JP3885551B2 - 高い実効表面積を有する難燃剤とその製造方法とそれを含む難燃性樹脂組成物 - Google Patents

高い実効表面積を有する難燃剤とその製造方法とそれを含む難燃性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水酸化マグネシウム粒子を特定の処理剤にて処理してなる難燃剤に関し、詳しくは、高比表面積を有しながら、吸油量との間に比例関係を保持しており、従って、高い実効表面積を有して、樹脂への分散性にすぐれる難燃剤とその製造方法とそれを樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂は、成形性にすぐれると共に、機械的特性や電気的特性にすぐれるところから、例えば、建築、電気、機械、輸送等の種々の産業分野において広く用いられている。特に、ハロゲン系難燃剤を配合したポリ塩化ビニル樹脂組成物は、難燃性にすぐれるので、従来、電線被覆に広く用いられているが、しかし、そのような電線被覆が、一旦、燃焼する事態となれば、有毒なハロゲンガスを発生し、例えば、そのような事態が地下施設等において発生すれば、重大な事故を招くおそれがある。
【0003】
そこで、近年、このような問題を解決するために、樹脂として、ポリオレフィン樹脂を用いると共に、難燃剤についても、水酸化マグネシウム等の非ハロゲン系の難燃剤を用いることが推奨されている。水酸化マグネシウムのような金属水酸化物が難燃剤として有用であることは、従来よりよく知られている。しかし、水酸化マグネシウムは、水酸基を有する親水性無機物質であって、有機高分子物質である樹脂への分散性や相溶性が低く、分散性に劣る問題がある。
【0004】
特に、従来、水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤において、比表面積が30m2/g以下の場合には、吸油量との間に比例関係(即ち、直線関係)が成り立っているが、比表面積が30m2/gよりも大きいときは、比表面積の増加に比例して、吸油量が増加せず、いわば頭打ちとなる。即ち、比表面積が30m2/gを越える高比表面積領域においては、水酸化マグネシウム粒子の凝集が強くなるためであるとみられるが、比表面積と吸油量との間には、最早、比例関係が成り立たない。
【0005】
ここに、吸油量は、一般に、アマニ油が粒子の表面を濡らすために必要な量を表しており、従って、難燃剤である水酸化マグネシウム粒子についていえば、その溶融混練時、粘弾性流体である樹脂に対する実効表面積を表わす指標であるといえる。
【0006】
このように、水酸化マグネシウム粒子は、その高比表面積領域においては、吸油量との間に比例関係が維持されず、樹脂に対する実効表面積が増加しないので、高比表面積から期待される程には分散性が向上しない。更には、樹脂に配合したとき、得られる樹脂組成物が白濁する問題があった。そこで、従来、水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤は、樹脂への分散性を確保するために、比表面積が30m2/g以下のものを用いざるを得なかったので、このような難燃剤を樹脂に配合した樹脂組成物も、難燃性は勿論、透明性の点でも、十分なものではなかった。
【0007】
勿論、従来、水酸化マグネシウム粒子の表面に被覆層を形成し、或いは水酸化マグネシウム粒子に異種金属イオンを固溶させて、難燃剤としての性能を改善し、また、それを配合した樹脂組成物の特性を改善することが種々試みられているが、しかし、依然として、得られる樹脂組成物の難燃性は十分とはいえなかった。更に、従来、知られている水酸化マグネシウム粒子を主体とする難燃剤はいずれも、樹脂に配合して、シートやフィルムとした場合、それらは白濁しており、殆ど不透明であった。従って、このような樹脂組成物は、その不透明性の故に、例えば、意匠を施した基材の上の表面層として用いることができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の水酸化マグネシウムからなる難燃剤における上述した問題を解決するために、鋭意研究した結果、微細な平均粒径を有する水酸化マグネシウム粒子に水性媒体中、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させるか、又は好ましくは、微細な平均粒径を有する水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーを上記処理剤の存在下に水熱処理することによって、比表面積が30m2/gよりも大きい高比表面積領域においても、吸油量との間に比例関係を有し、かくして、樹脂中への分散性が格段に改善された難燃剤を得ることができることを見出して、本発明に至ったものである。
【0009】
従って、本発明は、微細な平均粒径と高い比表面積を有し、しかも、比表面積との間に比例関係が成り立つ高い吸油量を有し、かくして、高い実効表面積を有して、樹脂への分散性にすぐれる水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤を提供することを目的とする。更に、本発明は、そのような難燃剤の製造方法とそのような難燃剤を含む難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水酸化マグネシウム粒子をリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤で処理してなり、0.15μm以下の平均粒径と30m2/gよりも大きい比表面積と40mL/100gよりも大きい吸油量を有することを特徴とする難燃剤が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、水酸化マグネシウム粒子に水性媒体中、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させるか、又は水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーをリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤の存在下に水熱処理することを特徴とする上記難燃剤の製造方法が提供される。
