JP5879861B2 - 液晶配向膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光配向用に好適な液晶配向剤、液晶配向膜、液晶配向膜の形成方法及び液晶表示素子に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)はテレビや各種モニタ等に広く利用されている。LCDの表示素子としては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In Plane Switching)型、IPS型等の電極構造を変更し、表示素子部分の開口率を上げて輝度を向上させたFFS(Fringe Field Switching)型等の液晶セルを有するものが知られている(特許文献1及び2参照)。
このような液晶セルの液晶を配向させる方法としては、基板表面に液晶配向膜等の有機膜を形成し、その有機膜表面をレーヨン等の布材で一方向に擦るラビング処理による方法、基板表面に酸化珪素を斜方蒸着する方法、ラングミュア・ブロジェット法(LB法)を用いて長鎖アルキル基を有する単分子膜を形成する方法等が知られている。これらのうち、基板サイズ、液晶の配向均一性、処理時間及び処理コストの観点からラビング処理による方法が最も一般的である。
しかし、液晶の配向をラビング処理により行うと、工程内でのほこりの発生や、静電気の発生により、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるおそれがある。特にTFT(Thin Film Transistor)素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留まり低下の原因となる場合もある。さらに、今後ますます高精細化される液晶表示素子においては、画素の高密度化に伴い基板表面に凹凸が生じるため、均一にラビング処理を行うことが困難になる傾向がある。
そこで、上記不都合を回避する手段として、ポリビニルシンナメート等の感光性薄膜に、偏光又は非偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法(特許文献3及び4参照)や、感光性薄膜の材料としてポリイミド樹脂を用いた液晶配向処理法(特許文献5参照)が知られている。この方法によれば、静電気やほこりを発生することなく、均一な液晶配向を実現できる。また、ラビング処理に比べて任意方向に、かつ精密に液晶配向方向を制御できる。さらに放射線照射時にフォトマスク等を使用することで、一つの基板上に液晶配向方向が異なる複数の領域を任意に形成できる。但し、放射線照射時に加熱が必要とされることや、多大な積算露光量が必要とされるという不都合がある。また、ポリイミド樹脂を用いた従来の液晶配向処理法によると放射線照射時の加熱は必要ないものの、感度が不十分であるという不都合がある。
このような状況に鑑み、低照射量の光配向法で、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することが可能であり、かつ優れた電気的特性等の諸性能を有する液晶表示素子を形成することが可能な液晶配向剤の開発が強く望まれている。また、それを用いた液晶配向膜の形成方法及び液晶配向膜、さらにはそれを備える液晶表示素子の開発も強く望まれている。
特開昭56−91277号公報 特開平1−120528号公報 特開平6−287453号公報 特開2003−307736号公報 特開平9−297313号公報
本発明の目的は、放射線感度に優れ、低照射量の光配向法で良好な液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することが可能な液晶配向剤を提供することである。また、そのような液晶配向剤を用いた液晶配向膜の形成方法及び液晶配向膜、さらにはその液晶配向膜を備え、液晶配向性に加えて電気的特性等の諸性能にも優れる液晶表示素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有する液晶配向剤である。
本発明の液晶配向剤は、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有することで、放射線感度が高くなるため、低照射量で、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することができる。なお、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有することで放射線感度がより高くなることの理由は必ずしも明らかではないが、例えば、以下のように推定される。ポリアミック酸等がビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有していることで、例えばディールス・アルダー反応によりポリアミック酸等の主鎖の分解や、主鎖同士の結合による二量化等が起こることに起因して、偏光による光配向が起こることが考えられる。この場合、分解反応や結合反応が起こる部分が、例えばシクロブタン骨格を有するポリアミック酸等に比べて立体的に込み入っているため、反応前後でのポリマーの構造変化がより大きくなる。その結果、より少ない照射量での光配向が可能になることが考えられる。このように、光配向に必要な放射線照射量を低減することができるため、当該液晶配向剤によれば、低コスト化が実現できる。さらに、当該液晶配向剤により形成される液晶配向膜を用いると、電気的特性等の諸性能にも優れる液晶表示素子を製造することができる。
上記ポリアミック酸が下記式(1)で表される構造単位を有し、上記ポリイミドが下記式(2)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0005879861
(式(1)及び(2)中、R及びRは、それぞれ独立して2価の有機基である。)
当該液晶配向剤は、上記ポリアミック酸及びポリイミドが、上記特定構造を有することで、より高感度の光配向性を備えることができる。
本発明の液晶配向剤は、光配向用として好適に用いられる。当該液晶配向剤は、放射線に対する感度が高く、低照射量の放射線により優れた液晶配向能を有する液晶配向膜を形成することができる。
本発明の液晶配向膜の形成方法は、
(1)基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程、及び
(2)上記塗膜に偏光した紫外線を照射し、液晶配向能を付与する工程
を含む。
本発明の形成方法では少量の放射線照射によっても光配向が可能であるため液晶配向膜を効率よく製造でき、生産性が高く、また製造コストの削減に資する。
本発明は、当該液晶配向剤により形成される液晶配向膜も好適に含む。本発明の液晶配向膜は、当該液晶配向剤により形成されるため、放射線に対する感度が高く、その形成工程において、低照射量の放射線により液晶配向能を付与することができるため、生産効率がよく、製造コストも削減できる。
本発明の液晶表示素子は、当該液晶配向膜を備える。当該液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤から形成されるため、従来より少ない放射線照射量で液晶配向能を付与することができる。そのため、当該液晶配向膜を備える液晶表示素子は、従来より安価に製造することができる。また、本発明の液晶表示素子は、電気的特性等の諸性能も十分に保持するものである。
なお、本明細書にいう「光配向用」における「光」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。また、「放射線」とは、電磁線、粒子線以外に上記「光」を含む概念である。
本発明の液晶配向剤は、放射線感度が高く、低照射量の放射線照射で、優れた液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することができるため、その生産効率がよく、さらには生産コストを削減することができる。さらに、本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜を備える液晶表示素子は、電気的特性等の諸性能にも優れる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有する。ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸及び/又はポリイミドを含有する放射線感度が向上し、低照射量の放射線で、優れた液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することができる。またこの液晶配向膜を備える液晶表示素子は、電気的特性等の諸性能にも優れている。本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限り、必須成分である上記ポリアミック酸及び/又はポリイミド以外に、その他の成分を加えることができる。以下に、それぞれについて詳述する。
