JP2015222387A - 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、重合体並びに化合物 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、重合体並びに化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】残留電荷の蓄積量が少なく、高い電圧保持率を示すとともに、残像特性が良好な液晶表示素子を得る。【解決手段】液晶配向剤に、下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体(A)を含有させる。(R1は脂環式構造を有する4価の基であり、R2は2価の有機基であり、R25及びR26はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。R1,R25及びR26の少なくともいずれかに、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び−Si(OR30)3よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する。)【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、重合体並びに化合物に関し、特に光配向技術によって膜に液晶配向能を付与するために好適な技術に関する。
従来、液晶表示素子としては、電極構造や使用する液晶分子の物性等が異なる種々の駆動方式が開発されており、例えばTN型、STN型、VA型等の縦電界方式、IPS型、FFS型等の横電界方式などの各種液晶表示素子が知られている。これらのうち、縦電界方式の液晶表示素子では、対向配置された一対の基板の各々に電極を形成し、基板と垂直方向に電界を発生させるのに対し、横電界方式の液晶表示素子では、一対の基板のうちの一方に電極を形成し、基板と平行方向に電界を発生させるように構成されている。これにより、横電界方式の液晶表示素子は、旧来の縦電界方式に比べて、コントラストや視野角特性の向上を図ることが可能であることが知られている。
液晶表示素子は、基板上に形成された液晶配向膜によって、液晶分子の配向状態を制御している。この液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性などの各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドが一般に使用されている。また、液晶配向剤によって形成された高分子薄膜に液晶配向能を付与する方法としては、近年、ラビング法に代わる技術として、光異性化や光二量化、光分解等を利用した光配向法が提案されている。この光配向法は、基板上に形成した感放射線性の有機薄膜に対し、偏光又は非偏光の放射線を照射することによって膜に異方性を与え、これにより液晶分子の配向を制御する方法である。この方法によれば、従来のラビング法に比べて、工程内でのほこりや静電気の発生を抑制することができるため、ほこり等に起因する表示不良の発生や歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、基板上に形成された有機薄膜に対して、液晶配向能を均一に付与できるといったメリットもある。
光配向法を適用可能な液晶配向剤としては、従来、種々のものが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。これらのうち、特許文献1には、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミド前駆体を含む重合体溶液を用いてポリイミド膜を形成し、このポリイミド膜表面に紫外線を照射することにより膜に液晶配向能を付与することが開示されている。また、特許文献2及び特許文献3には、シクロブタン環にハロゲン原子が結合した構造を有するポリイミドを含む液晶配向膜について開示され、特許文献3〜5には、シクロブタン環にアルキル基が結合した構造を有するポリイミドを含む液晶配向膜について開示されている。なお、特許文献1には、シクロブタン環に炭素数1〜4の1価の有機基が結合した構造を有するポリイミドが開示されているが、この1価の有機基に関する具体的な記載はない。
特許第3893659号公報 特許第4504665号公報 国際公開第2012−176822号 特許第5368250号公報 特開2013−235130号公報
IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子は、広い視野角特性や良好なコントラスト特性を有する一方、残留電荷の蓄積による残像(画像の焼き付き)が問題になることがある。
また、光配向法で得られる液晶配向膜を横電界方式の液晶表示素子に適用することにより、光配向法によって配向処理した場合のメリットを得ることが期待できる。しかしながら、紫外線等の照射によって化学変化を起こす光配向法の場合、従来のラビング処理による液晶配向膜と比較して一般に電気特性に劣る傾向がある。特に重合体の光分解を伴う場合には液晶セル中に不純物イオンが増加し、電圧保持率が低下しやすいという問題があった。また、光配向法で得られる液晶配向膜は液晶の配向規制力が十分でなく、横電界方式の液晶表示素子において焼き付きの一因になっていると推測される。その一方で、液晶パネルにおける近年の高品質化に伴い、液晶表示素子としては、従来のものよりも、液晶表示素子の電気特性や残像特性に優れたものが求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、残留電荷の蓄積量が少なく、高い電圧保持率を示すとともに、残像特性が良好な液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討し、特定構造を有する重合体を、液晶配向剤における重合体成分の少なくとも一部に用いることで、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、重合体並びに化合物が提供される。
本発明は一つの側面において、下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(a)を有する重合体(A)を含有する液晶配向剤を提供する。
Figure 2015222387
(式(1)及び式(2)中、Rは脂環式構造を有する4価の基であり、Rは2価の有機基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。ただし、R、R25及びR26の少なくともいずれかに、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び−Si(OR30(ただし、R30は炭素数1〜4のアルキル基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定原子含有基を有する。)
本発明は別の一つの側面において、上記重合体(A)を含有する液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、該基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する工程と、を含む液晶配向膜の製造方法を提供する。
