JP5962183B2 - 自動車部品用射出成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車部品に成形したときに、外観に優れ、耐衝撃性を有し、自動車部品から発生する揮発性の有機化合物成分が低減した自動車部品を与える自動車部品用射出成形体に関するものである。
従来から、自動車を軽量化するために、自動車部品の樹脂化が進められており、自動車部品としては、ポリプロピレンが幅広く利用されている。
例えば、特許文献1には、射出成形材料の成形収縮率、剛性、耐衝撃強度等を改良することを目的として、ポリオレフィン89〜20重量%、合成ゴムまたは天然ゴム1〜20重量%、平均粒径1〜10μの粉末状タルク系充填材10〜60重量%、とからなることを特徴とする樹脂組成物が記載されている。特許文献2には、耐衝撃性、耐傷付白化性、外観、低光沢性を改良し、艶消し塗装の省略化によりコストダウンすることを目的として、(A)特定の性状を有するプロピレン系樹脂42〜95重量%と、(B)特定の性状を有するエチレン−炭素数3〜18のα−オレフィン共重合体1〜10重量%と、(C)特定の性状を有する高密度ポリエチレン2〜18重量%と、(D)タルク2〜35重量%とからなり、(B)成分と(C)成分の和が3〜23重量%であるプロピレン系樹脂組成物、および自動車用内装部材が記載されている。
特開昭51−136735号公報 特開平10−7851号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載の樹脂組成物からなる自動車部品の外観と、耐衝撃性と、自動車部品から発生する揮発性の有機化合物成分の低減について、更なる改良が求められている。
本発明の目的は、自動車部品に成形したときに、外観に優れ、耐衝撃性を有し、自動車部品から発生する揮発性の有機化合物成分が低減した自動車部品を与える自動車部品用射出成形体を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分である高密度ポリエチレンを15重量%以上含む樹脂材料(但し、該樹脂材料の全重量を100重量%とする。)からなる自動車部品用射出成形体に係るものである。
本発明によれば、自動車部品に成形したときに、外観に優れ、耐衝撃性を有し、自動車部品から発生する揮発性の有機化合物成分が低減した自動車部品を与えることができる。
耐衝撃性の測定に用いる重錘の形状を示す図である。
本発明の自動車部品用射出成形体は、190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが12〜100g/10分である高密度ポリエチレンを15重量%以上含む樹脂材料(但し、該樹脂材料の全重量を100重量%とする。)からなる。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンの190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートは、12〜100g/10分であり、好ましくは12〜90g/10分であり、より好ましくは12〜80g/10分であり、さらに好ましくは15〜70g/10分である。12g/10分未満の場合、外観が悪化することがあり、100g/10分を超えた場合、耐衝撃性が低下し、揮発性の有機化合物成分が増加することがある。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンの密度は、耐衝撃性を高く保つという観点から、好ましくは、940〜970kg/m3であり、より好ましくは、945〜970kg/m3であり、更に好ましくは、950〜965kg/m3である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンは、エチレン単独重合体または密度が940〜970kg/m3となる範囲でα−オレフィンが共重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体である。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる高密度ポリエチレンの製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いて製造することができるが、例えば、遷移金属原子を含む触媒を用いた方法が挙げられる。
前記遷移金属原子を含む触媒としては、例えば、遷移金属化合物(A)、遷移金属化合物(A)と活性化剤(B)とからなる組成物、遷移金属化合物(A)と活性化剤(B)と担体(C)とからなる組成物が挙げられる。
遷移金属化合物(A)としては、周期表3〜11族またはランタノイド系列の遷移金属原子と、ハロゲン原子と、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基とを含む遷移金属化合物が挙げられる。前記基が複数ある場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。また、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基、またはヘテロ原子を含有する基同士は、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。
前記遷移金属原子としては、例えば、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子が挙げられる。
前記シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えば、置換または無置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基、ヒドロインデニル基、フルオレニル基が挙げられる。
前記ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられ、かかる基としてはアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、チオアリールオキシ基、アミノ基、イミノ基、ホスフィノ基、キレート性配位子、あるいはヘテロ原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基が挙げられる。
活性化剤(B)としては、遷移金属化合物(A)を活性化し、イオン対を形成できるものであればよく、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、粘土鉱物、スルホン酸塩、カルボン酸誘導体、表面処理された固体酸化物もしくは固体ハロゲン化物が挙げられる。これらの化合物は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
