JP4062068B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子に関し、特に、液晶プロジェクタのように高強度の光線を発生する光源を使用する装置に適した反射型または透過型の液晶表示素子に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
液晶表示素子としては、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する反射電極を備えた反射基板との間に液晶層を注入した反射型液晶表示素子、または、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する透明電極を備えた透明基板との間に液晶層を注入した透過型液晶表示素子が知られている。液晶配向膜は液晶表示素子用基板上に形成された液晶配向剤被膜の表面にラビング処理を施すことにより形成され、液晶表示素子における液晶分子へ配向性を付与している。この液晶配向剤は、従来より芳香族系のジアミンを反応させて得たポリアミック酸またはポリイミド溶液を主成分として含有する組成物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、芳香族系のジアミンを反応させて得たポリアミド酸またはポリイミドは、分子内に存在する芳香環のために、液晶プロジェクタのように、高強度の光線を発生する光源を使用する場合、長時間表示すると不均一な表示むらの発生や、コントラスト比の低下など、光による劣化、すなわち、耐光性が不足するという問題がある。
【0004】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、耐光性に優れた液晶表示素子の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する反射電極を備えた反射基板との間、または、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する透明電極を備えた透明基板との間に液晶層を有する液晶表示素子において、前記配向膜は、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するポリイミド、
【化13】
または、下記一般式(2)に示す繰り返し単位を有するポリアミック酸
【化14】
(上記一般式(1)または(2)におけるXは、下記の式(3)で表される環状、線状または環状と線状構造を有する4価の脂肪族残基であり、Yは、環状、線状または環状と線状構造を有する2価の脂肪族残基である)
【化15】
からなる液晶表示素子を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、酸二無水物由来の環状、線状または環状と線状構造を有する4価の脂肪族残基Xとしては、下記の式(3)で表わされる化合物またはその異性体をあげることができる。
【化16】
【0007】
本発明において、ジアミン由来の環状、線状または環状と線状構造を有する2価の脂肪族残基Yとしては、下記一般式(4)〜(11)で表わされる化合物またはその異性体をあげることができる。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【0008】
本発明において、液晶プロジェクタのような高強度の光線を発生する光源を使用した場合でも、不均一な表示むらの発生やコントラスト比の低下等の光による劣化を抑止できる、耐光性に優れた液晶表示素子を実現できるのは、一般式(3)で表わされる化合物で代表される環状、線状または環状と線状構造を有する4価の脂肪族残基を有する酸二無水物と、一般式(4)〜(11)で表わされる化合物で代表される環状、線状または環状と線状構造を有する2価の脂肪族残基を有するジアミンを反応成分として使用ためである。また、このような酸二無水物とジアミンの組み合わせは、高い透明性を実現する上でも有用である。さらに、一般式(4)で表わされる化合物を使用することにより、高いプレチルト角の液晶表示素子を実現できる。
【0009】
酸二無水物とジアミンを有機溶媒中で反応させることにより、ポリアミック酸が生成され、更にポリアミック酸を熱処理あるいは無水酢酸を添加すること等により脱水閉環させることによりポリイミドを調整することができ、本発明の液晶配向剤はこれらポリアミック酸及びポリイミドのいずれか一方又は双方を主成分として含有するものである。
【0010】
また、ラクトン系の重合触媒を用い、加熱した有機極性溶媒中で酸二無水物とジアミンを反応させることにより直接イミド化して可溶性ポリイミドを得ることもできる。
【0011】
有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、アニソール、ジオキソラン、ブチルセルソルブアセテート、ラクトン系等が挙げられ、これら単独で使用することができるが、2種以上を混合して使用してもよい。重合触媒としてのラクトン系としては、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−テトロン酸、γ−フタリド、γ−フタリド酸、γ−クマリン等が挙げられ、ラクトン系とピリジン、キノリン、N−メチルモルフォリン等の塩基化合物との混合物も使用可能である。
【0012】
酸二無水物とジアミンを有機溶媒中で反応させて得られたポリアミック酸および/またはポリイミドを有機溶媒で希釈することにより、液晶配向剤が得られる。液晶配向剤には基板との接着性を向上させるためにシランカップリング剤やチタネートカップリング剤を少量添加しても良い。
【0013】
本発明の反射型液晶表示素子を適用した液晶プロジェクタの一例を図1に基づいて説明する。単結晶シリコン基板1上に各々が独立して配置されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ2、反射板を兼ねた反射画素電極4、MOSトランジスタ2を駆動する信号配線および反射画素電極4とMOSトランジスタ2を電気的に接続する配線等からなる配線層3、保護膜である誘電体膜5、および配向膜6で構成されるアクティブマトリクス基板12、配向膜9、透明電極10を有するガラス基板11で構成される対向ガラス基板13とを対向配置し、その間に液晶層8を挟持しセルを構成している。なお、液晶層8はアクティブマトリクス基板12と対向ガラス基板13との間に配置された柱状のスペーサ7によってその層厚を均一に保持されている。また、位相板14と偏光子および検光子を兼ねた偏光ビームスプリッタ15を備えた構成となっている。
