。
音圧の最大値が上記範囲内の低い周波数側にシフトするほど、打音の強度が抑制されると考えられる。
<測定条件(1)>
射出成形機を用いて該熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた、縦120mm、横60mm、厚さ3mmの矩形本体の上端辺部の中央に上底20mm、下底40mm、高さ8mm、厚さ1.5mmの台形状の突起を備えた形状の一体成形品である試験片の前記突起に2本の糸をテープで貼り付けて吊り下げた状態で、該試験片の一方の面の中央をステンレス製のハンマーで40±5Nの力で叩いた時の響きを、該面に対して垂直方向に12cm離して設置した音圧マイクロホンで集音して求めた音圧の周波数スペクトルに基づいて測定。
<機械的物性・耐熱性>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、高い機械的強度を保持していることが好ましく、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、曲げ弾性率が1,600MPa以上であることが好ましく、荷重たわみ温度(1.8MPa)が70℃以上であることが好ましく、ロックウェル硬さが90以上であることが好ましく、引張強度が35MPa以上であることが好ましく、曲げ強度が45MPa以上であることが好ましく、シャルピー衝撃強さは30kJ/m以上であることが好ましい。
[成形品]
本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形、ガスインジェクション成形、プレス成形、シート押出成形、真空成形、異形押出成形、発泡成形、材料押出堆積法、粉末焼結積層造形等の公知の成形法により成形することで製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる本発明の成形品は、特にその優れた打音低減特性と外観特性から、車両内装品、外装品に使用することができる。例えば、シートベルトのバックル、アッパーボックス、カップホルダー、ドアトリム、ドアノブ、ドアポケット、ドアライニング、ピラーガーニッシュ、コンソール、コンソールボックス、ルームミラー、サンバイザー、センターパネル、ベンチレータ、エアコン、エアコンパネル、ヒーターコンパネル、板状羽根、バルブシャッター、ルーバー等、ダクト、メーターパネル、メーターケース、メーターバイザー、インパネアッパーガーニッシュ、インパネロアガーニッシュ、A/T インジケーター、“オンオフスイッチ類(スライド部、スライドプレート)、スイッチベゼル、グリルフロントデフロスター、グリルサイドデフロスター、リッドクラスター、カバーインストロアーなどのマスク類(マスクスイッチ、マスクラジオなど)、ポケット類(ポケットデッキ、ポケットカードなど)、ステアリングホイールホーンパッド、カップホルダー、スイッチ部品、スイッチボックス、アシストグリップ等のグリップ、ハンドル、グラブハンドルカーナビゲーション用外装部品、カメラカバー、カメラモニタリングシステム、ヘッドアップディスプレイ、リアエンターテイメントシステム、グローブボックス、グローブボックスラチェット、小物入れ、小物入れなどの蓋にあるラチェット、ルームミラー、ルームランプ、アームレスト、スピーカーグリル、ナビパネル、オーバーヘッドコンソール、クロックインジケーター、SOSスイッチ等の車両内装品、フロントグリル、ホイールキャップ、バンパー、フェンダー、スポイラー、ガーニッシュ、ドアミラー、ラジエターグリル、リアコンビネーションランプ、ヘッドランプ、ターンランプ、アウトサイドドアハンドルのグリップ等の車両外装品、事務機器、家庭用家電製品のケース、ハウジング等の外装部品、内装部品、スイッチまわりの部品、可動部の部品、デスク用ロック部品、デスク引き出し、複写機の用紙トレイ、直管型LEDランプ、電球型LEDランプ、電球型蛍光灯、シーリングライトのパネル、カバー、コネクタなどの照明器具、携帯電話、タブレット端末、炊飯器、冷蔵庫、電子レンジ、ガスコンロ、掃除機、食器洗浄機、空気清浄機、エアコン、ヒーター、TV、レコーダーなどの家電器具、プリンター、FAX、コピー機、パソコン、プロジェクター等のOA機器、オーディオ器具、オルガン、電子ピアノ等の音響機器、化粧容器のキャップ、電池セル筐体等として使用することができ、特に車両内装品として好ましく使用することができる。
本発明の成形品は、1つの部品から構成されたものであっても、2つ以上の部品から構成されたものであってもよいが、互いに接触する可能性のある2つの部品を少なくとも備え、両部品が互いに接触した時に打音を発生する危険性がある物品の部品として好適に用いることができる。本発明によれば、例えば、互いに接触する可能性のある2つの部品を少なくとも備え、前記2つの部品の少なくとも一方の部品と接触する可能性のある他方の部品の部分の少なくとも一部を本発明の熱可塑性樹脂組成物で形成した物品を提供することができる。換言すれば、本発明によれば、互いに接触する可能性のある第一の部品と第二の部品とを少なくとも備え、前記第一の部品は、前記第二の部品と接触する可能性のある部分の少なくとも一部が、本発明の熱可塑性樹脂組成物で形成されている物品を提供することができる。この場合、前記第一の部品は、その全体又は前記第二の部品と接触する部分の一部若しくは全部が、本発明の熱可塑性樹脂組成物で形成されていることが好ましい。
なお、前記第一の部品が接触する第二の部品は、本発明の熱可塑性樹脂組成物で成形された部品であってもよく、また、本発明の熱可塑性樹脂組成物以外の樹脂で成形された部品や金属のような他の材料でできた部品であってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物以外の樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂等のゴム強化芳香族ビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート/ABSアロイ、ナイロン樹脂、ナイロン/ABSアロイ、PET樹脂、PET/ABSアロイ、PBT/ABSアロイ、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー等が挙げられる。
