JP4000883B2 - ポリオレフィンフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィンフィルムに関するものである。さらに詳細には、透明性、滑り性および耐ブロッキング性に優れたポリオレフィンフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンフィルムは、透明性や機械的特性が優れるため、食品や繊維等の包装用素材として広く使用されている。
【0003】
例えば、特開平9−323735号公報には、焼却時、焼却炉の異常温度上昇を抑制し、炉の損傷を押さえつつ、有毒ガスの発生抑制、焼却残灰中に含有される有害物質の埋め立て地での漏洩防止に効果を有する熱可塑性樹脂袋として、熱可塑性樹脂中に10〜50重量%の水酸化アルミニウムを混練してなる熱可塑性樹脂袋が記載されている。
【0004】
また、特開2000−136309号公報には、ゴミ回収時または分別作業時には指定した種類のゴミ以外のものが混入していることを判別でき、かつゴミ回収時等以外には内容物のプライバシーが保護できるゴミ袋、買い物袋、商品包装材等に用いられる熱可塑性樹脂製フィルムとして、全光線透過率が90%以上、ヘイズが30〜80である水酸化アルミニウムを混練してなる熱可塑性樹脂製フィルムが記載されている。
【0005】
そして、特開2001−233989号公報には、フィルム表面の微小突起物が少なく、印刷するときに色飛びすることがないフィルムとして、平均粒径が1.5μm以上10μm以下であり、45μm以上の粒子含有量が0.01重量%未満であり、かつフタル酸ジオクチル吸油量が44ml/100g以下である樹脂充填用水酸化アルミニウムを用いた樹脂製フィルムが記載されている。
しかし、上記公報等に記載されているフィルムにおいても、透明性、滑り性および耐ブロッキング性については、さらなる改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性、滑り性および耐ブロッキング性に優れたポリオレフィンフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、BET比表面積が一定の範囲にあり、2次粒子径が一定の範囲にあり、フタル酸ジオクチル吸油量が一定の範囲にあり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が一定の範囲にあり、含有量が一定の範囲にある水酸化アルミニウムを含有するポリオレフィンフィルムが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
BET比表面積が30〜200m 2 /gであり、2次粒子径が0.1〜10μmであり、フタル酸ジオクチル吸油量が70cm3/100g以上250cm3/100g未満であり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が0.3cm3/g以上である水酸化アルミニウムを0.01〜1重量%含有するポリオレフィンフィルムに係るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレン、プロピレンの単独重合体、ブテンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体、少なくとも二段階以上の多段階で主にプロピレンからなる共重合体成分とプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分を重合させることによって製造されるポリプロピレン系共重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体ということがある)等が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上をブレンドしてもよい。
【0010】
α−オレフィンとしては、炭素数4〜12のα−オレフィンが好ましく、特に好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが挙げられる。α−オレフィンとして最も好ましくは1−ブテンである。
【0011】
本発明で使用されるポリオレフィンとして、好ましくはポリプロピレンであり、より好ましくはプロピレンの単独重合体、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下であるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、炭素数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が30重量%以下であるプロピレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下で炭素数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が30重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダム共重合体である。
【0012】