[ポリアミック酸]
本発明で用いられるポリアミック酸は、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有する。ポリアミック酸としては、その構造中にビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するポリアミック酸であれば特に限定されないが、このようなポリアミック酸は、例えばビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を有機溶媒中で反応することにより合成できる。
ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−エチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−n−プロピル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−n−ブチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−sec−ブチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−エチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−n−プロピル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−n−ブチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−sec−ブチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらのうち、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−7−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が好ましく、なかでも、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、7−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物がより好ましく、特にビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明で用いられるポリアミック酸は、上記式(1)で表される構造単位を有するものであることが好ましい。このような特定構造のポリアミック酸を用いることにより、偏光紫外線照射により、液晶分子を偏光方向に対して一定の方向に、かつ均一安定に配向させることが可能となる。
上記式(1)中、Rで表される2価の有機基は、ジアミン化合物由来の基である。ジアミン化合物の具体例としては、一般にポリアミック酸又はポリイミドの合成に用いられる1級ジアミンであれば特に限定されるものではないが、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等を挙げることができる。
脂肪族ジアミンとしては、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えばo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノーN,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、1−(2,4−ジアミノフェニル)ピペラジン−4−カルボン酸、4−(モルホリン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、1,3−ビス(N−(4−アミノフェニル)ピペリジニル)プロパン、α−アミノ−ω−アミノフェニルアルキレン、下記式(A−1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0005879861
(式(A−1)中、X及びXは、それぞれ、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−である。但し、「*」を付した結合手は、Xにおいてはジアミノフェニル基と結合し、XにおいてはRと結合する。Rは、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基である。aは0又は1である。bは0〜2の整数である。cは1〜20の整数である。但しa及びbが同時に0になることはない。)
上記式(A−1)中、−X−R−X−で表される2価の基としては、メチレン基、炭素数2若しくは3のアルキレン基、−O−、−COO−、又は−O−CHCH−O−が好ましい。但し、「*」を付した結合手はジアミノフェニル基と結合する。
上記式(A−1)中、−C2c+1で表される基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
また、ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(A−1)で表される化合物としては、下記式(A−1−1)、(A−1−2)、(A−1−3)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0005879861
上記以外のジアミンとしては、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。また、上記式(A−1)で表されるジアミン、長鎖アクリル側鎖又はコレスタニル骨格を有する側鎖を有するジアミンを用いた場合は、VA(Vertical Alignment)型液晶表示素子に適した液晶配向剤とすることもできる。これらのジアミンのうち、芳香族ジアミンが好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
本発明で用いられるポリアミック酸は、例えばビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物と上記ジアミン化合物とを有機溶媒中で反応させることにより得られる。
本発明で用いるポリアミック酸におけるビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンに由来するアミック酸構造単位の含有割合は、全重合体の全構造単位に対して、好ましくは0.1〜100モル%、より好ましくは5〜95モル%、特に好ましくは50〜90モル%である。
本発明で用いられるポリアミック酸には、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とともに、他のテトラカルボン酸二無水物を併せて用いることもできる。例えば他のテトラカルボン酸二無水物としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
これらの具体例としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物をそれぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号に記載のテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
これらの他のテトラカルボン酸二無水物は1種単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
