JPH07228763A - 耐摩擦摩耗性樹脂組成物 - Google Patents

耐摩擦摩耗性樹脂組成物

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JPH07228763A
JPH07228763A JP2238394A JP2238394A JPH07228763A JP H07228763 A JPH07228763 A JP H07228763A JP 2238394 A JP2238394 A JP 2238394A JP 2238394 A JP2238394 A JP 2238394A JP H07228763 A JPH07228763 A JP H07228763A
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friction
resin composition
molecular weight
average molecular
polyethylene
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JP2238394A
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Toshiaki Okuzono
敏昭 奥園
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的で、ウエルド強度の低下や成形品の光
沢度不良を改善し、機械的性質、寸法精度、流動性、耐
熱性、電気的性質および耐摩擦摩耗性に優れた樹脂組成
物を提供すること。 【構成】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂80〜9
8重量%、ポリテトラフルオロエチレン2〜20重量%
からなる樹脂組成物100重量部に対し、(B)粘度平
均分子量300,000〜800,000のポリエチレ
ン2〜20重量部からなる耐摩擦摩耗性樹脂組成物。 【効果】 電気・電子部品、自動車部品、機械部品、建
築部品、雑貨のギヤや軸受けなど耐摩擦摩耗性の重要視
される分野で使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩擦摩耗性に優れた
ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、芳香族
ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレンお
よび特定分子量のポリエチレンからなる樹脂組成物であ
る。本発明の樹脂組成物は、機械的性質、熱的性質、電
気的性質、寸法精度、成形品外観(光沢度)、成形時の
流動性(以下流動性と略記)に優れ、特に耐摩擦摩耗性
が著しく改善された樹脂組成物であり、電気・電子部
品、自動車部品、機械部品、建築部品、雑貨のギャーや
軸受けなどの耐摩擦摩耗性の重要視される分野に好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、芳香族ポリカーボネート樹脂
(以下PCと略記することがある)は、透明性、機械的
性質、熱的性質、電気的性質、寸法精度、光沢度などに
優れていることから、電気・電子部品、自動車部品、機
械部品、建築部品、雑貨などの分野で射出成形品、ブロ
ー成形品、フィルムやシートなどの押出成形品として使
用されている。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂は、
ナイロンやポリアセタールに比較し、耐摩擦摩耗性が劣
る場合があり、歯車や軸受けなどの用途には使用し得な
い場合がある。
【0003】芳香族ポリカーボネート樹脂の耐摩擦摩耗
性を改良するため、ポリテトラフルオロエチレン(以下
PTFEと略記することがある)を配合することが従来
からよく知られており、実用化もされている。ただPT
FEは、融点が高いため、PCに配合する前にPTFE
を機械的に粉砕するなどの余分な工程が必要であり、か
つ価格が高いという欠点もあった。従って、PTFEを
配合する場合、PTFEの配合比率は低いことが望まれ
ていた。
【0004】特開昭60−144351号公報には、特
定形状の粘度平均分子量が1,000,000以上の超
高分子量ポリエチレン(以下SHMPEと略記すること
がある)粉末を、PCに配合する方法が開示されている
が、耐摩擦摩耗性の改良は必ずしも十分でなく、PCと
SHMPEの溶融混練時にSHMPEが溶融せず、SH
MPEが大きい形状のままで成形品中に分散擦る結果と
なり成形品の表面光沢の低下が大きい。
【0005】特開平1−259059号公報には、PC
にPTFEおよびSHMPEを配合する方法が開示され
ている。該公報記載の樹脂組成物はウエルド強度が低い
という問題点や、SHMPEの粘度平均分子量が1,0
00,000を越えると、加熱混練時にSHMPEが溶
融せず、SHMPEが大きい形状のまま樹脂組成物中に
