JP3137604B2 - 通気性フィルムの製造方法 - Google Patents

通気性フィルムの製造方法

Info

Publication number
JP3137604B2
JP3137604B2 JP10114453A JP11445398A JP3137604B2 JP 3137604 B2 JP3137604 B2 JP 3137604B2 JP 10114453 A JP10114453 A JP 10114453A JP 11445398 A JP11445398 A JP 11445398A JP 3137604 B2 JP3137604 B2 JP 3137604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
film
less
component
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10114453A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10251425A (ja
Inventor
孝二 山本
昇一 森
哲彦 橋本
日出生 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27311634&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3137604(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10114453A priority Critical patent/JP3137604B2/ja
Publication of JPH10251425A publication Critical patent/JPH10251425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3137604B2 publication Critical patent/JP3137604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた引張強度、
外観、風合い及び耐引裂強度を有する通気性フィルムの
製造方法及びその方法により製造された衛生材料用フィ
ルム及び建材用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂と無機フィラーとの組
成物からなるフィルム等を一軸又は二軸方向に延伸し
て、連通(貫通)したボイドを持った通気性フィルムは
既に知られているが、これらフィルムは、薄肉かつ低延
伸倍率で製造する場合、局部的なネッキングにより、厚
みが不均一となってムラが発生し易く、著しく商品価値
を損なうことが知られている。このため、例えば、特開
昭62−18435号公報等に公知の第三添加物を添加
した組成物が提案されており、この組成物を用いたフィ
ルムは、使い捨て紙おむつ等の衛生材料への用途に使わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
樹脂組成物は、上記の欠点を補うには有効であるが、成
形時の延伸性及び薄肉化した場合のフィルムの引裂強度
が劣るという欠点を有している。本発明は、これ等の欠
点を解消した通気性フィルムの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(a)線
型エチレン共重合体と(b)無機フィラー及び(c)脂
肪酸エステルからなる、上記目的が達成されて諸物性の
バランスが良好な通気性フィルムを得て、本発明を完成
した。
【0005】すなわち、本発明は、(a)エチレンと炭
素数6以上のα−オレフィン又はジオレフィンの共単量
体を1〜20重量%含有する線型エチレン共重合体20
〜80重量%、(b)無機フィラー80〜20重量%、
及び(c)炭素数9〜40の飽和又は不飽和の脂肪酸エ
ステルを、(a)成分と(b)成分の合計100重量部
に対して0.1〜15重量部を配合した樹脂組成物を、
フィルム状に成形した後、延伸することを特徴とする、
ASTM D1922−61Tによる縦方向の引裂強度
が10g以上、ASTM D882−67による引張強
度(TD破断点)が700g/15mm幅以上、JIS Z
0208−1973による透湿度が5,100g/m2
24hr以上であり、優れた外観、風合いを有する通気性
フィルムの製造方法である。
【0006】本発明の通気性フィルムを製造するのに好
適な(a)成分の線型エチレン共重合体は、密度0.9
45g/cm3 以下、メルトフローレート0.1〜20g/1
0分、共単量体含量2〜15重量%で、沸騰ノルマルヘ
キサン抽出量が15重量%以下の線型低密度ポリエチレ
ン(L−LDPE)であり、より好ましくは、密度0.
