JP2014178378A - 光配向剤、液晶配向膜の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

光配向剤、液晶配向膜の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な液晶配向性を示す液晶配向膜を得ることが可能な光配向剤を提供する。
【解決手段】光配向剤に、下記式(1)で表される構造(a)を有する重合体(A)を含有させる。
Figure 2014178378

(式(1)中、X及びXは、それぞれ独立に硫黄原子又はジスルフィド結合であり、mは0又は1であり、Rは2価の有機基である。但し、XはRが有する炭素原子に結合し、m=1の場合、XはRが有する炭素原子に結合する。「*」は結合手を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、光配向剤、液晶配向膜の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子に関し、詳しくは、偏光又は非偏光の放射線を塗膜に照射することによって液晶配向膜を形成するために用いる光配向用の液晶配向剤等に関する。
液晶表示素子は、基板上に形成された液晶配向膜によって液晶分子の配向状態を制御している。この液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性などの各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドなどが一般に使用されている。また、ポリアミック酸等を含む液晶配向剤によって形成された塗膜に液晶配向能を付与する方法としては、近年、ラビング法に代わる技術として光配向法が提案されている。この光配向法は、基板上に形成した感放射線性の有機薄膜に対し、偏光又は非偏光の放射線を照射することによって膜に異方性を与え、これにより液晶分子の配向を制御する技術である。この方法によれば、従来のラビング法に比べて、工程内でのほこりや静電気の発生を抑制することができるため、ほこり等に起因する表示不良の発生や歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、基板上に形成された有機薄膜に対して、液晶配向能を均一に付与できるといったメリットもある。
光配向法としては、光架橋型や光異性化型、光分解型の光配向技術が知られている。これらのうち光分解型の光配向技術は、化学的に安定でありかつ高い耐熱性を有する材料として従来から用いられているポリイミド配向膜を使用することができる点で好適である。光分解型で用いる液晶配向剤としては、従来、重合体成分としてシクロブタン骨格を有するポリアミック酸又はポリイミドや、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸又はポリイミドを含有するものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−206091号公報 特開2012−113283号公報
光分解型の液晶配向剤として有用な材料は未だ少ないのが現状であり、従って光に対する感度が良好であり、少ない光照射量で良好な液晶配向性を発現可能な液晶配向膜を得るための新たな材料を開発することが望まれている。また、表示装置としての利用に際しては、液晶表示素子の電気的特性及び残像特性などの諸性能についても良好であることが求められる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、良好な液晶配向性を示す液晶配向膜を得ることができるとともに、電気的特性及び残像特性が良好な液晶表示素子を得ることができる光配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討し、炭素−硫黄結合の光分解反応に着目した。そして、この着目点に基づき、光配向剤の重合体成分の少なくとも一部として炭素−硫黄結合を有する重合体を用いたところ、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の光配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶表示素子が提供される。
本発明は一つの側面において、下記式(1)で表される構造(a)を有する重合体(A)を含有する光配向剤を提供する。
Figure 2014178378
(式(1)中、X及びXは、それぞれ独立に硫黄原子又はジスルフィド結合であり、mは0又は1であり、Rは2価の有機基である。但し、XはRが有する炭素原子に結合し、m=1の場合、XはRが有する炭素原子に結合する。「*」は結合手を示す。)
本発明は別の一つの側面において、上記の光配向剤を用いて塗膜を形成する工程と、該塗膜に光照射して液晶配向膜とする工程と、を含む液晶配向膜の製造方法を提供する。また、別の一つの側面において、上記光配向剤を用いて形成された液晶配向膜、及び当該液晶配向膜を具備する液晶表示素子を提供する。
本発明の光配向剤によれば、光に対する感度が良好な塗膜を形成することができ、したがって少ない光照射量で良好な液晶配向性を示す液晶配向膜を得ることができる。また、光照射量が少なくて済むことから、液晶表示素子の生産効率が良く、生産コストの削減に資する。さらに、本発明の光配向剤を用いて形成される液晶配向膜を備える液晶表示素子は、電気的特性及び残像特性等の諸性能に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の光配向剤は、重合体成分として重合体(A)を含むとともに、必要に応じてその他の成分を含有する。
<重合体(A)>
本発明の光配向剤に含有される重合体(A)は分子内に炭素−硫黄結合を有し、具体的には下記式(1)で表される構造(a)を有する。
Figure 2014178378
(式(1)中、X及びXは、それぞれ独立に硫黄原子又はジスルフィド結合であり、mは0又は1であり、Rは2価の有機基である。但し、XはRが有する炭素原子に結合し、m=1の場合、XはRが有する炭素原子に結合する。「*」は結合手を示す。)
上記式(1)について、Rは2価の有機基であり、その具体例としては、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基及び炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基、並びにこれらの炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−CO−、−COO−、−S−又は−S−S−を有する2価の基及び当該炭化水素基の結合手に−O−、−CO−又は−COO−が結合された2価の基などを挙げることができる。
ここで、本明細書における「炭化水素基」は、飽和炭化水素基であってもよいし不飽和炭化水素基であってもよく、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。また、「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
上記式(1)におけるRは、Xが有する硫黄原子に対して炭素原子で結合しており、これにより重合体(A)が炭素−硫黄結合を有するものとなっている。当該Rとしては、形成された液晶配向膜の強度及び電圧保持率の観点から、芳香環構造を有することが好ましく、偏光又は非偏光の放射線に対する感度を一層良好にする観点から、Rが芳香環を有し該芳香環を構成する炭素原子とXとが結合(炭素−硫黄結合)していることがより好ましく、Xが結合する芳香環がベンゼン環であることが更に好ましい。
