JP3569222B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は充填剤で補強された芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物に関する。更に詳しくは成形品とした場合の表面外観が良好であり、更に耐薬品性、及び衝撃強度、剛性等の機械的特性に優れる充填剤補強芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物は、機械特性、熱的特性、耐薬品性などに優れる材料として各種工業分野に幅広く使用されている。
【0003】
該樹脂組成物の剛性を改良する為に、ガラス繊維などの繊維状充填剤を配合する方法(特開昭54−94556号、特開平6−49344号)又、タルク、マイカなどの鱗片状、板状の無機充填剤を配合する方法(特開昭55−129444号、特開平5−222283号)が開示されている。
【0004】
ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維状充填剤で強化した芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物は、耐薬品性、疲労特性、剛性等の機械特性に優れる材料として自動車部品の材料などに幅広く使用されている。しかしながら、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維状充填剤で強化した芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物は通常の金型温度(100℃以下)で成形した場合、その成形品外観はガラス繊維、カーボン繊維等の繊維状充填剤の浮きが目立ち、良好とはいいがたいものであり、例えば良好な塗装外観が必要な場合、その塗膜を非常に厚くしなければならないという欠点を有している。また、非常に高温の金型温度(120℃〜130℃)で成形することにより、ある程度良好な外観を有する成形品を得ることが可能であるが、成形サイクルが長くなり、生産性が著しく低下するという問題点を有するものである。
【0005】
一方、タルク、マイカ等の鱗片状、板状の無機充填剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物の成形品外観は、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維状充填剤を添加した樹脂組成物の成形品外観よりも良好であるが、その補強効果が小さい為に耐薬品性、機械特性が低下するという欠点を有するものである。
【0006】
そこで、表面外観、耐薬品性、及び、衝撃強度、剛性等の機械的特性に優れた充填剤で強化された芳香族ポリカーボネート樹脂及び熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物が要求されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形品の表面外観が良好であり、更に耐薬品性、及び衝撃強度、剛性等の機械特性に優れる、充填剤にて補強された、芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる充填剤補強芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物に特定のワラストナイト、及び、エチレン及び/または炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとのオレフィン系共重合体を配合し、更に好ましくは、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、及び/又は、ゴム質重合体を配合する事により目的とする充填剤にて補強された芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)90〜50重量%、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(b成分)10〜50重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、アスペクト比L/D=3〜50のワラストナイト(c成分)1〜100重量部、エチレン及び/又は炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとのオレフィン系共重合体(d成分)0.1〜30重量部、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)0.02〜5重量部、並びにゴム質重合体(f成分)を0〜1未満重量部を配合してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品に係るものである。
【0010】
本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)は、2価フェノールより誘導される粘度平均分子量10,000〜100,000、好ましくは15,000〜60,000の芳香族ポリカーボネート樹脂であり、通常2価フェノールとカーボネート前駆体との溶液法あるいは溶融法で反応させて製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質として例えばホスゲンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
【0011】
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために通常エステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。ここで使用する2価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]を対象とするが、その一部又は全部を他の二価フェノールで置換えてもよい。他の二価フェノールとしては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン等があげられる。また、カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カルボニルエステル又はハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート及びこれらの混合物である。芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、適当な分子量調節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等も使用できる。かくして得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。
【0012】
本発明で使用する熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(b成分)はジカルボン酸あるいはその誘導体と、グリコールあるいはその誘導体とから重縮合反応により得られる樹脂で、ジカルボン酸またはグリコールのいずれかが芳香族基を有するものである。
【0013】
