JP2003054941A - 針状ベーマイト及び針状アルミナ並びにそれらを含有する樹脂組成物 - Google Patents
針状ベーマイト及び針状アルミナ並びにそれらを含有する樹脂組成物Info
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Abstract
あり、アスペクト比が高いため、フィラーとして用いた
ときに優れた補強性を発揮することができるとともに、
樹脂組成物の表面の平滑性を維持することができる針状
ベーマイト及び針状アルマイト並びにそれを含有する樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 針状ベーマイトは、平均粒子長さが1〜
10μm、アスペクト比が30を越え、90以下であ
り、脱水吸熱温度が450℃以上、520℃未満であ
る。この針状ベーマイトは、水酸化アルミニウムと、マ
グネシウム、ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸
塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩と
を水の存在下で加圧状態とし、190〜250℃の温度
で水熱合成することにより得られる。また、針状ベーマ
イトをフィラーとして合成樹脂材料に練り込み、成形す
ることにより樹脂組成物が得られる。
Description
ラスチックの補強性、耐熱性等を向上させるためのフィ
ラー等として使用される針状ベーマイト及び針状アルミ
ナ並びにそれらを含有する樹脂組成物に関するものであ
る。
を改善するフィラーとして、ベーマイト及びアルミナが
使用されている。このようなベーマイトは、例えば特願
昭60−46923号、特願平6−279019号、特
願平10−261425号、特開平11−21125号
公報等に示されるような水熱合成により製造されてい
る。そして、水熱合成で製造されたベーマイトの多く
は、その結晶構造の形態が板状であることから、板状フ
ィラーとして用いられている。さらに、板状ベーマイト
を前駆体とし、これを高温で焼成することによって板状
アルミナが生成され、この板状アルミナも板状フィラー
として用いられている。これら以外にも、例えばガラス
フレーク、天然のマイカ、タルク、カオリン等が板状フ
ィラーとして用いられている。その他にも、大気圧で水
酸化アルミニウムを加熱脱水して得られるベーマイトが
粒状フィラーとして用いられている。
ト及びアルミナには板状のもの以外に針状の形態を有す
るものも知られている。特に針状をなすベーマイトに関
しては、特開昭55−116622号公報に開示されて
いる、少なくとも部分的に超微細ベーマイト形態にある
アルミナが知られている。このアルミナは、例えば活性
アルミナを原料とし、それを硝酸や硝酸アンモニウムを
入れたオートクレーブに導入して撹拌し、150℃で2
4時間加熱する方法により製造される。そして、この製
造方法によれば、薄片状形態の超微細ベーマイトを含有
するアルミナ懸濁液を得ることができる。
報では、針状ベーマイト微粒子について開示されてい
る。この針状ベーマイト微粒子は、過酸化水素あるいは
アルカリ金属過酸化物を含むアルカリ性溶液中で水溶性
アルミニウム化合物を加水分解し、生成した擬似ベーマ
イトゾルを過酸化水素の共存下で水熱処理するという製
造方法により得られる。さらに、ガラス繊維、カーボン
ファイバー、珪酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊
維、ホウ酸アルミニウム繊維、天然のワラストナイト等
も針状フィラーとして用いられている。
針状ベーマイト及びアルミナは、その平均粒子長さ(長
径)が約360nmと短く、極微粒であり、アスペクト
比は1〜30程度である。例えば、ベーマイト及びアル
ミナを使用して補強性を向上させる場合、プラスチック
中に配向性良くフィラーを充填することが必要となり、
そのためにはフィラーを薄く、かつサイズを大きくす
る、つまりフィラーのアスペクト比を高くすることが重
要となる。しかし、従来の針状ベーマイト及びアルミナ
は極微粒であり、アスペクト比もあまり高くはないた
め、プラスチックを十分に補強しているとは言いにくい
という問題があった。これに対し、ガラス繊維、天然の
ワラストナイト等の針状フィラーを用いた場合、アスペ
クト比は高いが、平均粒子長さが非常に大きいため、樹
脂組成物の成形時にその平滑性が損なわれてしまう。他
にも、樹脂の流れ方向とその流れ方向に直角な方向との
間で樹脂組成物の性質、特に線膨張係数に差を生じてし
まう。このため、樹脂組成物の表面に反りや歪み等が生
じるという問題があった。
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、平均粒子長さが1〜10μmの微細なも