【0012】
更に、本発明によれば、樹脂100重量部に対して、請求項1から4のいずれかに記載の難燃剤5〜350重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による難燃剤は、水酸化マグネシウム粒子を水性媒体中でリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤で処理してなり、0.15μm以下の平均粒径と30m2/gよりも大きい比表面積と40mL/100gよりも大きい吸油量を有する。
【0014】
このような本発明による難燃剤は、第1の方法として、水酸化マグネシウム粒子にその水性スラリー中、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させることによって得ることができる。
【0015】
また、第2の方法として、本発明による難燃剤は、水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーをリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤の存在下に水熱処理することによって得ることができる。
【0016】
本発明において、水酸化マグネシウムの水性スラリーとは、水溶性マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウムや硝酸マグネシウム等)の水性溶液を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで中和し、水酸化マグネシウムを沈殿させ、かくして、得られる水性スラリーや、また、水酸化マグネシウム粒子を水性媒体中に分散させて得られるスラリーをいう。水溶性マグネシウム塩の水性溶液をアルカリで中和して、水酸化マグネシウムの水性スラリーを得る場合、水溶性マグネシウム塩の水溶液とアルカリとを同時中和してもよく、また、一方を他方に加えて中和してもよい。
【0017】
本発明において、水性スラリーとは、スラリーの分散媒が水又は少量の水溶性有機溶剤を含む水溶液をいい、水性溶液とは、同様に、溶液の溶媒が水又は少量の水溶性有機溶剤を含む水溶液をいい、また、水性媒体とは、水又は少量の水溶性有機溶剤を含む水溶液をいう。
【0018】
本発明によれば、上記リン酸塩としては、リン酸の1価又は2価金属塩、特に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、亜鉛塩が好ましく、ケイ酸塩としても、ケイ酸の1価又は2価金属塩、特に、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛塩が好ましい。従って、リン酸塩の具体例としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛等を挙げることができる。また、ケイ酸塩の具体例としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸亜鉛等を挙げることができる。
【0019】
また、ホウ酸塩としては、1価又は2価金属塩、特に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、亜鉛塩が好ましく、従って、具体例としては、例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ストロンチウム、ホウ酸亜鉛等を挙げることができる。
【0020】
本発明によれば、水酸化マグネシウム粒子にその水性スラリー中、上記リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させ、又は水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーを上記処理剤の存在下に水熱処理するに際して、上記処理剤は、水酸化マグネシウムに対して、それぞれ酸化物、即ち、五酸化リン(P25)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B23)換算にて、通常、0.05〜15モル%、好ましくは、0.1〜10モル%の範囲で用いられる。
【0021】
本発明によれば、用いる処理剤が、例えば、ホウ酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムのように、水溶性塩であるときは、水酸化マグネシウムの水性スラリーにその水溶性塩又はその水溶液を加え、混合、攪拌して、上記水溶性塩を水酸化マグネシウム粒子に接触させることによって、本発明による難燃剤を得ることができる。ここに、水酸化マグネシウム粒子に上記水溶性塩を接触させる温度は、通常、0〜100℃の範囲にわたってよいが、好ましくは、10〜90℃の範囲であり、特に好ましくは、室温(25℃)から80℃の範囲である。
【0022】
他方、用いる処理剤が水不溶性塩乃至水難溶性塩、例えば、ホウ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、リン酸カルシウム等であるときは、好ましくは、水酸化マグネシウムの水性スラリーにその水不溶性塩又はその水性分散液を加え、得られた混合物を水熱処理することによって、本発明による難燃剤を得ることができる。
【0023】
本発明において、水熱処理(水熱合成とも呼ばれる。)は、水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーを上記水不溶性塩の存在下に加圧下、100℃を越えて、250℃以下の温度、好ましくは、150〜200℃の範囲の温度で反応させることをいう。水熱処理の時間は、特に、限定されるものではないが、通常、30分から数時間(例えば、2時間)程度である。必要に応じて、水熱処理に際して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のようなアルカリを共存させてもよい。