935g/cm3 以下、メルトフローレート0.1〜10g/
10分、共単量体含量2〜10重量%で、沸騰ノルマル
ヘキサン抽出量が10重量%以下のL−LDPEであ
る。
【0007】また、更により好ましくは、密度0.91
0〜0.935g/cm3 、メルトフローレート0.3〜1
0g/10分、共単量体含量3〜10重量%で、沸騰ノル
マルヘキサン抽出量が8.5重量%以下のL−LDPE
であり、最も好ましいものは、密度0.920〜0.9
30g/cm3 、メルトフローレート0.5〜3g/10分、
共単量体含量3〜10重量%で、沸騰ノルマルヘキサン
抽出量が5重量%以下のL−LDPEである。
【0008】ここで、密度の測定はJIS K 6760-1971 に
準拠し、また、メルトフローレートの測定はASTM
D1238(190℃)に準拠し、更に、共単量体含量
は赤外線分光分析法により測定した。沸騰ノルマルヘキ
サン抽出量の測定は、後述の実施例中に記載した方法に
よった。
【0009】密度が上記範囲を下回るL−LDPEは、
延伸フィルムの通気性及び耐ブロッキング性の低下が大
きく、逆に上記範囲を上回るものは、延伸フィルムの引
張強度、引裂強度及び風合いが悪化する。
【0010】また、メルトフローレートが、上記範囲を
下回るものは成形加工性が悪く、逆に上回るものは成形
加工性及び延伸フィルムの強度が低下する。
【0011】また、共単量体含量が上記範囲をはずれる
ものは、延伸フィルムの強度及び剛性の点で好ましくな
い。
【0012】また、沸騰ノルマルヘキサン抽出量が上記
範囲を上回るものは、延伸フィルムの通気性及び耐ブロ
ッキング性の低下が大きい。
【0013】また、共単量体としては、炭素数6以上、
好ましくは6〜24のα−オレフィン又はジオレフィン
が用いられる。これら共単量体の代りに炭素数5以下の
α−オレフィン又はジオレフィンを用いると、フィルム
製造時の延伸性及び延伸フィルムの引張強度、引裂強度
が劣るという欠点を有する。更に、フローレシオ(測定
法は実施例中に記載した)が6〜10であるものが、延
伸フィルムの引張強度及び引裂強度の点で好ましい。
【0014】このような共重合体は、エチレンに、共単
量体として、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、ヘキサデセ
ン−1、ドコセン−1、1,5−ヘキサジエン、1,7
−オクタジエン、1,9−デカジエン等の1種又は2種
以上を共重合させて得られるものである。また、エチレ
ンに2種以上の共単量体を共重合させる場合には、それ
らの共単量体の一部として、プロピレン、ブテン−1、
1,3−ブタジエン等の炭素数5以下のα−オレフィン
又はジオレフィンを、本発明の効果を著しく損なわない
量で使用することができる。
【0015】共重合体の製造法としては、圧力5〜2,
500kg/cm2、温度50〜300℃の条件下でチーグラ
ー型、バナジウム型又はカミンスキー型等の触媒を用
い、エチレンと上記α−オレフィンを共重合させる。例
えば、特公昭56−18132号公報等に記載された方
法が知られている。
【0016】本願発明おいて、得られる延伸フィルムの
引裂強度MDとフィルム外観を特に良好にするには、顆
粒状又は粉体状の線型エチレン共重合体を用いるのが好
ましく、特に、平均粒径が0.001〜0.7mm、好ま
しくは0.01〜0.6mmで、粒径分布が1.68mm以
下が70重量%以上、0.84mm以下が50重量%以上
及び0.21mm以下が1.5重量%以上、より好ましく
は1.68mm以下が70重量%以上、0.84mm以下が
50重量%以上及び0.21mm以下が10重量%以上の
顆粒状又は粉体状の線型エチレン共重合体を用いるのが
好ましい。
【0017】ここで、平均粒径と粒径分布の測定法は次
の通りである。
【0018】<平均粒径・粒径分布測定法> (i)定義 線型エチレン共重合体を、各種サイズの規格篩を用いて
粒径分別し、その重量分布をもって粒径分布とする。
【0019】また、粒径分別された篩サイズ別重量パー
セントを用いて算出される荷重平均篩サイズを持って平
均粒径とする。
【0020】(ii)装置・器具 1)振とう機 2)標準篩 JIS Z 8801に準拠(3.5、1
0.5、20、32、48、70、145、200、3
50各メッシュ篩及び受け器) 3)上皿天秤
【0021】(iii)試験方法 1)使用する標準篩及び受け器を毛ブラシで清掃後、エ
アーブローにて清掃する。 2)篩及び受け器の重量を測定する(w1) 。各篩は受
け器を底に目開きの細かいものより順に組み上げる。 3)試料100g±5gを上皿天秤にて秤取り(w
2)、試料を最上段より入れる。 4)篩を振とう機に固定し、15分間振とうする。 5)篩を取り出し、試料の入った各篩及び受け器の重量
を求める(w)。
