JP3930273B2 - 針状ベーマイト及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばゴムやプラスチックの補強性、耐熱性等を向上させるためのフィラー等として使用される針状ベーマイト及びそれを含有する樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂組成物の補強性、耐熱性を改善するフィラーとして、ベーマイト及びアルミナが使用されている。このようなベーマイトは、例えば特願昭60−46923号、特願平6−279019号、特願平10−261425号、特開平11−21125号公報等に示されるような水熱合成により製造されている。そして、水熱合成で製造されたベーマイトの多くは、その結晶構造の形態が板状であることから、板状フィラーとして用いられている。さらに、板状ベーマイトを前駆体とし、これを高温で焼成することによって板状アルミナが生成され、この板状アルミナも板状フィラーとして用いられている。これら以外にも、例えばガラスフレーク、天然のマイカ、タルク、カオリン等が板状フィラーとして用いられている。その他にも、大気圧で水酸化アルミニウムを加熱脱水して得られるベーマイトが粒状フィラーとして用いられている。
【0003】
また、フィラーとして使用されるベーマイト及びアルミナには板状のもの以外に針状の形態を有するものも知られている。特に針状をなすベーマイトに関しては、特開昭55−116622号公報に開示されている、少なくとも部分的に超微細ベーマイト形態にあるアルミナが知られている。このアルミナは、例えば活性アルミナを原料とし、それを硝酸や硝酸アンモニウムを入れたオートクレーブに導入して撹拌し、150℃で24時間加熱する方法により製造される。そして、この製造方法によれば、薄片状形態の超微細ベーマイトを含有するアルミナ懸濁液を得ることができる。
【0004】
この他にも、特開平6−263436号公報では、針状ベーマイト微粒子について開示されている。この針状ベーマイト微粒子は、過酸化水素あるいはアルカリ金属過酸化物を含むアルカリ性溶液中で水溶性アルミニウム化合物を加水分解し、生成した擬似ベーマイトゾルを過酸化水素の共存下で水熱処理するという製造方法により得られる。さらに、ガラス繊維、カーボンファイバー、珪酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、天然のワラストナイト等も針状フィラーとして用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の針状ベーマイト及びアルミナは、その平均粒子長さ(長径)が約360nmと短く、極微粒であり、アスペクト比は1〜30程度である。例えば、ベーマイト及びアルミナを使用して補強性を向上させる場合、プラスチック中に配向性良くフィラーを充填することが必要となり、そのためにはフィラーを薄く、かつサイズを大きくする、つまりフィラーのアスペクト比を高くすることが重要となる。しかし、従来の針状ベーマイト及びアルミナは極微粒であり、アスペクト比もあまり高くはないため、プラスチックを十分に補強しているとは言いにくいという問題があった。これに対し、ガラス繊維、天然のワラストナイト等の針状フィラーを用いた場合、アスペクト比は高いが、平均粒子長さが非常に大きいため、樹脂組成物の成形時にその平滑性が損なわれてしまう。他にも、樹脂の流れ方向とその流れ方向に直角な方向との間で樹脂組成物の性質、特に線膨張係数に差を生じてしまう。このため、樹脂組成物の表面に反りや歪み等が生じるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、平均粒子長さが1〜10μmの微細なものであり、アスペクト比が高いため、フィラーとして用いたときに優れた補強性を発揮することができるとともに、樹脂組成物の表面の平滑性を維持することができる針状ベーマイトを提供することにある。また、その他の目的とするところは、フィラーの優れた補強性を発現させることができるとともに、その表面を平滑なものとすることができる樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の針状ベーマイトの発明は、マグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩と、水酸化アルミニウムとの混合割合を、モル比で1:1〜1:4とし、水の存在下で加圧状態とし、180〜250℃の温度で水熱合成することにより得られ、針状をなし、平均粒子長さが1〜10μm、アスペクト比が40〜70であり、脱水吸熱温度が400〜470℃であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の樹脂組成物の発明は、請求項1に記載の針状ベーマイトをフィラーとして、合成樹脂材料100重量部に対し、10〜100重量部を含有することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