担体(C)としては、例えば、無機酸化物、粘土や粘土鉱物といった無機物質や粒子状有機ポリマーが挙げられる。無機酸化物のとしては、例えば、SiO2 、Al23 、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2、およびこれらの混合物が挙げられる。粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。担体(C)は、必要に応じて表面処理や化学処理を行ったものを用いてもよい。
前記遷移金属原子を含む触媒のその他の例としては、周期表4〜6族遷移金属化合物を用いて調製した固体触媒成分と周期表第1、2、13族金属の有機金属化合物とからなるいわゆるチーグラー−ナッタ触媒が挙げられる。
高密度ポリエチレンの重合方法としては、例えば、前記遷移金属原子を含む触媒を用いたスラリー重合法、気相重合法、溶液重合法が挙げられ、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件についても特に限定されない。また、必要に応じて界面活性剤や帯電防止剤、電子供与性化合物といった成分を重合反応系に共存させてもよい。
本発明に用いられる樹脂材料に含まれる高密度ポリエチレンの含有量は、15重量%以上であり、好ましくは、20重量%以上であり、より好ましくは30重量%以上であり、高密度ポリエチレン100重量%であってもよい(但し、該樹脂材料の全重量を100重量%とする。)。高密度ポリエチレンの含有量が15重量%未満であると、揮発性の有機化合物成分が増加することがある。
本発明に用いられる樹脂材料において、高密度ポリエチレン以外の成分が含まれていてもよく、該成分としては、高密度ポリエチレン以外の樹脂やゴム、添加剤、無機充填剤等が挙げられる。
高密度ポリエチレン以外の樹脂としては、ポリプロピレン(以下、「成分(A)」と記載することがある。)、密度が940kg/m未満のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(以下、「成分(B)」と記載することがある。)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
上記成分(A)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレンに由来する構成単位を主な構成単位とするプロピレンと他のモノマーとの共重合体をいう。これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。前記共重合体はランダム共重合体であっても後述の重合材料であってもよい。
ランダム共重合体としては、プロピレンに由来する構成単位と、エチレンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレンに由来する構成単位と、炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレンに由来する構成単位と、エチレンに由来する構成単位と、炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体が挙げられる。
重合材料としては、プロピレン単独重合体成分又はプロピレンに由来する構成単位を主な構成単位とする重合体成分(以下、「重合体成分(I)」と記載することがある。)と、プロピレンとエチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のコモノマーに由来する構成単位とからなる共重合体成分(以下、「重合体成分(II)」と記載することがある。)とからなる重合材料が挙げられる。
成分(A)は、13C−NMRで測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率(以下、「[mmmm]分率」と称する)が0.97以上であることが好ましく、0.98以上であることがより好ましい。なお、[mmmm]分率が1に近いほどその成分(A)は高い立体規則性を示す分子構造を有する。
また、成分(A)が上記ランダム共重合体又は上記重合材料の場合には、共重合体中のプロピレンに由来する構成単位の連鎖について測定される値を用いる。
成分(A)の230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)は、得られる自動車部品用射出成形体の引張強度と耐衝撃性のバランス、本発明に用いる高密度ポリエチレンと混合した際の樹脂組成物の成形加工性の観点から、0.05〜500g/10分であることが好ましく、1〜120g/10分であることがより好ましく、1〜80g/10分であることが更に好ましい。
上記ランダム共重合体を構成する炭素数4以上のα−オレフィンとしては、好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
プロピレンに由来する構成単位と、炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体、プロピレン−1−デセンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレンに由来する構成単位と、エチレンに由来する構成単位と、炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−デセンランダム共重合体等が挙げられる。
ランダム共重合体中のエチレン及び/又は炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量は、0.1〜40重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましく、2〜15重量%であることが更に好ましい。そして、プロピレンに由来する構成単位の含有量は99.9〜60重量%であることが好ましく、99.9〜70重量%であることがより好ましく、98〜85重量%であることが更に好ましい。
上記重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料を構成する重合体成分(I)が、プロピレンに由来する構成単位を主な構成単位とする重合体成分である場合、例えば、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構成単位と、プロピレンに由来する構成単位とからなるプロピレン共重合体成分が挙げられる。
