JP2008266613A - ベーマイト充填ポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

ベーマイト充填ポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性と寸法安定性に優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】プロピレン単独重合体および/またはエチレン含有量が1.0重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなるポリプロピレン樹脂(A)50〜99重量%と、BET比表面積が20〜80m2/gであり、c軸長が30〜300nmであり、b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)が5以上の粉末状であり、結晶構造がベーマイト構造である水酸化アルミニウム(B)1〜50重量%とを含有するポリプロピレン樹脂組成物(ただし、ポリプロピレン樹脂(A)と水酸化アルミニウム(B)の合計量を100重量%とする)。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベーマイト充填ポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体に関する。さらに詳細には、剛性、耐熱性および寸法安定性に優れる成形体の材料として有用なベーマイト充填ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
従来から、剛性、耐熱性、および寸法安定性に優れるポリプロピレン樹脂系材料として、無機充填剤を配合することしたポリプロピレン樹脂組成物が知られている。
例えば、特開2003−286372号公報には、最大径が20μm以下である水酸化アルミニウムを配合して得られるポリプロピレン樹脂組成物から、剛性および表面硬度に優れる成形体が得られることが記載されている。また、特開2005−126287号公報には、平均長径が100〜900nmであるベーマイトを含有するポリプロピレン樹脂組成物から、その成形体の表面硬度に優れる成形体が得られることが記載されている。
特開2003−286372号公報 特開2005−126287号公報
上記の公報に記載のポリプロピレン樹脂組成物について、剛性と寸法安定性をさらに改良することが求められている。
かかる状況の中、本発明の目的は、剛性と寸法安定性に優れた成形体の材料として有用なポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、プロピレン単独重合体および/またはエチレン含有量が1.0重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなるポリプロピレン樹脂(A)50〜99重量%と、BET比表面積が20〜80m2/gであり、c軸長が30〜300nmであり、b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)が5以上であるベーマイト(B)1〜50重量%とを含有するポリプロピレン樹脂組成物(ただし、前記ポリプロピレン樹脂(A)の量とベーマイト(B)の量は、共に該ポリプロピレン樹脂(A)とベーマイト(B)の合計量を基準とする)に係るものである。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物から剛性と寸法安定性に優れた成形体を得ることができる。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)は、プロピレン単独重合体および/またはエチレン含有量が1.0重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる。なお、エチレン含有量は、“新版 高分子分析ハンドブック”(日本化学会、高分子分析研究懇談会編 紀伊国屋書店(1995))に記載されているIR法またはNMR法を用いて測定することができる。
ポリプロピレン樹脂(A)としては、剛性や耐熱性の観点から、プロピレン単独重合体またはエチレン含有量が0.5重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体またはプロピレン単独重合体およびエチレン含有量が0.5重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体の混合物が好ましく、より好ましくは、プロピレン単独重合体またはエチレン含有量が0.3重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体またはプロピレン単独重合体およびエチレン含有量が0.3重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体の混合物であり、最も好ましくはプロピレン単独重合体である。
ポリプロピレン樹脂(A)の製造方法としては、溶液重合法、スラリー重合法、バルク重合法、気相重合法等によって製造する方法が挙げられる。また、これらの重合法を単独で用いる方法であっても良く、2種以上の重合手法を組み合わせた方法であっても良い。
