JP2006096940A - ポリエチレン系樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびフィルム Download PDF

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勝大 山田
Tatsuhiro Nagamatsu
龍弘 永松
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Abstract

【課題】 剛性と強度のバランスに優れたポリエチレン系樹脂組成物、および、該樹脂組成物を用いてなるフィルムを提供すること。
【解決手段】 下記成分(A)および(B)を含有し、成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり0.01〜5重量部であるポリエチレン系樹脂組成物。
(A)メタロセン系オレフィン重合触媒を用いて製造されるエチレン−α−オレフィン共重合体
(B)2次粒子径が0.1〜10μmである水酸化アルミニウム
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂組成物、および、該樹脂組成物を用いてなるフィルムに関するものである。
エチレンとα−オレフィンの共重合体からなるフィルムは、食品、医薬品、日用雑貨、肥料などの包装用など、幅広い用途に使用されている。該フィルムには、高剛性より包装時のフィルムのハンドリング性が良いこと、高強度により包装物の運搬時に包装袋の破れがないことなどが求められている。このようなフィルムとしては、例えば、従来型チーグラー・ナッタ重合触媒を用いて重合されたエチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体からなるフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、メタロセン系重合触媒を用いて重合されたエチレン−1−オクテン共重合体を配合したフィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−194663号公報 特開平7−258348号公報
しかしながら、エチレン−α−オレフィンの共重合体の密度を上げて剛性を高くすると強度が低下してしまうことがあり、従来のフィルムは剛性と強度のバランスにおいて十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、剛性と強度のバランスに優れたポリエチレン系樹脂組成物、および、該樹脂組成物を用いてなるフィルムを提供することにある。
すなわち、本発明の第一は、下記成分(A)および(B)を含有し、成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり0.01〜5重量部であるポリエチレン系樹脂組成物にかかるものである。
(A)メタロセン系オレフィン重合触媒を用いて製造されるエチレン−α−オレフィン共重合体
(B)2次粒子径が0.1〜10μmである水酸化アルミニウム
また、本発明の第二は、上記樹脂組成物からなる層を有するフィルムにかかるものである。
本発明により、剛性と強度のバランスに優れたポリエチレン系樹脂組成物およびフィルムを提供することができる。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜12のα−オレフィンが好適に用いられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。また、上記の炭素原子数3〜12のα−オレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、該エチレン−α−オレフィン共重合体には、エチレンとα−オレフィンに加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体を共重合していてもよい。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常85〜99重量%である。α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常1〜15重量%である。
JIS K7210−1995に規定された、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR)は、通常0.1〜50g/10分である。押出成形性を高める観点から、好ましくは0.5g/10分以上であり、より好ましくは1g/10分以上である。また、強度を高める観点から、好ましくは20g/10分以下であり、より好ましくは10g/10分以下である。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、900〜960kg/m3である。該値は、強度を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは930kg/m3以下である。また、該値は、剛性を高める観点から、好ましくは910kg/m3以上であり、より好ましくは915kg/m3以上である。なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った試料を用いて、JIS K7112−1980に規定された方法に従って測定される。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン系オレフィン重合触媒を用いて製造されてなる共重合体である。該メタロセン系オレフィン重合触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物からなる触媒成分と有機アルミニウムなどの助触媒成分とを用いて得られる重合触媒である。
該シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物としては、例えば下記一般式[1]で表される遷移金属化合物があげられる。
aMXn-a [1]