プロピレンに由来する構成単位を主な構成単位とする重合体成分を構成する、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構成単位の含有量は、0.01重量%以上20重量%未満である(但し、重合体成分(I)の重量を100重量%とする)。
炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、より好ましくは、1−ブテンである。
プロピレンに由来する構成単位を主な構成単位とする重合体成分としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。
重合体成分(I)としては、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分である。
上記重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料を構成する重合体成分(II)は、好ましくは、エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構成単位と、プロピレンに由来する構成単位とからなる共重合体成分である。
重合体成分(II)を構成するエチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構成単位の含有量は、好ましくは、20〜80重量%であり、より好ましくは、20〜60重量%、更に好ましくは、30〜60重量%である(但し、重合体成分(II)の重量を100重量%とする)。
重合体成分(II)を構成する炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、前記重合体成分(I)を構成する炭素数4〜10のα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
重合体成分(II)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−デセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分であり、より好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分である。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料の重合体成分(II)の含有量は1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、10〜40重量%であることが更に好ましく、10〜30重量%であることが最も好ましい(但し、成分(A)の重量を100重量%とする)。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料の重合体成分(I)がプロピレン単独重合体成分の場合、該重合材料としては、例えば、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−1−デセン)共重合材料等が挙げられる。
また、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料の重合体成分(I)がプロピレンに由来する構成単位を主要な構成単位とする重合体成分の場合、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料としては、例えば、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−デセン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−デセン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−デセン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−デセン)共重合材料、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合材料、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−デセン)共重合材料、(プロピレン−1−オクテン)−(プロピレン−1−オクテン)共重合材料、(プロピレン−1−オクテン)−(プロピレン−1−デセン)共重合材料等が挙げられる。
重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料として、好ましくは、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合材料または(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合材料であり、より好ましくは、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合材料である。
重合体成分(I)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η])は、0.1〜5dL/gであり、好ましくは0.3〜4dL/gであり、より好ましくは0.5〜3dL/gである。
重合体成分(II)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]II)は1〜20dL/gであり、好ましくは1〜10dL/gであり、より好ましくは2〜7dL/gである。
また、重合体成分(I)の極限粘度([η])に対する重合体成分(II)の極限粘度([η]II)の比([η]II/[η])は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは2〜9である。
なお、本発明における極限粘度(単位:dL/g)は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1dL/g、0.2dL/g及び0.5dL/gの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
成分(A)が重合体成分(I)と重合体成分(II)とを多段で重合させて得られる重合材料である場合、前段の重合槽から一部抜き出した重合体から重合体成分(I)又は重合体成分(II)の極限粘度を求め、この極限粘度の値と各成分の含有量と重合材料の全体の極限粘度を用いて残りの成分の極限粘度を算出する。
また、重合体成分(I)と重合体成分(II)とからなる重合材料が、重合体成分(I)が前段の重合工程で得られ、重合体成分(II)が後段の工程で得られる多段重合法によって製造される重合材料である場合、重合体成分(I)及び重合体成分(II)の含有量、極限粘度([η]Total、[η]、[η]II)の測定及び算出の手順は、以下のとおりである。なお、極限粘度([η]Total)は、重合材料の全体の極限粘度を示す。
