JP2006278047A - 被覆材料及び電線・ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハロゲン系難燃剤等を用いることなく十分な難燃性を実現するとともに加工性、耐白化性に優れた被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルを提供すること。
【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂と、金属水和物を含んでなり表面に被覆層が形成された体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子と、を少なくとも含有し、前記難燃性粒子をトルエン100質量部中に0.1質量部分散させたときの全光線透過率が70%以上であることを特徴とする被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂に難燃性粒子を混合した被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルに関する。
電線・ケーブルの被覆材料に難燃性を付与するため、従来からハロゲン原子を含むハロゲン系難燃剤が添加される。しかし、ハロゲン系難燃剤は優れた難燃性を示すものの、焼却により有害なハロゲン化ダイオキシン類を生ずるおそれがある。そのため、ハロゲン系難燃剤に代わる各種難燃剤の検討がなされている。
ハロゲン系難燃剤に代わる難燃剤の代表例として水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物(金属水和物)が挙げられる(例えば、特許文献1乃至3参照。)。しかし、水酸化マグネシウムを添加した被覆材料を用いた電線・ケーブルを高湿度雰囲気下に放置すると水酸化マグネシウムと空気中の二酸化炭素との反応により生ずる炭酸マグネシウムが電線・ケーブル表面に析出することがある。炭酸マグネシウムが析出する現象は白化現象として知られ、電線・ケーブルの柔軟性、屈曲性及び難燃性等を悪化させる原因となる。
さらに、金属水和物はハロゲン系難燃剤等に比して難燃性が劣るため、必要とされる難燃性発現には樹脂に多量に配合することが必要である。しかしながら、金属水和物を樹脂に多量に配合すると、樹脂の持つ力学性能などの低下、成形性の悪化などの問題点がある。
特開2001−302851号公報 特開2004−168878号公報 特開2003−34793号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ハロゲン系難燃剤等を用いることなく十分な難燃性を実現するとともに加工性、耐白化性に優れた被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> ポリオレフィン系樹脂と、金属水和物を含んでなり表面に被覆層が形成された体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子と、を少なくとも含有する被覆材料であって、前記難燃性粒子をトルエン100質量部中に0.1質量部分散させたときの全光線透過率が70%以上であることを特徴とする被覆材料である。
<2> 前記金属水和物が、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される少なくとも1種と、Mgと、を含む金属の水和物であることを特徴とする<1>に記載の被覆材料である。
<3> 前記金属水和物が、Mg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される1種類の金属の水和物であることを特徴とする<1>に記載の被覆材料である。
<4> 前記被覆層が、有機化合物またはポリシリコーンを含むことを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の被覆材料である。
<5> ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、無機系難燃助剤、窒素系難燃助剤、有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤から選択される少なくとも一種の難燃助剤をさらに含有することを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の被覆材料である。
<6> 充填剤、離型剤及び着色剤から選択される少なくとも一種をさらに含有することを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の被覆材料である。
<7> <1>乃至<6>のいずれか1つに記載の被覆材料を用いた電線・ケーブルである。
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤等を用いることなく十分な難燃性を実現するとともに加工性、耐白化性に優れた被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルを提供することができる。
