JP7311047B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
下記式(1a)で表されるジアミンと下記式(1b)で表されるジアミンを含むジアミン成分と、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を含むテトラカルボン酸誘導体成分とを用いて得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有する液晶配向剤であって、前記ジアミン成分が、前記式(1a)で表されるジアミンを使用されるジアミン成分1モルに対して5~95モル%含むことを特徴とする、液晶配向剤。
本発明の上記効果が得られるメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下に述べることが一因と考えられる。
すなわち、フェニル基または窒素原子含有複素環と、ウレア基が直結して共役系が広がったことで、電子の移動度が向上し緩和速度が向上したと考えられる。
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)を含有する。
本発明の液晶配向剤の好ましい実施態様としては、重合体(A)、及び有機溶媒を含有する液晶配向剤が挙げられる。
また、本発明の液晶配向剤は、重合体(A)以外の重合体(例えば、後述する重合体(B))も含有することができる。
重合体(A)は、上記式(1a)で表されるジアミン(以下、特定ジアミン(1a)ともいう。)と上記式(1b)で表されるジアミン(以下、特定ジアミン(1b)ともいう。)を含むジアミン成分と、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を含むテトラカルボン酸誘導体成分とを用いて得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有し、前記式(1a)で表されるジアミンを使用されるジアミン成分1モルに対して5~95モル%含む。
このような重合体の具体例としては、例えば、ポリアミック酸及びポリアミック酸エステルなどのイミド前駆体構造を有するポリイミド前駆体、該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドが挙げられる。
本発明に使用される特定ジアミン(1b)は、下記式(1b)で表される。
重合体(A)を得るためのジアミン成分は、上記特定ジアミン(1a)で表されるジアミンを使用されるジアミン成分1モルに対して5~95モル%含み、且つ、特定ジアミン(1b)を含む。上記特定ジアミン(1a)及び特定ジアミン(1b)はそれぞれ1種のジアミンからなるものであってもよく、2種類のジアミンからなるものであってもよい。
重合体(A)を得る為のジアミン成分における特定ジアミン(1a)で表されるジアミンの割合は、使用されるジアミン成分1モルに対して、10~90モル%含むことがより好ましく、10~80モル%含むことが更に好ましい。また、重合体(A)を得る為のジアミン成分における特定ジアミン(1b)の割合は、使用されるジアミン成分1モルに対して、5~95モル%含むことが好ましく、10~90モル%含むことがより好ましく、20~90モル%含むことが更に好ましい。
重合体(A)を得る為のジアミン成分として、上記特定ジアミン(1a)及び特定ジアミン(1b)以外の、その他のジアミンを用いてもよい。その他のジアミンとしては、以下のジアミンが挙げられる。
4,4’-ジアミノアゾベンゼン及び下記式(dT-1)~(dT-3)で表されるジアミンなどの光配向性基を有するジアミン;2,4-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノベンジルアルコール、2,4-ジアミノベンジルアルコール、4,6-ジアミノレゾルシノール;2,4-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸、3,5-ジアミノ安息香酸及び下記式(3b-1)~式(3b-4)で示されるジアミン化合物などのカルボキシ基を有するジアミン;3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4-(2-(メチルアミノ)エチル)アニリン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、1,4-ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチル-1H-インダン-5-アミン、1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-6-アミン;下記式(h-1)~(h-3)で表されるジアミン等のウレア結合を有するジアミン;下記式(h-4)~(h-6)で表されるアミド結合を有するジアミン;メタクリル酸2-(2,4-ジアミノフェノキシ)エチル及び2,4-ジアミノ-N,N-ジアリルアニリン等の光重合性基を末端に有するジアミン;1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチルジシロキサン等のシロキサン結合を有するジアミン;下記式(Ox-1)~(Ox-2)等のオキサゾリン構造を有するジアミン;下記式(2)又は式(2i)で表されるジアミン等。
上記重合体(A)を製造する場合、ジアミン成分と反応させるテトラカルボン酸誘導体成分は、テトラカルボン酸二無水物だけでなく、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドなどのテトラカルボン酸二無水物の誘導体を用いることもできる。テトラカルボン酸誘導体成分は、一種のテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(A)を得る為のテトラカルボン酸誘導体成分は、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を含むものであり、1種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体からなるものであってもよく、2種類以上の芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体からなるものであってもよい。
ここで、芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、芳香環に結合する少なくとも1つのカルボキシル基を含めて4つのカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物である。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状炭化水素構造や脂環式構造を有していてもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体の例として、下記式(Ta)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体が挙げられる。
重合体(A)の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体は、上記式(Ta)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体以外のテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体(以下、その他のテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体)を含有していてもよい。その他のテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体の例として、非環式脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物またはこれらの誘導体が挙げられる。
