JP7461556B1 - プロピレン樹脂組成物、および、成形体 - Google Patents

プロピレン樹脂組成物、および、成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリプロピレンを再利用しつつも、臭気が比較的低減された成形体を得ることが可能なプロピレン樹脂組成物、および、該プロピレン樹脂組成物を含む成形体を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るプロピレン樹脂組成物は、成分(A):プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(B):プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(C):バージンプロピレン系重合体と、を含有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレン樹脂組成物、および、該プロピレン樹脂組成物を含む成形体に関する。
従来、プラスチックのリサイクル手法としては、主に、廃プラスチックを燃焼する際の熱を回収して再利用するサーマルリサイクルが用いられている。ところが、2019年5月に環境省にて「プラスチック資源循環戦略」が策定され、2035年までに使用済みプラスチックを100%リデュース・リサイクル等により有効活用することが明文化された。そういった社会情勢の中、廃プラスチックをプラスチック製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルへの要望は高まっている。
ポリプロピレンは、良好な成形加工性を有すると共に、剛性、耐熱性等に優れることから、自動車用部品(例えば、バンパー等の外装部品、ドアトリム、インスツルメントパネル等の内装部品等)、家庭用電気製品の筐体等に広く用いられている。そこで、市場で使用されたポリプロピレンの成形体を回収し、プラスチック製品の原料として再利用することが行われている。
市場から回収したポリプロピレンの成形体を用いて、再利用可能な原料であるプロピレン樹脂組成物を得る方法として、例えば、特許文献1では、車用バンパーの粉砕物、結晶性ポリプロピレン、エラストマー、無機フィラーおよび光遮蔽性顔料とを、特定の割合で混合し加熱溶融して得られる樹脂組成物が開示されている。
特開2005-139421号公報
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物を含む成形体は、臭気が強いという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ポリプロピレンを再利用しつつも、臭気が比較的低減された成形体を得ることが可能なプロピレン樹脂組成物、および、該プロピレン樹脂組成物を含む成形体を提供することを課題とする。
本発明に係るプロピレン樹脂組成物は、成分(A):プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(B):プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(C):バージンプロピレン系重合体と、を含有する。
本発明に係る成形体は、上述のプロピレン樹脂組成物を含む。
本発明によれば、ポリプロピレンを再利用しつつも、臭気が比較的低減された成形体を得ることが可能なプロピレン樹脂組成物、および、該プロピレン樹脂組成物を含む成形体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
[プロピレン樹脂組成物]
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、成分(A):プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(B):プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物と、成分(C):バージンプロピレン系重合体と、を含有する。なお、本明細書において、プロピレン樹脂組成物、プロピレン組成物とは、プロピレン系重合体を含有する組成物を意味する。
<成分(A)>
成分(A)は、プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物である。リサイクルプロピレン組成物は、一旦、成形等の加工が施された後に、あるいは何らかの最終用途に使用された後に、回収工程を経て、再使用されるプロピレン組成物を意味する。他の「リサイクルxxx」も同様である。
市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物は、市場で使用されたポリプロピレンの成形体を原料とする。ポリプロピレンの成形体としては、例えば、自動車用部品、包装容器(食品用レトルトパウチ、詰め替え用パウチ、洗剤ボトル等)、家庭用電気製品の筐体、事務用品(トレー等)、家庭用日用品(コンタクトレンズケース等)が挙げられる。自動車用部品としては、例えば、自動車の内装部品(インスツルメントパネル、ドアトリム等)、自動車の外装部品(バンパー等)、その他の自動車用部品(バッテリーケース等)が挙げられる。一態様において、成分(A)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する。
成分(A)は、下記条件で射出成形して得られる試験片において観察される異物の個数が、好ましくは1000個/400cm以上2000個/400cm以下であり、より好ましくは1100個/400cm以上1980個/400cm以下であり、さらに好ましくは1200個/400cm以上1950個/400cm以下である。なお、試験片における異物の観察は、下記条件において行い、異物の個数を算出した。成分(A)には、例えば、自動車用部品における、バンパーの塗膜、内装部品の表皮(合成皮革、ゴム等)、内装部品を接着していた接着剤等に由来する異物が存在すると考えられる。
(射出成形条件)
シリンダー温度:220℃
金型温度:50℃
射出速度:23mm/秒
金型キャビティ:100mm(幅)×400mm(長さ)×3mm(厚み)
(試験片の異物個数の算出)
得られた試験片の表面を目視で観察し、視認できる異物の個数を100個数えた。該100個の異物が存在する表面の面積から、試験片1枚400cmあたりの個数へ換算した。
試験片の異物の個数(個/400cm)=100個×(400cm/100個の異物が存在する面積cm
プロピレン系重合体の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。また、プロピレン系重合体の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。
成分(A)は、後述するように、エチレン-α-オレフィン共重合体を含んでいてもよい。エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(A)は、後述するように、充填材を含んでいてもよい。充填材の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、充填材の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(A)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
成分(A)のメルトフローレート(MFR、温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは1g/10分以上100g/10分以下であり、より好ましくは12g/10分以上70g/10分以下であり、更に好ましくは15g/10分以上50g/10分以下である。成分(A)のMFRは、プロピレン樹脂組成物の成形加工性を向上させる観点から、好ましくは10g/10分以上である。成分(A)のMFRは、得られる成形体の衝撃強度を向上させる観点から、好ましくは100g/10分以下である。
<成分(B)>
成分(B)は、プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物である。工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物は、ポリプロピレンの成形体を製造する工程内で発生した、成形体を得るためのプロピレン材料、および、得られた成形体を原料とする。ポリプロピレンの成形体としては、成分(A)と同様のものが挙げられる。一態様において、成分(B)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する。
成分(B)は、上述の成分(A)と同様の条件で射出成形して得られる試験片において観察される異物の個数が、好ましくは10個/400cm以上1000個/400cm未満であり、より好ましくは50個/400cm以上900個/400cm以下であり、さらに好ましくは100個/400cm以上800個/400cm以下である。なお、試験片における異物の観察は、上述の成分(A)と同様の方法で行った。
