JP6492509B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法に関する。
従来、液晶表示素子としては、電極構造や液晶分子の物性、製造工程等が異なる種々の駆動方式が開発されており、例えばTN型やSTN型、VA型、面内スイッチング型(IPS型)、FFS型等の各種液晶表示素子が知られている。これら液晶表示素子は、液晶分子を配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性などの各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドが一般に使用されている。
近年では、大画面で高精細の液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶ディスプレイに対する高精細化の要求は更に高まりつつある。こうした要求を満たすべく、従来、種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、液晶配向剤として、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタンと1,3−ジメチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物の脱水縮合物又はこれをエステル化した配向膜材料と、p−フェニレンジアミンと1,3−ジメチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物の脱水縮合物又はこれをエステル化した配向膜材料との混合物が開示されている。この特許文献1では、こうした液晶配向剤を用いることにより液晶表示素子のAC残像の低減を図るようにしている。
特開2013−178557号公報
近年、液晶パネルの高性能化に対する要求はさらに高まっており、残像(画像の焼き付き)が生じにくい液晶表示素子を得るための新たな液晶配向剤を開発することが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、残像特性が良好な液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、重合体に柔軟性を付与することで液晶配向膜の配向規制力を高めることに着目し、特定構造を有するテトラカルボン酸誘導体を構築した。また、得られたテトラカルボン酸誘導体を用いて重合体を合成するとともに、その重合体を液晶配向剤の重合体成分に用いた。すると、こうした液晶配向剤によれば上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法、重合体及び化合物が提供される。
本発明は、一つの側面において、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であるテトラカルボン酸誘導体と、ジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)を含有し、上記テトラカルボン酸誘導体が、下記式(1)で表される化合物(a)、並びに該化合物(a)のジエステル化合物及びジエステルジハロゲン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む液晶配向剤を提供する。
Figure 0006492509
(式(1)中、Rは2価の有機基であり、X及びXは、それぞれ独立に−O−C(=O)−*、−C(=O)−O−*、−S−C(=O)−*、−C(=O)−S−*、−O−、−S−又は−NR−(ただし、Rは炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、RとRとが結合して窒素含有複素環を形成してもよく、X及びXが−NR−である場合に2つのRが結合してRと共に窒素含有複素環を形成してもよい。*を付した結合手がRに結合する。)である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
本発明は、一つの側面において、上記の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、該基板上に形成した塗膜に光照射を行って上記塗膜に液晶配向能を付与する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法を提供する。また、別の一つの側面において、上記の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を提供する。また、当該液晶配向膜を具備する液晶表示素子を提供する。
本発明の液晶配向剤によれば、残像特性が良好な液晶表示素子を得ることができる。
FFS型液晶表示素子の概略構成図。 光配向処理による液晶表示素子の製造に用いたトップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。 4系統の駆動電極を示す図。
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分を含有する。以下に本発明の液晶配向剤の各成分について説明する。
<重合体(A)>
重合体(A)は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であるテトラカルボン酸誘導体と、ジアミンとを反応させることにより得られる。
なお、本明細書において「テトラカルボン酸ジエステル」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうちの2個がエステル化された化合物を意味する。「テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうちの2個がエステル化され、残りの2個がハロゲン化された化合物を意味する。
[ポリアミック酸]
重合体(A)としてのポリアミック酸は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることによって得ることができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
重合体(A)としてのポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(a)」とも称する。)を含む。
Figure 0006492509
(式(1)中、Rは2価の有機基であり、X及びXは、それぞれ独立に−O−C(=O)−*、−C(=O)−O−*、−S−C(=O)−*、−C(=O)−S−*、−O−、−S−又は−NR−(ただし、Rは炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、RとRとが結合して窒素含有複素環を形成してもよく、X及びXが−NR−である場合に2つのRが結合してRと共に窒素含有複素環を形成してもよい。*を付した結合手がRに結合する。)である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
