JP7114856B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
本発明者はこれに基づき本発明を完成したものである。
本発明の構成を持つ液晶配向剤から得られる液晶配向膜に光などによる配向処理を施すと、4種以上の異なる構造を持つ分解生成物を生じる。それぞれの分解生成物は、それぞれ異なる液晶への溶解限界量を持っている。同じ構造の分解生成物の量が多いと、液晶への溶解限界量を超えて析出し、輝点の原因となるところ、本発明の構成の液晶配向剤から得られる液晶配向膜への光照射によって生じる分解生成物は、多種ではあるが少量であり、液晶への溶解限界量を超えることはない。
A1及びA2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基、又は炭素数2~5のアルキニル基である。液晶配向性の観点から、A1及びA2は水素原子、又はメチル基が好ましい。
本発明の液晶配向剤に用いられるジアミン成分は、4種類以上、好ましくは5種類以上、更には6種類以上のジアミンを含有する。なお、ここで言う「種類」とは、ジアミン中の構造、つまり、4種類以上のジアミンとは、構造の異なる4つ以上のジアミンを意味する。ジアミン成分は、種類が大きいほど好ましいが、製造上、管理が煩わしくなるので、好ましくは10種類以下、より好ましくは7種類以下、更には5種類以下が好ましい。
なお、ジアミン成分が4種類以上とは、その構造由来のジアミンが全ジアミン成分の30モル%以下、好ましくは25モル%以下、更には20モル%以下であることを意味する。各構造由来のジアミンは、もちろん、全ジアミン中に、等しい量で含まれる必要はなく、それぞれ、異なった量で含まれていてもよい。また、各構造由来のジアミンの含有量が過度に小さいと、製造上、管理が煩わしくなるので、好ましくは1モル%以上、より好ましくは、5モル%以上が好ましい。
上記式(7)で表される構造を含むY1の具体例としては、Y-158、Y-159、Y-160、Y-161、Y-162、Y-163が挙げられる。
本発明の液晶配向剤に含有される、上記式(1)の構造単位を有する重合体を作製するためのテトラカルボン酸誘導体成分としては、テトラカルボン酸二無水物だけでなく、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド用いることもできる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体である、ポリアミック酸エステルは、以下に示す(1)、(2)又は(3)の方法で合成することができる。
(1)ポリアミック酸から合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリアミック酸をエステル化することによって合成することができる。
具体的には、ポリアミック酸とエステル化剤を有機溶剤の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~4時間反応させることによって合成することができる。
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンから合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとを塩基と有機溶剤の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~4時間反応させることによって合成することができる。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジンなどが使用できるが、反応が穏和に進行するためにピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2~4倍モルであることが好ましい。
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。具体的には、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを縮合剤、塩基、及び有機溶剤の存在下で0℃~150℃、好ましくは0℃~100℃において、30分~24時間、好ましくは3~15時間反応させることによって合成することができる。
また、上記反応において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量はジアミン成分に対して0~1.0倍モルが好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、以下に示す方法により合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~12時間反応させることによって合成できる。
本発明に用いられるポリイミドは、前記ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸をイミド化することにより製造することができる。ポリアミック酸エステルからポリイミドを製造する場合、前記ポリアミック酸エステル溶液、又はポリアミック酸エステル樹脂粉末を有機溶媒に溶解させて得られるポリアミック酸溶液に塩基性触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸のイミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の液晶配向剤とすることが好ましい。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
本発明に用いられる液晶配向剤は、特定構造の重合体が有機溶媒中に溶解された溶液の形態を有する。本発明に記載のポリイミド前駆体及びポリイミドの分子量は、重量平均分子量で2,000~500,000が好ましく、より好ましくは5,000~300,000であり、さらに好ましくは、10,000~100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000~250,000であり、より好ましくは、2,500~150,000であり、さらに好ましくは、5,000~50,000である。
本発明の液晶配向剤に用いる溶媒は、本発明に記載のポリイミド前駆体及びポリイミドを溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)であれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
更に、本発明に記載のポリイミド前駆体及びポリイミドの溶媒への溶解性が高い場合は、下記式[D-1]~式[D-3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を含有することができる。これら貧溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1~80質量%が好ましい。なかでも、10~80質量%が好ましい。より好ましいのは20~70質量%である。
本発明の液晶配向剤には、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基又はシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、又は重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を導入することが好ましい。これら置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751号(2011.10.27公開)の62~66頁に掲載される、式[6-1]~式[6-48]の架橋性化合物が挙げられる。