針状ベーマイト[AlO(OH)]は、ゴム、プラスチック等といった合成樹脂材料に混合することにより、これに難燃性及び補強性を付与するとともに、耐熱性等の性質も付与可能なフィラーとして利用することができる。この針状ベーマイトを原料として用いることにより針状アルミナ(Al2O3)を得ることができる。この針状アルミナは合成樹脂材料に混合することにより、これに補強性を付与するとともに、耐熱性等の性質も付与可能なフィラーとして利用することができる。そして、樹脂材料を主成分とする樹脂組成物に対して針状ベーマイト及び針状アルミナのうち少なくとも一方がフィラーとして含有されることにより、樹脂組成物に前に挙げたような性質を付与することが可能である。例えば、針状アルミナのみをフィラーとして含有させる場合、樹脂組成物に補強性、耐熱性等の性質を付与することができる。さらに、針状ベーマイト及び針状アルミナをフィラーとして含有させる場合、樹脂組成物に高い難燃性、補強性、耐熱性等の性質を付与することができる。
【0012】
ここで、樹脂組成物の主成分である合成樹脂材料について説明する。
樹脂組成物の主成分となる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、合成ゴム類等が挙げられ、特に限定されるものではない。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の汎用プラスチック、ポリアミド、ABS樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチック等を挙げることができる。
【0013】
前記エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリビニルエステル、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド、尿素樹脂、メラミン含有樹脂、ポリウレタン等を挙げることができる。前記ゴム類としては、加硫又は未加硫の天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、イソプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、NBR、SBR等を挙げることができる。
【0014】
この実施形態の針状ベーマイトをフィラーとして用いる場合には、優れた難燃性を付与可能であることから、上記の合成樹脂材料のうち、燃えやすい樹脂であるポリスチレン、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、ナイロン、およびポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに最適である。
【0015】
次に、針状ベーマイト及び針状アルミナについて説明する。
アルミナは、針状ベーマイトを加工することなくそのままの状態で400〜1400℃の温度で焼成した場合、焼成前の針状ベーマイトの形態、サイズ等の性状を維持した針状のものが得られる。また、針状ベーマイトを成形して焼成すれば表面積の大きなアルミナを得ることも可能である。この実施形態では焼成前の針状ベーマイトの性状を維持した針状アルミナが用いられている。
【0016】
針状ベーマイト及び針状アルミナは、そのアスペクト比が30を越え、90以下の針状の結晶であり、好ましくは40〜70である。アスペクト比が30以下の場合、粒子の厚みが相対的に厚くなり、樹脂組成物中により多くのフィラーを充填することができなくなる。アスペクト比が90より高い場合、粒子の厚みが相対的に薄くなり、破損しやすく、フィラーとして用いた場合に十分な補強性を発揮できない。また、この針状ベーマイト及び針状アルミナは、微視的には針状の形態ではあるが、巨視的には紡錘状若しくはヘラ状の形態、又は針状の結晶が扇状に結合した形態であってもよい。さらに巨視的には、粉状であるのが好ましい。
【0017】
