JP6160218B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶配向膜の製造方法 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶配向膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶配向膜の製造方法に関する。詳しくは、十分な液晶配向規制力を有し、焼き付き特性に優れ、さらに電気特性に優れる液晶表示素子を与えることのできる液晶配向剤等に関する。
液晶表示素子においては、液晶分子を基板面に対して所定の方向に配向するために、基板表面に液晶配向膜が設けられている。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成される。しかし、液晶配向膜の形成をラビング処理により行うと、ラビング工程中にほこりや静電気が発生し易いため、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるという問題があるほか、TFT素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こって製品歩留まり低下の原因となるという問題もある。そこで、液晶配向膜を形成する別の手段として、基板表面に形成した感放射線性の有機薄膜に偏光または非偏光の放射線を照射することによって、基板上の有機薄膜に液晶配向能を付与する光配向法が提案されている(特許文献1〜4参照)。
液晶表示素子としては、TN型、STN型、VA型などの縦電界方式の液晶セルを有する液晶表示素子のほか、IPS(In−Plane Switching)型やFFS(Fringe Field Switching)型などの、対向配置された一対の基板のうちの一方に電極を形成し、基板と平行方向に電界を発生する横電界方式の液晶表示素子が知られている(特許文献5〜7参照)。この横電界方式の液晶表示素子は、縦電界方式の液晶表示素子と比べてより広い視野角特性を有し、また高品位な表示が可能である。横電界方式の液晶表示素子は、液晶分子が基板と平行な方向にのみ電界応答するため、液晶分子の長軸方向の屈折率変化が問題とならず、視角を変えた場合でも、観察者に視認されるコントラストおよび表示色の濃淡の変化が少なく、従って視角によらず高品位な表示が可能となる。
特開2003−307736号公報 特開2004−163646号公報 特開2002−250924号公報 特開2004−83810号公報 米国特許第5928733号明細書 特開昭56−91277号公報 特開2008−46184号公報 特開2010−97188号公報
横電界方式の液晶表示素子においても、液晶配向膜に液晶配向性を付与するに際しては、上記したラビング法の欠点を回避するため光配向法によることが望まれる。しかしながら、光配向法に適用可能な液晶配向剤は、形成された液晶配向膜の液晶配向規制力が十分でない傾向があり、液晶配向規制力が不十分であることに起因して、液晶表示素子に適用した場合にディスクリネーションと呼ばれる表示不良が見られることがある。
小粒径のビーズを散布するタイプのスペーサーを用いて製造した液晶表示素子では、黒表示のときにビーズの部分だけが白く抜ける現象が起こることがある。ビーズはμmオーダーの小粒径であるため、この白抜けだけであれば視聴上さほど問題にはならない。しかしながら、場合によってはビーズ部分の白抜けのほか、隣接するビーズの間を連結するような白い線が見られることがある。この白線は、表示欠陥として視聴者に認識されることがあり、画面上に存在するべきではない。本明細書において、ディスクリネーションとはこのような表示欠陥(線状の白欠陥)をいう。この表示欠陥は、液晶配向膜の液晶配向規制力が不足することによって起こると推測されている。
上記のようなディスクリネーションは、アナログ放送時代の画像解像度の程度では、さほど大きな問題とはならなかった。しかしながら近年、撮像技術、動画送信技術が飛躍的な進歩を遂げ、家庭向けテレビ放送においても、いわゆるハイビジョン放送がデジタル配信され始めて久しい。またこれに伴い、液晶表示素子の更なる高精細化が進み、上記のディスクリネーションが顕在化している。液晶表示素子としては、ディスクリネーションの低減(すなわち、液晶配向規制力の向上)と、焼き付き特性、電気特性等との両立を実現することが求められている。
本発明は、上記のような課題を解決しようとしてなされたものであり、高い液晶配向規制力を有し、焼き付き特性に優れ、さらに電気特性に優れる液晶表示素子を与えることのできる液晶配向剤を提供することである。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリアミック酸、そのイミド化重合体およびポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する液晶配向剤であって、
前記テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上が、5員環以上の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、
前記ジアミンが、下記式(1)で表される化合物を含むものであることを特徴とする液晶配向剤によって達成される。
Figure 0006160218
(式(1)中、Aは単結合または2価の有機基であり、Bは2価の有機基である。Rは置換基であり、nは0〜4の整数である。)
本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜は、高い液晶配向規制力を有するとともに、焼き付き特性および電気特性が良好な液晶表示素子を与えることができる。特に、光配向法によって横電界方式の有利な効果を発現しつつ上記効果を奏することができ、横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜に好ましく適用することができる。
櫛歯状の導電膜のパターンを示す説明図。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の液晶配向剤は、重合体成分として、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリアミック酸、そのイミド化重合体およびポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。以下、本発明の液晶配向剤に含まれる重合体成分、および必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
[ポリアミック酸]
(テトラカルボン酸二無水物)