【0014】
前記反射型アクティブマトリック基板12は、単結晶シリコン基板1上に液晶駆動用能動素子としてMOSトランジスタ2を用いたもので、シリコン基板、p型ウェハの上にソース拡散層、ソース電極、ドレイン拡散層、ドレイン電極、ポリシリコンゲートなどからMOSトランジスタ2を形成している。また、層間絶縁のためにスピンオングラス絶縁層を設けている。反射画素電極4の材料としては、可視光領域での反射率の良好な金属、例えば、アルミニウムあるいは銀等が挙げられる。上記反射画素電極4は、平坦な面上に形成した方が安定した膜形成が可能であり、かつ、良好な反射特性を得ることができるため、反射画素電極4の下地として設ける絶縁層は、表面研磨し平坦化しておくことが望ましい。
【0015】
次に、本発明の透過型液晶表示素子を適用した液晶プロジェクタの一例を図2に基づいて説明する。図2は、2灯3板式の液晶プロジェクタの光学系を示したものであり、照明装置21は、横並びに配置された二つの光源21A、21Bから成る。各光源における発光部22は、超高圧水銀ランプ、メタルはライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタ23によって平行光となって出射され、インテグレータレンズ24へと導かれる。インテグレータレンズ24は一対のレンズ群から構成されており、図において左側半分は光源21Aから出射された光を液晶ライトバルプの前面に導き、右側半分は光源21Bから出射された光を液晶ライトバルプの前面に導くことになる。インテグレータレンズ24を経た光は、変更変換装置25、集光レンズ26を経た後、第一ダイクロイックミラー27(27A、27B)へと導かれることになる。
【0016】
偏光変換装置25は、複数の偏光ビームスプリッタアレイ(以下、「PBSアレイ」という)によって構成されているものである。PBSアレイは、偏光分離幕と位相差板(1/2λ板)とを備える(いずれも図示せず)。偏光分離膜は、インテグレータレンズ23からの光のうち例えばP偏光を通過させ、S偏光90光路変更して反射、出射する。PBSアレイを通過したP偏光はその前側(光出射側)に設けてなる位相差板によってS偏光に変換されて出射される。すなわち、ほぼ全ての光はS偏光に変換されるようになっている。
【0017】
第一ダイクロイックミラー27は、赤色波長帯域の光を通過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第一ダイクロイックミラー27は第一分割部27Aと第二分割部27Bとから成る。第一ダイクロイックミラー27を透過した赤色波長帯域の光は、凹レンズ28を経て反射ミラー29にて反射されて光路を変更される。反射ミラー29にて反射された赤色光はレンズ30を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ31を通過することによって光変調される。一方、第一ダイクロイックミラー27にて反射したシアンの波長帯域の光は、凹レンズ34を経て第二ダイクロイックミラー35に導かれる。
【0018】
第二ダイクロイックミラー35は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第二ダイクロイックミラー35にて反射した緑色波長帯域の光は、レンズ36を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ32に導かれ、これを透過することで光変調される。また、第二ダイクロイックミラー35を透過した青色波長帯域の光は、リレーレンズ36、全反射ミラー37、リレーレンズ38、反射ミラー39およびリレーレンズ40を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ33に導かれ、これを透過することで光変調される。
【0019】
各液晶ライトバルブ31、32、33は、入射側偏光板31a、32a、33aと一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部31b、32b、33bと、出射側偏光板31c、32c、33cを備えて成る。液晶ライトバルブ31、32、33を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、ダイクロイックプリズム41により合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は投写レンズ42によって拡大投写され、スクリーン43上に投影表示される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と共に説明する。
【0021】
(実施例1)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−(5,5)−ウンデカン(ATU。なお、一般式(9)はATU由来の残基の化学式である。)54.9gをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)400gに溶解させ室温で10時間反応させることによりポリアミック酸溶液を得た。この反応混合物を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈殿させた。次に、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で16時間乾燥させてポリアミック酸を得た。この重合体をNMPに溶解させて固形分濃度5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルタで濾過して液晶配向剤溶液を調整した。
【0022】