本発明の液晶配向剤における、架橋性化合物の含有量は、全ての重合体成分100質量部に対して、0.1~150質量部が好ましい。なかでも、架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、の重合体成分100質量部に対して、0.1~100質量部が好ましい。より好ましいのは、1~50質量部である。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R-30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。
界面活性剤の使用量は、液晶配向剤に含有される全ての重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.01~2質量部、より好ましくは0.01~1質量部である。
液晶配向膜は、上記の液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥、焼成して得られる膜である。本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために50~120℃で1~10分焼成し、その後、150~300℃で5~120分焼成する条件が挙げられる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
偏光された紫外線の消光比が高いほど、より高い異方性が付与できるため、好ましい。具体的には、直線に偏光された紫外線の消光比は、10:1以上が好ましく、20:1以上がより好ましい。
上記接触処理に使用する溶媒としては、放射線の照射によって液晶配向膜から生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル又は酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2-プロパンール、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルが好ましい。より好ましいのは、水、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルである。溶媒は、1種類でも、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して得られる。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
次に、各基板の上に液晶配向膜を形成し、一方の基板に他方の基板を互いの液晶配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておき、また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。次いで、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入し、その後、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。液晶材料は、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよいが、好ましいのは、ネガ型液晶材料である。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付ける。
NMP:N-メチル-2-ピロリドン、 GBL:γ-ブチロラクトン
NEP:N-エチル-2-ピロリドン、 BCS:ブチルセロソルブ
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル、
添加剤A:N-α―(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-N-τ-t-ブトキシカルボニル-L-ヒスチジン、
ADA-0:1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
また、ポリアミック酸エステルの分子量はGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(Mnとも言う。)と重量平均分子量(Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC-101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム-水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定。
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW-ECA500)(日本電子データム製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm~10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1-α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFSという)モード液晶表示素子の構成を備えた液晶セルを作製する。
初めに電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×50mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたITO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてITO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では画素電極の電極要素が-10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
上記で作製した液晶セルを80℃の恒温環境下で200時間保管した後、液晶セルの輝点の評価を行った。液晶セルの輝点の評価は、液晶セルを偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)で観察することで行った。具体的には、液晶セルをクロスニコルで設置し、倍率を5倍にした偏光顕微鏡で液晶セルを観察して確認された輝点の数を数え、輝点の数が10個未満を「良好」、それ以上を「不良」とした。
4-[2-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)エトキシ]アニリン(DA-6)の合成
(工程1)
エチレングリコール誘導体(M1):
1H-NMR(DMSO,δppm):8.23-8.19(m,2H),7.18-7.14(m,2H),5.00-4.97(m,1H),4.16-4.14(m,2H),3.78-3.74(m,2H).
ジニトロ化合物(M2):
1H-NMR(DMSO,δppm):8.25-8.14(m,4H),7.53-7.48(m,1H),7.25-7.21(m,2H),4.65-4.56(m,4H).
ジアミン誘導体(DA-6):
1H-NMR(DMSO,δppm):6.86(t,1H),6.70-6.66(m,2H),6.53-6.49(m,2H),6.43-6.38(m,1H),6.31-6.28(m,1H),4.96(s,2H),4.63(s,2H),4.14-4.06(m,4H).
1,2-ビス(4-アミノ-2-メチルフェノキシ)エタン(DA-7)の合成
(工程1)
ジニトロ化合物(M3):
1H-NMR(DMSO,δppm):8.15-8.11(m,4H),7.27(d,2H),4.57(s,4H),2.21(s,6H).