本発明におけるポリアミック酸(以下、「特定ポリアミック酸」ともいう。)の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、反応に使用するテトラカルボン酸二無水物の全体量の60モル%以上が、5員環以上の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」ともいう。)である。
上記特定テトラカルボン酸二無水物が有する脂環構造は、酸無水物基が結合する脂環構造が5員環以上であり、5〜8員環であることが好ましく、5〜7員環であることがより好ましい。なお、5員環以上の脂環構造とは、酸無水物基が結合する脂環構造が多環式構造の場合には、その多環式構造に含まれるそれぞれの環において、環を構成する原子数がいずれも5以上であることを示す。また、上記特定テトラカルボン酸二無水物は、酸無水物基が脂環構造に結合していればよく、脂環構造とともに鎖状炭化水素構造や芳香環構造を有していてもよい。
上記特定テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2;3,5;6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2;4,6;8−二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン等を挙げることができる。
上記特定テトラカルボン酸二無水物としては、これらのうち、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれかを含むことが好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むことがより好ましい。
本発明における特定ポリアミック酸を合成するために用いるテトラカルボン酸二無水物としては、上記特定テトラカルボン酸二無水物のみを使用してもよく、あるいはこれとともにその他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
ここで使用することのできるその他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物(ただし、上記特定テトラカルボン酸二無水物に該当するものを除く。)、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えば3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
本発明における特定ポリアミック酸を合成するために用いるテトラカルボン酸二無水物としては、上記の特定テトラカルボン酸二無水物を、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全体量に対して、60モル%以上含むものであり、80モル%以上含むものであることが好ましく、90モル%以上含むものであることがより好ましい。
(ジアミン)
上記特定ポリアミック酸の合成に使用するジアミンは、上記式(1)で表される化合物(以下、「特定ジアミン」ともいう。)を含むものである。
上記式(1)中、Aの2価の有機基としては、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基などの2価の炭化水素基や、当該炭化水素基における炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−、−CO−、−NHCO−、−S−、−NH−等の官能基が導入されてなる2価の基、当該炭化水素基の水素原子の一部または全部がフッ素原子などのハロゲン原子で置換されてなる2価の基などが挙げられる。
ここで、本明細書において「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。また、「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
上記2価の炭化水素基の具体例としては、鎖状炭化水素基として、例えばメチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基などの炭素数1〜10のアルカンジイル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数1〜10のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数1〜10のアルキニル基などを挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、脂環式炭化水素基としては、例えばシクロヘキシレン基、シクロへキシレン基が有する水素原子の一部または全部が炭素数1〜10のアルキル基で置換された基などを;芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、フェニレン基が有する水素原子の一部または全部が炭素数1〜10のアルキル基で置換された基などを;それぞれ挙げることができる。
Aは、中でも単結合であることが好ましい。
Bの2価の有機基としては、上記Aの2価の有機基として例示した基や、−C−D−C−*、−C−D−C10−*、−C10−D−C−*、−C10−D−C10−*などが挙げられる。ただし、Dは、単結合、炭素数1〜10のアルキル基、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、または炭素数1〜10のアルキル基が有する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基を示す。「*」は1級アミノ基に結合する結合手を示す。また、基「−C−」および基「−C10−」の水素原子の一部または全部は、炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい。
Bは、上記の中でも、フェニレン基、シクロへキシレン基、−C−D−C−*、−C−D−C10−*、−C10−D−C−*、−C10−D−C10−*、または、これら各基の環構造が有する水素原子の一部または全部が炭素数1〜10のアルキル基で置換された基であることが好ましく、フェニレン基、−C−D−C−*、または、フェニレン基および−C−D−C−*においてフェニレン基が有する水素原子の一部または全部が炭素数1〜10のアルキル基で置換された基であることがより好ましい。
の置換基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)などが挙げられる。nは0〜4の整数であり、0であることが好ましい。