上記式(1)において、Rの2価の有機基としては、例えば2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−COO−、−COS−、−CO−、−CONR−、−S−、−NR−、−SO−、−Si(R−等のヘテロ原子含有基(ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rは炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。)を有する基、複素環を有する2価の基、などが挙げられる。また、これら各基において、炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1個が置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、「−Si(R」(ただし、Rは炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、アルコキシ基等が挙げられる。
ここで、本明細書において「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
の好ましい例としては、例えば下記式(r−1)で表される基が挙げられる。
Figure 0006492509
(式(r−1)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルカンジイル基、炭素数1〜15のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−若しくは「−Si(R−」(ただし、Rは炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)を有する基、又は炭素数1〜15のアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも1個をフッ素原子若しくは「−Si(R」(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)で置換した基である。Arは、シクロへキシレン基、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基であり、環に結合する水素原子の少なくとも1個がフッ素原子若しくは−Si(Rで置換されていてもよい。d、e及びfは、それぞれ独立に0又は1である。ただし、d、e及びfが同時に0になることはない。)
上記式(r−1)において、R及びRの炭素数1〜15のアルカンジイル基は、例えばメチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基等が挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。重合体(A)に柔軟性を付与することで十分に高い液晶配向規制力を塗膜に発現させる観点から、好ましくは直鎖状である。
Arは、柔軟性を付与する観点ではシクロヘキシレン基であることが好ましく、重合体(A)の結晶性を向上させる観点ではフェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基であることが好ましい。
上記式(r−1)で表される基は、柔軟性の向上によって優れた残像特性を発現させる観点から、上記の中のうち、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数1〜20のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−若しくは−Si(R−を有する基、炭素数1〜20のアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも1個をフッ素原子若しくは−Si(Rで置換した基、又はシクロへキシレン基であることが好ましい。これらの中でも、炭素数2以上の直鎖構造又はシクロヘキシレン基であることが好ましく、炭素数2〜20の直鎖状のアルカンジイル基、炭素数3〜20の直鎖状のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO−若しくは−COO−を有する基、炭素数2〜20のアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも1個をフッ素原子で置換した基、又はシクロヘキシレン基であることがより好ましい。
上記式(1)及び式(2)中のX及びXは、化合物の合成しやすさの観点では、好ましくは−O−C(=O)−*、−S−C(=O)−*、−O−又は−S−(ただし、*を付した結合手がRに結合する。)であり、より好ましくは−O−C(=O)−*又は−O−である。
及びXが−NR−である場合、Rの1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。RとRとが結合して形成される窒素含有複素環、及び2つのRが結合してRと共に形成される窒素含有複素環としては、例えばピペラジン環、ピペリジン環、ホモピペラジン環等が挙げられる。
及びRの1価の有機基は、例えば水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基などが挙げられる。R及びRは、好ましくは水素原子である。なお、式中の複数のRは同じでも異なっていてもよく、複数のRは同じでも異なっていてもよい。
化合物(a)の具体例としては、例えば下記式(a−1)〜式(a−19)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006492509
Figure 0006492509
上記のうち、画像の焼き付き及びコントラストの改善効果が高い点で、上記式(a−1)、式(a−2)、式(a−4)〜式(a−19)のそれぞれで表される化合物が好ましく、上記式(a−1)、式(a−2)、式(a−4)、式(a−5)、式(a−7)〜式(a−19)のそれぞれで表される化合物がより好ましい。なお、化合物(a)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸の合成に際して使用するテトラカルボン酸二無水物は、化合物(a)のみを用いてもよいが、化合物(a)と共にその他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
ここで、ポリアミック酸の合成に使用するその他のテトラカルボン酸二無水物は、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、及び芳香族テトラカルボン酸二無水物のいずれであってもよい。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、及び下記式(c−4)〜式(c−8)
Figure 0006492509
のそれぞれで表される化合物などを;
挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。なお、その他のテトラカルボン酸二無水物は、これらの1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
化合物(a)の使用割合は、液晶表示素子の残像特性及びコントラスト特性を良好にする観点から、ポリアミック酸の合成に際して使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましく、20モル%以上とすることがさらに好ましい。