ジアミン化合物(DA-7):
1H-NMR(DMSO,δppm):6.65-6.63(m,2H),6.36-6.30(m,4H),4.51(s,4H),4.04(s,4H),2.02(s,6H).
以下に示す2ステップの経路で芳香族ジアミン化合物(DA-4)を合成した。
(工程1)
1H NMR (DMSO- d6):δ 8.22-8.29 (m, 4H, C6H4), 7.94 (d, J = 7.2 Hz, 2H, C6H4), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 7.25-7.15 (m, 4H, C6H4)4.54-4.45 (m, 4H, CH2). 13C{1H} NMR (DMSO- d6):δ 164.1, 159.6, 146.6, 146.5, 141.4, 130.7, 129.1, 127.5, 126.4, 124.5, 115.7, 115.6, 67.8, 66.7(each s).
融点(DSC):193℃
1H NMR (DMSO- d6):δ 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 6.70 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 6.52 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C6H4), 5.14 (s, 2H, NH2), 4.64 (s, 2H, NH2), 4.24 (br, 2H, CH2), 4.16 (br, 2H, CH2). 13C{1H} NMR (DMSO- d6):δ 157.2, 150.0, 148.2, 143.1, 133.9, 127.7, 126.2, 116.3, 115.9, 115.5, 115.0, 114.4, 67.2, 66.9 (each s).
融点(DSC):156℃
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA-1を1.47g(6.00mmol)、DA-16を0.83g(4.00mmol)、DA-8を1.55g(6.00mmol)、DA-22を1.07g(4.00mmol)を取り、NMPを65.98g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.35g(19.4mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを2.00g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA-1)を得た。このポリアミック酸のMn=12972、Mw=28619であった。
<合成例4~32>
表1-1及び表1-2中にそれぞれ示す、ジアミンとその量を使用し、テトラカルボン酸二無水物とその量を使用し、かつ得られるポリアミック酸溶液の固形分濃度になるようNMPを加えた他は、合成例3と同様に実施して、合成例4~32のポリアミックを得た。
かかる合成例3~32における要点を下記の表1-1及び表1-2に示す。なお、表1-1及び表1-2中のジアミン及びテトラカルボン酸二無水物名の後の使用量を示す数値の単位は、「mmol」である。
撹拌装置及び窒素導入管付きの300mlの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA-2を0.78g(7.21mmol)、DA-1を1.17g(4.81mmol)、DA-8を1.86g(7.21mmol)、DA-29を1.64g(4.81mmol)を入れ、NMPを53mL、GBLを145mL、塩基としてピリジンを4.5mL(55.97mmol)加えて、溶解させた。次に、このジアミン溶液を撹拌しながらDCL-1を7.58g(23.32mmol)添加し、水冷下で14時間反応させた。この反応溶液にアクリロイルクロリドを0.28mL(3.46mmol)添加し、さらに6時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1200mLの2-プロピルアルコールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿を濾取した。続いて、濾取した白色沈殿を600mLの2-プロピルアルコールで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末11.89gを得た。このポリアミック酸エステルのMn=17367、Mw=36057であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末を87.19gのGBLに溶解させ、固形分濃度12質量%のポリアミック酸エステル溶液(PAE-1)を得た。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA-2を2.60g(24.0mmol)、DA-1を5.86g(24.0mmol)、DA-8を4.13g(16.0mmol)及びDA-29を5.46g(16.0mmol)量り取り、NMPを233.38g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を17.31g(77.2mmol)添加し、更に、固形分濃度が12質量%になるようにNMPを加え、40℃で4時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA-31)を得た。このポリアミック酸溶液のMn=13821、Mw=34465であった。
撹拌装置及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、得られたポリアミック酸溶液(PAA-31)を50g量り取り、NMPを25g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を4.16g、ピリジンを1.07g加えて、55℃で2時間30分加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を、300mLのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取した。続いて、沈殿物を300mLのメタノールで3回洗浄した。次いで、得られた樹脂粉末を、60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は70%であり、Mn=4025、Mw=6789であった。