以下、本発明の被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルについて詳細に説明する。
本発明の被覆材料は、ポリオレフィン系樹脂と、金属水和物を含んでなり表面に被覆層が形成された体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子と、を少なくとも含有する被覆材料であって、前記難燃性粒子をトルエン100質量部中に0.1質量部分散させたときの全光線透過率が70%以上であることを特徴とする。
前述のように、従来難燃剤として使用されている金属水和物などの難燃性粒子では、ハロゲン系難燃剤などと比較して同等の難燃性を得るために多量に樹脂中に配合させなければならず、これにより樹脂の物性が著しく低下する。樹脂の物性の低下を防ぐためには、難燃剤の低充填化が必要である。
なお、難燃性粒子とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100質量部中に難燃性粒子を5質量部含有させた時に、ISO5660−1に規定する最高発熱速度が難燃性粒子を含む前と比較して25%以上減少させることのできる粒子をいう。
前記低充填化の方法の一つとして、難燃性粒子をさらにnmオーダーの粒径に微粒子化することにより、粒子の比表面積を増加させ、その結果、樹脂との接触面積を増加させることで、少量の添加でも従来のハロゲン系難燃剤に匹敵する難燃性能を発現させることができる。さらに、少量の添加でも難燃性能を得ることができるため、樹脂の強度や成形性など有用な物性を損なうことがない。
すなわち、前記難燃剤として使用される金属水和物を含んでなる難燃性粒子には、燃焼時に熱分解して水を放出することで燃焼時の熱量を低下させる効果と、燃焼時に樹脂から発する燃焼ガスを希釈する効果との二つの効果がある。そして、通常その効果は多量に充填しないと十分な難燃性が出現しないことが知られているが、これらの現象は、あくまで従来のμmオーダーの粒径の金属水和物における現象である。
本発明者等は、難燃剤の粒径をnmオーダーにすることで熱量を低下させる効果と燃焼時に樹脂から発する燃焼ガスを希釈する効果とをより緻密に、かつ効果的に働かせ、かつ、後述するように、難燃性粒子の表面に被覆層を形成することにより樹脂中への分散性を向上させることができることを見出した。
一方、樹脂への難燃剤添加による樹脂難燃化においては、難燃剤を一つではなくいくつか併用して用いることにより難燃性を向上させることができる。本発明の被覆材料は、ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、無機系難燃助剤、窒素系難燃助剤、有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤から選択される少なくとも一種の難燃助剤をさらに含有することが好ましい。なお本発明において難燃剤と難燃助剤とは被覆材料に対する配合量の多少により区別されるものであり、被覆材料に対する配合量の多いものを主たる難燃剤と称し、その主たる難燃剤の難燃効果をさらに高めるため少量添加されるものを難燃助剤と称する。
難燃助剤として利用されるチャー形成化合物には、燃焼時に樹脂の表面を覆い酸素を遮断する効果と、樹脂から発せられる可燃物を遮断する効果とを持つ。このチャー形成化合物の難燃効果は、前記金属水和物の持つ難燃効果と異なるものである。
本発明においては、これら金属水和物とチャー形成化合物(難燃助剤)との異なる二つの効果を組合せることにより、さらなる難燃効果の向上が見出された。
具体的には、nmオーダーの粒径の金属水和物とチャー形成化合物とを併用した場合には、前記金属水和物をnmオーダーの粒径にした優位性とチャー形成化合物の持つ元々の効果とを組合せることで、従来のμmオーダーの粒径の金属水和物とチャー形成化合物との組合せ効果より、さらに難燃性の向上が可能であることがわかった。これは、金属水和物がnmオーダーの粒径であるがために、樹脂中におけるチャー形成化合物との距離が非常に近くなるためであると考えられる。
本発明の被覆材料中には、ポリオレフィン系樹脂が含有される。従来、電線被覆材等にはポリ塩化ビニルが使用されてきた。それは、ポリ塩化ビニルが機械的強度、押出加工性、柔軟性、着色性の点で優れていたからである。しかし、近年、ポリ塩化ビニルは燃焼時に塩化水素などの腐食性のガスやダイオキシン等の有害ガスが発生する危険性があるため、ポリ塩化ビニル組成物に代わる樹脂組成物が望まれていた。そこで、機械的強度、押出加工性、柔軟性、着色性に優れ、かつハロゲンを含まない樹脂材料として、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が用いられる。
以下、本発明の被覆材料の構成等について説明する。
−難燃性粒子−
金属水和物を含んでなる本発明の難燃性粒子の体積平均粒子径は、1〜500nmの範囲である。また、難燃性粒子の体積平均粒子径は1〜200nmの範囲であることが好ましく、5〜200nmの範囲であることがより好ましく、10〜200nmの範囲(特に10〜100nm)であることがさらに好ましい。
難燃性粒子の体積平均粒子径が1nmより小さいと、難燃性保持能が低下してしまう。また、500nmより大きいと、市販の体積平均粒子径が1μmの難燃性粒子と同等の特性となり、難燃性を得るために多量に添加することが必要となってしまう。