【0022】(iv)計算方法 1)粒径分布 各篩の分別物の重量パーセントを次式より求める。 W=〔(w−w1)/w2〕×100 ここで、W;各篩の分別物の重量パーセント(wt%) w:振とう後の試料を含めた各篩及び受け器の重量
(g) w1:各篩及び受け器の重量(g) w2:試料の全重量(g) 2)平均粒径 各篩の分別物の重量パーセントを用い次式より平均粒径
を求める。 D=Σ(Wn×dn)/100 ここで、D;試料の平均粒径(mm) Wn:各篩の分別物の重量パーセント(wt%) dn:各篩の目開きの大きさ(mm)
【0023】また、線型エチレン共重合体を構成する共
単量体として、直鎖状のα−オレフィン又は直鎖状のジ
オレフィンを用いた場合は、非直鎖状のα−オレフィン
又は非直鎖状のジオレフィンを用いた場合に比べて、得
られる延伸フィルムの引裂強度MDが著しく大きく、好
ましいものである。
【0024】本発明フィルムを製造するのに好適な
(b)成分は、平均粒径10μm 以下、好ましくは0.
1〜5μm 、より好ましくは0.5〜2μm の粒状無機
フィラーで、かさ密度が0.1〜0.7g/cm3 、好まし
くは0.2〜0.6g/cm3 、より好ましくは0.3〜
0.5g/cm3 のものである。ここで、平均粒径を求める
には、空気透過法により比表面積を測定し、次式により
算出する。 dm:平均粒子径(μm) dm=60,000/(ρ・Sw) ρ:粉体の真比重(g/cm3) Sw:粉体の比表面積(cm2/g)
【0025】比表面積の測定装置としては、例えば、島
津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いることが
でき、Kozeny-Carman の式を適用して比表面積を求め
る。
【0026】また、かさ密度の測定法は、JIS K
5101に準拠した。
【0027】平均粒径が上記範囲より大きいものは、延
伸フィルムの外観を阻害し、また厚さが100μm 以下
の薄い延伸フィルムを製造する場合において、穴あき、
延伸ムラ等が発生し、安定した延伸性が損なわれる。か
さ密度が、上記範囲を下回ると延伸フィルムの通気性が
低下し、逆に上回ると引張強度が損なわれる。「粒状」
とは、球状、方形状又はこれに近い形状をしたもので、
針状、棒状又は板状でないものをいう。無機フィラーの
形状が、針状、棒状又は板状では延伸フィルムに満足な
ミクロボイドを付与できない。
【0028】このような無機フィラーとしては、炭酸カ
ルシウム、酸化カルシウム、ゼオライト、非晶性アルミ
ノシリケート、クレー、合成シリカ、酸化チタン、アル
ミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等であり、中でも炭酸カルシウム、ゼオライト、
非晶性アルミノシリケート、硫酸バリウム、合成シリ
カ、水酸化マグネシウム等が好ましく、特に炭酸カルシ
ウム及び硫酸バリウムが好ましい。これらは単独又は2
種以上を混合して用いることができる。無機フィラー
(b)の含水量は3,000ppm 以下であり、1,00
0ppm 以下のものが好ましい。含水量がこれを上回ると
発泡現象が起こり易く、安定したフィルム成形が難しく
なったり、色相不良やフィルム等の外観不良が発生した
り、フィラーが二次凝集し易くなり、これによって、更
に外観不良、延伸不良が起こり易くなる傾向となる。
【0029】本発明のフィルムを製造するのに好適な
(c)成分は、炭素数9〜40の飽和又は不飽和の脂肪
酸エステルであり、不飽和脂肪酸エステルの具体例とし
ては、(ポリ)エチレングリコールオレエート、(ポ
リ)プロピレングリコールオレエート、グリセリルオレ
エート、ソルビタンオレエート、(ポリ)エチレングリ
コールソルビタンオレエート、ブチルオレエート、ピナ
コールオレエート、m−クレゾールオレエート、ペンタ
エリストールオレエート、グリセリルリノレネート、グ
リセリルリシノレート、メチルリシノレート、エチルリ
シノレート、ブチルリシノレート、メチルアセチルリシ
ノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチ
ルリシノレート、(ポリ)エチレングリコールリシノレ
ート、グリセリルアセチルリシノレート、グリセリルエ
ルシエート等を挙げることができる。中でも、グリセリ
ルヒドロキシ脂肪酸エステルが良く、特にグリセリルリ
シノレートが好ましい。
【0030】また、飽和エステルの具体例としては、
(ポリ)エチレングリコールラウレート、(ポリ)プロ
ピレングリコールラウレート、グリセリルラウレート、
ソルビタンラウレート、(ポリ)エチレングリコールソ
ルビタンラウレート、グリセリルミリステート、グリセ
リルパルミテート、ブチルステアレート、エチレングリ
コールステアレート、プロピレングリコールステアレー