[ジアミン]
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
また、芳香族ジアミンとしては、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、テトラデカノキシジアミノベンゼン、ペンタデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、N−(2,4−ジアミノフェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンズアミド、下記式(D−1)
Figure 0006492509
(式(D−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などの配向基含有ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸などのその他のジアミン、などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。ジアミンは、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(D−1)における「−X−(R−XII−」で表される2価の基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。基「−C2c+1」の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(D−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(D−1−1)〜(D−1−3)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 0006492509
なお、ポリアミック酸の合成に際しては、これらのジアミンの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の液晶配向剤をTN型、STN型又は垂直配向型の液晶表示素子の製造に用いる場合、重合体(A)の側鎖に、塗膜に対してプレチルト角発現能を付与可能な基(プレチルト角発現性基)を導入してもよい。ここで、プレチルト角発現性基としては、例えば炭素数4〜20のアルキル基、炭素数4〜20のフルオロアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数17〜51のステロイド骨格を有する基、多環構造を有する基などが挙げられる。プレチルト角発現性基を有する重合体(A)は、例えば配向基含有ジアミンをモノマー組成に含む重合によって得ることができる。
配向基含有ジアミンを使用する場合、その配合量は、十分に高いプレチルト角特性を発現させる観点において、合成に使用する全ジアミンに対して、3モル%以上とすることが好ましく、5〜70モル%とすることがより好ましい。
液晶配向剤により形成した塗膜に対して光配向法により液晶配向能を付与する場合、重合体(A)を、光配向性構造を有する重合体としてもよい。ここで、光配向性構造とは、光配向性基及び分解型光配向部の両者を含む概念である。具体的には、光配向性構造としては、光異性化や光二量化、光分解等によって光配向性を示す基を採用することができ、例えばアゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含有するアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含有する桂皮酸構造を有する基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含有するカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含有するベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含有するクマリン含有基、ポリイミド又はその誘導体を基本骨格として含有するポリイミド含有構造、下記式(p)
Figure 0006492509
(式(p)中、Xは、硫黄原子、酸素原子又は−NR−(ただし、Rは水素原子又はアルキル基である。)である。「*」はそれぞれ結合手を示し、2つの「*」のうち少なくとも一方は芳香環に結合している。但し、テトラカルボン酸誘導体とジアミンとが反応して形成されるアミド結合を除く。)
で表される部分構造を基本骨格として含有するエステル基含有構造、等が挙げられる。
上記式(p)中の2つの「*」は、光反応性の観点から、少なくともXが芳香環に結合していることが好ましい。当該芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環又はナフタレン環であり、より好ましくはベンゼン環である。
光配向性構造を有する重合体(A)は、例えば光配向性構造を有するテトラカルボン酸二無水物、及び光配向性構造を有するジアミンの少なくともいずれかをモノマー組成に含む重合により得ることができる。この場合、光配向性構造を有するモノマーの使用割合は、光反応性の観点から、重合体の合成に使用するモノマーの全体量に対して20モル%以上とすることが好ましく、30〜80モル%とすることがより好ましい。
<ポリアミック酸の合成>
ポリアミック酸は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、必要に応じて末端封止剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
上記末端封止剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。末端封止剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(第一群の有機溶媒)から選択される1種以上、又は、第一群の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第二群の有機溶媒)から選択される1種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第二群の有機溶媒の使用割合は、第一群の有機溶媒及び第二群の有機溶媒の合計量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
特に好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と他の有機溶媒との混合物を、上記割合の範囲で使用することが好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリアミック酸エステル>
重合体(A)としてのポリアミック酸エステルは、[I]化合物(a)を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によってポリアミック酸を合成し、次いで得られたポリアミック酸とエステル化剤とを反応させる方法、[II]化合物(a)のジエステル化物を含むテトラカルボン酸ジエステルと、ジアミンとを反応させる方法、[III]化合物(a)のジエステルジハロゲン化物を含むテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、ジアミンとを反応させる方法、などによって得ることができる。なお、これら[I]〜[III]の方法によって得られるポリアミック酸エステルはいずれも、「テトラカルボン酸誘導体とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸エステル」に相当する。