プロピレン系重合体の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。また、プロピレン系重合体の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。
成分(B)は、後述するように、エチレン-α-オレフィン共重合体を含んでいてもよい。エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(B)は、後述するように、充填材を含んでいてもよい。充填材の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、充填材の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(B)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
成分(B)のメルトフローレート(MFR、温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは1g/10分以上100g/10分以下であり、より好ましくは12g/10分以上70g/10分以下であり、更に好ましくは15g/10分以上50g/10分以下である。成分(B)のMFRは、プロピレン樹脂組成物の成形加工性を向上させる観点から、好ましくは10g/10分以上である。成分(B)のMFRは、得られる成形体の衝撃強度を向上させる観点から、好ましくは100g/10分以下である。
<成分(C)>
成分(C)は、バージンプロピレン系重合体である。バージンプロピレン系重合体は、重合工程を含むプロセスによるプロピレン系重合体の製造後、自動車等の製品またはその部品に成形されておらず、かつ、何らかの最終用途に使用されていない、プロピレン系重合体を意味する。他の「バージンxxx」も同様である。
成分(C)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。
<プロピレン系重合体>
以下、成分(A)、成分(B)および成分(C)におけるプロピレン系重合体について説明する。なお、以下に示す「各成分」とは、成分(A)、成分(B)および成分(C)のうち、一つ一つの成分を意味する。
プロピレン系重合体は、プロピレンに由来する単量体単位を50質量%以上含む重合体である。プロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体、ヘテロファジックプロピレン重合材料等が挙げられる。各成分は、プロピレン系重合体を1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
各成分は、成形体の剛性および耐衝撃性を向上させる観点から、好ましくは、プロピレン系重合体として、プロピレン単独重合体およびヘテロファジックプロピレン重合材料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、一態様として、プロピレン単独重合体を含む。プロピレン単独重合体は、成分(A)、成分(B)および成分(C)からなる群より選択される少なくとも一種に含まれていてもよい。具体的には、成分(A)は、プロピレン系重合体としてプロピレン単独重合体を含んでいてもよく、成分(B)は、プロピレン系重合体としてプロピレン単独重合体を含んでいてもよく、成分(C)は、プロピレン系重合体としてプロピレン単独重合体を含んでいてもよい。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、他の態様として、ヘテロファジックプロピレン重合材料を含む。ヘテロファジックプロピレン重合材料は、成分(A)、成分(B)および成分(C)からなる群より選択される少なくとも一種に含まれていてもよい。より詳しくは、成分(A)は、プロピレン系重合体としてヘテロファジックプロピレン重合材料を含んでいてもよく、成分(B)は、プロピレン系重合体としてヘテロファジックプロピレン重合材料を含んでいてもよく、成分(C)は、プロピレン系重合体としてヘテロファジックプロピレン重合材料を含んでいてもよい。
各成分におけるプロピレン系重合体は、アイソタクチックペンタッド分率が好ましくは0.961以上であり、より好ましくは0.965以上であり、更に好ましくは0.968以上である。また、プロピレン系重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、好ましくは1.000以下であり、より好ましくは0.995以下である。
なお、アイソタクチックペンタッド分率とは、ペンタッド単位での、アイソタクチック分率を意味する。すなわち、アイソタクチックペンタッド分率は、ペンタッド単位でみたときに、プロピレンに由来する単量体単位が5個連続してメソ結合した構造の含有割合を示す。なお、対象の成分が共重合体である場合には、プロピレンに由来する単量体単位の連鎖について測定される値をいう。
アイソタクチックペンタッド分率は、13C-NMRスペクトルで測定される値である。具体的には、13C-NMRスペクトルによって得られるメチル炭素領域の全吸収ピークの面積に対するmmmmピークの面積の比を、アイソタクチックペンタッド分率とする。なお、13C-NMRスペクトルによるアイソタクチックペンタッド分率の測定方法は、例えば、A.ZambelliらによるMacromolecules,6,925(1973)に記載されている。ただし、13C-スペクトルによって得られる吸収ピークの帰属は、Macromolecules,8,687(1975)の記載に基づくものとする。
プロピレン系重合体のアイソタクチックペンタッド分率は、触媒、ドナー、重合条件等を適切に選択することにより、上記の範囲に調整することができる。また、市販品から、適宜、所望のアイソタクチックペンタッド分率を有するプロピレン系重合体を入手することもできる。
プロピレン系重合体の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。また、プロピレン系重合体の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。
(プロピレン単独重合体)
プロピレン単独重合体は、極限粘度数([η])が、プロピレン樹脂組成物の溶融時の流動性および成形体の靭性を向上させる観点から、好ましくは0.10dL/g以上4.00dL/g以下であり、より好ましくは0.50dL/g以上3.00dL/g以下であり、更に好ましくは0.70dL/g以上2.00dL/g以下である。
なお、本明細書において、極限粘度数(単位:dL/g)は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dL、0.2g/dLおよび0.5g/dLの3点について還元粘度を測定する。還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法により、極限粘度数を求める。外挿法による極限粘度数の計算方法は、例えば、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載されている。
プロピレン単独重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。プロピレン単独重合体の分子量分布は、好ましくは15.0以下であり、より好ましくは10.0以下である。プロピレン単独重合体の分子量分布は、好ましくは3.0以上15.0以下であり、より好ましくは4.0以上10.0以下である。
なお、本明細書において、分子量分布は、下記条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を用いて算出される、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)を意味する。
装置:東ソー株式会社製 HLC-8121 GPC/HT
分離カラム:東ソー株式会社製 GMHHR-H(S)HT 3本
測定温度:140℃
キャリア:オルトジクロロベンゼン
流量:1.0mL/分
試料濃度:約1mg/mL
試料注入量:400μL
検出器:示差屈折
検量線作成方法:標準ポリスチレンを使用
プロピレン単独重合体は、例えば、重合触媒を用いてプロピレンを重合する重合工程を行うことにより製造できる。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒;チーグラー・ナッタ型触媒;シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物およびアルキルアルミノキサンを含む触媒;シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、当該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物を含む触媒;並びに無機粒子(シリカ、粘土鉱物等)に、触媒成分(シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、イオン性の錯体を形成する化合物、有機アルミニウム化合物等)を担持して、変性させた触媒等が挙げられる。
前記重合触媒としては、例えば、特開昭61-218606号公報、特開平5-194685号公報、特開平7-216017号公報、特開平9-316147号公報、特開平10-212319号公報、特開2004-182981号公報、特開2010-168545号公報、特開2011-246699号公報等に記載の触媒等が挙げられる。
