JP2010254963A - フードストレッチ用チューブ状フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】伸長回復率、伸長回復力に優れ、且つ機械強度にも優れるフードストレッチ用チューブ状フィルムを提供する。
【解決手段】エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、フードストレッチ用チューブ状フィルムに関する。
近年、貨物をパレットにのせたものの上に、パレット貨物よりも小さなチューブ状フィルムを4周方向に引き伸ばしてすぐ被せ、貨物をパレットとともに結束するパレットストレッチ包装システムが注目されている。このパレットストレッチ包装システムに用いるフードストレッチ用チューブ状フィルムとしては、充分に引き伸ばした状態から貨物をパレットとともに結束できる寸法まで復元させるための伸長回復率、およびきつく結束するための伸長回復力が必要である。このようなフードストレッチ用チューブ状フィルムとして、特許文献1には、酢酸ビニル含有量5〜15重量%、メルトインデックス4以下のエチレン─酢酸ビニル共重合体からなるフードストレッチ用チューブ状フィルムが開示されている。
特開平6−345880号公報
しかしながら上記のような構成のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、重量貨物を載せたパレットの水平方向に対する伸長回復率および伸長回復力と、機械強度の点において、さらなる改善が求められていた。また、機械強度を高めるため、エチレン−酢酸ビニル共重合体に高圧法低密度ポリエチレンやエチレン−α-オレフィン共重合体を混合すると、伸長回復率や伸長回復力が低下してしまうというジレンマを抱えていた。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、伸長回復率、伸長回復力に優れ、且つ機械強度にも優れるフードストレッチ用チューブ状フィルムを提供することにある。
すなわち本発明は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルムである。
本発明により、伸長回復率、伸長回復力に優れ、且つ機械強度にも優れるフードストレッチ用チューブ状フィルムを提供することができる。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルムである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体であり、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する共重合体である。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、好ましくは1−ヘキセン、1−オクテンである。また、上記の炭素原子数3〜20のα−オレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の全重量を100重量%とするとき、通常50〜99重量%である。炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量を100重量%とするとき、通常1〜50重量%である。
フィルム加工性の観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は5以上であり、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上である。また機械強度、伸長回復率、伸長回復力の観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の分子量分布は25以下であり、好ましくは20以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)とは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によってポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。
フィルムの伸長回復率、および伸長回復力の観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の流動の活性化エネルギー(Ea)は、35kJ/mol以上であり、好ましくは50kJ/mol以上であり、より好ましくは55kJ/mol以上であり、さらに好ましくは60kJ/mol以上である。また、機械強度の観点から、Eaは、好ましくは100kJ/mol以下であり、より好ましくは90kJ/mol以下である。
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位:Pa・sec)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、通常、900〜950kg/m3である。該密度は、伸長回復率、伸長回復力、透明性、機械強度の観点から、好ましくは910kg/m3〜930kg/m3であり、より好ましくは910kg/m3〜915kg/m3である。なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った試料を用いて、JIS K7112−1980に規定された水中置換法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、通常、0.1〜50g/10分であり、機械強度、伸長回復力を高める観点から5g/10分以下であることが好ましい。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に規定された方法により、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、メタロセン系錯体と活性化助触媒成分(以下、助触媒成分(I)と称する。)とを接触処理してなるメタロセン系オレフィン重合触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。より好ましくは、メタロセン系錯体と、助触媒成分(I)が微粒子状担体に担持されてなる固体助触媒成分とを用いて、共重合する方法があげられる。助触媒成分(I)としては、例えば、ホウ素化合物、亜鉛化合物、有機アルミニウムオキシ化合物などをあげることができる。
助触媒成分(I)としては、ホウ素化合物または亜鉛化合物が好ましい。
微粒子状担体としては、多孔性の物質が好ましく、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の無機酸化物;スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト等の粘土や粘土鉱物;ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機ポリマーなどが使用される。該微粒子状担体の50%体積平均粒子径は、通常、10〜500μmであり、該50%体積平均粒子径は、光散乱式レーザー回折法などで測定される。また、該微粒子状担体の細孔容量は、通常0.3〜10ml/gであり、該微粒子状担体の比表面積は、通常、10〜1000m2/gである。該細孔容量と該比表面積は、ガス吸着法により測定され、細孔容量はガス脱着量をBJH法で、比表面積はガス吸着量をBET法で解析することにより求められる。