この溶液を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて配向膜未形成の対向ガラス基板、反射基板および透過基板に塗布し、100℃で30分加熱した後250℃で30分間加熱し、NMPを揮発させると共にポリアミック酸をイミド閉環させてポリイミドにして、厚さ400Å(オングストローム)の配向膜を形成した。対向ガラス基板と反射基板(いずれも配向膜を形成したもの)の間、および対向ガラス基板と透過基板(いずれも配向膜を形成したもの)の間に液晶およびスペーサ材を封入し、反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子をそれぞれ作成した。
【0023】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して殆んど低下が認められず、耐光性が非常に優れていることが確認された。
【0024】
(実施例2)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン(DMHM。なお、一般式(4)はDMHM由来の残基の化学式である。)47.7gをもとに、実施例1と同様にして反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子を作成した。
【0025】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して殆んど低下が認められず、耐光性が非常に優れていることが確認された。
【0026】
(実施例3)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−(5,5)−ウンデカン(ATU。なお、一般式(9)はATU由来の残基の化学式である。)54.9gをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)400gに溶解させ、生成水を除去するための共沸溶媒としてトルエンを80g、イミド化触媒としてγ−カプロラクトンを2g、ピリジンを4g加え、常温で窒素雰囲気下で10分間攪拌した後、180℃に昇温して4時間攪拌反応を行うことにより可溶性ポリイミド溶液を得た。次に、NMPを加えて固形分濃度5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルタで濾過して液晶配向剤溶液を調整した。
【0027】
この溶液を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて配向膜未形成の対向ガラス基板、反射基板および透明基板に塗布し、100℃で30分加熱した後250℃で30分間加熱し、NMPを揮発させると共にポリアミック酸をイミド閉環させてポリイミドにして、厚さ800Å(オングストローム)の配向膜を形成した。対向ガラス基板と反射基板(いずれも配向膜を形成したもの)の間、および対向ガラス基板と透明基板(いずれも配向膜を形成したもの)の間に液晶およびスペーサ材を封入し、反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子をそれぞれ作成した。
【0028】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して殆んど低下が認められず、耐光性が非常に優れていることが確認された。本実施例は、可溶性ポリイミドで配向膜を形成したものであり、印刷機で塗布後の乾燥温度をポリアミック酸の場合と比して低く設定でき、また、可溶性ポリイミドは液晶配向剤溶液の常温保管性がポリアミック酸と比して著しく優れており、多くの工業的利点を有している。さらに、本実施例は、ラクトン系のイミド化重合触媒を用いており、重合反応時にヒドロキシカルボン酸となって重合触媒作用をなし、反応終了後は元のラクトン系溶媒に戻るのでワニス状態でもポリマの変質が少なく、かつ、乾燥後に揮発して酸が残留しないので、重合物の沈殿、洗浄、乾燥工程が不要になるなど、より多くの工業的利点を有している。
【0029】
(実施例4)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン(DMHM。なお、一般式(4)はDMHM由来の残基の化学式である。)47.7gをもとに、実施例3と同様にして反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子を作成した。
【0030】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して殆んど低下が認められず、耐光性が非常に優れていることが確認された。本実施例は、可溶性ポリイミドで配向膜を形成したものであり、印刷機で塗布後の乾燥温度をポリアミック酸の場合と比して低く設定でき、また、可溶性ポリイミドは液晶配向剤溶液の常温保管性がポリアミック酸と比して著しく優れており、多くの工業的利点を有している。さらに、本実施例は、ラクトン系のイミド化重合触媒を用いており、重合反応時にヒドロキシカルボン酸となって重合触媒作用をなし、反応終了後は元のラクトン系溶媒に戻るのでワニス状態でもポリマの変質が少なく、かつ、乾燥後に揮発して酸が残留しないので、重合物の沈殿、洗浄、乾燥工程が不要になるなど、より多くの工業的利点を有している。
【0031】
(実施例5)
実施例2および4の液晶配向剤についてプレチルト角を測定した。プレチルト角の評価は、ITO付きガラス基板上に液晶配向剤をスピンコート法により塗布、焼付けした後、ラビング処理を施すことで基板とした。この基板をセルギャップ50μmで逆平行のホモジニアス配向になるように対向配置して接着剤で固定し、その後真空注入法により液晶を注入し、液晶注入口をUV硬化接着剤により封止することでプレチルト角評価セルを得た。このようにして得たプレチルト角評価セルを波長633nmのHe−Neレーザ光を光源として、クリスタルローテーション法により測定した。その結果、プレチルト角は実施例2および4のいずれも約4度であり、比較的高い値であった。
【0032】
(比較例1)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(p−DADE)をもとに実施例1と同様にして反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子を作成した。
