JP4081600B2 - ポリオレフィン樹脂射出成形体 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂射出成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂射出成形体に関するものである。さらに詳細には、高剛性で、十分な表面硬度を有するポリオレフィン樹脂射出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン樹脂射出成形体は、剛性、耐衝撃強度、表面硬度や耐熱性などに優れていることから、例えば、家電製品のハウジング、容器、一般雑貨、自動車内装品、フェンダー、バンパー、サイドモール、マッドガード、ミラーカバーなどに使用されている。
【0003】
例えば、特開平11−21390号公報には、特に動的荷重下での表面硬さに優れ、耐傷性にすぐれた自動車部材などの各種成形体が得られるような射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物として、ポリオレフィンにパイロフィライトを含有し、該パイロフィライトが樹脂組成物中に80重量%以下の量で含まれている射出成形用ポリオレフィン樹脂組成物が記載されている。
【0004】
また、特開平11−310670号公報には、結晶性ポリオレフィンに、特定の構造を有するフォスフェート系化合物、水酸化アルミニウム及び特定の金属塩をそれぞれ特定量配合してなる剛性及び耐熱剛性に優れた成形品が得られる結晶性ポリオレフィンが記載されている。
【0005】
そして、特開2000−273193号公報には、混合、成形時に水酸化アルミニウムに起因する発泡を防止し、発泡痕のない熱可塑性樹脂成形体として、吸湿速度が3重量%/hr以上である吸湿剤と熱可塑性樹脂とを混練して混合物を得る第1工程と、得られた混合物、水酸化アルミニウム及び熱可塑性樹脂を混合、成形してなる第2工程を含む製造方法によって製造された熱可塑性樹脂成形体が記載されている。
しかし、上記の公報等に記載されているポリオレフィン樹脂組成物からなる射出成形体においても、剛性と表面硬度については、さらなる改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高剛性で、十分な表面硬度を有するポリオレフィン樹脂射出成形体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意検討した結果、BET比表面積が一定の範囲にあり、最大径が一定の範囲にあり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が一定の範囲にあり、含有量が一定の範囲にある水酸化アルミニウムを含有するポリオレフィン樹脂射出成形体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分と、を重合させることによって製造され、エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの含有量が1〜10重量%である、ポリプロピレンブロック共重合体50〜99.999重量%と、
BET比表面積が30〜200m2/gであり、最大径が20μm以下であり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が0.3cm3/g以上である水酸化アルミニウム0.001〜50重量%とを含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂射出成形体に係るものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレン、プロピレンの単独重合体、ブテンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体、少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる共重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分を重合させることによって製造されるポリプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、炭素数4〜12のα−オレフィンが好ましく、より好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。これらのポリオレフィン樹脂は単独で用いてもよく、2種以上をブレンドしてもよい。
【0010】
ポリオレフィン樹脂として、好ましくはポリプロピレン樹脂であり、より好ましくはプロピレンの単独重合体、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下であるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、炭素数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が30重量%以下であるプロピレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下で炭素数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が30重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダム共重合体、または少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる共重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分を重合させることによって製造されるポリプロピレンブロック共重合体である。なお、ポリプロピレンブロック共重合体中のエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの含有量は、通常、0.1〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