また、前記重合触媒の存在下でプロピレンを予備重合させて得られた重合体を、重合触媒として用いることもできる。
重合方法としては、例えば、バルク重合、溶液重合、気相重合等が挙げられる。ここで、バルク重合とは、重合温度において液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法をいう。溶液重合とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法をいう。また、気相重合とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法をいう。
重合方式としては、例えば、バッチ式、連続式およびこれらの組み合わせが挙げられる。重合方式は、複数の重合反応槽を直列に連結させた多段式であってもよい。
重合方法は、工業的および経済的に優れる観点から、好ましくは、連続式の気相重合法、または、バルク重合法と気相重合法とを連続的に行うバルク-気相重合法である。
重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、単量体濃度、触媒投入量、重合時間等の重合条件)は、目的とする重合体の分子構造に応じて、適宜決定すればよい。
プロピレン単独重合体の製造方法では、重合工程の前または後に他の工程が実施されてもよい。例えば、重合工程の後、重合体中に含まれる残留溶媒、製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するために、必要に応じて重合体を、重合体が融解する温度以下の温度で乾燥してもよい。乾燥方法としては、例えば、特開昭55-75410号公報、特許第2565753号公報等に記載の方法等が挙げられる。
(プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体)
プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体は、プロピレンに由来する単量体単位とプロピレン以外の単量体に由来する単量体単位とを含有する。前記ランダム共重合体は、該共重合体の全質量100質量%に対して、好ましくは、プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を0.01質量%以上20質量%以下含有する。
プロピレン以外の単量体としては、例えば、エチレン、炭素原子数4~12のα-オレフィン等が挙げられる。本明細書において、α-オレフィンは、α位に炭素-炭素不飽和二重結合を有する脂肪族不飽和炭化水素である。炭素原子数4~12のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。
プロピレン以外の単量体は、好ましくは、エチレンおよび炭素原子数4~10のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群より選択される少なくとも一種であり、更に好ましくは、エチレンおよび1-ブテンからなる群より選択される少なくとも一種である。
プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-1-ヘキセンランダム共重合体、プロピレン-1-オクテンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体は、極限粘度数([η])が、プロピレン樹脂組成物の溶融時の流動性を向上させる観点から、好ましくは、0.10dL/g以上4.00dL/g以下であり、より好ましくは0.50dL/g以上3.00dL/g以下であり、更に好ましくは、0.70dL/g以上2.00dL/g以下である。
プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。前記分子量分布は、好ましくは10.0以下であり、より好ましくは7.0以下である。プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム重合体の分子量分布は、好ましくは3.0以上10.0以下であり、より好ましくは4.0以上7.0以下である。
プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体は、例えば、上述のプロピレン単独重合体の製造において使用できる重合触媒、重合方法、重合方式、および、重合条件に従って、プロピレンおよびプロピレン以外の単量体を重合することにより製造できる。
(ヘテロファジックプロピレン重合材料)
ヘテロファジックプロピレン重合材料は、プロピレンに由来する単量体単位を80質量%以上含有する重合体I(ただし、該重合体Iの全質量を100質量%とする。)と、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とを含有する重合体IIと、を含む混合物である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料は、例えば、重合体Iを重合する第1の重合工程と、重合体IIを重合する第2の重合工程を実施することにより製造することができる。これらの重合工程は、上述のプロピレン単独重合体の製造において使用できる重合触媒、重合方法、重合方式、および、重合条件に従って実施することができる。
ヘテロファジックプロピレン重合材料は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量100質量%に対して、ヘテロファジックプロピレン重合材料に含まれる重合体Iと重合体IIとの合計が100質量%であってもよい。
上述したように、重合体Iは、プロピレンに由来する単量体単位を80質量%以上含有する(ただし、重合体Iの全質量を100質量%とする)。重合体Iは、例えば、プロピレン単独重合体であってもよく、プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含んでいてもよい。重合体Iが、プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含む場合、この含有量は、重合体Iの全質量100質量%に対して、例えば、0.01質量%以上20質量%未満であってもよい。
プロピレン以外の単量体としては、例えば、エチレンおよび炭素原子数4以上のα-オレフィンが挙げられる。炭素原子数4以上のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。
プロピレン以外の単量体は、好ましくは、エチレンおよび炭素原子数4~10のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群より選択される少なくとも一種であり、更に好ましくは、エチレンおよび1-ブテンからなる群より選択される少なくとも一種である。
プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含む重合体Iとしては、例えば、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体等が挙げられる。
重合体Iは、成形体の寸法安定性を良好にする観点から、好ましくは、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、または、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体であり、より好ましくは、プロピレン単独重合体である。
重合体Iは、アイソタクチックペンタッド分率が、好ましくは1.000以下であり、例えば、0.998以下であってもよく、0.995以下であってもよく、0.990以下であってもよく、0.985以下であってもよい。アイソタクチックペンタッド分率の下限は特に限定されないが、例えば、0.900以上であってもよく、0.925以上であってもよく、0.930以上であってもよく、0.961以上であってもよく、0.965以上であってもよく、0.968以上であってもよい。
重合体Iの含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上95質量%以下である。
上述したように、重合体IIは、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とを含有する。炭素原子数4~12のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。
重合体IIは、好ましくは、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位を30質量%以上含有し、かつ、プロピレンに由来する単量体単位を含有する(ただし、重合体IIの全質量を100質量%とする)。
重合体IIにおいて、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、30質量%以上70質量%以下であってもよく、35質量%以上60質量%以下であってもよい(ただし、重合体IIの全質量を100質量%とする)。
