JP7028241B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月4日に出願された日本出願番号2017-74659号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子に関する。
液晶素子は、テレビやモバイル機器、各種モニターなどに広く利用されている。また、液晶素子には、液晶セル中の液晶分子の配向を制御するために液晶配向膜が使用されている。液晶配向規制力を有する有機膜を得る方法としては、従来、有機膜をラビングする方法、酸化ケイ素を斜方蒸着する方法、長鎖アルキル基を有する単分子膜を形成する方法、感光性の有機膜に光照射する方法(光配向法)などが知られている。
光配向法は、静電気や埃の発生を抑えつつ、感光性の有機膜に均一な液晶配向性を付与することができ、しかも液晶配向方向の精密な制御も可能であることから、近年、種々検討が進められている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、シクロブタン環構造を主鎖に有するポリアミック酸を含有する液晶配向剤を基板上に塗布、焼成して得られる膜に偏光放射線を照射して液晶配向膜を形成することが開示されている。
国際公開第2012/176822号
光配向処理によって液晶配向膜を得る場合、ラビング処理に比べて液晶分子の配向規制力が十分でなく、AC残像と称する焼付きが生じやすい傾向にある。AC残像は、液晶素子の長時間駆動によって初期配向の方向が液晶素子の製造当初の方向からずれてくることに起因して生じる残像である。液晶素子においてAC残像を低減させるには、液晶配向膜の配向秩序度を向上させることが一つの有効な手段である。液晶素子としては、近年の更なる高性能化の要求を満たすべく、AC残像が十分に低減されていることが望まれる。
また近年では、液晶素子は大画面の液晶テレビから、スマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示装置まで幅広い範囲のデバイスや用途に適用されている。こうした多用途化に伴い、液晶素子は、車内や屋外のように高温となり得る場所に載置又は設置されたり、あるいは従来よりも長時間駆動されたりするようになり、より過酷な温度条件で使用されることが想定される。そのため、液晶素子としては、耐熱性に対する信頼性が高いことが要求される。しかしながら、シクロブタン環構造を主鎖に有するポリイミド系重合体を含有する液晶配向剤を用いて光配向処理により液晶配向膜を得る場合、塗膜に対する光照射によって生じた分解物に起因して、得られる液晶素子を高温環境下に長時間曝した場合に微小輝点が発生しやすく、耐熱性(特に長期耐熱性)に対する信頼性が劣ることが懸念される。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液晶配向膜を光配向法によって得る場合に、AC残像特性及び長期耐熱性に優れた液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本開示は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
<1> 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体(P)を含有する、液晶配向剤。
Figure 0007028241000001
(式(1)及び式(2)中、Xは、シクロブタン環構造を有する4価の有機基であり、シクロブタン環の環部分に少なくとも1個の置換基を有する。Xは、下記式(4)又は下記式(5)で表される2価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の1価の有機基である。)
Figure 0007028241000002
(式(4)及び式(5)中、A及びAは2価の芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Y及びYは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR-」(Rは、水素原子又は1価の有機基である。)である。ただし、YとYとは互いに異なる。Bは、下記式(7)又は式(8)で表される2価の複素環基である。Yは、酸素原子、又は「-NR-」(Rは水素原子又は1価の有機基である。)である。Zは、鎖状炭化水素構造及び脂環式炭化水素構造の少なくともいずれかを有する炭素数1~15の2価の有機基であり、Zは、単結合、又は鎖状炭化水素構造及び脂環式炭化水素構造の少なくともいずれかを有する炭素数1~15の2価の有機基である。ただし、Y及びYのうち一方が硫黄原子であって他方が単結合である場合には、Zの炭素数は2以上である。「*」は結合手を示す。)
Figure 0007028241000003
(式(7)及び式(8)中、Rは置換基である。rは0~3の整数であり、mは0~(r+2)の整数である。「*」は結合手を示す。)
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<1>の液晶配向剤を用いて塗膜を形成し、該塗膜に光照射処理を施して液晶配向能を付与する光配向工程を含む、液晶配向膜の製造方法。
<4> 上記<2>の液晶配向膜を備える液晶素子。
<5> 上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。
<6> 下記式(16)で表される化合物。
Figure 0007028241000004
(式(16)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。R13は、水素原子又は1価の有機基であり、Yは、酸素原子又は硫黄原子である。nは1~5の整数である。)
本開示の液晶配向剤によれば、液晶配向膜を光配向法によって得る場合に、長期耐熱性に優れ、かつAC残像が低減された液晶素子を得ることができる。
図1は、ジアミン(DA-1)のH-NMRスペクトルである。 図2は、ジアミン(DA-4)のH-NMRスペクトルである。 図3は、ジアミン(DA-10)のH-NMRスペクトルである。
以下に、本開示の液晶配向剤に配合される成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
≪重合体(P)≫
本開示の液晶配向剤は、上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体(P)を含有する。上記式(1)及び式(2)において、Xは、シクロブタン環構造を有する4価の有機基であり、シクロブタン環の環部分に少なくとも1個の置換基を有する。シクロブタン環が有する置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。置換基の数は特に限定されないが、1~4個が好ましい。
は、下記式(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0007028241000005
(式(3)中、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のチオアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、又は「-COR20」(ただしR20は、炭素数1~6のアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシ基又はフッ素含有アルコキシ基である。)である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のチオアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、又は「-COR20」である。ただし、R~Rのうち隣接する基同士が結合して環構造を形成していてもよい。式中にR20が複数存在する場合、複数のR20は互いに同じでも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
なお、上記式(1)中のXが上記式(3)で表される基である場合、上記式(1)は、下記式(1-A)又は式(1-B)で表され、上記式(2)は、下記式(2-A)で表される。
Figure 0007028241000006
(式(1-A)及び式(1-B)中、X、R及びRは、それぞれ上記式(1)中のX、R及びRと同義である。R~Rは、それぞれ上記式(3)中のR~Rと同義である。)
Figure 0007028241000007
(式(2-A)中、Xは、上記式(1)中のXと同義である。R~Rは、それぞれ上記式(3)中のR~Rと同義である。)
上記式(1)及び式(2)中のXは、上記式(4)又は式(5)で表される2価の有機基である。上記式(4)及び式(5)において、A及びAは、芳香環の環部分から2個の水素原子を取り除いた基であり、環部分に置換基を有していてもよい。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環等の芳香族炭化水素環;ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等の窒素含有複素環などが挙げられる。芳香環が有していてもよい置換基としては、例えば炭素数1~6のアルキル基等が挙げられる。ただし、AとAとは同一である。AとAとが同一である場合、重合体(P)を得る際に用いる単量体につき、簡便に合成が可能でありながら、AC残像の低減効果及び長期耐熱性の改善効果が高い点で好ましい。
、Aは、液晶配向性及びAC残像特性により優れた液晶素子を得ることができる点で、これらのうち、置換基を有していてもよいベンゼン環、ビフェニル環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた基であることが好ましい。
上記式(4)中のY及びYは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR-」(Rは、水素原子又は1価の有機基である。)である。ただし、YとYとは互いに異なる。重合体(P)の光に対する感度を高くでき、得られる液晶素子の液晶配向性及びAC残像特性の改善効果がより高い点で、これらのうち、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR-」であることが好ましく、酸素原子又は「-NR-」がより好ましい。なお、YとYとが互いに異なることにより、上記式(1)中のXが非対称構造となるため、重合体の溶解性を改善でき、さらに、光分解物の結晶性が低下するため、微小輝点の発生を低減できると考えられる。