【0011】
本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体には、ポリオレフィン以外の熱可塑性エラストマー等のポリマーを含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴムが挙げられ、これらを単独で用いてもよく、少なくとも2種を用いてもよい。
【0012】
本発明で使用される水酸化アルミニウムは、粉末状であって、組成式Al2n(OH)6-2n〔式中、nは0〜3である。〕で表されるものであればよく、例えば、ギブサイト[Al(OH)3]、バイヤライト[Al(OH)3]、ベーマイト[AlO(OH)]が挙げられ、また、X線回折スペクトルがベーマイト類似のX線回折スペクトルであり、結晶構造が擬ベーマイトである水酸化アルミニウムが挙げられ、そして、X線回折スペクトルに結晶であることを示すピークをもたない非晶質水酸化アルミニウムが挙げられる。擬ベーマイトは、通常、組成式Al2m(OH)6-2m〔式中、mは1.5〜2である。〕で表されるものであり、非晶質水酸化アルミニウムは、通常、組成式Al2p(OH)6-2p〔式中、pは0.5〜2.5である。〕で表されるものである。
【0013】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムのBET比表面積が30〜500m2/gであり、好ましくは30〜200m2/gであり、より好ましくは100〜200m2/gである。BET比表面積が30m2/g未満の場合、剛性や表面硬度が充分でないことがあり、500m2/gを超えた場合、水酸化アルミニウムが凝集しやすくなり、ポリオレフィン中に均一に分散させることが困難になることがある。
【0014】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの最大径は20μm以下であり、好ましくは0.01〜20μmであり、より好ましくは0.01〜15μm以下である。水酸化アルミニウムの最大径が20μmを超えた場合、成形体に表面荒れが生じたり、引張強度や曲げ強度が低下することがある。
【0015】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積は0.3cm3/g以上であり、好ましくは0.3〜2cm3/gであり、より好ましくは0.4〜2cm3/gである。水酸化アルミニウムの水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が、0.3cm3/g未満の場合、成形体の剛性が充分でなかったり、引張強度や曲げ強度が低下したり、表面荒れが発生することがある。
【0016】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの製造方法としては、例えば、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られる軽装嵩比重が0.4〜0.9である水酸化アルミニウムを懸濁させ、pH3〜12の条件で熟成した後、得られる懸濁液を気流乾燥する方法が挙げられる。気流乾燥は、気流乾燥機(商品名“フラッシュジェットドライヤーFJD-4inchタイプ”、セイシン企業製)などを用いて行うことができ、このとき、乾燥機の入口温度は350〜450℃、入口風圧は正圧、概ね1000〜5000mmAq(9900〜49000Pa)であり、乾燥機の出口温度は250〜350℃、出口風圧は負圧、概ね0〜1,000mmAq(0〜9900Pa)であることが好ましい。また気流乾燥に際しては、予め、篩別のような分級により粗粒分、例えば45μm以上のものを除去しておくことが好ましい。
【0017】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの含有量は、0.001〜50重量%であり、好ましくは0.001〜25重量%であり、より好ましくは0.001〜10重量%である。ただし、本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体の全重量を100重量%とする。0.001重量%未満の場合、成形体の剛性や表面硬度が不充分なことがあり、50重量%を超えた場合、成形性が低下することがある。
【0018】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムのポリオレフィン樹脂へ混合方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂と所定量の水酸化アルミニウムを混合し、これを一軸混練押出機、二軸混練押出機などを用いて、溶融混練する方法等が挙げられる。
【0019】
本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等の添加剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等の充填剤などを混合してもよい。
【0020】
本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体は、例えば、バンパー、インストルメンタルパネル、フェンダー、トリム、ドアーパネル、ホイールカバー、サイドプロテクター、コンソールボックス、コラムカバーなどの自動車内装部品および外装部品、カウリング、マフラーカバーなどの二輪車部品、家具、電気製品などの外装部品等に使用できる。
【0021】
本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体の形状は、用途に応じて適宜、設計・変更することが可能であり、射出成形が可能な形状であればよい。例えば、板状、シート状、棒状、パイプ状、中空状などが挙げられる。
【0022】
