JP2008037741A - 針状ベーマイト - Google Patents
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Abstract
提供する。
【解決手段】本発明の針状ベーマイトは、BET比表面積が20〜80m2/g、フタル
酸ジオクチル吸油量が200〜600cm3/100g、短軸長が30〜300nm、アスペクト比が5〜50であることを特徴とする。原料水酸化アルミニウム粉末を、以下の金属イオンと以下の陰イオンとの塩を濃度0.2〜5モル/Lで含み水素イオン濃度がpH4〜pH6である水溶液中、160℃〜250℃で水熱反応させる方法により製造できる。
金属イオン:マグネシウムイオン(Mg2+)、マンガンイオン(Mn2+)および亜鉛イオン
(Zn2+)からなる群より選ばれる1以上の金属イオン
陰イオン:カルボン酸イオン、硝酸イオン(NO3 -)および硫酸イオン(SO4 2-)からなる群より選ばれる1以上の陰イオン
この針状ベーマイトが樹脂に充填されてなる樹脂組成物は、剛性に優れている。
【選択図】なし
Description
あって、例えば樹脂の剛性を向上させるための充填材として用いられている。例えば特許
文献1〔特表2005−528474号公報〕には、樹脂充填材として、BET比表面積
75m2/g以上、短軸長20nm以下、アスペクト比3以上の針状ベーマイトが開示さ
れている。
はなかった。
きる針状ベーマイトを開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
マイトを充填材として樹脂に充填した組成物は、剛性に優れている。
m2/g〜70m2/g、更に好ましくは40m2/g以上である。BET比表面積が20
m2/g未満では、樹脂中に充填しても機械的強度の向上が十分ではない。また80m2/
gを超えると、凝集により樹脂中に均一に分散しにくくなる傾向にある。
30nm未満では、凝集により樹脂中に均一に分散しにくくなる傾向にあり、樹脂の機械
的物性の向上が期待できない。300nmを超えると、相対的に長軸長が長くなり、これ
もまた樹脂中に均一に分散しにくくなる傾向にある。
nmである。
陰イオン:カルボン酸イオン、硝酸イオン(NO3 -)および硫酸イオン(SO4 2-)からなる群より選ばれる1以上の陰イオン
ノストランダイド、トーダイトである水酸化アルミニウムの粉末が挙げられ、好ましくは
ギブサイト、バイヤライトである水酸化アルミニウムの粉末である。
m以下、更に好ましくは3μm以下である。平均粒子径が0.1μm未満であると、生産
性の点で不利であり、10μmを超えると、得られる針状ベーマイトが凝集の多いものと
なり易いため、好ましくない。
オン、グルタル酸イオン、コハク酸イオン、マロン酸イオン、マレイン酸イオン、アジピ
ン酸イオン、クエン酸イオンなどが挙げられる。
ウム、プロピオン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、グルタル酸マグネシウム、コ
ハク酸マグネシウム、マロン酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、アジピン酸マグ
ネシウム、クエン酸マグネシウムなどのカルボン酸マグネシウム、
ンガン、コハク酸マンガン、マロン酸マンガン、マレイン酸マンガン、アジピン酸マンガ
ン、クエン酸マンガンなどのカルボン酸マンガン、
、マロン酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、クエン酸亜鉛などのカルボン酸亜鉛
、
鉛などが挙げられる。
の使用量は水溶液を基準として通常0.1モル/L〜5モル/L、好ましくは0.1モル/L〜3モル/Lである。
れるベーマイトが針状とならず、pH6を超えると、得られる針状ベーマイトが凝集の多
いものとなり、樹脂に充填しても剛性の向上が十分ではない。
例えばカルボン酸、硝酸、硫酸などが挙げられ、カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸
、プロピオン酸、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸
、クエン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。好ましくはカルボン酸が用いらる。
水熱反応は、例えば原料水酸化アルミニウムを上記水溶液中に分散させ、例えばオートク
レーブ内で加圧下に昇温することにより行われる。
時間を要したり、針状とならないことがある。250℃を超えてもこれに見合った効果が
得られず、不経済である。
反応時間は通常2時間〜24時間である。
かくして水熱反応させることにより、目的とする本発明の針状ベーマイトを得ることがで
きる。得られた針状ベーマイトは、例えば冷却後、大気圧下で通常の濾過方法で反応後の
反応混合物から取り出すことができる。取り出された針状ベーマイトは、水、メタノール
などのアルコール類で洗浄してもよい。
充填されてなる樹脂組成物は、耐衝撃性のほか、剛性にも優れている。
しては、例えばオレフィン樹脂、ポリ乳酸、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステ
ル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂として
は、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げら
れる。
炭素数4以上のα−オレフィンを主な成分とするα−オレフィン樹脂等が挙げられる。オ