の1価の有機基としては、例えば炭素数1~6のアルキル基、保護基等が挙げられる。保護基は、熱により脱離する基であることが好ましく、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基などが挙げられる。保護基は、これらのうち、熱による脱離性が高い点や、脱保護した部分の膜中での残存量を少なくする点で、tert-ブトキシカルボニル基が好ましい。
は、水素原子、炭素数1~3のアルキル基又は保護基が好ましく、微小輝点の発生をより低減できる点、及び液晶配向膜の透過性を高くできる観点で、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
上記式(5)中のYは、酸素原子又は「-NR-」である。Rの具体例及び好ましい例については、上述した「-NR-」中のRの説明が適用される。
は、鎖状炭化水素構造及び脂環式炭化水素構造の少なくともいずれかを有する炭素数1~15の2価の有機基であり、Zは、単結合、又は鎖状炭化水素構造及び脂環式炭化水素構造の少なくともいずれかを有する炭素数1~15の2価の有機基である。ただし、Y及びYのうち一方が硫黄原子であり、かつ他方が単結合である場合には、Zの炭素数は2~15の整数である。ここで、本明細書において「鎖状炭化水素構造」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素構造及び分岐状炭化水素構造を意味する。ただし、鎖状炭化水素構造は、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素構造」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素構造を意味する。ただし、脂環式炭化水素構造は、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。Zは、2価の鎖状炭化水素基又は当該鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に、酸素原子、硫黄原子又は「-NR12-」(R12は水素原子又は1価の有機基である。)を有する基であることが好ましい。Zは、単結合、2価の鎖状炭化水素基、又は当該鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に、酸素原子、硫黄原子又は「-NR12-」を有する基であることが好ましい。
及びZの2価の有機基は、光分解物に起因する微小輝点の発生をより少なくできる点で、下記式(6)で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007028241000008
(式(6)中、R10及びR11は、それぞれ独立してアルカンジイル基であり、R10及びR11の合計の炭素数が1~15である。Yは、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR12-」(R12は水素原子又は1価の有機基である。)である。pは0~4の整数である。pが2以上の場合、複数のR10、Yは、互いに同じでも異なっていてもよい。ただし、上記式(4)中のY及びYのうち一方が硫黄原子であって他方が単結合である場合には、R10及びR11の合計の炭素数は2以上である。)
上記式(6)において、R10及びR11は、直鎖状でも分岐状でもよいが、液晶素子における微小輝点の生成を抑制する効果を高くできる点で、直鎖状であることが好ましい。具体的には、上記式(6)で表される基(つまり、Z及びZ)は、アルカンジイル基、又は当該アルカンジイル基の炭素-炭素結合間に、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR 12 -」を有する基であることが好ましく、アルカンジイル基、又は当該アルカンジイル基の炭素-炭素結合間に酸素原子を有する基であることがより好ましく、アルカンジイル基であることがさらに好ましい。R12の具体例及び好ましい例については、上述した「-NR-」中のRの説明が適用される。pは、0~2が好ましい。
上記式(4)中のZが上記式(6)で表される2価の基である場合、R10及びR11の合計の炭素数(pが2以上の場合には複数のR10とR11の合計の炭素数)は、液晶配向膜の製造において加熱による分子鎖の再配向を促進させる点、及び液晶素子において微小輝点の発生をより少なくできる点で、炭素数2以上であることが好ましく、炭素数3以上であることがより好ましい。Yは、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記式(5)中のZが上記式(6)で表される2価の基である場合、AC残像の低減効果をより高くできる点で、R11はメチレン基であって、かつp=0であることが好ましい。Zは、単結合又はメチレン基が好ましい。
上記式(5)のBは、上記式(7)又は式(8)で表される窒素含有複素環基である。上記式(7)及び式(8)において、Rの置換基としては、例えば炭素数1~6のアルキル基等が挙げられる。rは、液晶配向性の観点から、1又は2が好ましく、2であることがより好ましい。Bは、これらのうち、置換若しくは無置換のピペリジン-1,4-ジイル基、又は置換若しくは無置換のピペラジン-1,4-ジイル基であることが、液晶配向性及びAC残像特性の観点から好ましく、置換又は無置換のピペリジン-1,4-ジイル基であることが特に好ましい。
上記式(4)は、液晶配向性、AC残像特性及び長期耐熱性の改善効果が高い点で、下記式(4A)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 0007028241000009
(式(4A)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Y及びYは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR13-」(R13は、水素原子又は1価の有機基である。)である。ただし、YとYとは互いに異なる。nは1~5の整数である。ただし、Y及びYのうち一方が硫黄原子であって他方が単結合である場合には、nは2以上である。「*」は結合手を示す。)
及びAが有していてもよい置換基としては、例えば炭素数1~6のアルキル基等が挙げられる。R13の1価の有機基の具体例及び好ましい例については、上述したRの説明が適用される。上記式(4A)で表される基のY及びYが、単結合、酸素原子又は硫黄原子である場合(ただし、YとYとは互いに異なる。)、光に対して高感度でありながら、ポリアミック酸エステルの合成に際し収率を高くできる点で好ましい。この場合、Xは、下記式(4C)で表される。下記式(4C)において、Y51及びY61は、一方が酸素原子であって、他方が単結合であることが特に好ましい。
Figure 0007028241000010
(式(4C)中、Y51及びY61は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、又は硫黄原子である。ただし、Y51とY61とは互いに異なる。nは1~5の整数である。ただし、Y51及びY61のうち一方が硫黄原子であって他方が単結合である場合には、nは2以上である。A及びAは、上記式(4A)と同義である。「*」は結合手を示す。)
液晶配向性及びAC残像特性の観点から、上記式(4A)中のY及びYにおける、A及びAのベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環上の結合部位は、上記式(1)及び上記式(2)中のXに結合する窒素原子に対してパラ位であることが好ましい。上記式(4A)で表される基は、下記式(4A-1)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 0007028241000011
(式(4A-1)中、Q及びQは、それぞれ独立に「CH」又は窒素原子である。R13、Y、Y及びnは、上記式(4A)と同義である。「*」は結合手を示す。)
上記式(5)は、好ましくは下記式(5A)で表される2価の有機基である。式(5)中のkは、0~3が好ましく、0又は1がより好ましい。
Figure 0007028241000012
(式(5A)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Bは、置換若しくは無置換のピペリジン-1,4-ジイル基、又は置換若しくは無置換のピペラジン-1,4-ジイル基である。Yは、酸素原子、又は「-NR-」(Rは水素原子又は1価の有機基である。)である。kは0~5の整数である。「*」は結合手を示す。)
重合体(P)は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種である。重合体(P)は、環部分に少なくとも1個の置換基を有するシクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸誘導体に由来する部分構造と、上記式(4)又は式(5)で表される2価の有機基を有するジアミン化合物に由来する部分構造と、を有する。こうした重合体(P)の合成方法は特に限定されず、有機化学の定法を適宜組み合わせることにより得ることができる。なお、本明細書において「テトラカルボン酸誘導体」は、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を含む意味である。
(ポリアミック酸)
重合体(P)がポリアミック酸である場合、当該ポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸(P)」ともいう。)は、例えば、環部分に少なくとも1個の置換基を有するシクロブタン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物(以下、「特定酸二無水物」ともいう。)を含むテトラカルボン酸二無水物と、上記式(4)又は式(5)で表される2価の有機基を有するジアミン化合物(以下、「特定ジアミン」ともいう。)を含むジアミン化合物と、を反応させることにより得ることができる。
(特定酸二無水物)
特定酸二無水物としては、上記式(3)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。特定酸二無水物の具体例としては、例えば下記式(TA-1-1)~式(TA-1-15)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007028241000013