針状ベーマイト及び針状アルミナの平均粒子長さ(長径)は1〜10μmである。この実施形態の針状ベーマイトは、原料や反応条件を選択することにより、平均粒子長さを1μm未満にすることも可能ではあるが、この場合、平均粒子長さを小さくするに従ってアスペクト比も小さくなりやすいため、樹脂組成物に十分な補強性を付与することができなくなる。また、平均粒子長さを10μmよりも長くすることも可能ではあるが、この場合、その針状ベーマイトの生成過程で特殊な原料を用いたり、種結晶を添加したりする等のように製造工程が煩雑になったり、針状粒子同士が互いに絡まり合って融着し、巨大な粒子が生成されてしまったり等してしまう。
【0018】
ここで、針状ベーマイトについてより詳しく説明する。
ベーマイトは、周囲の温度が上昇すると吸熱反応を起こしながら、その分子内において水素原子とヒドロキシル基とを水として脱離させる脱水反応を起こす性質を有している。この脱水反応により分子内から脱離された水は、ベーマイトの粒子表面からその周囲に放出される。この性質を専ら利用することにより、ベーマイトは、樹脂組成物に難燃性を付与可能なフィラーとして使用することができる。特に、針状ベーマイトは一般的な板状、粒状等のベーマイトと比較して、脱水反応により脱離された水が粒子内から粒子表面へ短い距離で移動することができるため、難燃性を付与するフィラーとして好適である。
【0019】
一般的なベーマイトが吸熱反応を起こしながら、脱水反応を起こすときの温度である脱水吸熱温度は、520〜550℃である。これに対し、前に挙げた合成樹脂材料の着火温度は、例えばポリスチレンは470〜490℃、ナイロンは425〜460℃、ポリプロピレンは470℃、ポリエチレンは350〜430℃である。すなわち、一般のベーマイトは脱水吸熱温度が520〜550℃であり、樹脂の着火温度よりも概ね高いため、樹脂の燃焼が始まった後に脱水及び吸熱反応を起こす。
【0020】
この一般のベーマイトと比較して実施形態のベーマイトは微細な針状形態をなすことから、脱離された水が粒子内から粒子表面へさらに短い距離で移動可能であり、より低い温度で脱水及び吸熱反応を起こすことができ、難燃性を付与するフィラーとして好適である。なお、ベーマイトに類似する化合物として極微細な粒子よりなるベーマイトゲルが挙げられ、このベーマイトゲルも低温度で脱水及び吸熱反応を起こすことができるが、しかし100℃で脱水及び吸熱反応を開始し、380℃に達するまでにかなりの量を脱水してしまうためフィラーとして不適である。
【0021】
このため、実施形態の針状ベーマイトを難燃性を付与するためのフィラーとして利用する場合にはその脱水吸熱温度を含有される合成樹脂材料の着火温度に近い温度とすることにより、難燃性を効果的に発揮することが可能であり、好ましい。そして、針状ベーマイトの脱水吸熱温度は、好ましくは380℃以上で520℃未満であり、より好ましくは400〜470℃であり、さらに好ましくは450〜470℃である。この実施形態では、示差熱分析装置(DTA)を用いて大気圧下、大気雰囲気で測定した際における針状ベーマイトの吸熱ピークの温度を脱水吸熱温度として測定している。
【0022】
脱水吸熱温度を380℃未満とする場合には、針状ベーマイトを小さくかつ細くしてさらに微細な粒子としなければならず、技術的に難しくなるとともに、補強性が低下するおそれがある。また、520℃以上とした場合、エンジニアリングプラスチックのように燃えにくい樹脂ならば十分な難燃性を発揮することができるが、汎用プラスチックのように燃えやすい樹脂では十分な難燃性を発揮することができなくなる等のように使用用途が限られてしまうおそれがある。そして、実施形態の針状ベーマイトは450〜520℃と低い温度で吸熱反応及び脱水反応するため樹脂の着火温度に近く、このベーマイトをフィラーとして用いた樹脂組成物にはより優れた難燃性が付与されるようになっている。
【0023】
一方、実施形態の針状ベーマイトをフィラーとして樹脂組成物に含有させる場合、その脱水吸熱温度が合成樹脂材料が溶融又は軟化される温度、つまり樹脂組成物の成形温度よりも高い温度とすることが好ましい。例えば、ベーマイトと同様の性質を有しており、難燃剤として広く一般的に用いられる水酸化アルミニウム(ギブサイト)及び水酸化マグネシウムの脱水吸熱温度は、ギブサイトで180〜280℃、水酸化マグネシウムで300〜380℃である。これに対し、例えば前に挙げた合成樹脂材料のうち、アクリルを射出成形する場合の成形温度は163〜260℃、ポリエチレンは149〜316℃、ポリプロピレンは199〜288℃、ナイロンは243〜382℃、ポリカーボネートは288〜316℃である。
【0024】