撹拌子を入れた100mL三角フラスコに、得られたポリイミド樹脂粉末4.80gを量り取り、NMPを35.20g加え、70℃で12時間撹拌して溶解させ、固形分濃度が12質量%のポリイミド溶液(PI-1)を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA-2を0.39g(3.60mmol)、DA-4を1.15g(3.60mmol)、DA-1を0.59g(2.40mmol)、DA-27を1.34g(2.40mmol)を取り、NMPを41.76g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を2.50g(11.15mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを2.00g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA-32)を得た。このポリアミック酸のMn=10222、Mw=25307であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA-1を1.47g(6.00mmol)、DA-4を1.92g(6.00mmol)、DA-15を0.60g(4.00mmol)、DA-27を2.23g(4.00mmol)を取り、NMPを58.18g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.21g(18.80mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを2.00g加え、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA-33)を得た。このポリアミック酸のMn=10234、Mw=25900であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの500mL四つ口フラスコに、DA-25を15.9g(80mmol)、DA-13を6.0g(20mmol)取り、NMPを230.0g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.4g(22.5mmol)添加し、終夜撹拌した。その後更にDAH-4を18.8g(75mmol)加え、固形分濃度が15重量%になるようにNMPを加え、50℃で10時間撹拌してポリアミック酸(PAA-34)の溶液を得た。このポリアミック酸の分子量はMn=18020、Mw=45464であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの1000mL四つ口フラスコに、DA-25を39.89g(200.2mmol)、3,5-ジアミノ安息香酸を7.60g(49.95mmol)取り、NMPを282g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物を14.88g(75.10mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で2時間撹拌した。次に、NMPを283g加えて、DAH-3を50.3g(171.0mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを加えて、室温で24時間撹拌し、ポリアミック酸(PAA-35)の溶液を得た。このポリアミック酸の分子量はMn=14607、Mw=35641であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの500mL四つ口フラスコに、DA-13を17.90g(60.0mmol)、DA-15を6.01g(40.00mmol)取り、NMPを229.96g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,2,3,4-テトラブタンテトラカルボン酸二無水物を18.43g(94.0mmol)添加し、更に固形分濃度が15質量%になるようにNMPを加え、室温で24時間撹拌し、ポリアミック酸(PAA-36)の溶液を得た。このポリアミック酸の分子量はMn=17183、Mw=39542であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA-1を0.88g(3.60mmol)、DA-2を0.65g(6.00mmol)、DA-30を0.96g(2.40mmol)を取り、NMPを28.57g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらADA-0を2.57g(11.46mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを8.49g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(B-1)を得た。このポリアミック酸の分子量はMn=16530、Mw=37220であった。
<比較合成例2~4>
表2中にそれぞれ示す、ジアミンとその量、及びテトラカルボン酸二無水物とその量を使用し、かつ得られるポリアミック酸溶液の固形分濃度になるようNMPを加えた他は、比較合成例1と同様に実施して、比較合成例1~4のポリアミックB2~B4を得た。
上記比較合成例1~4における要点を下記の表2に示す。なお、表2中のジアミン名及びテトラカルボン酸二無水物名の後の使用量を示す数値の単位は、「mmol」である。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA-1)を12.50g取り、1.0質量%3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランのNMP溶液を1.8g、NMPを9.70g、BCSを6.00g加え、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(AL-1)を得た。
<実施例2~38>
