JP2007002120A - 難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的物理特性の低下が少なく、かつ環境負荷の少ない新規な難燃性樹脂組成物及びそれを用いた難燃性樹脂成形品を提供する。
【解決手段】 金属水和物を含み、有機化合物又はシリコーンを含む被覆層が形成された、体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子を、生分解性樹脂中に配合してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物、及び、金属水和物を含み、体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の難燃性粒子を、配合した生分解性樹脂中に配合してなり、UL−94試験による難燃性がHB以上であることを特徴とする難燃性樹脂成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂に難燃性粒子を混合した難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形品に関するものであり、より具体的には、家電及びOA製品の筐体、電線、ケーブル、自動車車両、船舶、航空機、鉄道車両、包装材、建築材料、電子機器やプリント基板等に、火災などの熱による災害から保護する目的で使用されるものである。
樹脂(樹脂組成物)に混合して難燃化する目的に使用される難燃剤としては、従来からハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、リン系化合物、水和金属化合物(金属水和物)などが使用されている。しかし、上記ハロゲン化合物や三酸化アンチモンは、環境問題から敬遠されつつある一方、前記水和金属化合物は環境負荷を低減できるだけでなく、元来天然鉱物ブルーサイトとして多量に土中に存在するものなので、生分解樹脂中に含有されていても、分解時に土壌の環境を変質させる可能性は極めて低い。一方、前記ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、リン系化合物などが生分解樹脂に含有され、土壌にて分解された場合には、土壌環境を汚染する可能性があるばかりか、特にリン化合物は土壌から水分とともに溶出した場合に、水質汚濁の可能性が懸念される。
しかし、前記水和金属化合物では、その他の有機系難燃化合物と比較して同等の難燃性を得るために多量の配合量を必要とするため、ポリマー物性を著しく低下させてしまう。ポリマー物性を低下させることなく、前記その他の有機系難燃剤と同等な難燃性を発現させるためには、小粒径の水和金属化合物を樹脂組成物中で凝集することなく粒子単位で均一に分散安定化させなければならない。このため、金属水和物からなる粒子を樹脂中に混合する場合、樹脂組成物中での分散性を担保するため、また活性基が樹脂組成物に影響を及ぼし樹脂特性が損なわれることを防止するため、粒子表面に均一な被覆層を形成することが好ましい。特に生分解性樹脂のようなポリエステル構造を含む樹脂組成物中に、水酸化マグネシウムのような弱アルカリ性難燃剤を配合した場合、押出機などで混練する際にエステル基が加水分解し、組成物が発泡してしまうことが知られている。よって、その発泡を防止する上でも、金属水和物からなる粒子表面に均一な被覆層を形成することが必要である。
粒子表面に被覆層を形成する方法として、まず、高級脂肪酸などによる表面処理、シリカ層形成などが知られているが(例えば、特許文献1及び2参照)、ナノサイズ粒子に適用した場合、従来の反応条件では粒子が十分に分散しにくく、かつ、被覆反応速度が速いため、粒子が凝集状態で被覆反応を受けてしまい、その結果、均一な被覆粒子を得ることができない。
また、無機粉体の表面に、ポリアミノ酸を処理したりや気相の環状オルガノシロキサンを作用させたりする方法があるが(例えば、特許文献3、4参照)、これらの方法についてもナノサイズ粒子に適用した場合には分散性が担保されず、凝集物が発生してしまう。
また、ポリオレフィンに複合金属水酸化物(難燃剤)とシリコーン化合物(難燃助剤)とをブレンドした難燃性ポリオレフィン組成物が提案されているが(例えば、特許文献5参照)、難燃剤が大粒径であり単なるブレンドであるため、難燃剤と難燃助剤との相乗効果が十分に得られていない。
さらに、生分解性樹脂中に尿素、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、及びグアニジン系の化合物から選択される化学物質を少なくとも1種類含み、好ましくは生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂であることを特徴とする難燃性生分解性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献6)。しかしながら、これらの難燃性樹脂組成物では、生分解樹脂に対してリン系難燃剤を配合して難燃性を向上さたものであるため、土壌にて分解する場合土壌環境を汚染してしまう可能性がある。
また、ポリ乳酸系樹脂組成物にシリコーン系化合物を含んでなるものも出願されている(例えば、特許文献7)。しかし、シリコーンにて生分解樹脂を難燃化するためには、フェニルシリコーンなどのポリアロマテックシリコーンなどを多量に充填せねばならず、コストの上昇に加えて物性が著しく低下してしまうという問題がある。
特開昭52−30262号公報 特開2003−253266号公報 特開昭57−145006号公報 特開昭61−268763号公報 特開平10−245456号公報 特開2004−27079号公報 特開2004−250500号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、機械的物理特性の低下が少なく、かつ環境負荷の少ない新規な難燃性樹脂組成物及びそれを用いた難燃性樹脂成形品を提供することを目的とする。具体的には、成形時に発泡することなく成形体が得られ、かつ得られた成形体にハロゲンやリン化合物を含まないため極めて環境負荷が小さく、難燃性に優れた難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形品の提供を目的とするものである。
従来難燃剤は、粒子径が1〜50μmの範囲の難燃性粒子を、少なくとも50〜150質量部程度と多量に配合することによって、樹脂の難燃化が検討されてきた。このような粒子の多量配合により、樹脂の機械的特性や電気的特性などを劣化させてしまうため、他の添加剤もしくは他樹脂などを配合するなどの処方がとられてきた。
本発明者等は、前記課題を解決するべく、粒子の比表面積を増加させ、ポリマーとの接触面積も増加させる微粒子の難燃性粒子の樹脂への適用について鋭意研究を重ねた。その結果、体積平均粒子径が1〜500nmの範囲の特定の難燃性粒子と、場合により難燃助剤とを配合することにより、従来の体積平均粒子径が0.5〜50μm程度の難燃剤と比較して、低充填で同等以上の難燃性が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