また、上述のメタロセン系錯体としては、下記一般式[1]で表される遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物二量体が好ましい。
2 a21 b [1]
(式中、M2は周期律表第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。L2はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基であり、複数のL2は互いに直接連結されているか、または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。X1はハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く)、または炭化水素オキシ基である。aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。)
一般式[1]において、M2は周期律表(IUPAC1989年)第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。その具体例としては、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子等が挙げられる。一般式[1]におけるM2として好ましくは、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、クロム原子、鉄原子、コバルト原子またはニッケル原子であり、特に好ましくはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、最も好ましくはジルコニウム原子である。
一般式[1]において、L2はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基であり、複数のL2は同じであっても異なっていてもよい。また複数のL2は互いに直接連結されているか、または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。
2におけるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としてはη5−(置換)シクロペンタジエニル基、η5−(置換)インデニル基、η5−(置換)フルオレニル基などが挙げられる。具体的に例示すれば、η5−シクロペンタジエニル基、η5−メチルシクロペンタジエニル基、η5−エチルシクロペンタジエニル基、η5−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5−tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η5−1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5−1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−2−エチルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル基、η5−1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、η5−1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−2−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5−1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5−1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5−1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、η5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基、η5−インデニル基、η5−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、η5−2−メチルインデニル基、η5−3−メチルインデニル基、η5−4−メチルインデニル基、η5−5−メチルインデニル基、η5−6−メチルインデニル基、η5−7−メチルインデニル基、η5−2−tert−ブチルインデニル基、η5−3−tert−ブチルインデニル基、η5−4−tert−ブチルインデニル基、η5−5−tert−ブチルインデニル基、η5−6−tert−ブチルインデニル基、η5−7−tert−ブチルインデニル基、η5−2,3−ジメチルインデニル基、η5−4,7−ジメチルインデニル基、η5−2,4,7−トリメチルインデニル基、η5−2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、η5−4,5−ベンズインデニル基、η5−2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、η5−4−フェニルインデニル基、η5−2−メチル−5−フェニルインデニル基、η5−2−メチル−4−フェニルインデニル基、η5−2−メチル−4−ナフチルインデニル基、η5−フルオレニル基、η5−2,7−ジメチルフルオレニル基、η5−2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等が挙げられる。なお、本明細書においては、遷移金属化合物の名称については「η5−」を省略することがある。
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士は、それぞれ、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する架橋基を介して連結されていてもよい。かかる架橋基としては、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基;またはシリレン基、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基などの置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられる。