ポリアミック酸の合成に用いられる有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒、フェノール及びその誘導体、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。
これらの具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;
m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール誘導体;
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;
乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル等のエステル;
ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン等のエーテル;
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル等の炭化水素がそれぞれ挙げられる。
これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒、フェノール及びその誘導体よりなる群(i)から選択される1種以上、又は上記群(i)の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(ii)から選択される一種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、(ii)の有機溶媒の使用割合は、(i)の有機溶媒及び(ii)の有機溶媒の合計に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜50質量%になるような量とすることが好ましい。
ポリアミック酸を上記溶媒で溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。又は単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸を脱水閉環してポリイミドとする場合には、上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで脱水閉環反応に供してもよい。又は単離したポリアミック酸を精製したうえで脱水閉環反応に供してもよい。なお、ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
合成反応の温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。合成反応の時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
上記ポリアミック酸の合成において、上記テトラカルボン酸二無水物及びジミアンに加えて、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成してもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)をさらに改善することができる。
上記分子量調節剤としては、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物等を挙げることができる。
酸一無水物としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物等が挙げられる。
モノアミン化合物としては、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン等が挙げられる。
モノイソシアネート化合物としては、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が挙げられる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
[ポリイミド]
本発明に用いられるポリイミドは、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有する。その構造中にビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば上述のようにして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
本発明で用いられるポリイミドは、上記式(2)で表される構造単位を有するものであることが好ましい。液晶配向剤がこのような特定構造のポリイミドを含有することにより、偏光紫外線照射により液晶分子を偏光方向に対して一定の方向に、かつ均一安定に配向させることが可能となる。
本発明におけるポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。本発明におけるポリイミドは、そのイミド化率が30%以上であることが好ましく、50〜99%であることがより好ましく、65〜99%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
[ポリイミドの合成]
本発明に用いられるポリイミドは、上述のようにして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち後者の方法によることが好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
得られたポリイミドを含有する反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
以上のようにして得られるポリアミック酸又はポリイミドは、これを濃度10質量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
[その他の成分]
本発明の液晶配向剤は、上記のポリアミック酸及び/又はポリイミドを必須成分として含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えばその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」ともいう。)、官能性シラン化合物等を挙げることができる。
(その他の重合体)
上記その他の重合体は、溶液特性及び電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体は、上記ポリアミック酸又は上記ポリイミド以外の重合体であり、例えばビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸(以下、「他のポリアミック酸」ともいう。)、上記ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミド(以下、「他のポリイミド」ともいう。)、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち、他のポリアミック酸又は他のポリイミドが好ましく、他のポリアミック酸がより好ましい。
上記他のポリアミック酸又は他のポリイミドを合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、本発明に用いられるポリアミック酸を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物として上述したものと同様のものを挙げることができるが、好ましくは1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
上記他のポリアミック酸又は他のポリイミドを合成するために用いられるジアミンとしては、本発明に用いられるポリアミック酸を合成する際に使用するジアミンとして上記に例示したもののうちから選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。他のポリアミック酸又は他のポリイミドを合成するために用いられるジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸及び1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジンよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