ギブサイト及び水酸化マグネシウムを難燃剤として用い、樹脂組成物を成形しようとする場合、その成形温度がギブサイトならば180℃未満、水酸化マグネシウムならば300℃未満であれば難燃性を保持したまま樹脂組成物を成形することができる。しかし、前に挙げたように樹脂の成形温度はギブサイト及び水酸化マグネシウムの脱水吸熱温度とほぼ同じ温度になっており、成形時にギブサイト及び水酸化マグネシウムが脱水反応を起こす可能性がある。そして、例えばギブサイト及び水酸化マグネシウムが成形時に脱水反応を起こすと発泡剤を添加したときと同様に樹脂組成物の表面及び内部に細孔が形成される等のように、ギブサイト及び水酸化マグネシウムの成形時における脱水により、樹脂組成物の外観品質が低下したり、難燃性を付与できなくなったり等の不具合を生じるおそれがある。
【0025】
さらに、樹脂組成物をリサイクルする場合、リサイクルは成形よりも若干高い温度で行われるため、リサイクル時に上記のような不具合が生じることを抑制するため、難燃性を付与するためのフィラーにはギブサイト及び水酸化マグネシウムよりも高い脱水吸熱温度を有するものが好ましい。そこで、実施形態の針状ベーマイトならば、450〜520℃とギブサイト及び水酸化マグネシウムよりも高い温度で脱水及び吸熱反応を起こすため、難燃性を維持しながら樹脂組成物を成形及びリサイクルすることができるため、難燃性を付与するためのフィラーとしてより好適である。
【0026】
針状ベーマイトをフィラーとして用い、樹脂組成物を形成する場合、その含有量は、前に挙げた合成樹脂材料100重量部に対し、好ましくは10〜100重量部であり、より好ましくは10〜50重量部である。針状ベーマイトは、樹脂組成物における含有量が少ない場合には主に補強性を付与するフィラーとして機能し、含有量が多い場合には主に難燃性を付与するフィラーとして機能するようになっている。そして、含有量が10重量部より少ない場合には、十分な補強性を付与することができないおそれがある。但し、他のフィラーなどの添加物と併用することにより、10重量部未満でも補強性、難燃性の効果を発揮することは可能である。含有量を100重量部より多くした場合、難燃性は向上するが、引っ張り破断伸び等といった他の樹脂物性を損なうおそれがある。また、含有量を50重量部より多くした場合にはフィラーが嵩高くなるため、合成樹脂材料への練り込みを容易なものとするには造粒、表面処理等を施す必要がある。
【0027】
続いて、上記針状ベーマイトの製造方法について説明する。
針状ベーマイトを製造する場合には、まず、水酸化アルミニウムに反応添加物としてマグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩を添加して反応原料を製造する。次いで、得られた反応原料をオートクレーブ内又はハニカム形状等の所定形状を有する容器内に収容した状態で圧力容器内に充填する。その後、水の存在下で加圧状態にし、180〜250℃の温度で反応原料を撹拌しながら又は静置して、水熱合成することにより製造される。
【0028】
前記水酸化アルミニウムは、針状ベーマイトの構成成分を供給するために反応系に添加される。この水酸化アルミニウムにはゲル状の微細なものから結晶性のものまで使用でき、より脱水吸熱温度の低いものを得るにはゲル状水酸化アルミニウムを用いることが好ましい。結晶性の水酸化アルミニウムを使用する場合は平均粒子径が0.5〜10μmのものを使用することが好ましく、1.5〜5μmのものがより好ましい。平均粒子径が0.5μm未満の場合、反応生成物としての針状ベーマイトの平均粒子長さが1μm未満になるおそれがある。平均粒子径が10μmより大きい場合、針状ベーマイトの平均粒子長さが10μmを超えたり、ブロック(塊状)となるおそれがある。
【0029】
加えて、水酸化アルミニウムにはその製造工程で粉砕により粒度調整されていないものを使用することが特に好ましい。これは、粒度調整のために粉砕された水酸化アルミニウムは、粒度分布が広い、機械的力により表面が活性化される等の理由により、生成したベーマイトがブロック又は連晶のような凝集物となりやすいためである。また、水酸化アルミニウムにはアルマイトの製造過程において産業廃棄物として廃棄処分されるものを再利用して用いることもできる。前記水は、針状ベーマイトの生成反応の場を提供するとともに、水熱合成を行わせるために反応系に添加される。
【0030】
