JP3357502B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

Info

Publication number
JP3357502B2
JP3357502B2 JP11682495A JP11682495A JP3357502B2 JP 3357502 B2 JP3357502 B2 JP 3357502B2 JP 11682495 A JP11682495 A JP 11682495A JP 11682495 A JP11682495 A JP 11682495A JP 3357502 B2 JP3357502 B2 JP 3357502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
alignment film
synthesis example
group
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11682495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0836183A (ja
Inventor
繁光 水嶋
典子 渡辺
洋子 岩越
誠司 牧野
繁生 河村
祐輔 津田
信夫 別所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Sharp Corp
Original Assignee
JSR Corp
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp, Sharp Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP11682495A priority Critical patent/JP3357502B2/ja
Publication of JPH0836183A publication Critical patent/JPH0836183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3357502B2 publication Critical patent/JP3357502B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の製造方法
に関する。さらに詳しくは、液晶配向膜としたとき液晶
の配向性が良好で、液晶配向膜への放射線照射で液晶の
発現するプレチルト角が変化する液晶配向剤を用いた液
晶表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の誘電異方性を有するネマチッ
ク型液晶をポリイミドなどからなる液晶配向膜を有する
透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、液晶分子の
長軸が基板間で90〜270度連続的に捻れるようにし
てなるTN型(Twisted Nematic)またはSTN型(Sup
er Twisted Nematic)液晶セルを有する液晶表示素子
(以下「TN−STN型表示素子」という)が知られて
いる。しかしながら、このTN−STN型表示素子は屈
折率異方性を有する液晶分子の立ち上がりおよび立ち下
がりを利用して、表示のON、OFFを行っているた
め、特に中間調表示において、表示の視野角が狭いとい
う問題を有している。
【0003】すなわち、例えば電圧の無印加時に白表示
となるTN−STN型表示素子のノーマリーホワイトモ
ードにおいては、正面から見た時の電圧−透過率特性は
図1のL1のようになり、印加電圧を上げると透過率は
下がっていく。ところが、液晶の立ち上がり方向である
正視角方向に立って斜めから見ると、電圧−透過率特性
は図1のL2のようになり、印加電圧を上げると透過率
も高くなる部分が生じる。この部分で階調の逆転が生
じ、画像の白黒が反転する。また、正視角方向の逆側に
立って斜めから見ると、電圧−透過率特性は図1のL3
のようになり、白黒のコントラスト比がかなり低下す
る。これを解決するために、高、低、2種類のプレチル
ト角を示す液晶配向膜を塗布した2枚の基板を、プレチ
ルト角の高い部分と低い部分が上下間で互に対になるよ
うに組み合わせることで、液晶の配向分割を行い、表示
の視野角を広くする試みが報告されている(SID’9
2 Digest,p.798)。
【0004】プレチルト角の高い部分と低い部分が上下
間で対になるように組み合わせると液晶はプレチルト角
の高いほうの配向方向に従って旋回する。これを利用し
て上基板のプレチルト角が高い部分と、下基板のプレチ
ルト角が高い部分で液晶の配向方向を逆にし、一絵素内
で正逆2方向の視野角を得ることができる。これにより
視野角特性は均一化され(L4)、正逆どちらの側から
も白黒反転やコントラストの急激な低下のない良好な表
示が得られる。このような液晶表示素子の構造の一例と
して図2が挙げられるが、配向方向はプレチルト角の大
小の関係で任意に決めることができるので、これに制限
されるものではない。図3には比較のため従来の液晶表
示素子の構造の一例を示した。
【0005】同一基板上に高、低、2種類のプレチルト
角を示す液晶配向膜を形成する方法としては、例えば図
4に示すような方法が知られている。まず、基板に液晶
配向膜Aを形成する。その上に、液晶が液晶配向膜Aと
は異なるプレチルト角を発現する液晶配向膜B(例えば
プレチルト角として液晶配向膜A上では7°、液晶配向
膜B上では1°)を形成する。さらに、その上にアルカ
リ現像型のポジレジストを形成し、所定のパターンを通
して露光、現像を行うことによって露光部のレジストと
液晶配向膜Bを除去する。その後、未露光部のレジスト
を除去することにより、露光部と未露光部のパターンに
従って、液晶配向膜Aと液晶配向膜Bの領域、即ちプレ
チルト角の低い領域と高い領域のパターンが形成され
る。
【0006】上記パターン形成方法は、液晶配向膜に対
する要求特性が厳しく、工程が複雑なうえに、液晶表示
素子の電気特性を悪化させるなどの点で問題があるた
め、これに変わる新しい方法として、基板上の液晶配向
膜に直接放射線を照射し、それによって引き起こされる
液晶配向膜の変質を利用したプレチルト角の制御方法が
提案されている(EP613037A参照)。
【0007】しかしながら、従来の液晶配向剤を使用し
た場合、放射線照射によりプレチルト角が変化しないも
のや、変化する場合でも、所望のプレチルト角の高低差
を得るためにかなりの照射エネルギーを要することか
ら、前述の用途に対するものとしては満足できるもので
はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
配向膜としたとき液晶の配向性が良好で、液晶配向膜へ
の放射線照射によるプレチルト角の変化を少ない照射エ
ネルギーで且つ短時間で起こすことが可能な液晶配向剤
を用いた液晶表示素子の製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的および利点は以下の説明から明ら
かとなろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、一対の基板の少なくとも一方
の基板に、下記式(1)
【0010】
【化3】
【0011】ここで、R1およびR2はそれぞれ4価およ
び2価の有機基である、但しこれらの有機基の少なくと
も一方は脂肪族または脂環族の炭化水素基であるかある
いは脂肪族または脂環族の炭化水素基を含む基である、
で表わされる構造単位(以下「特定構造単位I」とい
う)、および下記式(2)
【0012】
【化4】
【0013】ここで、R3およびR4はそれぞれ4価およ
び2価の有機基である、但しこれらの有機基の少なくと
も一方は脂肪族または脂環族の炭化水素基であるかある
いは脂肪族または脂環族の炭化水素基を含む基である、
で表わされる構造単位(以下「特定構造単位II」とい
う)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位
を含有してなる液晶配向剤(但し、上記式(1)の構造
単位を含有しないときには、上記式(2)の構造単位は
3 がシクロブタン環の構造単位でないものとする)
塗布・焼成して液晶配向膜を形成する工程と、該液晶配
向膜の形成された該基板に部分的に放射線を照射して該
液晶配向膜の液晶のプレチルト角を、放射線照射した後
と放射線照射する前とで比較したとき、2.8°〜10
°変化させる工程からなる、ことを特徴とする液晶表示
素子の製造方法によって達成される。
【0014】本発明に用いられる特定構造単位Iを主と
して含有する重合体(以下「特定重合体I」という)は
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させ
ることによって得られ、特定構造単位IIを主として含
有する重合体(以下「特定重合体II」という)は相当
する特定構造単位Iを含有する重合体の該構造単位Iを
熱的にあるいは触媒を使用して化学的に、イミド化する
ことによって得ることができる。また、特定重合体I製
造時に、重合体の分子量調節、基板への塗布性改善ある
いはプレチルト角付与などの目的で、酸無水物やモノア
ミン化合物を添加することも可能である。こうして調整
された末端修飾型の特定重合体Iおよびそのイミド化重