ここで、方法[I]で使用するエステル化剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアルコール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−2−プロピルアルコール、2−(メタ)アクリルアミドエチルアルコール、1−(メタ)アクリルアミド−2−プロピルアルコール等のアルコール類;臭化メチル、臭化エチル、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化物;N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセタール等のアセタール系化合物;プロピレンオキシド、桂皮酸構造を有するエポキシ基含有化合物等のエポキシ化合物、などが挙げられる。桂皮酸構造を有するエポキシ基含有化合物の具体例としては、例えば特開2011−133825号公報に記載のもの等が挙げられる。
ポリアミック酸とエステル化剤との反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このとき、反応温度を−20℃〜200℃、反応時間を0.1〜24時間とすることが好ましい。有機溶媒としては、例えばポリアミック酸の合成に使用する溶媒などが挙げられる。
方法[II]の反応は、有機溶媒中において、適当な脱水触媒及び塩基の存在下で行うことが好ましい。脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤などが挙げられる。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを好ましく使用できる。このとき、反応温度を−20℃〜150℃、反応時間を0.1〜24時間とすることが好ましい。
方法[III]の反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中にて行われる。塩基としては、例えばピリジンやトリエチルアミン等の3級アミン、水素化ナトリウムや水素化カリウム等のアルカリ金属類を好ましく使用できる。また、反応温度を−30℃〜150℃、反応時間を0.1〜24時間とすることが好ましい。
方法[II]及び方法[III]で使用するジアミンとしては、ポリアミック酸の合成で例示したジアミンを挙げることができる。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
<化合物の合成>
上記式(1)で表される化合物、並びに上記式(1)で表される化合物のジエステル化合物及びジエステルジハロゲン化合物は、目的とする化合物に応じて、有機化学の定法を適宜組み合わせることにより合成することができる。例えば、上記式(1)で表される化合物において、X及びXが酸素原子の場合、HO−R−OHで表されるジヒドロ化合物を合成し、次いで、例えば文献「Synthesis, 2003, No.6, p. 863 - 870」に記載の方法に従って、得られたジヒドロ化合物とN−(p−トリル)マレイミドとを反応させることで、上記式(1)で表される化合物のテトラカルボン酸体を得た後に、無水酢酸中で撹拌することにより、目的の化合物を得ることができる。また、X及びXがエステル基の場合、ClOC−R−COClで表されるジカルボン酸クロリドを合成し、次いで、例えば文献「European Journal of Organic Chemistry, 2012, 35, p. 6841 - 6845」に記載の方法に従って、得られたジカルボン酸クロリドとリンゴ酸とを反応させることにより得ることができる。
上記式(1)で表される化合物のジエステル化合物は、例えば上記式(1)で表される化合物をアルコール類のエステル化剤と反応させて開環する方法によって得ることができる。上記式(1)で表される化合物のジエステルジハロゲン化合物は、例えば上記開環反応によって得られたテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当なハロゲン化剤と反応させる方法などによって得ることができる。ただし、これらの化合物の合成方法は上記に限定されるものではない。
<ポリイミド>
重合体(A)としてのポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸を、さらに脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。本発明におけるポリイミドは、電気特性の観点から、そのイミド化率が30%以上であることが好ましく、50〜99%であることがより好ましく、65〜99%であることが更に好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いる有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
以上のようにして得られるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、これを濃度15重量%の溶液としたときに、20〜1,800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、50〜1,500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度15重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
液晶配向剤に含有させるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。
なお、重合体(A)を含む液晶配向剤によれば、液晶表示素子の残像特性を改善する効果が得られる理由は定かではないが、一つの理由としては、化合物(a)が有する5員環酸無水物基に芳香環が結合していないことによって重合体(A)の柔軟性が向上したことに起因することが考えられる。この場合、光配向処理ではポストベーク時に重合体成分が加熱再配列されやすくなり、ラビング処理ではラビングがかかりやすくなった結果、液晶分子の配向規制力が高まり、画像の焼き付きが低減されるとともに高コントラストを示す液晶表示素子が得られるものと推測される。また、式(1)中のRを直鎖構造(スペーサー構造)又はシクロヘキシレン基とした場合には、重合体の主鎖に直鎖構造又はシクロヘキシレン基が導入されることで重合体の柔軟性が更に向上し、焼き付き低減及び高コントラストを示す上で有意となったものと推測される。X及びXの少なくともいずれかに窒素原子を導入した場合、5員環酸無水物基に芳香環が結合していない構造による上記効果と、窒素原子による蓄積電荷の緩和の効果とが相まって、焼き付き低減及び高コントラストを示す上で有意となったものと推測される。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は上記の重合体(A)を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。