また、体積平均粒子径が前記範囲の難燃性粒子は、樹脂中に均一に分散させることが容易である。さらに、難燃性粒子の体積平均粒子径がnmオーダーであると、微細な複合体を形成できることと相まって、透明性の高い被覆材料を得ることができる。
前記金属水和物としては、例えば、Mg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される1種類の金属の水和物を用いることができる。これらの金属の水和物は微粒子化が容易であり、また水和物として安定であるだけでなく、加熱による吸熱性、脱水反応性に優れるため優れた難燃効果を発揮する。上記金属水和物の中では、Mg、Al、Caの水和物が特に好ましい。
金属の水和物としては、難燃成分を保持するものであれば特に制限されないが、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化ニッケルなどの金属水和物;アルミン酸カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛及びメタホウ酸バリウムの水和物などからなるもの;等が例示される。さらに、これらの複合化水和物も好適に使用される。これらの中では、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
また、前記金属水和物としては、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される少なくとも1種とMgとを含む金属(複合金属)の水和物を用いることもできる。このようにMg金属を必須としてこれに各種金属を複合化させた場合、難燃効果の向上を図ることができる。例えば、MgとNiやFeとを複合化させると、燃焼時に気化した樹脂成分に由来する炭化水素中の水素を引き抜く作用を生じ、樹脂の難燃化効果、低発煙化効果を高めることができる。また、MgとAlとを複合化させると、燃焼時の水放出温度を調整して難燃効果を向上させることができる。
Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される少なくとも1種とMgとを含む金属の水和物が用いられる場合、該金属の水和物は、下記一般式(1)で示される。
MgMx・(OH)y ・・・ 一般式(1)
上式において、MはCa、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される少なくとも1種の金属を表し、xは0.1〜10の実数、yは2〜32の整数を表す。
MgMxとしては、MgAlx、MgCax、MgZnx、MgFex、Mg(Al・Ca)xが好ましく用いられる。
本発明に用いられる難燃性粒子は表面に被覆層が形成されており、該難燃性粒子をトルエン100質量部中に0.1質量部分散させたときの全光線透過率は70%以上であることが必要である。難燃性粒子をトルエン中に分散させたときの全光線透過率は難燃性粒子の表面状態の目安となり、全光線透過率が70%以上であれば難燃性粒子の表面が被覆層により十分に覆われているといえる。
なお、全光線透過率は、難燃性粒子0.1質量部をトルエン100質量部中に10分間超音波処理して分散させ、その分散液を石英10mm角セルに入れて、可視光分光光度計(島津製作所製UV−3600)を用いて、波長550nmの直線光についての透過率を測定し、その値を全光線透過率とした。
難燃性粒子の表面に被覆層を形成することにより、樹脂中の難燃性粒子の分散性を向上することができる。また、難燃性粒子の表面には被覆層が形成されているため、ポリオレフィン系樹脂と難燃性粒子との界面の密着性が向上し、ポリオレフィン系樹脂が元来有する機械特性を悪化させることがない。
また、難燃性粒子表面が被覆層によって十分に覆われているため、二酸化炭素と金属水和物との反応を抑制し白化現象の発生を抑えることができる。
本発明に係る難燃性粒子の表面に形成された被覆層は、有機化合物またはポリシリコーンを含むことが好ましい。
前記有機化合物としては、特に制限されないが、前記難燃性粒子と結合可能な有機基を有するものであることが好ましい。このような有機基を難燃性粒子に結合させることにより、難燃性粒子表面に薄層の有機層を均一に形成することができる。
前記有機化合物としては、前記有機基の末端に難燃性粒子と結合を形成するための結合性基を有したものが好ましい。
上記結合性基としては、例えば、ヒドロキシル基、リン酸基、ホスホニウム塩基、アミノ基、硫酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、親水性複素環基、多糖基(ソルビトール、ソルビット、ソルビタン、ショ糖エステル、ソルビタンエステル残基など)、ポリエーテル基(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン基などのアルキレンの炭素数が2〜4のポリオキシアルキレン基など)、加水分解性基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ基などの炭素数が1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(臭素、塩素原子など)などが挙げられる。