一般式[1]におけるX1は、ハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く)、または炭化水素オキシ基である。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ここでいう炭化水素基としてはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。ここでいう炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、炭化水素オキシ基としては、アルコキシ基、アラルキルオキシ基やアリールオキシ基等が挙げられる。
一般式[1]におけるaは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表し、M2の価数に応じて適宜選択される。M2がチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である場合、aは2であることが好ましく、bも2であることが好ましい。
メタロセン系錯体の具体例としては、
ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−tert−ブチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4,7−トリメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−5−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
などや、これらの化合物のチタンをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物、(2−フェノキシ)を(3−フェニル−2−フェノキシ)、(3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)、または(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ)に変更した化合物、ジメチルシリレンをメチレン、エチレン、ジメチルメチレン(イソプロピリデン)、ジフェニルメチレン、ジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、またはジメトキシシリレンに変更した化合物、ジクロライドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ(n−プロポキシド)、ジ(イソプロポキシド)、ジフェノキシド、またはジ(ペンタフルオロフェノキシド)に変更した化合物、トリクロライドをトリフルオライド、トリブロマイド、トリアイオダイド、トリメチル、トリエチル、トリイソプロピル、トリフェニル、トリベンジル、トリメトキシド、トリエトキシド、トリ(n−プロポキシド)、トリ(イソプロポキシド)、トリフェノキシド、またはトリ(ペンタフルオロフェノキシド)に変更した化合物などを例示することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、特に好適には、下記の助触媒成分(I)が担持されてなる助触媒担体(イ)と、アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有するメタロセン系錯体(ロ)と、有機アルミニウム化合物(ハ)とを接触させてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法をあげることができる。
助触媒担体(イ)とは、ジエチル亜鉛(成分(a))、フッ素化フェノール(成分(b))、水(成分(c))、無機微粒子状担体(成分(d))およびトリメチルジシラザン(((CH33Si)2NH)(成分(e))を接触させて得られる担体である。
成分(b)として好ましくは、3,4,5−トリフルオロフェノール、4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトールであり、より好ましくは3,4,5−トリフルオロフェノールである。
成分(d)の無機微粒子状担体としては、好ましくはシリカゲルである。
成分(a)、成分(b)、成分(c)の各成分の使用量は、各成分の使用量のモル比率を成分(a):成分(b):成分(c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記式を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1 (2)
z≧−2.5y+2.48 (3)
y<1 (4)
(上記式(2)〜(4)において、yおよびzは0よりも大きな数を表す。)
また、成分(a)に対して使用する成分(d)の量としては、成分(a)と成分(d)との接触により得られる粒子に含まれる成分(a)に由来する亜鉛原子が、得られる粒子1gに含まれる亜鉛原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。成分(d)に対して使用する成分(e)の量としては、成分(d)1gにつき成分(e)0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。
アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有するメタロセン系錯体(ロ)の金属原子としては、周期律表第IV属原子が好ましく、ジルコニウム、ハフニウムがより好ましい。また、配位子としては、インデニル基、メチルインデニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基が好ましく、架橋基としては、エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基が好ましい。更には、金属原子が有する残りの置換基としては、ジフェノキシ基やジアルコキシ基が好ましい。メタロセン系錯体(ロ)として好ましくは、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドをあげることができる。
有機アルミニウム化合物(ハ)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムトリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムなどがあげられ、好ましくはトリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムである。
メタロセン系錯体(ロ)の使用量は、助触媒担体(イ)1gに対し、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また有機アルミニウム化合物(ハ)の使用量として、好ましくは、メタロセン系錯体(ロ)の金属原子モル数に対する有機アルミニウム化合物(ハ)のアルミニウム原子のモル数の比(Al/M)で表して、1〜2000である。
上記の助触媒担体(イ)とメタロセン系錯体(ロ)と有機アルミニウム化合物(ハ)とを接触させてなる重合触媒においては、必要に応じて、助触媒担体(イ)とメタロセン系錯体(ロ)と有機アルミニウム化合物(ハ)とに、電子供与性化合物(ニ)を接触させてなる重合触媒としてもよい。該電子供与性化合物(ニ)として、好ましくはトリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミンをあげることができる。