ト、ピナコールステアレート、m−クレゾールステアレ
ート、(ポリ)エチレングリコールステアレート、(ポ
リ)プロピレングリコールステアレート、グリセリルス
テアレート、ペンタエリスリトールステアレート、ソル
ビタンステアレート、(ポリ)エチレングリコールソル
ビタンステアレート、メチルヒドロキシステアレート、
エチルヒドロキシステアレート、
【0031】ブチルヒドロキシステアレート、メチルア
セチルヒドロキシステアレート、エチルアセチルヒドキ
システアレート、ブチルアセチルヒドロキシステアレー
ト、エチレングリコールヒドロキシステアレート、プロ
ピレングリコールヒドロキシステアレート、ピナコール
ヒドロキシステアテート、m−クレゾールヒドロキシス
テアレート、(ポリ)エチレングリコールヒドロキシス
テアレート、(ポリ)プロピレングリコールヒドロキシ
ステアレート、ペンタエリスリトールヒドロキシステア
レート、ソルビタンヒドロキシステアレート、エチレン
グリコールソルビタンヒドロキシステアレート、グリセ
リルヒドロキシステアレート、グリセリルアセチルヒド
ロキシステアレート等を挙げることができる。
【0032】中でもエチレングリコールヒドロキシステ
アレート、プロピレングリコールヒドロキシステアレー
ト、ピナコールヒドロキシステアレート、m−クレゾー
ルヒドロキシステアレート、(ポリ)エチレングリコー
ルヒドロキシステアレート、(ポリ)プロピレングリコ
ールヒドロキシステアレート、ペンタエリスリトールヒ
ドロキシステアレート、ソルビタンヒドロキシステアレ
ート、エチレングリコールソルビタンヒドロキシステア
レート、グリセリルヒドロキシステアレート、グリセリ
ルアセチルヒドロキシステアレート等のグリセリルヒド
ロキシ飽和脂肪酸エステルが好ましい。最も好ましいの
はグリセリルヒドロキシステアレート、特にグリセリル
−12−ヒドロキシステアレートである。
【0033】脂肪酸エステルとして飽和エステルを使用
した場合は、不飽和エステルを使用した場合に比べて、
成形時の発煙が殆どなく、かつ、得られた延伸フィルム
が無臭性に優れる点でより好ましい。
【0034】これらの(a)、(b)及び(c)各成分
の配合割合は、(a)成分と(b)成分については、
(a)成分と(b)成分の合計量を基準として(a)成
分20〜80重量%と(b)成分80〜20重量%であ
り、好ましくは(a)成分30〜70重量%と(b)成
分70〜30重量%、より好ましくは(a)成分35〜
60重量%と(b)成分65〜40重量%である。この
(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対し、
(c)成分は0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜
7重量部、より好ましくは1〜5重量部の配合割合であ
る。
【0035】(b)成分が上記範囲を下回ると、延伸フ
ィルムの通気性及び風合いが低下し、逆に上記範囲を上
回ると、フィルム製造時の延伸性、又は延伸フィルムの
引張強度及び引裂強度が低下し、商品価値を著しく損な
うといった欠点を生じる。
【0036】(c)成分が上記範囲を下回ると、延伸フ
ィルムを薄肉かつ低延伸倍率で製造する場合、局部的な
ネッキングにより、厚みが不均一となってムラが発生
し、著しく商品価値を損ない、逆に上記範囲を上回る
と、成形加工性が低下し、延伸フィルムの通気性、耐ブ
ロッキング性が低下し好ましくない。
【0037】延伸フィルムの引張強度、通気性、外観、
風合い、延伸性、引裂強度のバランスを特に良好にさせ
るには、好ましくは、(a)成分として前述の顆粒状又
は粉体状のものを使用し、(a)成分と(b)成分とを
ヘンシェルミキサー等のブレンダーで良く混合し、この
混合物に(c)成分を更に添加して混合したものを二軸
混練押出機、バンバリーミキサー又はニーダー等で溶融
混練後、ペレット化するといった順序で製造した組成物
を使用することが望ましい。
【0038】本発明においては、組成物に通常使用され
る酸化防止剤、安定剤、分散剤、滑剤、アンチブロッキ
ング剤、顔料、防曇剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、核剤等の添加剤を配合してもよい。
【0039】また、エチレンと炭素数5以下のα−オレ
フィン又はジオレフィンとの共重合体、高圧法低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の、線型エ
チレン共重合体(a)以外の樹脂やゴム成分を本発明の
効果を著しく損なわない範囲でブレンドしてもよい。
【0040】本発明では、上記組成物をTダイ成形、イ
ンフレーション成形等によりフィルム、シート又はテー
プ等のフィルム状に成形した後、これを通常の延伸温度