【0024】
しかし、用いる処理剤が水溶性塩であるときにも、水酸化マグネシウムの水性スラリーにその水溶性塩又はその水溶液を加え、得られたスラリーを水熱処理してもよい。
【0025】
更に、本発明においては、水酸化マグネシウムは、亜鉛、コバルト、銅、ニッケル、鉄等の異種元素を固溶した固溶体であってもよい。
【0026】
また、本発明による難燃剤は、更に、表面処理剤にて表面処理されていてもよい。このように、本発明による難燃剤を表面処理剤にて表面処理することによって、樹脂への分散性を一層、高めることができる。このような表面処理剤としては、特に、限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤、高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩、多価アルコール脂肪酸エステル、リン酸エステル、アニオン系界面活性剤、オルガノシロキサン、オルガノシラン又はオルガノシラザン等を挙げることができる。
【0027】
上記シランカップリング剤としては、特に、限定されるものではないが、例えば、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
アルミニウムカップリング剤剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを例示することができ、また、チタネートカップリング剤剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等を例示することができる。
【0029】
上記高級脂肪酸としては、炭素数14〜24の飽和又は不飽和の高級脂肪酸が好ましく、そのような具体例として、例えば、オレイン酸やステアリン酸を挙げることができる。また、このような高級脂肪酸のアルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩ろカリウム塩が好ましい。多価アルコール脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等を挙げることができる。
【0030】
リン酸エステルとしては、リン酸トリエステル、ジエステル、モノエステル又はこれらの混合物が用いられる。リン酸トリエステルの具体例として、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ヒドロキシルフェニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、オレイルホスフェート、ステアリルホスフェート等を挙げることができる。
【0031】
また、ジエステル又はモノエステル(即ち、酸性リン酸エステル)の具体例としては、例えば、メチルアシッドホスフェート(モノメチルエステルとジメチルエステルとの混合物)、エチルアシッドホスフェート(モノエチルエステルとジエチルエステルとの混合物)、イソプロピルアシッドホスフェート(モノイソプロピルエステルとジイソプロピルエステルとの混合物)、ブチルアシッドホスフェート(モノブチルエステルとジブチルエステルとの混合物)、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(モノ−2−エチルヘキシルエステルとジ−2−エチルヘキシルエステルとの混合物)、イソデシルアシッドホスフェート(モノイソデシルエステルとジイソデシルエステルとの混合物)、ジラウリルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート(モノラウリルエステルとジラウリルエステルとの混合物)、トリデシルアシッドホスフェート(モノトリデシルエステルとジトリデシルエステルとの混合物)、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート(モノステアリルエステルとジステアリルエステルとの混合物)、イソステアリルアシッドホスフェート(モノイソステアリルエステルとジイソステアリルエステルとの混合物)、オレイルアシッドホスフェート(モノオレイルエステルとジオレイルエステルとの混合物)、ベヘニルアシッドホスフェート(モノベヘニルエステルとジベヘニルエステルとの混合物)等を挙げることができる。
【0032】
これらの酸性リン酸エステルは金属塩、即ち、周期律表第Ia、IIa、IIb及び IIIaから選ばれる少なくとも1種の金属の塩であってもよい。従って、好ましい具体例として、例えば、リチウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等を挙げることができる。
【0033】
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリルスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0034】
オルガノシロキサンとしては、例えば、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ナトリウムメチルシリコネート、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン等を挙げることができる。
【0035】
オルガノシランとしては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0036】
また、オルガノシラザンとしては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサエチルシクロトリシラザン、メチルポリシラザン、フェニルポリシラザン等を挙げることができる。
【0037】
このような表面処理剤は、特に、限定されるものではないが、通常、水酸化マグネシウム粒子に対して、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0038】
本発明による難燃剤をこのような表面処理剤で表面処理するには、例えば、上述したようにして、難燃剤を得た後、その水性スラリーに直接、上記表面処理剤を加え、必要に応じて加熱下に、攪拌、混合して、表面処理し、この後、濾過、水洗、乾燥すればよい。