上記特定ジアミンとしては、例えば下記式(1−1)〜式(1−6)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。中でも、特定ジアミンは、下記式(1−1)または式(1−6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006160218
本発明における特定ポリアミック酸を合成するために用いるジアミンとしては、上記特定ジアミンのみを使用してもよく、あるいはこれとともにその他のジアミンを併用してもよい。
ここで使用することのできるその他のジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;
脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジンなどを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
上記特定ポリアミック酸を合成するために用いるジアミンは、上記式(1)で表される化合物を、合成に使用するジアミンの全量に対して、10モル%以上含むことが好ましく、30モル%以上含むことがより好ましく、50モル%以上含むことがさらに好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
上記ポリアミック酸を合成するに際して用いるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの使用割合は、ジアミンに含まれるアミノ基1当量に対してテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合とすることが好ましく、0.3〜1.2当量とすることがより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は有機溶媒中において行うことが好ましい。この有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン性極性溶媒;フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレートなどのエステル;
ジイソペンチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフランなどのエーテル;
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素などを例示することができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
ポリアミック酸の合成反応の反応温度は、−20〜150℃とすることが好ましく、0〜100℃とすることがより好ましい。反応時間は、0.5〜24時間とすることが好ましく、2〜12時間とすることがより好ましい。
[イミド化重合体]
本発明におけるイミド化重合体(以下、「特定イミド化重合体」ともいう。)は、上記のようにして合成された特定ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することができる。この特定イミド化重合体は、ポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。
上記特定イミド化重合体は、そのイミド化率が5%以上であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましく、15〜50%であることがさらに好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、またはポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち後者の方法によることが特に好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用割合は、ポリアミック酸の有するアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用割合は、使用する脱水剤の1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして上記に例示した有機溶媒を使用することができる。また、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
[ポリアミック酸エステル]
本発明におけるポリアミック酸エステル(以下、「特定ポリアミック酸エステル」ともいう。)は、例えば、[I]上記特定ポリアミック酸と、水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルと、上記特定ジアミンを含むジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、上記特定ジアミンを含むジアミンとを反応させる方法によって得ることができる。
ここで、方法[I]で使用する水酸基含有化合物としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;フェノール、クレゾール等のフェノール類などが挙げられる。また、ハロゲン化物としては、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化ステアリル、塩化メチル、塩化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン等が挙げられ、エポキシ基含有化合物としては、例えばプロピレンオキシド等が挙げられる。方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、上記で例示したテトラカルボン酸二無水物を上記のアルコール類を用いて開環することにより得ることができる。ただし、合成に使用するテトラカルボン酸ジエステルの全体量のうち60モル%以上を、5員環以上の脂環構造を有するテトラカルボン酸ジエステルとする。
また、方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。ただし、合成に使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物の全体量のうち60モル%以上を、5員環以上の脂環構造を有するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とする。なお、ポリアミック酸エステル(P)は、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