特定酸二無水物としては、これらのうち、上記式(TA-1-1)~式(TA-1-12)のそれぞれで表される化合物が好ましく、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(上記式(TA-1-2)で表される化合物)が特に好ましい。なお、特定酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸(P)の合成に際しては、テトラカルボン酸二無水物として、特定酸二無水物とともに、特定酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸二無水物を使用してもよい。その他のテトラカルボン酸二無水物は、環部分に少なくとも1個の置換基を有するシクロブタン環構造を有さないものであればよく、特に限定されない。その他のテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばエチレンジアミン四酢酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-3a,4,5,9b-テトラヒドロナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-8-メチル-3a,4,5,9b-テトラヒドロナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,5,6-トリカルボキシ-2-カルボキシメチルノルボルナン-2:3,5:6-二無水物、2,4,6,8-テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン-2:4,6:8-二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などを;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3-プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010-97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
その他のテトラカルボン酸二無水物としては、微小輝点の低減効果をより高くする点で、これらのうち、エチレンジアミン四酢酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を共重合成分として好ましく用いることができる。なお、重合体(P)の合成に際し、その他のテトラカルボン酸二無水物としては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸(P)の合成に際し、特定酸二無水物の使用割合は、本開示の効果を十分に得る観点から、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、30モル%以上とすることが好ましい。より好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である。その他のテトラカルボン酸二無水物を使用する場合、その使用割合は、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、5~70モル%とすることが好ましく、10~50モル%とすることがより好ましい。
(特定ジアミン)
特定ジアミンは、下記式(14)又は下記式(15)で表される化合物である。
Figure 0007028241000014
(式(14)及び式(15)中、A、A、B、Y、Y、Y、Z及びZは、上記式(4)、式(5)と同義である。)
上記式(14)及び式(15)中のA、A、B、Y、Y、Y、Z及びZの説明は上記式(4)、式(5)の説明がそれぞれ適用される。これらのうち、上記式(14)で表される化合物は、下記式(4B)で表される化合物であることが好ましく、上記式(15)で表される化合物は、下記式(5B)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007028241000015
(式(4B)中、A、A、Y、Y及びnは、上記式(4A)中のA、A、Y、Y及びnと同義である。)
Figure 0007028241000016
(式(5B)中、A、A、B、Y及びkは、上記式(5A)中のA、A、B、Y及びkと同義である。)
上記式(4B)及び式(5B)中の1級アミノ基は、A、A、A及びAの環(ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環)に結合する他の基に対して、パラ位であることが好ましい。上記式(4B)中のA、A、Y、Y及びn、並びに上記式(5B)中のA、A、B、Y及びkの具体例及び好ましい例については上記の説明が適用される。
特定ジアミンの具体例としては、例えば下記式(d-1)~式(d-54)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。特定ジアミンは、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。なお、特定ジアミンは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。下記式中の「Boc」は、tert-ブトキシカルボニル基を表す。
Figure 0007028241000017
Figure 0007028241000018
Figure 0007028241000019
Figure 0007028241000020
ポリアミック酸(P)の合成に際しては、ジアミン化合物として特定ジアミンのみを用いてもよいが、特定ジアミンと共に、特定ジアミン以外のその他のジアミンを使用してもよい。その他のジアミンは、特定ジアミンに該当しなければ特に限定されず、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン及びジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を;脂環式ジアミンとして、例えばp-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等を;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6-ビス(4-アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6-ビス(4-アミノフェノキシ)コレスタン、1,1-ビス(4-((アミノフェニル)メチル)フェニル)-4-ブチルシクロヘキサン、2,5-ジアミノ-N,N-ジアリルアニリン、下記式(E-1)
Figure 0007028241000021
(式(E-1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、-O-、-COO-又は-OCO-であり、Rは炭素数1~3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0~2の整数であり、cは1~20の整数であり、dは0又は1である。ただし、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物等の側鎖型ジアミン:
パラフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-エチレンジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4-アミノフェニル-4’-アミノベンゾエート、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、1,2-ビス(4-アミノフェノキシ)エタン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン、N,N’-ジ(4-アミノフェニル)-N,N’-ジメチルエチレンジアミン、ビス[2-(4-アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4-アミノフェニル)アミン、N,N-ビス(4-アミノフェニル)メチルアミン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)-ピペラジン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)-ベンジジン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’-(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4-(4-アミノフェノキシカルボニル)-1-(4-アミノフェニル)ピペリジン、4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリン等の非側鎖型ジアミンを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-テトラメチルジシロキサン等を;それぞれ挙げることができるほか、特開2010-97188号公報に記載のジアミン化合物を用いることができる。
ポリアミック酸(P)の合成に使用するその他のジアミンとしては、液晶素子で生じる微小輝点を低減する効果が高い点で、O,O’-ジ(4-アミノフェニル)-エチレングリコール、及びN,N’-ジ(4-アミノフェニル)-N,N’-ジメチルエチレンジアミンよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、液晶配向性及びAC残像特性が良好な液晶素子が得られる点で、パラフェニレンジアミン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)-ピペラジン、及び2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。なお、ポリアミック酸(P)の合成に際し、その他のジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
