JP3883848B2 - 光配向膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子に用いられる光配向膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、光を照射することにより、ラビングを行うことなく液晶分子を配向させることができる光配向膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置においては、液晶の分子配列の状態を電場等の作用によって変化させて、これに伴う光学的特性の変化を表示に利用している。多くの場合、液晶は、二枚の基板の間隙に挟んだ状態で用いられるが、ここで液晶分子を特定の方向に配列させるために、基板の内側に配向処理が施される。
【0003】
通常、配向処理は、ガラス等の基板にポリイミド等の高分子の膜を設け、これを一方向に布等で摩擦する、ラビングという方法が用いられる。これにより、基板に接する液晶分子はその長軸(ダイレクタ)がラビングの方向に平行になるように配列する。たとえば、ツイストネマチック(TN)セルでは二枚の直交した偏光板の間に、内側に配向膜が塗布された二枚の基板を対向させ、そのラビング方向が互いに直交するように配置し、光透過率の変化による表示を可能にしている。
【0004】
しかしながら、ラビング法は製造装置が簡単であるという利点を有するものの、製造工程において静電気や埃が発生するため、配向処理後に洗浄工程が必要となるとともに、特に近年多く用いられているTFT方式の液晶セルでは静電気によりあらかじめ基板に設けられたTFT素子が破壊され、これが製造時の歩留まりを下げる原因にもなっている。一方、液晶表示素子においては構成されている液晶分子の傾きに方向性があるため、表示素子を見る方向によって表示色やコントラストが変化するなどといった視野角依存性が問題となっている。
【0005】
これを改善する方法としては、特開昭62−159119号公報には、一画素を分割して、領域ごとに液晶分子のプレチルト角を変える配向分割法が、特開昭63−106624号公報には、一画素を分割して、領域ごとに液晶分子の配向方向を変える配向分割法がそれぞれ提案されている。このような、分割領域ごとに液晶分子を配向させる方法は、従来のラビング法ではプロセスが煩雑で、実用には適さない。
【0006】
かかる問題を解決するために、近年ラビングを行わない液晶配向制御技術が注目されている。このようなラビングレスの配向技術としては、斜方蒸着法、LB(ラングミュアー−ブロジェット)膜法、フォトリソグラフィ法、光配向法などが検討されてきた。とりわけ、偏光された光を基板上に設けられた塗膜に照射して、液晶配向性を生じさせる光配向法は簡便であり、盛んに研究が行われている。この光配向法は、有機分子中の光配向機能を発現させる光配向性基、例えばアゾ基等の光異性化によるもの、シンナモイル基、クマリン基、カルコン基等の光二量化によるもの、ベンゾフェノン基等の光架橋やポリイミド樹脂等の光分解によるもの等が報告されている。
【0007】
光異性化、光二量化や光架橋を利用した光配向膜材料としては、ガラス等の基板に塗布した際に均一な膜が得られるように、側鎖や主鎖に前記のような光配向性基を導入した高分子材料が用いられることが多い。また、光配向性を有する分子をゲスト分子とし、高分子化合物からなるホスト化合物に分散させて用いる場合もある。
【0008】
例えば、米国特許第4,974,941号明細書には、二色性色素をポリイミド等の樹脂に混合し、次いでこの混合物に偏光を照射することによって、偏光方向に対して一定の方向に液晶を整列させることのできる光配向材料が開示されている。しかしながら、この光配向材料は、二色性色素のcis−trans異性化を利用しており、可逆的であるため、偏光照射によって得られた配向膜の配向状態は、異なる偏光方向を有する光を照射することによって、容易にその配向状態が変化するという問題点がある。すなわち、当該米国特許に開示された配向膜は、配向状態が不安定で、例えば、自然光の照射によっても、その配向状態が変化する可能性があり、そのため、実用上の液晶表示素子には適していなかった。また、そのような配向膜中に含まれる低分子の二色性色素は、徐々に液晶中に溶け出し、これが電圧保持率など液晶デバイスの特性を低下させるという問題点を有しており、経時的にそのような配向膜は、液晶配向能を失うという問題点を有していた。
【0009】
一方、特開平8−328005号公報及び米国特許第6,001,277号明細書には、光異性化可能であって、二色性を有する構成単位を含む樹脂の皮膜に偏光を照射してなる液晶配向膜が開示されている。これは、二色性を有する構成単位を含む樹脂溶液を基板上に塗布して得られる樹脂の皮膜に偏光を照射して配向させ、更に樹脂が有する架橋性基によって配向の状態を固定化するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、二色性を有する構成単位が樹脂中に組み込まれた構造を有する膜は、偏光によって二色性を有する構成単位を再配列して配向する際に、この構造が妨げとなって十分な配向性が得られないという問題点があった。