<1> 金属水和物を含み、有機化合物又はシリコーンを含む被覆層が形成された、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、生分解性樹脂中に配合してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
<2> 更に、前記生分解性樹脂中に、難燃助剤が配合されていることを特徴とする<1>に記載の難燃性樹脂組成物である。
<3> 前記金属水和物が、Mg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiからなる群から選択される1種類以上の金属の水和物であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の難燃性樹脂組成物である。
<4> 前記難燃性粒子として、体積平均粒子径が1nm以上200nm未満の範囲の難燃性粒子と、体積平均粒子径が200nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子と、を生分解性樹脂中に配合してなることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載の難燃性樹脂組成物である。
<5> 更に、前記生分解性樹脂中に、体積平均粒子径が0.5μmを超え50μm以下の範囲の難燃剤が配合されていることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の難燃性樹脂組成物である。
<6> 発泡倍率が100〜103%であることを特徴とする<1>〜<5>の何れか1つに記載の難燃性樹脂組成物である。
<7> 金属水和物を含み、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、配合した生分解性樹脂を成形してなり、UL−94試験による難燃性がHB以上であることを特徴とする難燃性樹脂成形品である。
<8> ISO5660のコーンカロリーメータ測定による発熱速度が、前記難燃性粒子を配合しない前記生分解性樹脂を用いた成形品の3分の1以下であることを特徴とする<7>に記載の難燃性樹脂成形品である。
<9> JIS K 7105による全光線透過率が40%〜90%であることを特徴とする<7>又は<8>に記載の難燃性樹脂成形品である。
本発明によれば、生分解性樹脂中に、粒子の比表面積が大きく、ポリマーとの接触面積も大きい難燃性粒子を樹脂組成物に配合することにより、成形時に発泡することなく、機械的物理特性の低下が少なく、かつ環境負荷の少ない新規な難燃性樹脂組成物及びそれを用いた難燃性樹脂成形品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<難燃性樹脂組成物>
本発明の難燃性樹脂組成物は、金属水和物を含み、有機化合物又はシリコーンを含む被覆層が形成された、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、生分解性樹脂中に配合してなることを特徴とする。
前述のように、従来難燃剤として使用されている水和金属化合物などの難燃性の粒子では、その他の有機系難燃化合物と比較して同等の難燃性を得るために多量に樹脂組成物中に配合させなければならず、これによりポリマー物性が著しく低下する。このため、ポリマー物性の低下を防ぐためには、難燃剤の低充填化が必要である。
なお、上記難燃性樹脂組成物とは、ISO5660のコーンカロリーメータ測定による発熱速度(Heat Release Rate)が、前記難燃性粒子を配合しない前記生分解性樹脂の3分の1以下であり、かつ、UL−94で規定される難燃性がHB以上の難燃度を持つ樹脂組成物をいう。
なお難燃度(UL規格)は、米国のUNDERWRITERS LABORATORIES INC.社が制定、認可している電気機器に関する安全性の規格であり、UL燃焼試験法による垂直燃焼試験により規定された規格である。難燃性の程度によりV−0、V−1、V−2がありV−0に近づくほど高難燃性材料であることを示している。燃焼時間が10秒以下から30秒以下で燃焼しながら落ちる溶融物がない場合でV−0〜V−1レベル、及び燃焼しながら落下する溶融物のある場合はV−2である。
前記低充填化の方法の一つとして、難燃性の粒子をさらにナノサイズに微粒子化することにより、粒子の比表面積を増加させ、その結果、ポリマーとの接触面積を増加させることで、少量の添加でも従来のハロゲン系難燃剤に匹敵する難燃性能を発現させることができる。
すなわち、前記難燃剤として使用される水和金属化合物には、燃焼時に熱分解して水を放出することで燃焼時の熱量を低下させる効果と、燃焼時にポリマーから発する燃焼ガスを希釈する効果との二つの効果がある。そして、通常その効果は多量に充填しないと十分な難燃剤が出現しないことが知られているが、これらの現象は、あくまで従来のマイクロサイズ粒径の水和金属化合物における現象である。
本発明者等は、難燃剤の粒径をナノサイズにすることで、熱量を低下させる効果と、燃焼時にポリマーから発する燃焼ガスを希釈する効果と、をより緻密に、かつ効果的に働かせることができることを見出した。それは例えば、燃焼物に対して水をジョウロにて消火するのとより水滴が細かい霧吹きにて消火するのとどちらが効果的であるかは、自明の理であるように、マイクロサイズとナノサイズの粒径効果は歴然であるからである。
一方、ポリマーへの難燃剤添加による樹脂難燃化においては、難燃剤を一つではなくいくつか併用して用いる場合がほとんどであり、その場合に樹脂に対する配合量の多いものが主たる難燃剤であり、その主たる難燃剤の難燃効果をさらに高めるため少量添加されるものが難燃助剤である。
例えば、臭素系難燃剤に対する難燃助剤が酸化アンチモン化合物であり、主たる臭素系難燃剤に対し、燃焼時に臭素と反応性を持つ酸化アンチモン化合物がさらに難燃性能を高める。この場合、難燃助剤は臭素系難燃剤と反応し吸熱効果を持つなど、難燃剤と組合せてさらなる相乗効果を得るために使用されるものである。
一方、難燃助剤の中には、積極的に炭化し、燃焼時にポリマー表面を覆い酸素を遮断する効果と、ポリマーから発せられる可燃物を遮断する二つの効果とを持つものがある。これをチャー形成化合物といい、その難燃効果は、前記水和金属化合物の持つ難燃効果と異なるものである。
本発明においては、これら水和金属化合物とチャー形成化合物(難燃助剤)との異なる二つの効果を組合せることにより、さらなる難燃効果の向上が見出された。