【0039】
このようにして得られる本発明による難燃剤は、平均粒径が0.15μm以下、好ましくは、0.15〜0.01μmの範囲にあり、比表面積が30m2/gよりも大きく、好ましくは、30〜90m2/g、特に好ましくは、30〜70m2/gの範囲にあり、吸油量が40mL/100gよりも大きく、好ましくは、40〜90mL/100g、特に好ましくは、40〜70mL/100gの範囲にあり、しかも、このような高比表面積領域においても、吸油量との間に比例関係を有し、即ち、高比表面積に対応して、高い実効表面積を有し、従って、樹脂中への分散性が格段に改善されている。
【0040】
本発明による難燃性樹脂組成物は、樹脂に上述したような難燃剤を均一に配合することによって得ることができる。難燃剤の樹脂への配合割合は、得られる樹脂組成物の用途や要求特性にもよるが、一般的には、樹脂100重量部に対して、難燃剤5〜350重量部を配合することによって、本発明による難燃性樹脂組成物を得ることができる。
【0041】
例えば、床材、壁紙、化粧板のような建材、電気機器のケーシングや透明フィルムのような一般成形品用途の難燃性樹脂組成物とするには、樹脂100重量部に対して、本発明による難燃剤5〜100重量部を配合してなる樹脂組成物が好ましく用いられる。他方、電線やケーブル被覆のように自己消火性の樹脂組成物とするには、通常、樹脂100重量部に対して、本発明による難燃剤100〜350重量部、好ましくは、150〜300重量部を配合してなる樹脂組成物が好ましく用いられる。樹脂100重量部に対する難燃剤の配合量が350重量部を越えるときは、樹脂の望ましい機械的特性を劣化させるおそれがある。
【0042】
本発明において、上記樹脂は、用途や要求特性に応じて適宜に選べばよく、具体例として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸エチル)共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のオレフィンの単独又は共重合体であるポリオレフィン樹脂、スチレンのような芳香族ビニルモノマーの単独重合体やABS樹脂等のような共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、ポリカーボネート、スチレン−共役ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン等のエラストマー、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。また、必要に応じて、樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂も用いられる。これらの樹脂は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0043】
本発明による難燃性樹脂組成物は、上述した難燃剤に加えて、必要に応じて、それぞれの樹脂に応じて、他の添加剤を適宜に配合することができる。そのような添加剤として、例えば、可塑剤、潤滑剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定化剤、核剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、相溶化剤、耐光剤、顔料、発泡剤、防カビ剤等を挙げることができる。また、必要に応じて、従来より知られている他の難燃剤や難燃助剤等も配合してよい。
【0044】
このような樹脂組成物は、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ニーダ混練機、バンバリーミキサー等の適宜手段にて上述した難燃剤を樹脂に混合し、混練することによって得ることができる。また、このようにして得られる本発明による樹脂組成物は、用途や目的に応じて、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、トランスファー成形、積層成形等、適宜の手段によって種々の成形品の製造に好適に用いることができる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、平均粒径は電子顕微鏡観察によって求め、比表面積はBET法によって求め、また、吸油量はJIS K 5101に記載の方法によって測定した。
【0046】
ホウ酸カルシウム、ホウ酸ストロンチウム又はホウ酸亜鉛は、ホウ酸ナトリウムにそれぞれ塩化カルシウム、塩化ストロンチウム又は塩化亜鉛を反応させることによって定量的に得ることができる。従って、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ストロンチウム又はホウ酸亜鉛を処理剤として用いるときは、上述したようにし、それぞれの調製に用いたホウ酸ナトリウム量を酸化ホウ素換算にて示す。
【0047】
実施例1
(難燃剤Aの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0048】
別に、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47) 12.1g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して2モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化カルシウム3.53gを水に溶解させた水溶液を上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸カルシウム(CaB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸カルシウムのスラリーを得た。
【0049】
上記水酸化マグネシウムのスラリーにこのホウ酸カルシウムのスラリーを加え、30分間、攪拌した後、170℃で1時間、水熱処理した。この水熱処理の終了後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、本発明による難燃剤Aを得た。