当該液晶配向剤に添加してもよいその他の成分としては、例えば、上記重合体(A)以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という。)、官能性シラン化合物等を挙げることができる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えば、上記式(1)で表される化合物を含まないテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリアミック酸、並びにそのイミド化重合体及びエステル化物、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを主骨格とする重合体などを挙げることができる。その他の重合体の配合割合は、液晶配向剤に配合する重合体の合計100重量部に対して、90重量部以下とすることが好ましく、80重量部以下とすることがより好ましく、70重量部以下とすることがさらに好ましい。
[エポキシ基含有化合物]
エポキシ基含有化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性や電気特性を向上させるために使用することができる。このようなエポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を好ましいものとして挙げることができる。その他、エポキシ基含有化合物の例としては、国際公開第2009/096598号記載のエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを用いることができる。
これらエポキシ化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下とすることが好ましく、0.1〜30重量部とすることがより好ましい。
[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これら官能性シラン化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、2重量部以下とすることが好ましく、0.02〜0.2重量部とすることがより好ましい。
なお、その他の成分としては、上記のほか、例えば分子内に少なくとも一つのオキセタニル基を有する化合物、酸化防止剤などを挙げることができる。
<溶剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の重合体(A)及び必要に応じて配合されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1重量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、液晶配向剤の用途や、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えば、液晶表示素子の液晶配向膜の形成に用いる液晶配向剤について、スピンナー法により基板に塗布する場合には、固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)が1.5〜4.5重量%の範囲であることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
液晶配向剤の重合体成分の好ましい態様としては、[I]重合体(A)のみを含有する態様、[II]重合体(A)とその他の重合体とを含有し、かつその他の重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(以下「重合体(B)」とも称する。)である態様、等が挙げられる。また、上記[II]の場合、重合体(A)及び重合体(B)における、フッ素原子又はケイ素原子の含有率を異なるものとしてもよい。重合体(A)と重合体(B)とをブレンドして液晶配向剤を調製する場合に、重合体が有するフッ素原子又はケイ素原子の含有率を重合体(A)と重合体(B)で異なるものとすることにより、膜中で重合体の分布の偏りが生じるものと推測される。
上記[II]の具体的な態様としては、例えば、[II−1]重合体(A)及び重合体(B)とがいずれもフッ素原子又はケイ素原子を有さない態様、[II−2]重合体(A)におけるフッ素原子又はケイ素原子の含有率が重合体(B)よりも高い態様、等が挙げられる。これらのうち、液晶表示素子の残像特性及びコントラスト特性の改善効果が高い点で、上記[II−2]の態様とすることが好ましい。
上記[II]の態様における重合体(A)の配合割合は、重合体(A)及び重合体(B)の合計量100重量部に対して、1〜99重量部とすることが好ましく、5〜90重量部とすることがより好ましく、10〜80重量部とすることが更に好ましい。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
本発明の液晶配向膜は、上記で説明した液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程を含む方法によって製造することができる。また、本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を具備する。本発明の液晶表示素子の動作モードは特に限定せず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型を含む。)、IPS型、FFS型、OCB型など種々の動作モードに適用することができる。
本発明の液晶表示素子は、例えば以下の工程(1)〜(3)を含む工程により製造することができる。工程(1)は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程(2)及び工程(3)は各動作モード共通である。
[工程(1):塗膜の形成]
先ず、上記液晶配向剤を基板上に塗布し、次いで塗布面を好ましくは加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−2)IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を好ましくは加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、並びに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1)及び(1−2)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって液晶配向膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、塗膜形成後に更に加熱することによって、液晶配向剤に配合されるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(2):配向処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることによって塗膜に液晶配向能を付与するラビング処理、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理などが挙げられる。一方、垂直配向型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向処理における光照射は、[1]ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、[2]プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、[3]プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、などにより行うことができる。これらのうち、液晶表示素子の残像特性及びコントラスト特性の改善効果が高い点で、[2]の方法によることが好ましい。