重合体IIにおいて、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンは、好ましくは、エチレンおよび炭素原子数4~10のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンからなる群より選択される少なくとも一種であり、更に好ましくは、エチレンおよび1-ブテンからなる群より選択される少なくとも一種である。
重合体IIとしては、例えば、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-デセン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-1-デセン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、重合体IIは、好ましくは、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、または、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体であり、より好ましくは、プロピレン-エチレン共重合体である。
重合体IIの含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料において、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、0.3質量%以上35質量%以下であってよく、0.7質量%以上24質量%以下であってもよい(ただし、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量を100質量%とする)。
ヘテロファジックプロピレン重合材料中のキシレン不溶成分(CXIS成分)の含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは60質量%以上95質量%以下である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料中のキシレン可溶成分(CXS成分)の含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
なお、本明細書において、キシレン不溶成分(CXIS成分)は、重合体に含まれるp-キシレンに不溶な成分であって、下記方法により得られる固形物を意味する:
重合体約2gを、沸騰しているp-キシレン中で2時間溶解して溶液を得、次いで、該溶液を20℃まで冷却することにより、固形物を析出させる方法。
また、本明細書において、キシレン可溶成分(CXS成分)は、重合体中の「CXIS成分」以外の成分を意味する。
本実施形態において、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のCXIS成分は、主として重合体Iから構成され、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のCXS成分は、主として重合体IIから構成されると考えられる。
ヘテロファジックプロピレン重合材料としては、例えば、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-オクテン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-オクテン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料等が挙げられる。
ここで、「(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料」との記載は、「重合体Iがプロピレン単独重合体であり、重合体IIがプロピレン-エチレン共重合体であるヘテロファジックプロピレン重合材料」を意味する。他の類似の表現においても同様である。
ヘテロファジックプロピレン重合材料は、好ましくは、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、または、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料であり、より好ましくは、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料である。
重合体Iの極限粘度数([η]I)は、好ましくは0.10dL/g以上4.00dL/g以下であり、より好ましくは0.50dL/g以上3.00dL/g以下であり、更に好ましくは0.70dL/g以上2.00dL/g以下である。
重合体IIの極限粘度数([η]II)は、好ましくは1.00dL/g以上10.00dL/g以下であり、より好ましくは2.00dL/g以上10.00dL/g以下であり、更に好ましくは2.00dL/g以上9.00dL/g以下である。
また、重合体Iの極限粘度数([η]I)に対する重合体IIの極限粘度数([η]II)の比([η]II/[η]I)は、好ましくは1以上20以下であり、より好ましくは1以上10以下である。
重合体Iの極限粘度数([η]I)の測定方法としては、例えば、重合体Iを重合する反応器から重合された重合体Iを抜き出し、当該重合体の極限粘度数を測定する方法が挙げられる。
重合体IIの極限粘度数([η]II)は、例えば、ヘテロファジックプロピレン重合材料の極限粘度数([η]Total)、重合体Iの極限粘度数([η]I)、並びに、重合体IIおよび重合体Iの含有量を用いて、下記式(i)により算出できる。
[η]II=([η]Total-[η]I×XI)/XII ・・・(i)
[η]Total:ヘテロファジックプロピレン重合材料の極限粘度数(dL/g)
[η]I:重合体Iの極限粘度数(dL/g)
XI:ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量に対する重合体Iの質量の比(重合体Iの質量/ヘテロファジックプロピレン重合材料の質量)
XII:ヘテロファジックプロピレン重合材料の全質量に対する重合体IIの質量の比(重合体IIの質量/ヘテロファジックプロピレン重合材料の質量)
ここで、XIおよびXIIは、重合時の物質収支から求めることができる。
なお、XIIは、重合体Iの融解熱量およびヘテロファジックプロピレン重合材料の融解熱量を測定し、下記式を用いて算出してもよい。
XII=1-(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ヘテロファジックプロピレン重合材料の融解熱量(J/g)
(ΔHf)P:重合体Iの融解熱量(J/g)
CXIS成分の極限粘度数([η]CXIS)は、好ましくは0.10dL/g以上4.00dL/g以下であり、より好ましくは0.50dL/g以上3.00dL/g以下であり、更に好ましくは0.70dL/g以上2.00dL/g以下である。
CXS成分の極限粘度数([η]CXS)は、好ましくは1.00dL/g以上10.00dL/g以下であり、より好ましくは2.00dL/g以上10.00dL/g以下であり、更に好ましくは2.00dL/g以上9.00dL/g以下である。
CXIS成分の極限粘度数([η]CXIS)に対するCXS成分の極限粘度数([η]CXS)の比([η]CXS/[η]CXIS)は、好ましくは1以上20以下であり、より好ましくは1以上10以下である。
重合体Iの分子量分布(Mw(I)/Mn(I))は、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。
CXIS成分の分子量分布(Mw(CXIS)/Mn(CXIS))は、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは4.0以上である。
プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、プロピレン樹脂組成物の成形加工性を良好にする観点から、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ましくは1g/10分以上300g/10分以下である。プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、5g/10分以上100g/10分以下であってもよく、10g/10分以上50g/10分以下であってもよい。
なお、本明細書において、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210-1995に規定された方法に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。
<エチレン-α-オレフィン共重合体>
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、一態様として、エチレン-α-オレフィン共重合体を含む。エチレン-α-オレフィン共重合体は、成分(A)および/または成分(B)に含まれていてもよい。具体的には、成分(A)は、エチレン-α-オレフィン共重合体を含んでいてもよく、成分(B)は、エチレン-α-オレフィン共重合体を含んでいてもよい。また、エチレン-α-オレフィン共重合体は、バージンエチレン-α-オレフィン共重合体であってもよいし、リサイクルエチレン-α-オレフィン共重合体であってもよい。