mは0又は1であり、偏光又は非偏光の放射線照射によって塗膜に十分な配向制御能を発現させる点でm=1であることが好ましい。また、m=1の場合、Xは、Rが有する芳香環に結合していることが好ましく、X及びXが共に、Rが有する芳香環(好ましくはベンゼン環)に結合していることがより好ましい。なお、Xが結合する芳香環とXが結合する芳香環とは同じでも異なっていてもよい。
上記重合体(A)の主骨格としては、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール誘導体、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート誘導体などからなる骨格を挙げることができる。上記重合体(A)は、これらのうちから選択される骨格を有する重合体の1種以上を、液晶表示素子の用途等に応じて適宜に選択して用いることができる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含むことを意味する。重合体(A)は、中でもポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル及びポリオルガノシロキサンから選択される骨格を有するものであることが好ましい。
上記重合体(A)は、上記構造(a)を主鎖に有していてもよいし側鎖に有していてもよいが、重合体の光分解によって十分な配向制御能を塗膜に発現させる観点から、上記重合体(A)は上記構造(a)を主鎖に有していることが好ましく、ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルから選択される骨格中に上記構造(a)を有するものであることが特に好ましい。以下、上記構造(a)を有するポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルについてそれぞれ説明する。
[ポリアミック酸(A)]
本発明における重合体(A)としてのポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸(A)」とも称する。)は、例えば上記構造(a)を有するテトラカルボン酸二無水物(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」ともいう。)を含むテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応させることにより得ることができる。
<テトラカルボン酸二無水物>
上記ポリアミック酸(A)を合成するために用いる特定テトラカルボン酸二無水物は、例えば、上記構造(a)を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。当該特定テトラカルボン酸二無水物は、上記構造(a)を有する限りその余の構造は特に限定しないが、中でも下記式(t−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014178378
(式(t−1)中、X、X、R及びmは、それぞれ上記式(1)と同義である。)
上記式(t−1)におけるX及びXは、合成容易性の点で硫黄原子であることが好ましい。R及びmの好ましい例としては、上記式(1)におけるR及びmの説明を適用することができる。
上記特定テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば下記式(t−1−1)〜(t−1−10)のそれぞれで表される化合物等を挙げることができる。なお、上記特定テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2014178378
本発明におけるポリアミック酸を合成するためのテトラカルボン酸二無水物としては、上記特定テトラカルボン酸二無水物を単独で使用してもよいが、上記特定テトラカルボン酸二無水物と共に、特定テトラカルボン酸二無水物以外の化合物(以下、「その他のテトラカルボン酸二無水物」ともいう。)を使用してもよい。
上記その他のテトラカルボン酸二無水物としては、上記構造(a)を有さない脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2:3,5:6−二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸1,2:4,5−二無水物(ピロメリット酸二無水物)などを;
それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。なお、上記その他のテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリアミック酸(A)の合成に際しその他のテトラカルボン酸二無水物を使用する場合、その使用量は、使用するその他のテトラカルボン酸二無水物の種類に応じて適宜設定することができる。具体的には、その他のテトラカルボン酸二無水物の使用量を、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全体量に対して、50モル%以下とすることが好ましく、30モル%以下とすることがより好ましく、20モル%以下とすることが更に好ましい。
<ジアミン>
本発明におけるポリアミック酸(A)の合成に用いるジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、
N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−5−アミン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−6−アミン、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、3−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)コレスタン、及び下記式(D−1)
Figure 2014178378
(式(D−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、*−COO−、*−OCO−又は*−NH−CO−(但し、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であり、Rは、炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、nは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはなく、Xが*−NH−CO−の場合、nは0である。)
で表される化合物などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
上記式(D−1)における「−X−(R−XII−」で表される2価の基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−、*−O−C−O−又は*−NH−CO−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。
基「−C2c+1」の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(D−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(D−1−1)〜(D−1−5)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2014178378
なお、ジアミンとしては、これら化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<ポリアミック酸の合成>