ポリプロピレン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、“新ポリマー製造プロセス”(佐伯康治編集、工業調査会(1994年発行))、特開平4−323207号公報、特開昭61−287917号公報等に記載されている重合法が挙げられる。
ポリプロピレン樹脂(A)の製造に用いられる触媒としては、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒が挙げられる。マルチサイト触媒として、好ましくは、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られる触媒が挙げられ、また、シングルサイト触媒として、好ましくは、メタロセン錯体が挙げられる。
ベーマイト(B)は、BET比表面積が20〜80m2/g、c軸長が30〜300nm、(a軸長/b軸長)が5以上の粉末であり、ベーマイト(B)は、化学式:AlOOHで表わされる。ベーマイト(B)の結晶構造の同定は、特開平2006−62905号公報に記載されるように、試料をガラス製の無反射板に圧密させ、X線回折装置〔Rigaku製 「RINT 2000」〕を用いて粉末の回折パターンを測定し、JCPDS(Joint Committee on Diffraction Standards) 21−1307 と比較することによって、行うことができる。
ベーマイト(B)は、僅かであれば、ギブサイトまたはバイヤライト〔いずれも、化学式:Al(OH)3またはAl23・3H2Oで表わされる〕の結晶構造を有する粉末を含んでいてもよく、この場合、粉末XRDスペクトルにおけるギブサイトまたはバイヤライト構造を示す主ピークのピーク高さはベーマイト構造を示す主ピークに対する比で通常5%以下である。また、ベーマイト(B)は不定形水酸化アルミニウムを含んでいてもよい。
ベーマイト(B)の比(a軸長/b軸長)は、成形体の剛性等の機械的強度および組成物の成形のしやすさの観点から、5以上であり、好ましくは5〜50であり、より好ましくは5〜30であり、さらに好ましくは10〜30である。本発明においてベーマイト(B)の比(a軸長/b軸長)とは、電子顕微鏡または光学顕微鏡写真において、他の粒子と重なっていないベーマイト(B)の粒子を選択し、その最も長い軸をa軸とし、それに対して直角方向な軸をb軸としたときの、そのa軸方向の長さのb軸方向の長さに対する比である。図1に、ベーマイト(B)粒子の形状の例およびそれらの粒子のa、b、c軸を示す。c軸とは、a、b軸双方と直角方向に向く軸を意味する。なお、a、b、c軸の長さの関係は、a軸長>b軸長≧c軸長である。a軸長、b軸長を走査型電子顕微鏡写真から無作為に選んだ10サンプルから測定した値の数平均値として算出する。また、b軸長を適当な大きさの階級に分けてヒストグラムに表し、それが2つのピークを持った場合、ピーク間の中央で、2つの集団に分け、それぞれの集団における軸長の数平均値を算出し、大きい方をb軸長、小さい方をc軸長と、更に2分する。
成形体の剛性等の機械的強度および組成物の成形のしやすさの観点から、ベーマイト(B)のa軸長は、好ましくは0.3μm〜10μm、より好ましくは0.5μm〜5μmであり、さらに好ましくは1〜4μmであり、このベーマイト(B)のc軸長は、0.03μm〜0.3μm、より好ましくは0.05μm〜0.3μmである。
電子顕微鏡を用いる写真の撮影方法を説明する。まず、ベーマイト粒子を、固形分濃度が1%以下となるように溶媒中に分散後、攪拌や超音波照射などにより粒子同士の凝集を低減させ、得られた分散液を試料台に塗布した後、これを乾燥させて測定試料を得る。なお、分散に用いる溶媒は水、アルコールといった、ベーマイトが分散し易い溶媒を適宜選択すればよい。得られた測定試料を用いて電子顕微鏡画像を撮影する。他の粒子と重なり合っていないベーマイト粒子を適宜選び、前述の方法でベーマイトのa軸長、b軸長、c軸長を得ることができる。
ベーマイト(B)のBET比表面積は、成形体の剛性等の機械的強度の観点から、20〜80m2/gであり、好ましくは30〜80m2/gであり、より好ましくは50〜80m2/gである。
ベーマイト(B)は、例えば、特開2000−239014号公報に記載された、水酸化アルミニウムとともに金属酢酸塩を水に添加して水熱処理する方法や、特開2006−160541号号公報に記載された、ベーマイト型水酸化アルミニウムとギブサイト型水酸化アルミニウムとをマグネシウムの存在下で水熱処理することにより得る方法が挙げられる。また、水酸化アルミニウムとともに金属酢酸塩を添加した水溶液をカルボン酸等により酸性に調整後、水熱処理することでも、ベーマイト(B)を得ることができる。
成形体の剛性および耐熱性の観点から、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、芳香族カルボン酸を含有することが好ましい。更に好ましくは、縮合芳香族環とカルボキシル基を有する化合物を含有することが好ましい。また、縮合芳香族環は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。縮合芳香族環とカルボキシル基を有する化合物をR−COOHと表記する。Rを例示するために、対応するR−Hの構造を有する化合物の例を列挙すると、インデン,ナフタレン、フルオレン、フェナントネン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾオキサゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、1,10−フェナントリジン、フェナジン、フェノキサジン、チアントレン、インドリジン等がある。本発明では、芳香族カルボン酸は、2種以上を併用してもよい。
芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、4−メチル−1−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ナフタル酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸等が挙げられ、好ましくは安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸であり、より好ましくは1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸であり、さらに好ましくは、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸である。
芳香族カルボン酸を用いる場合、ポリプロピレン樹脂(A)と、ベーマイト(B)との合計量100重量部に対し、成形体の剛性等の機械的強度や組成物の成形のしやすさの観点から、芳香族カルボン酸の配合量は、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.05〜5重量部であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
本発明において、ポリプロピレン樹脂(A)とベーマイト(B)との合計量を基準として、剛性等の機械的強度の向上や、製造および成形のしやすさの観点から、成分(A)が50〜99重量%であり、成分(B)が1〜50重量%であり、好ましくは、成分(A)が60〜95重量%であり、成分(B)が5〜40重量%であり、さらに好ましくは、成分(A)が70〜95重量%であり、成分(B)が5〜30重量%であり、最も好ましくは、成分(A)が80〜95重量%であり、成分(B)が5〜20重量%である。
本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物の全成分を均一な混合物とした後、その混合物を溶融混練する方法が挙げられる。
上記において、均一な混合物を得る方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって混合する方法が挙げられる。そして、溶融混練する方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸または二軸押出機等によって溶融混練する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、用途に応じて各種の添加剤、例えば、結晶核剤、酸化防止剤や耐候性安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、顔料、熱安定剤、中和剤、分散剤、可塑剤、難燃剤等の改質用添加剤、顔料、染料等の着色剤を添加しても良い。また、カーボンブラック、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー等の粒子状充填剤、ワラストナイト等の短繊維状充填剤、チタン酸カリウム等のウィスカー等、公知の無機粒子を充填剤として含んでいてもよい。また、ゴム、無水マレイン酸変性PP等の変性樹脂等、公知の改質剤を添加してもよい。これらの添加剤や充填剤や改質剤は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物製造時に添加して組成物中に含有させてもよく、該組成物を成形して成形体を製造するときに添加してもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、適当な方法で成形することにより、成形体とすることができる。成形方法としては、射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト成形法、押出成形法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物から得られる成形体の用途としては、自動車用プラスチック部品が挙げられ、剛性、耐熱性および寸法安定性が要求されるエンジンルーム内部品が挙げられる。エンジンルーム内部品としては、例えば、バンパービーム、クーリングファン、ファンシュラウド、ランプハウジング、カーヒーターケース、ヒューズボックス、エアクリーナーケース、フロントエンドモジュール、シリンダーヘッドカバー、エンジンマウント、エアインテグパイプ、サージタンク、エアインテグマニホールド、スロットルボディ、ラジエータータンク、ラジエーターサポート、ウオーターインレット、ウオーターアウトレット、ウオーターポンプインペラ、オイルフイルターハウジング、オイルフィラーキャップ、タイミングベルトカバー、エンジンオーナメントカバー等が挙げられる。
以下実施例により本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例または比較例で用いた評価サンプルの製造方法を以下に示した。