(式中、Mは遷移金属化合物を表す。nは遷移金属Mの原子価を満足する数を表す。aは0<a≦nを満足する整数である。Lは遷移金属に配位するシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、Xはハロゲン原子、炭化水素基(但し、ここではシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。)、ヘテロ原子を含有する基である。)
一般式[1]の遷移金属化合物Mとしては、元素の周期律表(IUPAC1989年)第3〜6族の原子が好ましく、チタン、ジルコニウム、ハフニウムがより好ましい。
Lのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基、(置換)フルオレニル基などであり、具体的には、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチル−メチルシクロペンタジエニル基、メチル−イソプロピルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−メチルインデニル基、3−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、6−メチルインデニル基、7−メチルインデニル基、2−tert−ブチルインデニル基、3−tert−ブチルインデニル基、4−tert−ブチルインデニル基、5−tert−ブチルインデニル基、6−tert−ブチルインデニル基、7−tert−ブチルインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、4,5−ベンズインデニル基、2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、4−フェニルインデニル基、2−メチル−5−フェニルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、2−メチル−4−ナフチルインデニル基、フルオレニル基、2,7−ジメチルフルオレニル基、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等があげられる。また、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子が複数ある場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
Xのハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等があげられる。また、ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等があげられ、かかる基の例としてはアルコキシ基;アリールオキシ基;チオアルコキシ基;チオアリールオキシ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;アルキルホスフィノ基;アリールホスフィノ基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも一つの原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基などがあげられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子が複数ある場合は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。また、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子とXとが、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基;シリレン基;ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、ジメトキシシリレン基などの置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられ、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基またはジメトキシシリレン基などがあげられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物としては、ビス(1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−n−プロピルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド等があげられる。
オレフィン重合触媒の製造に用いられる助触媒成分としては、アルミノキサン化合物;トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルヘキシルアルミニウム、ジイソブチルオクチルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、イソブチルジオクチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物;トリチルボレート、アニリニウムボレート等のホウ素化合物などがあげられる。また、無機酸化物(SiO2、Al23等)、粘土鉱物(スメクタイト、モンモリロナイト等)、有機ポリマー(ポリエチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等)などの多孔性の物質を粒子状担体として用いてもよい。
水酸化アルミニウムは、組成式Al2n(OH)6-2n〔式中、nは0〜3である。〕で表され、例えば、ギブサイト[Al(OH)3]、バイヤライト[Al(OH)3]、ベーマイト[AlO(OH)]、X線回折スペクトルがベーマイト類似のX線回折スペクトルである擬ベーマイト[Al2m(OH)6-2m〔式中、mは1.5〜2である。〕]、非晶質水酸化アルミニウム[Al2p(OH)6-2p〔式中、pは0.5〜2.5である。〕]などがあげられる。好ましくはベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有する水酸化アルミニウムである。
水酸化アルミニウムの2次粒子径は0.1〜10μmである。水酸化アルミニウムの2次粒子径が小さすぎるあるいは大きすぎると、剛性と強度のバランスに劣ることがあり、