得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布を大きくする観点からは、電子供与性化合物(ニ)を使用することが好ましく、電子供与性化合物(ニ)の使用量としては、有機アルミニウム化合物(ハ)のアルミニウム原子のモル数に対して、0.1mol%以上であることがより好ましく、1mol%以上であることが更に好ましい。なお、該使用量は、重合活性を高める観点から、好ましくは10mol%以下であり、より好ましくは5mol%以下である。
成分(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、微粒子状担体に助触媒成分(I)が担持されてなる固体助触媒成分を用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体触媒成分、例えば、固体助触媒成分とメタロセン系錯体と有機アルミニウム化合物とを用いて少量のオレフィンを重合して得られた予備重合固体触媒成分を、触媒成分または触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
予備重合固体触媒成分の製造方法としては、成形加工性を高める観点から、下記工程(1)、(2)および(3)を有する処理工程により、助触媒担体とメタロセン系錯体と有機アルミニウム化合物とを接触処理する方法が好ましい。
工程(1):メタロセン系錯体を含有する飽和脂肪族炭化水素化合物溶媒を40℃以上で熱処理する工程。
工程(2):工程(1)で熱処理してなる熱処理物と助触媒担体とを接触処理する工程。
工程(3):工程(2)で接触処理してなる接触処理物と有機アルミニウム化合物とを接触処理する工程。
工程(1)は、メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒を40℃以上で熱処理する工程である。メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒は、飽和炭化水素化合物溶媒中にメタロセン系錯体を投入する方法等により調製される。メタロセン系錯体は、通常、粉体、あるいは、飽和炭化水素化合物液のスラリーとして、投入される。
メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒の調製に用いられる飽和炭化水素化合物としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒の熱処理は、メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒の温度を、40℃以上の温度に調整すればよい。また、熱処理中は、溶媒を静置してもよく、溶媒を撹拌してもよい。該温度は、成形加工性を高める観点から、好ましくは45℃以上であり、より好ましくは50℃以上である。また、触媒活性を高める観点から、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは80℃以下である。熱処理の時間は、通常、0.5〜12時間である。該時間は、成形加工性を高める観点から、好ましくは1時間以上であり、より好ましくは2時間以上である。また、触媒性能の安定性から、好ましくは6時間以下であり、より好ましくは4時間以下である。
工程(2)は、上記工程(1)で熱処理してなる熱処理物(すなわち、メタロセン系錯体を含有する飽和炭化水素化合物溶媒)と、助触媒担体とを接触処理する工程である。接触処理では、熱処理物と助触媒担体とが接触すればよく、通常、熱処理物に助触媒担体を投入する方法、飽和炭化水素化合物中に、熱処理物と助触媒担体とを投入する方法が用いられる。また、助触媒担体は、通常、粉体、あるいは、飽和炭化水素化合物溶媒のスラリーとして、投入される。
工程(2)での接触処理の温度は、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは60℃以下であり、また好ましくは10℃以上であり、より好ましくは20℃以上である。接触処理の時間は、通常、0.1時間〜2時間である。
工程(3)は、上記工程(2)で接触処理してなる接触処理物(すなわち、工程(1)で熱処理してなる熱処理物と助触媒担体との接触処理物)と有機アルミニウム化合物とを接触処理する工程である。接触処理では、工程(2)で接触処理してなる接触処理物と有機アルミニウム化合物とが接触すればよく、通常、工程(2)で接触処理してなる接触処理物に有機アルミニウム化合物を投入する方法、飽和炭化水素化合物中に、工程(2)で接触処理してなる接触処理物と有機アルミニウム化合物とを投入する方法が用いられる。
工程(3)での接触処理の温度は、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは60℃以下である。また、予備重合の活性の発現を効率的に行う観点から、好ましくは10℃以上であり、より好ましくは20℃以上である。また、接触処理の時間は、通常、0.01時間〜0.5時間である。
工程(3)の接触処理は、オレフィンの存在下で行うことが好ましい。該オレフィンとしては、通常、予備重合での原料となるオレフィンが用いられる。オレフィンの量としては、助触媒担体1gあたり、0.05〜1gであることが好ましい。
上記の工程(1)〜(3)は、飽和炭化水素化合物と助触媒担体とメタロセン系錯体と有機アルミニウム化合物とを、予備重合反応器に、別々に投入することにより、全工程を予備重合反応器内で行ってもよく、工程(2)および(3)を予備重合反応器内で行ってもよく、また、工程(3)を予備重合反応器内で行ってもよい。
予備重合は、上記工程(1)、(2)および(3)を有する処理工程により、助触媒担体とメタロセン系錯体と有機アルミニウム化合物とを接触処理されてなる接触処理物の存在下、オレフィンを予備重合(少量のオレフィンを重合)するものである。該予備重合は、通常、スラリー重合法で行われ、該予備重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれの方式を用いてもよい。更には、該予備重合は、水素等の連鎖移動剤を添加して行ってもよい。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの助触媒担体の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよいが、予備重合を開始する温度は、45℃以下とすることが好ましく、40℃以下とすることが好ましい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
予備重合に用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。