本発明で使用される水酸化アルミニウムは、粉末状であって、組成式Al2On(OH)6-2n〔式中、nは0〜3である。〕で表されるものであり、例えば、ギブサイト[Al(OH)3]、バイヤライト[Al(OH)3]、ベーマイト[AlO(OH)]が挙げられ、またX線回折法によって測定された結晶構造が擬ベーマイトであり、そのX線回折スペクトルがベーマイト類似のX線回折スペクトルであるものが挙げられ、さらにX線回折スペクトルに結晶であることを示すピークをもたない非晶質水酸化アルミニウムが挙げられる。擬ベーマイトは、通常、組成式Al2Om(OH)6-2m〔式中、mは1.5〜2である。〕で表されるものであり、非晶質水酸化アルミニウムは、通常、組成式Al2Op(OH)6-2p〔式中、pは0.5〜2.5である。〕で表されるものである。水酸化アルミニウムとして、特に好ましくはベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有する水酸化アルミニウムである。
【0013】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムのBET比表面積は、30〜500m2/gであり、好ましくは30〜200m2/gであり、より好ましくは100〜200m2/gである。BET比表面積が30m2/g未満の場合、ポリオレフィンフィルムの滑り性や耐ブロッキング性が充分でないことがあり、500m2/gを超えた場合、水酸化アルミニウムが凝集しやすくなり、ポリオレフィン中に均一に分散させることが困難になることがある。
【0014】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの2次粒子径は、0.1〜10μmであり、好ましくは0.1〜8μmである。水酸化アルミニウムの2次粒子径が0.1μm未満の場合、水酸化アルミニウムが凝集しやすくなり、ポリオレフィン中に均一に分散させることが困難になることがある。10μmを超えた場合、ポリオレフィンフィルムにおいて水酸化アルミニウムが分散不良を起こし、ポリオレフィンフィルムの表面が荒れたり、透明性が低下することがある。
【0015】
本発明の2次粒子径とは、以下の測定によって得られた値である。水酸化アルミニウムを0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液中に懸濁させ、この懸濁液に後述の粒度分布測定装置に付属の超音波分散機(出力40W)により超音波を5分間照射する。照射後、レーザー散乱式粒度分布計(商品名“マイクロトラックHRA X−100”、リード アンド ノースラップ社製)を用いて、縦軸を累積重量、横軸を粒子径とする粒子径分布曲線を求め、累積重量が50重量%となる粒子径を2次粒子径とする。なお、粒子径分布曲線における縦軸の累積重量は、1000μm以下で大きい方から順次累積した値とする。
【0016】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムのフタル酸ジオクチル吸油量(以下、DOP吸油量と称する。)は、70cm3/100g以上250cm3/100g未満であり、好ましくは90〜150cm3/100gである。DOP吸油量が250cm3/100gを超えた場合、フィルム成形において、吐出圧が不安定になり成形性が低下することがある。70cm3/100g未満の場合、フィルムの耐ブロッキング性が不充分なことがある。
【0017】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積は、0.3cm3/g以上であり、好ましくは0.3〜2cm3/gであり、より好ましくは0.4〜2cm3/gである。水酸化アルミニウムの水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が0.3cm3/g未満の場合、ポリオレフィンフィルムの表面に荒れが生じることがある。
【0018】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムの製造方法としては、例えば、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られる軽装嵩比重が0.4〜0.9である水酸化アルミニウムを懸濁させ、pH3〜12の条件で熟成した後、得られる懸濁液を気流乾燥する方法等が挙げられる。気流乾燥は、気流乾燥機(商品名“フラッシュジェットドライヤーFJD-4inchタイプ”、セイシン企業製)などを用いて行うことができ、このとき、乾燥機の入口温度は350〜450℃、入口風圧は正圧、概ね1000〜5000mmAq(9900〜49000Pa)であり、乾燥機の出口温度は250〜350℃、出口風圧は負圧、概ね0〜1000mmAq(0〜9900Pa)であることが好ましい。また気流乾燥に際しては、予め、篩別のような分級により粗粒分、例えば45μm以上のものを除去しておくことが好ましい。
【0019】
ポリオレフィンフィルムにおける水酸化アルミニウムの含有量は0.01〜1重量%であり、好ましくは0.1〜0.6重量%である。(ただし、ポリオレフィンフィルムの全重量を100重量%とする。)水酸化アルミニウムの含有量が0.01重量%未満の場合、フィルムの耐ブロッキング性が充分でないことがあり、充填量が1重量%を超えた場合、フィルムの透明性が悪化することがある。
【0020】
本発明で用いられる水酸化アルミニウムには、表面処理を施しても良い。表面処理に用いられる表面処理剤としては、例えば、アルキル燐酸エステル塩、ステアリン酸、ロジン、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらの表面処理剤で処理した水酸化アルミニウムは、ポリオレフィンフィルム中での分散性が改良され、透明性、滑り性および耐ブロッキング性の良好なフィルムが得られる。