存在し、機械的強度や成形品の表面光沢を低下させる。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、PTFE
の配合比率を低減してコストダウンを計り、特定分子量
のPEを添加し、かつPE配合によるウエルド強度の低
下や成形品表面の光沢度の低下を改善し、機械的性質、
流動性、耐熱性、電気的性質および耐摩擦摩耗性に優れ
た樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、芳香族ポリ
カーボネート樹脂にポリテトラフルオロエチレンおよび
各種ポリマー、オリゴマー、無機微粒子などを種々の比
率で配合した樹脂組成物について、耐摩擦摩耗性試験を
行った結果、芳香族ポリカーボネート樹脂にポリテトラ
フルオロエチレンおよび特定分子量のポリエチレンを配
合した場合に、ウエルド強度などの機械的性質、成形品
の光沢度、流動性、耐熱性、電気的性質に優れた耐摩擦
摩耗性樹脂組成物が得られることを見出だし、本発明を
完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、(A)芳香族ポリカ
ーボネート樹脂80〜98重量%、ポリテトラフルオロ
エチレン2〜20重量%からなる樹脂組成物100重量
部に、(B)粘度平均分子量300,000〜800,
000、のポリエチレン2〜20重量部を配合してなる
耐摩擦摩耗性樹脂組成物に関する。
【0009】本発明に使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、粘度平均分子量15,000〜35,000
好ましくは、18,000〜28,000のものが使用
される。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
が15,000より低い場合には、成形品の機械的性質
の低下が大きく、35,000を越えると溶融粘度が高
すぎ、成形性に劣り好ましくない。
【0010】本発明に使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の
存在下、二価フェノール系化合物およびホスゲンと反応
させた後、第三級アミンもしくは第四級アンモニウム塩
などの重合触媒を添加して重合させる界面重合法や、二
価フェノール系化合物をピリジンまたはピリジンと不活
性溶媒の混合溶液に溶解し、ホスゲンを導入し直接製造
するピリジン法等従来の芳香族ポリカーボネート樹脂の
製造法により得られるものが使用される。上記の反応に
際し、必要に応じて、分子量調節剤、分岐化剤などが使
用される。
【0011】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製
造に使用される二価フェノール系化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔=ビス
フェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2, 2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ターシ
ャリブチルフェニル)プロパン、2, 2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2, 2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3, 5−ジブロモフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3, 5−ジクロ
ロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリー
ル)アルカン類;1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリ
ール)シクロアルカン類;4, 4−ジヒドロキシジフェ
ニールエーテル、4, 4´−ジヒドロキシ−3, 3´−
ジメチルジフェニールエーテルのようなジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4, 4´−ジヒドロキシ−3, 3
´−ジメチルジフェニールスルヒドのようなジヒドロキ
シジアリールスルヒド類;4, 4´−ジヒドロキシ−
3, 3´−ジメチルジフェニールスルホキシドのような
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4, 4´−ジ
ヒドロキシ−3, 3´−ジメチルジフェニールスルホン
のようなジヒドロキシジアリールスルホン類などが単独
または2種以上混合して使用できる。
【0012】本発明におけるポリテトラフルオロエチレ
ンは、粒状または微小な凝集塊からなる粉末状で使用さ
れる。粒状または微小な凝集塊を形成する一次粒子また
は凝集塊の平均粒径は0.01〜500μm、好ましく
は0.05〜100μm、さらに好ましくは0.1〜1