予備重合触媒成分中の予備重合された重合体の含有量は、助触媒担体1g当たり、通常0.01〜1000gであり、好ましくは0.05〜500gであり、より好ましくは0.1〜200gである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、気相重合法が好ましく、連続気相重合法がより好ましい。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
予備重合された予備重合固体触媒成分をエチレン−α−オレフィン共重合体の粒子の形成を伴う連続重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の気相重合の重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。さらに好ましくは90℃よりも低温の具体的には70℃〜87℃の範囲である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加してもよい。そして、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。なお、予備重合固体触媒成分を用いる場合、適宜、有機アルミニウム化合物等の助触媒成分を用いてもよい。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層を有する。該層は、樹脂成分としてエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のみを含んでいてもよいし、さらに他の樹脂を含んでいてもよい。
他の樹脂を含む好ましい例として、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)と、エチレンに基づく単量体単位と酢酸ビニルに基づく単量体単位とを含むエチレン・酢酸ビニル共重合体であって、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であり、酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量が3〜20wt%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)とを含有する樹脂組成物からなる層を含むフードストレッチ用チューブ状フィルムが挙げられる。このようなフィルムは、高い伸長回復力を保持したまま、さらに伸長回復率にも優れるものである。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)は、エチレンに基づく単量体単位と、酢酸ビニルに基づく単量体単位とを含むエチレン・酢酸ビニル共重合体であって、該エチレン・酢酸ビニル共重合体重量を100%としたときの酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量が3〜20wt%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体である。エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)における酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量は、フィルムの柔軟性、および伸長回復率を高める観点から、好ましくは10wt%以上であり、さらに好ましくは15wt%以上である。エチレン・酢酸ビニル共重合体に含まれる酢酸ビニルに基づく単量体単位の量が20%を超える場合には、フィルムの粘着性が高くなり、貨物を結束する時の作業性に劣る傾向がある。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は、加工性、フィルム強度、伸長回復力の観点から0.1〜10g/10分であり、好ましくは2g/10分以下であり、さらに好ましくは0.5g/10分以下である。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に従い、温度190℃および荷重21.18Nの条件でA法により測定される。エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)は、エチレンと酢酸ビニルとを、公知のオレフィン重合用触媒を用いて公知の重合方法で重合することにより製造される。例えば、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等があげられる。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)を含有する樹脂組成物からなる層を有する。該樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)の量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)の合計量を100重量%として、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が25〜100重量%であり、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)の含有量が75〜0重量%である。より優れた伸長回復率を得るため、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が25〜75重量%であり、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)の含有量が75〜25重量%である。
他の樹脂を含む好ましい他の例として、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)と、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とを含有する樹脂組成物からなる層を含むフードストレッチ用チューブ状フィルムが挙げられる。このようなフィルムは、高い伸長回復力を保持したまま、さらに伸長回復率にも優れるものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、公知のオレフィン重合用触媒を用いてエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体であり、該エチレン−α−オレフィン共重合体として、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99重量%である。炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常1〜50重量%である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の密度は、通常、900〜950kg/m3である。