で、一軸又は二軸方向に延伸して、衛生材料用フィル
ム、建材用フィルムのような通気性フィルムを製造す
る。この延伸方法は、従来より知られた方法で良く、具
体的には、一軸延伸ではフラット状でのロール延伸、オ
ーブン延伸又はチューブ状延伸等、また二軸延伸ではフ
ラット状でのテンター延伸、チューブ状でのインフレー
ション延伸、マンドレル延伸等の方法がある。なお、延
伸倍率は、1.2〜6.0倍、好ましくは1.2〜4.
0倍が適している。
【0041】得られたフィルムの厚さは、5〜300μ
m 、好ましくは10〜50μm が実用的である。
【0042】このようにして得られたフィルムは、AS
TM D1922−61Tによる引裂強度MDが10g
以上であり、好ましくは15g以上、特に好ましくは2
0g以上である。引裂強度MDがこの範囲未満のフィル
ムでは、本発明が目的とする用途への満足な適用ができ
なくなる。また、ASTM D882−67による引張
強度(TD破断点)が700g/15mm幅以上であり、J
IS Z0308−1973による透湿度が5,100
g/m2・24hr以上であり、外観、風合いが優れたもので
ある。
【0043】
【発明の効果】本発明の通気性フィルムは、フィルム製
造時の延伸性が良好で、特に引裂強度が優れており、引
張強度、通気性、外観、風合いがバランスしたものであ
る。そのため、紙おむつ、生理用品、医療用着衣等の衛
生材料用や、結露防止材等の建材用として有用である。
【0044】なお、(c)成分として飽和脂肪酸エステ
ルを使用したときは、成形時の発煙が殆どなく、得られ
たフィルムは無臭性が優れたものである。
【0045】
【実施例】
実施例1〜3及び比較例1〜6 第1表に示した(a)成分相当のエチレン共重合体、
(b)成分の無機フィラー及び(c)成分の脂肪酸エス
テルを用いて、先ず、(a)及び(b)成分をヘンシェ
ルミキサーで混合し、これに(c)成分を添加・混合し
て、二軸混練押出機(スクリュー径65mm)を用い、温
度200℃で押出して、それぞれの組成物のペレットを
得た。なお、比較例6は(a)成分相当品として、高圧
ラジカル重合法によるポリエチレンを用いた。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】これらの組成物を、次の方法でフィルムに
加工した。組成物を押出機(スクリュー径50mm、L/
D24)及びTダイ(300mm幅、リップ幅1.2mm)
を用い、230℃でフィルムに押出し、これを短区間熱
延伸ロールにより、延伸温度85℃、延伸倍率3倍で一
軸延伸して、厚み30μmの通気性フィルムを製造し
た。
【0049】このようにして得たフィルムの品質を以下
の項目について評価した。測定法は次のとおりである。
評価結果を第2表に示した。
【0050】なお、メルトフローレート(MFR)は、
ASTM D1238(190℃)により、またフロー
レシオ(FR)は、JIS K 7210−1975
(190℃)により、メルトインデクサーを用い、次の
式に基づいて求めた。 FR=(荷重10kgでのMFR)/(荷重2.16kgで
のMFR)
【0051】また、フィラーの平均粒径は、コールター
カウンター法(分散方法は、28KC超音波5分間、
0.01%ヘキサメタリン酸ナトリウムによる)にて求
めた数値である。
【0052】 沸騰ノルマルヘキサン抽出量 空冷インフレーション成形によって、200℃でフィル
ム厚み30μm に押し出したフィルム5gを、円筒ろ紙
に入れた後、200mlノルマルヘキサンを注入したソッ
クスレー抽出装置で、沸点にて8時間抽出を行う。この
円筒ろ紙を真空乾燥機で60分間乾燥した後、その減量
を測定する。
【0053】 延伸性 最高倍率 組成物を押出機(スクリュー径50mm、L/D24)及
びTダイ(300mm幅、リップ幅1.2mm)を用いて2
30℃でフィルムに押出し、これを短区間熱延伸ロール
で、延伸温度85℃にて一軸延伸し、フィルムが切れる
最大の延伸倍率を測定する。
【0054】 引張強度 ASTM D882−67に準拠して測定。
【0055】 透湿度 JIS Z 0208−1973に準拠して測定。
【0056】 引裂強度MD ASTM D1922−61Tに準拠して測定。
【0057】 臭気 成膜したフィルムを裁断して30gを三角フラスコに取
り、これを官能テストで評価した。 A:殆ど臭気なし B:若干臭う C:臭う
【0058】 発煙 フィルム成形時の発煙の有無を評価した。
【0059】 フィルム外観試験 成膜したフィルム表面の外観異常(すじ、むら、ぶつ
等)を目視にて観察した。 A:良好 B:僅かに不良 C:著しく不良
【0060】
【表3】
【0061】実施例4〜8及び比較例7〜12 (a)成分相当のエチレン共重合体の代りに、第2表に
示す種々の粒径分布を有するエチレン共重合体を使用し