(1)評価用サンプルの製造方法
評価用サンプルは下記条件で成形した。評価用サンプルの射出成形は、日本製鋼所製成形機(J28SC)を使用した。
型締力 :270kN
シリンダー温度:200℃
金型温度 :50℃
背圧 :0.5MPa
なお、実施例と比較例に用いたサンプルの組成を表1〜3に示した。
次に実施例および比較例における評価方法について以下に示す。
(1)曲げ弾性率(単位:MPa)
A.S.T.M. D790に準拠して、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル形状:12.7×80mm(4.0mm厚)
スパン :64mm
引張速度 :2mm/分
(2)IZOD衝撃強度(単位:KJ/m2
A.S.T.M. D256に準拠して、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル形状:12.7×64mm(4。0mm厚)
[成形後、サンプルにノッチ加工した。]
(3)熱変形温度(単位:℃)
A.S.T.M. D648に準拠して、下記条件で測定した。
負荷応力 : 0.45MPa
サンプル厚み: 4mm
(4)線膨張係数(単位:1/℃)
島津製作所社製 熱機械分析装置TMA−40を用い次のように測定した。射出成形により成形された引張試験片を用いた。引張試験片を120℃で30分間アニールした後、中央部から12.7×12.7×3(mm)の試験片を切り出し、23℃における寸法を正確に測定する。装置に射出成形時のMDまたはTD方向の寸法変化が測定できるようにセットする。5℃分の昇温速度で−30〜80℃で昇温し、その間のMD方向の寸法変化を測定する。23℃における寸法を基準に計算することにより、単位長さおよび単位温度あたりの寸法変化を線膨張係数として求める。
ベーマイトの合成
参考例1
BET比表面積25m2/g、中心粒子径0.5μmのギブサイト構造の水酸化アルミニウム粒子100質量部、酢酸マグネシウム4水和物〔CH3COOMg・4H2O〕219質量部および純水2100質量部を混合し、得られたスラリーに酢酸〔CH3COOH〕を加えて水素イオン濃度をpH5.0に調整したのち、オートクレーブに入れ、100℃/時間の昇温速度で室温〔約20℃〕から200℃まで昇温し、同温度を4時間維持して水熱反応を行った。その後、冷却し、濾過操作により固形分を分取し、濾液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗した後、純水を添加して固形分濃度5質量%のスラリーとし、目開き45μmのSUS製篩で粗粒分を除去し、スプレードライヤー〔ニロジャパン社製、モービルマイナ型〕にて出口温度120℃でスプレードライし、ロータースピードミル〔フリッチュ社製「P−14」〕にて解砕して、粉末(B−1)を得た。なお、この粉末は、粉末XRDパターンからベーマイト(AlOOH)であることを確認した。ベーマイト(B−1)のBET比表面積は66m2/g、a軸長は2520nm、b軸長は102nm、c軸長は102nm、b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)は25であった。なお、BET比表面積は窒素吸着法により求めた。a軸長、b軸長、c軸長は走査型電子顕微鏡写真から無作為に選んだ10サンプルから測定した値の数平均値として算出した。b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)は、前述の10サンプルそれぞれの、a軸長をb軸長で除して得られた値の、数平均値として算出した。
参考例2
市販のギブサイト型水酸化アルミニウム〔住友化学社製「C−301」、中心粒子径1.4μm〕100質量部、酢酸マグネシウム4水和物46質量部および純水3200質量部を混合してスラリーを得た。混合後のスラリーの水素イオン濃度はpH7.7であった。その後、オートクレーブ中、100℃/時間の昇温速度で室温〔20℃〕から200℃まで昇温し、同温度を4時間維持して水熱反応を行った。その後、冷却し、濾過操作により固形分を分取し、濾液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗した後、純水を添加して固形分濃度5%のスラリーとし、目開き45μmのSUS製篩で粗粒分を除去し、スプレードライヤー〔ニロジャパン社製、モービルマイナ型〕にて出口温度120℃でスプレードライし、ロータースピードミル〔フリッチュ社製「P−14」〕にて解砕して、粉末(B−2)を得た。なお、この粉末は、粉末XRDパターンからベーマイト構造であることを確認した。ベーマイト(B−2)のBET比表面積は13m2/g、a軸長は4820nm、b軸長は440nm、c軸長は440nm、b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)は11であった。なお、BET比表面積は窒素吸着法により求めた。a軸長、b軸長、c軸長は走査型電子顕微鏡写真から無作為に選んだ10サンプルから測定した値の数平均値として算出した。b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)は、前述の10サンプルそれぞれの、a軸長をb軸長で除して得られた値の、数平均値として算出した。