具体的には、ナノサイズの水和金属化合物とチャー形成化合物とを併用した場合には、前記水和金属化合物をナノサイズにした優位性とチャー形成化合物の持つ元々の効果とを組合せることで、従来のマイクロサイズ水和金属化合物とチャー形成化合物との組合せ効果より、さらに難燃性の向上が可能であることがわかった。これは、水和金属化合物がナノサイズであるがために、ポリマー中におけるチャー形成化合物との距離が非常に近くなるためであると考えられる。
さらに本発明においては、難燃剤としてナノサイズの金属水和物とチャーを形成し得る難燃助剤とを使用することで、前記のような両者の複合効果により、燃焼時に有害なガスが発生せず、かつリサイクル時の環境負荷の小さな難燃性樹脂組成物を得ることができることも明らかとなった。
以下、本発明の難燃性樹脂組成物の構成等について説明する。
<難燃性粒子>
金属水和物を含み、有機化合物又はシリコーンを含む被覆層が形成された、難燃性粒子の体積平均粒子径は、1nm以上500nm以下の範囲である。また、該難燃性粒子の体積平均粒子径は1nm以上200nm以下の範囲であることが好ましく、5nm以上200nm以下の範囲であることがより好ましく、10nm以上200nm以下nmの範囲であることが更に好ましく、10nm以上100nm以下であることが特に好ましい。前期難燃性粒子の体積平均粒子径が1nmより小さいと、難燃性保持能が低下してしまう。また、500nmより大きいと、市販の体積平均粒子径が1μmの難燃性粒子と同等の特性となり、難燃性を得るために多量に添加することが必要となってしまう。
また、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲である難燃性粒子は、生分解性樹脂中に均一に分散する。さらに、難燃性粒子の体積平均粒子径がナノメーターサイズであることにより、微細な複合体を形成できることと相まって、透明性の高い難燃性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、2種以上の前記難燃性粒子を生分解性樹脂中に配合していてもよく、その場合、前記2種以上の難燃性粒子のうちの1種が体積平均粒子径が1nm以上200nm未満の範囲の難燃性粒子であり、他の1種が体積平均粒子径が200nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子であることが好ましい。このように体積平均粒子径が異なる2種以上の難燃性粒子を含有することで、後述する本発明の難燃性樹脂組成物を用いた本発明の難燃性樹脂成形品の機械的物性がより向上する。
前記金属水和物としては、例えば、Mg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiからなる群から選択される1種類の金属の水和物を用いることができる。これらの金属の水和物は微粒子化が容易であり、また水和物として安定であるだけでなく、加熱による吸熱性、脱水反応性に優れるため優れた難燃効果を発揮する。上記金属水和化合物の中では、Mg、Al、Caの水和物が特に好ましい。
これら金属の水和物としては、難燃成分を保持するものであれば特に制限されないが、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化ニッケルなどの金属水和物;アルミン酸カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛及びメタホウ酸バリウムの水和物などからなるもの;等が例示される。さらに、これらの複合化水和物も好適に使用される。これらの中では、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
また、前記金属水和物としては、前述のMg、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiからなる群から選択される2種以上を含む複合金属の水和物を用いることもできる。このように各種金属を複合化させた場合、難燃効果の向上を図ることができる。例えば、MgとNiやFeとを複合化させると、燃焼時に気化した樹脂成分に由来する炭化水素中の水素を引き抜く作用を生じ、樹脂組成物の難燃化効果、低発煙化効果を高めることができる。また、MgとAlとを複合化させると、燃焼時の水放出温度を調整して難燃効果を向上させることができる。
本発明において、前記金属水和物の金属として、上述の群のうち、Mgと、1種以上のMg以外の金属とを含む金属の水和物が用いられる場合、該金属の水和物は、下記一般式(1)で示されることが好ましい。
Mg・Mx・(OH)y ・・・ 一般式(1)
一般式(1)において、MはCa、Al、Fe、Zn、Ba、Cu及びNiから選択される1種以上の金属を表し、xは0.1〜10の実数、yは2〜32の整数を表す。
前記Mとしては、Ca、Al、Fe、Zn、Ba、Cu、Niを用いることが好ましく、特にMgMxとしてMgAlx、MgCax、MgZnx、MgFex、Mg(Al・Ca)xが好ましく用いられる。
また、前記xとしては、0.1〜5の実数が好ましく、2〜3の実数がより好ましい。前記yとしては、2〜10の整数が好ましく、2又は3がより好ましい。
本発明における難燃性粒子には、樹脂組成物中でのナノサイズの難燃性粒子の分散性を向上させるため、また、生分解性樹脂のようなポリエステル構造を含む樹脂組成物の発泡を防止するためには、難燃性粒子表面に均一な被覆層を形成する(以下、この難燃性粒子を「表面被覆難燃性粒子」という場合がある)。被覆層を形成すると、難燃成分を金属水和物粒子中に安定に保持できるとともに、樹脂組成物との親和性を大きく向上させることができる。本発明の生分解性樹脂組成物は、前記被覆層が有機化合物又はシリコーンを含むことを特徴とする。
前記有機化合物としては、特に制限されないが、前記難燃性粒子と結合可能な有機基を有するものであることが好ましい。このような有機基を難燃性粒子に結合させることにより、難燃性粒子表面に薄層の有機層を均一に形成することができる。
前記有機化合物としては、前記有機基の末端に難燃性粒子と結合を形成するための結合性基を有したものが好ましい。
上記結合性基としては、例えば、ヒドロキシル基、リン酸基、ホスホニウム塩基、アミノ基、硫酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、親水性複素環基、多糖基(ソルビトール、ソルビット、ソルビタン、ショ糖エステル、ソルビタンエステル残基など)、ポリエーテル基(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン基などのアルキレンの炭素数が2〜4のポリオキシアルキレン基など)、加水分解性基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ基などの炭素数が1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(臭素、塩素原子など)などが挙げられる。