エチレン-α-オレフィン共重合体は、エチレン-α-オレフィンランダム共重合体であってもよい。なお、エチレン-α-オレフィン共重合体は、エチレンに由来する単量体単位と、炭素原子数4以上のα-オレフィンに由来する単量体単位と、を含有する共重合体であり、プロピレンに由来する単量体単位を実質的に含まないものを意味する。
エチレン-α-オレフィン共重合体は、該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンに由来する単量体単位の含有量、および、炭素原子数4以上のα-オレフィンに由来する単量体単位の含有量の合計が100質量%であってもよい。
炭素原子数4以上のα-オレフィンとしては、例えば、炭素原子数4~12のα-オレフィンが挙げられる。炭素原子数4~12のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン等が挙げられる。炭素原子数4~12のα-オレフィンは、好ましくは、1-ブテン、1-ヘキセン、または、1-オクテンである。炭素原子数4~12のα-オレフィンは、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン等の環状構造を有するα-オレフィンであってもよい。
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-1-デセン共重合体、エチレン-(3-メチル-1-ブテン)共重合体、エチレンと環状構造を有するα-オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体において、炭素原子数4以上のα-オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、エチレン-α-オレフィン共重合体の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上49質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上49質量%以下であり、更に好ましくは24質量%以上49質量%以下である。
エチレン-α-オレフィン共重合体の密度は、成形体の耐衝撃性の観点から、好ましくは0.85g/cm以上0.89g/cm以下であり、より好ましくは0.85g/cm以上0.88g/cm以下であり、更に好ましくは0.85g/cm以上0.87g/cm以下である。
エチレン-α-オレフィン共重合体の温度190℃、荷重2.16kgでのメルトフローレートは、好ましくは、0.1g/10分以上80g/10分以下である。メルトフローレートは、JIS K7210-1995に規定された方法に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定することができる。
エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、エチレン-α-オレフィン共重合体の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
エチレン-α-オレフィン共重合体は、重合触媒を用いて、エチレンおよび炭素原子数4以上のα-オレフィンを重合することにより製造できる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒、チーグラー・ナッタ型触媒等が挙げられる。
均一系触媒としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物およびアルキルアルミノキサンを含む触媒;シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、当該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物を含む触媒;並びに無機粒子(シリカ、粘土鉱物等)に、触媒成分(シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、イオン性の錯体を形成する化合物、有機アルミニウム化合物等)を担持して変性させた触媒等が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分とを組み合わせた触媒等が挙げられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、市販品を用いてもよい。市販のエチレン-α-オレフィン共重合体としては、例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、エスプレンSPO(登録商標)等が挙げられる。
<充填材>
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、一態様として、充填材を含む。充填材は、成分(A)および/または成分(B)に含まれていてもよい。具体的には、成分(A)は、充填材を含んでいてもよく、成分(B)は、充填材を含んでいてもよい。また、充填材は、バージン充填材であってもよいし、リサイクル充填材であってもよい。
充填材としては、無機充填材、有機充填材が挙げられる。プロピレン樹脂組成物は、充填材を1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
無機充填材としては、例えば、ガラス、ケイ酸塩鉱物、アルミナ、シリカ、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム・フェライト、ストロンチウム・フェライト、酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸塩鉱物、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、カーボンブラック、硫化カドミウム等が挙げられる。
有機充填材としては、例えば、ポリエステル、芳香族ポリアミド、セルロース、ビニロン等が挙げられる。
充填材の形状は、板状であってもよく、針状であってもよく、繊維状であってもよい。
充填材は、成形体の剛性、耐衝撃性および寸法安定性を向上させる観点から、好ましくは無機充填材であり、より好ましくは板状ケイ酸塩鉱物であるタルクである。
充填材の平均粒子径D50[L]は、成形体の剛性、耐衝撃性および寸法安定性を向上させる観点から、好ましくは20.0μm以下であり、より好ましくは15.0μm以下である。充填材の平均粒子径D50[L]は、好ましくは2.0μm以上であり、より好ましくは4.0μm以上である。充填材の平均粒子径D50[L]は、好ましくは2.0μm以上20.0μm以下であり、より好ましくは4.0μm以上15.0μm以下である。
充填材の平均粒子径D50[S]は、成形体の剛性、耐衝撃性および寸法安定性を向上させる観点から、好ましくは5.0μm以下であり、より好ましくは3.0μm以下である。充填材の平均粒子径D50[S]は、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上である。充填材の平均粒子径D50[S]は、好ましくは0.5μm以上5.0μm以下であり、より好ましくは1.0μm以上3.0μm以下である。
充填材の平均粒子径D50[L]と平均粒子径D50[S]との比(D50[L]/D50[S])は、成形体の剛性および寸法安定性を向上させる観点から、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは2.5以上である。D50[L]/D50[S]は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下である。D50[L]/D50[S]は、好ましくは1.5以上10以下であり、より好ましくは1.5以上8以下または2.5以上10以下であり、更に好ましくは2.5以上8以下である。
本明細書において、「平均粒子径D50[L]」とは、JIS R1629に規定された方法に従い、レーザー回析法により測定された体積基準の粒子径分布測定データに基づいて決定されるものであり、該粒子径分布測定データにおいて、粒子径が小さい側からの粒子数の累積が50%に達したときの粒子径(50%相当粒子径)を意味する。このように定義される粒子径は、一般に「50%相当粒子径」と称され、「D50」で表記される。
本明細書において、「平均粒子径D50[S]」とは、JIS R1619に規定された方法に従い、遠心沈降法により測定された体積基準の粒子径分布測定データに基づいて決定されるものであり、該粒子径分布測定データにおいて、粒子径が小さい側からの粒子数の累積が50%に達したときの粒子径(50%相当粒子径)を意味する。
充填材の平均粒子径D50[L]と平均粒子径D50[S]との比(D50[L]/D50[S])が大きいほど、成形体の剛性および寸法安定性に優れる。
充填材の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、充填材の含有量は、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
一態様として、成分(A)および/または成分(B)は、灰分を含む。灰分とは、リサイクルプロピレン組成物を600℃で60分加熱後に灰として残った成分を意味する。灰分量は以下の方法により求められる。