ポリプロピレン樹脂組成物の製造および評価
実施例1
表1に記載した配合比で、プロピレン単独重合体(A−1)および参考例1で得られたベーマイト(B−1)とを混合し、成分(A−1)と成分(B−1)の合計量100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム(日本油脂株式会社製)0.05重量部、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.1重量部、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.1重量部を添加、均一混合した後、得られた混合物を二軸混練押出機(テクノベル社製KZW15−45MG、同方向回転型スクリュー15mm×45L/D)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転数500rpmの条件で溶融混練してペレットを得た。さらに得られたペレットを、日本製鋼所製成形機(J28SC)で射出成形した。得られた成形体の曲げ弾性率と熱変形温度を表1に示した。
なお、用いたプロピレン単独重合体(A−1)は、特開2006−083251号公報の実施例記載の方法に準拠して製造した。用いたプロピレン単独重合体(A−1)のMFRは25g/10分である。
実施例2
表1に記載したとおり、実施例1で全成分を均一混合する際に、2−ナフトエ酸(東京化成株式会社製)(C−1)を1.0部添加した以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例1
ベーマイト(B−1)の代わりに、タルク(林化成株式会社製 MWHST)(D−1)を用い、表2に記載した配合比で、プロピレン単独重合体(A−1)とタルク(林化成株式会社製 商品名 MWHST)(D−1)とを混合した以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例2
ベーマイト(B−1)の代わりに、繊維状硫酸マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製 商品名 モスハイジA)(D−2)を用い、表2に記載した配合比で、プロピレン単独重合体(A−1)と繊維状硫酸マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製 商品名 モスハイジA)(D−2)とを混合した以外は、実施例1と同様にして評価した。
なお、繊維状硫酸マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製 商品名 モスハイジA)(D−2)の平均繊維径は0.5μmであり、その平均繊維長は10μmであり、そのアスペクト比は20であった。
比較例3
プロピレン単独重合体(A−1)とタルク(林化成株式会社製 商品名 MWHST)(D−1)とを、表2に記載した配合比で混合した以外は、比較例1と同様にして、評価した。
比較例4
ベーマイト(B−1)を添加しない以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例5
ベーマイト(B−1)の代わりに、ベーマイト(B−2)を用い、表2に記載した配合比で、プロピレン単独重合体(A−1)とベーマイト(B−2)とを混合した以外は、実施例1と同様にして評価した。

Figure 2008266613
Figure 2008266613

A−1: プロピレン単独重合体
B−1:ベーマイト
(ベーマイト構造、BET比表面積=66m2/g、a軸長=2520nm、b軸長=102nm、c軸長=102nm、(a軸長/b軸長)=27)
B−2:ベーマイト
(BET比表面積=13m2/g、a軸長=4820nm、b軸長=440nm、c軸長=440nm、(a軸長/b軸長)=11)
C−1:2−ナフトエ酸(東京化成工業株式会社製)
D−1:タルク(林化成株式会社製 商品名 MWHST)
D−2:繊維状硫酸マグネシウム (宇部マテリアルズ株式会社製 商品名 モスハイジA)
実施例1、2は、成形体の剛性、耐熱性および寸法安定性に優れる。
これに対して、ベーマイト(B)を含有しない比較例1〜5は、成形体の剛性と耐熱性が不十分なものである。また、比較例1および2は、寸法安定性が不十分なものである。
ベーマイト粒子のa、b、c軸を示す図。

Claims (3)

  1. プロピレン単独重合体および/またはエチレン含有量が1.0重量%以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなるポリプロピレン樹脂(A)50〜99重量%と、BET比表面積が20〜80m2/gであり、c軸長が30〜300nmであり、b軸長に対するa軸長の比(a軸長/b軸長)が5以上であるベーマイト(B)1〜50重量%とを含有するポリプロピレン樹脂組成物(ただし、前記ポリプロピレン樹脂(A)の量とベーマイト(B)の量は、共に該ポリプロピレン樹脂(A)とベーマイト(B)の合計量を基準とする)。
  2. ベーマイト(B)のa軸長が0.3〜10μmである請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる成形体。
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