なお、結合性基がアニオン性基(硫酸基、スルホン酸基、カルボキシル基など)の場合、種々の塩基と塩を形成していてもよい。該塩基としては、無機塩基(例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニアなど)、有機塩基(例えば、アミン類など)が挙げられる。また、結合性基がカチオン性基(例えば、アミノ基)の場合には、酸、例えば無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(酢酸など)と塩を形成してもよい。さらに、上記カチオン性基は、アニオン性基(特に、カルボキシル基、硫酸基)と塩を形成してもよい。また、結合性基として、カチオン性基及びアニオン性基の両方を有していてもよい。
このように、好ましい結合性基には、イオン性基(アニオン性基、カチオン性基)、加水分解性基が含まれ、難燃性粒子と形成される結合は、イオン結合であっても共有結合であってもよい。
前記有機化合物の有機基としては、界面活性剤の疎水性基等として作用する基(例えば、高級脂肪酸残基、高級アルコール残基、アルキル−アリール基など)やポリアミノ酸残基等が挙げられる。
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ダチュリン酸、ステアリン酸、モンタン酸、メリシン酸などの炭素数8〜30の飽和脂肪酸(好ましくは炭素数10〜28の飽和脂肪酸、さらに好ましくは12〜26の飽和脂肪酸);エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リンデル酸、マッコウ酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸などの炭素数が12〜30の不飽和脂肪酸(好ましくは炭素数が14〜28の不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が14〜26の不飽和脂肪酸)などが挙げられる。
前記疎水性基としては、また、これらの高級脂肪酸残基または前記高級脂肪酸に対応する高級アルコール残基(例えば、オクチル、ノニル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシルなどの炭素数が8〜24の高級脂肪酸残基(好ましくは炭素数が10〜22の高級脂肪酸残基、さらに好ましくは炭素数が12〜20の高級脂肪酸残基)などが挙げられる。
また、前記アルキル−アリール基としては、例えば、ヘキシルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、アミルフェニル、テトラデシルフェニルなどのアルキル−アリール基(好ましくは炭素数が1〜20のアルキル−炭素数が6〜18のアリール基、さらに好ましくは炭素数が6〜18のアルキル−炭素数が6〜12のアリール基、特に炭素数が6〜16のアルキル−フェニル基)などが挙げられる。
これらの疎水性基には、種々の置換基(例えば、炭素数が1〜4のアルキル基など)が置換していてもよい。
前記シリコーンとしては、シロキサン結合を有するものであれば特に限定されないが、下記一般式(2)において、(a)又は(b)で示されるような環状オルガノシロキサン化合物の重合体を用いることが好ましい。
Figure 2007002120
上記一般式(2)中、nは3〜8の整数を表す。nの数が小さいほど沸点が低く、揮発して難燃性粒子に吸着する量が多くなり、nが7を超えると揮発しにくくなり被覆処理が不充分となる場合がある。また特に4量体、5量体、6量体はその立体的な性質から重合しやすく最も適している。
本発明においては、前記一般式(2)で示される環状オルガノシロキサン化合物(a)、(b)のうちのいずれか、または2種を組み合わせて用いることができる。この重合体の重合度(繰り返し単位数)は10〜1000の範囲であることが好ましく、10〜100の範囲がより好ましい。また、被覆層としては、上記重合体と前記有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
被覆層として、上記のような低表面エネルギーのポリシリコーンを用いることにより、表面被覆難燃性粒子を樹脂組成物と混合した場合に樹脂の可塑化が起こりにくくなる。
また、難燃性樹脂組成物としたときに、燃焼時に表面のポリシリコーン層が熱バリア層を形成するが、粒子表面にポリシリコーンの被覆層を形成することで、金属水和物粒子より放出される水分が熱バリア層を発泡させるため、熱バリア層の断熱性を高め難燃効果を向上させることができる。
本発明における表面被覆難燃性粒子における有機化合物による表面被覆量は、表面被覆難燃性粒子全体の1〜200質量%の範囲であることが好ましく、20〜100質量%の範囲であることがより好ましく、30〜80質量%の範囲であることがさらに好ましい。被覆量が1質量%に満たないと、樹脂組成物中で凝集物が生成し、分散が不均一になってしまう場合がある。また、200質量%を超えると、樹脂組成物に分散したとき樹脂が可塑化してしまう場合がある。
また、表面被覆難燃性粒子におけるシリコーンによる表面被覆量は、表面被覆難燃性粒子全体の20〜200質量%の範囲であることが好ましく、20〜80質量%の範囲であることがより好ましい。被覆量が20質量%に満たないと、樹脂組成物中で凝集物が生成し、分散が不均一になってしまう場合がある。また、200質量%を超えると、樹脂組成物に分散したとき樹脂が可塑化してしまう場合がある。
なお、被覆層の均一性は、表面被覆難燃性粒子を透過型電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。
なお、本発明における表面被覆した難燃性粒子の場合も、体積平均粒子径(表面被覆難燃性粒子が非球状の場合にはその外接円の平均径)は前記と同様である。
また、本発明における難燃性粒子の分散度は、0.1〜3.0の範囲が好ましく。分散度は0.1〜1.0の範囲がさらに好ましく、0.1〜0.8の範囲が特に好ましい。
分散度が小さいことは、難燃性粒子の粒度分布が狭いこと、すなわち粒子の大きさがより均一であることを示しており、分散度が前記範囲にあると樹脂に分散した場合の難燃性、機械的特性も均一となる。
なお、前記体積平均粒子径、分散度は、レーザードップラーヘテロダイン型粒度分布計(UPA日機装株式会社製、MICROTRAC−UPA150)により測定した(以下同様である)。具体的には、測定された粒度分布を基にして、体積について小粒径側から累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒子径とした。また、質量について粒度分布を引いて、小粒径側から累積90%となる粒径をD90、累積10%となる粒径をD10としたとき、分散度は下記式(A)で定義される。この測定法については、以下同様である。
分散度=log(D90/D10) ・・・ 式(A)