(灰分量の測定方法)
ルツボを、電気炉を用いて600℃で60分加熱し、ルツボを取り出してデシケーター中で1時間冷却した後に精密天秤で秤量する。リサイクルプロピレン組成物をルツボに10g秤量し、電気炉を用いて600℃で60分加熱し、完全灰化させる。次いで、ルツボをデシケーター中で1時間冷却した後に精密天秤で灰分の質量を0.1mg単位まで測定し、成分(A)または成分(B)に対する灰分量(質量%)を算出する。
成分(A)において、灰分の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、灰分の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(B)において、灰分の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、灰分の含有量は、成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(A)または成分(B)が充填材を含む場合、充填材の大半は成分(A)または成分(B)の灰分に含まれる。成分(A)または成分(B)が充填材を含む場合、充填材の含有量は、概ね成分(A)または成分(B)の灰分量に対応すると考えられる。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物において、成分(A)および成分(B)は、成形体を粉砕して得られる破砕材として、プロピレン樹脂組成物に含まれていてもよい。破砕材は、例えば、最大寸法が10~15mmであり、孔径15mmのパンチングスクリーンを通過する大きさとすることができる。
プロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR、温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは1g/10分以上100g/10分以下であり、より好ましくは12g/10分以上70g/10分以下であり、更に好ましくは15g/10分以上40g/10分以下である。プロピレン樹脂組成物のMFRは、成形加工性を向上させる観点から、好ましくは10g/10分以上である。プロピレン樹脂組成物のMFRは、得られる成形体の衝撃強度を向上させる観点から、好ましくは100g/10分以下である。
成分(A)または成分(B)中のキシレン不溶成分(CXIS成分)の含有量は、成分(A)または成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは40質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上95質量%以下である。成分(A)または成分(B)中のキシレン可溶成分(CXS成分)の含有量は、成分(A)または成分(B)の全質量100質量%に対して、好ましくは1質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
成分(A)または成分(B)中のCXIS成分の含有量、および、CXS成分の含有量は、以下の方法で測定される。
リサイクルプロピレン組成物を4g秤量し、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流した。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得た。得られたポリマー成分を秤量した(以下、「ポリマー成分の質量」を「a」とする)。ポリマー成分aを2g秤量し、沸騰キシレンで2時間加熱溶解した。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別した。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、CXS成分を得た。得られたCXS成分を秤量した(以下、「CXS成分の質量」を「b」とする)。リサイクルプロピレン組成物中のCXIS成分およびCXS成分の含有量は、数値aおよびbを用いて下記式により算出した。また、ろ紙上に残った固形物を真空乾燥することにより、CXIS成分を得た。得られたCXIS成分は、分子量分布の評価に用いた。
CXS成分量(質量%)=(b/a)×100
CXIS成分量(質量%)=100-CXS成分量(質量%)
成分(A)または成分(B)中のCXIS成分は、主として、成分(A)または成分(B)に含まれるヘテロファジックプロピレン重合材料の重合体I、および/または、プロピレン単独重合体から構成されると考えられる。成分(A)または成分(B)中のCXS成分は、主として、成分(A)または成分(B)に含まれるヘテロファジックプロピレン重合材料の重合体II、および/または、エチレン-α-オレフィン共重合体から構成されると考えられる。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、上記以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリスチレン類(例えばポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ポリブタジエン、1,2-ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、天然ゴム等)、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、更にはバイオ原料から抽出された植物由来のモノマーを重合して製造されるPLA樹脂(ポリ乳酸)、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、有機系過酸化物、着色剤(無機顔料、有機顔料、顔料分散剤等)、発泡剤、発泡核剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、高輝度化剤、抗菌剤、光拡散剤、光安定剤等が挙げられる。他の成分は、バージン材であってよく、リサイクル材であってもよく、リサイクルする際の原料に含まれていてもよく、リサイクルプロピレン系重合体と共に、プロピレン樹脂組成物の製造の原料に含まれていてもよい。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、並びに、必要に応じて、エチレン-α-オレフィン共重合体、充填材および他の成分を溶融混練することにより得られる。
溶融混練時の温度は、180℃以上であってもよく、180℃以上300℃以下であってもよく、180℃以上250℃以下であってもよい。
溶融混練には、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸同方向回転押出機等を使用することができる。
各原料成分の混練順序は、特に限定されるものではない。例えば、全成分を一括に混練してもよく、一部の成分を混練した後、得られた混練物と他の成分とを混練してもよい。
本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物を製造する際、その他の任意の工程を含んでいてもよい。任意の工程としては、例えば、破砕工程、精製工程、ペレット形態への成形工程等が挙げられる。精製工程としては、例えば、水、水性および/または油性薬剤による洗浄、微生物処理、磁力選別、比重選別等が挙げられる。成形工程としては、特に限定されるものではなく、例えば、射出成形等が挙げられる。
このようにして得られたプロピレン樹脂組成物の形状は、特に制限されるものではなく、例えば、ストランド状、シート状、平板状、または、ペレット状の形態であってもよい。ペレット状の樹脂組成物は、例えば、ストランド状の樹脂組成物を形成した後、これを適当な長さに裁断することにより製造できる。
プロピレン樹脂組成物の成形加工性、および、成形体を製造する場合の生産安定性を向上させる観点から、成形体に成形加工する前のプロピレン樹脂組成物の形状は、好ましくは、長さが1~50mm程度のペレット状である。
プロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは1g/10分以上100g/10分以下であり、より好ましくは12g/10分以上70g/10分以下であり、更に好ましくは15g/10分以上40g/10分以下である。プロピレン樹脂組成物のMFRは、成形加工性を向上させる観点から、好ましくは10g/10分以上である。プロピレン樹脂組成物のMFRは、得られる成形体の衝撃強度を向上させる観点から、好ましくは100g/10分以下である。
プロピレン樹脂組成物の比重は、好ましくは1.30以下であり、より好ましくは1.20以下であり、更に好ましくは1.10以下である。また、プロピレン樹脂組成物の比重は、好ましくは0.80以上であり、より好ましくは0.85以上であり、更に好ましくは0.90以上である。なお、比重は、JIS K7112に記載のA法である水中置換法にて測定される。