反応添加物であるマグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩は、アスペクト比の高い針状の結晶形態のベーマイトを形成するために反応系に添加される。すなわち、従来のように、水酸化アルミニウムをナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ランタノイド(La)、イットリウム(Y)等の金属のイオンを含有する水溶液中で水熱合成してベーマイトを生成した場合、ベーマイトの結晶形態は板状となる。また、マグネシウムの水酸化物を用いた場合にも生成されるベーマイトの結晶形態は板状となる。これは、前に挙げた金属が水溶液中で立体障害の少ないM2+又はM3+等となったり、あるいは立体障害の大きい又は不溶性のM−R2、M−R2+、M−R3等となったりしやすいため、平板状の形態になると推測される。
【0031】
これに対し、前に挙げた反応添加物は水溶液中で解離してM−R+(Mは各金属、RはCH3COO-等の各基を表す)のイオン種となりやすい。このM−R+イオンは、ベーマイトの結晶が生成する過程でベーマイトの結晶の表面に吸着される。この状態でM−R+イオンの嵩高いR基が立体障害となり、針状に形態制御されながらベーマイトの結晶の異方成長が促進されることによって最終的にアスペクト比の高い針状の結晶形態が形成される。
【0033】
針状ベーマイトの生成反応の反応系において、針状ベーマイトを効率よく製造するとともに、脱水吸熱温度を380〜520℃とするための反応添加物と水酸化アルミニウムとの混合割合は、モル比で1:0.5〜1:40が好ましく、1:1〜1:4がより好ましい。例えば、水の量を水酸化アルミニウムの3倍とした場合、反応添加物である硫酸マグネシウムを飽和濃度にすると、硫酸マグネシウムと水酸化アルミニウムとの混合割合はモル比で1:1.25となり、硫酸マンガンでは1:0.55となる。このため、混合割合がモル比で反応添加物1に対して水酸化アルミニウムが0.5未満の場合、反応添加物が飽和濃度を越えて過剰に添加されることになり、経済的ではない。逆に反応添加物1に対して水酸化アルミニウムが40を越える場合、ベーマイトの結晶形態を針状に形成させることができないおそれがあるとともに、脱水吸熱温度が520℃よりも高くなるおそれがある。また、マグネシウム化合物1に対して水酸化アルミニウムが4を越える場合には、脱水吸熱温度が470℃よりも高くなるおそれがある。
【0034】
針状ベーマイトの生成反応の反応系における水の混合割合は、水酸化アルミニウムの添加量に対して、好ましくは重量比で1〜10倍量、さらに好ましくは2〜4倍量である。この水の混合割合が水酸化アルミニウムの添加量に対して重量比で1倍量未満の場合、反応系における水が少ないことから水熱合成を充分に行わせることができない。逆に10倍量を越える場合、反応添加物及び水酸化アルミニウムの濃度が低下することから、アスペクト比の高い針状結晶を得ることが困難になるとともに、経済性、生産性が低下するおそれがある。
【0035】
混合された反応添加物及び水酸化アルミニウムを撹拌しながら反応させる場合、反応系の各成分を均一にするとともに反応効率を向上させるために、撹拌装置を用いて、好ましくは回転数150rpm以下で撹拌される。この撹拌における回転数が150rpmを越える場合には、生成される針状ベーマイトに専断力が働くことにより結晶が破壊され、アスペクト比の高い針状結晶を得ることができなくなるおそれがある。
【0036】
針状ベーマイトの生成反応は、オートクレーブ等の圧力容器内で180〜250℃、好ましくは190〜220℃の温度で反応させる。この反応温度が180℃未満の場合、水熱合成によって水酸化アルミニウムからベーマイトを生成することができず、逆に250℃を越える場合、大量のエネルギーを必要とすることから経済的でない。
【0037】
針状ベーマイトの生成反応における加熱時間は、好ましくは3〜24時間である。さらに、撹拌しながら加熱する場合の加熱時間は5〜12時間が好ましく、静置して加熱する場合の加熱時間は10〜24時間が好ましい。この加熱時間が3時間未満の場合、充分な量の針状ベーマイトを生成させることができない。逆に24時間を超える場合、エネルギーを大量に消費するとともに、時間が浪費されることから経済的でない。
【0038】
さらに、目的に応じて、アミン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加して反応させてもよい。このとき、アミン化合物は針状ベーマイトの反応系における水熱合成を促進させるとともに、長径と短径との比が2〜10である紡錘状又はヘラ状形態の針状ベーマイト(以下、紡錘状又はヘラ状ベーマイトと記載する)を生成させることができる。
【0039】