前記表面被覆した難燃性粒子の製造方法は、既述の構成、特性を満足させることができる方法であれば特に制限されないが、例えば、被覆層が有機化合物を含む場合は、有機化合物金属塩及び分散剤を溶解させた水溶液中に金属水和物粒子を分散させ、その表面に有機化合物層を形成する方法が、被覆層がシリコーンを含む場合は、金属水和物粒子表面に有機シロキサン化合物の気化物を作用させ、ポリシリコーン化合物層を形成する方法が挙げられ、さらにアルキル酸金属塩を有機溶媒に展開して逆ミセルを形成し、金属イオンを金属酸化物として表面被覆粒子を形成する方法などが挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物における前記難燃性粒子の配合量は、後述する樹脂組成物100質量部に対して0.1〜80質量部の範囲であることが好ましく、5〜50質量部の範囲であることがより好ましい。
<難燃助剤>
本発明に用いられる難燃助剤としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、その他の無機系難燃助剤、チッ素系難燃助剤、その他の有機系難燃助剤及びコロイド系難燃助剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記ホウ酸系難燃助剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛水和物、メタホウ酸バリウム、ほう砂などのホウ酸を含有する化合物が挙げられる。
前記アンモン系難燃助剤としては、例えば、硫酸アンモニウム等のアンモニア化合物が挙げられる。
前記その他無機系難燃助剤としては、例えば、フェロセンなどの酸化鉄系燃焼触媒、酸化チタンなどのチタンを含有する化合物、スルファミン酸グアニジンなどのグアニジン系化合物、さらに、ジルコニウム系化合物、モリブデン系化合物、錫系化合物、炭酸カリウムなどの炭酸塩化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸和金属及びその変性物が挙げられる。
前記チッ素系難燃助剤としては、例えば、トリアジン環を有するシアヌレート化合物が挙げられる。
前記その他の有機系難燃助剤としては、例えば、無水クロレンド酸、無水フタル酸、ビスフェノールAを含有する化合物、グリシジルエーテルなどのグリシジル化合物、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、変性カルバミド、シリコーンオイル、オルガノシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。
コロイド系難燃助剤としては、例えば、従来から使用されている難燃性を持つ水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水和金属化合物、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレーなどの水和物、硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物、ドーソナイト、プロゴパイトなどの難燃性化合物のコロイドが挙げられる。
以上の各種難燃助剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる難燃助剤としては、比較的少ない量で優れた難燃効果が得られること、リサイクル時における熱履歴などで劣化しないことなどから、ホウ酸系難燃助剤、シリコーン化合物及びチッ素系難燃助剤のうちから選択される1種以上を用いることが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物における前記難燃助剤の配合量は、後述する樹脂組成物100質量部に対して0.1〜80質量部の範囲であることが好ましく、1〜50質量部の範囲であることがより好ましい。
<生分解性樹脂>
本発明で使用される生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸など)、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸、ポリウレタン、ナイロンオリゴマーなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種類以上を複合して使用することができる。中でも成形後の成形体の表面性に優れ、また、成形後の成形体の透明性に優れる点から脂肪族ポリエステルが好ましく、中でもポリ乳酸が特に好ましい。
さらに、フェノール、カーボネート、重質油類またはピッチ類及びホルムアルデヒド化合物を酸触媒の存在下で重縮合して得られる縮合多環芳香族樹脂にて変性した変性生分解性樹脂は、チャーを形成すべき物質が付加されるため上記のように難燃性が向上し、前記難燃性粒子と併用することによりさらなる難燃性の相乗効果が生ずるため好ましい。
また、例えば上記生分解性樹脂と難燃性粒子等とを配合した生分解性樹脂組成物を、他の樹脂とポリマーブレンドしてもよい。該他の樹脂としては、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドを始めとする様々なエンジニアリングプラスチックを使用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、通常配合される安定剤などを配合させることができる。これらは特に限定されるものではないが、例えば、橋掛け剤、橋掛け促進剤、橋掛け促進助剤、活性剤、橋掛け抑制剤、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、補強剤、強化剤、発砲剤、発泡助剤、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤、改質剤、接着剤、付香剤、重合触媒、重合開始剤、重合禁止剤、重合抑制剤、重合調整剤、結晶核剤、相溶化剤、分散剤、消泡剤などが挙げられる。
これらは、単独もしくは2つ以上で複合して使用することができる。
また、本発明の難燃性樹脂組成物には、前記難燃性微粒子、難燃助剤のみだけではなく、さらに粒子径の大きい難燃剤と併用することによって、ポリマーマトリックス中において大きな粒子同志の隙間を小さな難燃性微粒子が埋める石垣のような効果により、隙間なく樹脂組成物中に難燃性物質を行き渡らせる効果がある。そして上記の効果によって、難燃性はさらに向上する。
前記難燃剤としては、体積平均粒子径が0.5μmを超え50μm以下の範囲であるものが好ましく、0.8μm以上40μm以下の範囲であるものがより好ましく、0.8μm以上30μm以下の範囲であるものが更に好ましい。体積粒子径が0.5μmに満たないと、粒子が小さすぎて前記石垣のような構造を採ることができない場合がある。50μmより大きいと、ポリマーの機械的特性を低下させる原因となる場合がある。
前記難燃剤としては、特に制限されないが、水和金属化合物、無機水和物、窒素含有化合物、及び珪素含有無機充填剤から選択される1種以上を用いることが好ましい。