た以外は、実施例1〜3と同様にしてそれぞれの組成物
を得て、実施例1〜3と同様に、フィルムに加工し評価
した。評価結果は第3表のとおりである。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】実施例9〜11及び比較例13、14 (a)成分相当のエチレン共重合体の代りに、第3表に
示すエチレン共重合体を使用した以外は、実施例1〜3
と同様にしてそれぞれの組成物を得て、実施例1〜3と
同様に、フィルムに加工し評価した。評価結果は、共単
量体の種類に関して比較できるように前記の例と共に第
4表に示した。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】実施例12、13及び比較例15、17 第4表に示した(a)成分のエチレン共重合体、(b)
成分の無機フィラー及び(c)成分の脂肪酸エステルを
用いて、実施例1〜3と同様にしてそれぞれの組成物を
得て、実施例1〜3と同様に、フィルムに加工し評価し
た。評価結果を表5に示した。
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61F 13/514 C08K 5/10 C08F 210/02 C08L 23/08 C08K 3/00 A41B 13/02 F 5/10 A61F 13/18 320 C08L 23/08 B29K 23:00 105:04 B29L 7:00 (72)発明者 内山 日出生 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−43932(JP,A) 特開 昭62−141041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B29C 55/02 C08J 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレンと炭素数6以上のα−オ
    レフィン又はジオレフィンの共単量体を2〜15重量%
    含有する線型エチレン共重合体20〜80重量%、 (b)無機フィラー80〜20重量%、及び (c)炭素数9〜40の飽和又は不飽和の脂肪酸エステ
    ルを、(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対
    して0.1〜15重量部、 を配合した樹脂組成物を、フィルム状に成形した後、延
    伸することを特徴とする、通気性フィルムの製造方法で
    あって、 (a)成分が、 密度:0.945g・cm3以下、 メルトフローレート:0.1〜20g/10分、 沸騰ノルマルヘキサン抽出量:15重量%以下、 平均粒径:0.001〜0.7mm、 粒径分布:1.68mm以下が70重量%以上、0.84
    mm以下が50重量%以上、0.21mm以下が1.5重量
    %以上35重量%以下で、 顆粒状又は粉体状の線型ポリエチレン共重合体である、
    方法。
  2. 【請求項2】 延伸倍率1.2〜6倍で延伸する、請求
    項1記載の通気性フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法により製造
    された衛生材料用フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の方法により製造
    された建材用フィルム。
JP10114453A 1990-04-27 1998-04-24 通気性フィルムの製造方法 Expired - Lifetime JP3137604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10114453A JP3137604B2 (ja) 1990-04-27 1998-04-24 通気性フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11011090 1990-04-27
JP15768890 1990-06-18
JP2-157688 1990-06-18
JP2-110110 1990-06-18
JP10114453A JP3137604B2 (ja) 1990-04-27 1998-04-24 通気性フィルムの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11902091A Division JP3169389B2 (ja) 1990-04-27 1991-04-24 フィラー含有延伸フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10251425A JPH10251425A (ja) 1998-09-22