また、目的に応じて、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びカルシウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加して反応させてもよい。このとき、カルシウム化合物は針状ベーマイト同士を扇状に結合させ、扇状形態の針状ベーマイト(以下、扇状ベーマイトと記載する)を生成させることができる。このカルシウム化合物としては、例えば水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられ、特に好ましくは酢酸カルシウムが使用される。
【0040】
次に、針状アルミナの製造方法について説明する。
針状アルミナは、上述の方法で得られる針状ベーマイトを、例えば電気炉等で400〜1500℃の温度で焼成することによって製造される。このとき、400〜900℃ではγ−アルミナ、900〜1100℃ではδ−アルミナ、1100〜1200℃ではθ−アルミナ、1200〜1500℃ではα−アルミナが主に得られる。また、焼成温度が450℃未満ではアルミナを得ることが困難であり、1500℃を超えるとその温度を維持するのに大量のエネルギーが消費されるので経済的でなく、そのうえ焼結又は粒成長して比表面積が小さくなる。
【0041】
針状ベーマイトを焼成して得られるアルミナは、焼成前の針状ベーマイトの形状を保持しており、これはアルミナの種類によらない。樹脂用フィラーとして使用する場合は、硬度の高いα−アルミナでは成形機の摩耗が著しいので、比較的硬度の低い遷移アルミナが好ましい。触媒担体として使用する場合は比表面積の大きいγ−アルミナが好ましい。一方、耐熱材料として使用する場合は、最も安定なα−アルミナが好ましい。
【0042】
焼成時間は、好ましくは0.5〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である。0.5時間未満では焼成が不十分となってアルミナを得ることが困難である。また、4時間以内でアルミナ化がほぼ完了するので4時間を超える焼成は経済的でない。
【0043】
続いて、樹脂組成物の製造方法について説明する。
樹脂組成物は、各種樹脂とフィラーよりなる従来の樹脂組成物と同様にして製造される。具体的には針状ベーマイトと針状アルミナの少なくとも一方を原料となる合成樹脂材料に配合して混練機にて混練し、成形機にて成形加工することにより得られる。
【0044】
熱可塑性樹脂の場合を例にとると、針状ベーマイトと針状アルミナの少なくとも一方と合成樹脂材料とをタンブラー、リボンミキサー等であらかじめ混合し、その混合物を混練機としての一軸又は二軸押出機にて溶融混練した後、射出成形機等にて成形を行う。なお、針状ベーマイトと針状アルミナの少なくとも一方と原料樹脂とを混練機にそれぞれ別個に定量供給するようにしてもよい。また、混練機は、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等、適用する樹脂等に応じて適宜選択して使用される。
【0045】
また、樹脂組成物の製造の際に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種添加剤を原料樹脂に配合してもよい。この添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、核形成剤、加硫剤等を挙げることができる。加えて、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ワラストナイト、チタン酸カリウム、ガラス繊維、カーボン繊維等、その他のフィラーを併用してもよい。
【0046】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のベーマイトは、マグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩と、水酸化アルミニウムとの混合割合を、モル比で1:1〜1:4とし、水の存在下で加圧状態にし、180〜250℃の温度で反応させて得られるものである。得られた針状ベーマイトは、平均粒子長さが1μm以上となり、アスペクト比が40〜70の針状の結晶となる。このため、ゴムやプラスチックの素材に補強性、耐熱性等といった優れた性質を付与することができる。さらに、高品質な針状ベーマイトを安価に、しかも容易に製造することが可能である。
【0047】
・ 加えて、実施形態の針状ベーマイトは、その脱水吸熱温度が400〜470℃であり、一般的なベーマイトより低く、合成樹脂材料の着火温度に近い温度となっている。このため、針状ベーマイトをフィラーとして用いる場合、優れた難燃性を付与することができる。また、一般的な難燃剤であるギブサイトよりも脱水吸熱温度が高いため、フィラーとして樹脂組成物に含有されたとき、その難燃性を保持したまま、優れたリサイクル性を発揮することができる。