なお、結合性基がアニオン性基(硫酸基、スルホン酸基、カルボキシル基など)の場合、種々の塩基と塩を形成していてもよい。該塩基としては、無機塩基(例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニアなど)、有機塩基(例えば、アミン類など)が挙げられる。また、結合性基がカチオン性基(例えば、アミノ基)の場合には、酸、例えば無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(酢酸など)と塩を形成してもよい。さらに、上記カチオン性基は、アニオン性基(特に、カルボキシル基、硫酸基)と塩を形成してもよい。また、結合性基として、カチオン性基及びアニオン性基の両方を有していてもよい。
このように、好ましい結合性基には、イオン性基(アニオン性基、カチオン性基)、加水分解性基が含まれ、難燃性粒子と形成される結合は、イオン結合であっても共有結合であってもよい。
前記有機化合物の有機基としては、界面活性剤の疎水性基等として作用する基(例えば、高級脂肪酸残基、高級アルコール残基、アルキル−アリール基など)やポリアミノ酸残基等が挙げられる。
上記高級脂肪酸残基としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ダチュリン酸、ステアリン酸、モンタン酸、メリシン酸などの炭素数8〜30の飽和脂肪酸(好ましくは炭素数10〜28の飽和脂肪酸、さらに好ましくは12〜26の飽和脂肪酸);エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リンデル酸、マッコウ酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸などの炭素数が12〜30の不飽和脂肪酸(好ましくは炭素数が14〜28の不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が14〜26の不飽和脂肪酸)などの残基が挙げられる。
また、前記高級アルコール残基としては、例えば、オクチル、ノニル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシルなどの炭素数が8〜24の高級脂肪アルコール残基、好ましくは炭素数が10〜22の高級アルコール残基、さらに好ましくは炭素数が12〜20の高級アルコール残基などが挙げられる。
また、前記アルキル−アリール基としては、例えば、ヘキシルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、アミルフェニル、テトラデシルフェニルなどのアルキル−アリール基(好ましくは炭素数が1〜20のアルキル−炭素数が6〜18のアリール基、さらに好ましくは炭素数が6〜18のアルキル−炭素数が6〜12のアリール基、特に炭素数が6〜16のアルキル−フェニル基)などが挙げられる。
これらの疎水性基には、種々の置換基(例えば、炭素数が1〜4のアルキル基など)が置換していてもよい。
また、前記ポリシリコーンとしては、シロキサン結合を有するものであれば特に限定されないが、下記一般式(2)で示されるような環状オルガノシロキサン化合物の重合体を用いることが好ましい。
Figure 2006278047
上記式中、nは3〜8の整数を表す。nの数が小さいほど沸点が低く、揮発して難燃性粒子に吸着する量が多くなり、nが7を超えると揮発しにくくなり被覆処理が不充分となるため好ましくない。また特にn=4、5又は6であるとその立体的な性質から重合しやすく最も適している。
本発明においては、前記一般式(2)で示される環状オルガノシロキサン化合物(a)、(b)のうちのいずれか、または2種を組み合わせて用いることができる。重合体の重合度(繰り返し単位数)は10〜1000の範囲であることが好ましく10〜100の範囲がより好ましい。また、被覆層としては、上記重合体と前記有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
被覆層として、上記のような低表面エネルギーのポリシリコーンを用いることにより、難燃性粒子をポリオレフィン系樹脂と混合した場合に樹脂の可塑化が起こりにくくなる。
また、被覆材料としたときに、燃焼時に表面のポリシリコーン層が熱バリア層を形成するが、粒子表面にポリシリコーン層を形成することで、金属水和物粒子より放出される水分が熱バリア層を発泡させるため、熱バリア層の断熱性を高め難燃効果を向上させることができる。
本発明に係る難燃性粒子における有機化合物による表面被覆量は、金属水和物に対して1〜200質量%の範囲であることが好ましく、20〜100質量%の範囲であることがより好ましく、30〜80質量%の範囲であることがさらに好ましい。被覆量が1質量%に満たないと、ポリオレフィン系樹脂中で凝集物が生成し、分散が不均一になってしまう場合がある。また、200質量%を超えると、ポリオレフィン系樹脂に分散したとき樹脂が可塑化してしまう場合がある。