以上のようにして得られるポリアミック酸、そのイミド化重合体およびポリアミック酸エステルは、これを濃度15重量%の溶液としたときに、20〜1,000mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。この重合体の溶液粘度(mPa・s)は、これらの重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度15重量%の重合体溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
上記合成により得られたポリアミック酸、そのイミド化重合体およびポリアミック酸エステルにつき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、1,000〜500,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましい。このMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。このような分子量範囲にあることにより、液晶配向剤の安定性を高くすることができるとともに、得られる液晶表示素子における良好な配向性を確保することができる。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、上記のような特定ポリアミック酸、特定イミド化重合体および特定ポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば特定重合体以外のその他の重合体、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」ともいう)、官能性シラン化合物などを挙げることができる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性および電気特性の改善のために使用することができる。その他の重合体としては、例えば特定ポリアミック酸以外のポリアミック酸、特定イミド化重合体以外のイミド化重合体、特定ポリアミック酸エステル以外のポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレンおよびその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)およびその誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
その他の重合体を使用する場合、その使用割合は、重合体成分の合計(特定重合体およびその他の重合体の合計をいう。以下同じ。)に対して、90重量%以下とすることが好ましく、60重量%以下とすることがより好ましく、30重量%以下とすることがさらに好ましい。
[エポキシ化合物]
上記エポキシ化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性や電気特性を向上させること等を目的として使用することができる。上記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
上記エポキシ化合物を使用する場合、その使用割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは0.1〜30重量部である。
[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上等を目的として使用することができる。上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
上記官能性シラン化合物を使用する場合、その使用割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは2重量部以下であり、より好ましくは0.02〜0.2重量部である。
<液晶配向剤の調製>
本発明の液晶配向剤は、上記の特定重合体および必要に応じて任意的に使用されるその他の成分を、好ましくは有機溶媒中に溶解してなる溶液状の組成物として構成される。
本発明の液晶配向剤に使用される有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどを例示することができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。この範囲の固形分濃度とすることによって、良好な塗布性で適当な膜厚の液晶配向膜を形成することができ好ましい。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板上に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜4.5重量%の範囲とすることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とすることが特に好ましい。本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
<液晶配向膜およびその製造方法>
本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤を用いて製造することができ、以下の工程(1)および工程(2)を含む方法により製造することが好ましい。
(1)基板上に、本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程(塗布工程)、および(2)上記塗膜に光照射する工程(光照射工程)。
(1)塗布工程
本発明の液晶配向剤を、縦電界方式の液晶セルを有する液晶表示素子に適用する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板2枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する。一方、本発明の液晶配向剤を、横電界方式の液晶セルを有する液晶表示素子に適用する場合には、片面に透明導電膜または金属膜が櫛歯状にパターニングされた一対の電極を有する基板と、電極が設けられていない対向基板とを一対とし、櫛歯状電極の形成面と対向基板の片面とに、それぞれ本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する。
縦電界方式および横電界方式のいずれの場合も、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。上記透明導電膜としては、例えばIn−SnOからなるITO膜、SnOからなるNESA(登録商標)膜などを用いることができる。上記金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。透明導電膜および金属膜のパターニングには、例えばパターンなしの透明導電膜を形成した後にフォト・エッチング法、スパッタ法などによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。