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを単独でも、2種類以上混合しても用いる事ができる。これらの化合物の中では、テレフタル酸、イソフタル酸の単独あるいはこれらの混合物が特に好ましい。
【0014】
グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などが単独でも、2種類以上を混合しても用いる事ができる。これらの中ではエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0015】
本発明で使用する該熱可塑性芳香族ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリ(エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート/エモレインイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)ポリエステルエーテル共重合体、ポリアリレート等を挙げることができる。これらの熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂は単独でも良く、また混合して使用してもよい。これらの熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの混合物の使用が好ましい。
【0016】
本発明で使用するワラストナイト(c成分)は針状結晶をもつ天然白色鉱物(カルシウムメタシリケート)であり、化学式CaSiOで表され、通常SiO50重量%、CaO47重量%、その他Fe、Alなどを含有しており、比重は約2.9である。本発明においては、該ワラストナイトはアスペクト比L/D=3〜50、好ましくは5〜50の範囲にあることが必要である。本発明でアスペクト比L/Dとは、ワラストナイトを走査型電子顕微鏡写真を撮影し、写真中の100個のワラストナイト繊維の平均繊維長(L)と平均繊維径(D)との比で表されるものである。
【0017】
また、該ワラストナイトは、通常の表面処理剤、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤などで表面処理を施したものを使用しても差し支えない。アスペクト比が3未満では、補強効果が不十分であり、耐薬品性、剛性が低下するようになり、アスペクト比が50を超えると得られる成形品の外観が悪化するようになり好ましくない。
【0018】
本発明で使用するオレフィン系共重合体(d成分)とは、エチレン及び/または炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとを重合させて得られるものである。かかるオレフィン系共重合体を構成する炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられるがプロピレン又はブテン−1が好ましい。また不飽和カルボン酸エステルとしては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのアルキルエステルであり、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、などが挙げられるが、アクリル酸エチル又はメタクリル酸メチルが好ましい。
【0019】
本発明の該オレフィン系共重合体はエチレン及び/又は炭素数3以上のα−オレフィンは50〜99重量%、不飽和カルボン酸エステル1〜50重量%の範囲内で共重合したものを用いることが好ましい。
【0020】
本発明で使用するカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)とは、オレフィン系ワックスを特殊処理して得られるカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を持つワックスである。
【0021】
このカルボキシル基及びカルボン酸無水物基は、このオレフィン系ワックスのどの部分に結合してもよく、またその濃度は、該オレフィン系ワックス1g当り0.1〜6meq/gの範囲が好ましい。0.1meq/gより少なくなると剛性及び耐衝撃性の改良効果が不十分となり、6meq/gより多くなると該オレフィン系ワックス自身の熱安定性が悪化し好ましくない。
【0022】
かかるオレフィン系ワックスの市販品としては例えばダイヤカルナ−PA30(三菱化成(株)製:商品名)、ハイワックス酸処理タイプの2203A、1105A(三井石油化学(株)製:商品名)、あるいは酸化パラフィン(日本精蝋(株)製)などが挙げられ、これら単独あるいは2種以上の混合物として使用される。
【0023】
本発明で使用するゴム質重合体(f成分)としては、例えば、ブタジエン−アルキル(メタ)アクレート−スチレン共重合体等のジエン系弾性重合体、ブタジエン−アルキルアクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル系弾性重合体、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相互に絡み合った構造を有している複合弾性重合体などが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は上述の芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)を90〜50重量%、好ましくは80〜60重量%、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(b成分)10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%からなる樹脂組成物100重量部に対してアスペクト比L/D=3〜50のワラストナイト(c成分)1〜100重量部、好ましくは5〜70重量部、エチレン及び/又は炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとのオレフィン系共重合体(d成分)を0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)を0.02〜5重量部更に好ましくは0.05〜3重量部、及び、ゴム質重合体(f成分)を0〜1未満重量部配合してなるものである。
【0025】
芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)の配合割合が90重量%を超えると耐薬品性が低下するようになり、50重量%未満では衝撃強度等の機械的強度が低下するようになり好ましくない。
【0026】
アスペクト比L/D=3〜50のワラストナイト(c成分)の配合割合が1重量部未満では、補強効果が小さく、剛性が不十分となり、100重量部を超えると得られる成形品の外観が悪化するようになり好ましくない。
【0027】
エチレン及び/又は炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとのオレフィン系共重合体(d成分)の配合割合が0.1未満では、耐薬品性、耐衝撃性改良効果が小さく、30重量部を超えると剛性が低下するようになり好ましくない。
【0028】
