JP7435469B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP7435469B2
JP7435469B2 JP2020560026A JP2020560026A JP7435469B2 JP 7435469 B2 JP7435469 B2 JP 7435469B2 JP 2020560026 A JP2020560026 A JP 2020560026A JP 2020560026 A JP2020560026 A JP 2020560026A JP 7435469 B2 JP7435469 B2 JP 7435469B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polymer
diamine
aligning agent
crystal aligning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020560026A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020116585A1 (ja
Inventor
新平 新津
幸司 巴
早紀 相馬
夏樹 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Publication of JPWO2020116585A1 publication Critical patent/JPWO2020116585A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7435469B2 publication Critical patent/JP7435469B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/52Liquid crystal materials characterised by components which are not liquid crystals, e.g. additives with special physical aspect: solvents, solid particles
    • C09K19/54Additives having no specific mesophase characterised by their chemical composition
    • C09K19/56Aligning agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/10Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L79/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon only, not provided for in groups C08L61/00 - C08L77/00
    • C08L79/04Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain; Polyhydrazides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08L79/08Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、液晶配向剤、この液晶配向剤によって得られる液晶配向膜、及び得られた液晶配向膜を具備する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、パソコン、携帯電話、スマートフォン、テレビ等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示素子は、例えば、素子基板とカラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界を印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子の配向を制御する液晶配向膜、画素電極に供給される電気信号をスイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。液晶分子の駆動方式としては、TN方式、VA方式等の縦電界方式や、IPS方式、FFS方式等の横電界方式が知られている。このうち、液晶分子が基板に対して平行にスイッチングする横電界方式は、縦電界方式と比べて広い視野角特性を有し、また高品位な表示が可能な液晶表示素子として知られている。
液晶素子の表示品位に影響を与える因子としては、液晶配向の均一性と共に液晶セルの電圧保持率や電荷蓄積特性などが知られている。例えば、電圧保持率が低い場合は液晶に十分な電圧がかからず表示コントラストが低下してしまう。また、液晶セル内に電荷が蓄積する場合は、液晶の配向を乱したり、あるいは残像や焼き付きなどの現象が起こったりして、液晶素子の表示品位を著しく低下させる。
特に、横電界方式では、縦電界方式と比べると基板内に形成される電極部分が少ないため電圧保持率が低下しやすかったり、画素電極と共通電極との距離が近いことにより配向膜や液晶層に強い電界が作用するため電荷が蓄積しやすいなど、電圧保持率や電荷蓄積特性の不足による不都合が顕著となりやすい。また、横電界方式では、液晶の配向規制力が弱いと液晶を長時間駆動させた際に液晶が初期の配向状態に戻らなくなり、コントラストが低下したり残像の原因となったりするので液晶配向膜の配向規制力も重要となる。
上記のような横電界方式の課題に対して、高配向の重合体と低抵抗の重合体とを混合した液晶配向剤から得られる液晶配向膜を用いる方法が提案されている(特許文献1)。
国際公開公報WO2004/53583号パンフレット
液晶表示素子の高性能化に伴い液晶配向膜に要求される特性は厳しくなってきている。特にFFS方式では同じ横電界方式のIPS方式と比較しても液晶セル内に電荷が蓄積されやすく且つ蓄積した電荷が抜けにくい構造となっているため、例えば電荷蓄積の抑制だけでなく蓄積した電荷の緩和が速いなどの特性も重要となってきている。また、FFS方式は、IPS方式よりも電界強度が大きいため、液晶の配向規制力に関する要求も厳しいものになっている。
以上のことを踏まえ、本発明は、横電界方式、特にFFS方式の液晶表示素子に用いるのに好適な液晶配向膜、更にはFFS方式であっても電荷の蓄積量が小さく且つ蓄積電荷の緩和が早い液晶配向膜を得ることができる液晶配向剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の目的達成のため、鋭意検討を重ねた結果、下記要旨の発明により、上記の目的を達成し得ることを見出した。
下記の重合体(A)および重合体(B)を含有する液晶配向剤。
重合体(A):テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(1)に示すジアミン及び下記式(2)に示すジアミンを含むジアミン成分との反応によって得られる重合体。
Figure 0007435469000001