本発明におけるポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。また、ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.5〜24時間が好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。
ここで、反応に使用する有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解可能であればよく、具体的には、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン性極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒;等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、反応に使用する有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸が析出しない範囲内で該ポリアミック酸の貧溶媒を併用してもよい。このような貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、イソアミルプロピオネートなどのエステル;ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソペンチルエーテルなどのエーテル;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素などが挙げられる。これらの貧溶媒は1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
反応に使用する有機溶媒として上記ポリアミック酸の貧溶媒を使用する場合、その使用割合は、合成に使用する有機溶媒の全体量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜50重量%になるような量とすることが好ましく、5〜30重量%になるような量とすることがより好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸(A)を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸(A)を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸(A)を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。また、ポリアミック酸(A)を脱水閉環してポリイミドとする場合には、上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸(A)を単離したうえで脱水閉環反応に供してもよく、又は単離したポリアミック酸(A)を精製したうえで脱水閉環反応に供してもよい。ポリアミック酸(A)の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリイミド(A)>
本発明において、重合体(A)としてのポリイミド(以下、「ポリイミド(A)」ともいう。)は、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸(A)を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記ポリイミド(A)は、その前駆体であるポリアミック酸(A)が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。本発明におけるポリイミド(A)は、そのイミド化率が40%以上であることが好ましく、50〜99%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。なお、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸(A)の脱水閉環は、[i]ポリアミック酸(A)を加熱する方法により、又は[ii]ポリアミック酸(A)を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行うことができる。
上記[i]の方法において、反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満であると脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると、得られるポリイミド(A)の分子量が低下する場合がある。反応時間は、好ましくは0.5〜48時間であり、より好ましくは2〜20時間である。
一方、上記[ii]の方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、アミック酸構造単位の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン、N−メチルピペリジン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸(A)の合成に用いる有機溶媒として例示した溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは0.5〜20時間であり、より好ましくは1〜8時間である。
上記方法[i]により得られるポリイミド(A)は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは得られるポリイミド(A)を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。一方、上記方法[ii]においては、ポリイミド(A)を含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、例えば溶媒置換等の方法により反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミド(A)を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリイミド(A)を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリイミド(A)の単離及び精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリアミック酸エステル(A)>
本発明における重合体(A)としてのポリアミック酸エステル(以下、「ポリアミック酸エステル(A)」とも称する。)は、例えば、上記の如くして合成されたポリアミック酸(A)のカルボキシル基をエステル化することにより合成することができる。なお、ポリアミック酸エステル(A)は、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
以上のようにして、上記構造(a)を主鎖に有するポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドを得ることができる。本発明で用いられるポリアミック酸(A)、ポリアミック酸エステル(A)及びポリイミド(A)は、上記式(t−1)で表される化合物を含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物であることが好ましく、具体的には下記式(2−1)又は式(2−2)で表される繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2014178378