好ましくは0.1〜8μmである。
水酸化アルミニウムの2次粒子径は、次の方法で求められる値である。すなわち、水酸化アルミニウムの懸濁液(通常、0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液に懸濁させる。)をレーザー散乱式粒度分布計により分析し、粒子径が1000μm以下の粒子について、横軸を粒子径、縦軸を累積重量とする粒子径分布曲線を求め、該粒子径分布曲線において、累積重量が50重量%となる粒子径を2次粒子径とする。なお、レーザー散乱式粒度分布計による測定においては、用いる懸濁液中の水酸化アルミニウムを十分に分散させるため、分析前に、通常、超音波分散機により超音波を5分間照射するなどの分散処理を行う。
水酸化アルミニウムのBET比表面積は、剛性と強度のバランスを高める観点から、好ましくは500m2/g以下であり、より好ましくは200m2/g以下である。また、透明性を高める観点から、好ましくは100m2/g以上である。該BET比表面積は、窒素吸着法により測定される。
水酸化アルミニウムのフタル酸ジオクチル吸油量(以下、DOP吸油量と称する。)は、押出成形時の押出性(押出圧力の変動を低減)を高める観点から、好ましくは70cm3/100g以上250cm3/100g未満であり、より好ましくは90〜150cm3/100gである。DOP吸油量は、JIS K6221−1982に従って測定される。
剛性と強度のバランスを高める観点から、水酸化アルミニウムにおいて、細孔半径が50〜1000nmである細孔の容積は、好ましくは0.3cm3/g以上であり、より好ましくは0.3〜2cm3/gであり、更に好ましくは0.4〜2cm3/gである。該細孔の容積は水銀圧入法で測定される。
水酸化アルミニウムの製造方法としては、例えば、アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られる軽装嵩比重が0.4〜0.9である水酸化アルミニウムの懸濁液をpH3〜12の条件で熟成した後、該懸濁液を気流乾燥する方法等があげられる。気流乾燥は、公知の気流乾燥機を用いることができ、一般的には、乾燥機の入口温度:350〜450℃、入口風圧:正圧,概ね1000〜5000mmAq(9900〜49000Pa)、乾燥機の出口温度:250〜350℃、出口風圧:負圧,概ね0〜1000mmAq(0〜9900Pa)である。また気流乾燥に際しては、予め、篩別のような分級により粗粒分、例えば45μm以上のものを除去しておくことが好ましい。
水酸化アルミニウムには、表面処理を施してもよい。表面処理に用いられる表面処理剤としては、例えば、アルキル燐酸エステル塩、ステアリン酸、ロジン、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等があげられる。剛性と強度のバランスを高める観点から、表面処理剤で処理した水酸化アルミニウムを用いることが好ましい。
水酸化アルミニウムを表面処理する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、水酸化アルミニウムの懸濁液に所望の表面処理剤を添加し、そのまま気流乾燥機にて乾燥する方法や、水酸化アルミニウムに表面処理剤を添加して混練、分散させ、必要に応じて加熱して定着させる方法等があげられる
水酸化アルミニウムの表面処理に用いる表面処理剤の量は、表面処理剤の種類によって適宜、変更される。一般には、水酸化アルミニウム100重量部に対して、表面処理剤が0.01〜15重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
樹脂組成物中の水酸化アルミニウムの含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部あたり0.01〜5重量部であり、該含有量が少なすぎると剛性と強度のバランスが低下することがあり、該含有量が多すぎると強度が低下したり、透明性が悪化したりすることがある。好ましくは0.05〜3重量部であり、より好ましくは0.1〜1重量部であり、更に好ましくは0.2〜0.6重量部である。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、帯電防止剤、造核剤などの添加剤;熱可塑性樹脂を配合してもよい。
本発明の樹脂組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体と水酸化アルミニウムと公知の方法で混合することにより製造される。混合方法としては、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合、溶融混練する方法等があげられる。
本発明のフィルムは、上記樹脂組成物からなる層を有するフィルムである。フィルムの厚みは、通常、10〜200μmの範囲であるが、好適には10〜70μmである。
フィルムの製造方法としては、公知の方法、例えば、インフレーション成形法やTダイキャスト成形法などがあげられ、成形条件としては、通常、加工温度150〜220℃、引取速度5〜300m/minである。また、インフレーション成形法の場合、ブロー比は1.5〜5.0である。本発明の効果を高める観点から、フィルムの製造方法としては、インフレーション成形法が好ましい。
本発明のフィルムは、剛性および強度のバランスに優れる。また、透明性に優れうる。そのため、包装用フィルムなどの用途に好適に用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
I.測定法
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(2)密度(単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(3)軽装嵩比重(単位:g/cm3
JIS H1902−1990に従って、容量15cm3のシリンダーを用いて測定した。
(4)2次粒子径(単位:μm)