互いに接触する可能性のある第一の部品と第二の部品とを少なくとも備えた上記物品としては、前記第一及び第二の部品が上記のように互いに接触する可能性のあるものであれば特に限定されないが、例えば、前記第一及び第二の部品が隙間をおいて隣接しているが振動、開閉操作等の外力により間欠的に接触する物品、より具体的には、両部品が互いに遊嵌すなわち緩く嵌合している物品が挙げられる。両部品の嵌合の方式は、両部品が緩く嵌合している限り特に限定されず、例えば、スナップフィット、螺合、係合であってもよい。このような物品としては、例えば、プッシュラッチやマグネットラッチを用いてプッシュオープン式に構成された開閉部(例えば、蓋、扉)を備えた物品が挙げられ、より具体的には、車両内装部品ではサングラストレーなどの開閉部品が挙げられる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。以下において、「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準である。
〔原材料〕
以下の実施例及び比較例において、熱可塑性樹脂組成物の製造には、原材料は、以下の方法により製造した樹脂成分や、以下の市販品を用いた。
[ゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂]
<ABS樹脂の製造>
撹拌機付き重合容器に、水280部及びジエン系ゴム質重合体として、重量平均粒子径0.26μm、ゲル分率90%のポリブタジエンラテックス60部(固形分換算)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄0.0025部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み、脱酸素後、窒素気流中で撹拌しながら60℃に加熱した後、アクリロニトリル10部、スチレン30部、t-ドデシルメルカプタン0.2部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部からなる単量体混合物を60℃で5時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、重合温度を65℃にし、1時間撹拌を続けた後、重合を終了させ、グラフト共重合体のラテックスを得た。重合転化率は98%であった。その後、得られたラテックスに、2,2’-メチレン-ビス(4-エチレン-6-t-ブチルフェノール)0.2部を添加し、塩化カルシウムを添加して凝固し、洗浄、濾過及び乾燥工程を経てパウダー状のABS樹脂を得た。得られたABS樹脂のグラフト率は40%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.38dl/gであった。
<AES樹脂の製造>
リボン型撹拌機翼、助剤連続添加装置、温度計などを装備した容積20Lのステンレス製オートクレーブに、エチレン・α-オレフィン系ゴム質重合体として、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=78/22(%)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20、融点(Tm)は40℃、ガラス転移温度(Tg)は-50℃)22部、スチレン55部、アクリロニトリル23部、t-ドデシルメルカプタン0.5部、トルエン110部を仕込み、内温を75℃に昇温して、オートクレーブ内容物を1時間撹拌して均一溶液とした。その後、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.45部を添加し、内温をさらに昇温して、100℃に達した後は、この温度を保持しながら、撹拌回転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温度を保持しながらさらに2時間反応を行って重合反応を終了した。その後、内温を100℃まで冷却し、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)-プロピオネート0.2部、ジメチルシリコーンオイル;KF-96-100cSt(商品名:信越シリコーン株式会社製)0.02部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、さらに40mmφベント付き押出機(シリンダー温度220℃、真空度760mmHg)を用いて揮発分を実質的に脱気させ、ペレット化した。得られたAES樹脂のグラフト率は70%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.47dl/gであった。
[スチレン系樹脂]
<AS樹脂>
AS樹脂として、アクリロニトリル単位及びスチレン単位の割合が、それぞれ、24%及び76%であり、重量平均分子量が88,000であるアクリロニトリル・スチレン共重合体を用いた。
[ポリカーボネート樹脂]
<PC樹脂>
PC樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチック社製芳香族ポリカーボネート樹脂「NOVAREX 7022J(商品名)」(粘度平均分子量20900)を用いた。
[打音低減材]
<本発明の打音低減材(MMA)-1の製造>