基板上への液晶配向剤の塗布に際して、基板および電極と、塗膜との接着性をさらに良好なものにするために、基板および電極上に、予め官能性シラン化合物、チタネートなどを塗布した後に加熱する前処理を施しておいてもよい。
基板上への液晶配向剤の塗布は、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法、インクジェット印刷法などの適宜の塗布方法により行うことができる。塗布後、塗布面を予備加熱(プレベーク)し、次いで焼成(ポストベーク)することにより塗膜を形成することができる。プレベークの条件は、例えば40〜120℃の加熱温度において0.1〜5分の加熱時間とする。ポストベークの条件は、例えば120〜300℃、好ましくは150〜250℃の加熱温度において、例えば5〜200分、好ましくは10〜100分の加熱時間とする。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、0.001〜1μmとすることが好ましく、0.005〜0.5μmとすることがより好ましい。
(2)光照射工程
本工程では、基板上に形成された塗膜に対して、偏光または非偏光の放射線を照射することにより、塗膜に液晶配向能を付与して液晶配向膜とする。ここで照射する光としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線、可視光線などを用いることができる。中でも、200〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
光照射の際に使用する放射線が偏光(直線偏光または部分偏光)している場合には、塗膜面に対して垂直方向から照射してもプレチルト角付与のために斜め方向から照射してもよい。一方、非偏光の放射線を照射する場合には、照射は塗膜面に対して斜め方向から行う必要がある。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、Hg−Xeランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。上記の好ましい波長領域の紫外線は、上記光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。光の照射量は、好ましくは100J/m以上50,000J/m未満であり、より好ましくは500〜20,000J/m、さらに好ましくは1,000〜10,000J/mである。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記のようにして形成された液晶配向膜を有する基板を用いて、以下のようにして製造することができる。
まず、上記のようにして液晶配向膜が形成された一対の基板を準備し、この一対の基板間に液晶が狭持された構成の液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法を挙げることができる。
第1の方法として、各基板の液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して一対の基板を対向配置し、該一対の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造する方法を挙げることができる。
第2の方法として、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数カ所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板面に押し広げ、次いで基板の全面、あるいはシール剤塗布部分のみに紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造する方法を挙げることができる。この第2の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。
上記いずれの方法による場合でも、次いで、液晶が等方相をとる温度まで液晶セルを加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。ここで、液晶配向膜が形成された一対の基板における、照射した直線偏光の偏光方向のなす角度およびそれぞれの基板と偏光板との角度を適当に調整することにより、所望の液晶表示素子を得ることができる。
上記シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球および硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
上記液晶としては、例えばネマティック液晶、スメクティック液晶などを用いることができる。
TN型液晶セルまたはSTN型液晶セルを製造する場合、正の誘電異方性を有するネマティック液晶が好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられる。また、例えばコレステリルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを上記液晶にさらに添加して使用してもよい。
一方、垂直配向型液晶セルを製造する場合には、負の誘電異方性を有するネマティック液晶が好ましく、例えばジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶などを用いることができる。
液晶セルの外側に使用する偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。このようにして製造された本発明の液晶表示素子は、表示特性、電気特性などの諸性能に優れるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の合成例において、重合体のイミド化率および重合体溶液の溶液粘度は以下の方法により測定した。
[重合体のイミド化率]
ポリイミドを含有する溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)を用いてイミド化率を求めた。
イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 …(1)
(数式(1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)は、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
<特定重合体(ポリアミック酸)の合成>