本発明においてa成分、b成分、c成分、d成分からなる樹脂組成物にて目的とする樹脂組成物を得ることが可能であるが、更に剛性、耐衝撃性を向上させるために、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)を配合することが可能である。
【0029】
カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)の配合割合が7重量部を超えると外観、機械的強度が低下する様になり好ましくない。
【0030】
又、更に耐衝撃性、特に低温時の耐衝撃性を向上させるために、ゴム質重合体(f成分)を配合することが可能である。ゴム質重合体(f成分)の配合割合が100重量部を超えると剛性、耐薬品性が低下するようになり好ましくない。
【0031】
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤(例えば、臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート等)、難燃助剤(例えば、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム等)、安定剤(例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル等)、酸化防止剤(例えばヒンダードフェノール系化合物等)、光安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、等を配合してもよい。また、少量の他の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、各成分をV型ブレンダー、リボンミキサー、タンブラー等で均一に混合した後、通常の押出機などにて溶融混練し、ペレット化することができる。かくして得られた樹脂組成物は射出成形、押出成形、圧縮成形または回転成形等の任意の方法で容易に成形することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)表面外観;試験片に日本ビーケミカル(株)製R−230ドーバーホワイトを塗布し、80℃×1時間乾燥した後、万能表面形状測定機(SURFCOM3B.E−MD−S10A:東京精密(株)製)にて触針径2μm、触針圧0.07gの条件にて平均表面粗さ(Ra)を測定した。平均表面粗さ(Ra)の値が小さいほど表面外観は良好であると判断することができる。なお塗装膜厚は30μmであった。
(2)衝撃強度;ASTM D256に従い、[1/8″]試験片にて23℃及び−30℃雰囲気下のノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
(3)剛性;ASTM D790に従い曲げ試験を実施し、曲げ弾性率を測定した。
(4)耐薬品性;ASTM D638にて使用する引張り試験片に1%の歪を付加し、30℃のエッソレギュラーガソリンに3分間浸漬した後、引張り強度を測定し保持率を算出した。保持率は下記式により計算した。
保持率(%)=(処理サンプルの強度/未処理サンプルの強度)×100
【0034】
[実施例1〜14及び比較例1〜10]
表1及び2に示す各成分を表記載の量及び、リン系安定剤(サイクリック ネオペンタンテトライルビス(オクタデシルフォスファイト):旭電化工業(株)製PEP−8)を0.1重量部混合し、径30mmのベント式押出機[ナカタニ(株)製VSK−30]によりシリンダー温度270℃でペレット化した。このペレットを120℃で5時間乾燥した後、射出成形機[日本製鋼所(株)製J−120SA]によりシリンダー温度270℃、金型温度70℃で試験片を作成し、評価結果を表1及び2に示した。
【0035】
なお、表1及び2記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
ビスフェノールA型ポリカーボネート:パンライトL−1250;帝人化成(株)製、粘度平均分子量 25,000(以下PCと称す)
(B)熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂
▲1▼ポリエチレンテレフタレート樹脂:TR−8580;帝人(株)製、固有粘度0.8(以下PETと称す)
▲2▼ポリブチレンテレフタレート樹脂:TRB−H;帝人(株)製、固有粘度1.07(以下PBTと称す)
(C)無機充填剤
▲1▼ワラストナイト:WIC10;キンセイマテック(株)製、平均径(D)=4.5μm、アスペクト比L/D=8(以下W−1と称す)
▲2▼ワラストナイト:30A;住友商事(株)製、平均径(D)=3μm、アスペクト比L/D=17(以下W−2と称す)
(D)オレフィン系共重合体
▲1▼EEA樹脂:NUC−6220;日本ユニカ(株)製(EA含有量=7重量%)(以下EEAと称す)
(E)オレフィン系ワックス
▲1▼α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合によるオレフィン系ワックス:ダイヤカルナ−PA30;三菱化成(株)製(無水マレイン酸含有量=10重量%)(以下WAXと称す)
(F)ゴム質重合体
▲1▼ブタジエン−アルキルアクリレート−アルキルメタアクリレート共重合体:EXL−2602;呉羽化学工業(株)製(以下E−1と称す)
▲2▼ポリオルガノシロキサン成分及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が相互侵入網目構造を有している複合ゴム:S−2001;三菱レイヨン(株)製(以下E−2と称す)
(X)ワラストナイト以外の無機充填剤
▲1▼ガラス繊維:3PE−941;日東紡(株)製、平均径(D)=13μmアスペクト比L/D=230(以下GFと称す)
▲2▼タルク:P−3;日本タルク(株)(以下Tと称す)
【0036】
【表1】
Figure 0003569222
【0037】
【表2】
Figure 0003569222
【0038】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、成形品とした場合の表面外観が良好であり、更には耐薬品性、及び、衝撃強度、剛性等の機械特性に優れるものであり、自動車分野などの各種工業用途に有用である。

Claims (2)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)90〜50重量%及び、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(b成分)10〜50重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、アスペクト比L/D=3〜50のワラストナイト(c成分)1〜100重量部、エチレン及び/又は炭素数3以上のα−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとのオレフィン系共重合体(d成分)を0.1〜30重量部、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス(e成分)を0.02〜5重量部、並びにゴム質重合体(f成分)を0〜1未満重量部を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られた成形品。
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