また、難燃性粒子におけるポリシリコーンによる表面被覆量は、金属水和物に対して20〜200質量%の範囲であることが好ましく、20〜80質量%の範囲であることがより好ましい。被覆量が20質量%に満たないと、ポリオレフィン系樹脂中で凝集物が生成し、分散が不均一になってしまう場合がある。また、200質量%を超えると、ポリオレフィン系樹脂に分散したとき樹脂が可塑化してしまう場合がある。
なお、被覆層の均一性は、難燃性粒子を透過型電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。
また、本発明における難燃性粒子の分散度は、0.1〜3.0の範囲が好ましく、0.1〜1.0の範囲がさらに好ましく、0.1〜0.8の範囲が特に好ましい。
分散度が小さいことは、難燃性粒子の粒度分布が狭いこと、すなわち粒子の大きさがより均一であることを示しており、分散度が前記範囲にあると樹脂に分散した場合の難燃性、機械的特性も均一となる。
なお、前記体積平均粒子径、分散度は、レーザードップラーヘテロダイン型粒度分布計(UPA日機装株式会社製、MICROTRAC−UPA150)により測定した(以下同様である)。具体的には、測定された粒度分布を基にして、体積について小粒径側から累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒子径とした。また、質量について粒度分布を引いて、小粒径側から累積90%となる粒径をD90、累積10%となる粒径をD10としたとき、分散度は下記式で定義される。この測定法については、以下同様である。
分散度=log(D90/D10
前記表面被覆した難燃性粒子の製造方法は、上記構成、特性を満足させることができる方法であれば特に制限されないが、例えば、有機化合物金属塩及び分散剤を溶解させた水溶液中に金属水和物粒子を分散させ、その表面に有機化合物層を形成する方法、金属水和物粒子表面に有機シロキサン化合物の気化物を作用させ、ポリシリコーン化合物層を形成する方法、さらにアルキル酸金属塩を有機溶媒に展開して逆ミセルを形成し、金属イオンを金属酸化物として表面被覆粒子を形成する方法などが挙げられる。これらの方法は、特願2005−49009号公報、特願2005−49010号公報、特願2005−49011号公報に詳しい。
本発明の被覆材料中における前記難燃性粒子の配合量は、0.1〜99質量%の範囲であることが好ましく、1〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
−ポリオレフィン系樹脂−
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂は、エチレン鎖の繰り返し単位を主骨格とする高分子重合体であればよく、その種類は特に限定されない。そのようなポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンの如きポリエチレン;エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンの如き炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体;ポリプロピレン;プロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンの如き炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体;エチレン−プロピレン共重合体ゴム;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム;エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、マレイン酸、無水マレイン酸の如きビニル系モノマーとの共重合体;ポリエチレンもしくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を、アクリル酸、マレイン酸の如き不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性してなる共重合体;これらのポリオレフィン系樹脂の混合物、などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレンが特に好ましい。
本発明の被覆材料中におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、0.1〜99質量%が好ましく、1〜99質量%がさらに好ましく、10〜99質量%が特に好ましい。
−難燃助剤−
本発明に用いられる難燃助剤は、ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、無機系難燃助剤、窒素系難燃助剤、有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ホウ酸系難燃助剤の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛水和物、メタホウ酸バリウム、ほう砂などのホウ酸を含有する化合物が挙げられる。
アンモン系難燃助剤としては、例えば、硫酸アンモニウム等のアンモニア化合物が挙げられる。