Figure 0007435469000002
重合体(B):テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(3)で表されるジアミンの少なくとも1種を含むジアミン成分との反応によって得られる重合体。
Figure 0007435469000003
(Yは、芳香族基に結合する窒素原子又は含窒素芳香族複素環を有する2価の有機基である)
本発明によれば、横電界方式の液晶表示素子の表示性能、特にFFS方式の液晶表示素子における電荷の蓄積量が小さく且つ蓄積電荷の緩和が早いなどの表示性能の向上が達成できる。
本発明に用いられる重合体(A)及び重合体(B)は、いずれも、共にテトラカルボン酸誘導体成分とジアミン成分との反応によって得られる重合体である。
テトラカルボン酸誘導体の例としては、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジシリルエステル、テトラカルボン酸ジクロライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、テトラカルボン酸ジアルケニルエステル、テトラカルボン酸ジアルキルエステルジクロライドなどが挙げられる。
テトラカルボン酸誘導体成分とジアミン成分との反応によって得られる重合体の例としては、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、前記ポリアミック酸又はポリアミック酸エステルのイミド化重合体であるポリイミドなどが挙げられる。これら重合体を製造する為の反応条件等は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
本発明に用いる重合体は、テトラカルボン酸誘導体成分及び/又はジアミン成分に対して単官能である化合物を用いて、主鎖末端を修飾した重合体であっても構わない。該単官能の化合物としては、モノアミン、モノイソシアネート、酸無水物基を1個有する化合物、酸クロライド基を1個有する化合物などが挙げられる。
なお、本発明において、「テトラカルボン酸残基」とは、前記テトラカルボン酸誘導体成分に由来する構造であり、テトラカルボン酸誘導体が有する4つのカルボキシ基又は該カルボキシ基から誘導された基を除いた4価の構造を意味する。また、「ジアミン残基」とは、前記ジアミン成分に由来する構造であり、ジアミンが有する2つのアミノ基を除いた2価の構造を意味する。
<重合体A>
重合体(A)は、テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(1)に示すジアミン及び下記式(2)に示すジアミンを含むジアミン成分との(重縮合)反応によって得られる重合体である。
Figure 0007435469000004
Figure 0007435469000005
重合体(A)におけるジアミン残基は、式(1)のジアミンに由来するジアミン残基及び式(2)のジアミンに由来するジアミン残基の少なくとも2種類の構造を有する。
重合体(A)において、式(1)のジアミンに由来するジアミン残基は、重合体(A)が有する全ジアミン残基の10モル%以上であると好ましく、より好ましくは20モル%以上である。また、重合体(A)において、式(2)のジアミンに由来するジアミン残基は、重合体(A)が有する全ジアミン残基の30モル%以上であると好ましく、より好ましくは40モル%以上である。
重合体(A)は、式(1)及び式(2)のジアミン以外の、その他のジアミンに由来するジアミン残基を有していてもよい。その他のジアミンとしては、下記式(4)で表されるジアミン(但し、式(1)及び式(2)のジアミンは除く)を挙げることができる。
Figure 0007435469000006
式(4)中、Yは2価の有機基を表し、2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表す。
以下に式(4)におけるYの好ましい具体例である(Y1-1)~(Y1-18)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007435469000007
Figure 0007435469000008
Figure 0007435469000009
重合体(A)が、式(1)及び式(2)のジアミン以外のジアミンに由来するジアミン残基を有する場合、式(1)のジアミンに由来するジアミン残基及び式(2)のジアミンに由来するジアミン残基の合計は、重合体(A)が有する全ジアミン残基の50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上である。
また、本発明の液晶配向剤を基板に塗布した際に重合体(A)が液晶配向膜の表層付近に偏在しやすくなることで液晶配向性が向上するという観点から、上記その他のジアミンとして、上記式(4)におけるYが下記式(5)の構造を有するジアミンの少なくとも1種を用いることは好ましい。
Figure 0007435469000010
式(5)中、Dは、好ましくは80~250℃、特に好ましくは80~230℃の加熱によって脱離し水素原子に置き換わる保護基を表し、*は他の構造との接続箇所を表す。Dの好ましい例としては、t-ブトキシカルボニル基が挙げられる。
以下に、式(5)の構造を有するYの好ましい具体例である(5-1)~(5-9)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記構造におけるBocはt-ブトキシカルボニル基を表す。
Figure 0007435469000011
重合体(A)において、式(4)で表されるジアミンの残基は、重合体(A)が有する全ジアミン残基の1~40モル%が好ましく、より好ましくは5~30モル%である。
重合体(A)におけるテトラカルボン酸残基の構造は特に限定されない。また、重合体(A)が有するテトラカルボン酸残基の構造は1種類であってもよく、2種類以上が混在していてもよい。
以下に、重合体(A)におけるテトラカルボン酸残基の好ましい構造である(A-1)~(A-21)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007435469000012
Figure 0007435469000013
重合体(A)の分子量は、良好な塗膜が形成できる限りにおいて特に限定されないが、例えば重量平均分子量で2,000~500,000が好ましく、より好ましくは5,000~300,000であり、さらに好ましくは、10,000~100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000~250,000であり、より好ましくは、2,500~150,000であり、さらに好ましくは、5,000~50,000である。
<重合体B>
重合体(B)は、テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(3)で表されるジアミンの少なくとも1種を含むジアミン成分との反応によって得られる重合体である。
Figure 0007435469000014