合体である特定重合体IIもなんら問題なく本発明の液
晶配向剤として使用できる。なお、特定重合体I、特定
構造重合体II中に含まれる脂肪族および/または脂環
族の炭化水素基は上記テトラカルボン酸二無水物および
ジアミン化合物の少なくともいずれかに含有されていれ
ばよく、2成分以上に重複して含有されていればより好
ましい。
【0015】本発明において、液晶配向剤の場合の特定
構造単位Iおよび/または特定構造単位IIの重合体中
における存在割合は、有機溶剤に対する溶解性の点か
ら、好ましくは40〜100モル%、特に好ましくは6
0〜100モル%、最も好ましくは70〜100モル%
である。また、本発明において、液晶配向素子が有する
液晶配向膜を形成する重合体中の特定構造単位IIの存
在割合は、液晶配向性の点から、後記する本焼成後にお
いて、好ましくは40〜100モル%、特に好ましくは
60〜100モル%、最も好ましくは70〜100モル
%である。
【0016】なお、本発明において、特定重合体Iは実
質的にポリアミック酸と称され、特定重合体IIは実質
的にポリイミドと称されるものであり、通常、特定重合
体Iは下記式(A)
【0017】
【化5】
【0018】ここで、R1およびR2はそれぞれ4価およ
び2価の有機基である、但しこれらの有機基の少なくと
も一方は脂肪族または脂環族の炭化水素基であるかある
いは脂肪族または脂環族の炭化水素基を含む基であり、
nは繰返し単位数を示す、
【0019】で表わされ、特定重合体IIは下記式
(B)
【0020】
【化6】
【0021】ここで、R3およびR4はそれぞれ4価およ
び2価の有機基である、但しこれらの有機基の少なくと
も一方は脂肪族または脂環族の炭化水素基であるかある
いは脂肪族または脂環族の炭化水素基を含む基であり、
nは繰返し単位数を示す、
【0022】で表わされるが、特定重合体IIの場合に
は特定構造単位Iが含有されることがある。
【0023】テトラカルボン酸二無水物としては、例え
ばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−
トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6
−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、
2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二
無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,
5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族または
脂環族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無
水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカル
ボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,
4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキ
サイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニル
フタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェ
ニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタ
ン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙
げることができる。これらのうちでは1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−
トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソ
テトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,
2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボ
ン酸二無水物が好ましく、1,2,3,4−シクロブタン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物が特に好ましい。これらは
1種単独でまたは2種以上組合せて用いられる。
【0024】また、ジアミン化合物としては、例えば
3,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレ
ン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)
−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオ
レン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレ
ン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジア
ミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
ノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメト
キシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−
(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタ
フルオロビフェニル、下記式(3)
【0025】
【化7】
【0026】で表わされるジアミンなどの芳香族ジアミ
ン;
【0027】ジアミノテトラフェニルチオフェンなどの
ヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシ
リレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノ
ヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペン
タジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ
インダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,
1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’
−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族
または脂環族ジアミン;下記式(4)
【0028】
【化8】
【0029】〔式中、R9、R10、R11およびR12は互
に独立に水素原子またはメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基などのアルキル基を示す〕で表わされるアルキル
置換フェニレンジアミン類、例えばp−フェニレンジア
ミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベ
ンゼンなど;下記式(5)
【0030】
【化9】
【0031】〔式中、R13、R14、R15、R16、R17
18、R19およびR20は互に独立に水素原子またはメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基を示
す〕で表わされる置換ジフェニルメタン類、例えば4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル
−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど;下記式
(6)
【0032】
【化10】
【0033】〔式中、R21は -O-, -COO-, -OCO-, -NHC
O-, -CONH- および -CO- から選ばれる2価の有機基を
示し、R22は1価の有機基を示す〕で表わされる置換フ
ェニレンジアミン類、例えばR22にステロイド骨格を有
する下記式(7)
【0034】
【化11】
【0035】で表わされるジアミン;
【0036】トリフルオロメチルフェニル基を有する
3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズア
ニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチル
ベンズアニリドなど;下記式(8)
【0037】
【化12】
【0038】〔式中、R23はメチル基、エチル基、プロ
ピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基またはフェニル基などのアリール基のよう
な炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3、q
は1〜20のそれぞれ整数を示す〕で表わされるジアミ
ノオルガノシロキサンなどが挙げられる。
【0039】これらの中で、p−フェニレンジアミン、