ブロック共重合体として、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック共重合体「ハイブラー5127」(商品名、クラレ社製、スチレン含量20%、ガラス転移温度(Tg)8℃、tanδの主分散のピーク温度25℃、3,4結合及び1,2結合含有量95%)を用意し、固形分濃度30%の水性分散体とした。
撹拌機付きステンレス重合槽に、イオン交換水225部、ハイブラー5127の水性分散体を固形分として50部、硫酸第一鉄0.008部、ピロリン酸ナトリウム0.2部およびデキストロース0.47部を仕込み、温度を80℃とした。次に、メタクリル酸メチル50部、およびt-ブチルハイドロパーオキサイド0.8部を150分連続的に添加し、重合温度を80℃一定に保ち乳化重合を行った。重合後、得られたグラフト共重合体を含有する水性分散体に酸化防止剤を添加し、硫酸にて固形分の析出を行い、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉状のグラフト共重合体を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率は12%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.56dl/gであった。
このグラフト共重合体よりなる打音低減材を「打音低減材(MMA)-1」と称す。
<本発明の打音低減材(MMA)-2の製造>
打音低減材(MMA)-1の製造において、ハイブラー5127の水性分散体の固形分を60部、メチクリル酸メチルを40部としたこと以外は同様にして、打音低減材(MMA)-2を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率は19%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.56dl/gであった。
<本発明の打音低減材(MMA)-3の製造>
打音低減材(MMA)-1の製造において、ハイブラー5127の水性分散体の固形分を70部、メチクリル酸メチルを30部としたこと以外は同様にして、打音低減材(MMA)-3を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率は24%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.56dl/gであった。
<本発明の打音低減材(MMA)-4の製造>
打音低減材(MMA)-1の製造において、ハイブラー5127の水性分散体の固形分を80部、メチクリル酸メチルを20部としたこと以外は同様にして、打音低減材(MMA)-4を得た。得られたグラフト共重合体のグラフト率は24%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は0.56dl/gであった。
<比較の打音低減材>
上記の「ハイブラー5127」を比較の打音低減材として用いた。この打音低減材を「打音低減材(0)」と称す。
<比較の打音低減材の製造>
打音低減材MMAの製造において、メチクリル酸メチル40部の代りにスチレン30部、アクリロニトリル10部を用い、t-ブチルハイドロパーオキサイドをクメンハイドロパーオキサイドとしたこと以外は同様にして、比較の打音低減材を得た。
この打音低減材を「打音低減材(AS)」と称す。
[実験例]
PC樹脂とABS樹脂を用い、それぞれ打音低減材(0)を配合することによる剥離の有無を調べる実験を行った。
PC樹脂又はABS樹脂100部に、表1に示す割合で打音低減材(0)を添加し、二軸押出機(型式名「TEX28V、日本製鋼所」)を用いて、250℃で溶融混練してペレット化した。得られた樹脂組成物のペレットを用いて東芝機械製IS-170FA射出成形機によりシリンダー温度250℃、射出圧力50MPa、金型温度80℃にて射出成形を行い、100mm×100mm×厚さ3mmの成形板を得た。
この成形板のゲートカット部を目視観察し、剥離の有無を調べた。
結果を表1に示す。
なお、表1には、後掲の実施例におけると同様の方法で測定した物性値を併記した。
Figure 2022150927000007
表1より以下のことが分かる。
PC樹脂もABS樹脂も打音低減材(0)の添加に比例して打音低減特性が向上する。
ABS樹脂では、打音低減材(0)を13部まで添加しても剥離は生じないが、PC樹脂では13部の添加で剥離が生じる。
このことから、PC樹脂に従来の打音低減材を配合すると、打音低減効果が十分に得られるような添加量では剥離現象で成形品の外観が損なわれることが分かる。
〔実施例1、比較例1~6〕
[熱可塑性樹脂組成物の製造]
表2に示す樹脂成分と打音低減材を表2に示す配合割合で用い、更に、以下に示す添加剤を、これらの樹脂成分の合計100部に対して以下の割合で添加して混合した。
リン系酸化防止剤:城北化学工業社製トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト 添加量:0.2部
フェノール系酸化防止剤:住友化学社製アクリル酸2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル] -4,6-ジ-tert-ペンチルフェニル 添加量:0.2部
カーボンブラック 添加量:0.4部
この混合物を、二軸押出機(型式名「TEX28V、日本製鋼所」)を用いて、250℃で溶融混練してペレット化した。得られた樹脂組成物を用い、下記の測定及び評価を行った。結果を下記表2に示す。なお、表2中、打音低減材(MMA)と打音低減材(AS)の添加量は、これらの打音低減材中のハイブラー5127の添加量としての数値である。
[評価方法]
<曲げ弾性率>
ISO178に従って測定した。
<曲げ強度>
ISO178に従って測定した。
<引張強度>
ISO527に従って測定した。
<伸び>
ISO527に従って測定した。
<ロックウェル硬さ>
ISO2039に従って測定した。
<荷重たわみ温度>