(式(2−1)及び式(2−2)中、Rは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基である。X、X、R及びmは、それぞれ上記式(1)と同義である。)
上記式(2−1)及び式(2−2)のRで表される2価の有機基は、反応に使用するジアミンに由来する基であり、その具体例としては、上記ポリアミック酸(A)の合成に使用することができるジアミンとして例示した化合物における1級アミノ基以外のその余の構造等を挙げることができる。中でも、芳香族ジアミンに由来する基であることが好ましい。
及びRの炭素数1〜9のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。X、X、R及びmの各々における好ましい例としては、上記式(1)の説明を適用することができる。
上記で得られたポリアミック酸(A)、ポリアミック酸エステル(A)及びポリイミド(A)は、これを濃度10重量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、それら重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。上記ポリアミック酸(A)、ポリアミック酸エステル(A)及びポリイミド(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、500〜300,000であることが好ましく、1,000〜200,000であることがより好ましい。
[その他の成分]
本発明の液晶配向剤は、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えば、上記重合体(A)以外の重合体(以下、「その他の重合体」ともいう。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という)、官能性シラン化合物等を挙げることができる。
<その他の重合体>
上記その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えば上記構造(a)を有さないポリアミック酸(以下、「その他のポリアミック酸」ともいう。)、その他のポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミド、その他のポリアミック酸をエステル化して得られるポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルアレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
上記その他の重合体を光配向剤に添加する場合、その配合比率は、使用するその他の重合体の種類に応じて適宜設定することができるが、光配向剤中に含まれる重合体の全体量に対して、30重量%以下とすることが好ましく、20重量%以下とすることがより好ましく、10重量%以下とすることが更に好ましい。
<エポキシ化合物>
エポキシ化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性や電気特性を向上させるために使用することができる。ここで、エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を好ましいものとして挙げることができる。これらエポキシ化合物を光配向剤に添加する場合、その配合割合は、光配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。
<官能性シラン化合物>
官能性シラン化合物は、光配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これら官能性シラン化合物を光配向剤に添加する場合、その配合比率は、重合体の合計100重量部に対して、2重量部以下が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ましい。
なお、上記その他の成分としては、上記で例示した化合物のほか、分子内に少なくとも一つのオキセタニル基を有する化合物、酸化防止剤などを使用することができる。
<溶剤>
本発明の光配向剤は、重合体成分や、必要に応じて任意に配合されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒中に溶解されて構成される。
ここで、本発明の光配向剤の調製に使用される溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の光配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が光配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の光配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得にくい。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に光配向剤を塗布する方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には、固形分濃度を1.5〜4.5重量%の範囲とすることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。本発明の光配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
[液晶配向膜]
本発明の液晶配向膜は、上記のようにして調製された光配向剤を用いて形成される。また、当該液晶配向膜は、TN型、STN型又は横電界方式の液晶表示素子に適用することが好ましい。中でも、IPS型やFFS型などの横電界方式の液晶表示素子に適用することにより、電気的特性、残像特性等の諸性能に優れた液晶表示素子を得るといった効果を最大限に発揮することができ好ましい。
本発明の液晶配向膜は、本発明の光配向剤を用いて塗膜を形成する工程(1)と、その形成した塗膜に光照射することにより液晶配向膜とする工程(2)と、を含む方法により製造することができる。
[工程(1):塗膜の形成]
本工程では、基板上に本発明の光配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
TN型又はSTN型の液晶表示素子に適用する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板2枚を一対として、その各々の透明導電膜の形成面上に、本発明の光配向剤を塗布して塗膜を形成する。一方、横電界方式の液晶表示素子に適用する場合、パターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極を片面に有する基板と、電極が設けられていない対向基板とを一対とし、電極の形成面と対向基板の片面とに、それぞれ本発明の光配向剤を塗布して塗膜を形成する。
いずれの場合も、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートの如きプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。上記透明導電膜としては、例えばIn−SnOからなるITO膜、SnOからなるNESA(登録商標)膜などを用いることができる。上記金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。透明導電膜及び金属膜のパターニングは、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後にフォト・エッチング法、スパッタ法などによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。また、光配向剤の塗布に際しては、基板、導電膜又は電極と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