一方、二色性を有する構成単位を側鎖に有する樹脂からなる膜は、前記の様な問題点はある程度改善されるものの、二色性を有する構成単位の配向方向が完全に固定されないため、熱や光により構成単位の配向状態が徐々に失われ、長期間にわたって液晶配向能を保持することはできないという問題点があった。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、光や熱に対する長期安定性に優れた光配向膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一分子中に2個以上の重合性基を有する二色性染料を含有する光配向膜用材料を基板上に塗布し、偏光を照射して光配向機能を付与した後、加熱又は光を照射することにより重合性基を重合させる光配向膜の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で使用する光配向膜用材料は、一分子中に2個以上の重合性基を有する二色性染料を含有するものである。一分子中に2個以上の重合性基を有する二色性染料において、二色性染料とは、発色団における光の吸収能が偏光の電気ベクトルの方向によって異なる染料をいう。二色性染料には、アントラキノン系、アゾ系、キノフタロン系、ペリレン系の染料などが挙げられるが、これらの中でも、アゾ染料又はアントラキノン染料は、偏光照射により特に良好な光配向性を示す点で特に好ましい。重合性基を導入する前のアゾ染料又はアントラキノン染料は、二色性染料として使用可能なものであれば特に限定なく使用することができる。
【0014】
本発明で使用する重合性基を有する二色性染料は、例えば、水酸基を有する二色性染料に、公知の方法により、重合性基を有するカルボン酸、重合性基を有するカルボン酸クロライド、重合性基を有するカルボン酸無水物、などを反応させることによって、容易に合成することができる。また、水酸基を有する二色性染料は、公知の方法によって容易に合成することができる。
【0015】
本発明で使用する一分子中に2個以上の重合性基を有する二色性染料は、光照射や加熱によって容易に重合させることができるため、偏光照射により異方性を生じた光配向膜内の分子を固定することができ、長期にわたって異方性を保持し、安定な液晶配向膜を得ることができる。
【0016】
重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基、アジド基、クロロメチル基、エポキシ基、などが挙げられ、重合性基を有する誘導体としてケイ皮酸誘導体、チミン誘導体等が挙げられる。これらの中でも、光重合や熱重合が比較的容易なことから、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルオキシ基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、又は(メタ)アクリルアミド基がより好ましい。
【0017】
また、これらの重合性基は、アルキレン基及び/又はフェニレン基の如き連結基を介して、アゾ染料又はアントラキノン染料と結合していてもよく、該連結基は、エステル結合、エーテル結合、イミド結合又はアミド結合を有していてもよい。
【0018】
そのような連結基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基の如き炭素原子数が1〜18の直鎖状アルキレン基;1−メチルエチレン基、1−メチル−トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1−メチル−テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、1−メチル−ペンタメチレン基、2−メチル−ペンタメチレン基、3−メチル−ペンタメチレン基の如き炭素原子数が1から18の分岐状アルキレン基;p−フェニレン基の如きフェニレン基;2−メトキシ−1,4−フェニレン基、3−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、3−エトキシ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリメトキシ−1,4−フェニレン基の如き炭素原子数が1〜18の直鎖状又は分岐状アルコキシル基を有するアルコキシフェニレン基、などが挙げられる。
【0019】
前記一分子中に2個以上の重合性基を有する二色性染料は、単独で光配向膜用材料として使用するが、ポリビニルアルコールやポリイミド等の高分子材料と混合して用いることもできる。
【0020】
本発明の光配向膜の製造方法で使用する一分子中に2個以上の重合性基を有するアゾ染料の中でも、一般式(1)
【0021】
【化3】
【0022】
(式中、R1及びR6は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及びビニルオキシ基からなる群から選ばれる重合性基を表わす。X1及びX2は、各々独立して、(1) 直接結合、(2) 炭素原子数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基、又は(3) 炭素原子数1〜18のアルキレン基と炭素原子数1〜18のフェニレン基とが、直接結合、エステル結合、エーテル結合、イミド結合又はアミド結合を介して結合した連結基を表わす。X1が、直接結合である場合、Y1は、直接結合を表わす。X2が、直接結合を表わす場合、Y2は、直接結合を表わす。X1及びX2が、直接結合以外の連結基を表わす場合、Y1及びY2は、各々独立して、直接結合、エステル結合、エーテル結合、イミド結合又はアミド結合を表わす。R2、R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、ハロゲン、カルボキシル基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基又は水酸基を表わす。Mは、水素、アルカリ金属又はNH4を表わす。)