のであり、アスペクト比が高いため、フィラーとして用
いたときに優れた補強性を発揮することができるととも
に、樹脂組成物の表面の平滑性を維持することができる
針状ベーマイト及び針状アルミナを提供することにあ
る。また、その他の目的とするところは、フィラーの優
れた補強性を発現させることができるとともに、その表
面を平滑なものとすることができる樹脂組成物を提供す
ることにある。
めに、請求項1に記載の針状ベーマイトの発明は、水酸
化アルミニウムと、マグネシウム、ニッケル、マンガン
又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸
塩若しくは硝酸塩とを水の存在下で加圧状態とし、18
0〜250℃の温度で水熱処理することにより得られ、
針状をなし、平均粒子長さが1〜10μm、アスペクト
比が30を越え、90以下であることを特徴とするもの
である。
の針状ベーマイトにおいて、前記マグネシウム、ニッケ
ル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオ
ン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩と、水酸化アルミニウム
との混合割合を、モル比で1:0.5〜1:40として
水熱合成することを特徴とするものである。
請求項1又は請求項2に記載の針状ベーマイトを400
〜1500℃の温度で焼成することにより得られ、針状
をなし、平均粒子長さが1〜10μm、アスペクト比が
30を越え、90以下であることを特徴とするものであ
る。
求項1又は請求項2に記載の針状ベーマイトと請求項3
に記載の針状アルミナのうち少なくとも一方をフィラー
として含有することを特徴とするものである。
態を詳細に説明する。針状ベーマイト[AlO(O
H)]は、ゴム、プラスチック等といった合成樹脂材料
に混合することにより、これに難燃性及び補強性を付与
するとともに、耐熱性等の性質も付与可能なフィラーと
して利用することができる。この針状ベーマイトを原料
として用いることにより針状アルミナ(Al2O3)を得
ることができる。この針状アルミナは合成樹脂材料に混
合することにより、これに補強性を付与するとともに、
耐熱性等の性質も付与可能なフィラーとして利用するこ
とができる。そして、樹脂材料を主成分とする樹脂組成
物に対して針状ベーマイト及び針状アルミナのうち少な
くとも一方がフィラーとして含有されることにより、樹
脂組成物に前に挙げたような性質を付与することが可能
である。例えば、針状アルミナのみをフィラーとして含
有させる場合、樹脂組成物に補強性、耐熱性等の性質を
付与することができる。さらに、針状ベーマイト及び針
状アルミナをフィラーとして含有させる場合、樹脂組成
物に高い難燃性、補強性、耐熱性等の性質を付与するこ
とができる。
脂材料について説明する。樹脂組成物の主成分となる樹
脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
エラストマー、合成ゴム類等が挙げられ、特に限定され
るものではない。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリブテン
等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の汎用プ
ラスチック、ポリアミド、ABS樹脂、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、
ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチック
等を挙げることができる。
ン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リアミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができ
る。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル、ポリビニルエステル、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレー
ト、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド、尿素
樹脂、メラミン含有樹脂、ポリウレタン等を挙げること
ができる。前記ゴム類としては、加硫又は未加硫の天然
ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、イソプ
レンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、NBR、S
BR等を挙げることができる。
として用いる場合には、優れた難燃性を付与可能である