0μmである。またポリテトラフルオロエチレンの平均
分子量は、10,000〜1,000,000、好まし
くは50,000〜300,000のものが使用され
る。
【0013】ポリテトラフルオロエチレンの平均粒径が
0.01μmよりも小さいものである場合には、耐摩
擦、摩耗性の改良の効果が小さく好ましくなく、逆に5
00μmを超えるような大きなものの場合には、配合に
先立ち粉砕を必要としたり、PCへの分散性がよくなく
成形品の物性に悪影響を与えることから好ましくない。
また平均分子量が10,000未満のものでは融点が3
00℃以下で、射出成型時にフィルム状に分散し層状剥
離を生じ好ましくなく、1,000,000を超えるよ
うな超高分子量のものは、PCへの分散が悪く、良好な
成形品が得難い。
【0014】本発明におけるポリエチレンは粘度平均分
子量で300,000〜800,000、好ましくは4
00,000〜600,000の範囲のものが使用され
る。粘度平均分子量が300,000より低い場合、耐
摩擦摩耗性樹脂組成物から得られる成形品のウエルド強
度の低下が大きく不都合である。逆に、ポリエチレンの
粘度平均分子量が800,000を越えるような高分子
量では、溶融混練時にポリエチレンが微細化されず成形
品表面の光沢不良や強度低下が大きく好ましくない。
【0015】本発明に使用されるポリエチレンの形状は
とくに制限がなく、通常射出成形や押出成形に使用され
るポリエチレンであれば良い。すなわち、ペレット状、
ビーズ状、粉末状など種々の形状のポリエチレンが使用
できる。
【0016】本発明に使用されるポリエチレンは芳香族
ポリカーボネート樹脂との親和性を増すために、酸、エ
ステル、酸無水物基、エポキシド基のような極性基を導
入して変性して用いることができる。
【0017】本発明において、配合されるポリエチレン
の量は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリテトラフル
オロエチレンからなる樹脂組成物100重量部に対し、
2〜20重量部が好ましい。ポリエチレンの配合比率が
2重量部より低い場合は、耐摩擦摩耗性の改良効果が低
く、20重量部を越える場合は、弾性率や荷重撓み温度
の低下が大きいので好ましくない。
【0018】本発明の耐摩擦摩耗性樹脂組成物に、高度
の耐衝撃性が要求される場合は、下記のエラストマーを
2〜15重量部の範囲で配合することができる。エラス
トマーの配合比率が2重量部より低いと耐衝撃性の改良
効果が小さく、15重量部を越えると荷重撓み温度や弾
性率の低下が大きく好ましくない。
【0019】このようなエラストマーの具体例として
は、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエンゴム(SB
R)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPD
M)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ
アクリル酸エステル、ポリイソプレン、水添イソプレ
ン、アクリル系エラストマー、ポリエステル・ポリエー
テルコエラストマー、東レ(株)から「ペバックス」の
商品名で販売されているようなポリアミド系エラストマ
ー、大日本インキ化学工業(株)から「グリラックス
A」の商品名で販売されているようなポリアミド系エラ
ストマー、エチレン・ブテン−1共重合体、スチレン・
ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン・ブタジ
エンブロック共重合体、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボネン共重
合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、シェル化学
から「クレイトンG」の商品名で販売されているような
水添スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック
共重合体(SEBS)、三井石油化学(株)から「タフ
マー」の商品名で販売されているようなエチレン・α−
オレフィンコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィ
ンコポリマー、三井・デュポンポリケミカル社から販売
されているようなエチレンメタクリル酸系特殊エラスト
マー、武田薬品から「スタフロイド」の商品名で販売さ
れているようなコア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂か
らなるコア・シェルタイプのエラストマー、クレハ化学
から「パラロイドEXL」の商品名で販売されているよ
うなアクリル系(反応タイプ)のエラストマー、MBS
系エラストマーやクレハBTAエラストマー、三菱レイ
ヨンから「メタブレンS」の商品名で販売されているよ
うなコア・シェルタイプのエラストマーなどが使用でき