該密度は、フィルムの柔軟性、および伸長回復率を高める観点から、好ましくは930kg/m3未満であり、さらに好ましくは920kg/m3未満である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレート(MFR)は、加工性、フィルム強度、伸長回復力の観点から通常0.1〜10g/10分であり、好ましくは4g/10分以下であり、さらに好ましくは2g/10分以下である。なお、該MFRは、JIS K7210−1995に従い、温度190℃および荷重21.18Nの条件でA法により測定される。エチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、公知の重合方法で重合することにより製造される。例えば、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法、高圧イオン重合法等があげられる。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(C)を含有する樹脂組成物からなる層を有する。該樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)の量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(C)の合計量を100重量%として、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が50〜100重量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の含有量が50〜0重量%である。より優れた伸長回復力を得るため、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が25〜50重量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の含有量が50〜25重量%である。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムにおけるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層の厚みは、フィルム強度の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。また、フィルムの被覆作業性などの観点から、0.3mm以下が好ましく、0.03〜0.25mmの範囲がより好ましい。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、成分(A)以外のポリエチレンやポリブテン等の樹脂を含んでいてもよい。
上記の酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジアルキルフェノール誘導体や2−アルキルフェノール誘導体などのいわゆるヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物、フォスフォナイト系化合物などの3価のリン原子を含むリン系エステル化合物が挙げられる。これら酸化防止剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に色相安定化の観点から、ヒンダードフェノール系化合物とリン系エステル化合物を併用して用いることが好ましい。また酸化防止剤は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層の重量を100%とするとき、0.01〜1重量%含まれることが好ましく、0.03〜0.5重量%含有されることがより好ましい。
上記の光安定剤としては、例えば、特開平8−73667号公報に記載の構造を有するヒンダードアミン系化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ944−LD(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sanduvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソーブUV3529、サイヤソーブUV3346(以上サイテック社製)などが挙げられる。さらには、特開平11−315067号公報に記載の構造を有する立体障害性アミンエーテル化合物が挙げられ、具体的には、商品名チヌビンNOR371(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層に含まれる光安定剤の量は、該層の重量を100%とするとき、0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜2重量%がより好ましく、特に0.1〜1重量%が好ましい。
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層に含まれる紫外線吸収剤の量は、耐候性付与効果とフィルム表面へのブリード抑制の観点から、該層の重量を100%とするとき、0.01〜3重量%が好ましく、0.03〜2重量%がより好ましい。
上記の滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;オレイルアミド、エルシルアミド、リシノールアミド、ベヘンアミド等の脂肪酸アミド;高級脂肪酸のグリセリンエステル;ソルビタンエステル、n−ブチルステアレート等の脂肪酸エステル等を使用することができる。
上記のアンチブロッキング剤としては、乾式シリカ、湿式シリカ等の合成シリカ;珪藻土等の天然シリカ;シリコン樹脂;ポリメチルメタアクリレート等を使用することができる。
本発明のフードストレッチ用チューブフィルムを製造する方法としては、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)、さらに必要に応じて配合される成分(上記添加剤や他の樹脂など)を、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合した後、公知のフィルム成形方法により成形する方法や、前記各成分をタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合した後、更に単軸押出機や多軸押出機などで溶融混練すること、またはニーダーやバンバリーミキサーなどで溶融混練することにより得られる混練物を、公知のフィルム成形方法により成形する方法が挙げられる。
公知のフィルム成形方法としては、例えば、インフレーションフィルム成形法、Tダイキャストフィルム成形法等が挙げられるが、本発明がチューブ状フィルムであるため、インフレーションフィルム成形法が好適である。しかしながら、Tダイキャスト成形後、両端を熱シールなどの方法により張り合わせ、チューブ状フィルムにすることもできる。押出成形温度は、用いる押出成形法の種類にもよるが、通常、110〜250℃である。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含む層を2層以上有していてもよく、また前記層とは異なる層を有していてもよい。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは伸長回復率、伸長回復力に優れる。具体的には、フィルム製造時の引き取り方向(以下MD方向と記す)のフィルムの伸長回復力が7.0MPa以上、その寸法の伸長回復率が80%以上であり、且つフィルム製膜方向と垂直な方向(以下TD方向と記す)のフィルムの伸長回復力が5.0MPa以上、その寸法の伸長回復率が80%以上であることが好ましく、より安全に貨物を結束するため、伸長回復率は90%以上であることがより好ましい。