特定ジアミンの使用割合は、本開示の効果を十分に得る観点から、ポリアミック酸(P)の合成に際して使用するジアミン化合物の合計量に対して、20モル%以上とすることが好ましい。より好ましくは40モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上である。その他のジアミンを使用する場合、その使用割合は、合成に使用するジアミン化合物の合計量に対して、5~80モル%とすることが好ましく、10~60モル%とすることがより好ましい。
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸(P)は、上記の如きテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤(例えば、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物等)とともに反応させることによって得ることができる。ポリアミック酸(P)の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2~2当量となる割合が好ましい。
ポリアミック酸(P)の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は-20℃~150℃が好ましく、反応時間は0.1~24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。特に好ましい有機溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m-クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えばブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテル等)との混合物である。有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量が、反応溶液の全量に対して、0.1~50質量%になる量とすることが好ましい。ポリアミック酸(P)を溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸(P)を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(ポリアミック酸エステル)
重合体(P)としてのポリアミック酸エステルは、上記式(1)で表される部分構造において、R及びRの少なくとも一方が炭素数1~6の1価の有機基である構造単位を有する重合体である。R及びRの具体例としては、例えば炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数2~6の直鎖状又は分岐状のアルケニル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。当該ポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記で得られたポリアミック酸(P)とエステル化剤(例えばメタノールやエタノール、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール等)とを反応させる方法、[II]上記式(3)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸ジエステルを含むテトラカルボン酸ジエステルと、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを、好ましくは有機溶媒中、適当な脱水触媒(例えば4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤等)の存在下で反応させる方法、[III]上記式(3)で表される部分構造を有するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を含むテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と、特定ジアミンを含むジアミン化合物とを、好ましくは有機溶媒中、適当な塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンや、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類)の存在下で反応させる方法、等によって得ることができる。
上記[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、特定酸二無水物やその他のテトラカルボン酸二無水物をアルコール類などで開環することにより得ることができる。上記[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。
ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。上記反応によりポリアミック酸エステルを溶液として得た場合、該溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
(ポリイミド)
重合体(P)としてのポリイミドは、上記式(2)で表される部分構造を有する重合体である。当該ポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸(P)を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸(P)が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。ポリイミドは、そのイミド化率が40~100%であることが好ましく、60~90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸(P)の脱水閉環は、ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行うことが好ましい。脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01~20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01~10モルとすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸(P)の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0~180℃であり、反応時間は、好ましくは1.0~120時間である。こうして得られたポリイミドを含有する反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。なお、ポリイミドは、ポリアミック酸エステルの脱水閉環反応によるイミド化によって得ることもできる。
重合体(P)の溶液粘度は、濃度10質量%の溶液としたときに10~800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15~500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、溶液粘度(mPa・s)は、重合体(P)の良溶媒(例えばγ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン等)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(P)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~500,000であり、より好ましくは5,000~100,000である。Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。なお、液晶配向剤に含有させる重合体(P)は1種のみでもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。
≪その他の成分≫
本開示の液晶配向剤は、重合体(P)以外のその他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、例えば、上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造のいずれも有さない重合体(以下、「その他の重合体」ともいう。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤、酸発生剤、塩基発生剤、ラジカル発生剤などが挙げられる。これらの配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
液晶配向剤は、その他の重合体を含有することにより、微小輝点の生成を抑制する効果を高めることができる点で好ましい。その他の重合体の主骨格は特に限定されないが、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン-フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを主骨格とする重合体が挙げられる。その他の重合体は、これらのうち、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが、微小輝点の生成を好適に抑制できる点で好ましい。その他の重合体を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中の全重合体量に対して、1~90質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましく、20~70質量%が更に好ましい。
本開示の液晶配向剤は、重合体(P)及び必要に応じて使用される成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、1,2-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ-ト、エチルエトキシプロピオネ-ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコール-n-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1~10質量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