2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ
エチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−
ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、
4、4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタ
フルオロビフェニル、3,5−ジアミノ−4’−トリフ
ルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’
−トリフルオロメチルベンズアニリドおよび上記式
(8)で表わされるジアミンが好ましい。特に、p−フ
ェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,5−
ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、
3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズア
ニリドおよび上記式(8)で表わされるジアミンがとり
わけ好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組合せ
て使用できる。
【0040】末端修飾用の好適な酸無水物としては、例
えば無水マレイン酸、無水フタル酸、下記式(9)
【0041】
【化13】
【0042】で表わされる化合物などが挙げられる。
【0043】末端修飾用のモノアミンとしては、例えば
アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、
n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチ
ルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n
−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシル
アミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミ
ン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミ
ン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミ
ン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。
【0044】本発明の特定構造単位Iおよび特定構造単
位IIにおいては、R1、R2、R3およびR4における脂
肪族または脂環族の炭化水素基あるいは脂肪族または脂
環族の炭化水素基を含む基は、前記脂肪族または脂環族
テトラカルボン酸二無水物または脂肪族または脂環族ジ
アミンあるいは脂肪族または脂環族の炭化水素基を含む
テトラカルボン酸二無水物またはジアミンに由来するも
のである。
【0045】本発明に用いられる特定重合体Iは、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、有機溶媒中
で、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜10
0℃の反応温度で反応させることにより得られる。テト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、
ジアミン化合物中のアミノ基1当量に対してテトラカル
ボン酸二無水物の酸無水物基を0.2〜2当量とするの
が好ましく、より好ましくは0.3〜1.2当量である。
また、この反応時に末端修飾用の酸無水物、あるいはモ
ノアミンの添加が可能であることは前述のとおりであ
る。
【0046】上記有機溶媒としては、反応で生成する特
定重合体Iを溶解しうるものであれば特に制限はない。
例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン
系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノー
ル、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙
げることができる。有機溶媒の使用量は、通常、テトラ
カルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量が、反
応溶液の全量に対して0.1〜30重量%になるように
するのが好ましい。
【0047】本発明に用いられる特定重合体IIは、上
記した特定重合体Iを、加熱して、または脱水剤および
イミド化触媒の存在下処理してイミド化することにより
得られる。加熱によりイミド化する場合の反応温度は、
好ましくは60〜250℃、より好ましくは100〜1
70℃である。反応温度が60℃未満では反応の進行が
遅れ、また250℃を越えると特定重合体IIの分子量
が大きく低下することがある。また、脱水剤およびイミ
ド化触媒の存在下でイミド化する場合の反応は、前記し
た有機溶媒中で行うことができる。反応温度は、好まし
くは0〜180℃、より好ましくは60〜150℃であ
る。脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。また、イミド化触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができる。脱水剤の使用量は、相当
する特定重合体Iの繰り返し単位1モルに対して1.6
〜20モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒の
使用量は使用する脱水剤1モルに対し、0.5〜10モ
ルとするのが好ましい。
【0048】また、前記有機溶媒には、特定重合体II
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類を生成
する特定重合体IIが析出しない程度に併用することが
できる。かかる貧溶媒としては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シク
ロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテルの如きア
ルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチ
ル、マロン酸ジエチルの如きエステル類;ジエチルエー
テル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレング
リコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プ
ロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエ
ーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル
類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−
ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、
o−ジクロルベンゼンの如きハロゲン化炭化水素類およ
びヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンの如き炭化水素類などを挙げることができ
る。
【0049】このようにして得られる特定重合体Iまた
はIIの固有粘度[ηinh=(lnηrel/C、C=
0.5g/dl、30℃、N−メチル−2−ピロリドン
中、以下同条件にて固有粘度を測定]は、好ましくは
0.05〜10dl/gであり、より好ましくは0.05
〜5dl/gである。
【0050】また、本発明の液晶配向剤は、特定重合体
Iおよび/または特定重合体IIと基板との接着性を改
善する目的で、シランカップリング剤を含有することが
できる。シランカップリング剤としては、例えば3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルト
リメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシ
リルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキ
シシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリ
メトキシイシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−
トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−
トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテー
ト、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルア
セテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシ
エチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランな
どが挙げられる。
【0051】また、本発明の液晶配向剤は、放射線に対
する感度向上のために、光増感剤、光ラジカル発生剤、
光酸発生剤などの各種添加剤を含有することもできる。
上記光増感剤としては、3−ベンゾイルベンゾ〔f〕ク
マリン(コダック社製)などのクマリン類を、光ラジカ
ル発生剤としてはCGI−369(CIBA−GEIG
Y社製)などのケトン含有化合物を、また光酸発生剤と
しては2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’
−メトキシナフチル)−s−トリアジンなどのトリアジ
ン化合物を、それぞれの代表例として挙げることができ
る。
【0052】本発明の液晶配向剤は薄膜として放射線を
照射すると、照射する前と比較して、液晶のプレチルト
角を変化させる性質を示す。
【0053】本発明の液晶配向剤のこの性質を利用し
て、配向分割方式の液晶表示素子は、例えば次の方法に
よって製造することができる(図5参照)。まず、透明
導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液
晶配向剤をロールコーター法、スピンナー法、印刷法な
どで塗布し、例えば60〜100℃で仮焼成を行う。次
に、得られた液晶配向膜に所定のパターンのマスクを介
して部分的に、例えば紫外線を照射し、その後、120
〜300℃、好ましくは130〜250℃の温度で本焼
成を行う。得られた塗膜は、通常0.001〜1μm、
好ましくは0.005〜0.5μmの膜厚であり、紫外線
照射部位と未照射部位でプレチルト角が異なる。プレチ
ルト角の高低差は2.8°〜10°である。
【0054】放射線としては、薄膜の上記の如き変質を
誘発するものであれば、特に制限はなく、紫外線、電子
線、X線、レーザー光線などが使用できる。その中では
300nm以下の波長の放射線が好ましい。さらに、一
括露光の可能性からメタルハライドランプ、水銀キセノ
ンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどを光源
とする紫外線が特に好ましい。形成された塗膜は、ナイ
ロンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロールでラ
ビング処理を行い、液晶配向膜とされる。なお、塗膜へ
の放射線照射は、塗膜の本焼成後、あるいはラビング処
理後に行ってもよい。
【0055】上記基板としては、例えばフロートガラ
ス、ソーダガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルス
ルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム
などからなる透明基板を用いることができる。上記透明
導電膜としては、例えばSnO2からなるNESA膜、
In23−SnO2からなるITO膜などを用いること
ができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フ
ォト・エッチング法、予めマスクを用いる方法などが用
いられる。
【0056】液晶配向剤の塗布に際しては、基板および
透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするため
に、基板および透明導電膜上に、予めシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤などを塗布することもでき
る。プレチルト角の高低によるパターンを持つ液晶配向
膜が形成された基板は、好ましくはその2枚を液晶配向
膜のラビング方向が直交または逆平行となるように、さ
らにプレチルト角の高い領域と低い領域が上下間で互に
対向するよう配置させ、基板の間の周辺部をシール剤で
シールし、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルと
し、その両面に偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜の
ラビング方向と一致または直交するように偏光板を張り
合わせることにより液晶表示素子とされる。
【0057】上記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、
例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶、そ
の中でもネマティック型液晶を形成させるものが好まし
い。例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフ
ェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステ
ル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキ
サン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビ
シクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられ
る。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライ
ド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネー
トなどのコレステリック液晶や商品名C−15、CB−
15(メルク社製)として販売されているようなカイラ
ル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p
−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することが
できる。
【0058】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板などを挙げることができる。
【0059】
【作用】本発明によれば、放射線照射によるプレチルト
角変化が少ない照射エネルギーで起こる液晶配向膜が得
られ、これに放射線を選択的に照射することによって、
容易に信頼性に優れた広視野角液晶表示素子を得ること
ができる。配向膜に放射線を照射してエネルギーを与え
ることにより、配向膜の表面状態に変化が生じ、プレチ
ルト角が変化する。このような変化を起こすエネルギー
を与える放射線として、紫外線、可視光線、赤外線やこ
れらの波長のレーザー光線、X線などが挙げられる。
【0060】本発明の液晶配向剤に最も適しているのは
紫外線及びそのレーザー光線であり、従来、配向を良好
に制御できるプレチルト角差2”を得るのに、20J/
cm 2以上の照射量(メタルハライドランプ、365n
m換算)が必要であったのに対し、本発明の液晶配向剤
を用いた配向膜では、必要な照射量を10J/cm2
下に低減でき、広視野角の液晶表示素子を生産性よく作
ることが可能となった。また、このようにして作成され
た液晶表示素子は、フォトリソグラフィーの工程を必要
としないので、液晶の特性に悪影響がもたらされること
がなく、信頼性に優れたものとなっている。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。実施例中におけるプレチルト角の測定は、
T.J. Scheffer, et al., J. Appl.Phys., 19, 2013 (19
80)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用
いる結晶回転法により行った。また、液晶セルの配向性
評価は、電圧をオン・オフさせた時の液晶セル中の異常
ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインの
ない場合良好と判断した。なお、プレチルト角の測定
は、2枚の基板を、ラビング方向が逆平行になるよう
に、さらにプレチルト角の高い領域同士およびプレチル
ト角の低い領域同士が2枚の基板間で互に対向するよう
に張り合わせた液晶セルを用いて行った(図6参照)。
また、配向性の評価は、2枚の基板を、ラビング方向が
直交するように、さらにプレチルト角の高い領域と低い
領域が2枚の基板間で互に対向するように張り合わせた
液晶セルを用いて行った(図7参照)。
【0062】合成例1 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
(以下「酸無水物」という)29.80g、p−フェニ
レンジアミン14.16gおよび前記式(8)で表わさ
れるジアミン1.04gをN−メチル−2−ピロリドン
405gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次い
で、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成
物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下
40℃で15時間乾燥させて、固有粘度1.06dl/
gの特定重合体I(Ia)40.35gを得た。
【0063】合成例2 合成例1で得られた特定重合体I(Ia)40.00g
に、800gのN−メチル−2−ピロリドン、52.5