【0050】
(難燃剤Bの調製)
難燃剤Aの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47 ・10H2O)17.2g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して3モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化カルシウム4.99gを水に溶解させて水溶液を調製し、これを上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸カルシウム(CaB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸カルシウムを含むスラリーを得た。このホウ酸カルシウムのスラリーを用いた以外は、難燃剤Aの調製と同様にて、本発明による難燃剤Bを得た。
【0051】
(難燃剤Cの調製)
難燃剤Aの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47) 25.9g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して4モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化カルシウム7.54gを水に溶解させて水溶液を調製し、これを上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸カルシウム(CaB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸カルシウムのスラリーを得た。このホウ酸カルシウムのスラリーを用いた以外は、難燃剤Aの調製と同様にて、本発明による難燃剤Cを得た。
【0052】
(難燃剤Dの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含む水スラリーを得た。
【0053】
上記水酸化マグネシウムの水スラリーにホウ酸ナトリウム10水和物12.1g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して2モル%)を加え、30分間、攪拌した後、170℃で1時間、水熱処理した。この水熱処理の終了後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、本発明による難燃剤Dを得た。
【0054】
(難燃剤Eの調製)
難燃剤Dの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物に代えて、トリポリリン酸ナトリウム38g(P25 換算にて水酸化マグネシウムに対して5モル%)を用いた以外は、難燃剤Dの調製と同様にて、本発明による難燃剤Eを得た。
【0055】
(難燃剤Fの調製)
難燃剤Dの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物に代えて、ケイ酸カリウム46g(SiO2 換算にて水酸化マグネシウムに対して5モル%)を用いた以外は、難燃剤Dの調製と同様にて、本発明による難燃剤Fを得た。
【0056】
(難燃剤Gの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0057】
上記水酸化マグネシウムのスラリーにホウ酸ナトリウム10水和物17.2g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して3モル%)を加え、30分間、攪拌した。得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、本発明による難燃剤Gを得た。
【0058】
比較例1
(難燃剤Hの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.559Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0059】
この水酸化マグネシウムのスラリーを加熱して、150℃に達したとき、直ちに加熱を止めて、室温まで放冷して、水熱処理した。この水熱処理の後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、比較例としての難燃剤Hを得た。
【0060】
(難燃剤Iの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.559Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0061】
この水酸化マグネシウムのスラリーを加熱して、130℃に達したとき、直ちに加熱を止めて、室温まで放冷して、水熱処理した。この水熱処理の後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、比較例としての難燃剤Iを得た。
【0062】
(難燃剤Jの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0063】
この水酸化マグネシウムのスラリーを加熱して、110℃に達したとき、直ちに加熱を止めて、室温まで放冷して、水熱処理した。この水熱処理の後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、比較例としての難燃剤Jを得た。
【0064】
(難燃剤Kの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0065】
この水酸化マグネシウムのスラリーを170℃で1時間、水熱処理し、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、比較例としての難燃剤Kを得た。
【0066】