式(3)中、Yは、芳香族基に結合する窒素原子又は含窒素芳香族複素環を有する2価の有機基である。
以下に、特に好ましいYの構造である(Y2-1)~(Y2-14)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007435469000015
Figure 0007435469000016
重合体(B)が有するジアミン残基の構造は、1種類であってもよく、2種類以上が混在していてもよいが、少なくとも1種類は前記式(3)のYの構造である。
重合体(B)において、Yの構造であるジアミン残基は、重合体(B)が有する全ジアミン残基の50モル%以上であると好ましく、より好ましくは60モル%以上である。
重合体(B)は、式(3)で表されるジアミン以外の、その他ジアミンに由来するジアミン残基を有していてもよい。かかるその他のジアミンとしては、重合体(A)におけるその他のジアミンである前記式(4)で表される化合物(但し、式(3)で表されるジアミンは除く)を使用することができる。この場合におけるその他のジアミンの使用量も重合体(A)における場合と同様である。
重合体(B)におけるテトラカルボン酸残基の構造は特に限定されない。また、重合体(B)が有するテトラカルボン酸残基の構造は1種類であってもよく、2種類以上が混在していてもよい。
重合体(B)におけるテトラカルボン酸残基の好ましい構造としては、重合体(A)で示した好ましい構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
重合体(B)の分子量は、良好な塗膜が形成できる限りにおいて特に限定されないが、例えば重量平均分子量で2,000~500,000が好ましく、より好ましくは5,000~300,000であり、さらに好ましくは、10,000~100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000~250,000であり、より好ましくは、2,500~150,000であり、さらに好ましくは、5,000~50,000である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤における重合体(A)と重合体(B)の含有比率は特に限定されないが、重合体(A)と重合体(B)の合計量に対して、重合体(A)の含有量が10~50質量%が好ましく、更に好ましくは20~40質量%である。すなわち、重合体(B)の含有量は、重合体(A)と重合体(B)の合計量に対して、それぞれ、90~50質量%が好ましく、80~60質量%であるのが更に好ましい。
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び重合体(B)以外のその他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体は特に限定されないが、例えば、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレンーマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを主骨格とする重合体が挙げられる。
本発明の液晶配向剤は、重合体以外の成分を含有していてもよい。重合体以外の成分としては、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体若しくは導電物質、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる目的のシランカップリング剤、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物、さらには塗膜を焼成する際にポリアミック酸のイミド化を効率よく進行させる目的のイミド化促進剤等が挙げられる。
本発明の液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという観点から、上記の成分を有機溶媒に溶解させた塗布液であることは好ましい。塗布液の濃度は、使用する塗布装置、及び得ようとする液晶配向膜の厚みによって適宜変更される。均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点からは、1質量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下とすることが好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2~8質量%である。
上記塗布液に用いられる有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを挙げることができる。なかでも、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、又はγ-ブチロラクトンが好ましい。これらの溶媒は2種以上を併用してもよい。
また、塗膜形成を目的とした組成物においては、上記のような溶媒に加えて塗布性の向上や塗膜表面の平滑性を向上させる溶媒を加えた混合溶媒を使用することが一般的であり、本発明の液晶配向剤においてもこのような混合溶媒は好適に用いられる。混合する有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2-ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、3-エトキシブチルアセタート、1-メチルペンチルアセタート、2-エチルブチルアセタート、2-エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2-(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1-(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸メチルエチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、下記式[D-1]~[D-3]で表される溶媒などを挙げることができる。
Figure 0007435469000017
(式[D-1]及び式[D-2]中のRは炭素数1~3のアルキル基を示し、式[D-3]中のRは炭素数1~4のアルキル基を示す。)
上記のなかでも、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましい。このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。また、これらの溶媒は2種以上を併用してもよい。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、上記本発明の液晶配向剤から得られる。液晶配向剤から液晶配向膜を得る方法の一例を挙げるなら、塗布液形態の液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られた膜に対してラビング処理法又は光配向処理法で配向処理を施す方法が挙げられる。