塗膜に照射する光は、偏光又は非偏光の放射線とすることができる。放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。光の照射量は、好ましくは100〜50,000J/mであり、より好ましくは300〜20,000J/mである。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
なお、ラビング処理後の液晶配向膜に対して更に、液晶配向膜の一部に放射線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにしてもよい。この場合、得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。VA型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜は、PSA(Polymer sustained alignment)型の液晶表示素子にも好適に用いることができる。
[工程(3):液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第1の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。また、第2の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。この手法では、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの表示装置に用いられる液晶表示素子として好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
合成例における各重合体の重量平均分子量は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
以下では、「式Xで表される化合物」を単に「化合物X」と記すことがある。
<化合物(a)の合成>
[実施例1−1:化合物(a−1)の合成]
L−リンゴ酸3.1gをアジポイルクロリド2.0g中に加え、100℃で10時間撹拌した。その後、120℃で加熱しながら減圧し、残留物を乾燥することでオイル状の化合物(上記式(a−1)で表される化合物)3.7gを純度99%で得た。
また、上記式(a−2)で表される化合物、上記式(a−3)で表される化合物及び上記式(a−4)で表される化合物についても同様にして合成した。
[実施例2−1:化合物(a−5)の合成]
N−(p−トリル)マレイミド16.6g及び1,6−ヘキサンジオール5gをクロロホルム100mlに加えた後、炭酸カリウム0.36gを加えて室温にて2時間撹拌した。その後、この溶液を濃縮した。次いで、濃縮後の残留物に濃塩酸50mlを加えて100℃で1時間撹拌した後、この溶液を濃縮した。濃縮後の残留物に酢酸エチル100mlを加え、室温で1時間撹拌した後、減圧ろ過を行ってろ液を濃縮し、得られた残留物を乾燥することで、上記式(a−5)で表される化合物に対応するテトラカルボン酸体13.2gを得た。
得られたテトラカルボン酸体13.2gを無水酢酸100ml中、100℃で10時間撹拌した。その後、120℃で加熱しながら減圧し、残留物を乾燥することでオイル状の化合物(上記式(a−5)で表される化合物)11.8gを純度99%で得た。
また、上記式(a−6)で表される化合物についても同様にして合成した。
[実施例3:化合物(a−15)の合成]
フマル酸ジメチル14.4gとピペラジン4.3gをテトラヒドロフラン100ml中、60℃で16時間撹拌した。室温まで冷却後、溶媒中に析出した固体をろ過し、乾燥することで、中間体(a−15−1)を純度99%にて15.0g得た。
得られた中間体(a−15−1) 15gを150mlのメタノールに添加し、次いで2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液150mlを加えた後、60℃で4時間撹拌した。その後、室温まで冷却後、溶媒中に析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄した。その固体を200mlの純水に溶解し、pHが3.8になるまで塩酸を加え、室温で1時間撹拌した。その後、溶媒中に析出した固体をろ過し、5℃の純水で洗浄後、乾燥することで、中間体(a−15−2)を純度99%にて11.5g得た。
得られた中間体(a−15−2) 11.5gを無水酢酸22.0gに加え、次いでピリジン14.0gを加えた後、40℃で24時間撹拌した。その後、室温まで冷却後、溶媒中に析出した固体をろ過し、無水酢酸とヘキサンで洗浄した後、乾燥することで、白色固体の化合物(a−15)を純度99%にて7.1g得た。
<重合体(A)の合成>
[実施例4:重合体(A−1)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として上記式(a−1)で表される化合物を100モル部、ジアミンとしてp−フェニレンジアミンを100モル部、をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15重量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−1)とした。重合体(A−1)の重量平均分子量Mwは60,000であった。
[実施例5〜12:重合体(A−2)〜(A−9)の合成]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表1の通り変更した以外は、実施例4と同様の操作を行い、固形分濃度15重量%のポリアミック酸溶液を得た。各重合体の重量平均分子量Mwを下記表1に併せて示した。
Figure 0006492509
表1中、化合物の各欄の括弧内の数値は、使用したテトラカルボン酸二無水物の合計100モル部に対する配合割合(モル部)を示す。「−」は、その化合物を使用しなかったことを意味する(以下の表についても同じ)。
表1中、化合物の略称はそれぞれ以下の意味である(下記表2も同じ)。
(テトラカルボン酸二無水物)
a−1〜a−6;上記式(a−1)〜式(a−6)のそれぞれで表される化合物
a−15;上記式(a−15)で表される化合物
c−1;ピロメリット酸二無水物
(ジアミン)
b−1;p−フェニレンジアミン
b−2;4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート
b−3;下記式(b−3)で表される化合物
b−4;4,4’−ジアミノアゾベンゼン
Figure 0006492509