【0048】
・ また、マグネシウムが迅速にベーマイトの表面に吸着され、さらに立体障害により形態制御しながら針状ベーマイトを形成することができることから、収率を高め、反応時間を確実に短縮することができる。さらに、プロピオン酸塩又は硫酸塩を反応系に添加することにより、水溶液を中性付近に維持することができ、オートクレーブ等の製造設備の腐食を防止することができる。
【0049】
・ さらに、上記のような針状ベーマイトを、その含有量が合成樹脂材料100重量部に対し、10〜100重量部となるように含有させることにより樹脂組成物が形成されている。このため、樹脂組成物に十分な補強性及び難燃性を付与することができる。
【0050】
・ 針状ベーマイトの製造時において、マグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩と、水酸化アルミニウムとの混合割合は、モル比で1:1〜1:4とされる。これにより、十分な難燃性を発揮することができる脱水吸熱温度となるように針状ベーマイトを効率よく製造することができる。
【0051】
【実施例】
以下、前記実施形態をさらに具体化した実施例及び参考例について説明する。
(実施例3,4,7,9、参考例1,2,5,6,8,10〜14)
実施例3,4、参考例1,2,5,6においては、硫酸マグネシウムと水酸化アルミニウムとの混合割合がモル比で硫酸マグネシウム1に対し、水酸化アルミニウムが表1に示す各数値となるように、水酸化アルミニウム100mol%と、硫酸マグネシウムとを水とともにオートクレーブ内に充填し、水熱合成した。水熱合成は、静置下で、昇温速度80℃/時間で205℃まで加熱し、その温度及び圧力を10時間保持することにより行った。反応終了後、反応液を自然冷却し、濾過することにより反応生成物を収集した。この反応生成物を水洗し、105℃の温度で乾燥させることによりそれぞれ目的とするベーマイトを得た。
【0052】
実施例7においては、水酸化アルミニウムゲルを使用した以外は実施例3,4、参考例1,2,5,6と同様の操作を行い、目的とするベーマイトを得た。また、実施例9、参考例8,10〜14においては、反応添加物と、反応添加物を1としたときの水酸化アルミニウムのモル比を変更した以外は実施例3,4、参考例1,2,5,6と同様の操作を行い、それぞれ目的とするベーマイトを得た。そして、各実施例及び参考例で得られたベーマイトについて、サイズ、アスペクト比及び脱水吸熱温度をそれぞれ測定した。その結果を表1及び表2に示す。なお、モル比及びアスペクト比は、小数点以下1桁を切り捨てて算出した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
表1及び表2の結果より、硫酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸ニッケル又は酢酸亜鉛と、水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルとを水熱合成することにより得られる針状ベーマイトは、平均粒子長さが1〜10μmの範囲内であり、アスペクト比が30を越え、90以下であることが示された。このことから、マグネシウム、ニッケル、マンガン又はコバルトの酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩と、水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルとを水熱合成することにより得られる針状ベーマイトは、適度な平均粒子長さを有しつつ、そのアスペクト比が高いことが示された。また、実施例3,4,7,9、参考例5,6,8の結果より、硫酸マグネシウムと水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルとの混合割合をモル比で硫酸マグネシウム1に対し、水酸化アルミニウム又は水酸化アルミニウムゲルを4以下とすることにより、脱水吸熱温度を400〜470℃とすることができることが示された。
(比較例1,2及び実施例16、参考例15,17〜19)
比較例1は、ポリプロピレン(チッソ(株)製のK5230)100重量部をフィラーを含有させることなしに二軸押出機((株)日本製鋼所製のTEX44)を用いてサイドフィード方式で混練した。続いて、3.5mm径のダイから押し出し、冷却後、ストランドカットを行ってペレットを得た。そして、射出成形機(日精樹脂工業(株)製のFS150N)を用いてそのペレットから樹脂組成物を成形することにより、目的とする比較例1の樹脂組成物を得た。なお、二軸押出機のシリンダー温度は270℃、スクリュー回転数は150rpmとし、射出成形機のシリンダー温度は280℃、金型温度は80℃とした。