ことから、上記の合成樹脂材料のうち、燃えやすい樹脂
であるポリスチレン、ポリエステル、アクリル、ポリカ
ーボネート、ナイロン、およびポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーに最適である。
ついて説明する。アルミナは、針状ベーマイトを加工す
ることなくそのままの状態で400〜1400℃の温度
で焼成した場合、焼成前の針状ベーマイトの形態、サイ
ズ等の性状を維持した針状のものが得られる。また、針
状ベーマイトを成形して焼成すれば表面積の大きなアル
ミナを得ることも可能である。この実施形態では焼成前
の針状ベーマイトの性状を維持した針状アルミナが用い
られている。
アスペクト比が30を越え、90以下の針状の結晶であ
り、好ましくは40〜70である。アスペクト比が30
以下の場合、粒子の厚みが相対的に厚くなり、樹脂組成
物中により多くのフィラーを充填することができなくな
る。アスペクト比が90より高い場合、粒子の厚みが相
対的に薄くなり、破損しやすく、フィラーとして用いた
場合に十分な補強性を発揮できない。また、この針状ベ
ーマイト及び針状アルミナは、微視的には針状の形態で
はあるが、巨視的には紡錘状若しくはヘラ状の形態、又
は針状の結晶が扇状に結合した形態であってもよい。さ
らに巨視的には、粉状であるのが好ましい。
子長さ(長径)は1〜10μmである。この実施形態の
針状ベーマイトは、原料や反応条件を選択することによ
り、平均粒子長さを1μm未満にすることも可能ではあ
るが、この場合、平均粒子長さを小さくするに従ってア
スペクト比も小さくなりやすいため、樹脂組成物に十分
な補強性を付与することができなくなる。また、平均粒
子長さを10μmよりも長くすることも可能ではある
が、この場合、その針状ベーマイトの生成過程で特殊な
原料を用いたり、種結晶を添加したりする等のように製
造工程が煩雑になったり、針状粒子同士が互いに絡まり
合って融着し、巨大な粒子が生成されてしまったり等し
てしまう。
く説明する。ベーマイトは、周囲の温度が上昇すると吸
熱反応を起こしながら、その分子内において水素原子と
ヒドロキシル基とを水として脱離させる脱水反応を起こ
す性質を有している。この脱水反応により分子内から脱
離された水は、ベーマイトの粒子表面からその周囲に放
出される。この性質を専ら利用することにより、ベーマ
イトは、樹脂組成物に難燃性を付与可能なフィラーとし
て使用することができる。特に、針状ベーマイトは一般
的な板状、粒状等のベーマイトと比較して、脱水反応に
より脱離された水が粒子内から粒子表面へ短い距離で移
動することができるため、難燃性を付与するフィラーと
して好適である。
がら、脱水反応を起こすときの温度である脱水吸熱温度
は、520〜550℃である。これに対し、前に挙げた
合成樹脂材料の着火温度は、例えばポリスチレンは47
0〜490℃、ナイロンは425〜460℃、ポリプロ
ピレンは470℃、ポリエチレンは350〜430℃で
ある。すなわち、一般のベーマイトは脱水吸熱温度が5
20〜550℃であり、樹脂の着火温度よりも概ね高い
ため、樹脂の燃焼が始まった後に脱水及び吸熱反応を起
こす。
のベーマイトは微細な針状形態をなすことから、脱離さ
れた水が粒子内から粒子表面へさらに短い距離で移動可
能であり、より低い温度で脱水及び吸熱反応を起こすこ
とができ、難燃性を付与するフィラーとして好適であ
る。なお、ベーマイトに類似する化合物として極微細な
粒子よりなるベーマイトゲルが挙げられ、このベーマイ
トゲルも低温度で脱水及び吸熱反応を起こすことができ
るが、しかし100℃で脱水及び吸熱反応を開始し、3
80℃に達するまでにかなりの量を脱水してしまうため
フィラーとして不適である。
燃性を付与するためのフィラーとして利用する場合には
その脱水吸熱温度を含有される合成樹脂材料の着火温度
に近い温度とすることにより、難燃性を効果的に発揮す
ることが可能であり、好ましい。そして、針状ベーマイ
トの脱水吸熱温度は、好ましくは380℃以上で520
℃未満であり、より好ましくは400〜470℃であ
り、さらに好ましくは450〜470℃である。この実
施形態では、示差熱分析装置(DTA)を用いて大気圧
下、大気雰囲気で測定した際における針状ベーマイトの
吸熱ピークの温度を脱水吸熱温度として測定している。
は、針状ベーマイトを小さくかつ細くしてさらに微細な
粒子としなければならず、技術的に難しくなるととも
に、補強性が低下するおそれがある。また、520℃以
上とした場合、エンジニアリングプラスチックのように
燃えにくい樹脂ならば十分な難燃性を発揮することがで
きるが、汎用プラスチックのように燃えやすい樹脂では
十分な難燃性を発揮することができなくなる等のように
使用用途が限られてしまうおそれがある。そして、実施
形態の針状ベーマイトは450〜520℃と低い温度で