で表わされるアゾ染料が好ましい。
【0023】
前記一般式(1)におけるR1及びR6は、前記した重合性基の中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基及び(メタ)アクリルアミド基が好ましい。
【0024】
前記一般式(1)におけるR2、R3、R4及びR5の具体例としては、例えば、水素;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の如きハロゲン;カルボキシル基;フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基の如きハロゲン化メチル基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基の如きハロゲン化メトキシ基;シアノ基;水酸基、などが挙げられる。これらの中でも、水素、カルボキシル基、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
【0025】
特に、前記一般式(1)におけるR1及びR6が、(メタ)アクリロイルオキシ基であり、R2、R3、R4及びR5が、トリフルオロメチル基、カルボキシル基又は水素であり、かつ、Mがナトリウムであるアゾ染料が好ましく、さらに、X1及びX2がアルキレンオキシフェニレン基であり、かつ、Y1及びY2がエステル結合であるアゾ染料がより好ましい。
【0026】
前記一般式(1)におけるMとしては、例えば、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウムの如きアルカリ金属原子;NH4、などが挙げられる。これらの中でも、ナトリウムが好ましい。
【0027】
前記一般式(1)で表わされる重合性基を有するアゾ染料は、例えば、以下の方法によって、容易に合成することができる。即ち、まずベンジジン−3,3‘−ジスルホン酸と亜硝酸ナトリウムとをジアゾ化反応を行ってジアゾニウム塩を合成する。次いで前工程で得られたジアゾニウム塩混合物を、o−トリフルオロメチルフェノールと反応させて、4.4’−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル−1−アゾ)ビフェニル−3,3‘−ジスルホン酸ジナトリウム塩を合成する。このようにして得られた水酸基を有するアゾ染料に、公知の方法により、重合性基を有するカルボン酸、重合性基を有するカルボン酸クロライド、重合性基を有するカルボン酸無水物、などを反応させることによって、前記一般式(1)で表わされる重合性基を有するアゾ染料を合成する。
【0028】
前記一般式(1)で表わされる重合性基を有するアゾ染料は、スルホ基またはその塩を有するため、水あるいは極性有機溶媒に高い溶解性を示し、かつガラス等に対して良好な親和性を示す。そのため、前記一般式(1)で表わされる重合性基を有するアゾ染料を水あるいは極性有機溶媒に溶解してなる光配向膜用材料を、ガラス等の基板に塗布した後、水あるいは極性有機溶媒を除去するだけで、基板上に、機械的、かつ経時的に安定な塗膜を形成することができる。
【0029】
このようにしてガラス等の基板上に形成された、重合性基を有するアゾ染料を含有する光配向膜用材料からなる未重合の塗膜は、偏光を照射することにより、偏光の電気ベクトルと同一の方向に電子遷移モーメントを有する構造単位が選択的に光励起され、電子遷移モーメントが偏光の電気ベクトルの方向を避けるように再配列することで塗膜内に異方性が生じ、光配向機能を有するようになる。
【0030】
前記一般式(1)で表わされるアゾ染料は、1分子中に2個の重合性基を有するので、前記の如く偏光を照射した後、光照射又は加熱を施すことによって容易に重合し、偏光を照射することにより異方性の生じた塗膜内の構造単位を固定することができ、長期にわたって異方性を保持し、安定な液晶配向膜を得ることができる。
【0031】
また、本発明の光配向膜の製造方法で使用する1分子中に2個以上の重合性基を有するアントラキノン染料の中でも、一般式(2)
【0032】
【化4】
【0033】