但し、重合体(A)を得るためのテトラカルボン酸誘導体成分は、Xが上記式(x-1)~(x-7)からなる群から選ばれる構造を表す、前記式(T)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物を含まなくてもよい。
本発明の液晶配向剤は、液晶配向性を高める観点から、テトラカルボン酸誘導体成分とジアミン成分とを用いて得られるポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる重合体(B)(但し、重合体(A)を除く。)を含有してもよい。このような重合体の具体例を挙げると、テトラカルボン酸誘導体成分と、上記特定ジアミン(1a)を含まないジアミン成分とを用いて得られるポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる重合体が挙げられる。
上記ポリイミド前駆体の具体例としては、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルなどが挙げられる。
重合体(B)は、一種を単独で使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記式(2)又は式(2i)で表されるジアミンの好ましい態様は、上記と同様である。
重合体(A)又は(B)の製造は、上記ジアミン成分と、テトラカルボン酸誘導体成分と、を溶媒中で(縮重合)反応させることにより行われる。重合体(A)又は(B)の一部にアミック酸構造を含む場合、例えば、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを反応させることにより、アミック酸構造を有する重合体(ポリアミック酸)が得られる。溶媒としては、生成した重合体が溶解するものであれば特に限定されない。
上記溶媒の具体例としては、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンが挙げられる。また、重合体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、又は下記式[D-1]~[D-3]で示される溶媒を用いることができる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸誘導体成分とを溶媒中で反応させる際には、反応は任意の濃度で行うことができるが、好ましくは1~50質量%、より好ましくは5~30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、溶媒を追加することもできる。
反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸誘導体成分の合計モル数の比は0.8~1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成する重合体(A)、重合体(B)の分子量は大きくなる。
液晶配向性を高める観点から、重合体(B)のイミド化率は、20~100%が好ましく、50~95%が好ましく、更に好ましくは60~90%である。
本発明に用いられる重合体(A)又は(B)は、これを濃度10~15質量%の溶液としたときに、例えば10~1000mPa・sの溶液粘度を持つものが作業性の観点から好ましいが、特に限定されない。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10~15質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
本発明における重合体(A)、重合体(B)を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸誘導体成分、及びジアミン成分とともに、適当な末端封止剤を用いて末端封止型の重合体を合成することとしてもよい。末端封止型の重合体は、塗膜によって得られる液晶配向膜の膜硬度の向上や、シール剤と液晶配向膜の密着特性の向上という効果を有する。
本発明における重合体(A)、重合体(B)の末端の例としては、アミノ基、カルボキシ基、酸無水物基又はこれらの誘導体が挙げられる。アミノ基、カルボキシ基、酸無水物基又はこれらの誘導体は通常の縮合反応により得るか、又は以下の末端封止剤を用いて末端を封止することにより得ることができ、前記誘導体は、例えば、以下の末端封止剤を用いて、同様に得ることができる。
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び必要に応じて重合体(B)を含有する。本発明の液晶配向剤は、重合体(A)、重合体(B)に加えて、その他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン-フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
液晶配向剤中の重合体(A)の含有量は、液晶配向剤の塗布方法や目的とする液晶配向膜の膜厚によって、適宜変更することができるが、2~10質量%であることが好ましく、特に、3~7質量%が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤から得られる。本発明の液晶配向膜は、水平配向型若しくは垂直配向型(VA型)の液晶配向膜に用いることができるが、中でもIPS方式又はFFS方式等の水平配向型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜である。本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向膜を具備するものである。本発明の液晶表示素子は、例えば以下の工程(1)~(4)或いは工程(1)~(2)及び(4)を含む方法により製造することができる。
パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンコート法、印刷法、インクジェット法などの適宜の塗布方法により塗布する。ここで基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることもできる。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。また、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。
工程(2)は、基板上に塗布した液晶配向剤を焼成し、膜を形成する工程である。液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させたり、ポリアミック酸又はポリアミック酸エステルの熱イミド化を行ったりすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができ、複数回行ってもよい。乾燥温度としては、例えば40~180℃で行うことができる。プロセスを短縮する観点で、40~150℃で行ってもよい。乾燥時間としては特に限定されないが、1~10分又は、1~5分が挙げられる。ポリアミック酸又はポリアミック酸エステルの熱イミド化を行う場合には、上記乾燥工程の後、例えば150~300℃、又は150~250℃の温度範囲で焼成する工程を追加してもよい。焼成時間としては特に限定されないが、5~40分、又は、5~30分の焼成時間が挙げられる。
焼成後の膜状物は、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