吸熱反応及び脱水反応するため樹脂の着火温度に近く、
このベーマイトをフィラーとして用いた樹脂組成物には
より優れた難燃性が付与されるようになっている。
ーとして樹脂組成物に含有させる場合、その脱水吸熱温
度が合成樹脂材料が溶融又は軟化される温度、つまり樹
脂組成物の成形温度よりも高い温度とすることが好まし
い。例えば、ベーマイトと同様の性質を有しており、難
燃剤として広く一般的に用いられる水酸化アルミニウム
(ギブサイト)及び水酸化マグネシウムの脱水吸熱温度
は、ギブサイトで180〜280℃、水酸化マグネシウ
ムで300〜380℃である。これに対し、例えば前に
挙げた合成樹脂材料のうち、アクリルを射出成形する場
合の成形温度は163〜260℃、ポリエチレンは14
9〜316℃、ポリプロピレンは199〜288℃、ナ
イロンは243〜382℃、ポリカーボネートは288
〜316℃である。
剤として用い、樹脂組成物を成形しようとする場合、そ
の成形温度がギブサイトならば180℃未満、水酸化マ
グネシウムならば300℃未満であれば難燃性を保持し
たまま樹脂組成物を成形することができる。しかし、前
に挙げたように樹脂の成形温度はギブサイト及び水酸化
マグネシウムの脱水吸熱温度とほぼ同じ温度になってお
り、成形時にギブサイト及び水酸化マグネシウムが脱水
反応を起こす可能性がある。そして、例えばギブサイト
及び水酸化マグネシウムが成形時に脱水反応を起こすと
発泡剤を添加したときと同様に樹脂組成物の表面及び内
部に細孔が形成される等のように、ギブサイト及び水酸
化マグネシウムの成形時における脱水により、樹脂組成
物の外観品質が低下したり、難燃性を付与できなくなっ
たり等の不具合を生じるおそれがある。
合、リサイクルは成形よりも若干高い温度で行われるた
め、リサイクル時に上記のような不具合が生じることを
抑制するため、難燃性を付与するためのフィラーにはギ
ブサイト及び水酸化マグネシウムよりも高い脱水吸熱温
度を有するものが好ましい。そこで、実施形態の針状ベ
ーマイトならば、450〜520℃とギブサイト及び水
酸化マグネシウムよりも高い温度で脱水及び吸熱反応を
起こすため、難燃性を維持しながら樹脂組成物を成形及
びリサイクルすることができるため、難燃性を付与する
ためのフィラーとしてより好適である。
脂組成物を形成する場合、その含有量は、前に挙げた合
成樹脂材料100重量部に対し、好ましくは10〜10
0重量部であり、より好ましくは10〜50重量部であ
る。針状ベーマイトは、樹脂組成物における含有量が少
ない場合には主に補強性を付与するフィラーとして機能
し、含有量が多い場合には主に難燃性を付与するフィラ
ーとして機能するようになっている。そして、含有量が
10重量部より少ない場合には、十分な補強性を付与す
ることができないおそれがある。但し、他のフィラーな
どの添加物と併用することにより、10重量部未満でも
補強性、難燃性の効果を発揮することは可能である。含
有量を100重量部より多くした場合、難燃性は向上す
るが、引っ張り破断伸び等といった他の樹脂物性を損な
うおそれがある。また、含有量を50重量部より多くし
た場合にはフィラーが嵩高くなるため、合成樹脂材料へ
の練り込みを容易なものとするには造粒、表面処理等を
施す必要がある。
ついて説明する。針状ベーマイトを製造する場合には、
まず、水酸化アルミニウムに反応添加物としてマグネシ
ウム、ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸
塩、プロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩を添加して
反応原料を製造する。次いで、得られた反応原料をオー
トクレーブ内又はハニカム形状等の所定形状を有する容
器内に収容した状態で圧力容器内に充填する。その後、
水の存在下で加圧状態にし、180〜250℃の温度で
反応原料を撹拌しながら又は静置して、水熱合成するこ
とにより製造される。
トの構成成分を供給するために反応系に添加される。こ
の水酸化アルミニウムにはゲル状の微細なものから結晶
性のものまで使用でき、より脱水吸熱温度の低いものを
得るにはゲル状水酸化アルミニウムを用いることが好ま
しい。結晶性の水酸化アルミニウムを使用する場合は平
均粒子径が0.5〜10μmのものを使用することが好
ましく、1.5〜5μmのものがより好ましい。平均粒
子径が0.5μm未満の場合、反応生成物としての針状
ベーマイトの平均粒子長さが1μm未満になるおそれが
ある。平均粒子径が10μmより大きい場合、針状ベー
マイトの平均粒子長さが10μmを超えたり、ブロック
(塊状)となるおそれがある。
工程で粉砕により粒度調整されていないものを使用する
ことが特に好ましい。これは、粒度調整のために粉砕さ
れた水酸化アルミニウムは、粒度分布が広い、機械的力
により表面が活性化される等の理由により、生成したベ