成分(A)は、市場から回収されたものであるから、紫外線、酸化等によって分子量が低下する等の劣化を受けている。また、成分(B)は、工程内で回収されたものであるから、一度加熱成形されている。そのため、成分(A)~(C)には、それぞれ異なる特有の臭気がある。本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、リサイクルプロピレン組成物として成分(A)および成分(B)を併用し、さらに成分(C)を含有することにより、それぞれの臭気が打ち消し合ったり薄め合ったりして、臭気が比較的低減された成形体を得ることができる。さらに、本実施形態に係るプロピレン樹脂組成物は、斯かる構成により、臭気が比較的低減されると共に、衝撃強度の高い成形体を得ることができる。
<成形体>
本実施形態に係る成形体は、上述のプロピレン樹脂組成物を含む。すなわち、上述のプロピレン樹脂組成物は、成形して成形体を形成させるための材料として用いることができる。上述のプロピレン樹脂組成物は、好ましくは、射出成形用材料として用いることができる。以下、プロピレン樹脂組成物を射出成形用材料として用いて製造される射出成形体の一例について説明する。
射出成形体は、射出成形法により製造できる。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等が挙げられる。射出成形体の形状は、特に限定されるものではない。
射出成形体は、例えば、自動車材料用途、家電材料用途、コンテナー用途等に用いることができ、好ましくは、自動車内外装用途に用いることができる。自動車内外装部品としては、例えば、ドアトリム、ピラー、インストルメントパネル、バンパー等が挙げられる。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]成分(A):プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物と、
成分(B):プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物と、
成分(C):バージンプロピレン系重合体と、
を含有する、プロピレン樹脂組成物。
[2]前記成分(A)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する、[1]に記載のプロピレン樹脂組成物。
[3]前記成分(B)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する、[1]または[2]に記載のプロピレン樹脂組成物。
[4]プロピレン単独重合体を含む、[1]~[3]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物。
[5]ヘテロファジックプロピレン重合材料を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物。
[6]前記プロピレン系重合体は、アイソタクチックペンタッド分率が0.961以上である、[1]~[5]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物の製造方法。
[7]エチレン-α-オレフィン共重合体を含む、[1]~[6]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物。
[8]充填材を含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物。
[9]前記充填材が、無機充填材である、[8]に記載のプロピレン樹脂組成物。
[10]前記成分(A)および前記成分(B)と、前記成分(A)、前記成分(B)および前記成分(C)と、の質量比(成分(A)および成分(B)の合計含有量/成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計含有量)が、15以上70以下である、[1]~[9]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物。
[11][1]~[10]のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物を含む、成形体。
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例では、以下の原料を使用した。
成分(A):市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物
下記リサイクルプロピレン組成物(A-1)~(A-3)を準備した。
(A-1)市場から回収された自動車パンパー由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):42.0g/10分
灰分量:18.1質量%
CXIS量:70.0質量%
CXS量:30.0質量%
試験片の異物の個数:1664個/400cm
(A-2)市場から回収された自動車内装ピラー由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):42.0g/10分
灰分量:3.2質量%
CXIS量:83.1質量%
CXS量:16.9質量%
試験片の異物個数:1773個/400cm
(A-3)市場から回収された自動車内装材由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):28.1g/10分
灰分量:7.4質量%
CXIS量:76.9質量%
CXS量:23.1質量%
試験片の異物個数:1936個/400cm
成分(B):工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物
下記リサイクルプロピレン組成物(B-1)~(B-3)を準備した。
(B-1)工程内で回収された自動車内装材由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):34.4g/10分
灰分量:11.2質量%
CXIS量:73.0質量%
CXS量:27.0質量%
試験片の異物個数:480個/400cm
(B-2)工程内で回収された自動車バンパー由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):46.1g/10分
灰分量:11.3質量%
CXIS量:71.4質量%
CXS量:28.6質量%
試験片の異物個数:520個/400cm
(B-3)工程内で回収された自動車内装材由来のリサイクルプロピレン組成物
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):26.0g/10分
灰分量:10.1質量%
CXIS量:86.8質量%
CXS量:13.2質量%
試験片の異物個数:308個/400cm
成分(C):バージンプロピレン系重合体
下記バージンプロピレン系重合体(C-1)~(C-2)を準備した。
(C-1)バージンヘテロファジックプロピレン重合材料
ヘテロファジックプロピレン重合材料を、特開2004-182981号公報の実施例1に記載の方法によって得られる重合触媒の存在下、気相重合法によって製造した。得られた成分C-1の物性は下記のとおりである。
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):32.4g/10分
プロピレン単独重合体(重合体I)の極限粘度:1.00dL/g
エチレン-プロピレンランダム共重合体(重合体II)の極限粘度:5.0dL/g
エチレン-プロピレンランダム共重合体(重合体II)の含有量:16質量%(成分C-1の全質量を100質量%とする)
重合体II中のエチレンに由来する単量体単位の含有量:43.0質量%(重合体IIの全質量を100質量%とする)
(C-2)バージンヘテロファジックプロピレン重合材料
ヘテロファジックプロピレン重合材料を、特開2004-182981号公報の実施例1に記載の方法によって得られる重合触媒の存在下、気相重合法によって製造した。得られた成分C-2の物性は下記のとおりである。
メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重):67g/10分
プロピレン単独重合体(重合体I)の極限粘度:0.90dL/g
エチレン-プロピレンランダム共重合体(重合体II)の極限粘度:6.0dL/g
エチレン-プロピレンランダム共重合体(重合体II)の含有量:13.0質量%(成分C-2の全質量を100質量%とする)
重合体II中のエチレンに由来する単量体単位の含有量:39.0質量%(重合体IIの全質量を100質量%とする)
その他の任意好適な成分である添加剤としては、以下の成分を用いた。
添加剤-1:堺化学工業社製「ステアリン酸カルシウム」
添加剤-2:住友化学社製「スミライザーGA80」(酸化防止剤)
添加剤-3:ソンウォン社製「SONGNOX6260」(酸化防止剤)
添加剤-4:住化ケムテックス社製「スミソーブ400」(紫外線吸収剤)
添加剤-5:BASF社製「Tinuvin770DF」(光安定剤)
添加剤-6:日油社製「アルフローH-50P」(滑剤)
各物性は、以下の方法により算出した。
(1)重合体II中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(単位:質量%)