液晶配向剤を塗布する基板としては特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法などが一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法、スプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させ、焼成する。液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために、50~120℃で1~10分焼成し、その後、150~300℃で、5~120分焼成する条件が挙げられる。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して素子としたものである。
以下に、液晶セルの作製方法の一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、液晶を駆動させるための電極が形成された1組の基板を用意する。この電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。また、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられていてもよい。この基板上に前記のようにして液晶配向膜を形成する。
次いで、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外線硬化性のシール材を配置し、さらに液晶配向膜面上の所定の数カ所に液晶を配置した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせて圧着することにより液晶を液晶配向膜前面に押し広げた後、基板の全面に紫外線を照射してシール材を硬化することで液晶セルを得る。
また、基板の上に液晶配向膜を形成した後の工程としては、一方の基板上の所定の場所にシール材を配置する際に、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておき、液晶を配置しないで基板を貼り合わせた後、シール材に設けた開口部を通じて液晶セル内に液晶材料を注入し、次いで、この開口部を接着剤で封止して液晶セルを得る。液晶材料の注入には、真空注入法でもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法でもよい。
上記のいずれの方法においても、液晶セル内に液晶材料が充填される空間を確保する為に、一方の基板上に柱状の突起を設けるか、一方の基板上にスペーサーを散布するか、シール材にスペーサーを混入するか、又はこれらを組み合わせるなどの手段を取ることが好ましい。
上記の液晶材料としては、ネマチック液晶、及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
以下に、本発明について実施例等を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、下記における、化合物、溶媒の略号は、以下のとおりである。
NMP:N-メチル-2-ピロリドン、 BCS:ブチルセロソルブ
CA-1~CA-4:それぞれ下記構造式の化合物、 DA-1~DA-6:それぞれ下記構造式の化合物
AD-1:3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 AD-2:下記構造式の化合物
Figure 0007435469000018
Figure 0007435469000019
Figure 0007435469000020
[粘度の測定]
ポリマー溶液の粘度は、E型粘度計TVE-22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
<重合体の合成>
(合成例1)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-1を2.86g(10.0mmol)、DA-2を1.47g(6.0mmol)及びDA-3を1.59g(4.0mmol)量り取り、NMPを53.2g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を4.20g(19.3mmol)添加し、さらにNMPを21.0g加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌してポリマー溶液A-1(濃度:12.0質量%、粘度:496mPa・s)を得た。
(合成例2)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-4を3.19g(16.0mmol)及びDA-5を0.79g(4.0mmol)量り取り、NMPを49.0g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を2.59g(13.2mmol)添加し、さらにNMPを13.9g加え、窒素雰囲気下23℃で2時間半撹拌した。その後、この溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-3を1.20g(4.0mmol)添加し、さらにNMPを7.0g加え、窒素雰囲気下、23℃で12時間撹拌してポリマー溶液B-1(濃度:10.0質量%、粘度:165mPa・s)を得た。
(合成例3)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-4を3.67g(18.4mmol)及びDA-6を0.70g(4.6mmol)量り取り、NMPを26.8g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を2.94g(15.0mmol)添加し、さらにNMPを14.5g加え、窒素雰囲気下23℃で30分撹拌した。その後、この溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-4を1.44g(5.8mmol)添加し、さらにNMPを8.2g加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌してポリマー溶液B-2(濃度:15.0質量%、粘度:352mPa・s)を得た。
(合成例4)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-4を3.19g(16mmol)及びDA-5を0.79g(4mmol)量り取り、NMPを54.4g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-2を0.90g(4.6mmol)添加し、さらにNMPを15.5g加え、窒素雰囲気下23℃で30分撹拌した。その後、この溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-4を3.75g(15.0mmol)添加し、さらにNMPを7.8g加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌してポリマー溶液B-3(濃度:10.0質量%、粘度:218mPa・s)を得た。