(式中、R7、R8、R9及びR10は、各々独立して、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基及びビニルオキシ基からなる群から選ばれる重合性基を表わす。X7、X8、X9及びX10は、各々独立して、直接結合、アルキレン基又はフェニレン基を表わす。X7が直接結合の場合、Y7は直接結合を表わす。X8が直接結合の場合、Y8は直接結合を表わす。X9が直接結合の場合、Y9は直接結合を表わす。X10が直接結合の場合、Y10は直接結合を表わす。X7、X8、X9及びX10が、各々独立して、アルキレン基又はフェニレン基を表わす場合、Y7、Y8、Y9及びY10は、各々独立して、直接結合、エステル結合、エーテル結合、イミド結合、又はアミド結合を表わす。m、n、p及びqは、各々独立して、0〜4の整数を表わす。ただし、mとnとpとqとの和は2〜4である。R11及びR12は、水酸基、ニトロ基、スルホ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、及びカルバモイル基からなる群から選ばれる基を表わす。r及びsは、各々独立して、0〜4の整数を表わす。ただし、rとsの和は0〜6である。)で表わされるアントラキノン染料も好ましい。(mとnとpとqとrとsの和が8未満であるとき、残りは水素が結合している。)
【0034】
前記一般式(2)におけるR7−X7−Y7−、R8−X8−Y8−、R9−X9−Y9−及びR10−X10−Y10−のいずれかは、前記した中でも、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基及び(メタ)アクリルアミド基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基及び(メタ)アクリルアミド基が特に好ましい。
さらに、前記一般式(2)における、R7、R8、R9及びR10が(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基であり、X7、X8、X9、X10、Y7、Y8、Y9及びY10が直接結合であり、かつm、n、p及びqは0又は1であり、mとnとpとqとの和は2〜4であり、R11及びR12が水酸基であり、r及びsは0又は1であり、rとsの和は0〜2であるアントラキノン染料がより好ましい。
【0035】
前記一般式(2)で表わされるアントラキノン染料は、水酸基、ニトロ基、スルホ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基又はカルバモイル基を有することから、水や極性有機溶媒に対して良好な溶解性を示す。また、前記一般式(2)で表わされるアントラキノン染料の中でも、R11及びR12が水酸基、スルホ基、又はカルボキシル基である染料は、ガラス等の基板への親和性が良好となり、均一な塗膜が作製できるので好ましく、さらに、R11及びR12が水酸基、スルホ基である染料が特に好ましい。
【0036】
前記一般式(2)で表わされるアントラキノン染料は、例えば、水酸基あるいはアミノ基を有するアントラキノン染料に、公知の方法により、重合性基を有するカルボン酸、重合性基を有するカルボン酸クロライド、重合性基を有するカルボン酸無水物、などを反応させることによって、容易に合成することができる。水酸基あるいはアミノ基を有するアントラキノン染料も、公知の方法により、アントラキノン染料から、容易に合成することができる。
【0037】
前記一般式(2)で表わされるアントラキノン染料は、水あるいは有機溶媒に対して良好な溶解性を示し、かつガラス等の基板に対して高い親和性を示す。このため、一般式(1)で表わされるアゾ染料を含有する光配向膜用材料と同様、偏光を照射することにより、偏光の電気ベクトルの方向に電子遷移モーメントのベクトル成分を有する構造単位が選択的に光励起され、光吸収が小さくなる方向に構造単位が再配列することで、塗膜内に異方性が生じ、光配向機能を有するようになる。さらに重合性基を有するので、前記の如く偏光を照射した後、光照射又は加熱を施すことによって容易に重合し、偏光を照射することによって異方性の生じた塗膜内の構造単位を固定することができ、長期にわたって異方性を保持し、安定な液晶配向膜を得ることができる。
【0038】
本発明の光配向膜の製造方法で使用する二色性染料は、これを適切な溶媒に溶解した形態の光配向膜用材料として用いる。この際、用いる溶媒には特に限定がないが、該二色性染料が良好な溶解性を示す溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ブチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、ガラス等の基板に対する光配向膜用材料の溶液の塗布性が良好で、かつ、均一な膜が得られるので、N−メチルピロリドン、ブチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミドが、特に好ましい。
【0039】
光配向膜は、前記光配向膜用材料の溶液を基板上にスピンコーティング法、印刷法等の方法によって塗布し、乾燥させた後、光配向操作及び重合操作を行うことによって、製造することができる。
【0040】
本発明で使用する基板は、液晶表示素子に通常用いられる基板であって、配向膜溶液の塗布後の乾燥時、あるいは液晶素子に組み立てる際の接着時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基板としては、ガラス基板が挙げられる。
【0041】