[合成例PA−1]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物2.24g(0.01モル)およびジアミンとして上記式(1−1)で表される化合物2.54g(0.01モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)27.1gに溶解し、40℃で3時間反応させることにより、ポリアミック酸(PA−1)を15重量%含有する溶液31.8gを得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は65mPa・sであった。
[合成例PA−2〜PA−7およびpa−1〜pa−2]
下記表1に示した種類および量のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを用いた以外は合成例PA−1と同様にしてポリアミック酸溶液を得た。得られた各溶液の粘度を下記表1に併せて示した。
Figure 0006160218
表1中、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの略称はそれぞれ以下の意味である。
[テトラカルボン酸二無水物]
t−1:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
t−2:(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
t−3:ピロメリット酸二無水物
[ジアミン]
d−1:上記式(1−1)で表される化合物
d−2:上記式(1−3)で表される化合物
d−3:上記式(1−4)で表される化合物
d−4:下記式(d−4)で表される化合物
d−5:下記式(d−5)で表される化合物
Figure 0006160218
Figure 0006160218
[合成例PI−1]
上記合成例PA−1と同様にして得たポリアミック酸溶液に、N−メチル−2−ピロリドン15.9g、ピリジン0.8gおよび無水酢酸1.0gを添加して120℃において4時間撹拌下に脱水閉環してイミド化を行うことにより、ポリイミド(PI−1)を含有する溶液を得た。この溶液に含有されるポリイミド(PI−1)のイミド化率は47%であった。
[合成例sp−1]
50mLフラスコ中に、ジカルボン酸として下記式(DC−1)で表される化合物3.12g(0.01mol)、ジエポキシ化合物として下記式(DE−3)で表される化合物2.02g(0.01mol)および溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン10gを仕込み、これを140℃において6時間攪拌して反応を行うことにより、重合体(sp−1)を含有する溶液を得た。
Figure 0006160218
Figure 0006160218
[合成例PA−8、PA−9]
下記表2に示した種類および量のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを用いた以外は合成例PA−1と同様にしてポリアミック酸溶液を得た。得られた各溶液の粘度を下記表2に併せて示した。
Figure 0006160218
表2中、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの略称はそれぞれ以下の意味である。
[テトラカルボン酸二無水物]
t−4:(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
Figure 0006160218
[ジアミン]
d−6:上記式(1−6)で表される化合物
[合成例PI−2、PI−3]
合成例PI−2については上記合成例PA−2と同様にして得たポリアミック酸溶液を用い、合成例PI−3については上記合成例PA−3と同様にして得たポリアミック酸溶液を用いた以外は合成例PI−1と同様にしてポリイミドを含有する溶液を得た。合成例PI−2の溶液に含有されるポリイミド(PI−2)のイミド化率は35%であり、合成例PI−3の溶液に含有されるポリイミド(PI−3)のイミド化率は43%であった。
[実施例1]
<液晶配向剤の調製>
ポリアミック酸として上記合成例PA−1で合成したポリアミック酸(PA−1)を含有する溶液に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびブチルセロソルブ(BC)を加えて、固形分濃度3.5重量%、溶剤組成がNMP/BC=70/30(重量比)の溶液とし、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤を調製した。
<電圧保持率の評価>
(1)電圧保持率評価用液晶表示素子の製造
櫛歯状にパターニングされたクロムからなる金属電極を片面に有するガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とを一対とし、ガラス基板の電極を有する面と対向ガラス基板の一面とに、それぞれ上記で調製した液晶配向剤を、スピンナーによって塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、内部を窒素置換したオーブン中で200℃で1時間加熱(ポストベーク)して、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、これらの塗膜表面に、それぞれHg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線5000J/mを、基板法線方向から照射して、液晶配向膜が形成された一対の基板を得た。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の光軸を基板面に投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、メルク社製液晶、MLC−7028を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを120℃で10分間加熱してから室温まで徐冷した。次に基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、且つ、液晶配向膜の偏光紫外線の光軸を基板面へ射影した方向とどちらか一方の偏光方向が平行となるように貼り合わせることにより、電圧保持率評価用液晶表示素子を製造した。
(2)電圧保持率の評価
上記で作製した液晶表示素子に、60℃において、5Vの電圧を、60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を(株)東陽テクニカ製の「VHR−1」により測定した。この値が98%以上であった場合を電圧保持率「良好(◎)」、95%以上98%未満であった場合を電圧保持率「可(○)」、95%未満であった場合を電圧保持率「不良(×)」として評価した。評価結果は下記表3に示した。