工程(3)は、場合により、工程(2)で得られた膜に配向処理する工程である。即ち、IPS方式又はFFS方式等の水平配向型の液晶表示素子では該塗膜に対し配向能付与処理を行う。一方、VA方式又はPSAモード等の垂直配向型の液晶表示素子では、形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。液晶配向膜の配向処理方法としては、ラビング処理法、光配向処理法が挙げられる。光配向処理法としては、上記膜状物の表面に、一定方向に偏向された放射線を照射し、場合により、好ましくは、150~250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向性(液晶配向能ともいう)を付与する方法が挙げられる。放射線としては、100~800nmの波長を有する紫外線又は可視光線を用いることができる。なかでも、好ましくは100~400nm、より好ましくは、200~400nmの波長を有する紫外線である。
更に、上記の方法で、偏光された放射線を照射した液晶配向膜に、溶媒を用いて、これらと接触処理するか、放射線を照射した液晶配向膜を加熱処理することもできる。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置する。具体的には以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置する。次いで、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶組成物を注入充填して膜面に接触した後、注入孔を封止する。
なお、塗膜に対してラビング処理を行った場合には、2枚の基板は、各塗膜におけるラビング方向が互いに所定の角度、例えば直交又は逆平行となるように対向配置される。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましい。
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
溶液の粘度は、E型粘度計TVE-22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)を用いて、温度25℃で測定した。
(合成例1)
WA-1(1.26g,5.20mmol)、A2(4.14g,20.8mmol)、及びB1(7.34g,25.0mmol)をNMP(93.5g)中で混合し、70℃で15時間反応させ、樹脂固形分濃度12質量%のポリアミック酸溶液(PAA-1)(粘度:483mPa・s)を得た。なお、ジアミン成分におけるWA-1の割合は、ジアミン成分1モルに対して、20モル%であった。
A1(1.55g,5.20mmol)、A2(4.14g,20.8mmol)及びB1(7.34g,25.0mmol)をNMP(95.6g)中で混合し、70℃で15時間反応させ、樹脂固形分濃度12質量%のポリアミック酸溶液(PAA-R1)(粘度:461mPa・s)を得た。
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA-1)(3.75g)に、NMP(4.25g)、BCS(2.00g)を加え、室温で2時間撹拌して、液晶配向剤(V-1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
比較合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA-R1)(3.75g)に、NMP(4.25g)、BCS(2.00g)を加え、室温で2時間撹拌して、液晶配向剤(V-R1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
上記で得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順でFFS駆動液晶セルを作製し、残像評価を行った。
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード液晶表示素子の構成を備えた液晶セルを作製する。
始めに、電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたITO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD(化学蒸着)法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてITO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
上記で作製した液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、画素電極と対向電極とを短絡して同電位にした状態で、2枚の偏光板の下からLEDバックライトを照射しておき、2枚の偏光板の上で測定するLEDバックライト透過光の輝度が最小となるように、液晶セルの角度を調節した。次に、この液晶セルに周波数60Hzの交流電圧を印加しながらV-Tカーブ(電圧-透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
残像評価では、相対透過率が23%となる周波数60Hzの交流電圧を印加して液晶セルを駆動させながら、同時に1Vの直流電圧を印加し、120分間駆動させた。その後、直流電圧の印加のみを停止し、交流電圧のみでさらに15分駆動した。
直流電圧の印加を停止した時点から10分間が経過するまでに、相対透過率が25%以下に緩和した場合に、「良好」とし、相対透過率が25%以下に低下するまでに10分間以上を要した場合には、「不良」と定義して評価した。結果を表1に示す。
なお、上述した方法に従う残像評価は、液晶セルの温度が40℃の状態の温度条件下で行った。
Claims (11)
- 下記式(1a)で表されるジアミンと下記式(1b)で表されるジアミンを含むジアミン成分と、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を含むテトラカルボン酸誘導体成分とを用いて得られるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有する液晶配向剤であって、前記ジアミン成分が、前記式(1a)で表されるジアミンを使用されるジアミン成分1モルに対して5~95モル%含むことを特徴とする、液晶配向剤。
- 前記ジアミン成分中の5~95モル%が、前記式(1b)で表されるジアミンである、請求項1~2のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 前記テトラカルボン酸誘導体成分が、前記式(Ta)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を、使用されるテトラカルボン酸誘導体成分1モルに対して、10~100モル%含む、請求項4または5に記載の液晶配向剤。
- 上記Yが下記式(y1)~(y8)で表される2価の有機基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
- 請求項9に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
- 下記の工程(1)~(3)を含む、液晶配向膜の製造方法。
工程(1):請求項1~8のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布する工程 工程(2):塗布した液晶配向剤を焼成する工程
工程(3):工程(2)で得られた膜に配向処理する工程
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