重合体II中のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、下記の条件で測定した13C-NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules,15,1150-1152(1982))に基づいて求めた。13C-NMRスペクトルは、直径10mmの試験管中でヘテロファジックプロピレン重合材料約200mgを3mLのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させた試料を用い、下記条件で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(2)極限粘度(単位:dL/g)
極限粘度は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dL、0.2g/dLおよび0.5g/dLの3点について還元粘度を測定する。還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法により、極限粘度数を求める。外挿法による極限粘度数の計算方法は、例えば、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載されている。
(3)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210-1995に規定された方法に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定した。
(4)灰分量(単位:質量%)
ルツボを、電気炉を用いて800℃で60分加熱し、ルツボを取り出してデシケーター中で1時間冷却した後に精密天秤で秤量した。リサイクルプロピレン組成物をルツボに10g秤量し、電気炉を用いて800℃で60分加熱し、完全灰化させた。次いで、ルツボをデシケーター中で1時間冷却した後に精密天秤で灰分の質量を0.1mg単位まで測定し、リサイクルプロピレン組成物に対する灰分量(質量%)を算出した。
(5)CXIS成分およびCXS成分の含有量
リサイクルプロピレン組成物を4g秤量し、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流した。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得た。得られたポリマー成分を秤量した(以下、「ポリマー成分の質量」を「a」とする)。ポリマー成分aを2g秤量し、沸騰キシレンで2時間加熱溶解した。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別した。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、CXS成分を得た。得られたCXS成分を秤量した(以下、「CXS成分の質量」を「b」とする)。リサイクルプロピレン組成物中のCXIS成分およびCXS成分の含有量は、数値aおよびbを用いて下記式により算出した。また、ろ紙上に残った固形物を真空乾燥することにより、CXIS成分を得た。得られたCXIS成分は、分子量分布の評価に用いた。
CXS成分量(質量%)=(b/a)×100
CXIS成分量(質量%)=100-CXS成分量(質量%)
(6)試験片の異物個数(単位:個/400cm
リサイクルプロピレン組成物を下記条件で射出成形して試験片を得た。試験片における異物の観察は下記条件において行い、異物の個数を算出した。
(射出成形条件)
シリンダー温度:220℃
金型温度:50℃
射出速度:23mm/秒
金型キャビティ:100mm(幅)×400mm(長さ)×3mm(厚み)
(試験片の異物個数の算出)
得られた試験片の表面を目視で観察し、視認できる異物の個数を100個数えた。該100個の異物が存在する表面の面積から、試験片1枚400cmあたりの個数へ換算した。
試験片の異物の個数(個/400cm)=100個×(400cm/100個の異物が存在する面積cm
(7)密度(単位:g/cm
JIS K7112に記載のA法である水中置換法により測定した。
(8)比重(単位:-)
JIS K7112に記載のA法である水中置換法により測定した。
<実施例1~7および比較例2、3、5>
プロピレン樹脂組成物を次の方法で製造した。
表1の組成の原料と、添加剤として、「ステアリン酸カルシウム」を0.03質量部、「スミライザーGA80」を0.03質量部、「SONGNOX6260」を0.03質量部、「スミソーブ400」を0.2質量部、「Tinuvin770DF」を0.2質量部、「アルフローH-50P」を0.03質量部それぞれ秤量した後、全成分を混合し、テクノベル(株)製 二軸混練機KZW-15/45MG(シリンダー内径15.5mm、スクリュー外径15.0mm、L/D=45)を用いて、溶融混練することによりペレット状のプロピレン樹脂組成物を得た。
溶融混練の条件は、シリンダー温度200℃;スクリュー回転数500rpm;スクリーンメッシュは100メッシュと50メッシュの2枚重ね;押出量6kg/hrとした。
<比較例1および4>
プロピレン樹脂組成物を次の方法で製造した。
表1の組成の原料に、添加剤は加えず、それぞれ秤量した後、全成分を混合し、前述と同様の方法でペレット状のプロピレン樹脂組成物を得た。
(臭気の評価)
ペレット状のプロピレン樹脂組成物を、100℃で1時間乾燥させた後、以下の条件で射出成形して、長さ80mm、幅35mm、厚さ2.0mmである平板状の成形体を製造した。
射出成形機:東洋機械金属Si30III(型締力30トン、シリンダー径18mm)
シリンダー温度:220℃
金型温度:50℃
射出速度:20mm/秒
冷却時間:30秒
得られた平板状の成形体2枚を0.5L容量の無臭のガラス瓶に入れ、蓋を閉じて密閉し、オーブンで80℃にて2時間加熱した。
そして、ガラス瓶をオーブンから取り出した後、常温にて5分間静置した。次いで、6人のパネラーによりガラス瓶中の試料の臭気にかかる評価を実施した。
具体的には、6人のパネラーそれぞれは、臭気について下記の評点を基準に0.25点刻みで採点を行った。
(評点基準)
1点:臭いを感じない。
2点:臭いを感じるが、不快ではない。
3点:臭いをはっきりと感じるが、まだ不快ではない。
4点:不快な臭いである。
5点:非常に不快な臭いである。
6点:耐え難い臭いである。
パネラーにより採点された点数を合計して得られた合計点をパネラーの人数で除算することにより平均点を算出し、当該平均点により評価した。結果を表1及び表2に示す。
表1の結果から分かるように、本発明の構成要件をすべて満たす実施例1~7のプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレンを再利用しつつも、臭気が比較的低減された成形体を得ることができる。具体的には、実施例1~7のプロピレン樹脂組成物は、成分(C)に加えて、リサイクルプロピレン組成物として成分(A)および成分(B)を併用することにより、臭気が比較的低減された成形体を得ることができる。

Claims (11)

  1. 成分(A):プロピレン系重合体を含む市場から回収されたリサイクルプロピレン組成物と、
    成分(B):プロピレン系重合体を含む工程内で回収されたリサイクルプロピレン組成物と、
    成分(C):バージンプロピレン系重合体(ただし、バイオポリプロピレンを除く)と、
    を含有し、
    前記成分(C)の含有量が、プロピレン樹脂組成物の全質量100質量%に対して、15質量%以上である、プロピレン樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  3. 前記成分(B)は、少なくとも一部が自動車用部品から回収された材料に由来する、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  4. プロピレン単独重合体を含む、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  5. ヘテロファジックプロピレン重合材料を含む、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  6. 各成分におけるプロピレン系重合体は、アイソタクチックペンタッド分率が0.961以上である、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  7. エチレン-α-オレフィン共重合体を含む、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  8. 充填材を含む、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  9. 前記充填材が、無機充填材である、請求項8に記載のプロピレン樹脂組成物。
  10. 前記成分(A)および前記成分(B)と、前記成分(A)、前記成分(B)および前記成分(C)と、の質量比(成分(A)および成分(B)の合計含有量/成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計含有量)が、15以上70以下である、請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか一つに記載のプロピレン樹脂組成物を含む、成形体。
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