ーマイトがブロック又は連晶のような凝集物となりやす
いためである。また、水酸化アルミニウムにはアルマイ
トの製造過程において産業廃棄物として廃棄処分される
ものを再利用して用いることもできる。前記水は、針状
ベーマイトの生成反応の場を提供するとともに、水熱合
成を行わせるために反応系に添加される。
ル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオ
ン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩は、アスペクト比の高い
針状の結晶形態のベーマイトを形成するために反応系に
添加される。すなわち、従来のように、水酸化アルミニ
ウムをナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウ
ム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(S
r)、ランタノイド(La)、イットリウム(Y)等の
金属のイオンを含有する水溶液中で水熱合成してベーマ
イトを生成した場合、ベーマイトの結晶形態は板状とな
る。また、マグネシウムの水酸化物を用いた場合にも生
成されるベーマイトの結晶形態は板状となる。これは、
前に挙げた金属が水溶液中で立体障害の少ないM2+又は
M3+等となったり、あるいは立体障害の大きい又は不溶
性のM−R2、M−R2 +、M−R3等となったりしやすい
ため、平板状の形態になると推測される。
液中で解離してM−R+(Mは各金属、RはCH3COO
-等の各基を表す)のイオン種となりやすい。このM−
R+イオンは、ベーマイトの結晶が生成する過程でベー
マイトの結晶の表面に吸着される。この状態でM−R+
イオンの嵩高いR基が立体障害となり、針状に形態制御
されながらベーマイトの結晶の異方成長が促進されるこ
とによって最終的にアスペクト比の高い針状の結晶形態
が形成される。
又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸
塩若しくは硝酸塩は、それぞれ1種のみを反応添加物と
して用いてもよいし、あるいは2種以上を混合した混合
物を反応添加物として用いてもよい。
て、針状ベーマイトを効率よく製造するとともに、脱水
吸熱温度を380〜520℃とするための反応添加物と
水酸化アルミニウムとの混合割合は、モル比で1:0.
5〜1:40が好ましく、1:1〜1:4がより好まし
い。例えば、水の量を水酸化アルミニウムの3倍とした
場合、反応添加物である硫酸マグネシウムを飽和濃度に
すると、硫酸マグネシウムと水酸化アルミニウムとの混
合割合はモル比で1:1.25となり、硫酸マンガンで
は1:0.55となる。このため、混合割合がモル比で
反応添加物1に対して水酸化アルミニウムが0.5未満
の場合、反応添加物が飽和濃度を越えて過剰に添加され
ることになり、経済的ではない。逆に反応添加物1に対
して水酸化アルミニウムが40を越える場合、ベーマイ
トの結晶形態を針状に形成させることができないおそれ
があるとともに、脱水吸熱温度が520℃よりも高くな
るおそれがある。また、マグネシウム化合物1に対して
水酸化アルミニウムが4を越える場合には、脱水吸熱温
度が470℃よりも高くなるおそれがある。
る水の混合割合は、水酸化アルミニウムの添加量に対し
て、好ましくは重量比で1〜10倍量、さらに好ましく
は2〜4倍量である。この水の混合割合が水酸化アルミ
ニウムの添加量に対して重量比で1倍量未満の場合、反
応系における水が少ないことから水熱合成を充分に行わ
せることができない。逆に10倍量を越える場合、反応
添加物及び水酸化アルミニウムの濃度が低下することか
ら、アスペクト比の高い針状結晶を得ることが困難にな
るとともに、経済性、生産性が低下するおそれがある。
ウムを撹拌しながら反応させる場合、反応系の各成分を
均一にするとともに反応効率を向上させるために、撹拌
装置を用いて、好ましくは回転数150rpm以下で撹
拌される。この撹拌における回転数が150rpmを越
える場合には、生成される針状ベーマイトに専断力が働
くことにより結晶が破壊され、アスペクト比の高い針状
結晶を得ることができなくなるおそれがある。
ーブ等の圧力容器内で180〜250℃、好ましくは1
90〜220℃の温度で反応させる。この反応温度が1
80℃未満の場合、水熱合成によって水酸化アルミニウ
ムからベーマイトを生成することができず、逆に250
℃を越える場合、大量のエネルギーを必要とすることか
ら経済的でない。
間は、好ましくは3〜24時間である。さらに、撹拌し
ながら加熱する場合の加熱時間は5〜12時間が好まし
く、静置して加熱する場合の加熱時間は10〜24時間
が好ましい。この加熱時間が3時間未満の場合、充分な
量の針状ベーマイトを生成させることができない。逆に