上記本発明による難燃剤AからGと比較例による難燃剤HからKの平均粒径と比表面積と吸油量を表1に示し、更に、上記本発明による難燃剤と比較例による難燃剤について、比表面積と吸油量との関係を図1に示す。図1から明らかなように、本発明による水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤は、30m2/gよりも大きい高比表面積領域において、吸油量と比例関係にあるが、しかし、比較例による難燃剤は、30m2/gよりも大きい高比表面積領域において、吸油量と間に比例関係のないことが示される。
【0067】
実施例2
(難燃性樹脂組成物の調製とその透明性の評価)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(EEAと略する。アクリル酸エチル含有量15重量%、メルトフローレート0.8g/10分、融点100℃)100重量部に上記実施例1及び比較例1において調製した難燃剤250重量部を混合し、ニーダー混練機を用いて、160℃で15分間、溶融混練した後、ペレットに成形した。このペレットを二軸ロールを用いて、130℃でシート化し、ホットプレスを用いて、温度160℃、圧力50kgf/cm2 で3分間、加圧して、厚み0.5mmのシートを得た。このシートの内部ヘイズを表1及び表2に示す。また、上記エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂に難燃剤を配合することなく、上記と同様にして、厚み0.5mmのシートとし、このシートのヘイズを表1に併せて示す。更に、上記難燃剤を配合したシートを短冊状に打ち抜いて、UL94VE法に基づく難燃試験用の試験試料として、難燃試験に供した。結果を表3及び表4に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003885551
【0069】
【表2】
Figure 0003885551
【0070】
【表3】
Figure 0003885551
【0071】
【表4】
Figure 0003885551
【0072】
表1、表2と図1にみられるように、本発明の難燃剤によれば、難燃剤が高比表面積を有する領域においても、吸油量との間に比例関係が成り立っている。これに対して、比較例による難燃剤については、高比表面積を有する領域においては、吸油量との間に比例関係が成り立たない。ここに、吸油量は、難燃剤を樹脂中に分散させた場合、難燃剤の実効的な比表面積を示すものと考えられるから、本発明の難燃剤は、高比表面積領域において高吸油量を有し、かくして、高い実効比表面積を有するので、樹脂との濡れ性にすぐれ、樹脂中で高い分散性を有する。
【0073】
その結果、本発明の難燃剤を配合した樹脂組成物は、知られている難燃剤を配合した樹脂組成物に比べて、その透明性が格段に改善されており、特に、コンタクト・クラリティ、即ち、新聞紙等の上に樹脂シートを置いたときに樹脂シートを通してみえる文字等の明瞭さの向上が著しい。
【0074】
実施例3
(難燃剤Lの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0075】
この水酸化マグネシウムのスラリーにホウ酸1.9g(B23 換算にて水酸化マグネシウムに対して0.5モル%)を加え、30分間、攪拌した後、170℃で1時間、水熱処理した。この水熱処理の終了後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、シランカップリング剤処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、本発明による難燃剤Lを得た。
【0076】
(難燃剤Mの調製)
難燃剤Aの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47 ・10H2O)12.1g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して2モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化亜鉛4.33gを水に溶解させて水溶液を調製し、これを上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸亜鉛(ZnB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸亜鉛を含むスラリーを得た。このホウ酸亜鉛の水スラリーを用いた以外は、難燃剤Aの調製と同様にて、本発明による難燃剤Mを得た。
【0077】
(難燃剤Nの調製)
難燃剤Aの調製において、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47 ・10H2O)12.1g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して2モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化ストロンチウム6水和物8.48gを水に溶解させて水溶液を調製し、これを上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸ストロンチウム(SrB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸ストロンチウムを含むスラリーを得た。このホウ酸ストロンチウムのスラリーを用いた以外は、難燃剤Aの調製と同様にて、本発明による難燃剤Nを得た。
【0078】
上記本発明による難燃剤LからNの平均粒径と比表面積と吸油量を表5に示す。更に、実施例2と同様にして、これらの難燃剤を配合したエチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂シートを調製し、その内部ヘイズを測定した。結果を表5に示す。また、実施例2と同様にして、上記難燃剤を配合したシートについて、UL94VE法に基づく難燃試験を行った。結果を表5に示す。
【0079】
実施例4
(難燃剤Oの調製)