その他の重合体の使用割合としては、重合体の合計(上記のポリアミック酸及び/又は及びその他の重合体の合計をいう。以下同じ。)に対して好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは0.1〜40質量%であり、さらに0.1〜30質量%であることが好ましい。
(エポキシ化合物)
上記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を好ましいものとして挙げることができる。
これらエポキシ化合物の配合割合は、重合体の合計100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは0.1〜30質量部である。
(官能性シラン化合物)
上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
これら官能性シラン化合物の配合割合は、重合体の合計100質量部に対して、好ましくは2質量部以下、より好ましくは0.02〜0.2質量部である。
<液晶配向剤の調製>
本発明の液晶配向剤は、上記ポリアミック酸又はポリイミド、必要に応じて任意的に配合されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤に使用される有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性等を考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1質量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜4.5質量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9質量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5質量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、当該液晶配向剤により形成される。そのため形成工程において、低照射量の放射線により優れた液晶配向能を付与することができる。さらに放射線の照射中及び照射後の加熱工程が不要であるため、生産効率がよく製造コストも削減できる。
<液晶配向膜の形成方法>
本発明の液晶配向剤は、光配向法による液晶配向膜の材料として好適に使用することができる。また、TN型若しくはSTN型の液晶セルを有する液晶表示素子、又はIPS型、FFS型等の液晶セルを有する横電界方式の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜を形成するために好適に使用することができる。本発明の液晶配向剤は、特にIPS型、FFS型の液晶セルを有する液晶表示素子に適用したときに、本発明の効果が最大限に発揮されることとなり、好ましい。
本発明の液晶配向膜の形成方法は、
(1)基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、及び
(2)上記塗膜に偏光した紫外線を照射し、液晶配向能を付与する工程(以下、工程(2)ともいう)
を含む。以下、各工程について詳述する。
[工程(1)]
ここで、本発明の液晶配向剤を、TN型又はSTN型の液晶セルを有する液晶表示素子に適用する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板2枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する。一方、本発明の液晶配向剤を、IPS型、FFS型の液晶セルを有する液晶表示素子に適用する場合には、片面に透明導電膜又は金属膜が櫛歯状にパターニングされた電極を有する基板と、電極が設けられていない対向基板とを一対とし、櫛歯状電極の形成面と、対向基板の片面とに、それぞれ本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する。
いずれの場合も、上記の基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートの如きプラスチックからなる透明基板等を用いることができる。上記透明導電膜としては、例えばIn−SnOからなるITO膜、SnOからなるNESA(登録商標)膜等を用いることができる。上記金属膜としては、例えばクロム等の金属からなる膜を使用することができる。透明導電膜及び金属膜のパターニングには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後にフォト・エッチング法、スパッタ法等によりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法等によることができる。
基板上への液晶配向剤の塗布に際して基板又は導電膜ないし電極と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板及び電極上に、予め官能性シラン化合物、チタネート等を塗布しておいてもよい。
基板上への液晶配向剤の塗布は、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法、インクジェット印刷法等の適宜の塗布方法により行うことができ、次いで、塗布面を予備加熱(プレベーク)し、次いで焼成(ポストベーク)することにより塗膜を形成する。プレベーク条件は、例えば40〜120℃において0.1〜5分であり、ポストベーク条件は、好ましくは120〜300℃、より好ましくは150〜250℃において、好ましくは5〜200分、より好ましくは10〜100分である。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
[工程(2)]
このようにして形成された塗膜に、偏光した放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する。ここで、放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができるが、200nm〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等を使用することができる。上記の好ましい波長領域の紫外線は、上記光源を、例えばフィルター、回折格子等と併用する手段等により得ることができる。
本発明の液晶配向剤を用いると、通常10,000J/m以上の紫外線照射が必要とされるところ、8000J/mであっても良好な液晶配向能を付与することができ、液晶表示素子の生産性向上と製造コストの削減に資する。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、当該液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜を備えるため、従来より少ない放射線照射量で液晶配向能を付与することができる。そのため、当該液晶配向膜を備える液晶表示素子は、従来より安価に製造することができる。本発明の液晶表示素子は、例えば以下のようにして製造することができる。
上記のようにして液晶配向膜が形成された一対の基板を準備し、この一対の基板間に液晶が狭持された構成の液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、従来から知られている方法である。それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。
第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。
いずれの方法による場合でも、次いで、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。ここで、液晶配向膜が形成された2枚の基板における、照射した直線偏光放射線の偏光方向のなす角度及びそれぞれの基板と偏光板との角度を適当に調整することにより、所望の液晶表示素子を得ることができる。
上記シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。