(合成例5)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-1を5.73g(20.0mmol)量り取り、NMPを56.9g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を3.97g(18.2mmol)添加し、さらにNMPを14.2g加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌してポリマー溶液C-1(濃度:12.0質量%、粘度:505mPa・s)を得た。
(合成例6)
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mLのナスフラスコに、DA-1を4.13g(14.4mmol)及びDA-3を1.43g(3.6mmol)量り取り、NMPを53.3g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を水冷下で撹拌しながら、CA-1を3.53g(16.2mmol)添加し、さらにNMPを13.3g加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌してポリマー溶液C-2(濃度:12.0質量%、粘度:498mPa・s)を得た。
<液晶配向剤の調製>
実施例1
前記ポリマー溶液A-1及び前記ポリマー溶液B-1を用い、2種類の重合体の質量比が30:70になるように、ポリマー溶液A-1(7.5g)とポリマー溶液B-1(21.0g)を混合した。この混合液に対して、NMP(5.1g)、BCS(12.5g)、AD-1を1重量%含むNMP溶液(3.0g)、及びAD-2を10重量%含むNMP溶液(0.9g)を、攪拌しながら加え、更に室温で2時間撹拌することにより本発明の液晶配向剤を得た。
実施例2、3、及び比較例1~4
下記の表1に示す組成にて、前記実施例1と同様の操作を行い、本発明の実施例2、3である液晶配向剤及び比較例1~4である液晶配向剤を得た。
Figure 0007435469000021
<液晶セルの作製>
前記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示すFFS駆動液晶セルを作製した。
[FFS駆動液晶セルの構成]
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード用の液晶セルは、面形状の共通電極-絶縁層-櫛歯形状の画素電極からなるFOP(Finger on Plate)電極層が表面に形成されている第1のガラス基板と、表面に高さ4μmの柱状スペーサーを有し裏面に帯電防止の為のITO膜が形成されている第2のガラス基板とを、一組とした。上記の画素電極は、中央部分が内角160°で屈曲した幅3μmの電極要素が6μmの間隔を開けて平行になるように複数配列された櫛歯形状を有しており、1つの画素は、複数の電極要素の屈曲部を結ぶ線を境に第1領域と第2領域を有している。
なお、第1のガラス基板に形成する液晶配向膜は、画素屈曲部の内角を等分する方向と液晶の配向方向とが直交するように配向処理し、第2のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶セルを作製した時に第1の基板上の液晶の配向方向と第2の基板上の液晶の配向方向とが一致するように配向処理する。
[液晶セルの作製手順]
上記一組のガラス基板それぞれの表面に、孔径1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤をスピンコート塗布にて塗布し80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。この液晶配向膜付き基板表面をレーヨン布(吉川化工社製、YA-20R)でラビング(ローラー直径:120mm、ローラー回転数:1000rpm、移動速度:20mm/sec、押し込み長:0.4mm)した後、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、エアブローにて水滴を除去した後、80℃で15分間乾燥して液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付き基板の一方にシール剤を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように、また、それぞれのラビング方向が逆平行になるように貼り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC-3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを120℃で1時間加熱し、一晩放置してから各種の評価を実施した。
<液晶セルの特性評価>
前記で作製した液晶セルの特性を以下のようにして評価した。
[電荷蓄積量]
上記で作製したFFS駆動液晶セルに対し、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、画素電極と対向電極とを短絡して同電位にした状態で、2枚の偏光板の下からLEDバックライトを照射しておき、2枚の偏光板の上で測定するLEDバックライト透過光の輝度が最小となるように、液晶セルの角度を調節した。本評価は液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。
次にこの液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながらV-Tカーブ(電圧-透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%および100%となる交流電圧値を駆動電圧として算出した。次いで、帯電による影響を排除するために、液晶セルを23℃にて、周波数1kHzで20mVの交流電圧を30分間印加した。
その後、相対透過率が100%となる交流電圧を45分間印加し、その間3分毎に最小オフセット電圧値を測定しながら、測定開始から45分後までの変化量を電荷蓄積量として算出した。最小オフセット電圧値とは、相対透過率が23%となる交流電圧を印加した際のV-Fカーブ(電圧-フリッカ曲線)を測定し、フリッカが最小となる直流電圧値を意味する。相対透過率が23%となる交流電圧を用いるのは、この交流電圧値は電圧に対する輝度の変化が大きい領域に相当するため、輝度を介して蓄積電荷を評価するのに都合がよいためである。
蓄積された電荷が液晶配向の乱れや残像として表示に影響を与え、液晶素子の表示品位を著しく低下させるため、駆動時に生じる電荷蓄積量が小さい程、良好であると言える。具体的には、電荷蓄積量が100mV未満となる場合は「○」、100mV以上となる場合は「×」として評価した。
[蓄積電荷の緩和特性]