無機系難燃助剤としては、例えば、フェロセンなどの酸化鉄系燃焼触媒、酸化チタンなどのチタンを含有する化合物、スルファミン酸グアニジンなどのグアニジン系化合物、さらに、ジルコニウム系化合物、モリブデン系化合物、錫系化合物、炭酸カリウムなどの炭酸塩化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物及びその変性物が挙げられる。
窒素系難燃助剤としては、例えば、トリアジン環を有するシアヌレート化合物が挙げられる。
有機系難燃助剤としては、例えば、無水クロレンド酸、無水フタル酸、ビスフェノールAを含有する化合物、グリシジルエーテルなどのグリシジル化合物、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、変性カルバミド、シリコーンオイル、オルガノシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。
コロイド系難燃助剤としては、例えば、従来から使用されている難燃性を持つ水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水和物、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレーなどの水和物、硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物、ドーソナイト、プロゴパイトなどの難燃性化合物のコロイドが挙げられる。
以上の各種難燃助剤の多くは、水溶性又は親水性のものであり、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記難燃助剤は、比較的少ない量で優れた難燃効果が得られる点などから、ホウ酸系難燃助剤、無機系難燃助剤、窒素系難燃助剤、有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤から選択される少なくとも1種が好ましく、ホウ酸系難燃助剤がさらに好ましい。
本発明の被覆材料中における難燃助剤の含有量は、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
−その他の成分−
本発明の被覆材料は、充填剤、離型剤及び着色剤から選択される少なくとも一種をさらに含有することが好ましい。
充填剤の具体例としては、溶融シリカ等のシリカ粉末、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカなどが挙げられる。カップリング剤などの表面処理剤で表面処理された充填剤を用いることもできる。本発明の被覆材料に充填剤を添加することにより吸湿性の低減、線膨張係数の低減、機械的強度の向上、高熱伝導性の達成等の効果が得られる。
離型剤の具体例としては、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族酸の金属酸化物、酸アミド類、エステル類、パラフィン類などが挙げられる。本発明の被覆材料に離型剤を添加することにより防汚効果を付与することができる。
着色剤の具体例としては、カーボンブラック、ベンガラなどが挙げられる。本発明の被覆材料に着色剤を添加することにより被被覆材料が直射日光等により経時劣化することを防止することができる。
また、本発明の被覆材料には必要に応じて酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等その他の成分を含有させることもできる。
本発明の被覆材料は、上述したポリオレフィン系樹脂、難燃性粒子並びに必要に応じて用いられる難燃助剤、充填剤、離型剤及び着色剤等を混合し、これを混練機で混練することにより得ることができる。
上記混練機としては、特に制限されないが、3本ロールや2本ロールを用い、せん断応力と位置交換の繰り返しによって、難燃性微粒子を分散させる方法、及びニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機を用い、分散機壁面の衝突力やせん断力によって分散させる方法が、高い分散性を得る観点から好ましく用いられる。
混練温度は用いるポリオレフィン系樹脂、難燃性粒子などの添加量等によって異なるが、50〜450℃の範囲が好ましく、60〜380℃の範囲がより好ましい。
本発明の電線・ケーブルは、本発明の被覆材料を用いて形成されるものである。被覆材料を銅、銅被覆アルミ線、銅被覆鋼線等の導体上に押出し被覆することによって、電線・ケーブルを形成することができる。本発明の電線・ケーブルは、電気・電子機器の内・外配線用の電線・ケーブルとして有用なものである。本発明の電線・ケーブルの被覆材料による被覆厚は、通常0.5〜1.8mm程度であるが、特に限定されるものではない。
さらに、本発明の電線・ケーブルは、電子線架橋することによって耐熱性が向上し、かつ機械的特性も向上させることが出来る。
本発明の電線・ケーブルは、本発明の被覆材料を用いて形成されたものであるため、優れた難燃性を有し、焼却した際に有害なハロゲン化ダイオキシン類を生ずるおそれがない。さらに、白化現象が起こりにくいため長期間にわたり優れた難燃性、柔軟性及び屈曲性を維持することができる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