前記水和金属化合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウムのうちから選択されるいずれかであることが好ましい。また、前記無機水和物としては、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、及びカオリンクレーのうちから選択されるいずれかであることが好ましい。また、前記窒素含有化合物は硝酸ナトリウムであることが好ましい。さらに、前記珪素含有無機充填剤は、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物、ドーソナイト、プロゴパイト、及びスメクタイト等から選択されるいずれかであることが好ましい。
上記難燃剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記難燃性化合物としては、前記難燃性微粒子に用いられる無機微粒子を構成する化合物と同一であっても、異なってもよい。
前記難燃剤の含有量は、前記難燃性粒子100質量部に対し、0.1〜200質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜50質量部の範囲であることがより好ましい。含有量が0.1質量部に満たないと、含有量が少なすぎ前記石垣のような構造を採ることができない場合がある。200質量部を超えると、難燃剤の量が多くなりすぎポリマーの機械的特性が低下する場合がある。
また、本発明の難燃性樹脂組成物には、前記難燃性粒子、難燃助剤のみだけではなく、有機化処理したスメクタイト類と併用することによって、樹脂組成物中において大きなアスペクト比のスメクタイト類粒子同志の隙間を小さな難燃性微粒子が埋める点と線のような効果により、隙間なく樹脂組成物中に難燃性物質を行き渡らせる効果がある。
付け加えるに、前記有機化処理したスメクタイト類が樹脂中に分散した際にその樹脂は透明になり、本発明の難燃性微粒子が可視光以下の大きさであり、かつ、樹脂に配合する際にも均一に分散するため、その併用配合樹脂は透明性に優れる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、以上述べた難燃性粒子、生分解性樹脂、及び必要に応じて難燃剤、安定剤などを混合し、これを混練機で混練することにより得ることができる。
上記混練機としては、特に制限されないが、3本ロールや2本ロールを用い、せん断応力と位置交換の繰り返しによって、難燃性微粒子を分散させる方法、及びニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機を用い、分散機壁面の衝突力やせん断力によって分散させる方法が、高い分散性を得る観点から好ましく用いられる。
混練温度は用いる樹脂組成物、難燃性粒子などの添加量等によって異なるが、50〜450℃の範囲が好ましく、60〜380℃の範囲がより好ましい。
一方、本発明における難燃性粒子は、表面に被覆層を好適に有していることから、前記ニーダー、2軸押出機及びロールなどの機械的混合のみならず、樹脂組成物が溶解する、もしくは膨潤する溶液中においても樹脂と均一分散させることができる。
また、重合過程における樹脂製造の過程において、重合溶媒とともに混合することも可能である。このように樹脂への分散において大きな自由度を持つことは、配合量が少なくても難燃性が出現し、機械的強度を損なわないことにより、加工性が向上していると考えられる。よって、ペレット、繊維、フィルム、シート、構造物など、幅広い形状の加工品を得る加工方法への適用が可能となる。
その際の有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、メタノール、エチルホルムアミド、ニトロメタン、エタノール、アクリル酸、アセトニトリル、アニリン、シクロヘキサノール、n−ブタノール、メチルアミン、n−アミルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、ベンゼン、酢酸エチル、トルエン、ジエチルケトン、四塩化炭素、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、イソブチルクロリド、ジエチルアミン、メチルシクロヘキサン、酢酸イソアミル、n−オクタン、n−ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、メチルイソプロピルケトン、酢酸ブチル、メチルプロピルケトン、エチルベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、ピリジン、n−ヘキサノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、エチレングリコール、グリセロールホルムアミド、ジメトルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
これらは単独もしくは2つ以上で複合して使用することができる。
また、その際の混合温度は0〜200℃の範囲、好ましくは室温から150℃の範囲、特に好ましくは10〜100℃の範囲であり、場合によっては、圧力をかけてもよいし、かけなくてもよい。
<発泡倍率>
本発明は、前述したように、金属水和物の表面層を被覆し、金属水和物表面の活性基と生分解性樹脂中のポリエステル基との反応を防止することで、生分解性樹脂の加水分解による発泡を防止することができる。本発明の難燃性樹脂組成物の発泡倍率は、難燃性粒子等を含む前の構成樹脂単体組成物に対する容積率にて測定することができ、例えば、「空気式見掛け容積測定器」を使用してASTM D−2856に記載の方法により見掛け容積率を測定する。
本発明における難燃性樹脂組成物の発泡倍率は100〜103%の範囲であることが好ましい。発泡倍率が100%に満たない場合は、難燃性の効果を得られない場合が有り、103%を超える場合は組成物中の生分解性樹脂が加水分解してしまい成形できなくなる場合がある。
以上、本発明の難燃性樹脂組成物及びその製法について簡単に説明した。本発明の難燃性樹脂組成物は、従来の難燃剤を微粒子化することにより、粒子の比表面積を増加させ、ポリマー(樹脂組成物)との接触面積を増加させると共に、チャー形成化合物である難燃助剤を併用することにより、少量の配合で高い難燃性能が発現されることを特徴としている。
また、本発明における難燃性粒子は、表面に被覆層(有機化合物、シリコーン)を有することで、樹脂中にさらに均一に分散させることができ、その難燃効果は向上する。
しかも、本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性粒子の少量添加で高難燃性であるため、機械的特性に優れるだけでなく、従来のハロゲン系やリン酸エステル系の難燃剤に比べて環境負荷が小さく、金属水和物が熱履歴で劣化することがないためリサイクル性も高い。さらには、用いられる難燃性粒子が可視光以下の大きさであり、かつ、樹脂組成物に配合する際にも均一に分散するため、難燃性樹脂組成物は透明性に優れる。