る。同じく三菱レイヨンから販売されているようなコア
層がシリコンゴムでシェル層がアクリルゴムまたはアク
リル樹脂からなるコア・シェルタイプのエラストマー
で、グレード名「S2001」または「RK120」な
どが使用できる。さらにクラレ(株)から「セプトン」
の商品名で販売されているようなポリスチレン相と水素
添加ポリイソプレン相からなるブロック共重合体も使用
できる。
【0020】本発明の耐摩擦摩耗性樹脂組成物には、耐
摩擦摩耗性を損なわない範囲で所望に応じてポリプロピ
レン(PP)、アクリロニトリル・スチレン共重合体
(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合体(ABS)、アクリレート・アクリロニトリル・
スチレン共重合体(AAS)、アクリレート・エチレン
・スチレン共重合体(AES)、ポリスチレン(P
S)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、脂肪族ナイロン、芳香族ナイロン、ポリフェニレ
ンスルフィド(PPS)、ポリエステル・エーテルケト
ン(PEEK)などの熱可塑性樹脂を配合することがで
きる。
【0021】本発明の耐摩擦摩耗性樹脂組成物の機械的
強度、剛性、寸法安定性改良のため、ガラス繊維、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維クロス、ガラス
繊維マット、グラファイト、炭素繊維、炭素繊維クロ
ス、炭素繊維マット、カーボンブラック、炭素フレー
ク、アルミ、ステンレス、真鍮および銅から作った金属
繊維や金属フレーク、金属粉末、有機繊維、針状チタン
サンカリウム、マイカ、タルク、クレー、(針状)酸化
チタン、ウオラストナイト、炭酸カルシュウム、から選
ばれた1種以上の強化剤を添加しても良い。これらのう
ち、剛性、強度および耐摩擦、摩耗性の点から炭素繊
維、ガラス繊維が特に好適である。剛性・強度を高め
て、さらに成形品の外観や平滑性を向上するためには、
繊維の径を細くするのが好ましい。繊維径の細いガラス
繊維としては、日本無機(株)製のE−FMW−800
(平均繊維径0.8μm)やE−FMW−1700(平
均繊維径0.6μm)を例示できる。
【0022】上記強化剤の表面を公知の表面処理剤、例
えばビニルアルキルシラン、メタクリロアルキルシラ
ン、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン、
メルカプトアルキルシラン、クロロアルキルシラン、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネートのようなチ
タネート系カップリング剤、ジルコアルミネートカップ
リング剤などで表面処理を行ってもよい。さらに繊維類
の集束剤として、公知のエポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系、スチレン系などの集束剤で集束しても良
い。
【0023】本発明の耐摩擦摩耗性樹脂組成物には、必
要に応じて、公知のフェノール系、ホスファイト系、チ
オエーテル系、ヒンダードフェノール系、硫化亜鉛、酸
化亜鉛などの熱および酸化防止剤を用いることができ
る。さらに必要に応じて、帯電防止剤、可塑剤、潤滑
剤、離型剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤など
も添加することができる。
【0024】本発明の耐摩擦摩耗性樹脂組成物は、一般
に熱可塑性樹脂組成物の製造に用いられる設備と方法に
より製造することができる。例えば、本発明の耐摩擦摩
耗性樹脂組成物を構成する原料成分を一括して溶融混練
する。あるいはPCを加熱し溶融した状態でPTFEお
よびPEを添加しても良い。溶融混練には一軸または二
軸の押出機が好適に使用できる。
【0025】
【実施例】次の実施例と比較例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例と比較例における試験片の成形方法、試験方
法は次の通りである。
【0026】(1)使用原材料 芳香族ポリカーボネート樹脂として、三菱ガス化学
(株)製、粘度平均分子量22,000でビスフェノー
ルAを出発原料としたPC、商品名「ユーピロンS30
00」(PC1と略記する)、粘度平均分子量30,0
00で1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
を出発原料としたPC(PC2と略記する)を使用し
た。比較のために粘度平均分子量13,000でビスフ
ェノールAを出発原料としたPC(PC3と略記する)
を使用した。
【0027】ポリテトラフルオロエチレンとして、旭硝
子(株)製「フルオンL150J」(分子量2000,
000、粒子径9〜30μm)(以下PTFE1と略記
する)、ダイキン工業(株)製「ルブロンL−5F」
(分子量50,000、平均粒子径約7μm)(以下P
TFE2と略記する)を使用した。