【0055】
比較例2は、水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウムとの混合割合がモル比で1:4となるように反応原料を調製し、これを200℃で水熱処理して得た、外形サイズ6μm、厚さ0.12μm、アスペクト比50の平板状ベーマイトをポリプロピレン100重量部にフィラーとして15重量部含有させた以外は比較例1と同様の操作を行い、目的とする比較例2の樹脂組成物を得た。
【0056】
実施例16、参考例15,17,18は、ポリプロピレン100重量部に対し、順番に参考例1、実施例4、参考例5及び参考例6で得られたベーマイトをフィラーとして15重量部含有させた以外は比較例1と同様の操作を行い、目的とする実施例16、参考例15,17,18の樹脂組成物を得た。参考例19は、ポリプロピレン100重量部に参考例6で得られたベーマイトをフィラーとして30重量部含有させた以外は比較例1と同様の操作を行い、目的とする参考例19の樹脂組成物を得た。
【0057】
比較例1,2及び実施例16、参考例15,17〜19の樹脂組成物を試験片として、酸素指数及びドリップまでの時間を測定した。これらの測定結果を表3に示す。なお、酸素指数はJIS K 7201に準拠して測定した。ドリップまでの時間は、UL94に準拠して測定した。
【0058】
【表3】
表3の結果より、比較例2は比較例1と比べて、フィラーを含有させることにより、ドリップまでの時間が長くなることが示された。一方、実施例16、参考例15,17〜19は、比較例2と比べて、酸素指数はほとんど変わらずとも、ドリップまでの時間が大幅に長くなることが示された。従って、フィラーの脱水吸熱温度が低くなるほど、樹脂組成物の難燃性が向上することが示された。さらに、参考例18及び19を比較すると、同じベーマイトであるにも係わらず、参考例19の方がドリップまでの時間が長いことから、フィラーの含有量を多くすることにより、樹脂組成物の難燃性が向上することが示された。
【0059】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前に挙げた合成樹脂材料は、二種以上を混合して混合物としてもよく、例えばポリカーボネートとABS樹脂、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン等のポリマーアロイを用いてもよい。また、このとき互いに非相溶性の樹脂を組み合わせる場合には従来公知の相溶化剤を使用してもよい。
【0060】
・ 針状ベーマイト及び針状アルミナを従来公知の方法で表面処理してから樹脂組成物の成形に用いるようにしてもよい。この表面処理の方法としては、インテグラルブレンド法、乾式法、湿式法を挙げることができる。また、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系、リン酸系、アミノ酸系の表面処理剤を使って表面処理を行ってもよい。
【0061】
・ 針状ベーマイト及び針状アルミナの用途はフィラーに限定されるものでなく、触媒担体、耐熱潤滑材、耐熱材料等に用いてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、平均粒子長さが1〜10μmの微細なものであり、アスペクト比が高く、脱水吸熱温度が低いため、フィラーとして用いたときに優れた補強性及び難燃性を発揮することができるとともに、樹脂組成物の表面の平滑性を維持することができる。
【0064】
請求項2に記載の発明によれば、樹脂組成物に十分な補強性及び難燃性を付与することができる。
Claims (2)
- マグネシウムのプロピオン酸塩若しくは硫酸塩と、水酸化アルミニウムとの混合割合を、モル比で1:1〜1:4とし、水の存在下で加圧状態とし、180〜250℃の温度で水熱合成することにより得られ、針状をなし、平均粒子長さが1〜10μm、アスペクト比が40〜70であり、脱水吸熱温度が400〜470℃であることを特徴とする針状ベーマイト。
- 請求項1に記載の針状ベーマイトをフィラーとして、合成樹脂材料100重量部に対し、10〜100重量部を含有することを特徴とする樹脂組成物。
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