本発明のポリオレフィン樹脂射出成形体には、必要に応じて、機械的切削、折曲げ、加熱融着、加熱変形等の加工を施して、各種の材形を有する二次加工品としてもよい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における物性値の測定は、次の方法に従って行った。
(1)MFR(単位:g/10min)
JIS−K−6758に規定された方法に従って、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgで測定した。
【0024】
(2)曲げ弾性率(FM、単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従って、測定した。厚みが6.4mmであり、スパン長さが100mmである試験片を用いて、荷重速度は2.5mm/分で、測定温度は23℃で測定した。
【0025】
(3)アイゾット衝撃強度(Izod、単位:kJ/m2)
JIS−K−7110に規定された方法に従って、測定した。厚みが6.4mmであり、成形の後にノッチ加工されたノッチ付きの試験片を用いて、測定温度は23℃で測定した。
【0026】
(4)加熱変形温度(HDT、単位:℃)
JIS−K−7207に規定された方法に従って、測定した。ファイバーストレスは0.45MPaで測定した。
【0027】
(5)ロックウェル硬度(HRR)
JIS−K−7202に規定された方法に従って、測定した。厚みが3.0mmである試験片を用いて測定した。測定値はRスケールで表示した。
【0028】
(6)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて測定した。プロピレン単独重合体については、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で測定した。エチレン−プロピレンランダム共重合体部分については、溶媒としてキシレンを用い、温度70℃で測定した。
(6−1)結晶性エチレン−プロピレンブロックコポリマーの極限粘度
(6−1a)プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]P
エチレン−プロピレンブロック共重合体のプロピレン単独重合体部分の極限粘度([η]P)はその製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の重合後に重合槽内よりプロピレン単独重合体を取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体の[η]Pを測定して求めた。
【0029】
(6−1b)エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の極限粘度:[η]EPエチレン−プロピレンブロック共重合体のエチレン−プロピレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP)は、プロピレン単独重合体部分の極限粘度([η]P)とエチレン−プロピレンブロック共重合体全体の極限粘度([η]T)をそれぞれ測定し、エチレン−プロピレンランダム共重合体部分のエチレン−プロピレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X)を用いて次式から計算により求めた。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:エチレン−プロピレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
【0030】
(6−1c)エチレン−プロピレンブロック共重合体におけるエチレン−プロピレンランダム共重合体部分の全体に対する重量比率:X
以下の方法で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules,1982年,第15巻,第1150−1152頁)に基づいて求めた。10mmΦの試験管中で約200mgのエチレン−プロピレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
【0031】
(7)エチレン−プロピレンブロック共重合体中のエチレン単位含有量の測定(単位:重量%)
上記の(6−1c)と同様の方法により求めた。
【0032】
(8)BET比表面積(単位:m2/g)
窒素吸着法により測定した。
【0033】
(9)最大径(単位:μm)
試料を0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液中に懸濁させ、この懸濁液に後述の粒度分布測定装置に付属の超音波分散機(出力40W)により超音波を5分間照射した。照射後、レーザー散乱式粒度分布計(商品名“マイクロトラックHRA X−100”、リード アンド ノースラップ社製)を用いて、縦軸を累積重量、横軸を粒子径とする粒子径分布曲線を求め、累積重量が0.1重量%となる粒子径を最大径とした。なお、粒子径分布曲線における縦軸の累積重量は、1000μm以下で大きい方から順次累積した値とした。
【0034】
(10)細孔容積(単位:cm3/g)
細孔分布測定装置(商品名“オートスキャン33型”、カンタクローム製)を用いて、水銀圧入法により試料の細孔分布を測定した。そして、横軸を細孔半径とし、縦軸を累積細孔容積とする累積細孔分布曲線を求め、細孔半径50nm〜1000μmの間の細孔の累積容積を求めた。なお、累積細孔分布曲線における縦軸の累積細孔容積は、100μm以下で大きい方から順次累積した値とした。
【0035】
(11)結晶構造
試料をX線回折装置(商品名“RAD−RB RU−200”、理学電機製)により分析し、得られたX線回折スペクトルのピークデータから結晶構造を同定した。
【0036】
(12)軽装嵩比重(単位:g/cm3
JIS−H−1902に従って、容量15cm3のシリンダーを用いて測定した。
【0037】
実施例または比較例において、以下に示した各種材料を用いた。
(1)PP1:エチレン−プロピレンブロック共重合体
MFR:15.2g/10min
エチレン−プロピレンブロック共重合体全体の極限粘度[η]T:1.4dl/g
プロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]P:1.2dl/g
エチレン単位含有量:5.9重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の共重合体全体に対する重量比率:15重量%
エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EP:2.3dl/g特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
【0038】
(2)PP2:プロピレン単独重合体
MFR:12.2g/10min
特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
【0039】
(3)EOR:エチレン−オクテン共重合体
EG8200(Dow Chemical社製)
【0040】
(4−1)ATH:水酸化アルミニウム
BET比表面積:153m2/g、軽装かさ比重:0.17g/cm3、最大径:13.08μm、細孔半径が50〜1000nmの細孔容積:0.81cm3/g、結晶構造:ベーマイト
【0041】
(4−2)ATH(水酸化アルミニウム)の製造方法
ATH(水酸化アルミニウム)は、以下の方法で製造した。
アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム(軽装嵩比重:0.77g/cm3)3760gと水50kgを混合した。この固形分濃度7重量%の混合物を連続型ビーズミルに通して、水酸化アルミニウムを分散させて懸濁液を得た。この懸濁液をステンレス製ドラム缶に入れた後、1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して、懸濁液のpHを10に調整した。ステンレス製ドラム缶に還流装置を付けた後、懸濁液を加熱して、100℃で60時間保持した。懸濁液を徐冷した後、篩別により45μm以上の粗粒分を除き、気流乾燥機(商品名“フラッシュジェットドライヤーFJD-4inchタイプ”、セイシン企業製)を用いて乾燥させた。このとき気流乾燥機は、入口温度:400℃、入口風圧:3000mmAq(29600Pa)、出口温度:300℃、出口風圧:100mmAq(985Pa)の条件で運転した。
【0042】
(5)タルク:エンスタル56(林化成社製)
【0043】
実施例1
PP1 98.5重量%、ATH 1.5重量%、PP1とATHの合計重量に対してステアリン酸カルシウム(商品名“AR−2”、共同薬品製)0.05重量部、GA−80(住友化学工業製)0.05重量部、ULTRANOX626(GEスペシャリティーケミカルズ製)0.10重量部を添加し、ドライブレンドした後、二軸混練押出機(商品名“KZW15−45MG”、同方向回転型:スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で溶融混練した。得られる樹脂組成物を射出成形機(住友重機械社製 NETMAT350/120)を用いて、シリンダー設定温度180℃、金型設定温度50℃の条件で射出成形を行い、成形体を得た。樹脂組成物の組成を表1に示し、物性評価結果を表2に示した。
【0044】
実施例2
実施例1で得られた樹脂組成物59重量%、PP2 6重量%、EOR 15重量%、タルク 20重量%を添加し、ドライブレンドした後、二軸混練押出機(商品名“KZW15−45MG”、同方向回転型:スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で溶融混練した。得られる樹脂組成物を射出成形機(住友重機械社製 NETMAT350/120)を用いて、シリンダー設定温度180℃、金型設定温度50℃の条件で射出成形を行い、成形体を得た。樹脂組成物の組成を表1に示し、物性評価結果を表2に示した。
【0045】
比較例1
ATHを用いない以外は実施例1と同様にして成形体を得た。樹脂組成物の組成を表1に示し、物性評価結果を表2に示した。
【0046】
比較例2
実施例1で得られた樹脂組成物に代えて、比較例1で得られた樹脂組成物を用いた以外は実施例2と同様にして成形体を得た。樹脂組成物の組成を表1に示し、物性評価結果を表2に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0004081600
【0048】
【表2】
Figure 0004081600
【0049】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によって、高剛性で、十分な表面硬度を有するポリオレフィン樹脂射出成形体を得ることができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分と、を重合させることによって製造され、エチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの含有量が1〜10重量%である、ポリプロピレンブロック共重合体50〜99.999重量%と、
    BET比表面積が30〜200m2/gであり、最大径が20μm以下であり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が0.3cm3/g以上である水酸化アルミニウム0.001〜50重量%とを含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂射出成形体。
  2. 水酸化アルミニウムの結晶構造が、ベーマイトまたは非晶質であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂射出成形体。
  3. 水酸化アルミニウムが、組成式Al2m(OH)6-2m(式中、mは1.5〜2である)で表される、請求項1または2に記載のポリオレフィン樹脂射出成形体。
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