フィルムのMD方向の伸長回復率が80%以上であると、パレット上に貨物をのせたものの上に被せた場合、MD方向に貨物をパレットとともに結束できる寸法まで十分に復元させることができる。
フィルムのMD方向の伸長回復率が80%以上であり、かつ、伸長回復力が7.0MPa以上である場合には、重量貨物をパレットとともに結束した場合に、重量貨物をパレットに十分に固定することができる。
フィルムのTD方向の伸長回復率が80%以上であると、重量貨物を載せたパレットの運搬中や保管中、フィルムと重量貨物の間に隙間が生じにくく、横方向に力を受けても荷崩れを起こしにくい。
TD方向の伸長回復率が80%以上であり、かつ、伸長回復力が5.0MPa以上である場合には、結束した重量貨物同士を密に固定することができるため、運搬中や保管中等に荷崩れを起こしにくい。
本発明のフードストレッチ用チューブ状フィルムは、伸長回復性、伸長回復力に優れ、且つ機械強度に優れるものである。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例の物性は、次の方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K 7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
(2)密度(単位:Kg/m3
JIS K 7112−1995のうち、A法に規定された方法に従って、測定した。なお、試料には、JIS K 6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(3)分子量分布(Mw/Mn、単位:−)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(9)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
測定条件
(1)装置:Waters社製 150CV ALC/GPC
(2)分離カラム:昭和電工社製Shodex GPC AT−806MS
(3)温度 :140℃
(4)溶媒 :o−ジクロロベンゼン
(5)溶出溶媒流速:1.0ml/分
(6)試料濃度:1mg/ml
(7)測定注入量:400μl
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製;分子量=6000000〜500)
(9)検出器:示差屈折
(4)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
(5)融点(Tm、単位:℃)
熱プレスにより作成した厚さ約0.5mmのシートから、約10mgの試片を切り出したものを測定用サンプルとし、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7)を用いて測定した。測定では、測定用サンプルを、150℃で5分間保持した後、1℃/分で40℃まで降温し、次に40℃で5分間保持した後、10℃/分の速度で150℃まで昇温した。40℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温した際に得られる融解曲線の融解ピークから融点を求めた。
[フィルムの物性]
(6)引張破断強度(単位:MPa)
製膜したフィルムから、JIS K 6781 6.4記載の引張切断荷重測定用サンプル採取法に従って、長手方向が、夫々、引取り方向(MD)およびMD方向に対して直交する方向(TD)となる試験片を作成し、該試験片を用いて、チャック間80mm、標線間40mm、引張速度500mm/minの条件で引張試験を行い、引張破断強度を求めた。この値が高いほどフィルム強度に優れることを示す。
(7)伸長回復力(単位:MPa)
製膜したフィルムから、長手方向が、夫々、引取り方向(MD)およびMD方向に対して直交する方向(TD)となる巾20mm、長さ140mmの試験片を作成し、該試験片を用いて、常温下で、チャック間100mm、標線間40mm、引張速度200mm/minの条件で1.6倍延伸し、そのまま5分間保持した。5分後の張力を伸長回復力とした。
(8)伸長回復率(単位:%)
伸長回復力測定後、荷重を開放した後の標線間距離(L)を測定し、伸長回復率を次式により算出した。
伸長回復率(%)=(1−(L−40)/40)×100
[実施例1]
(1)助触媒担体の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)3.46kgとヘキサン2.05kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール1.55kgとトルエン2.88kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、5℃に冷却し、H2O0.221kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体成分(以下、助触媒担体(a)と称する。)を得た。
(2)予備重合触媒成分(1)の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド144mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次に上記助触媒担体(a)0.5kgを投入し、オートクレーブを31℃まで降温して系内が安定した後、エチレンを0.1kg、水素を0.1リットル(常温常圧体積)仕込み、続いてトリイソブチルアルミニウム207mmolを投入して重合を開始した。エチレンと水素をそれぞれ0.6kg/Hrと0.5リットル(常温常圧体積)で連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.6kg/Hrと10.9リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素などをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体(a)1g当り37gのポリエチレンを含有する予備重合触媒成分(1)を得た。
(3)エチレン−1−ヘキセン共重合体の製造