基板への光配向剤の塗布は、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法、インクジェット印刷法などの塗布方法により行うことができる。光配向剤を塗布した後には、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、また必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。この焼成(ポストベーク)温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
[工程(2):光照射]
次いで、基板上に形成された塗膜に対し、偏光又は非偏光の放射線を照射することにより液晶配向能を付与する。ここで、放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/mであり、より好ましくは300〜20,000J/mである。こうして、基板上に液晶配向膜が形成される。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記で得られた液晶配向膜を具備する。本発明の液晶表示素子は、例えば以下のようにして製造することができる。先ず、上記のようにして液晶配向膜が形成された一対の基板を準備し、この一対の基板間に液晶が挟持された構成の液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。この方法では先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、次いで2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する方法である。第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。この方法では先ず、一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、次いで、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより本発明の液晶表示素子を得ることができる。なお、放射線が直線偏光である場合、液晶配向膜が形成された2枚の基板について、照射した放射線の偏光方向のなす角度及びそれぞれの基板と偏光板との角度を調整することにより、所望の液晶表示素子を得ることができる。
シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、例えばネマティック液晶、スメクティック液晶などを用いることができ、その中でも、ネマティック液晶を形成する正の誘電異方性を有するものが好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられる。また液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(以上、メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、さらに添加して使用してもよい。
偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、H膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの表示装置に用いられる液晶表示素子として好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
各合成例における各重合体溶液の溶液粘度及びポリイミドのイミド化率は以下の方法により測定した。
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度[mPa・s]は、所定の溶媒を用い、重合体濃度10重量%に調製した溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)で示される式によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A/A×α)×100 …(1)
(数式(1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[合成例P1:ポリアミック酸(P−1)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として上記式(t−1−1)で表される化合物16.90g(50mmol)、ジアミンとして1,4−ジアミノベンゼン5.52g(51mmol)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)130gに溶解し、60℃で6時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(A)としてポリアミック酸(P−1)を得た。得られたポリアミック酸(P−1)をNMPにて10重量%となるように調整し、この溶液の粘度を測定したところ150mPa・sであった。
[合成例P2:ポリイミド(P−2)の合成]
合成例P1と同様の操作を行い、ポリアミック酸(P−1)を得た。得られたポリアミック酸(P−1)をNMPにて10重量%となるように調整した後に、ピリジン6.01g及び無水酢酸10.53gを添加して100℃で8時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(A)としてイミド化率約79%のポリイミド(P−2)を得た。得られたポリイミド(P−2)をNMPにて10重量%となるように調整した。この溶液の粘度を測定したところ122mPa・sであった。
[合成例P3:ポリアミック酸(P−3)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として上記式(t−1−2)で表される化合物20.72g(50mmol)、ジアミンとして4,4’−オキシジアニリン10.21g(51mmol)をNMP175gに溶解し、60℃で6時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(A)としてポリアミック酸(P−3)を得た。得られたポリアミック酸(P−3)をNMPにて10重量%となるように調整し、この溶液の粘度を測定したところ189mPa・sであった。
[合成例P4:ポリイミド(P−4)の合成]
合成例P3と同様の操作を行い、ポリアミック酸(P−3)を得た。得られたポリアミック酸(P−3)をNMPにて10重量%となるように調整した後に、ピリジン6.01g及び無水酢酸10.53gを添加して100℃で8時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(A)としてイミド化率約84%のポリイミド(P−4)を得た。得られたポリイミド(P−4)をNMPにて10重量%となるように調整し、この溶液の粘度を測定したところ149mPa・sであった。
[合成例P5:ポリアミック酸(P−5)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として上記式(t−1−3)で表される化合物13.91g(50mmol)、ジアミンとして4,4’−オキシジアニリン10.21g(51mmol)をNMP175gに溶解し、60℃で6時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(A)としてポリアミック酸(P−5)を得た。得られたポリアミック酸(P−5)をNMPにて10重量%となるように調整し、この溶液の粘度を測定したところ110mPa・sであった。