レフィン樹脂として好ましくは、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂であり、より好
ましくはポリプロピレン樹脂である。これらのオレフィン樹脂を単独で用いてもよく、少
なくとも2種を併用してもよい。
ンダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン
−α−オレフィンランダム共重合体,プロピレンを単独重合した後にエチレンとプロピレ
ンを共重合して得られるプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体に含有されるエチレン
の含有量、α−オレフィンの含有量またはエチレンとα−オレフィンの含有量の合計は、
10モル%未満である(ただし、プロピレンとエチレンとα−オレフィンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。エチレンの含有量、α−オレフィンの含有量またはエチレンとα−オレフィンの含有量の合計は、非特許文献1〔「新版 高分子分析ハンドブック」(日本化学会、高分子分析研究懇談会編 紀伊国屋書店(1995))〕に記載されているIR法〔赤外線分光法〕、NMR法〔核磁気共鳴法〕を用いて測定される。
ム共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられる。
合体、エチレン−プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体に含有されるプロピレン
の含有量、α−オレフィンの含有量またはプロピレンとα−オレフィンの含有量の合計は
、20モル%未満である(ただし、エチレンとプロピレンとα−オレフィンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。
α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−エチレンランダム共重
合体等が挙げられる。
ム共重合体、α−オレフィン−プロピレン−エチレンランダム共重合体に含有されるプロ
ピレンの含有量、エチレンの含有量またはプロピレンとエチレンの含有量の合計は、10モル%未満である(ただし、α−オレフィンとプロピレンとエチレンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。
ン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1
−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル
−1−ブテン、1−ヘプテン、5−メチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ペン
テン、3−エチル−1−ペンテン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、3−メチル−
3−エチル−1−ブテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、5−エチル−1−
ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、6−プロピル−1−ヘプテン、6,6−メ
チルエチル−1−ヘプテン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、4−プロピル−1
−ペンテン、3,3−ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン
、1−ドデセン等が挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン
、1−オクテンである。
バルク重合法、気相重合法等によって製造する方法が挙げられる。また、これらの重合法
を単独で用いる方法であっても良く、少なくとも2種を組み合わせた方法であっても良い
。
好ましい製造方法として、上記の製造方法が挙げられる。
媒が挙げられる。マルチサイト触媒として、好ましくは、チタン原子、マグネシウム原子
およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られる触媒が挙げられ、また、シ
ングルサイト触媒として、好ましくは、メタロセン錯体が挙げられる。
製造方法に用いられる好ましい触媒として、上記の触媒が挙げられる。
、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・10,ナイロン6・12等
があげられるが、これに限定されるものではなく、周知のポリアミド樹脂がいずれも使用
できる。また、これらの樹脂をブレンドしてもかまわない。さらに芳香族ポリアミドも使
用できる。たとえばポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)の如き芳香族
成分を含有するコポリアミドである。かかる芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミド
は芳香族アミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸たとえば、パラアミノメチル安息香酸、
パラアミノエチル安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを主要構成成分とする溶融
重合が可能なポリアミドを意味する。ポリアミドの他の構成成分となるジアミンはヘキサ
メチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−
/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシ
リレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなど
を使用することができる。
カルボン酸との共重合体が挙げられる。コモノマーとして用いられる他のヒドロキシカル
ボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタ
ン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が例示される。
あり、それぞれの対掌体の乳酸単位を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
ましくは85〜98モル%である。また、それぞれの対掌体の乳酸単位の含有量は、通常
0〜15モル%であり、好ましくは2〜15モル%である。ただし、ポリ乳酸の全量を1
00モル%とする。
酸いずれかの単位の含有量は85〜100モル%であり、他のヒドロキシカルボン酸単位
の含有量は0〜15モル%である。好ましくは、L−乳酸またはD−乳酸いずれかの単位
の含有量が85〜98モル%であり、他のヒドロキシカルボン酸単位の含有量が2〜15
モル%である。
る。
キシカルボン酸から選らばれる化合物を、脱水重縮合することによって製造する方法が挙
げられる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体で
あるグリコリド、およびカプロラクトンから選らばれる化合物を、開環重合することによ
って製造する方法である。
乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラ
クチド、およびD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがあ
る。本発明ではいずれのラクチドを用いても良い。主原料に用いられるラクチドとして、
好ましくはD−ラクチドまたはL−ラクチドである。
きに、または、ラクチドとグリコリドを重合させるときに、重合触媒を用いる方法が挙げ
られる。
塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化鉄、三フッ化ホウ素エーテル錯体、塩化アルミニウム、三
フッ化アンチモン、酸化鉛等の主として多価金属を含む化合物が挙げられ、好ましくは錫
化合物または亜鉛化合物であり、錫化合物として、より好ましくはオクタン酸第一錫であ
る。
コリドの重量の合計に対して、0.001〜0.1重量%である。
いる方法が挙げられる。連鎖増大剤として、好ましくは、例えばラウリルアルコール等の
高級アルコール類、乳酸やグリコール酸等のヒドロキシ酸類が挙げられる。
とができる。さらに、連鎖増大剤の量を調整することによって、ポリ乳酸の分子量を調節
することもできる。
溶媒を用いずラクチドまたはグリコリドを溶融させた状態で重合させる塊状重合が挙げら
れる。好ましくは、溶媒を用いずラクチドまたはグリコリドを溶融させた状態で重合させ
る塊状重合である。
は、ラクチドの融点またはグリコリドの融点(90℃付近)以上の温度であれば良い。ま
た、例えば、クロロホルム等の溶媒を用いる溶液重合の場合には、ラクチドの融点または
グリコリドの融点以下の温度で重合することが可能である。そして、塊状重合および溶液
重合のいずれの場合も、250℃を超えた場合、製造させるポリ乳酸樹脂の分解が起こる
ので好ましくない。
場合には、この熱可塑性樹脂を本発明の針状ベーマイトと共に溶融混練すればよい。溶融
混練には、例えばバンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一
軸押出機、二軸押出機などが挙げられる。
イトと共に混合したのち、加熱して硬化させればよい。混合には、例えばヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダーなどが用いられる。
は1質量部以上であり、樹脂への充填の容易である点、および充填により得られる樹脂組
成物の成形が容易である点で、100質量部以下、好ましくは50質量部以下である。
剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化
促進剤(造核剤)、顔料、染料などの着色剤などを含有していてもよい。また、本発明の
針状ベーマイト以外の充填材、例えばカーボンブラック、酸化チタン、タルク、炭酸カル
シウム、マイカ、クレーなどの粒子状充填材、ワラストナイトなどの短繊維状充填材、チ
タン酸カリウムなどのウィスカーなどが挙げられる。
射出成形法、圧縮成形法、押出成形法などが挙げられる。
れるものではない。
(1)BET比表面積〔m2/g〕は、窒素吸着法により測定した。
(2)短軸長(a)および長軸長(b)は、走査型電子顕微鏡写真または透過型電子顕微
鏡写真から無作為に選んだ10サンプルの短軸長および長軸長のそれぞれ数平均値として
測定した。
(3)アスペクト比は、上記で選んだ10サンプルについてそれぞれ短軸長(a)と長軸長(b)との比(b/a)を求め、その数平均として算出した。
(4)フタル酸ジオクチル吸油量〔cm3/100g〕は、JIS K6221に従って
測定した。
(5)凝集粒子径〔μm〕は、レーザー散乱式粒度分布測定装置〔リードアンドノース社
製、マイクロトラックHRA〕を用いて、得られた針状ベーマイト0.01gを純水30
0gに分散させて、重量基準でD50として求めた。