<重合体(B)の合成>
[合成例1〜6:重合体(B−1)〜(B−6)の合成]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表2の通り変更した以外は、実施例4と同様の操作を行い、固形分濃度15%のポリアミック酸溶液を得た。各重合体の重量平均分子量Mwを下記表2に併せて示した。
Figure 0006492509
表2中、化合物の略称はそれぞれ以下の意味である。
(テトラカルボン酸二無水物)
c−2;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
c−3;下記式(c−3)で表される化合物
c−4;下記式(c−4)で表される化合物
(ジアミン)
b−5;N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン
Figure 0006492509
<液晶配向剤の調製、並びに液晶表示素子の製造及び評価>
[実施例13]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、上記実施例5で得た重合体(A−2)を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.光照射処理により配向処理したFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記1.で調製した液晶配向剤を、スピンナーを用いて塗布して塗膜を形成した。
使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1を4μm、電極間の距離d2を6μmとした。また、トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた(図3)。なお、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
スピンナーによる塗膜の形成後、塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。次いで、塗膜の各表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて偏光紫外線5,000J/mを照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。このとき、偏光紫外線の照射方向は基板法線方向からとし、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2(b)中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで光照射処理を行った。光照射した後、庫内を窒素置換したオーブン中で、230℃で1時間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。
次いで、上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、1対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。
その後、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。また、上記の一連の操作を、ポストベーク前の紫外線照射量を1,000〜30,000J/mの範囲でそれぞれ変更して実施することにより、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子を製造した。
3.液晶表示素子の評価
上記2.で製造した液晶表示素子を用いて以下の(1)の評価を行った。また、偏光板の貼り合わせをしなかった点以外は上記2.と同様の操作を行うことにより液晶表示素子(偏光板の貼り合わせをしていない液晶セル)を製造し、以下の(2)の評価を行った。なお、評価結果については、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子の中から最良な結果を選び出し、液晶表示素子の評価結果とした。
(1)AC残像特性の評価
上記で製造した液晶表示素子を用い、AC残像特性(焼き付き特性)を評価した。まず、液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下におき、電極B及び電極Dには電圧をかけずに、電極A及び電極Cに交流電圧4Vを2時間印加した。2時間が経過した後、電極A〜電極Dの全ての電極に交流4Vの電圧を印加した。全ての電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間とした。この残像消去時間が60秒未満であった場合に焼き付き特性「良好(○)」、60秒以上100秒未満であった場合に焼き付き特性「可(△)」、100秒以上であった場合に焼き付き特性「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子は焼き付き特性が「良好」であった。
(2)駆動ストレス後のコントラストの評価
上記で製造した液晶表示素子(偏光板の貼り合わせをしていない液晶セル)を、交流電圧10Vで30時間駆動した後に光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(2)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=(β−B)/(B100−B)×100 …(2)
(数式(2)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶表示素子を挟み、最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶表示素子の最小相対透過率で表され、暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が0.5%未満のものを「良好(○)」とし、0.5%以上1.0%未満のものを「可(△)」とし、1.0%以上のものを「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子のコントラスト評価は「良好」と判断された。
[実施例14〜17及び比較例1〜3]
使用する重合体の種類をそれぞれ下記表3のとおり変更したほかは実施例13と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様に行った。それらの評価結果を下記表3に示した。
Figure 0006492509
[実施例18]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、実施例4で得た重合体(A−1)を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.ラビング処理により配向処理した液晶表示素子の製造