24時間を超える場合、エネルギーを大量に消費すると
ともに、時間が浪費されることから経済的でない。
選ばれる少なくとも1種の化合物を添加して反応させて
もよい。このとき、アミン化合物は針状ベーマイトの反
応系における水熱合成を促進させるとともに、長径と短
径との比が2〜10である紡錘状又はヘラ状形態の針状
ベーマイト(以下、紡錘状又はヘラ状ベーマイトと記載
する)を生成させることができる。
水酸化マグネシウム及びカルシウム化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物を添加して反応させてもよい。
このとき、カルシウム化合物は針状ベーマイト同士を扇
状に結合させ、扇状形態の針状ベーマイト(以下、扇状
ベーマイトと記載する)を生成させることができる。こ
のカルシウム化合物としては、例えば水酸化カルシウ
ム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられ、特
に好ましくは酢酸カルシウムが使用される。
明する。針状アルミナは、上述の方法で得られる針状ベ
ーマイトを、例えば電気炉等で400〜1500℃の温
度で焼成することによって製造される。このとき、40
0〜900℃ではγ−アルミナ、900〜1100℃で
はδ−アルミナ、1100〜1200℃ではθ−アルミ
ナ、1200〜1500℃ではα−アルミナが主に得ら
れる。また、焼成温度が450℃未満ではアルミナを得
ることが困難であり、1500℃を超えるとその温度を
維持するのに大量のエネルギーが消費されるので経済的
でなく、そのうえ焼結又は粒成長して比表面積が小さく
なる。
ナは、焼成前の針状ベーマイトの形状を保持しており、
これはアルミナの種類によらない。樹脂用フィラーとし
て使用する場合は、硬度の高いα−アルミナでは成形機
の摩耗が著しいので、比較的硬度の低い遷移アルミナが
好ましい。触媒担体として使用する場合は比表面積の大
きいγ−アルミナが好ましい。一方、耐熱材料として使
用する場合は、最も安定なα−アルミナが好ましい。
さらに好ましくは1〜3時間である。0.5時間未満で
は焼成が不十分となってアルミナを得ることが困難であ
る。また、4時間以内でアルミナ化がほぼ完了するので
4時間を超える焼成は経済的でない。
明する。樹脂組成物は、各種樹脂とフィラーよりなる従
来の樹脂組成物と同様にして製造される。具体的には針
状ベーマイトと針状アルミナの少なくとも一方を原料と
なる合成樹脂材料に配合して混練機にて混練し、成形機
にて成形加工することにより得られる。
ーマイトと針状アルミナの少なくとも一方と合成樹脂材
料とをタンブラー、リボンミキサー等であらかじめ混合
し、その混合物を混練機としての一軸又は二軸押出機に
て溶融混練した後、射出成形機等にて成形を行う。な
お、針状ベーマイトと針状アルミナの少なくとも一方と
原料樹脂とを混練機にそれぞれ別個に定量供給するよう
にしてもよい。また、混練機は、バンバリーミキサー、
ロール、各種ニーダー等、適用する樹脂等に応じて適宜
選択して使用される。
効果を損なわない範囲で従来公知の各種添加剤を原料樹
脂に配合してもよい。この添加剤としては、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料等の
着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、核形成
剤、加硫剤等を挙げることができる。加えて、タルク、
マイカ、炭酸カルシウム、ワラストナイト、チタン酸カ
リウム、ガラス繊維、カーボン繊維等、その他のフィラ
ーを併用してもよい。
ついて、以下に記載する。 ・ 実施形態のベーマイトは、マグネシウム、ニッケ
ル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオ
ン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩と、水酸化アルミニウム
とを水の存在下で加圧状態にし、180〜250℃の温
度で反応させて得られるものである。得られた針状ベー
マイト及び針状アルミナは、平均粒子長さが1μm以上
となり、アスペクト比が30を越え、90以下の針状の
結晶となる。このため、ゴムやプラスチックの素材に補
強性、耐熱性等といった優れた性質を付与することがで
きる。さらに、高品質な針状ベーマイトを安価に、しか
も容易に製造することが可能である。
は、その脱水吸熱温度が380℃以上、520℃未満で
あり、一般的なベーマイトより低く、合成樹脂材料の着
火温度に近い温度となっている。このため、針状ベーマ
イトをフィラーとして用いる場合、優れた難燃性を付与
することができる。また、一般的な難燃剤であるギブサ
イトよりも脱水吸熱温度が高いため、フィラーとして樹
脂組成物に含有されたとき、その難燃性を保持したま
ま、優れたリサイクル性を発揮することができる。