8gのピリジンと40.71gの無水酢酸を添加し、1
15℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応生
成液を合成例1と同様にして沈澱させ、固有粘度1.0
8dl/gの特定重合体II(IIa)35.65gを
得た。
【0064】合成例3 合成例1において、酸無水物を28.58g、p−フェ
ニレンジアミンを13.10gおよび前記式(8)で表
わされるジアミンを3.32gとした以外は合成例1と
同様にして特定重合体I(Ib)を得た。さらにこの特
定重合体I(Ib)を用いて合成例2と同様にしてイミ
ド化反応を行い、固有粘度0.99dl/gの特定重合
体II(IIb)36.30gを得た。
【0065】合成例4 合成例1において、酸無水物を27.00g、p−フェ
ニレンジアミンを11.72gおよび前記式(8)で表
わされるジアミンを6.28gとした以外は合成例1と
同様にして特定重合体I(Ic)を得た。さらにこの特
定重合体I(Ic)を用いて合成例2と同様にしてイミ
ド化反応を行い、固有粘度0.94dl/gの特定重合
体(IIc)36.55gを得た。
【0066】合成例5 合成例1において、酸無水物を26.24g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを10.13g、前記式
(8)で表わされるジアミンを6.10g、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルフィドを2.53gとした以外は
合成例1と同様にして特定重合体I(Id)を得た。さ
らにこの特定重合体II(Id)を用いて合成例2と同
様にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.92dl/
gの特定重合体(IId)35.43gを得た。
【0067】合成例6 合成例1において、酸無水物を20.05g、ジアミン
として4,4’−ジアミノジフェニルメタン13.30g
および前記式(8)で表わされるジアミンを11.65
gとした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(I
e)を得た。さらにこの特定重合体I(Ie)を用いて
合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度
0.91dl/gの特定重合体II(IIe)36.07
gを得た。
【0068】合成例7 合成例1において、酸無水物を25.12g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミン4.85g、2,3,5,6
−テトラメチル−1,4−ジアミノミベンゼン9.20g
および前記式(8)で表わされるジアミンを5.84g
とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(I
f)を得た。さらにこの特定重合体I(If)を用いて
合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度
0.99dl/gの特定重合体(IIf)36.60gを
得た。
【0069】合成例8 合成例1において、酸無水物を19.25g、ジアミン
として3,3’ージメチル−4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン14.57gおよび前記式(8)で表わされる
ジアミンを11.18gとした以外は合成例1と同様に
して特定重合体I(Ig)を得、さらにこの特定重合体
I(Ig)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応
を行い、固有粘度0.94dl/gの特定重合体II
(IIg)35.30gを得た。
【0070】合成例9 合成例1において、酸無水物を23.47g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを7.36g、前記式
(4)で表わされるジアミンを8.18g、前記式
(8)で表わされるジアミンを6.00gとした以外は
合成例1と同様にして特定重合体I(Ih)を得た。さ
らにこの特定重合体I(Ih)を用いて合成例2と同様
にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.96dl/g
の特定重合体II(IIh)35.44gを得た。
【0071】合成例10 合成例1において、酸無水物を29.98g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを13.42g、前記式
(8)で表わされるジアミンを1.35g、n−ヘキサ
デシルアミン1.25gとした以外は合成例1と同様に
して特定重合体I(Ii)を得た。さらにこの特定重合
体I(Ii)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反
応を行い、固有粘度0.93dl/gの特定重合体(I
Ii)34.85gを得た。
【0072】合成例11 合成例1において、酸無水物を28.74g、ジアミン
として、p−フェニレンジアミンを13.17g、モノ
アミンとしてn−ヘキサデシルアミンを3.09gとし
た以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ij)を
得た。さらにこの特定重合体I(Ij)を用いて合成例
2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.89
dl/gの特定重合体II(IIj)34.08gを得
た。
【0073】合成例12 合成例1において、酸無水物を5−(2,5−ジオキソ
テトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸二無水物26.14g、ジアミ
ンとしてp−フェニレンジアミンを8.56g、前記式
(8)で表わされるジアミンを10.30gとした以外
は合成例1と同様にして特定重合体I(Ik)を得た。
さらにこの特定重合体I(Ik)を用いて合成例2と同
様にしてイミド化反応を行い、固有粘度0.88dl/
gの特定重合体II(IIk)34.90gを得た。
【0074】合成例13 合成例1において、酸無水物を1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオン27.52g、ジアミンとしてp−フェニレ
ンジアミンを7.93g、前記式(8)で表わされるジ
アミンを9.55gとした以外は合成例1と同様にして
特定重合体I(Il)を得た。さらにこの特定重合体I
(Il)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を
行い、固有粘度0.87dl/gの特定重合体II(I
Il)34.30gを得た。
【0075】合成例14 合成例1において、酸無水物をビシクロ[2.2.2]−
オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二
無水物25.45g、ジアミンとしてp−フェニレンジ
アミンを8.87g、前記式(8)で表わされるジアミ
ンを10.68gとした以外は合成例1と同様にして特
定重合体I(Im)を得た。さらにこの特定重合体I
(Im)を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を
行い、固有粘度0.86dl/gの特定重合体II(I
Im)36.51gを得た。
【0076】合成例15 合成例1において、酸無水物を32.78g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを7.91g、3,5−ジ
アミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリドを
4.32gとした以外は合成例1と同様にして特定重合
体I(In)を得た。さらにこの特定重合体I(In)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.91dl/gの特定重合体II(IIn)3
6.40gを得た。
【0077】合成例16 合成例1において、酸無水物を32.78g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを7.91g、3,5−ジ
アミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリドを
4.32gとした以外は合成例1と同様にして特定重合
体I(Io)を得た。さらにこの特定重合体I(Io)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.89dl/gの特定重合体II(IIo)3
6.45gを得た。
【0078】合成例17 合成例1において、酸無水物を15.14g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを2.74gおよび2,2
−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフ
ェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンを27.