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η])、後段の重合工程後の最終重合材料(成分(I)と成分(II))の前記の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合材料に含有される重合体成分(II)の含有量から、重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算する。
[η]II=([η]Total−[η]×F)/FII
[η]Total:後段重合工程後の最終重合材料の極限粘度(dl/g)
[η]:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体の極限粘度(dl/
g)
:重合材料の全体に対する重合体成分(I)の重量比
II:重合材料の全体に対する重合体成分(II)の重量比
尚、F、FIIは重合時の物質収支から求める。
重合材料の全体に対する重合体成分(II)の重量比(FII)、および、重合材料中の重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)II)は、重合材料の13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982、15、1150−1152)に基づいて求めることが出来る。
また、上記の13C−NMRスペクトルから重合体成分(II)の重量比(FII)を求める方法以外に、重合材料の全体に対する重合体成分(II)の重量比(FII)は、重合体成分(I)と重合材料の全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、次式を用いて計算により求めることもできる。結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定できる。
II=1−(ΔHf)Total/(ΔHf)
(ΔHf)Total:重合材料の全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf):重合体成分(I)の融解熱量(cal/g)
重合材料中の重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)II)を求める方法として、上記の13C−NMRスペクトルから重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)II)を求める方法以外にも、赤外線吸収スペクトル法により重合材料の全体のコモノマーに由来する単位の含有量((Cα´)Total)を測定し、次式を用いて計算により求めることができる。
(Cα´)II=(Cα´)Total/FII
(Cα´)Total:重合材料の全体のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
(Cα´)II:重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
重合材料は、重合体成分(I)を第1工程で製造し、重合体成分(II)を第2工程で製造することにより得られる。
成分(A)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法により製造される。公知の重合触媒としては、重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。これらの触媒系としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒系が挙げられる。
また、重合方法としては、バルク重合、溶液重合、スラリー重合または気相重合が挙げられる。バルク重合とは、重合温度において液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法であり、溶液重合もしくはスラリー重合とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法であり、また、気相重合とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法である。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。工業的かつ経済的な観点から、連続式の気相重合法、バルク重合法と気相重合法を連続的に行うバルク−気相重合法による製造方法が好ましい。
成分(A)の製造方法は、成分(A)を一段階で製造する方法であってもよく、二段階以上の多段階で製造する方法であってもよい。多段階の製造方法としては、例えば、特開平5−194685号公報、特開2002−12719号公報に記載の多段階の重合法による製造方法等が挙げられる。なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、目的とする成分(A)に応じて、適宜、変更し、決定すればよい。必要に応じて、成分(A)の残留溶媒や製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するために、成分(A)が融解する温度以下の温度で乾燥を行ってもよい。乾燥方法としては、例えば、特開昭55−75410号、特許第2565753号公報に記載された方法等が挙げられる。
上記成分(B)は、外観を良好に保ち、耐衝撃性を維持するといった観点から、好ましくは、190℃、荷重21.18Nで、JIS−K−7210に準拠して測定されたメルトフローレートが0.01〜200g/10分であり、より好ましくは、0.05〜100g/10分であり、更に好ましくは、0.1〜80g/10分である。
成分(B)に用いられるα−オレフィンは、好ましくは、炭素数3〜10のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、環状構造を有するα−オレフィン等が挙げられ、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
成分(B)として具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−(3−メチル−1−ブテン)共重合体エチレンと環状構造を有するα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
成分(B)に含有されるα−オレフィンの含有量は、好ましくは、1〜49重量%であり、より好ましくは、5〜49重量%であり、更に好ましくは、10〜49重量%である(成分(B)の重量を100重量%とする)。