<焼き付き特性の評価>
(1)焼き付き特性評価用液晶表示素子の製造
上記「電圧保持率評価用液晶表示素子の製造」において、ガラス基板として、クロムからなる櫛歯状の導電膜パターンを2系統有するガラス基板および導電膜を持たないガラス基板を1対として用い、櫛歯状導電膜を有する基板の導電膜上およびもう一方の基板の片面にそれぞれ上記液晶配向剤を塗布したほかは、上記「電圧保持率評価用液晶表示素子の製造」と同様にして液晶表示素子を製造した。上記ガラス基板上の電極パターン構成を示す概略図を図1に示した。なお、以下では、上記で製造した液晶表示素子の有する2系統の導電膜パターンをそれぞれ「電極A」および「電極B」という。
(2)焼き付き特性の評価
上記で製造した液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下におき、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧3.5Vと直流電圧5Vの合成電圧を2時間印加した。その直後、電極Aおよび電極Bの双方に交流4Vの電圧を印加した。両電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から電極Aおよび電極Bの光透過性の差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定した。この時間が15秒未満であった場合に焼き付き特性「良好(◎)」、15秒以上100秒未満であった場合に焼き付き特性「可(○)」、100秒以上であった場合を焼き付き特性「不良(×)」として評価した。評価結果は下記表3に示した。
<ディスクリネーションの評価>
(1)ディスクリネーション評価用液晶表示素子の製造
上記「電圧保持率評価用液晶表示素子の製造」において、スクリーン印刷により塗布するエポキシ樹脂接着剤に含有される酸化アルミニウム球の直径を3.5μmから5.5μmとし、さらに該基板上に、平均粒子系が約5.5μmのビーズスペーサー(早川ゴム(株)製、ハヤビーズ)を10cmあたり20〜30個程度の数となるように散布した後に一対の基板を対向させたほかは、上記「電圧保持率評価用液晶表示素子の製造」と同様にして、ディスクリネーション評価用液晶表示素子を製造した。
(2)ディスクリネーションの評価
上記で得られた液晶表示素子を電圧無印加状態でバックライト上に載置し、表示領域の中央付近3cm角の領域を倍率20倍の顕微鏡によって観察した。ビーズスペーサー間に発生するディスクリネーション(線状の白欠陥)の個数が0個であった場合をディスクリネーション特性「良好(◎)」、1〜4個であった場合を「可(○)」、5個以上であった場合を「不良(×)」として評価した。評価結果は表3に示した。
[実施例2〜8および比較例1〜3]
使用した重合体の種類および量を、それぞれ表3に記載の通りとしたほかは上記実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製して評価した。評価結果は表3にそれぞれ示した。なお、実施例6,7においては、液晶配向剤の調製の際に添加剤を表3の通り添加した。添加剤の重量部欄の数値は、液晶配向剤に含有される重合体成分の全体量100重量部に対する配向割合を示す。
Figure 0006160218
表3中、添加剤の略称は以下の意味である。
[添加剤]
e−1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
[実施例9〜20]
使用した重合体の種類および量を、それぞれ表4に記載の通りとしたほかは上記実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製して評価した。評価結果は表4にそれぞれ示した。なお、実施例10,11,13,14,16,17,19,20においては、液晶配向剤の調製の際に添加剤を表4の通り添加した。添加剤の重量部欄の数値は、液晶配向剤に含有される重合体成分の全体量100重量部に対する配向割合を示す。
Figure 0006160218
表4中、添加剤の略称は以下の意味である。
[添加剤]
e−2:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン
表3および表4に示すように、実施例では、ディスクリネーションが少なく、電圧保持率が高く、しかも焼き付きが少ない液晶表示素子が得られた。これに対し、比較例1、2の液晶表示素子ではディスクリネーションが多く見られ、比較例3の液晶表示素子では電圧保持率が低かった。

Claims (6)

  1. テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリアミック酸、そのイミド化重合体およびポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する液晶配向剤であって、
    前記テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上が、5員環以上の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、
    前記ジアミンが、下記式(1)で表される化合物を含むものであることを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 0006160218
    (式(1)中、Aは単結合または2価の有機基であり、Bは2価の有機基である。Rは置換基であり、nは0〜4の整数である。)
  2. 前記テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上が、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれかである請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 添加成分として、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物を更に含有する請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤により形成された液晶配向膜。
  5. 請求項4に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  6. 基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜に光照射する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
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