上記の予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を実施した。重合条件は、温度80℃、全圧2MPa、エチレンに対する水素のモル比は1.48%、エチレンに対する1−ヘキセンのモル比は1.70%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間4hrとなるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、20.3kg/hrの重合効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、PE−1と称する。)のパウダーを得た。
(4)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダーの造粒
上記で得たPE−1のパウダーを、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)により、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、PE−1のペレットを得た。PE−1のペレットの評価結果を表1に示す。
(5)フィルム加工
上記で得たPE−1のペレットを、プラコー(株)製50mmφインフレ加工機により160℃でフィルム加工し、厚み100μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[実施例2]
PE−1のペレット75重量%と、市販のエチレン・酢酸ビニル共重合体(住友化学株式会社製 エバテート H2020[MFR=1.5g/10分、酢酸ビニル含量15重量%:以下、EVA−1とする。EVA−1の基本物性を表1に示した。]のペレット25重量%とを混合したものを、プラコー(株)製50mmφインフレ加工機により160℃でフィルム加工し、厚み100μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[実施例3]
インフレーションフィルム加工において、PE−1のペレットを50重量%、EVA−1ペレットを50重量%とした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
[実施例4]
インフレーションフィルム加工において、PE−1のペレットを25重量%、EVA−1ペレットを75重量%とした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
[実施例5]
インフレーションフィルム加工において、PE−1のペレット50重量%と、市販のメタロセン系線状低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製 スミカセンE FV203[MFR=2g/10分、密度=912kg/m3、分子量分布=2.0、流動の活性化エネルギー=30.0kJ/mol、融点=115℃]:以下、LL−1とする。LL−1の基本物性を表1に示した。)のペレット50重量%となるようにこれらを混合したものを、プラコー(株)製50mmφインフレ加工機により160℃でフィルム加工し、厚み100μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
[比較例1]
インフレーションフィルム加工において、PE−1のペレットを0重量%、EVA−1のペレットを100重量%となるようにした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[比較例2]
市販のエチレン・酢酸ビニル共重合体(住友化学株式会社製 エバテート D2011[MFR=2g/10分、酢酸ビニル含量5重量%:以下、EVA−2とする。EVA−2の基本物性を表1に示した。]のペレットを用いて、プラコー(株)製50mmφインフレ加工機により160℃でフィルム加工し、厚み100μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[比較例3]
LL−1のペレットを用いて、プラコー(株)製50mmφインフレ加工機により160℃でフィルム加工し、厚み100μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[比較例4]
インフレーションフィルム加工において、LL−1のペレットを75重量%、EVA−1ペレットを25重量%となるようにした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[比較例5]
インフレーションフィルム加工において、LL−1のペレットを50重量%、EVA−1ペレットを50重量%となるようにした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[比較例6]
インフレーションフィルム加工において、LL−1のペレットを25重量%、EVA−1ペレットを75重量%となるようにした以外は実施例2と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
Figure 2010254963
Figure 2010254963
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Claims (3)

  1. エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルム。
  2. エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を25〜100重量%と、
    エチレンに基づく単量体単位と、酢酸ビニルに基づく単量体単位とを含むエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)であって、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であり、酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量が3〜20wt%である(ただし(B)の重量を100%とする)エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)を0〜75重量%含有する樹脂組成物からなる層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルム(ただし(A)と(B)の合計量を100重量%とする)。
  3. エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol以上であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を50〜100重量%と、
    エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギー(Ea)が35kJ/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)を0〜50重量%含有する樹脂組成物からなる層を有するフードストレッチ用チューブ状フィルム(ただし(A)と(C)の合計量を100重量%とする)。
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