【0033】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して50:1と大幅に低下した。
【0034】
(比較例2)
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA。なお、一般式(3)はCPDA由来の残基の化学式である。)42.0gと2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(BAPP)82.1gをもとに実施例1と同様にして反射型液晶表示素子および透過型液晶表示素子を作成した。
【0035】
各液晶表示素子に5W/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して20:1と大幅に低下した。
【0036】
なお、一般式(5)〜(8)、(10)、(11)についても実施例1、2と同様に酸二無水物とジアミンの組合せで反応させ、ポリアミック酸溶液を得た後に液晶配向剤溶液を調整し、しかる後に液晶表示素子を作成し、各液晶素子に5w/cm2のエネルギー光を500時間照射したところ、液晶表示素子のコントラスト比は、初期の値である500:1に対して殆んど低下が認められず、耐光性が非常に優れていることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたとおり、本発明の液晶表示素子は、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する反射電極を備えた反射基板との間、または、配向膜を有する透明電極を備えた対向基板と配向膜を有する透明電極を備えた透明基板との間に液晶層を有する液晶表示素子において、前記配向膜は、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するポリイミド、
【化25】
または、下記一般式(2)に示す繰り返し単位を有するポリアミック酸
【化26】
(上記一般式(1)または(2)におけるXは、下記の式(3)で表される環状、線状または環状と線状構造を有する4価の脂肪族残基であり、Yは、環状、線状または環状と線状構造を有する2価の脂肪族残基である)
【化27】
からなるものであり、液晶プロジェクタのような高強度の光線を発生する光源を使用した場合でも、不均一な表示むらの発生やコントラスト比の低下等の光による劣化を抑止できる、耐光性に優れた液晶表示素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射型液晶表示素子を適用した液晶プロジェクタの一例の説明図。
【図2】 本発明の反射型液晶表示素子を適用した液晶プロジェクタの一例の説明図。
【符号の説明】
1:単結晶シリコン基板
2:MOSトランジスタ
3:配線層
4:反射画素電極
5:誘電体膜
6、9:配向膜
7:柱状スペーサ
8:液晶層
10:透明電極
11:ガラス基板
12:アクティブマトリクス基板
13:対向ガラス基板
14:位相板
15:偏光ビームスプリッタ
Claims (12)
- 前記配向膜は、前記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するイミド閉環した可溶性ポリイミドからなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
- 前記可溶性ポリイミドは、ラクトン系の重合触媒を用いて加熱した極性溶媒中で酸二無水物とジアミンを反応させることにより、直接イミド化したものであることを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子。
- 反射ミラーを備えた画素電極または反射ミラーを兼ねた画素電極とスイッチング素子を有する画素を行および列に複数個配列し、前記反射ミラー上に配向膜を設けたアクティブマトリックス基板(第一の支持基板)と、配向膜を設けた対向透明電極を備え前記第一の支持基板と所定の間隔で対向配置された透明電極(第二の支持基板)と、前記第一と第二の支持基板間に充填された液晶層と、位相板、偏光子および検光子を備えた反射型液晶素子において、前記配向膜は、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するポリイミド、
- 前記配向膜は、前記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するイミド閉環した可溶性ポリイミドからなることを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子。
- 前記可溶性ポリイミドは、ラクトン系の重合触媒を用いて加熱した極性溶媒中で酸二無水物とジアミンを反応させることにより、直接イミド化したものであることを特徴とする請求項6記載の液晶表示素子。
- 透明な画素電極とスイッチング素子を有する画素を行および列に複数個配列し、前記透明な画素電極上に配向膜を設けたアクティブマトリックス基板(第一の支持基板)と、配向膜を設けた対向透明電極を備え前記第一の支持基板と所定の間隔で対向配置された透明電極(第二の支持基板)と、前記第一と第二の支持基板間に充填された液晶層と、位相板、偏光子および検光子を備えた透過型液晶素子において、前記配向膜は、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するポリイミド、
- 前記配向膜は、前記一般式(1)に示す繰り返し単位を有するイミド閉環した可溶性ポリイミドからなることを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子。
- 前記可溶性ポリイミドは、ラクトン系の重合触媒を用いて加熱した極性溶媒中で酸二無水物とジアミンを反応させることにより、直接イミド化したものであることを特徴とする請求項10記載の液晶表示素子。
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