光配向操作とは、偏光を照射することで光配向機能を付与する操作のことであり、偏光の波長は、本発明で使用する二色性染料が光吸収を有する波長が選ばれ、可視光線、紫外線等が挙げられるが、特に波長が300〜400nm付近の紫外線が好ましい。また、光配向に用いられる偏光は、直線偏光や楕円偏光が挙げられ、特にキセノンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の紫外光源からの光を偏光フィルタやグラントムソン、グランテーラー等の偏光プリズムを通して得られる直線偏光が好ましい。このとき、液晶分子のプレチルト角を得るために、偏光を基板に対して斜め方向から照射する方法や、偏光照射後に斜め方向から無偏光の光を照射する方法を用いても良い。
【0042】
重合操作は、光配向操作に続いて行われ、一般に紫外線等の光照射あるいは加熱によって行う。また、必要に応じて、光配向膜用材料に重合開始剤を添加しておくこともできる。
【0043】
光照射による重合の場合には、重合開始剤として光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア907」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワードプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。
【0044】
一方、加熱による重合の場合には、重合開始剤として熱重合開始剤を用いることが好ましい。熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4’−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイドの如き過酸化物類;7−アゾビスイソブチルニトリルの如きアゾ化合物類;テトラメチルチウラムジスルフィド、などが挙げられる。
【0045】
重合操作を光照射で行なう場合は、既に得られている光配向膜用材料の配向状態を乱さないようにするために、二色性染料の異方的光吸収を示す構造単位(当該構造単位は、アゾ染料におけるアゾベンゼン骨格、又はアントラキノン染料におけるアントラキノン骨格に相当する。)が、吸収しない波長、すなわち、液晶配向能を付与する波長とは異なる波長の光を照射することが好ましい。具体的には、200〜320nmの波長の無偏光の紫外光を照射することが好ましい。一方、重合操作を加熱によって行う場合は、前記のように光配向膜用材料を塗布し光配向操作を行った基板を加熱することによって行われる。加熱温度は、100〜300℃の範囲が好ましく、100〜200℃の範囲が更に好ましい。
【0046】
本発明の光配向膜の製造方法により作成した光配向膜を用いた液晶表示素子の作製方法の一例を以下に述べる。即ち、ITO等の透明電極を設けた二枚のガラス基板の電極を設けた面に、本発明における光配向膜用材料を塗布し、乾燥させた後、光配向操作及び重合操作を行い、光配向膜を作成する。次に光配向膜を設けた面を、スペーサーを介して、かつ、互いの光配向方向が直交するように対向させ、その間隙に液晶を注入する。このようにして作製した液晶セルの外側に、それぞれの基板における光配向膜の配向方向と透過する偏光方向とが一致するように偏光板を貼り付けることによって、液晶表示素子を製造することができる。
【0047】
本発明で使用する重合性基を有する二色性染料は、水や有機溶媒に対する溶解性が高いという特徴を有するともに、ガラス基板やITO等の酸化物透明電極に高い親和性を示す。従って、本発明で使用する二色性染料を溶媒に溶解させてなる光配向膜用材料を、ガラス基板に塗布し、溶媒を乾燥させることによって安定な塗膜が得られる。また、液晶表示素子を作製した場合に、二色性染料の一部分が液晶中に溶け出すことがないので、液晶配向能や電荷保持率等のデバイス特性が劣化することがない。さらに、本発明で使用する二色性染料は、重合性基を有するため、配向操作後に重合処理を行うことによって、配向状態を固定化することができるので、従来の光配向膜が光の照射に対して不安定であるという問題を解決することもできる。
【0048】
また本発明の光配向膜の製造方法で使用する二色性染料は、高分子材料と混合して用いることもできる。この際、高分子材料としては、基板上に成膜できるもので、溶媒に対する溶解性が高く、かつ二色性染料の光吸収波長に対して透明なものが用いられ、具体的にはポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリマレイミド、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。中でもポリビニルアルコールおよびポリイミドは耐熱性や成膜性が良好であるので特に好ましい。
【0049】
光配向膜は、前記二色性染料と、高分子材料と、必要に応じて溶媒とを混合してなる光配向膜用材料を、基板上にスピンコート等の方法によって塗布し、乾燥させた後、光配向操作及び重合操作を行うことによって、製造することができる。
基板は、前記二色性染料を溶媒に溶解させて用いる場合と同様のものを用いることができる。
【0050】
光配向操作は、前記二色性染料を溶媒に溶解させて用いる場合と同様に行われる。
重合操作は、光配向操作に続いて行われ、前記二色性染料を溶媒に溶解させて用いる場合と同様に行うことができるが、この操作によって二色性染料を重合させると同時に高分子材料を重合させることが好ましい。必要に応じて、光配向膜用材料に、前記二色性染料を溶媒に溶解させて用いる場合と同様に、重合開始剤を添加しておくこともできる。