12gとした以外は合成例1と同様にして特定重合体I
(Ip)を得た。さらにこの特定重合体I(Ip)を用
いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固有粘
度0.92dl/gの特定重合体II(IIp)36.5
4gを得た。
【0079】合成例18 合成例1において、酸無水物を25.94g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを9.39g、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンを
9.67gとした以外は合成例1と同様にして特定重合
体I(Iq)を得た。さらにこの特定重合体I(Iq)
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度0.92dl/gの特定重合体II(IIq)3
6.00gを得た。
【0080】合成例19 合成例1において、酸無水物を1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物25.54g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを12.68g、前記式
(8)で表わされるジアミンを6.78gとした以外は
合成例1と同様にして特定重合体I(Ir)39.76
gを得た。
【0081】合成例20 合成例1において、酸無水物を1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物21.51g、ジアミン
としてp−フェニレンジアミンを5.93g、4,4’−
ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフ
ェニルを17.56gとした以外は合成例1と同様にし
て特定重合体I(Is)40.12gを得た。
【0082】合成例21 合成例1において、酸無水物を1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物14.55g、ジアミン
として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパンを30.45gとした以外は合成例1
と同様にして特定重合体I(It)39.11gを得
た。
【0083】合成例22 合成例1において、酸無水物を1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物14.46g、ジアミン
として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパンを28.76g、モノアミンとしてn
−ヘキサデシルアミンを1.78gとした以外は合成例
1と同様にして特定重合体I(Iu)40.54gを得
た。
【0084】合成例23 合成例1において、酸無水物をピロメリット酸二無水物
28.30g、ジアミンとして、p−フェニレンジアミ
ンを13.33g、前記式(7)で表わされるジアミン
を3.34gとした以外は合成例1と同様にして特定重
合体I(Iv)39.76gを得た。
【0085】合成例24 合成例1において、酸無水物をピロメリット酸二無水物
26.99g、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン
を12.04g、モノアミンとしてn−ヘキサデシルア
ミンを5.97gとした以外は合成例1と同様にして特
定重合体I(Iw)39.77gを得た。
【0086】合成例25 合成例1において、酸無水物をピロメリット酸二無水物
22.70g、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン
を5.63g、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(ト
リフルオロメチル)ビフェニルを16.67gとした以
外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ix)40.
16gを得た。
【0087】合成例26 合成例1において、酸無水物をピロメリット酸二無水物
23.38g、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン
を5.80g、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメ
チルベンズアニリドを15.82gとした以外は合成例
1と同様にして特定重合体I(Iy)40.22gを得
た。
【0088】実施例1 合成例2で得られた特定重合体(IIa)5gをγ−ブ
チロラクトン120gに溶解させて、固形分濃度4重量
%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾
過し、液晶配向剤溶液を調製した。この溶液を、ITO
膜からなる透明電極付きガラス基板の上に透明電極面
に、回転数3000rpmで3分間スピンナーを用いて
塗布し、100℃×30秒の仮焼成を行った。つづい
て、プレチルト角測定用液晶表示素子の場合は、3cm
×3cmのパターンのマスクを介して、また配向性評価
用液晶表示素子の場合は100μm×100μmのパタ
ーンのマスクを介して、メタルハライドランプを光源と
する紫外線(365nmにおける光の強度;10J/c
2)を照射した。その後180℃で1時間、本焼成を
行い、0.05μmの塗膜を形成した。この際の塗膜を
形成する重合体中における特定構造単位IIの存在割合
は92モル%であった。
【0089】この塗膜にナイロン製の布を巻き付けたロ
ールを有するラビングマシーンにより、ロール毛足押し
込み長0.6mm、ロールの回転数500rpm、ステ
ージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。こ
の後、イソプロピルアルコール蒸気による洗浄を行い、
プレチルト角の高低のパターンを持つ液晶配向膜を有す
る基板を作製した。次に、一対のラビング処理された上
記基板の液晶配向膜側の外縁に、直径17μmの酸化ア
ルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷
で塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するよ
うに、また、プレチルト角測定の場合は、ラビング方向
が逆平行になるように、配向性評価の場合は、ラビング
方向が直交するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬
化させた。
【0090】次いで、液晶注入口より一対の基板間に、
ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−2001)
を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止
し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向が
それぞれの基板の液晶配向膜のラビング方向と一致する
ように張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた
液晶表示素子のプレチルト角を測定したところ、紫外線
照射領域で0.7°、未照射領域で3.5°であり、光照
射によるプレチルト角変化は大きいものであった。また
液晶表示素子の配向性はそれぞれの領域で良好であっ
た。
【0091】実施例2 実施例1にて得られた液晶配向膜を用いて、液晶表示素
子を作製した。図8に示すように、基板11上に絵素部
12、13が形成されており、この絵素部を覆って、液
晶配向膜14が形成されている。基板11の表面に対向
する位置には後述する放射線照射工程時のマスク15が
配置されている。本実施例によれば、先ず公知の方法に
より絵素部12、13を基板11に形成した。次にこの
絵素部12、13を覆って基板11の全面に液晶配向膜
14を形成した。本実施例では液晶配向膜14として、
実施例1にて得られた液晶配向剤を使用し、0.05μ
m厚の液晶配向膜を形成した。この際の液晶配向膜を形
成する重合体中における特定構造単位IIの存在割合は
92モル%であった。なお、本実施例では、液晶配向剤
の塗膜の仮焼成後にラビング処理を行った。次に、放射
線16を液晶配向膜14に照射した。この放射線16の
照射工程は液晶配向膜形成後の任意の時点で実施でき
る。具体的には、液晶配向剤塗布後、仮焼成後、本焼成
後、ラビング後、のいつでもよい。
【0092】マスク15を用いて放射線を照射した場