【0021】
水酸化アルミニウムを表面処理する方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、乾燥前のスラリーに所望の表面処理剤を添加し、そのまま気流乾燥機にて乾燥する方法や、一端乾燥した粉体に表面処理剤を添加して混練、分散させ、場合によって加熱して定着させる方法等が挙げられる。
【0022】
水酸化アルミニウムの表面処理に用いる表面処理剤の量は、表面処理剤の種類によって適宜、変更することができる。一般には、水酸化アルミニウム100重量部に対して、表面処理剤が0.01〜15重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
【0023】
ポリオレフィンに水酸化アルミニウムを配合する方法としては水酸化アルミニウムが均一に分散する方法であればよく、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合、溶融混練する方法等が挙げられる。
【0024】
ポリオレフィンフィルムを製造する方法としては、例えば、ポリオレフィンと水酸化アルミニウムを、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合、溶融混練した後、冷却し、次いで公知の方法によって、少なくとも一軸方向に延伸する方法等が挙げられる。
【0025】
本発明のポリオレフィンフィルムの厚みは、通常200μm以下であり、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは8〜50μmである。
【0026】
本発明のポリオレフィンフィルムには、ポリオレフィンに水酸化アルミニウムを配合するときに、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等の添加剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、シリカ、ゼオライト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等の充填剤を配合してもよい。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例における各種物性は、下記の試験法によって測定した。
(1)メルトフローレート(単位:g/10分)
JIS K6785に規定された方法に従って測定した。測定温度は230℃であり、荷重はことわりのない限り2.16kgで測定した。
【0028】
(2)BET比表面積(単位:m2/g)
窒素吸着法により測定した。
【0029】
(3)軽装嵩比重(単位:g/cm3)
JIS−H−1902に従って、容量15cm3のシリンダーを用いて測定した。
【0030】
(4)2次粒子径(単位:μm)
試料を0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液中に懸濁させ、この懸濁液に後述の粒度分布測定装置に付属の超音波分散機(出力40W)により超音波を5分間照射した。照射後、レーザー散乱式粒度分布計(商品名“マイクロトラックHRA X−100”、リード アンド ノースラップ社製)を用いて、縦軸を累積重量、横軸を粒子径とする粒子径分布曲線を求め、累積重量が50重量%となる粒子径を2次粒子径とした。なお、粒子径分布曲線における縦軸の累積重量は、1000μm以下で大きい方から順次累積した値とした。
【0031】
(5)DOP吸油量(単位:cm3/100g)
JIS K 6221に従って、測定した。
【0032】
(6)細孔容積(単位:cm3/g)
細孔分布測定装置(商品名“オートスキャン33型”、カンタクローム製)を用いて、水銀圧入法により試料の細孔分布を測定した。そして、横軸を細孔半径とし、縦軸を累積細孔容積とする累積細孔分布曲線を求め、細孔半径50〜1000nmの細孔累積容積を求めた。なお、累積細孔分布曲線における縦軸の累積細孔容積は、1000nm以下で大きい方から順次累積した値とした。
【0033】
(7)結晶構造
試料をX線回折装置(商品名“RAD−RB RU−200”、理学電機製)によって分析し、得られたX線回折スペクトルのピークデータから結晶構造を同定した。
【0034】
(8)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて測定した。溶媒はテトラリン、温度は135℃で測定した。
【0035】
(9)融点(単位:℃)
示査走査熱量計(DSC)(Perkin−Elmer社製DSC−VII)を用いて、以下の条件で測定した。
昇温:−50℃から200℃(20℃/分) 5分保持
冷却:200℃から−50℃(20℃/分) 5分保持
測定:−50℃から300℃(20℃/分で昇温)
【0036】
(10)アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)
13C−NMR法によって測定した。詳しくは、A.Zambelliらによって発表された方法(Macromolecules 第6巻、第925頁、1973年)に従ってアイソタクチックペンタッド分率を求めた。
【0037】
(11)20℃キシレン可溶部(単位:重量%)