<難燃性樹脂成形品>
本発明の難燃性樹脂成形品は、金属水和物を含み、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、配合した生分解性樹脂を成形してなり、UL−94試験による難燃性がHB以上であることを特徴とする。
本発明の難燃性樹脂成形品は、既述した本発明の難燃性樹脂組成物を成形機により成形することで得られる。この場合、前記難燃性粒子は有機化合物又はシリコーンで被覆されているので、有機化合物又はシリコーンを更に含有することになる。また、既述のように難燃性粒子は体積平均粒子径が1nm以上500nm以下であることにより難燃性に優れ、かつ表面被覆層を有することにより分散性に優れ、UL−94試験による難燃性がHB以上とすることができる。
本発明の難燃性樹脂成形品を成形する成形機としては、プレス成形機、インジェクション成形機、モールド成形機、ブロー成形機、押出成形機、及び紡糸成形機のうちから選択される1以上の成形機を用いることができる。したがって、これらの1つにより成形を行ってもよいし、1つの成形機により成形を行った後、他の成形機により続けて成形を行ってもよい。
成形された本発明の難燃性樹脂成形品の形状は、シート状、棒状、糸状など特に限定されるものではない。また、その大きさも制限されるものではない。
本発明の難燃性樹脂成形品は、例えばシート状成形物として包装材及び建材などに、また構造物状成形物として複写機及びプリンターなどの筐体、内部部品等のOA機器部品などに用いることができる。
以下、上記OA機器部品として、下記に例示する各々に用いた場合のメリットについて簡単に説明する。
(筐体)
本発明においては、難燃剤として金属水和物からなる難燃性粒子を使用するので、燃焼時にハロゲン系ガス、ダイオキシン、シアン等の有毒ガスが発生せず、高度な難燃性を有する。そして、その高度な難燃性、高曲げ弾性率及び良好な成形加工性より従来の成形品と比較して、薄肉化が可能であるため筐体の構成材料としてとして好ましい。また、金属水和物を表面処理することにより、それを含有する樹脂組成物の表面抵抗を低減のする効果があるため、筐体表面の帯電防止性能にも優れる。
また、従来ノンハロゲン難燃樹脂組成物で使用されているのは、無機及び有機系リン系難燃剤であるが、これらは加水分解性があるため、配合された樹脂組成物が大気中の水分の影響を受け、樹脂組成物自体の寿命を縮める。一方、本発明の難燃性樹脂組成物は加水分解及び熱による安定性が良好であることから、リン系難燃剤を配合した従来ノンハロゲン難燃樹脂組成物と比較しても長寿命及びに優れる。さらに、使用中の変色(黄変)、耐擦傷性の低下も抑制でき、耐トナー性(耐油性)にも優れるため好ましい。
(内部用樹脂成形品)
本発明の難燃性樹脂成形品を内部樹脂成形品に用いる場合には、難燃性能の維持性と成形品の寸法精度に優れるものが好ましい。OA機器の内部は、トナーを溶融し定着させるなどの発熱部を有し、そのため使用される樹脂部にも耐熱性が要求される。特に湿度が高い地域で使用される場合は、樹脂組成物の耐熱性及び耐加水分解性が要求される。一方、前記難燃性粒子は、熱分解性に強いため、これを混合した樹脂の難燃性の耐熱維持性は、他の難燃剤と比較して高い。なお、従来ノンハロゲン系難燃樹脂組成物で使用されているのは、無機及び有機系リン系難燃剤であるが、前述のようにこれらは加水分解性があり、その樹脂組成物の寿命を縮めてしまう欠点がある。そのため、本発明品は、耐熱性及び耐加水分解性が従来材料より強く、内部樹脂成形品として使用するのに優れた材料といえる。
(ROSフレーム)
ROSフレームとして用いる場合には、成形品の寸法精度に優れるため好ましい。寸法精度に優れる理由は、前記内部用樹脂成形品の場合と同様である。また、本発明の難燃性樹脂成形品では、難燃性粒子の比表面積が大きいが故に、ポリマーとの接触面積が大きく、なおかつ難燃性粒子は真球状であるために、本発明の難燃性樹脂組成物の成型異方性及び熱収縮率が小さく、機械的強度を高くすることができかつ難燃性も高い。
(軸受け・ギアー)
この場合は、成形品の摺動性と寸法精度とに優れるため好ましい。寸法精度に優れる理由は、前記内部用樹脂成形品の場合と同様である。また、本発明における難燃性粒子が真球状であるために、これを混合した樹脂組成物は摺動性に優れ、かつ、成型異方性及び熱収縮率が小さい。
(包装材)
OA機器用の包装材として用いる場合には、難燃性能の維持性と成形品の寸法精度に優れるため好ましい。難燃性能の維持性と成形品の寸法精度に優れる理由は、前記内部用樹脂成形品の場合と同様である。包装材は、複写機などの大型機械に適用されるため、その使用量も大きい。よって、土壌に廃棄される場合はその影響も使用量に比例することから、リン化合物やハロゲン化合物などの環境負荷の大きなものが少ないことが望ましい。
以上のように、本発明の難燃性樹脂成形品は難燃性に優れるが、具体的には、本発明の難燃性樹脂成形品では、ISO5660のコーンカロリメータ測定による発熱速度が、難燃性粒子等を含む前の構成樹脂単体成形品と比較して、3分の1以下であることが好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂成形品では、難燃性の効果が促進させる効果のみならず、燃焼時のスート(炭化物)を抑制する低発煙性機能を有すものである。具体的には、本発明の難燃性樹脂成形品では、ISO5660のコーンカロリメータ測定による発煙量が、難燃性粒子等を含む前の構成樹脂単体成形品と比較して、同等以下であることが好ましい。なお、ここで「同等」とは、発煙量が構成樹脂単体成形品の発煙量の±1%の範囲であることをいう。
さらに、本発明の難燃性樹脂成形品は、難燃性微粒子が一次粒径で均一に分散していることが好ましい。この分散状態については、難燃性樹脂組成物のシートについてJIS K 7105の光線透過率を測定することにより測定することができる。測定には、プレス成形もしくはフィルム押出成形にて作製した50mm×50mm×厚み100μmの試験片を用いる。
上記測定法により求めた透過率は、40〜90%の範囲であることが好ましく、60〜90%の範囲であることがより好ましい。透過率が40%に満たないと、難燃性粒子の分散が不均一なため機械的強度が不均一となる場合が有る。この透過率の値は、高ければ高いほど良いが、実用上90%程度が限界である。
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、本発明に用いた難燃性粒子の製造例を示す。また、この難燃性粒子を用いた難燃性樹脂組成物を作製しその特性についても検討した。
まず、下記実施例に用いた難燃性粒子について説明する。
難燃性粒子1(無し)
体積平均粒径10nmの水酸化マグネシウム粒子(マグネシア100H、宇部マテリアル社製)を、被覆層が形成されていない難燃性粒子1(無し)とした。
(難燃性粒子1(シリコーン化合物))