(6)曲げ弾性率(FM)〔MPa〕は、JIS K7171に従い、スパン長64mm
、加重速度2mm/分、測定温度23℃の条件で測定した。
(7)アイゾット(Izod)衝撃強度〔kJ/m2〕は、JIS K7110に従い、試験
片にノッチ加工を施し、ノッチ付衝撃強度として、測定温度23℃で測定した。
BET比表面積25m2/g、中心粒子径0.5μmのギブサイト型水酸化アルミニウム
粒子100質量部、酢酸マグネシウム4水和物〔CH3COOMg・4H2O〕219質量
部および純水2100質量部を混合し、得られたスラリーに酢酸〔CH3COOH〕を加
えて水素イオン濃度をpH5.0に調整したのち、オートクレーブに入れ、100℃/時
間の昇温速度で室温〔約20℃〕から200℃まで昇温し、同温度を4時間維持して水熱
反応を行った。その後、冷却し、濾過操作により固形分を分取し、濾液の電気伝導度が1
00μS/cm以下になるまで水洗した後、純水を添加して固形分濃度5質量%のスラリ
ーとし、目開き45μmのSUS製篩で粗粒分を除去し、スプレードライヤー〔ニロジャ
パン社製、モービルマイナ型〕にて出口温度120℃でスプレードライし、ロータースピ
ードミル〔フリッチュ社製「P−14」〕にて解砕して、針状ベーマイトを得た。この針
状ベーマイトのBET比表面積は66m2/g、DOP吸油量は300cm3/100g、
短軸長は102nm、アスペクト比は27、長軸長は2520nm、中心粒子径は1.4μmであった。
ン単位含有量19質量%、MFR30g/10分〕100質量部および酸化防止剤〔チバ
スペシャリティーケミカルズ社製「Irganox1010」〕0.2質量部をラボプラ
ストミル〔東洋精機社製「100M」、混練部「B600型」〕にて180℃、60rp
m、10分の条件で溶融混練し、複合型混練機〔井元製作所社製〕にて3mmφのストラ
ンドとしたのちカットしてペレット化した。
12mm、長さ80mm、厚み4mmの試験片を得、この試験片の曲げ弾性率(FM)を
求めたところ、1998MPaであった。
アイゾット衝撃強度を求めたところ、6.0kJ/m2であった。評価結果を第1表に示
す。
実施例1で用いたと同じギブサイト型水酸化アルミニウム100質量部、酢酸マグネシウ
ム4水和物218質量部および純水2100質量部を混合してスラリーを得た。アルミニ
ウムアルコキシドを加水分解して調製したベーマイト型水酸化アルミニウム〔BET比表
面積307m2/g〕を0.1N硝酸水〔硝酸濃度0.1モル/L〕に分散させたスラリ
ー〔固形分濃度10質量%〕50質量部を、上記で得たスラリーに加えたところ、水素イ
オン濃度はpH7.0であった。その後、オートクレーブ中、100℃/時間の昇温速度
で室温〔20℃〕から200℃まで昇温し、同温度を4時間維持して水熱反応を行った。
その後、実施例1と同様に操作して、針状ベーマイトを得、試験片を得た。評価結果を第
1表に示す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例 比較例
1 1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ギブサイト (部) 100 100
ベーマイト (部) 0 5
酢酸マグネシウム (部) 219 218
純水 (部) 2100 2100
塩濃度 (モル/L) 0.47 0.47
水素イオン濃度 (pH) 5.0 7.0
────────────────────
BET比表面積 (m2/g) 66 126
DOP吸油量(cm3/100g) 300 305
短軸長 (nm) 102 7
アスペクト比 27 16
長軸長 (nm) 2520 103
中心粒子径 (μm) 1.4 3.0
────────────────────
曲げ弾性率(FM) (MPa) 1998 1542
Izod衝撃強度 (kJ/m2) 6.0 6.2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1で用いたギブサイト型水酸化アルミニウムに代えて、市販のギブサイト型水酸化
アルミニウム〔住友化学社製「C−301」、中心粒子径1.4μm〕100質量部を用
い、酢酸マグネシウム4水和物の使用量を335質量部とし、純水の使用量を3200質
量部とした以外は実施例1と同様に操作して水熱反応を行って針状ベーマイトを得、試験
片を得た。評価結果を第2表に示す。
酢酸マグネシウム4水和物の使用量を168質量部とした以外は実施例3と同様に操作し
て針状ベーマイトを得、試験片を得た。評価結果を第2表に示す。
酢酸マグネシウム4水和物の使用量を46質量部とし、酢酸を加えなかった以外は実施例
3と同様に操作したところ、混合後のスラリーの水素イオン濃度はpH7.7であった。
その後、実施例1と同様に操作して水熱反応を行って針状ベーマイトを得、試験片を得た
。評価結果を第2表に示す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例 比較例
2 3 2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ギブサイト (部) 100 100 100
酢酸マグネシウム (部) 335 168 46
純水 (部) 3200 3200 3200
塩濃度 (モル/L) 0.47 0.24 0.067
水素イオン濃度 (pH) 5.0 5.0 7.7
───────────────────────
BET比表面積 (m2/g) 67 58 14
DOP吸油量(cm3/100g) 340 288 197
短軸長 (nm) 92 222 436
アスペクト比 24 13 11