3gのポリマーを1リットルの沸騰キシレンに溶解した後、50℃まで徐冷し、次いで氷浴に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で12時間放置した後析出したポリマーを濾別した。濾液からキシレンを蒸発させ、60℃で減圧乾燥して20℃キシレンに可溶なポリマーを回収、秤量し、全ポリマー3gに対する重量%を求めた。
【0038】
(12)ヘイズ(単位:%)
JIS K−7105に従って測定した。
【0039】
(13)滑り性
ASTM D−1894に従って、静摩擦係数(単位:μs)および動摩擦係数(単位:μk)を測定した。
【0040】
(14)耐ブロッキング性(単位:kg/12cm2)
120mm×30mmのフィルムを用いて、フィルム同士を重ね合わせ、500g/40mm×30mmの荷重下で60℃、3時間状態調整を行った。その後、23℃、湿度50%雰囲気下に30分以上放置し、200mm/分の速度でせん断引張試験を行ない、試料の剥離に要する強度を測定した。
【0041】
実施例または比較例では、次に示した各種材料を用いた。
(1)水酸化アルミニウム
BET比表面積:153m2/g、軽装かさ比重:0.17g/cm3、2次粒子径:3.4μm、DOP吸油量:121cm3/100g、細孔半径が50〜1000nmの細孔容積:0.81cm3/g、結晶構造:ベーマイト
上記の水酸化アルミニウムは以下の方法で調製した。アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム(軽装嵩比重:0.77g/cm3)3760gと水50kgを混合した。この固形分濃度7重量%の混合物を連続型ビーズミルに通して、水酸化アルミニウムを分散させて懸濁液を得た。この懸濁液をステンレス製ドラム缶に入れた後、1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して、懸濁液のpHを10に調整した。ステンレス製ドラム缶に還流装置を付けた後、懸濁液を加熱して、100℃で60時間保持した。懸濁液を徐冷した後、篩別により45μm以上の粗粒分を除き、気流乾燥機(商品名“フラッシュジェットドライヤーFJD-4inchタイプ”、セイシン企業製)を用いて乾燥させた。このとき気流乾燥機は、入口温度:400℃、入口風圧:3000mmAq(29600Pa)、出口温度:300℃、出口風圧:100mmAq(985Pa)の条件で運転した。
【0042】
(2)ポリプロピレン
極限粘度:2.11dl/g、アイソタクチックペンタッド分率:0.883、20℃キシレン可溶部:2.7wt%、融点:160.4℃、メルトフローレート:2.3g/10分
上記ポリプロピレンは、特開平7−216017号公報の実施例1記載の触媒を用いて気相重合することによって得た。
【0043】
実施例1
前記(2)のポリプロピレンに対して、前記(1)の水酸化アルミニウムを0.15重量%加え、さらに前記(2)のポリプロピレンと前記(1)の水酸化アルミニウムの合計量 100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.10重量部、Irganox1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製、酸化防止剤)0.15重量部およびIrganox168(チバスペシャリティーケミカルズ社製、酸化防止剤)0.10重量部の各種安定剤を加え、二軸混練押出機(商品名“KZW15−45MG”、同方向回転型:スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で混練、造粒(ペレット化)した。次いで得られたペレットを180℃で熱プレスを行ない、30℃の冷却プレスにて急冷することにより厚さ0.5mmのシートを作製し、東洋精機製卓上二軸延伸機(温度:155℃、予熱時間:3分間、延伸倍率:5×5倍、延伸速度:5m/分)にて二軸延伸フィルムとした。フィルム物性の評価結果を表1に示した。
【0044】
比較例1
水酸化アルミニウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様に実施してフィルムを評価した。評価結果を表1に示した。
【0045】
比較例2
実施例1における前記(1)の水酸化アルミニウムの含有量を1.5重量%とした以外は、実施例1と同様に実施してフィルムを評価した。評価結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によって、透明性、滑り性および耐ブロッキング性に優れたポリオレフィンフィルムを得ることができる。
Claims (4)
- BET比表面積が30〜200m2/gであり、2次粒子径が0.1〜10μmであり、フタル酸ジオクチル吸油量が70cm3/100g以上250cm3/100g未満であり、水銀圧入法で測定した細孔半径50〜1000nmの細孔容積が0.3cm3/g以上である水酸化アルミニウムを0.01〜1重量%含有することを特徴とするポリオレフィンフィルム。
- 水酸化アルミニウムの結晶構造が、ベーマイトまたは非晶質であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィンフィルム。
- 水酸化アルミニウムが、組成式Al 2 O m (OH) 6-2m (式中、mは1.5〜2である)で表される、請求項1または2に記載のポリオレフィンフィルム。
- ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィンフィルム。
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