4モル/L濃度の塩化マグネシウム水溶液1Lと14.3モル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液0.503Lを調製した。予め、純水0.3Lを張った沈殿反応器に上記塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に注ぎ、塩化マグネシウムを同時中和して、水酸化マグネシウムの沈殿を含むスラリーを得た。
【0080】
別に、ホウ酸ナトリウム10水和物(NaB47) 25.9g(B23 換算で水酸化マグネシウムに対して4モル%)を65℃で水に溶解させて、水溶液とした。塩化カルシウム7.54gを水に溶解させた水溶液を上記ホウ酸ナトリウム水溶液に加えて、ホウ酸カルシウム(CaB47) を沈殿させ、かくして、ホウ酸カルシウムのスラリーを得た。
【0081】
上記水酸化マグネシウムのスラリーにこのホウ酸カルシウムのスラリーを加え、30分間、攪拌した後、170℃で1時間、水熱処理した。この水熱処理の終了後、得られたスラリーに70℃にて水酸化マグネシウムに対してナトリウムメチルシリコネート(大崎工業(株)製NS−1)0.6重量%を加え、1時間、攪拌した。このようにして、表面処理した水酸化マグネシウムを濾過し、水洗、乾燥した後、粉砕して、本発明による難燃剤Oを得た。
【0082】
(難燃剤Pの調製)
難燃剤Oの調製において、表面処理剤として、ナトリウムメチルシリコネートに代えて、メチルアシッドホスフェート(堺化学工業(株)製フォスレックスA−1)を用いた以外は、難燃剤Oの調製と同様にて、本発明による難燃剤Pを得た。
【0083】
(難燃剤Qの調製)
難燃剤Oの調製において、表面処理剤として、ナトリウムメチルシリコネートに代えて、ステアリン酸を用いた以外は、難燃剤Oの調製と同様にて、本発明による難燃剤Qを得た。
【0084】
上記本発明による難燃剤OからQの平均粒径と比表面積と吸油量を表5に示す。更に、実施例2と同様にして、これらの難燃剤を配合したエチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂シートを調製し、その内部ヘイズを測定した。結果を表5に示す。また、実施例2と同様にして、上記難燃剤を配合したシートについて、UL94VE法に基づく難燃試験を行った。結果を表5に示す。
【0085】
【表5】
Figure 0003885551
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明による難燃剤は、微細な平均粒径と大きい比表面積と共に、この比表面積との間に比例関係の成り立つ高い吸油量を有する。即ち、本発明による難燃剤は、30m2/gよりも高い高比表面積に対応して、樹脂に対する高い実効表面積を有し、従って、本発明による難燃剤は、樹脂への分散性が格段に改善されている。従って、このような難燃剤を樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物は、難燃性のみならず、透明性にもすぐれており、例えば、シートやフィルムとしたとき、その内部ヘイズが著しく小さく、かくして、フィルムやシートの内部ヘイズも格段に小さく、コンタクトクラリティーを要求される分野に好適に用いることができる。
【0087】
しかし、本発明によれば、難燃剤は、上記用途に限られず、例えば、床材、壁紙、化粧板のような建材、電線やケーブルの被覆、電気部品や自動車部品、その他パイプのような種々の成形品の製造に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による難燃剤についての比表面積と吸油量との関係を比較例としての難燃剤と比較して示すグラフである。

Claims (8)

  1. 水酸化マグネシウム粒子をリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤で処理してなり、0.15μm以下の平均粒径と30m2/gよりも大きい比表面積と40mL/100gよりも大きい吸油量を有することを特徴とする難燃剤。
  2. 処理剤がリン酸の1価、2価金属塩、ケイ酸の1価、2価金属塩、ホウ酸の1価、2価金属塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の難燃剤。
  3. 請求項1又は2に記載の難燃剤を表面処理剤で更に表面処理してなる難燃剤。
  4. 表面処理剤がカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルカリ塩、多価アルコールの高級脂肪酸エステル、リン酸エステル、アニオン系界面活性剤、オルガノシロキサン、オルガノシラン又はオルガノシラザンである請求項3に記載の難燃剤。
  5. 水酸化マグネシウム粒子に水性媒体中、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させ、又は水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーをリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤の存在下に水熱処理することを特徴とする請求項1に記載の難燃剤の製造方法。
  6. 水酸化マグネシウム粒子に水性媒体中、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤を接触させた後、又は水酸化マグネシウム粒子の水性スラリーをリン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種の処理剤の存在下に水熱処理した後、得られた反応生成物を表面処理剤にて表面処理する請求項3又は4に記載の難燃剤の製造方法。
  7. 水酸化マグネシウムに対して処理剤を酸化物換算で0.05〜15モル%の範囲で用いる請求項5又は6に記載の難燃剤の製造方法。
  8. 樹脂100重量部に対して、請求項1から4のいずれかに記載の難燃剤5〜350重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物。
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