表3-1及び表3-2中にそれぞれ示す、ポリアミック酸溶液とその量、及び溶媒とその量を使用した他は、実施例1と全く同様に実施して、液晶配向剤AL-2~AL-38を得た。上記実施例1~38における要点を下記の表3-1及び表3-2に示す。なお、表3及び表3-2中の括弧内の数値の単位はいずれもグラム(g)である。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、比較合成例1で得られたポリイミド溶液(B-1)を12.50g取り、1.0質量%3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランのNMP溶液を1.50g、NMPを10.00g、BCSを6.00g加え、マグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(AL-1b)を得た。
<比較例2~6>
表4中にそれぞれ示す、ポリアミック酸溶液B-1~B-4、PAA-35、及びPAA-36とその量を使用し、かつ溶媒とその量を使用した他は、比較例1と同様に実施して比較例2~6の液晶配向剤AL-1b~AL-6bを得た。なお、比較例6では、液晶配向剤中に架橋剤AD-Iを0.75g添加した。
上記比較例1~6の要点を表4に示す。なお、表4中の括弧内の数値の単位は、いずれも、グラム(g)である。
実施例1で得られた液晶配向剤(AL-1)を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を150mJ/cm2照射した。この基板を、25℃の2-プロパノール/水=1/1(質量比)の混合溶媒に5分間浸漬させ、次いで25℃の純水に1分間浸漬させ、230℃のホットプレート上で30分間乾燥させて、液晶配向膜付き基板を得た。上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC-7026-100(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
実施例2で得られた液晶配向剤(AL-2)を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を200mJ/cm2照射した後、230℃のホットプレート上で30分間加熱した。この基板を、25℃の2-プロパノール/水=1/1(質量比)の混合溶媒に5分間浸漬させ、次いで25℃の純水に1分間浸漬させ、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させて、液晶配向膜付き基板を得た。
得られた液晶配向膜付き基板を用いて、実施例39に記載と同様の方法で、FFS駆動液晶セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察をしたところ、輝点の数が10個未満であり良好であった。
表5中に示す、液晶配向剤AL-3~AL-6をそれぞれ使用した他は、いずれも実施例39と全く同様にして、FFS駆動セルを作製し、かつ輝点の観察を行った。その結果を表5にそれぞれ示す。
実施例7で得られた液晶配向剤(AL-7)をを1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を150mJ/cm2照射した後、230℃のホットプレート上で30分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。
得られた液晶配向膜付き基板を用いて、実施例39に記載と同様の方法で、FFS駆動液晶セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察をした結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
実施例8で得られた液晶配向剤(AL-8)を用いた以外は、実施例45と同様の方法で、FFS駆動セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
<実施例47>
実施例9で得られた液晶配向剤(AL-9)を用いた以外は、実施例40と同様の方法で、FFS駆動セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
<実施例48>
実施例10で得られた液晶配向剤(AL-10)を用いて、偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を250mJ/cm2照射した以外は、実施例40と同様の方法で、FFS駆動セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
実施例11で得られた液晶配向剤(AL-11)を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を150mJ/cm2照射した。この基板を、25℃の1-メトキシ-2-プロパノールに5分間浸漬させ、次いで25℃の純水に1分間浸漬させた後、230℃のホットプレート上で30分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。得られた液晶配向膜付き基板を用いて、実施例39に記載と同様の方法で、FFS駆動液晶セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
表6中に示す、液晶配向剤AL-12~AL-16をそれぞれ使用し、表6中に示す実施例39又は49と同様な方法でFFS駆動セルを作製し、かつ輝点の観察を行った。その結果を表6にそれぞれ示す。
実施例17で得られた液晶配向剤(AL-17)を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を150mJ/cm2照射した。この基板を、25℃のエチルラクテートに5分間浸漬させ、次いで25℃の純水に1分間浸漬させた後、230℃のホットプレート上で30分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。得られた液晶配向膜付き基板を用いて、実施例39に記載と同様の方法で、FFS駆動液晶セルを作製した。得られた液晶セルを80℃の熱風循環式オーブンに200時間入れた後、液晶セル中の輝点の観察を行った結果、輝点の数が10個未満であり、良好であった。
表7中に示す、液晶配向剤AL-18~AL-38をそれぞれ使用し、表6中に示す実施例39、40、45、49又は55と同様な方法でFFS駆動セルを作製し、かつ輝点の観察を行った。なお、実施例58では、実施例39のセルであるが、偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を700mJ/cm2照射した。
上記実施例56~76結果を表7にそれぞれ示す。
表7中に示す、液晶配向剤AL-1b~AL-6bをそれぞれ使用し、表7中に示す実施例40又は45と同様な方法でFFS駆動セルを作製し、かつ輝点の観察を行った。その結果を表8にそれぞれ示す。