−難燃性粒子の作成−
(難燃性粒子1(シリコーン化合物)の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が495nmの水酸化マグネシウム粒子100質量部と、環状オルガノシロキサン化合物としてオクタメチルシクロテトラシロキサン200質量部とを、それぞれ別のガラス容器に秤量した。これらを容器ごと、減圧・密閉できるデシケーター中に設置した。次いで、真空ポンプにてデシケーター内圧を80mmHgまで減圧した後密閉した。その後、デシケーター容器ごと60℃環境下にて12時間放置し処理を行った。処理後、ガラス容器より表面処理の施された難燃性粒子1(シリコーン化合物)を取り出した。
得られた難燃性粒子1(シリコーン化合物)の体積平均粒子径は495nm、分散度は0.5であった。また、難燃性粒子1(シリコーン化合物)を精秤して表面被覆量を算出したところ20質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で均一に被覆されていることが確認された。
なお、体積平均粒子径が495nmの水酸化マグネシウム粒子(被覆層を形成せず)を難燃性粒子1(無し)とした。
(難燃性粒子1(長鎖カルボン酸)の作製)
2000mlのセパラブルフラスコにイオン交換水1000mlを入れ、これに有機化合物金属塩としてイソステアリン酸ナトリウム100質量部(9.1質量%)と、分散剤としてポリプロピルセルロース5質量部と加え加熱溶解させた。室温まで冷却した後、難燃性粒子として体積平均粒子径が495nmの水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウム複合粒子(MgAlx・(OH)yにおけるx2、y8)50質量部(分散濃度:45.2質量%)を加え、攪拌・超音波処理を施し分散液を作製した。
次に、この分散液に攪拌・超音波処理を行いながら、2質量%の塩酸200質量部を滴下速度200ml/時間として滴下した。塩酸滴下後、分散液は水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウムゾルに転化した。次いで、得られた水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウムゾルをトルエンに溶解させ、遠心分離機にて再びゾルを沈殿させた。その沈殿物を真空乾燥機にて乾燥させ、難燃性粒子1(長鎖カルボン酸)を得た。
得られた難燃性粒子1(長鎖カルボン酸)の体積平均粒子径は495nm、分散度は0.5であった。また、難燃性粒子1(長鎖カルボン酸)を精秤して表面被覆量を算出したところ30質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で均一に被覆されていることが確認された。
(難燃性粒子1(シランカップリング剤)の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が495nmの水酸化マグネシウム粒子100質量部をイオン交換水2000質量部中に加え、水酸化マグネシウム懸濁水溶液を調製した。酢酸を加えてpH3.5〜4.0に調整したビニルトリメトキシシランの5質量%水溶液200質量部を攪拌しながら水酸化マグネシウム懸濁水溶液に加えて、30分間攪拌後、スプレー・ドライヤーに導いて乾燥した。
得られた難燃性粒子1(シランカップリング剤)の体積平均粒子径は495nm、分散度は0.5であった。また、難燃性粒子1(シランカップリング剤)を精秤して表面被覆量を算出したところ0.92質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察では未被覆部の発生が確認された。
(難燃性粒子2の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が80nmの水酸化マグネシウム粒子200質量部を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン化合物)と同様にして難燃性粒子2を得た。
得られた難燃性粒子2の体積平均粒子径は80nm、分散度は0.5であった。また、難燃性粒子2を精秤して表面被覆量を算出したところ50質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で均一に被覆されていることが確認された。
(難燃性粒子3の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が10nmの水酸化マグネシウム粒子400質量部を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン化合物)と同様にして難燃性粒子3を得た。
得られた難燃性粒子3の体積平均粒子径は10nm、分散度は0.5であった。また、難燃性粒子3を精秤して表面被覆量を算出したところ80質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で均一に被覆されていることが確認された。