液晶配向剤中の重合体(P)の含有割合は、液晶配向剤中の固形成分(溶媒以外の成分)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。特に、本開示の液晶配向膜は、上記液晶配向剤を用いて塗膜を形成し、該塗膜に光照射処理を施して液晶配向能を付与する光配向工程を含む方法により製造することが好ましい。
また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型(VA-MVA型、VA-PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1~工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
(工程1:塗膜の形成)
先ず、基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一方の面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In-SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、フレキソ印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30~200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25~10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80~300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5~200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001~1μmである。基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって、液晶配向膜、又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。
(工程2:配向処理)
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を用いてもよいが、重合体(P)は光感度が高く、少ない露光量でも塗膜に異方性を発現させることができる点で、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理を好ましく用いることができる。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向処理における光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。光配向処理において、塗膜に照射する放射線としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200~400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。放射線の照射量は、好ましくは400~20,000J/mであり、より好ましくは1,000~5,000J/mである。塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。
液晶配向膜の製造に際し、光照射処理が施された塗膜を、水、水溶性有機溶媒、又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒に接触させる接触工程をさらに含んでいてもよい。こうした接触工程を行うことにより、光配向処理によって生成した分解物を膜中から除去することができ、得られる液晶素子において微小輝点の発生をさらに抑制できる点で好適である。ここで、水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンが挙げられる。接触工程で用いる溶媒は、これらのうち、好ましくは水、イソプロパノール及びこれらの混合物である。
塗膜と溶媒との接触方法としては、例えば噴霧(スプレー)処理、シャワー処理、浸漬処理、液盛り処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塗膜と溶媒との接触時間は特に限定されないが、例えば5秒~15分である。
液晶配向膜の製造に際しては、光照射処理が施された塗膜を、上記の接触工程の前及び接触工程の後の少なくとも一方において、120℃以上280℃以下の温度範囲内で加熱する加熱工程をさらに行ってもよい。こうした加熱工程を行うことにより、液晶配向性がさらに改善され、AC残像がより低減された液晶素子が得られる点で好ましい。
加熱工程において、加熱温度は、加熱による分子鎖の再配向を促進させる観点から、140℃以上とすることが好ましく、150℃~250℃とすることがより好ましい。加熱時間は、好ましくは5分~200分、より好ましくは10分~60分である。
(工程3:液晶セルの構築)
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、(1)液晶配向膜が対向するように間隙(スペーサー)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止する方法、(2)液晶配向膜を形成した一方の基板上の所定の場所にシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げる方法(ODF方式)等が挙げられる。製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。スペーサーとしては、フォトスペーサー、ビーズスペーサー等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレステリック液晶、カイラル剤、強誘電性液晶などを添加して使用してもよい。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。これにより液晶素子が得られる。
なお、重合体(P)を含有する液晶配向剤によればAC残像特性及び長期耐熱性に優れた液晶素子が得られる理由は定かではないが、次のようなことが考えられる。重合体(P)は、ジアミンに由来する構造単位として非対称の構造を有する構成単位を有している。このため、重合体(P)を含有する塗膜に光照射した場合に生じる光分解物の結晶性が低く、微小輝点の生成が抑制されたことが推測される。また、Xが有する鎖状炭化水素構造、脂環式炭化水素構造によって光分解物の結晶性が低くなったことも、微小輝点の発生が少ない液晶素子が得られた一つの理由であると推測される。さらに、ジアミンに由来する構造部分は、重合結合基(アミノ基)及び電子供与性基により、ジアミン骨格から置換シクロブタン環への光誘起電子移動(電子移動増感反応)が促進され、これによって、シクロブタン環のレトロ[2+2]反応による光分解が促進された結果、液晶の配向秩序度が向上し、AC残像の低減を図ることができたことが推測される。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて形成された液晶素子は位相差フィルムに適用することもできる。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した主な化合物の構造と略号は以下の通りである。
(テトラカルボン酸誘導体)
TA-1;(1R,2R,3S,4S)-1,3-ジメチルシクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物
TB-2;1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
TB-3;2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
TC-4;ジメタリル (2r,4r)-2,4-ビス(クロロカルボニル)-2,4-ジメチルシクロブタン-1,3-ジカルボキシレート
Figure 0007028241000022
(特定ジアミン)
DA-1;N,O-ジ(4-アミノフェニル)-N-メチルエタノールアミン
DA-2;N,O-ジ(4-アミノフェニル)-N-tert-ブトキシカルボニルエタノールアミン
DA-3;N,O-ジ(4-アミノフェニル)-エタノールアミン
DA-4;N,O-ジ(4-アミノフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン
DA-5;N,O-ジ(4-アミノフェニル)-4-ピペリジンメタノール
DA-6;N,N’-ジ(4-アミノフェニル)-N-メチル-4-アミノピペリジン
DA-7;N,S-ジ(4-アミノフェニル)-2-アミノエタンチオール
DA-8;N,O-ジ(5-アミノ-2-ピリジル)-N-メチルエタノールアミン
DA-9;N,O-ジ(5-アミノ-2-ピリジル)-4-ヒドロキシピペリジン
DA-10;4,4’-ジアミノベンジルフェニルエーテル
(その他のジアミン)
DB-1;O,O’-ジ(4-アミノフェニル)-エチレングリコール
DB-2;N,N’-ジ(4-アミノフェニル)-N,N’-ジメチルエチレンジアミン
DB-3;4,4’-エチレンジアニリン
DB-4;N,N’-ジ(4-アミノフェニル)-ピペラジン
DB-5;N,N’-ジ(5-アミノ-2-ピリジル)-ピペラジン
DB-6;パラフェニレンジアミン
DB-7;2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
Figure 0007028241000023
Figure 0007028241000024
(溶剤)
NMP;N-メチル-2-ピロリドン
γBL;γ-ブチロラクトン
BC;ブチルセロソルブ
<化合物の合成1>
[合成例1]
還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、炭酸カリウム(34.55g,0.25mol)を入れて窒素置換し、N-メチルエタノールアミン(7.51g,0.10mol)、NMP(150mL)を入れた。反応溶液を窒素下で撹拌しながら、4-フルオロニトロベンゼン(28.22g,0.20mol)を滴下した。反応溶液を150℃で6時間撹拌して反応を完結させた。冷却後、反応溶液を水300mLに注いで撹拌し、生成物を凝固させた。この水凝固分散液にヘキサン:酢酸エチル=4:1(体積比)の混合溶媒150mLを加えて室温で1時間撹拌した。得られた分散液をろ過し、水及び酢酸エチルによりそれぞれかけ洗いした。得られた析出物を酢酸エチル150mL中で加熱撹拌することで洗浄し、冷却後、ろ過して真空乾燥することにより、黄色粉末のニトロ体中間生成物(29.51g,収率93%)を得た。