また、自動車用部品の耐衝撃性を向上するという観点から成分(B)の密度は、好ましくは、850〜890kg/mであり、より好ましくは、850〜880kg/m、更に好ましくは、855〜875kg/mである。
成分(B)は、重合触媒を用いて製造することができる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。
メタロセン触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げらる。
チーグラー・ナッタ型触媒系としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いて重合を行いエチレン−α−オレフィン共重合体を製造することもできる。
成分(B)は、市販品を用いてもよい。例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、エスプレンSPO(登録商標)等が挙げられる。
本発明に用いられる樹脂材料に含まれていてもよい添加剤としては、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
本発明に用いられる樹脂材料に含まれていてもよい無機充填剤としては、非繊維状無機充填材(以下、「成分(C−1)」と記載することがある。)、繊維状無機充填材(以下、「成分(C−2)」と記載することがある。)があげられる。
成分(C−1)とは、粉末状、フレーク状、顆粒状等、繊維形状以外の形状を有する無機充填材をいう。具体的には、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼオライト、モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちタルクを用いることが好ましい。
成分(C−1)は、無処理のまま使用してもよいが、高密度ポリエチレンとの界面接着性を向上させ、かつ、高密度ポリエチレンに対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又はチタンカップリング剤、若しくは界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
成分(C−1)の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。ここで本発明における「平均粒子径」とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
成分(C−2)とは、繊維形状を有する無機充填材をいう。具体的には、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チタン酸カリウム繊維、水酸化マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、ケイ酸カルシウム繊維を用いることが好ましく、繊維状マグネシウムオキシサルフェートを用いる
ことがより好ましい。
成分(C−2)は、無処理のまま使用してもよいが、高密度ポリエチレンとの界面接着性を向上させ、かつ、高密度ポリエチレンに対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又は高級脂肪酸金属塩で表面を処理して使用しても良い。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
電子顕微鏡観察によって測定した成分(C−2)の平均繊維長は、3μm以上であり、好ましくは3〜20μmであり、更に好ましくは7〜15μmである。また、アスペクト比は、10以上であり、好ましくは10〜30であり、更に好ましくは12〜25である。そして、電子顕微鏡観察によって測定した平均繊維径は、好ましくは、0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.3〜1.0μmである。
自動車部品用射出成形体を構成する樹脂材料は、高密度ポリエチレン15〜100重量%、ポリプロピレン(成分(A))及び/又はエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(B))、並びに無機充填剤0〜85重量%含む樹脂材料であることが好ましく、高密度ポリエチレン15〜80重量%、ポリプロピレン(成分(A))及び/又はエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(成分(B))、並びに無機充填剤20〜85重量%含む樹脂材料であることがより好ましい。
本発明の自動車部品用射出成形体は、高密度ポリエチレンと、必要に応じてその他の成分とを溶融混練し、更に成形することで得られる。
上記に記載の溶融混練としては、従来公知の方法及び装置を用いて行うことができる。例えば、高密度ポリエチレンと、その他の成分を、ヘンシェルミキサ−、リボンブレンダ−、タンブルミキサ−等の混合装置を用いて混合した後、溶融混練する方法や、定量供給機を用いて、一定の割合で、高密度ポリエチレンと、その他の成分と各種添加剤とをそれぞれ連続的に供給することで均質な混合物を得た後、該混合物を単軸又は二軸以上の押出機、バンバリ−ミキサ−、ロ−ル式混練機等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
上記の溶融混練の温度は140℃以上、好ましくは、140℃〜300℃であり、より好ましくは、150℃〜280℃であり、さらに好ましくは、180℃〜250℃である。
本発明の自動車部品用射出成形体は、射出成形法により製造した射出成形体である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等の方法が挙げられる。
本発明の自動車部品用射出成形体は、自動車内装材用射出成形体として、天井材用射出成形体、ホイールハウスカバー用射出成形体、トランクルーム内張用射出成形体、インパネ表皮材用射出成形体、ハンドルカバー用射出成形体、アームレスト用射出成形体、ヘッドレスト用射出成形体、シートベルトカバー用射出成形体、シフトレバーブーツ用射出成形体、コンソールボックス用射出成形体、ホーンパッド用射出成形体、ノブ用射出成形体、エアバッグカバー用射出成形体、各種トリム用射出成形体、各種ピラー用射出成形体、ドアロックベゼル用射出成形体、グラブボックス用射出成形体、デフロスタノズル用射出成形体、スカッフプレート用射出成形体、ステアリングホイール用射出成形体、ステアリングコラムカバー用射出成形体等が挙げられ、自動車外装材用射出成形体として、バンパー用射出成形体、スポイラー用射出成形体、マッドガード用射出成形体、サイドモール用射出成形体等が挙げられ、その他の自動車部品用射出成形体としては、自動車ヘッドランプ用射出成形体、グラスランチャンネル用射出成形体、ウェザーストリップ用射出成形体、ドレーンホース用射出成形体、ウィンドウォッシャーチューブ用射出成形体等のホース用射出成形体、チューブ類用射出成形体、ラックアンドピニオンブーツ用射出成形体、ガスケット用射出成形体等が挙げられる。