長軸長 (nm) 2170 2810 4820
中心粒子径 (μm) 7.0 6.0 5.0
───────────────────────
曲げ弾性率(FM) (MPa) 2026 1965 1583
Izod衝撃強度 (kJ/m2) 7.1 6.5 6.2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ポリ乳酸〔カネボウ合繊(株)から購入した「ラクトロンTM100」〕100質量部および実施例2で得た針状ベーマイト11質量部を混合し、スクリュー径15mmの2軸押出機〔テクノベル社製「KZW15−45MG」〕にて220℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形機〔東洋機械金属社製「PLASTAR TU−15」〕にて射出成形して試験片〔幅10mm、長さ80mm、厚み4mm〕を得た。この試験片の曲げ弾性率(FM)は5022MPaであり、アイゾット衝撃強度は2kJ/m2であった。
実施例6で用いたポリ乳酸〔ラクトロンTM100〕単独を射出成形して試験片を得、評
価したところ、曲げ弾性率(FM)は2900MPaであり、アイゾット(Izod)衝撃
強度は2kJ/m2であった。
ナイロン6〔ユニチカ社製「A1030BRL」〕100質量部および実施例1で得た針
状ベーマイト11質量部を混合し、ラボプラストミル〔東洋精機社製「100M」、混練
部「B600型」〕にて250℃、60rpm、10分の条件で溶融混練し、パワーカッ
ティングミル〔レッチェ社製「SM 2000」〕にて4mm以下に粉砕してパウダーを
得た。得られたパウダーを半自動射出成形機〔井元製作所社製〕にて250℃で射出成形
して幅12mm、長さ80mm、厚み4mmの試験片を得、この試験片の曲げ弾性率(F
M)を求めたところ、3473MPaであった。
アイゾット(Izod)衝撃強度を求めたところ、6.5kJ/m2であった。
実施例7で用いたナイロン6〔A1030BRL〕単独を射出成形して試験片を得、評価
したところ、曲げ弾性率(FM)は1804MPaであり、アイゾット(Izod)衝撃強
度は6.3kJ/m2であった。
市販のギブサイト型水酸化アルミニウム〔住友化学社製「C−301」、中心粒子径1.4μm〕100重量部と、酢酸マグネシウム4水和物218重量部と水1236重量部を混合してスラリーを得た。得られたスラリーに酢酸29重量部を加えてスラリーのpHを5.0に調整したのち、オートクレーブに入れ、100℃/時間の昇温速度で室温〔約20℃〕から200℃まで昇温し、同温度を4時間維持して水熱反応を行った。水熱反応後のスラリーのpHは5.0であった。その後、冷却し、濾過操作により固形分を分取し、濾液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗した後、120℃のオーブンで乾燥し、ロータースピードミルにて解砕して針状ベーマイトを得た。
水1264重量部とし、酢酸を添加しない以外は、実施例7と同様に操作して、針状ベーマイトを得た。なお、水熱反応前後のスラリーのpHは、7.8、5.4であった。
水1382重量部、酢酸マグネシウム4水和物100重量部とし、酢酸を添加しない以外は、実施例7と同様に操作して、針状ベーマイトを得た。なお、水熱反応前後のスラリーのpHは、7.9、5.6であった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例 比較例 比較例
6 5 6
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ギブサイト (部) 100 100 100
酢酸マグネシウム (部) 218 218 100
純水 (部) 1236 1382 1382
塩濃度 (モル/L) 0.78 0.70 0.33
水素イオン濃度 (pH) 5.0 7.8 7.9
─────────────────────────
BET比表面積 (m2/g) 64 43 33
DOP吸油量(cm3/100g) 240 172 181
短軸長 (nm) 114 73 104
アスペクト比 20 29 26
長軸長 (nm) 1960 1980 2650
中心粒子径 (μm) 6.6 7.8 6.2
─────────────────────────
曲げ弾性率(FM) (MPa) 1858 1490 1531
Izod衝撃強度 (kJ/m2) 6.5 7.6 7.5
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Claims (4)
- BET比表面積が20m2/g〜80m2/g、フタル酸ジオクチル吸油量が200cm3/100g〜600cm3/100g、短軸長が30nm〜300nm、アスペクト比が5〜50であることを特徴とする針状ベーマイト。
- 原料水酸化アルミニウム粉末を、以下の金属イオンと以下の陰イオンとの塩を濃度0.1モル/L〜5モル/Lで含み、水素イオン濃度がpH4〜pH6である水溶液中、160℃〜250℃で水熱反応させることを特徴とする請求項1に記載の針状ベーマイトの製造方法。
金属イオン:マグネシウムイオン、マンガンイオンおよび亜鉛イオンからなる群より選ば
れる1以上の金属イオン
陰イオン:カルボン酸イオン、硝酸イオンおよび硫酸イオンからなる群より選ばれる1以
上の陰イオン - 請求項1に記載の針状ベーマイトが樹脂に充填されてなる樹脂組成物。
- 樹脂がオレフィン樹脂、ポリ乳酸またはポリアミドである請求項3に記載の樹脂組成物。
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