続いて、還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、パラジウムカーボンを2.4g入れ、窒素置換した。そこへ窒素バブリングにより脱気したテトラヒドロフラン120mL、エタノール30mLを入れ、ニトロ体中間生成物(9.41g,0.03mol)を添加後、撹拌して懸濁溶液とした。反応溶液へヒドラジン一水和物10mLを室温でゆっくりと滴下した。滴下後、60℃まで徐々に昇温し、4時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル200mLを加えて希釈し、セライト濾過した後に、水200mLによる分液洗浄を3回繰り返した。得られた有機層を濃縮して真空乾燥することにより、淡褐色液体のジアミン(DA-1)(4.94g,収率64%)を得た。図1に、ジアミン(DA-1)のH-NMRスペクトル(DMSO-d,400MHz)の測定結果を示す。
Figure 0007028241000025
[合成例2]
N-メチルエタノールアミンをエタノールアミンに変更した以外は合成例1と同様にしてニトロ体中間生成物を得た。
続いて、還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、ニトロ体中間生成物(3.03g,0.010mol)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(0.24g,0.002mol)を入れて窒素置換し、テトラヒドロフラン(60mL)を入れた。反応溶液を50℃に加熱し、二炭酸ジ-tert-ブチル(5.24g,0.024mol)とテトラヒドロフラン(5mL)の混合溶液を滴下し、24時間反応させた。反応溶液を減圧濃縮した後、得られた析出物をトルエンにより再結晶して真空乾燥することにより、黄色粉末のBoc保護ニトロ体中間生成物(3.43g,収率85%)を得た。得られたBoc保護ニトロ体中間生成物を合成例1と同様にして還元反応を行い、淡褐色粉末のジアミン(DA-2)を得た。
[合成例3]
N-メチルエタノールアミンをエタノールアミンに変更した以外は合成例1と同様にしてジアミン(DA-3)を得た。
[合成例4]
還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、炭酸カリウム(34.55g,0.25mol)を入れて窒素置換し、4-ヒドロキシピペリジン(10.12g,0.10mol)、NMP(150mL)を入れた。反応溶液を窒素下で撹拌しながら、4-フルオロニトロベンゼン(28.22g,0.20mol)を滴下した。反応溶液を150℃で6時間撹拌して反応を完結させた。冷却後、反応溶液を水300mLに注いで撹拌し、生成物を凝固させた。この水凝固分散液にヘキサン:酢酸エチル=4:1(体積比)の混合溶媒150mLを加えて室温で1時間撹拌した。得られた分散液をろ過し、水及び酢酸エチルによりそれぞれかけ洗いした。得られた析出物を酢酸エチル150mL中で加熱撹拌することで洗浄し、冷却後、ろ過して真空乾燥することにより、黄土色粉末のニトロ体中間生成物(29.87g,収率87%)を得た。
続いて、還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、パラジウムカーボンを2.4g入れ、窒素置換した。そこへ窒素バブリングにより脱気したテトラヒドロフラン120mL、エタノール30mLを入れ、ニトロ体中間生成物(10.30g,0.03mol)を添加後、撹拌して懸濁溶液とした。反応溶液へヒドラジン一水和物10mLを室温でゆっくりと滴下した。滴下後、60℃まで徐々に昇温し、4時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル200mLを加えて希釈し、セライト濾過した後に、水200mLによる分液洗浄を3回繰り返した。得られた有機層を濃縮して酢酸エチル100mLにより再結晶を行った。得られた固体をろ過して真空乾燥することにより、淡桃色固体のジアミン(DA-4)(5.19g,収率61%)を得た。図2に、ジアミン(DA-4)のH-NMRスペクトル(DMSO-d,400MHz)の測定結果を示す。
Figure 0007028241000026
[合成例5]
4-ヒドロキシピペリジンを4-ピペリジンメタノールに変更した以外は合成例4と同様にして合成を行い、ジアミン(DA-5)を得た。
[合成例6]
4-ヒドロキシピペリジンを4-アミノピペリジンに変更した以外は合成例4と同様にしてニトロ体中間生成物を得た。
続いて、還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、ニトロ体中間生成物(3.42g,0.010mol)、カリウム-tert-ブトキシド(1.68g,0.015mol)を入れて窒素置換し、テトラヒドロフラン(100mL)を入れた。反応溶液を窒素下で撹拌しながら、ヨウ化メチル(2.84g,0.020mol)を滴下した。反応溶液を40℃で24時間撹拌して反応を完結させた。冷却後、反応溶液を水300mLに注いで撹拌し、生成物を凝固させた。得られた分散液をろ過し、水によりかけ洗いした。得られた析出物をテトラヒドロフランにより再結晶して真空乾燥することにより、黄色粉末のN-メチル化ニトロ体中間生成物(3.10g,収率87%)を得た。得られたN-メチル化ニトロ体中間生成物を合成例4と同様にして還元反応を行い、桃色粉末のジアミン(DA-6)を得た。
[合成例7]
N-メチルエタノールアミンを2-アミノエタンチオールに変更した以外は合成例1と同様にしてジアミン(DA-7)を得た。
[合成例8]
4-フルオロニトロベンゼンを2-フルオロ-5-ニトロピリジンに変更した以外は合成例1と同様にしてジアミン(DA-8)を得た。
[合成例9]
4-フルオロニトロベンゼンを2-フルオロ-5-ニトロピリジンに変更した以外は合成例4と同様にしてジアミン(DA-9)を得た。
<重合体の合成1>
[合成例10]
ジアミン(DA-1)をNMPに溶解し、0.95当量のテトラカルボン酸二無水物(TA-1)を加え、室温で6時間反応を行い、下記式(PA-1)で表される構造単位を有するポリアミック酸(PA-1)の15質量%溶液を得た。
Figure 0007028241000027
[合成例11~26]
テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類とモル比をそれぞれ下記表1に記載の通りに変更した以外は合成例10と同様にしてポリアミック酸(PA-2~PA-17)をそれぞれ得た。なお、表1中の数値は、テトラカルボン酸二無水物については、合成に使用したテトラカルボン酸二無水物の合計量100モル部に対する各化合物の使用割合(モル部)を表し、ジアミン化合物については、合成に使用したジアミン化合物の合計量100モル部に対する各化合物の使用割合(モル部)を表す(表3についても同じ)。
[合成例27]
合成例10で得られたポリアミック酸(PA-1)の15質量%溶液をNMPにより10質量%に希釈し、0.8当量の1-メチルピペリジン及び無水酢酸を加え、60℃で3時間、撹拌しながら加熱した。得られた溶液に対して、減圧濃縮とNMPによる希釈を繰り返して、下記式(PI-1)で表される構造単位を有するポリイミド(PI-1)の15質量%溶液を得た。ポリイミド(PI-1)のH-NMRスペクトル(DMSO-d,400MHz)を測定し、芳香族プロトン(δ6.0~9.0ppm)と主鎖アミドプロトン(δ9.8~10.3ppm)、アセチル末端アミドプロトン(δ9.6~9.8ppm)の積分比よりイミド化率を計算したところ、イミド化率は78%であった。
Figure 0007028241000028
[合成例28]
ポリアミック酸(PA-1)をポリアミック酸(PA-10)に変更した以外は合成例27と同様にしてポリイミド(PI-2)を得た。
Figure 0007028241000029
[実施例1:光配向FFS型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
合成例10で得たポリアミック酸(PA-1)の溶液を用いて、NMP及びBCにより希釈して、固形分濃度が4.0質量%、溶剤組成比がNMP:BC=80:20(質量比)となる溶液を得た。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R-1)を調製した。
(2)光配向法による液晶配向膜の形成
平板電極、絶縁層及び櫛歯状電極がこの順で片面に積層されたガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とのそれぞれの面上に、上記(1)で調製した液晶配向剤(R-1)をスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間の加熱(プレベーク)後、庫内を窒素置換した230℃のオーブンで30分間乾燥(ポストベーク)を行い、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜表面に、Hg-Xeランプを用いて、直線偏光された254nmの輝線を含む紫外線3,000J/mを基板法線方向から照射して光配向処理を行った。光配向処理が施された塗膜を、230℃のクリーンオーブンで30分加熱して熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。
(3)液晶表示素子の製造
上記(2)で作製した液晶配向膜を有する一対の基板について、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、一対の基板間に液晶注入口よりネマチック液晶(メルク社製、MLC-7028)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを120℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせてFFS型液晶表示素子を製造した。
(4)液晶配向性の評価
上記(3)で製造した液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を「不良」とした。その結果、この実施例では「良好」の評価であった。