JP3137604B2 true JP3137604B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=27311634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10114453A Expired - Lifetime JP3137604B2 (ja) 1990-04-27 1998-04-24 通気性フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3137604B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018038656A1 (en) * 2016-08-24 2018-03-01 Sca Hygiene Products Ab Absorbent article with breathable backsheet

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018038656A1 (en) * 2016-08-24 2018-03-01 Sca Hygiene Products Ab Absorbent article with breathable backsheet
US11273084B2 (en) 2016-08-24 2022-03-15 Essity Hygiene And Health Aktiebolag Absorbent article with breathable backsheet

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10251425A (ja) 1998-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5126391A (en) Filler-containing stretched film
JP3396303B2 (ja) ポリオレフィンフィルム用マスターバッチ及びポリオレフィンフィルム用組成物
EP0707039B1 (en) Polyolefin resin composition
JP3325377B2 (ja) 多孔性フィルム又はシート及びその製造方法
JP3137604B2 (ja) 通気性フィルムの製造方法
JP3169389B2 (ja) フィラー含有延伸フィルム
JPS61281143A (ja) 押出成形用樹脂組成物
JP3738489B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物及びフィルム
AU650866B2 (en) Sliding, anti-blocking and optical quality compositions based on ethylene copolymers of low cristallinity
US6590021B2 (en) Polyolefin resin composition and film comprising the same
JPH11240984A (ja) 延伸フィルム
JPH0331348A (ja) ポリオレフイン系樹脂組成物およびフイルム
JP4207415B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物及びそのフィルム
JP4379969B2 (ja) ポリエチレン組成物およびそのフィルム
JP4000883B2 (ja) ポリオレフィンフィルム
JPS63117043A (ja) 通気性プロピレン系樹脂フイルムの製造方法
JPS62164739A (ja) 透湿性フイルム
US3374199A (en) Non-blocking polyolefin compositions
JP2996771B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JP2704968B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JP2859346B2 (ja) 多孔性フイルム
JPS61281142A (ja) 押出成形用樹脂組成物
EP0964025A1 (en) Polyolefin resin composition
KR19980066536A (ko) 통기성 필름
JPH06256589A (ja) アンチブロッキング剤、これを含有するオレフィン樹脂組成物およびフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071208

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 11