【0051】
このように、前記二色性染料と高分子材料とを混合して用いた場合でも、本発明で使用する重合性基を有する二色性染料は、ガラス基板やITO等の酸化物透明電極に高い親和性を示すことから安定な塗膜が得られる。また、液晶表示素子を作製した場合に、二色性染料の一部分が液晶中に溶け出すことがないので、液晶配向能や電荷保持率等のデバイス特性が劣化することがない。さらに、本発明で使用する二色性染料は、重合性基を有するため、配向操作後に重合処理を行うことによって、配向状態を固定化することができるので、従来の光配向膜が光の照射に対して不安定であるという問題を解決することもできる。
【0052】
【実施例】
以下、合成例、比較合成例、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの範囲に限定されるものではない。
【0053】
[合成例1]
ベンジジン−3,3’−ジスルホン酸0.69g(0.002モル)に亜硝酸ナトリウム0.28g(0.004モル)の水溶液を加え、これを攪拌しながら3%塩酸3.0ml(0.0024モル)を滴下して、ジアゾ化反応を行った。次に、5%の炭酸ナトリウム水溶液10mlおよびo−トリフルオロメチルフェノール0.65g(0.004モル)を混合し、氷浴で冷却しながら、かつ、攪拌しながら前記の方法で得られたジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下し、4時間反応させた。反応終了後、沈殿物を濾別し、これを熱したクロロホルムおよびアセトンで洗浄することによって、4.4’−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル−1−アゾ)ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム塩0.75g(収率51%)を得た。このようにして得られたアゾ染料0.22g(0.0003モル)およびピリジン10mlを混合し、攪拌した。この混合物にメタクリル酸クロライド0.063g(0.0006モル)を加えた後、環流させながら3時間反応を続けた。この反応生成物を室温にまで冷却した後、エタノールを加え、濾過することによって沈殿物を得た。この沈殿物に、再びエタノールを加え、加熱して沸騰させ、再び濾過して沈殿物を得た後、直ちに空気中で乾燥させた。このようにして式(3)
【0054】
【化5】
【0055】
で表わされる化合物0.16g(収率63%)を得た。
【0056】
[合成例2]
ベンジジン−3,3’−ジスルホン酸0.69g(0.002モル)に亜硝酸ナトリウム0.28g(0.004モル)の水溶液を加え、これを攪拌しながら3%塩酸3ml(0.0024モル)を滴下して、ジアゾ化反応を行った。次に、5%の炭酸ナトリウム水溶液10mlおよび3−ヒドロキシ安息香酸0.55g(0.004モル)を混合し、氷浴で冷却、攪拌しながら前記の方法で得られたジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下し、4時間反応させた。得られた沈殿物を濾別し、熱したクロロホルムおよびアセトンで洗浄することにより、4,4‘−ビス(4−ヒドロキシ−2−カルボキシルフェニル−1−アゾ)ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム塩0.77g(収率56%)を得た。このようにして得られたアゾ染料0.21g(0.0003モル)およびピリジン10mlを混合し、攪拌した。この混合物にメタクリル酸クロライド0.063g(0.0006モル)を加え、環流させながら3時間反応を続けた。この反応生成物を室温にまで冷却した後、エタノールを加え、濾過することによって沈殿物を得た。この沈殿物に再びエタノールを加え、加熱して沸騰させ、再び濾過して沈殿物を得た後、直ちに空気中で乾燥させた。このようにして式(4)
【0057】
【化6】
【0058】
で表わされる化合物0.15g(収率62%)を得た。
【0059】
[合成例3]
1,8−ジヒドロキシ−4,5−ジアミノアントラキノン2.7g(0.01モル)とメタクリル酸クロライド6.27g(0.06モル)をピリジン30mlに加え、環流させながら30分間反応を続けた。この反応生成物を室温にまで冷却した後、5%の希塩酸100ml中に注ぎ込み、これを濾過した。得られた沈殿物を水で洗浄し、乾燥させた。このようにして得られた生成物をクロロホルムに溶解させた後、シリカゲルを固定相、クロロホルムを移動相としたカラムクロマトグラフを用いて精製することにより、式(5)
【0060】
【化7】
【0061】
で表わされる化合物2.8g(収率53%)を得た。
【0062】
[合成例4]
合成例3において、1−ヒドロキシ−4,5−ジアミノアントラキノン2.5g(0.01モル)とメタクリル酸クロライド3.76g(0.036モル)を用いた以外は、合成例3と同様にして、式(6)
【0063】
【化8】
【0064】
で表わされる化合物1.99g(収率42%)を得た。
【0065】
[合成例5]