実施例13と同様に電極A〜Dを備えるガラス基板と、電極を有さない対向ガラス基板とを準備し、ガラス基板の電極を有する面と対向ガラス基板の一面とに、上記で調製した液晶配向剤を、スピンコーターを用いてそれぞれ塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、230℃のホットプレートで10分間ポストベークして、膜厚約0.1μmの塗膜を形成した。形成された塗膜面に対し、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて、ロールの回転数1,000rpm、ステージの移動速度25mm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmにてラビング処理を行い、液晶配向能を付与した。さらにこの基板を超純水中で1分間超音波洗浄し、100℃クリーンオーブンで10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。
次いで、一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜のラビング方向に貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
また、偏光板の貼り合わせをしなかった点以外は上記と同様の操作を行うことにより液晶表示素子(偏光板の貼り合わせをしていない液晶セル)を製造した。
この実施例で製造した液晶表示素子の各種評価については、実施例13と同様にAC残像特性及び駆動ストレス後のコントラストの評価を実施した。その結果、この実施例では、AC残像特性及び駆動ストレス後のコントラスト評価は共に「良好(○)」であった。
[実施例19,20及び比較例4]
使用する重合体の種類を下記表4のとおり変更したほかは実施例18と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様の方法により行った。それらの評価結果を下記表4に示した。
Figure 0006492509
[実施例21]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、上記実施例7で得た重合体(A−4)を50重量部、及び上記合成例5で得た重合体(B−5)を50重量部、を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.液晶表示素子の製造及び評価
上記で調製した液晶配向剤を用いた以外は実施例13と同様に、光照射処理により配向処理して液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様に実施した。その結果、この実施例では、AC残像特性及び駆動ストレス後のコントラスト評価は共に「良好(○)」であった。
[比較例5、6]
使用する重合体の種類をそれぞれ下記表5のとおり変更したほかは実施例21と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様に行った。それらの評価結果を下記表5に示した。
Figure 0006492509
表5中、重合体の配合量の欄の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体の合計100重量部に対する各重合体の配合割合(重量部)を示す。
表3及び表4に示すように、単独ポリマー系の実施例13〜20ではいずれも、AC残像特性及びコントラスト特性が「良好」又は「可」の評価であった。特に、化合物(a)として、直鎖構造又はシクロヘキシレン基を有する酸無水物を使用した実施例では、AC残像特性及びコントラスト特性が共に「良好」の結果であった。窒素含有の酸無水物を使用した実施例10でも、AC残像特性及びコントラスト特性が共に「良好」の結果であった。また、ブレンド系の実施例21でも単独ポリマー系と同等の性能を発現した。これに対し、比較例では、AC残像特性及びコントラスト特性の少なくともいずれかが「不良」の評価であった。
10…液晶表示素子、11a,11b…ガラス基板、12…液晶配向膜、13…トップ電極、14…絶縁層、15…ボトム電極、16…液晶層。

Claims (6)

  1. テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であるテトラカルボン酸誘導体と、ジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)を含有し、
    前記テトラカルボン酸誘導体が、下記式(1)で表される化合物(a)、並びに該化合物(a)のジエステル化合物及びジエステルジハロゲン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、液晶配向剤。
    Figure 0006492509
    (式(1)中、Rは2価の有機基であり、X及びXは、それぞれ独立に−O−C(=O)−*又は−O−(ただし、*を付した結合手がRに結合する。)である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
  2. 前記Rは、下記式(r−1)で表される基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 0006492509
    (式(r−1)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルカンジイル基、炭素数1〜15のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−若しくは「−Si(R−」(ただし、Rは炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)を有する基、又は炭素数1〜15のアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも1個をフッ素原子若しくは「−Si(R」(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)で置換した基である。Arは、シクロへキシレン基、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基であり、環に結合する水素原子の少なくとも1個がフッ素原子若しくは−Si(Rで置換されていてもよい。d、e及びfは、それぞれ独立に0又は1である。ただし、d、e及びfが同時に0になることはない。)
  3. 前記Rは、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数1〜20のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−若しくは−Si(R−を有する基、炭素数1〜20のアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも1個をフッ素原子若しくは−Si(Rで置換した基、又はシクロへキシレン基である、請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記基板上に形成した塗膜に光照射を行って前記塗膜に液晶配向能を付与する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜。
  6. 請求項に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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