上記で作製したFFS駆動液晶セルに対し、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、画素電極と対向電極とを短絡して同電位にした状態で、2枚の偏光板の下からLEDバックライトを照射しておき、2枚の偏光板の上で測定するLEDバックライト透過光の輝度が最小となるように、液晶セルの角度を調節した。本評価は液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。液晶セルは、帯電による影響を排除するために、液晶セルを周波数1kHzで20mVの交流電圧を30分間印加した後に評価を行った。
次にこの液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながらV-Tカーブ(電圧-透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧値を駆動電圧として算出した。この交流電圧値は電圧に対する輝度の変化が大きい領域に相当するため、輝度を介して蓄積電荷を評価するのに都合がよい。
そして、相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧を5分間印加した後、+1.0Vの直流電圧を重畳し30分間駆動させた。その後、直流電圧を切り、再び相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧のみを30分間印加した。
蓄積した電荷の緩和が速いほど、直流電圧を重畳したときの液晶セルへの電荷蓄積も速いことから、蓄積電荷の緩和特性は、直流電圧を重畳した直後の相対透過率が30%以上の状態から23%に低下するまでに要した時間で評価した。この時間が短いほど蓄積電荷の緩和特性が良好であると言える。具体的には、直流電圧の印加を開始した時点から30分間が経過するまでに、相対透過率が30%以下に低下した時間を数値化した。20分未満で相対透過率が30%以下に低下した場合は「○」、20分以上となる場合は「×」として評価した。
[長期交流駆動による残像特性]
上記で作製したFFS駆動液晶セルに対し、60℃の恒温環境下、周波数60Hzで±5Vの交流電圧を120時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
上記の処理を行った液晶セルに関して、電圧無印加状態における、画素の第1領域の液晶の配向方向と第2領域の液晶の配向方向とのずれを角度として算出した。
具体的には、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に液晶セルを設置し、バックライトを点灯させ、画素の第1領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整し、次に画素の第2領域の透過光強度が最も小さくなるように液晶セルを回転させたときに要する回転角度を求めた。
長期交流駆動による残像特性は、この回転角度の値が小さいほど良好であると言える。具体的には、回転角度が0.5度未満となる場合は「○」、0.5度以上となる場合には「×」として評価した。
[電圧保持率]
上記で作製したFFS駆動液晶セルに対し、電圧保持率評価用の液晶表示素子に、1Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、1667ミリ秒の間隔で印加した後、印加解除から1667ミリ秒後の電圧保持率(%)を60℃で測定した。具体的には、電圧保持率が95%以上となる場合は「○」、95%未満となる場合には「×」として評価した。
<評価結果>
前記実施例及び比較例の各液晶配向剤を使用した液晶セルの評価結果を下記表2に示す。
Figure 0007435469000022
本発明の液晶配向剤を使用した液晶表示素子は、電荷蓄積量が小さく且つ蓄積電荷の緩和特性が良好であることが判る。
なお、2018年12月6日に出願された日本特許出願2018-229216号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. 下記の重合体(A)および重合体(B)を含有する液晶配向剤。
    重合体(A):テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(1)に示すジアミン及び下記式(2)に示すジアミンを含むジアミン成分との反応によって得られ、式(1)のジアミンに由来するジアミンの残基が、重合体(A)が有する全ジアミン残基の10モル%以上であり、式(2)のジアミンに由来するジアミン残基は、重合体(A)が有するジアミン残基の30モル%以上であることを特徴とする重合体。
    Figure 0007435469000023
    Figure 0007435469000024
    重合体(B):テトラカルボン酸誘導体成分と、下記式(3)で表されるジアミンの少なくとも1種を含むジアミン成分との反応によって得られる重合体。
    Figure 0007435469000025
    (Yは、芳香族環に結合する窒素原子又は含窒素芳香族複素環を有する2価の有機基である。)



  2. 前記重合体(A)及び/又は重合体(B)におけるジアミン成分が、更に、下記式(4)で表されるジアミンの少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007435469000026
    (Yは、2価の有機基を表す。2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表す。)
  3. 前記重合体(A)におけるジアミン成分が、式(4)におけるYが下記式(5)の構造を有する2価の有機基であるジアミンを含有する、請求項2に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007435469000027
    (Dは加熱によって脱離し水素原子に置き換わる保護基を表し、*は他の構造との接続箇所を表す。)
  4. 前記重合体(A)と重合体(B)の合計量に対して、重合体(A)の含有量が10~50質量%であり、重合体(B)の含有量が90~50質量%である、請求項1~のいずれかに記載の液晶配向剤。
  5. 横電界駆動方式の液晶表示素子用である、請求項1~のいずれかに記載の液晶配向剤。
  6. 横電界駆動方式が、FFS駆動方式である、請求項に記載の液晶配向剤。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  8. 請求項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  9. 横電界駆動方式である、請求項に記載の液晶表示素子。
  10. FFS駆動方式である、請求項に記載の液晶表示素子。
JP2020560026A 2018-12-06 2019-12-05 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 Active JP7435469B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229216 2018-12-06
JP2018229216 2018-12-06