試料1gを0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液100ml中に懸濁させ、この懸濁液を調整した。該懸濁液中の水酸化アルミニウムの粒子径をレーザー散乱式粒度分布計(リード アンド ノースラップ社製 商品名 マイクロトラックHRA X−100)により測定し、粒子径が1000μm以下の粒子について、横軸を粒子径、縦軸を累積重量とする粒子径分布曲線を求めた。該粒子径分布曲線において、累積重量が50重量%となる粒子径を2次粒子径とした。なお、レーザー散乱式粒度分布計による測定前に、該粒度分布測定装置に付属の超音波分散機(出力40W)により、測定に用いる懸濁液に超音波を5分間照射した。
(5)BET比表面積(単位:m2/g)
窒素吸着法により測定した。
(6)DOP吸油量(単位:cm3/100g)
JIS K6221−1982に従って測定した。
(7)細孔容積(単位:cm3/g)
細孔分布測定装置(カンタクローム製 商品名 オートスキャン33型)を用いて、水銀圧入法により試料の細孔分布を測定し、横軸を細孔半径、縦軸を累積細孔容積とする累積細孔分布曲線を求めた。該累積細孔分布曲線から細孔半径50〜1000nmの細孔累積容積を求めた。
(8)剛性(1%SM、単位:MPa)
幅20mm、長さ120mmの短冊形試験片を、長手方向が引取り方向(MD)およびMD方向に対して直交する方向(TD)となるようにそれぞれ採取し、該試験片を用いて、チャック間60mm、引張速度5mm/minの条件で引張試験を行い、応力−歪曲線を測定した。該応力−歪曲線から、1%伸び時の荷重(単位:N)を求め、下記式から1%SMを求め、フィルムの剛性とした。
1%SM = [F/(t×l)]/[s/L0]/106
F :1%伸び時の荷重(単位:N)
t :試験片厚み (単位:m)
l :試験片幅 (単位:m,0.02)
0:チャック間距離 (単位:m,0.06)
s :1%歪み (単位:m,0.0006)
(9)強度(単位:kJ/m2
振り子衝撃試験機(東洋精機製作所製)を用い、温度23℃において、衝撃球(25mmφの半球)がフィルムを打ち抜いたときの破壊エネルギーを求めた。
II.材料
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体
住友化学工業(株)製、商品名スミカセンE FV403の重合パウダー(密度=920kg/m3、MFR=4g/10分、メタロセン系オレフィン重合触媒を用いて製造されたエチレンと1−ヘキセンとの共重合体)
(b)水酸化アルミニウム
結晶構造:ベーマイト、軽装嵩比重:0.17g/cm3、2次粒子径:3.4μm、BET比表面積:153m2/g、DOP吸油量:121cm3/100g、細孔半径が50〜1000nmの細孔容積:0.81cm3/g
上記の水酸化アルミニウムは以下の方法で調製した。アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム(軽装嵩比重:0.77g/cm3)3760gと水50kgを混合した。この固形分濃度7重量%の混合物を連続型ビーズミルに通して、水酸化アルミニウムを分散させて懸濁液を得た。この懸濁液をステンレス製ドラム缶に入れた後、1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して、懸濁液のpHを10に調整した。ステンレス製ドラム缶に還流装置を付けた後、懸濁液を加熱して、100℃で60時間保持した。懸濁液を徐冷した後、篩別により45μm以上の粗粒分を除き、気流乾燥機(商品名 フラッシュジェットドライヤーFJD-4inchタイプ、セイシン企業製)を用いて乾燥させた。このとき気流乾燥機は、入口温度:400℃、入口風圧:3000mmAq(29600Pa)、出口温度:300℃、出口風圧:100mmAq(985Pa)の条件で運転した。
(c)ハイドロタルサイト
協和化学(株)製、商品名DHT−4A
III.実施例、比較例
[実施例1]
エチレン−α−オレフィン共重合体を100重量部と、水酸化アルミニウムを0.5重量部と、酸化防止剤(住友化学工業(株)社製、商品名スミライザーGP)を0.1重量部とを、単軸混練押出機を用いて、設定温度200℃、スクリュー回転速度80rpmの条件で混練、造粒(ペレット化)して、ポリエチレン系樹脂組成物のペレットを得た。該ペレットをインフレーション成形機(田辺プラスチック(株)製VS20インフレーション加工機、ダイ30mmφ、リップ幅2mm)を用いて、ダイ温度:190℃、ブロー比:1.8の条件でインフレーション成形し、厚み50μのインフレーションフィルムを得た。フィルムの物性評価結果を表1に示した。
[比較例1]
水酸化アルミニウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様に実施してフィルムを得た。フィルムの物性評価結果を表1に示した。
[比較例2]
水酸化アルミニウムに代えてハイドロタルサイトを用いた以外は、実施例1と同様に実施してフィルムを得た。フィルムの物性評価結果を表1に示した。
Figure 2006096940

Claims (4)

  1. 下記成分(A)および(B)を含有し、成分(B)の含有量が成分(A)100重量部あたり0.01〜5重量部であるポリエチレン系樹脂組成物。
    (A)メタロセン系オレフィン重合触媒を用いて製造されるエチレン−α−オレフィン共重合体
    (B)2次粒子径が0.1〜10μmである水酸化アルミニウム
  2. 成分(B)の水酸化アルミニウムが下記要件(1)〜(3)を充足する請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    (1)BET比表面積が30〜500m2/gである。
    (2)フタル酸ジオクチル吸油量が70cm3/100g以上250cm3/100g未満である。
    (3)細孔半径が50〜1000nmである細孔の容積が0.3cm3/g以上である。
  3. 請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂組成物からなる層を有するフィルム。
  4. インフレーション成形されてなる請求項3に記載のフィルム。
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Citations (7)

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