合、斜線で示される15aは、放射線16を透過しない
遮光部分である。斜線が施されていない部分15bは、
放射線16を透過する遮光部分である。透過部分は、絵
素領域の一部に対応している。マスク15としては、例
えば通常使用されるフォトマスクと同様のマスクを使用
することができる。また、マスクを用いずに、集光され
た放射線を所望の領域に照射してもよい。液晶配向膜1
4に照射する放射線としては、本実施例では紫外線を用
いた。
【0093】液晶表示素子を構成する上下両基板に放射
線照射を行った後、放射線照射をした部分と放射線照射
しなかった部分が対になるように上下基板を重ね合わせ
た。絵素の各部分で、放射線照射しなかった側、つまり
プレチルト角の高い側が配向方向を制御するので、1絵
素中に正逆2方向の視角方向を作成することができる。
このようにして得られた液晶表示素子は、正視角方向、
逆視角方向ともに反転現象や急激なコントラスト低下が
なく、従来の視野角45゜に対し80゜という広い視野
角が得られた。
【0094】実施例3〜15 実施例1において、合成例3〜15で得られた特定重合
体IIb〜IIを用いた以外は、実施例1と同様にし
て液晶表示素子を作製し、その液晶表示素子の配向性お
よび紫外線照射領域、未照射領域のプレチルト角を測定
した。結果を表1に示した。
【0095】
【表1】
【0096】実施例16〜20 実施例1において、合成例19〜23で得られた特定重
合体Ir〜Iv を用い、紫外線照射を本焼成後(250
℃×1時間)に行い、液晶としてネマチック型液晶(メ
ルク社製)ZLI−2293を使用した以外は、実施例
1と同様にして液晶表示素子を作製し、その液晶表示素
子の配向性およびプレチルト角を測定した。結果を表2
に示した。
【0097】
【表2】
【0098】比較例1 合成例24で得られた特定重合体I(Iw)を用いた以
外は、実施例16〜20と同様にして液晶表示素子を作
製しその評価を行ったところ、プレチルト角は紫外線照
射領域で4.6゜、未照射領域で5.5°であり、光照射
によるプレチルト角変化は少なく目的の液晶配向分割方
式の液晶表示素子を得ることができなかった。
【0099】比較例2 合成例25で得られた特定重合体I(Ix)を用いた以
外は、実施例16〜20と同様にして液晶表示素子を作
製しその評価を行ったところ、プレチルト角は紫外線照
射領域で5.3゜、未照射領域で5.1°であり、光照射
によるプレチルト角変化は少なく目的の液晶配向分割方
式の液晶表示素子を得ることができなかった。
【0100】比較例3 合成例26で得られた特定重合体I(Iy)を用いた以
外は、実施例16〜20と同様にして液晶表示素子を作
製しその評価を行ったところ、プレチルト角は紫外線照
射領域で7.2゜、未照射領域で7.0°であり、光照射
によるプレチルト角変化は少なく目的の液晶配向分割方
式の液晶表示素子を得ることができなかった。
【0101】
【発明の効果】本発明の方法によれば、液晶の配向性が
良好で、少ない放射線照射エネルギーでプレチルト角が
大きく変化する、広い視野角を有する配向分割方式のT
N−STN型表示素子用として好適な液晶配向膜を備え
た液晶表示素子が得られる。また、本発明により得られ
液晶表示素子は、使用する液晶を選択することによ
り、SH(Super Homeotropic)、強誘電性、反強誘電
性液晶表示素子にも好適に使用することができる。さら
に、本発明により得られる液晶表示素子は、液晶の配向
性および信頼性に優れ、種々の装置に有効に使用でき、
例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワー
ドプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビ
などの表示装置に用いられる。
【0102】本発明の好ましい実施態様を記載すれば以
下のとおりである。 1. 液晶配向分割方式の液晶表示素子に用いられる液晶
配向剤であって、前記式で表わされる構造単位、および
前記式(2)で表わされる構造単位よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の構造単位を含有してなり、且つ薄
膜として放射線照射した後と放射線照射する前とを比較
すると液晶のプレチルト角を変化させる性質を示す重合
体からなる液晶配向剤。 2. 一対の基板間に液晶層を有し、該基板と該液晶層の
間に液晶配向膜を有する液晶配向分割方式の液晶表示素
子であって、少なくとも一方の該液晶配向膜が上記1に
記載の液晶配向剤より形成されている液晶表示素子。 3. 前記液晶配向膜が微小な領域に区分され、該微小な
領域毎にその表面状態が異なるように処理されている上
記2の液晶表示素子。
【0103】4. 一対の基板の少なくとも一方の基板
に、上記1に記載の液晶配向剤を塗布・焼成して液晶配
向膜を形成する工程と、該液晶配向膜の形成された該基
板に部分的に放射線を照射する工程からなる、液晶表示
素子の製造方法。 5. 上記液晶配向剤が前記式(1)で表わされる構造単
位および前記式(2)で表わされる構造単位よりなる群
から選ばれる構造単位を、全構造単位に基づき、40〜
100モル%の範囲で含有する重合体からなる上記4の
液晶表示素子の製造方法。 6. 上記液晶配向剤が、前記式(A)で表わされる構造
体位、および前記式(B)で表わされる重合体よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の重合体からなる上記4
の液晶表示素子の製造方法。 7. 上記重合体のN−メチルピロリドン中30℃で測定
した固有粘度が0.05〜10dl/gである上記6の
液晶表示素子の製造方法。 8. 一対の基板の少なくとも一方の基板に、テトラカル
ボン酸二無水物および前記ジアミン化合物の少なくとも
いずれかに脂肪族および脂環族から選ばれる少なくとも
1種の炭化水素基が含有されているテトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物とを反応させて得られる重合体
および該重合体をイミド化することによって得られる重
合体よりなる群から選ばれる重合体からなる液晶配向剤
を塗布・焼成して配向膜を形成する工程と、該配向膜の
形成された該基板に部分的に放射線を照射する工程から
なる、液晶表示素子の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のTN−STN型表示素子の電圧−透過率
特性を示している。
【図2】同一基板上に高、低2種類のプレチルト角を示
す液晶配向膜を備えた液晶表示素子の構造の一例であ
る。
【図3】同一基板上に、同一プレチルト角を示す液晶配
向膜を備えた液晶表示素子の構造の一例である。
【図4】異なるプレチルト角を示す2種類の液晶配向剤
を使用して、同一基板上にプレチルト角の高低のあるパ
ターンを有する液晶配向膜を作製する方法の説明図であ
る。
【図5】本発明の感放射線性配向分割用液晶配向剤を使
用した、配向分割方式の液晶表示素子の作製方法の説明
図である。
【図6】プレチルト角測定に用いた液晶表示素子の断面
図である。
【図7】配向性評価に用いた液晶表示素子の断面図であ
る。
【図8】本発明の実施例における液晶配向膜を用いて液
晶表示素子を作成する際の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 液晶配向膜A(プレチルト角A) 3 液晶配向膜B(プレチルト角B) 4 ポジレジスト 5 放射線 6 フォトマスク 7 液晶配向膜A変質(プレチルト角C) 8 液晶層 11 基板 12 絵素部 13 絵素部 14 配向膜 15 マスク 16 放射線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 典子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 岩越 洋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 牧野 誠司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 河村 繁生 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 津田 祐輔 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 別所 信夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−36047(JP,A) 特開 昭63−66540(JP,A) 特開 平5−341293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板の少なくとも一方の基板に、 下記式(1) 【化1】 ここで、R1およびR2はそれぞれ4価および2価の有機