PCT/JP2019/047701 WO2020116585A1 (ja) 2018-12-06 2019-12-05 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020116585A1 JPWO2020116585A1 (ja) 2021-10-21
JP7435469B2 true JP7435469B2 (ja) 2024-02-21

Family

ID=70975476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020560026A Active JP7435469B2 (ja) 2018-12-06 2019-12-05 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7435469B2 (ja)
KR (1) KR20210099569A (ja)
CN (1) CN113168054A (ja)
TW (1) TWI829822B (ja)
WO (1) WO2020116585A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023286733A1 (ja) 2021-07-12 2023-01-19 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子
KR20240032874A (ko) 2021-07-12 2024-03-12 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 표시 소자의 제조 방법 및 액정 표시 소자

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015060363A1 (ja) 2013-10-23 2015-04-30 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶配向素子
WO2018062440A1 (ja) 2016-09-29 2018-04-05 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003289307A1 (en) 2002-12-11 2004-06-30 Nissan Chemical Industries, Ltd. Liquid crystl orientating agent and liquid crystal display element using it
JP6160218B2 (ja) * 2012-08-03 2017-07-12 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶配向膜の製造方法
JP7114856B2 (ja) * 2016-02-15 2022-08-09 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015060363A1 (ja) 2013-10-23 2015-04-30 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶配向素子
WO2018062440A1 (ja) 2016-09-29 2018-04-05 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
KR20210099569A (ko) 2021-08-12
TWI829822B (zh) 2024-01-21
WO2020116585A1 (ja) 2020-06-11
JPWO2020116585A1 (ja) 2021-10-21
CN113168054A (zh) 2021-07-23
TW202031881A (zh) 2020-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7276666B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2015060363A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶配向素子
JP7107220B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP7243782B2 (ja) 新規なジアミンから得られる重合体を含有する液晶配向剤
JP7435469B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
TWI772371B (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜及液晶顯示元件
WO2021095593A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JP7351295B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JP2023171809A (ja) ジアミン及びその製造方法並びに重合体
JP7243628B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JPWO2019044795A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP7425537B2 (ja) ジアミン、重合体、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP7032700B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2020184373A1 (ja) 機能性高分子膜形成用塗布液及び機能性高分子膜
WO2021065934A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JP7302744B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
JP7448891B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP7311047B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
WO2022181311A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2024070838A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
KR20240069646A (ko) 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
WO2019181878A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7435469

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151