1,8−ジヒドロキシ−4,5−ジアミノアントラキノン2.7g(0.01モル)とメタクリル酸クロライド2.6g(0.025モル)をクロロベンゼン20mlに混合し、環流させながら30分間反応を続けた。反応生成物を60℃まで冷却し、攪拌しながらこれにエタノール30mlを加えた。この混合物を一旦沸点にまで加熱した後、20℃まで冷却した。ここで生成した沈殿物を濾別し、エタノールで洗浄した後、クロロホルムに溶解し、シリカゲルを固定相、クロロホルムを移動相としたカラムクロマトグラフを用いて精製することにより、式(7)
【0066】
【化9】
【0067】
で表わされる化合物2.7g(収率67%)を得た。
【0068】
[合成例6]
4,4’−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル−1−アゾ)ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジナトリウム塩0.22g(0.0003モル)をピリジン10mlに加え、攪拌した。これに、p−(アクリロイル−n−ヘキシルオキシ)安息香酸クロライド0.19g(0.0006モル)とハイドロキノン0.005gを加え、60℃で5時間攪拌しながら反応を続けた。反応生成物を冷却し、沈殿物を濾別した後、エタノール30mlで洗浄し、空気中で乾燥させることによって、式(8)
【0069】
【化10】
【0070】
で表わされる化合物0.22g(収率58%)を得た。
【0071】
[比較合成例1]
ベンジジン−3,3’−ジスルホン酸0.69g(0.002モル)に亜硝酸ナトリウム0.28g(0.004モル)の水溶液を加え、この混合物を攪拌しながら、この混合物に3%塩酸3.0ml(0.0024モル)を滴下して、ジアゾ化反応を行った。次に、5%の炭酸ナトリウム水溶液10mlおよびo−トリフルオロメチルフェノール0.65g(0.004モル)を混合し、氷浴で冷却、攪拌しながら前記の方法で得られたジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下し、4時間反応させた。反応終了後、沈殿物を濾別し、これを熱したクロロホルムおよびアセトンで洗浄することによって、式(9)
【0072】
【化11】
【0073】
で表わされる化合物0.75g(収率51%)を得た。
【0074】
[比較合成例2]
N−メチルー2―ピロリドン8g、1−(2,4−ジアミノフェノキシ)−2−[4−(フェニルアゾ)フェノキシ]−エタン0.348g及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン0.198gを混合した。次に、この混合物を氷浴で冷却しながら、この混合物にエチレングリコールビス(トリメット酸無水物)0.821gを少量ずつ添加した。添加終了後、氷浴で冷却しながら5時間反応させて、ポリアミド酸の溶液を得た。
【0075】
[実施例1〜8]
下記表1および表2に示すように、合成例1〜6で得られた化合物を用いてなる光配向膜用材料を使用して、光重合法または熱重合法により光配向膜を形成し、液晶の配向性、電荷保持率および耐久性を評価した。具体的な実験手順を以下に示す。
【0076】
(光配向膜の作製方法)
a−1.光配向膜用材料溶液の調整(光重合用)
合成例および比較合成例で得られた化合物99質量部に、光重合開始剤「イルガキュア−651」(チバガイギー社製)1質量部を添加し、ジメチルホルムアミドに溶解させて、不揮発成分5質量%の溶液とした。この溶液を0.1μmのフィルターで濾過して光配向膜用材料溶液とした。
【0077】
a−2.光配向膜用材料溶液の調整(熱重合用)
合成例および比較合成例で得られた化合物99質量部に、熱重合開始剤としてABN-E(日本ヒドラジン工業(株)製)1質量部を添加し、ジメチルホルムアミドに溶解させて、不揮発成分5質量%の溶液とした。この溶液を0.1μmのフィルターで濾過し、光配向膜用材料とした。
【0078】
b.光配向膜作製
b−1 光重合法
前記a−1.の方法で得られた光配向膜用材料溶液を、スピンコーターにてITO電極付ガラス基板上に均一に塗布し、100℃で15分間乾燥した。このようにして得られた塗膜表面に超高圧水銀ランプより、積算光量で30J/cm2の波長365nm付近の直線偏光した紫外線を基板に垂直方向から照射し、光配向操作を行った。続いて、同じ表面に超高圧水銀ランプより積算光量で50mJ/cm2の波長313nm付近の無偏光の紫外線を基板に垂直方向から照射し、配向した光配向膜用材料塗膜の重合操作を行った。
【0079】
b−2 熱重合法
前記a−2.の方法で得られた光配向膜用材料溶液を、スピンコーターにてITO電極付ガラス基板上に均一に塗布し、100℃で15分間乾燥した。このようにして得られた塗膜表面に超高圧水銀ランプより、積算光量で30J/cm2の波長365nm付近の直線偏光した紫外線を照射し、光配向操作を行った。続いて、このガラス基板を190℃のオーブン中で1時間加熱することにより、光配向膜用材料塗膜の重合操作を行った。
【0080】
c.液晶セルの作製
前記b−1またはb−2で得られた光配向膜付基板の周囲に直径8μmのスチレンビーズを含んだエポキシ系接着剤を液晶注入口を残して塗布し、配向面が相対するように、かつ偏光の方向が直交する向きに重ね合わせて圧着し、接着剤を150℃、90分かけて硬化させた。次いで、液晶注入口よりネマチック液晶(5CB)をアイソトロピック相で真空注入し充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。