[合成例P6:ポリアミック酸(P−6)の合成]
テトラカルボン酸二無水物としてベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸1,2:4,5−二無水物10.91g(50mmol)、ジアミンとして4,4’−オキシジアニリン10.21g(51mmol)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)175gに溶解し、60℃で6時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、重合体(B)としてポリアミック酸(P−6)を得た。得られたポリアミック酸(P−6)をNMPにて10重量%となるように調整し、この溶液の粘度を測定したところ215mPa・sであった。
[実施例1]
<光配向剤の調製>
重合体(A)として上記合成例P1で得たポリアミック酸(P−1)に、有機溶媒としてNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加え、溶媒組成がNMP:BC=50:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより光配向剤を調製した。
<液晶表示素子の製造>
上記で調製した光配向剤をITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間乾燥した後、更に200℃のクリーンオーブンで1時間乾燥して塗膜を形成した。この塗膜表面に、Hg−Xeランプを用いて、254nmの輝線を含む偏光の紫外線10,000J/mを基板法線方向から照射して液晶配向能を付与した。次に、上記光照射処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷によって塗布した後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、一対の基板間に液晶注入口よりネマティック液晶(メルク社製、MLC−7028)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。その後、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を作製した。
<液晶配向性の評価>
上記で作成した液晶表示素子において、電圧をオン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察した。異常ドメインが観察されなかった場合を「良好」、異常ドメインが一つでも観察された場合を「不良」と評価した。その結果、上記液晶表示素子の液晶配向性は「良好」であった。
<電圧保持率>
偏光紫外線照射量10,000J/mで作製した液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は東陽テクニカ社製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を「良好」、90%未満の場合を「不良」と評価した。その結果、上記液晶表示素子の電圧保持率は「良好」であった。
<残像特性(焼き付き特性)>
一対の基板として、櫛歯状にパターニングされたクロムからなる2系統の金属電極(電極A及び電極B)を片面に有するガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とを用いた以外は、上記液晶表示素子の製造と同様の操作を行い、これによりIPS型液晶表示素子を作製した。このIPS型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下に置き、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧3.5Vと直流電圧5Vとの合成電圧を2時間印加した。その直後、電極A及び電極Bの双方に交流4Vの電圧を印加した。両電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から、電極A及び電極Bの光透過性の差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定した。この時間が100秒未満であった場合を残像特性「良好」、100秒以上150秒未満であった場合を残像特性「可」、150秒以上であった場合を残像特性「不良」と評価した。その結果、この液晶表示素子の残像特性は「良好」であった。
[実施例2〜5、比較例1]
光配向剤の重合体成分を下記表1に示すとおり変更した以外は実施例1と同様にして光配向剤をそれぞれ調製した。また、調製した光配向剤をそれぞれ用いて実施例1と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、その製造した液晶表示素子の評価を行った。それらの評価結果を下記表1に示す。
Figure 2014178378
表1に示すように、実施例1〜5の光配向剤は、放射線に対する感度が高く、10,000J/mの照射量でも液晶配向性が良好な液晶配向膜が得られた。また、実施例1〜5の液晶表示素子は、電圧保持率及び残像特性が共に良好であった。これに対し、比較例1では、10,000J/mの照射量では異常ドメインが観察され、液晶配向性が不良であった。また、電圧保持率及び残像特性についても不良であった。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造(a)を有する重合体(A)を含有する、光配向剤。
    Figure 2014178378
    (式(1)中、X及びXは、それぞれ独立に硫黄原子又はジスルフィド結合であり、mは0又は1であり、Rは2価の有機基である。但し、XはRが有する炭素原子に結合し、m=1の場合、XはRが有する炭素原子に結合する。「*」は結合手を示す。)
  2. 前記重合体(A)は、前記構造(a)を主鎖に有する、請求項1に記載の光配向剤。
  3. 前記重合体(A)は、下記式(2−1)又は式(2−2)で表される繰り返し単位を有する、請求項1又は2に記載の光配向剤。
    Figure 2014178378
    (式(2−1)及び式(2−2)中、Rは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基である。X、X、R及びmは、それぞれ上記式(1)と同義である。)
  4. 前記Rはベンゼン環を有し、該ベンゼン環に前記Xが結合している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光配向剤。
  5. 前記重合体(A)が、前記構造(a)を有するテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとの反応生成物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光配向剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光配向剤を用いて塗膜を形成する工程と、該塗膜に光照射して液晶配向膜とする工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  8. 請求項7に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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