    基である、但しこれらの有機基の少なくとも一方は脂肪
    族または脂環族の炭化水素基であるかあるいは脂肪族ま
    たは脂環族の炭化水素基を含む基である、 で表わされる構造単位、および下記式(2) 【化2】 ここで、R3およびR4はそれぞれ4価および2価の有機
    基である、但しこれらの有機基の少なくとも一方は脂肪
    族または脂環族の炭化水素基であるかあるいは脂肪族ま
    たは脂環族の炭化水素基を含む基である、 で表わされる構造単位よりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の構造単位を含有してなる液晶配向剤(但し、上
    記式(1)の構造単位を含有しないときには、上記式
    (2)の構造単位はR 3 がシクロブタン環の構造単位で
    ないものとする)を塗布・焼成して液晶配向膜を形成す
    る工程と、該液晶配向膜の形成された該基板に部分的に
    放射線を照射して該液晶配向膜の液晶のプレチルト角
    を、放射線照射した後と放射線照射する前とで比較した
    とき、2.8°〜10°変化させる工程からなる、こと
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 一対の基板の少なくとも一方の基板に、
    テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の少な
    くともいずれかに脂肪族および脂環族から選ばれる少な
    くとも1種の炭化水素基が含有されているテトラカルボ
    ン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させて得られる
    重合体および該重合体をイミド化することによって得ら
    れる重合体よりなる群から選ばれる重合体(但し、テト
    ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させて
    得られる重合体を含有しないときには、該重合体をイミ
    ド化して得られる重合体はテトラカルボン酸二無水物と
    してシクロブタンテトラカルボン酸を用いたものでない
    ものとする)からなる液晶配向剤を塗布・焼成して配向
    膜を形成する工程と、該配向膜の形成された該基板に部
    分的に放射線を照射して該液晶配向膜の液晶のプレチル
    ト角を、放射線照射した後と放射線照射する前とで比較
    したとき、2.8°〜10°変化させる工程からなる、
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
JP11682495A 1994-05-17 1995-05-16 液晶表示素子の製造方法 Expired - Lifetime JP3357502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11682495A JP3357502B2 (ja) 1994-05-17 1995-05-16 液晶表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-102929 1994-05-17
JP10292994 1994-05-17
JP11682495A JP3357502B2 (ja) 1994-05-17 1995-05-16 液晶表示素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0836183A JPH0836183A (ja) 1996-02-06
JP3357502B2 true JP3357502B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=26443613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11682495A Expired - Lifetime JP3357502B2 (ja) 1994-05-17 1995-05-16 液晶表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3357502B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5731405A (en) * 1996-03-29 1998-03-24 Alliant Techsystems Inc. Process and materials for inducing pre-tilt in liquid crystals and liquid crystal displays
JP4221187B2 (ja) * 2002-03-29 2009-02-12 Jsr株式会社 インクジェット印刷用液晶配向剤
WO2004053582A1 (ja) 2002-12-09 2004-06-24 Hitachi Displays, Ltd. 液晶表示装置およびその製造方法
JP5879861B2 (ja) * 2010-11-01 2016-03-08 Jsr株式会社 液晶配向膜の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0836183A (ja) 1996-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100312150B1 (ko) 액정배향제및액정표시소자
JP5477572B2 (ja) 液晶配向剤および液晶配向膜の形成方法
JPH10104633A (ja) 液晶配向剤
KR100803507B1 (ko) 수직배향형 액정 배향제 및 이를 이용한 액정 표시 소자
JP2006337958A (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP3265567B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法及び液晶表示素子
JP2003107486A (ja) 横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子
JP3584457B2 (ja) ジアミン化合物、ポリアミック酸、ポリイミド、液晶配向剤および液晶表示素子
JP2000319510A (ja) 液晶配向剤および液晶配向処理方法
JP4788899B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP3603292B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
JP4045595B2 (ja) 液晶配向剤
JP3889077B2 (ja) 液晶表示素子
JPH09194725A (ja) 膜形成剤
JPH06175138A (ja) 液晶配向剤
JP4050487B2 (ja) 垂直配向型液晶配向剤および液晶表示素子
JP2008216985A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP4716061B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP3357502B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP3521576B2 (ja) ポリアミック酸の製造方法およびポリイミドの製造方法
JP2006154048A (ja) 液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子
JP3267347B2 (ja) 液晶配向剤
JP4793536B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP2006227597A (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JPH08122790A (ja) 液晶配向剤

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010521

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131004

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term