【0028】ポリエチレンとして、三井石油(株)、三
菱油化(株)、チッソ石油(株)から販売されているも
ので、粘度平均分子量が200,000のPE(以下P
E20と略記する)、粘度平均分子量が300,000
のPE(以下PE30と略記する)、粘度平均分子量が
500,000のPE(以下PE50と略記する)、粘
度平均分子量が700,000のPE(以下PE70と
略記する)、粘度平均分子量が1,000,000のP
E(以下PE100と略記する)を使用した。なお、P
Eの粘度平均分子量は135℃デカリン溶液中で測定し
た。
【0029】ガラス繊維は日本電気硝子(株)製「EC
G06T505」(以下GFと略記する)(平均繊維径
9μm)を使用した。炭素繊維は東邦レーヨン(株)製
「ベスファイトHAT−C6−US」(平均繊維径7μ
m)を使用した。
【0030】(2)組成物の混練条件と試験片の成形条
件 表1と表2に示した比率でPC,PTFE,PE,GF
をシリンダー設定温度280〜320℃で、スクリュー
径40mmの一軸押出機により溶融混練しペレットを製
造した。このペレットを110℃で5時間乾燥後、住友
重機械(株)製SG125型射出成形機により金型温度
100℃、シリンダー設定温度300℃、射出圧力98
MPaで、ASTM−D638規定タイプ1の3.2m
m厚引張試験片の両端にゲートのある金型でウエルド入
り引張試験片、および片端にゲートのある金型でウエル
ドなし引張試験片を成形した。引張試験片と同一条件
で、外径25mm、内径20mm、高さ16mmの円筒
型摩擦摩耗用試験片を成形した。
【0031】(3)摩擦摩耗試験 試験機は鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウイン
(株)製)を用いて摩擦摩耗試験を行った。相手材は機
械構造用炭素鋼45Cを用い、無潤滑の状態で行った。
滑り速度は5m/分と20m/分、面圧15kg/cm2
2時間連続運転を行い、動摩擦係数と摩耗係数(×10
-8cm3 /kg・m)を求めた。また、限界PV値は、滑り速
度20m/分で、10分ごとに面圧を1kg/cm2づつ上
昇させ、試験片が溶融し始める時のすべり速度と面圧の
積を限界PV値(kg/cm2×m/min)とした。
【0032】(4)破断伸び試験 ASTM−D638に準じ、引張速度5mm/分、試験
温度23℃で5本試験を行い、5本の平均の破断伸び
(以下破断伸びと略記し単位は%)を求めた。ウエルド
なし試験片の破断伸びは『なし伸び』、ウエルドあり試
験片の破断伸びは『あり伸び』と表1〜表2に示した。
【0033】(5)成形品外観 引張試験片を目視し、表面光沢の良、不良を判定した。
【0034】実施例1〜5と比較例1〜5を、表1と表
2に示した。なお、配合比率は重量部とした。
【0035】
【発明の効果】本発明は、PC、PTFE、特定の粘度
平均分子量からなる耐摩擦摩耗性樹脂組成物に関し、耐
摩擦摩耗性以外にウエルド強度などの機械的性質、流動
性、耐熱性、成形品の光沢度、電気的性質に優れている
ので、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、建築部
品、雑貨のギャーや軸受けなどの高度の耐摩擦摩耗性の
要求される幅広い分野で使用できる。
【表1】
【0036】摩擦係数Aの条件:滑り速度5m/分、面
圧15kg/cm2 摩擦係数Bの条件:滑り速度20m/分、面圧15kg/
cm2 摩耗係数Aの条件:滑り速度5m/分、面圧15kg/cm
2 摩耗係数Bの条件:滑り速度20m/分、面圧15kg/
cm2
【表2】
【0037】摩擦係数Aの条件、摩擦係数Bの条件、摩
耗係数Aの条件および摩耗係数Bの条件は表−1と同じ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂80
    〜98重量%、ポリテトラフルオロエチレン2〜20重
    量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、(B)粘
    度平均分子量300,000〜800,000のポリエ
    チレン2〜20重量部からなる耐摩擦摩耗性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ポリテトラフルオロエチレンが平均粒径
    0.01〜500μmである請求項1記載の耐摩擦摩耗
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンの粘度平均分子量が40
    0,000〜600,000である請求項1記載の耐摩
    擦摩耗性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリテトラフルオロエチレンが平均分子
    量が10,000〜1,000,000である請求項1
    記載の耐摩擦摩耗性樹脂組成物。
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