本発明の自動車部品用射出成形体は、揮発性の有機化合物成分を低減した成形体であり、密閉空間において人と共存する部材に好適であるため、自動車内装材用射出成形体や自動車ヘッドランプ用射出成形体が好ましく、自動車内装材用射出成形体の中でも、占有する体積が大きく、耐衝撃性も求められる各種トリム用射出成形体や各種ピラー用射出成形体としての用途が好ましい。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて説明する。なお、実施例および比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
高密度ポリエチレンのメルトフローレートは、温度190℃、荷重21.18Nで測定した。その他のメルトフローレートは、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)フォギング試験(単位:mg)
本発明の自動車部品用射出成形体のフォギング性試験を、下記条件下において行った。試料には、混練機で加熱溶融混練して得られた樹脂材料を用いた。試験前後のガラス板重量変化から、ガラス面に付着した有機化合物成分の量を求めた。ガラス面に付着した有機化合物成分の量が多いほど、揮発性の有機化合物成分が多いことを示す。
測定装置:スガ試験機 ウィンドウスクリーンフォギングテスター WF−2型
加熱条件:120℃(エアー式)
加熱時間:20時間
冷却条件:25℃
試料量:5g
(3)耐衝撃性(落錘衝撃強度(FWI)、単位:
測定に用いる重錘の形状を図1に示した。図1に示した形状の鉄製の重錘を用いた以外は、JIS K7211の測定方法に従い、試験片の数の50%が破壊するときの衝撃エネルギーを求めた。測定温度は23℃で実施した。尚、試験片は射出成形によって得られたものを用いた。具体的には、MD×TD×厚み=48×48×2mmの長平板状試験片を数枚成形し、試験片として使用した。
(4)外観評価
外観評価は、射出成形によって得られたものに、縞模様のフローマークが殆どなければ「良好」、このような不具合が顕著に確認されれば「不良」と判定した。
[実施例1]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)100重量%を、内径15mmの二軸混練機(テクノベル社製KZW15−45MG、内径:15mm、L/D=45)にて設定温度:220℃、スクリュー回転数:500rpmで加熱溶融混練し、MFR=40(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、東洋機械金属株式会社製Si−30III型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃で射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表1に示した。
[実施例2]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)80重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエンゲージ8200(エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル(株)社製,MFR(190℃)=5g/10分、密度=870kg/m)20重量%と、を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=32(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表1に示した。
[実施例3]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス1300J(株式会社プライムポリマー製、密度=961kg/m3、MFR=12g/10分)85重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエンゲージ8842(エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル(株)社製,MFR(190℃)=1g/10分、密度=857kg/m)15重量%と、を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=14(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表1に示した。
[比較例1]
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中で極限粘度が0.80dL/gのプロピレン単独重合体部分を製造し、次いで、第二工程を気相中で極限粘度が7.00dL/g、エチレン含有量が32重量%のプロピレンとエチレンとの共重合体部分を製造して、プロピレン共重合体(BCPP1)を得た。プロピレンとエチレンとの共重合体部分の含有量は12重量%であった。
高密度ポリエチレンの代わりに、プロピレン共重合体(BCPP1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、MFR=59(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表1に示した。
[比較例2]
高密度ポリエチレンの代わりに、プロピレン共重合体(BCPP1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法によって、MFR=38(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表1に示した。
Figure 0005962183
[実施例4]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)49重量%と、プロピレン共重合体(BCPP1)16重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエンゲージ8200(エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル(株)社製,MFR(190℃)=5g/10分、密度=870kg/m)15重量%と、タルク(重量平均粒子径4.6μm)20重量%を均一に混合し、実施例1と同様の方法によって、MFR=21(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表2に示した。