【0081】
(光配向膜の評価方法)
A.液晶配向性評価
液晶配向性の評価には、光電子増倍管を取り付けたクロスニコル条件の偏光顕微鏡を用いて行った。ここで、偏光顕微鏡のタングステンランプ光源からの光を完全に遮断した時を透過率0%、サンプルステージに試料を置かない状態を透過率100%となるように、光電子増倍管からの出力を換算した。前記c.の方法で得られた液晶セルを、電圧を印加しない状態で最も透過率が大きくなるような方向に配置し、液晶セルの電極間に0Vから5Vの電圧を印加、掃引することで、電圧−透過率(V−T)曲線を測定した。液晶の配向性は次式で表されるコントラスト比、及び目視によって評価した。
【0082】
コントラスト比 = 4V印加時の光透過率/0V印加時の光透過率
【0083】
B.電圧保持率の測定
前記c.の方法で得られた液晶セルに、5Vの直流電圧を64マイクロ秒間印加し、続いて16.6ミリ秒間回路を開放した後の初期印加電圧に対する電圧の保持率を測定した。
【0084】
C.熱耐久性の評価
前記c.の方法で得られた液晶セルを80℃にて1000時間保持した後の配向性をコントラスト比及び目視で表し、熱耐久性を評価した。
【0085】
D.光耐久性の評価
前記c.の方法で得られた液晶セルを積算光量で50J/cm2の任意の方向に直線偏光した超高圧水銀ランプからの紫外光を照射した後の配向性をコントラスト比及び目視で表し、光耐久性を評価した。
【0086】
[比較例1]
比較合成例1で得られた式(9)の化合物をジメチルホルムアミドに溶解させて、不揮発成分5質量%の溶液とした。この溶液を0.1μmのフィルターで濾過して光配向膜用材料とした。次に、光や熱による重合操作を行わないこと以外は、実施例1〜8で示した光配向膜作製方法と同様の方法により、基板上へのコーティングおよび直線偏光した紫外線の照射を行い、光配向膜を作製した。得られた光配向膜付基板を用いて、実施例1〜8に示した方法に従い、液晶セルを作製し、評価を行った。
【0087】
[比較例2]
比較合成例2で得られたポリアミド酸をジメチルホルムアミドに溶解させて、不揮発分5質量%溶液とした。この溶液を0.1μmのフィルターで濾過して、光配向膜用材料とした。次に、スピンコーターにてITO電極付ガラス基板上に塗布し、70℃で1分間加熱し、樹脂皮膜を形成した。このようにして得られた塗膜表面に超高圧水銀ランプより、積算光量で30J/cm2の波長365nm付近の直線偏光した紫外線を照射し、光配向操作を行った。得られた光配向膜付基板を用いて、実施例1〜8に示した方法に従い、液晶セルを作製し、評価を行った。
【0088】
(評価結果)
表1及び表2に液晶配向性、電圧保持率および耐久性の評価結果をまとめて示した。なお、表1には目視による評価結果を、表2にはコントラスト比による評価をそれぞれ示した。目視による評価は、均一に一方向に良好な配向を示した場合には○、欠陥が生じたり、配向の方向が場所によって異なっていた場合には×とした。またコントラスト比は、値が大きいものほど配向性が良好であることを示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【発明の効果】
本発明の光配向膜の製造方法によれば、光化学的な長期安定性に優れた光配向膜を提供することができる。また、本発明の光配向膜の製造方法によれば、光配向膜形成材料を基板に塗布した後、偏光を照射し、熱または光硬化させるので、均一で、かつ、安定な配向膜を形成することができる。
Claims (5)
- 一般式(1)
で表わされるアゾ染料である二色性染料を含有する光配向膜用材料を基板上に塗布し、偏光を照射して光配向機能を付与した後、加熱又は光を照射することにより重合性基を重合させることを特徴とする光配向膜の製造方法。 - 前記一般式(1)で表わされるアゾ染料が、R1及びR6が、(メタ)アクリロイルオキシ基であり、R2、R3、R4及びR5が、トリフルオロメチル基、カルボキシル基又は水素であり、かつ、Mがナトリウムである化合物である請求項1に記載の光配向膜の製造方法。
- 前記一般式(1)で表わされるアゾ染料が、X1及びX2がアルキレンオキシフェニレン基であり、かつ、Y1及びY2がエステル結合である化合物である請求項2に記載の光配向膜の製造方法。
- 一般式(2)
で表わされる重合性基を有するアントラキノン染料である二色性染料を含有する光配向膜用材料を基板上に塗布し、偏光を照射して光配向機能を付与した後、加熱又は光を照射することにより重合性基を重合させることを特徴とする光配向膜の製造方法。 - 前記一般式(2)で表わされるアントラキノン染料が、R7、R8、R9及びR10が(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基であり、X7、X8、X9、X10、Y7、Y8、Y9及びY10が直接結合であり、m、n、p及びqは0又は1であり、mとnとpとqとの和は2〜4であり、R11及びR12が水酸基であり、r及びsは0又は1であり、rとsの和は0〜2である化合物である請求項4に記載の光配向膜の製造方法。
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