(難燃性粒子4の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が800nmの水酸化マグネシウム粒子200質量部を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン化合物)と同様にして難燃性粒子4を得た。
得られた難燃性粒子4の体積平均粒子径は800nm、分散度は5.0であった。また、難燃性粒子4を精秤して表面被覆量を算出したところ15質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で未被覆部の発生が確認された。
(難燃性粒子5の作製)
難燃性粒子として体積平均粒子径が2000nmの水酸化マグネシウム粒子200質量部を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン化合物)と同様にして難燃性粒子5を得た。
得られた難燃性粒子5の体積平均粒子径は2000nm、分散度は6.0であった。また、難燃性粒子5を精秤して表面被覆量を算出したところ10質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察で未被覆部の発生が確認された。
[実施例1]
ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)100質量部及び難燃性粒子1(シリコーン化合物)10質量部を蒸気ロールで混錬りして被覆材料を得た。得られた被覆材料を用いて下記方法により難燃性、加工性及び耐白化性を評価した。得られた結果を難燃性粒子の全光線透過率と合わせて表1に示す。なお、表1中の単位は特に指定しない限り質量部を表す。
<難燃性>
被覆材料を外径1.6mmの銅導体上に0.8mm厚さに押出し被覆して、電線を作製し、JIS規格C3005に規定される60度傾斜燃焼試験を行い、難燃性を下記基準に基づき判定した。
○:電線に着火後30秒以内に自己消火した。
×:電線に着火後30秒を超えて自己消火した。もしくは自己消火しなかった。
<加工性>
被覆材料を外径1.6mmの銅導体上に0.8mm厚さに押出し被覆して、電線を作製し、被覆状態を目視により観察して充分に被覆されているかどうかを下記基準に基づき判定した。
○:充分に被覆されている
×:未被覆部が存在する。
<耐白化性>
湿度90%以上のデシケーター中に炭酸ガスを200ml/分の流量で流し、被覆材料の試験片(厚1×幅40×長さ70mm)をその中に72時間放置した。試験片の経時変化を目視により観察し、下記基準に基づき判定した。
○:白色に変色した部分無し。
×:白色に変色した部分有り。
[実施例2乃至5及び比較例1乃至4]
ポリオレフィン系樹脂、難燃性粒子及び難燃助剤の種類並びに配合量を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして被覆材料を得た。得られた被覆材料を用いて実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。なお、実施例5ではホウ酸亜鉛を難燃助剤として用いた。
Figure 2006278047
表1から、本発明によれば、ハロゲン系難燃剤等を用いることなく十分な難燃性を実現するとともに加工性、耐白化性に優れた被覆材料及びそれを用いた電線・ケーブルを得ることが出来ることがわかる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂と、金属水和物を含んでなり表面に被覆層が形成された体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子と、を少なくとも含有する被覆材料であって、
    前記難燃性粒子をトルエン100質量部中に0.1質量部分散させたときの全光線透過率が70%以上であることを特徴とする被覆材料。
  2. 前記金属水和物が、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される少なくとも1種と、Mgと、を含む金属の水和物であることを特徴とする請求項1に記載の被覆材料。
  3. 前記金属水和物が、Mg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される1種類の金属の水和物であることを特徴とする請求項1に記載の被覆材料。
  4. 前記被覆層が、有機化合物またはポリシリコーンを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被覆材料。
  5. ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、無機系難燃助剤、窒素系難燃助剤、有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤から選択される少なくとも一種の難燃助剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被覆材料。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被覆材料を用いた電線・ケーブル。
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