前記体積平均粒径が10nmの水酸化マグネシウム粒子(マグネシア100H、宇部マテリアル社製)200gと、環状オルガノシロキサン化合物としてオクタメチルシクロテトラシロキサン200gとを、それぞれ別のガラス容器に秤量した。これらを容器ごと、減圧・密閉できるデシケーター中に設置した。次いで、真空ポンプにてデシケーター内圧を80mmHgまで減圧した後密閉した。その後、デシケーター容器ごと60℃環境下にて12時間放置し処理を行った。処理後、ガラス容器より取り出し、表面処理の施された難燃性粒子1(シリコーン化合物)を得た。
得られた表面被覆難燃性粒子の体積平均粒子径は10nm、分散度は0.5であった。また、表面被覆難燃性粒子を精秤して表面被覆量を算出したところ62質量%であり、透過型電子顕微鏡(FEI Company TecnaiG2)による観察でも均一に被覆されていることが確認された。
(難燃性粒子1(有機化合物))
イオン交換水1000mlに、塩化マグネシウム6水和物5g及び塩化アルミニウム6水和物5g、並びにn−ドデシル硫酸ナトリウム20gを溶解させた。ホモジナイザーにて攪拌速度を6000rpmとして処理し金属石鹸乳化液(ミセル構造)を形成した。有機溶媒としてトルエン1000ml中に得られた乳化液を添加し、ホモジナイザーにて3000rpmとして処理し、逆ミセル粒子分散液を作製した。
上記逆ミセル粒子の粒子径を動的光散乱方式粒度分布計にて観察したところ、逆ミセル粒子は球状の形態であり、その粒子径はおよそ13nmであった。さらに、前記ミセル分散液の攪拌を続けながら25質量%アンモニア水100gを添加し金属水和物を得た。最後に反応液を減圧・過熱して溶媒を留去し、さらに真空乾燥機にて乾燥させ、白色の難燃性粒子1(有機化合物)を得た。
得られた難燃性粒子1(有機化合物)は白色粒子で、表面に界面活性剤由来の被覆層が形成された水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとの複合物であり、体積平均粒子径が10nmの球状粒子であり、分散度は0.5であった。また、表面被覆難燃性粒子G1を精秤して表面被覆率を算出したところ50質量%であり、透過型電子顕微鏡による観察でも均一に被覆されていることが確認された。
難燃性粒子2(無し)
体積平均粒径200nmの水酸化マグネシウム粒子(堺化学製MGZ−3)を、被覆層が形成されていない難燃性粒子2(無し)とした。
難燃性粒子2(シリコーン化合物)
難燃性粒子として体積平均粒径が200nmの水酸化マグネシウム粒子を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン表面処理)と同様にして難燃性粒子2(シリコーン化合物)を得た。
得られた表面被覆難燃性粒子の体積平均粒子径は200nm、分散度は0.5であった。また、表面被覆難燃性粒子を精秤して表面被覆量を算出したところ40質量%であり、透過型電子顕微鏡による観察でも均一に被覆されていることが確認された。
難燃性粒子3(無し)
体積平均粒径800nmの水酸化マグネシウム粒子(キスマ5A、協和化学社製)を、被覆層が形成されていない難燃性粒子3(無し)とした。
難燃性粒子3(シリコーン化合物)
難燃性粒子として体積平均粒径が800nmの水酸化マグネシウム粒子を用いたこと以外は、難燃性粒子1(シリコーン表面処理)と同様にして難燃性粒子3(シリコーン化合物)を得た。得られた表面被覆難燃性粒子の体積平均粒子径は800nm、分散度は0.8であった。また、表面被覆難燃性粒子を精秤して表面被覆量を算出したところ3質量%であり、透過型電子顕微鏡による観察でも均一に被覆されていることが確認された。
<実施例1>
(難燃性樹脂組成物、難燃性樹脂成形品の作製、評価)
作製した難燃性粒子1(シリコーン化合物)10質量部と、生分解性樹脂(BiomaxWB100F、Dupont社製)100質量部を混合した後、2軸押出機を用いて混練してストランドをホットカットすることで、難燃性樹脂組成物のチップを得た。得られた難燃性樹脂組成物の発泡倍率は100%であった。得られたチップを加熱プレス(120℃×10分間)にて成形することによって、2mm厚のシート状成形体(難燃性樹脂成形品)を得た。得られた成形体に対して以下の評価を実施した。その結果を表1に示す。
・発泡倍率
発泡倍率は「空気式見掛け容積測定器」を使用してASTM D−2856に記載の方法により見掛け容積率を測定して求めた。
(難燃性樹脂成形品の評価)
・難燃性試験(UL−94)
難燃性試験(UL−94)としては、JIS Z 2391に従い垂直燃焼試験を行った。その試料厚みは、2mmにて試験を実施した。難燃性試験合格品について、最も難燃効果の高いレベルをV0とし、次いでV1、V2、HBとした。一方、これらに達しないものを不合格とした。
・難燃性試験(コーンカロリメータ)
難燃性試験(コーンカロリメータ)としては、コーンカロリメータ((株)東洋精機製作所製、コーンカロリメータIIIC3)を用い、ISO5660に準拠して、輻射熱量を50kW/m2として、燃焼時間と発熱速度との関係を調べた。
・機械的強度試験
機械的強度試験としては、オートグラフ((株)東洋精機製作所製、V1−C)を用い、JIS K 7161に準拠して、常温にて引張速度を50mm/minとして、降伏応力、曲げ弾性率を測定した。
・全光線透過率
全光線透過率の測定は、JIS K 7105に準拠し、ヘイズメーター(日本電色社製)を用いて測定した。試料には得られた成形体から100mm×100mm×20μmの大きさのものを切り出して使用した。
・外観
目視により外観を評価した。
<実施例2〜10、比較例1〜5>
実施例1の難燃性樹脂組成物の作製において、難燃性粒子、難燃剤、難燃助剤の種類、配合量を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、難燃性樹脂成形物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2007002120
以上の結果から、本発明における難燃性粒子、難燃助剤を配合した難燃性樹脂組成物は、高い難燃性と低発煙性とを有し、かつ、機械的特性を損なわず、また、通常の粒径の大きい難燃剤と併用した場合においても、高い難燃性を有し、かつ機械的特性を損なわないこともわかった。

Claims (2)

  1. 金属水和物を含み、有機化合物又はシリコーンを含む被覆層が形成された、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、生分解性樹脂中に配合してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 金属水和物を含み、体積平均粒子径が1nm以上500nm以下の範囲の難燃性粒子を、配合した生分解性樹脂を成形してなり、UL−94試験による難燃性がHB以上であることを特徴とする難燃性樹脂成形品。
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