ガン又はコバルトが迅速にベーマイトの表面に吸着さ
れ、さらに立体障害により形態制御しながら針状ベーマ
イトを形成することができることから、収率を高め、反
応時間を確実に短縮することができる。さらに、酢酸
塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸塩又は硝酸塩を反応
系に添加することにより、水溶液を中性付近に維持する
ことができ、オートクレーブ等の製造設備の腐食を防止
することができる。
を、その含有量が合成樹脂材料100重量部に対し、1
0〜100重量部となるように含有させることにより樹
脂組成物が形成されている。このため、樹脂組成物に十
分な補強性及び難燃性を付与することができる。
グネシウム、ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸
塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩
と、水酸化アルミニウムとの混合割合は、モル比で1:
0.5〜1:20とされる。これにより、十分な難燃性
を発揮することができる脱水吸熱温度となるように針状
ベーマイトを効率よく製造することができる。
例について説明する。 (実施例1〜14)実施例1〜6においては、硫酸マグ
ネシウムと水酸化アルミニウムとの混合割合がモル比で
硫酸マグネシウム1に対し、水酸化アルミニウムが表1
に示す各数値となるように、水酸化アルミニウム100
mol%と、硫酸マグネシウムとを水とともにオートク
レーブ内に充填し、水熱合成した。水熱合成は、静置下
で、昇温速度80℃/時間で205℃まで加熱し、その
温度及び圧力を10時間保持することにより行った。反
応終了後、反応液を自然冷却し、濾過することにより反
応生成物を収集した。この反応生成物を水洗し、105
℃の温度で乾燥させることによりそれぞれ目的とするベ
ーマイトを得た。
ゲルを使用した以外は実施例1〜6と同様の操作を行
い、目的とするベーマイトを得た。また、実施例8〜1
4においては、反応添加物と、反応添加物を1としたと
きの水酸化アルミニウムのモル比を変更した以外は実施
例1〜6と同様の操作を行い、それぞれ目的とするベー
マイトを得た。そして、各実施例で得られたベーマイト
について、サイズ、アスペクト比及び脱水吸熱温度をそ
れぞれ測定した。その結果を表1及び表2に示す。な
お、モル比及びアスペクト比は、小数点以下1桁を切り
捨てて算出した。
ネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酢酸マンガン、
酢酸ニッケル又は酢酸亜鉛と、水酸化アルミニウム又は
水酸化アルミニウムゲルとを水熱合成することにより得
られる針状ベーマイトは、平均粒子長さが1〜10μm
の範囲内であり、アスペクト比が30を越え、90以下
であることが示された。このことから、マグネシウム、
ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プ
ロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩と、水酸化アルミ
ニウム又は水酸化アルミニウムゲルとを水熱合成するこ
とにより得られる針状ベーマイトは、適度な平均粒子長
さを有しつつ、そのアスペクト比が高いことが示され
た。また、実施例3〜9の結果より、硫酸マグネシウム
と水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルとの
混合割合をモル比で硫酸マグネシウム1に対し、水酸化
アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルを4以下とす
ることにより、脱水吸熱温度を400〜470℃とする
ことができることが示された。 (比較例1,2及び実施例15〜19)比較例1は、ポ
リプロピレン(チッソ(株)製のK5230)100重
量部をフィラーを含有させることなしに二軸押出機
((株)日本製鋼所製のTEX44)を用いてサイドフ
ィード方式で混練した。続いて、3.5mm径のダイか
ら押し出し、冷却後、ストランドカットを行ってペレッ
トを得た。そして、射出成形機(日精樹脂工業(株)製
のFS150N)を用いてそのペレットから樹脂組成物
を成形することにより、目的とする比較例1の樹脂組成
物を得た。なお、二軸押出機のシリンダー温度は270
℃、スクリュー回転数は150rpmとし、射出成形機
のシリンダー温度は280℃、金型温度は80℃とし
た。
ルミニウムとの混合割合がモル比で1:4となるように
反応原料を調製し、これを200℃で水熱処理して得
た、外形サイズ6μm、厚さ0.12μm、アスペクト
比50の平板状ベーマイトをポリプロピレン100重量
部にフィラーとして15重量部含有させた以外は比較例