(5)AC残像特性の評価
基板の外側両面に偏光板を貼り合わせなかった点以外は上記(3)と同様の操作を行い、FFS型液晶セルを作製した。このFFS型液晶セルにつき、交流電圧10Vで30時間駆動した後に、光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(2)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=((β-B)/(B100-B))×100 …(2)
(数式(2)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶セルを挟み最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶セルの最小相対透過率で表され、FFS型液晶セルでは暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が0.2%未満のものを「優良」、0.2%以上0.5%未満のものを「良好」、0.5%以上1.0%未満のものを「可」、1.0%以上のものを「不良」とした。その結果、この実施例では「優良」の評価であった。
(6)長期耐熱性(微小輝点不良)の評価
微小輝点の評価は、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせなかった点以外は上記(3)と同様の操作を行い製造した液晶セルを100℃の恒温槽に21日間保管した後、液晶セル中の微小輝点の有無を顕微鏡にて観察することにより行った。光配向処理のための光照射によって生成した分解物が膜中に残ったままの場合、液晶表示素子を高温環境下に長時間曝すことによって分解物が膜表面にブリードアウトし、液晶中で徐々に結晶化し、微小輝点として観察されることが分かっている。なお、観察領域は680μm×680μm、顕微鏡倍率は100倍にて行った。評価は、微小輝点が観察されない場合を「優良」とし、微小輝点の数が1点以上5点以下であった場合を「良好」とし、微小輝点の数が6点以上10点以下であった場合を「可」とし、微小輝点が11点以上であった場合を「不良」とした。その結果、この実施例では「良好」の評価であった。
[実施例2~12、比較例1~6]
上記実施例1において、液晶配向剤に含有させる重合体を下記表2に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製して液晶配向膜を形成するとともに、FFS型の液晶表示素子及び液晶セルを製造して各種評価を行った。評価結果は下記表2に示した。なお、実施例11及び12では、2種類の重合体(重合体1及び重合体2)を重合体1:重合体2=40:60(固形分換算質量比)の配合比率で液晶配向剤に含有させた。
[実施例13]
上記実施例1において、「(1)液晶配向剤の調製」及び「(2)光配向法による液晶配向膜の形成」を下記(1a)及び(2a)の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、FFS型の液晶表示素子及び液晶セルを製造して各種評価を行った。評価結果は下記表2に示した。
(1a)液晶配向剤の調製
重合体として合成例27で得たポリイミド(PI-1)の溶液を用いて、NMP及びBCにより希釈して、固形分濃度が4.0質量%、溶剤組成比がNMP:BC=80:20(質量比)となる溶液を得た。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R-13)を調製した。
(2a)光配向法による液晶配向膜の形成
平板電極、絶縁層及び櫛歯状電極がこの順で片面に積層されたガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とのそれぞれの面上に、上記(1a)で調製した液晶配向剤(R-13)を膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分乾燥(プレベーク)して塗膜を形成した。この塗膜表面に、Hg-Xeランプを用いて、直線偏光された254nmの輝線を含む紫外線3,000J/mを基板法線方向から照射して光配向処理を行った。上記光配向処理が施された塗膜を、庫内を窒素置換した230℃のオーブンで30分加熱して熱処理(ポストベーク)を行い、液晶配向膜を形成した。
[実施例14~16]
上記実施例13において、液晶配向剤に含有させる重合体を下記表2に示す通りに変更した以外は実施例13と同様にして液晶配向剤を調製して液晶配向膜を形成するとともに、FFS型の液晶表示素子及び液晶セルを製造して各種評価を行った。評価結果は下記表2に示した。なお、実施例15及び16では、2種類の重合体(重合体1及び重合体2)を重合体1:重合体2=40:60(固形分換算質量比)の配合比率で液晶配向剤に含有させた。
Figure 0007028241000030
液晶配向性は、実施例1~16ではいずれも「良好」であった。また、AC残像特性は、実施例1~16ではいずれも「優良」又は「良好」であった。これらは、液晶配向膜の光反応性が改善されたことに起因するものと考えられる。すなわち、実施例1~16の液晶配向剤は、置換シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とジアミンによる重合体を含有している。また、重合体の合成に用いたジアミンは、重合結合基(-NH)が結合している芳香環が、アルキルアミノ基やピペリジンジイル基、オキシアルキレン基(-C2n-O-)等の電子供与性基で置換されている。光に対する高感度化のメカニズムは定かではないが、電子供与性基によるジアミン骨格から置換シクロブタン環への光誘起電子移動(電子移動増感反応)により、置換シクロブタン環のレトロ[2+2]反応による光分解が促進されたと推測される。
また、長期耐熱性(微小輝点不良の低減)については、実施例1~16ではいずれも「優良」又は「良好」であった。実施例1~16の液晶配向剤は、重合体成分として、非対称構造を有するジアミンに由来する構造単位を有する重合体を含有している。長期耐熱性改良のメカニズムは定かではないが、非対称構造を有するジアミンでは、光配向処理工程によって生じる光分解物が非対称構造となることによって光分解物の結晶性が低くなり、微小輝点の生成が抑制されたと推測される。
また、実施例8~10,14,16の液晶配向剤に含有される重合体(P)は、酸二無水物成分又はジアミン成分が複数種の化合物からなる。そのため、光分解物が多様な化学構造を含み、光分解物の結晶化を阻害し、微小輝点の生成が抑制されたと推測される。さらに、実施例11,12,15,16(ブレンド系)では、光分解する重合体(重合体1)の含有比率が小さいため、発生する光分解物の量が少なく、これにより微小輝点の生成が抑制されたものと推測される。
一方、置換シクロブタン環及び特定ジアミンに由来する部分構造を有さない重合体を用いた比較例1~5では、液晶セルの長期耐熱性が「不良」であった。これら比較例1~5の液晶配向剤は、ジアミン成分として対称構造を有するジアミンのみを用いた重合体を含有している。この場合、光配向処理によって生じる光分解物が対称構造となり、光分解物の結晶性が高くなることで微小輝点が生成しやすくなったと推測される。また、比較例6では、液晶セルの液晶配向性及びAC残像特性が「不良」であった。長期耐熱性については、液晶セルの液晶配向性が「不良」であったため評価できなかった。
<化合物の合成2>
[合成例29]
還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、4-ニトロフェノール(13.91g,0.10mol)、4-ニトロベンジルブロミド(21.60g,0.10mol)、炭酸カリウム(16.59g,0.12mol)を入れて窒素置換し、アセトン(200mL)を入れた。反応溶液を窒素下60℃で8時間撹拌して反応を完結させた。冷却後、反応溶液を水300mLに注いで撹拌し、生成物を凝固させた。この生成物をろ過し、水によりかけ洗いした後、真空乾燥することにより、無色結晶のニトロ体中間生成物(26.70g,0.097mol)を得た。
続いて、還流管及び窒素導入管を備えた3つ口フラスコに、ニトロ体中間生成物(8.22g,0.030mol)、亜鉛(39.2g,0.60mol)、塩化アンモニウム(32.09g,0.60mol)を入れて窒素置換した。そこへ窒素バブリングにより脱気したテトラヒドロフラン120mL、エタノール40mLを加えて撹拌しながら、氷水バスにより5~10℃に冷却した。反応溶液へ水16mLをゆっくりと滴下した後、室温で8時間撹拌して反応を完結させた。反応溶液に水100mL加えて希釈し、セライトろ過により不溶分を取り除き、さらにセライトを酢酸エチル200mLで抽出・洗浄した。得られたろ液を分液し、有機層を水により5回洗浄した。得られた有機層を濃縮して酢酸エチル/エタノール=1/10の混合溶媒30mLにより再結晶を行った。得られた固体をろ過して真空乾燥することにより、淡黄色固体のジアミン(DA-10)(4.50g,収率70%)を得た。図3に、ジアミン(DA-10)のH-NMRスペクトル(DMSO-d,400MHz)の測定結果を示す。
Figure 0007028241000031
<重合体の合成2>
[合成例30]
ジアミン(DA-10)をNMPに溶解し、0.95当量のテトラカルボン酸二無水物(TA-1)を加え、室温で6時間反応を行い、下記式(PA-18)で表される構造単位を有するポリアミック酸(PA-18)の15質量%溶液を得た。
Figure 0007028241000032
[合成例31~34]
テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の種類とモル比をそれぞれ下記表3に記載の通りに変更した以外は合成例30と同様にしてポリアミック酸(PA-19~PA-22)をそれぞれ得た。なお、表3中の数値は、テトラカルボン酸二無水物については、合成に使用したテトラカルボン酸二無水物の合計量100モル部に対する各化合物の使用割合(モル部)を表し、ジアミン化合物については、合成に使用したジアミン化合物の合計量100モル部に対する各化合物の使用割合(モル部)を表す。
[合成例35]