なお、比較例6、7では、実施例40のセルであるが、偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を150mJ/cm2照射した。また、比較例8では、実施例40のセルであるが、偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を100mJ/cm2照射した。
上記比較例5~10の結果を表8にそれぞれ示す。
Claims (11)
- 4種類以上のジアミンを含有し、前記4種類以上のジアミンのうち少なくとも1種が、下記式(5)で表されるジアミンであり、前記4種類以上のジアミンのうち少なくとも1種が、下記式(7)で表される構造を含有するジアミンである、ジアミン成分と、下記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸誘導体から得られるポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(ただし、下記(i)~(iv)の重合体を除く。)を含有する光配向法用液晶配向剤。
(i)2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物と、下記式(X-1)で表される化合物、ビス[2-(4-アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、3,5-ジアミノ安息香酸、N-(2,4-ジアミノフェニル)-4-(4-ヘプチルシクロヘキシル)ベンズアミド、及び3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニルを反応して得た重合体、
(ii)ビシクロ[3.3.0]オクタン-2,4,6,8-テトラカルボン酸2:4,6:8- 二無水物と、下記式(X-1)で表される化合物、4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリン、ビス[2-(4-アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、及び4,4’-ジアミノジフェニルアミンを反応して得た重合体、
(iii)2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物と、下記式(d-2)で表される化合物、p-フェニレンジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニル、及び下記式(mda-12)で表される化合物を反応して得た重合体、及び
(iv)2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物と、下記式(d-2)で表される化合物、p-フェニレンジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニル、及び下記式(mda-14)で表される化合物を反応して得た重合体
- 4種類以上のジアミンを含有し、前記4種類以上のジアミンのうち少なくとも1種が、下記式(6)で表されるジアミンであり、前記4種類以上のジアミンのうち少なくとも1種が、下記式(7)で表される構造を含有するジアミンである、ジアミン成分と、下記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸誘導体から得られるポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(ただし、下記(i)~(iv)の重合体を除く。)を含有する光配向法用液晶配向剤。
(ii)ビシクロ[3.3.0]オクタン-2,4,6,8-テトラカルボン酸2:4,6:8-二無水物と、下記式(X-1)で表される化合物、4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリン、ビス[2-(4-アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、及び4,4’-ジアミノジフェニルアミンを反応して得た重合体、
(iii)2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物と、下記式(d-2)で表される化合物、p-フェニレンジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニル、及び下記式(mda-12)で表される化合物を反応して得た重合体、及び
(iv)2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物と、下記式(d-2)で表される化合物、p-フェニレンジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸コレスタニル、及び下記式(mda-14)で表される化合物を反応して得た重合体。
- 前記4種類以上のジアミン全てが少なくとも1つのフェニル基を有する、請求項1又は2に記載の光配向法用液晶配向剤。
- 前記テトラカルボン酸誘導体が、上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を60~100モル%含む請求項1~3のいずれかに記載の光配向法用液晶配向剤。
- 前記テトラカルボン酸誘導体が、上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物を90~100モル%含む請求項4に記載の光配向法用液晶配向剤。
- 上記式(3)において、X1の構造が上記式(X1-12)で表される請求項1~5のいずれかに記載の光配向法用液晶配向剤。
- 上記4種類以上のジアミンを構成する各ジアミンの含有量が、全ジアミン成分に対して、1~30モル%である請求項1~6のいずれかに記載の光配向法用液晶配向剤。
- ジアミンの種類が4種類以上、10種類以下である請求項1~7のいずれかに記載の光配向法用液晶配向剤。
- 請求項1~8のいずれかに記載の光配向法用液晶配向剤から得られる光配向法用液晶配向膜。
- 請求項9に記載の光配向法用液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
- 液晶として、ネガ型液晶を具備する請求項10に記載の液晶表示素子。
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