上記液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶等を用いることができる。ネマティック型液晶を形成する正の誘電異方性を有するものが好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が用いられる。また上記液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステリック液晶;
商品名「C−15」、「CB−15」(以上、メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;
p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート等の強誘電性液晶等を、さらに添加して使用してもよい。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、又はH膜そのものからなる偏光板等を挙げることができる。
かくして製造された本発明の液晶表示素子は、表示特性、電気特性等の諸性能に優れるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<ポリアミック酸の合成>
[合成例1]
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物0.1モル(24.82g)と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン0.1モル(41.05g)をN−メチル−2−ピロリドン373.26gに溶解し、室温で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールと混合し、反応生成物を沈殿させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させてポリアミック酸A−1を65g(収率98.7%)得た。
[合成例2〜3]
ジアミン化合物を下記D−2〜D−3とした以外は合成例1と同様にしてポリアミック酸重合体A−2〜A−3を得た。
[ジアミン化合物]
D−1:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
D−2:p−フェニレンジアミン
D−3:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
[比較合成例1]
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.1モル(19.61g)と、上記D−1化合物0.1モル(41.05g)をN−メチル−2−ピロリドン343.74gに溶解し、室温で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールと混合し、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥して、ポリアミック酸a−1を60g(収率98.9%)得た。
[比較合成例2〜3]
ジアミン化合物を上記D−2〜D−3とした以外は比較合成例1と同様にしてポリアミック酸重合体a−2〜a−3を得た。
<液晶配向剤の調製>
[実施例1]
上記合成例1で得たポリアミック酸(A−1)を含有する溶液に、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加え、さらにエポキシ化合物としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを重合体の合計100質量部に対して20質量部加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=60:40(質量比)、固形分濃度2.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過することにより、液晶配向剤(B−1)を調製した。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
実施例1において、A−1に代えて、合成例2〜3、比較合成例1〜3で得られたポリアミック酸A−2〜A−3、a−1〜a−3をそれぞれ使用した以外は実施例1と同様にして液晶配向剤B−2〜B−3、b−1〜b−3を調製した。
<液晶表示素子の製造>
上記で調製した液晶配向剤(B−1〜B−3、b−1〜b−3)をそれぞれITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、200℃で1時間乾燥して薄膜を形成した。この薄膜表面に、Hg−Xeランプを用いて、254nmの輝線を含む偏光の紫外線8,000J/m、10,000J/m、又は50,000J/mを、基板法線方向から照射した。次に、上記光照射処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、光照射方向が反平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の偏光紫外線の光軸の基板面への射影方向と一方は直交し、もう一方は平行となるように貼り合わせて液晶表示素子を作製した。
上記それぞれの液晶表示素子について、下記評価を行った。結果を表1に示す。
<評価>
[液晶配向性]
液晶表示素子において、電圧をオン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」、異常ドメインがひとつでもある場合を「不良」と判定した。
[電圧保持率]
偏光紫外線照射量8,000J/mで作製した液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は東陽テクニカ社製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を「良好」、それ以外の場合を「不良」と判断した。
Figure 0005879861
表1に示すように、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有する実施例のポリアミック酸を含有する液晶配向剤は、放射線に対する感度が高く、8000J/mの低照射量でも、得られる液晶配向膜を備える液晶表示素子の液晶配向性は良好となった。また、電圧保持率も良好であった。それと比較して、比較例では8000J/mの低照射量では異常ドメインが観察され、液晶配向性は不良となった。以上より本発明の液晶配向剤は、放射線感度に優れ、低照射量の放射線照射で、優れた液晶配向性を有する液晶配向膜を形成することができることが明らかとなった。
本発明の液晶配向剤は、放射線感度に優れ、低照射量の光配向法により、良好な液晶配向性及び電気的特性等の諸性能を有する液晶配向膜及びそれを備える液晶表示素子を形成することが可能である。本発明の液晶配向剤によると、光配向に必要な放射線照射量を低減することができるため、低コスト化が実現できる。

Claims (1)

  1. (1)基板上に液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程、及び
    (2)上記塗膜に偏光した紫外線を照射し、液晶配向能を付与する工程
    を含む液晶配向膜の形成方法であって、
    上記液晶配向剤が、少なくともビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸及び/又は上記ポリアミック酸を脱水閉環して得られるポリイミド(但し、上記ポリアミック酸及び上記ポリイミドからアリールアクリロイル基を含むものを除く)を含有し、
    上記ポリアミック酸において、ビシクロ[2.2.2]オクテン骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とに由来するアミック酸構造単位の含有割合が、全重合体の全構造単位に対して50〜100モル%であり、
    上記ポリアミック酸が下記式(1)で表される構造単位を有し、上記ポリイミドが下記式(2)で表される構造単位を有することを特徴とする液晶配向膜の形成方法。
    Figure 0005879861
    (式(1)及び(2)中、R及びRは、それぞれ独立して2価の有機基である。)
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