窒素導入管及び温度計を備えた50mL三口フラスコに、テトラカルボン酸誘導体(TC-4)(8.11g,20.0mmol)、ピリジン(3.80g,48.0mmol)、γBL20.4g、及びNMP13.6gを入れ、約10℃に冷却し、酸塩化物溶液を調製した。ここに、ジアミン(DA-10)(3.86g,18.0mmol)をγBL20.4gに予め溶解させて調製したジアミン溶液を加え、窒素気流下10℃で4時間反応させた。得られた重合溶液をメタノール70gにより希釈し、水/イソプロパノール=1/1の混合溶媒中に撹拌しながらゆっくり注ぎ凝固させた。沈殿した固体を回収し、水及びイソプロパノール中で撹拌洗浄を行い、60℃で真空乾燥することにより白色粉末を得た。得られた粉末をγBLに溶解し、下記式(PAE-1)で表される構造単位を有するポリアミック酸エステル(PAE-1)の15質量%溶液を得た。
Figure 0007028241000033
[合成例36~37]
ジアミン化合物の種類とモル比をそれぞれ下記表3に記載の通りに変更した以外は合成例35と同様にしてポリアミック酸エステル(PAE-2~PAE-3)をそれぞれ得た。
Figure 0007028241000034
[実施例17~24、比較例7]
上記実施例1において、光配向処理の偏光紫外線露光量を3,000J/mから5,000J/mに変更し、液晶配向剤に含有させる重合体を下記表4に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製して液晶配向膜を形成するとともに、FFS型の液晶表示素子及び液晶セルを製造して各種評価を行った。評価結果は下記表4に示した。なお、実施例20及び24では、2種類の重合体(重合体1及び重合体2)を重合体1:重合体2=40:60(固形分換算質量比)の配合比率で液晶配向剤に含有させた。
Figure 0007028241000035
液晶配向性及びAC残像特性は、実施例17~24ではいずれも「優良」又は「良好」であった。これらの結果は、実施例1~16と同様に、重合結合基(-NH)が結合する芳香環が電子供与性基(ジアミン(DA-10)の「-O-CH-」)によって置換されたジアミンに由来する構造単位を有する重合体を含有させたことにより、液晶配向膜の光反応性が改善されたことに起因するものと考えられる。また、長期耐熱性(微小輝点不良の低減)について、実施例17~24ではいずれも「優良」であった。これらの結果についても実施例1~16と同じく、光配向処理工程によって生じた光分解物が非対称構造であるため結晶性が低くなり、微小輝点の生成が抑制されたことに起因するものと考えられる。
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は上記実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体(P)(ただし、下記式(da-3)で表されるジアミン、下記式(da-4)で表されるジアミン、下記式(da-2)で表されるジアミン及び下記式(da-31)で表されるジアミンと、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる重合体、下記式(da-6)で表されるジアミン、下記式(da-1)で表されるジアミン、下記式(da-12)で表されるジアミン及び下記式(da-31)で表されるジアミンと、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる重合体、並びに、下記式(da-5)で表されるジアミン、下記式(da-7)で表されるジアミン、下記式(da-3)で表されるジアミン及び下記式(da-31)で表されるジアミンと、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる重合体を除く。)を含有する、液晶配向剤。
    Figure 0007028241000036
    (式(1)及び式(2)中、Xは、シクロブタン環構造を有する4価の有機基であり、シクロブタン環の環部分に少なくとも1個の置換基を有する。Xは、下記式(4)又は下記式(5)で表される2価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6の1価の有機基である。)
    Figure 0007028241000037
    (式(4)及び式(5)中、A及びAは2価の芳香環基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Yは酸素原子であり、Yは、単結合、硫黄原子、又は「-NR-」(Rは、水素原子又は1価の有機基である。)である。Bは、下記式(7)又は式(8)で表される2価の複素環基である。Yは、酸素原子、又は「-NR-」(Rは水素原子又は1価の有機基である。)である。Zは、2価の鎖状炭化水素基、又は鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に酸素原子、硫黄原子若しくは「-NR 12 -」(R 12 は水素原子又は1価の有機基である。)を有する2価の有機基であり、炭素数1~15である。は、単結合、又は鎖状炭化水素構造及び脂環式炭化水素構造の少なくともいずれかを有する炭素数1~15の2価の有機基である。「*」は結合手を示す。)
    Figure 0007028241000038
    (式(7)及び式(8)中、Rは置換基である。rは0~3の整数であり、mは0~(r+2)の整数である。「*」は結合手を示す。)
    Figure 0007028241000039
  2. 前記Zは、下記式(6)で表される2価の有機基であり、
    前記Zは、単結合、又は下記式(6)で表される2価の有機基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007028241000040
    (式(6)中、R10及びR11は、それぞれ独立してアルカンジイル基であり、R10及びR11の合計の炭素数が1~15である。Yは、酸素原子、硫黄原子、又は「-NR12-」(R12は水素原子又は1価の有機基である。)である。pは0~4の整数である。pが2以上の場合、複数のR10、Yは、互いに同じでも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
  3. 前記Xは、下記式(3)で表される4価の有機基である、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007028241000041
    (式(3)中、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のチオアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、又は「-COR20」(R20は、炭素数1~6のアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシ基又はフッ素含有アルコキシ基である。)である。Rは、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~6のチオアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、又は「-COR20」である。ただし、R~Rのうち隣接する基同士が結合して環構造を形成していてもよい。式中にR20が複数存在する場合、複数のR20は互いに同じでも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
  4. 上記式(4)で表される2価の有機基は、下記式(4A)で表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007028241000042
    (式(4A)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Yは酸素原子であり、Yは、単結合、硫黄原子、又は「-NR13-」(R13は、水素原子又は1価の有機基である。)である。nは1~5の整数である。「*」は結合手を示す。)
  5. 上記式(5)で表される2価の有機基は、下記式(5A)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007028241000043
    (式(5A)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Bは、置換若しくは無置換のピペリジン-1,4-ジイル基、又は置換若しくは無置換のピペラジン-1,4-ジイル基である。Yは、酸素原子、又は「-NR-」(Rは水素原子又は1価の有機基である。)である。kは0~5の整数である。「*」は結合手を示す。)
  6. 前記R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~6の1価の有機基であり、
    前記Xは、下記式(4C)で表される2価の有機基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0007028241000044
    (式(4C)中、A及びAは、ベンゼン環、ピリジン環又はピリミジン環の環部分から2個の水素原子を取り除いた2価の基であり、環部分に置換基を有していてもよい。ただし、AとAとは同一である。Y51は酸素原子であり、Y61は、単結合又は硫黄原子である。nは1~5の整数である。「*」は結合手を示す。)
  7. 前記Z は、単結合、2価の鎖状炭化水素基、又は鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に酸素原子、硫黄原子若しくは「-NR 12 -」(R 12 は水素原子又は1価の有機基である。)を有する2価の有機基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて塗膜を形成し、該塗膜に光照射処理を施して液晶配向能を付与する光配向工程を含む、液晶配向膜の製造方法。
  10. 前記光照射処理が施された塗膜を、水、水溶性有機溶媒、又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒に接触させる接触工程をさらに含む、請求項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  11. 前記光照射処理が施された塗膜を、前記接触工程の前及び前記接触工程の後の少なくとも一方で、120℃以上280℃以下の温度範囲内で加熱する加熱工程をさらに含む、請求項10に記載の液晶配向膜の製造方法。
  12. 請求項に記載の液晶配向膜を備える液晶素子。
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