[実施例5]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)32.5重量%と、プロピレン共重合体(BCPP1)32.5重量%とを用いた以外は、実施例4と同様の方法によって、MFR=21(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表2に示した。
[実施例6]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)16重量%と、プロピレン共重合体(BCPP1)49重量%とを用いた以外は、実施例4と同様の方法によって、MFR=23(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表2に示した。
[実施例7]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)65重量%を用い、プロピレン共重合体(BCPP1)用いなかった以外は、実施例4と同様の方法によって、MFR=24(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表2に示した。
[比較例3]
高密度ポリエチレンの代わりに、プロピレン共重合体(BCPP1)65重量%を用い、KEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)を用いなかった以外は、実施例7と同様の方法によって、MFR=25(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表2に示した。
Figure 0005962183
[実施例8]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)52.5重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてタフマーS4030(三井化学株式会社製、密度=860kg/m3、MFR=0.2g/10分、)7.5重量%と、タルク(重量平均粒子径4.6μm)40重量%を均一に混合し、実施例1と同様の方法によって、MFR=13(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[比較例4]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス3300F(プライムポリマー製、密度=950kg/m3、MFR=1.1g/10分)を用いた以外は、実施例8と同様の方法によって、MFR=1.2(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[比較例5]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス7000F(プライムポリマー製、密度=952kg/m3、MFR=0.04g/10分)を用いた以外は、実施例8と同様の方法によって、MFR=0.04(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[実施例9]
高密度ポリエチレンとしてKEIYOポリエチレンM6910(京葉ポリエチレン株式会社製、密度=958kg/m3、MFR=23g/10分)15重量%と、プロピレン共重合体(BCPP1)58重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエンゲージ8180(エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル(株)社製,MFR(190℃)=0.5g/10分、密度=863kg/m)4重量%と、タルク(重量平均粒子径4.6μm)23重量%を均一に混合し、実施例1と同様の方法によって、MFR=23(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[比較例6]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス3300F(プライムポリマー製、密度=950kg/m3、MFR=1.1g/10分)を用いた以外は、実施例9と同様の方法によって、MFR=16(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[比較例7]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス7000F(プライムポリマー製、密度=952kg/m3、MFR=0.04g/10分)を用いた以外は、実施例9と同様の方法によって、MFR=10(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
[比較例8]
高密度ポリエチレンとしてハイゼックス1300J(株式会社プライムポリマー製、密度=961kg/m3、MFR=12g/10分)4重量%と、プロピレン共重合体(BCPP1)70重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体としてエンゲージ8180(エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル(株)社製,MFR(190℃)=0.5g/10分、密度=863kg/m)4重量%と、タルク(重量平均粒子径4.6μm)22重量%を均一に混合し、実施例1と同様の方法によって、MFR=37(g/10分)の樹脂材料を得た。
得られた樹脂材料を、実施例1と同様に射出成形し、自動車部品用射出成形体を得た。得られた自動車部品用射出成形体の特性を表3に示した。
Figure 0005962183

Claims (2)

  1. 190℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが15〜23g/10分であり、密度が940〜970kg/m 3 である高密度ポリエチレンを65重量%以上含む樹脂材料(但し、該樹脂材料の全重量を100重量%とする。)からなる自動車部品用射出成形体。
  2. 自動車内装部品用、または自動車ヘッドランプ部品用である請求項1に記載の自動車部品用射出成形体。
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