1と同様の操作を行い、目的とする比較例2の樹脂組成
物を得た。
0重量部に対し、順番に実施例1、実施例4、実施例5
及び実施例6で得られたベーマイトをフィラーとして1
5重量部含有させた以外は比較例1と同様の操作を行
い、目的とする実施例15〜18の樹脂組成物を得た。
実施例19は、ポリプロピレン100重量部に実施例6
で得られたベーマイトをフィラーとして30重量部含有
させた以外は比較例1と同様の操作を行い、目的とする
実施例19の樹脂組成物を得た。
組成物を試験片として、酸素指数及びドリップまでの時
間を測定した。これらの測定結果を表3に示す。なお、
酸素指数はJIS K 7201に準拠して測定した。
ドリップまでの時間は、UL94に準拠して測定した。
ーを含有させることにより、ドリップまでの時間が長く
なることが示された。一方、実施例15〜19は、比較
例2と比べて、酸素指数はほとんど変わらずとも、ドリ
ップまでの時間が大幅に長くなることが示された。従っ
て、フィラーの脱水吸熱温度が低くなるほど、樹脂組成
物の難燃性が向上することが示された。さらに、実施例
18及び19を比較すると、同じベーマイトであるにも
係わらず、実施例19の方がドリップまでの時間が長い
ことから、フィラーの含有量を多くすることにより、樹
脂組成物の難燃性が向上することが示された。
具体化することも可能である。 ・ 前に挙げた合成樹脂材料は、二種以上を混合して混
合物としてもよく、例えばポリカーボネートとABS樹
脂、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン等のポリマ
ーアロイを用いてもよい。また、このとき互いに非相溶
性の樹脂を組み合わせる場合には従来公知の相溶化剤を
使用してもよい。
来公知の方法で表面処理してから樹脂組成物の成形に用
いるようにしてもよい。この表面処理の方法としては、
インテグラルブレンド法、乾式法、湿式法を挙げること
ができる。また、シラン系、チタネート系、アルミニウ
ム系、ジルコニウム系、リン酸系、アミノ酸系の表面処
理剤を使って表面処理を行ってもよい。
途はフィラーに限定されるものでなく、触媒担体、耐熱
潤滑材、耐熱材料等に用いてもよい。さらに、前記実施
形態より把握できる技術的思想について以下に記載す
る。
において水素原子とヒドロキシル基とを水として脱離さ
せる脱水反応を起こすときの温度である脱水吸熱温度が
380℃以上、520℃未満であることを特徴とする請
求項1又は請求項2に記載の針状ベーマイト。このよう
に構成した場合、難燃性を効果的に向上させることがで
きる。
ば、次のような効果を奏する。請求項1又は請求項3に
記載の発明によれば、平均粒子長さが1〜10μmの微
細なものであり、アスペクト比が高いため、フィラーと
して用いたときに優れた補強性を発揮することができる
とともに、樹脂組成物の表面の平滑性を維持することが
できる。
に記載の発明において、フィラーとして用いた場合に優
れた難燃性を発揮することができる。請求項4に記載の
発明によれば、フィラーの優れた補強性を発現させるこ
とができるとともに、その表面を平滑なものとすること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 水酸化アルミニウムと、マグネシウム、
ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プ
ロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩とを水の存在下で
加圧状態とし、180〜250℃の温度で水熱合成する
ことにより得られ、針状をなし、平均粒子長さが1〜1
0μm、アスペクト比が30を越え、90以下であるこ
とを特徴とする針状ベーマイト。 - 【請求項2】 前記マグネシウム、ニッケル、マンガン
又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸
塩若しくは硝酸塩と、水酸化アルミニウムとの混合割合
を、モル比で1:0.5〜1:40として水熱合成する
ことを特徴とする請求項1に記載の針状ベーマイト。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の針状ベー
マイトを400〜1500℃の温度で焼成することによ
り得られ、針状をなし、平均粒子長さが1〜10μm、
アスペクト比が30を越え、90以下であることを特徴
とする針状アルミナ。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の針状ベー
マイトと請求項3に記載の針状アルミナのうち少なくと
も一方をフィラーとして含有することを特徴とする樹脂
組成物。
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