ISO75に従って、1.8MPa荷重条件で測定した。
<シャルピー衝撃強さ>
ISO179に従い、23℃の条件でシャルピー衝撃試験(ノッチ付)を行い、シャルピー衝撃強さを測定した。
<剥離の有無>
実験例1と同様にして剥離の有無を確認した。
<打音の音圧>
各熱可塑性樹脂組成物を用い、図1に示すような縦120mm、横60mm、厚さ3mmの矩形本体の上端辺部の中央に上底20mm、下底40mm、高さ8mm、厚さ1.5mmの台形状の突起を備えた形状の一体成形品である試験片を、東芝機械製IS-170FA射出成形機によりシリンダー温度250℃、射出圧力50MPa、金型温度60℃にて射出成形した。そして、この試験片の前記突起に2本の糸をテープで貼り付けて吊り下げた状態で、前記試験片の一方の面の中央を、打撃力を測定できるPCBピエゾトロニクス社製のステンレス製のハンマー(商品名:086C03)を用いて40±5Nの力で叩いた時の響きを、前記面に対して垂直方向に12cm離して設置したPCBピエゾトロニクス社製の音圧マイクロホン(商品名:378B02)で集音して、オロス社製のフーリエ変換アナライザ(商品名:マルチJOB FFTアナライザ OR34J-4)にて音圧の周波数スペクトルに変換した。得られた周波数スペクトル中の音圧レベル(db)の最大値とその周波数(Hz)を測定値として用いた。なお、測定は室温23℃の部屋で行った。
測定値として得られた音圧レベル(db)は、観測された打撃力1Nあたりの音圧を意味する。
<打音の減衰>
前記打音の音圧測定と同様の操作を行い、オロス社製のフーリエ変換アナライザー(商品名:マルチJOB FFTアナライザ OR34J-4)にて音圧の時間変化を測定した。音の発生から、音圧が最大音圧の1/4の音圧に静まるまでに要する時間を打音の減衰時間として用いた。打音の減衰は、0.01秒よりも短いことが好ましく、0.008秒よりも短いことがより好ましい。
Figure 2022150927000008
表2より、本発明の打音低減材(MMA)を用いることにより、打音低減効果を十分に得ることができる添加量においても、耐衝撃性の低下を抑えて、剥離現象を生じることなく外観に優れた成形品を得ることができることが分かる。
これに対して、打音低減材(0)では9部の添加で剥離現象がみられる。剥離現象が起こらない添加量では十分な打音低減効果が得られない。しかも添加量を増やすと耐衝撃性が大きく損なわれる(比較例4)。
打音低減材(AS)は、特許文献1,2に記載の打音低減材に該当する。この打音低減材(AS)では剥離現象は認められないが、耐衝撃性が大きく損なわれる(比較例6)。

Claims (9)

  1. 芳香族ビニル系化合物に由来する構造単位を主体とするブロック(I)と、イソプレン或いはイソプレン及びブタジエンに由来する構造単位を主体とするブロック(II)とを有し、該ブロック(II)は0℃以上にtanδの主分散のピークを有するブロック共重合体の存在下に、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物或いは(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物と共重合可能な他のビニル単量体よりなるグラフト成分をグラフト重合してなるグラフト共重合体よりなる打音低減材。
  2. 前記グラフト共重合体の前記ブロック(I)とブロック(II)の質量比がブロック(I)/ブロック(II)=10~30/90~70であり、前記ブロック共重合体の含有率が1~80質量%、グラフト率が8~35%である請求項1に記載の打音低減材。
  3. 前記グラフト成分100質量%中の前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の含有率が80~100質量%である請求項1又は2に記載の打音低減材。
  4. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が(メタ)アクリル酸メチルである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の打音低減材。
  5. ポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂組成物用打音低減材である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の打音低減材。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の打音低減材と、ポリカーボネート樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記打音低減材以外の樹脂成分(以下、「マトリックス樹脂成分」と称す。)として前記ポリカーボネート樹脂とゴム強化スチレン系熱可塑性樹脂及び/又はスチレン系樹脂とを含み、該マトリックス樹脂成分100質量%中のポリカーボネート樹脂の含有率が50~100質量%である請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記マトリックス樹脂成分と前記打音低減材との合計100質量部に対する該打音低減材の含有割合が10~30質量部である請求項6又は7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項6~8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
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JP7468606B1 (ja) 2022-12-01 2024-04-16 テクノUmg株式会社 熱可塑性樹脂組成物

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