本発明は別の一つの側面において、上記液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜及びこれを具備する液晶表示素子を提供する。また、別の一つの側面において、下記式(1A)で表される部分構造及び下記式(2A)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体を提供する。
Figure 2015222387
(式(1A)及び式(2A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基であり、Rは2価の有機基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
さらに別の一つの側面において、下記式(3A)で表される化合物及び下記式(4A)で表される化合物を提供する。
Figure 2015222387
(式(3A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基である。)
Figure 2015222387
(式(4A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、Xは、水酸基又はハロゲン原子である。)
本発明の液晶配向剤を用いて得られた液晶配向膜は、横電界方式の液晶表示素子で発生しやすい残留電荷の蓄積を低減することができ、高い電圧保持率を示す。また、当該液晶配向膜を備える液晶表示素子は残像が生じにくく、表示特性に優れている。
以下に、本発明について説明する。
[液晶配向剤]
本発明の液晶配向剤は、重合体成分の少なくとも一種として、上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(a)を有する重合体(A)を含有する。
上記式(1)及び式(2)のRは、脂環式構造を有する4価の基である。Rの脂環式構造は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び−Si(OR30(ただし、R30は炭素数1〜4のアルキル基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種の特定原子含有基を有することが好ましい。
ここで、Rが有するフッ化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、その具体例としては、例えばトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基等が挙げられる。Rが有するフッ化アルキル基は、液晶配向性の観点から、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1〜3であることがさらに好ましい。
が有するフッ化アルコキシ基において、アルキル構造部分としては、上記フッ化アルキル基の例示及び好ましい例示の説明を適用することができる。
フッ化アルキルエステル基は、「*−CO−O−Rf」(ただし、Rfはフッ化アルキル基であり、*は脂環式構造に結合する結合手を示す。)で表される基である。Rfについては、上記フッ化アルキル基の例示及び好ましい例示の説明を適用することができる。
基「−Si(OR30」におけるR30は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。
上記特定原子含有基としては、上記の中でも、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基(以下、「特定フッ素含有基」とも称する。)であることが好ましい。
脂環式構造を有する4価の基は、脂環式テトラカルボン酸に由来する構造を有する。Rが有する脂環式構造としては、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の単環のシクロアルカン;ビシクロ[2.2.0]ヘキサン環、デカヒドロナフタレン環、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環等の二環式アルカンなどが挙げられる。これらの中でも、光配向性が高い点で、Rの脂環式構造はシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環又はビシクロ[2.2.0]ヘキサン環であることが好ましく、シクロブタン環であることが特に好ましい。
は、特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基であることが好ましく、その好ましい具体例としては、例えば下記式(3−1)〜式(3−4)のそれぞれで表される基などが挙げられる。
Figure 2015222387
(式(3−1)〜式(3−4)中、R〜R23は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。ただし、R〜Rの少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R〜R11の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R12〜R17の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R18〜R23の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基である。「*」は結合手を示す。)
〜R23における1価の有機基は、例えば1価の炭化水素基、1価の炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−NHCO−等で置き換えてなる基、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、及びハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)などが挙げられる。また、これらの基は、炭素原子に結合する水素原子がハロゲン原子、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基等で置換されていてもよい。
ここで、本明細書における「炭化水素基」は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよく、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。また、「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
上記式(3−1)〜式(3−4)のそれぞれで表される基は、シクロブタン環等の脂環式構造の環部分に上記特定フッ素含有基がそれぞれ1個以上結合している。各基における上記特定フッ素含有基の数は、特定フッ素含有基1個あたりのフッ素原子の数や脂環式構造の環員数などに応じて適宜設定することができる。
上記式(3−1)〜式(3−4)における特定フッ素含有基は、中でもトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基又は1,1−ジフルオロエチル基が好ましく、トリフルオロメチル基又は2,2,2−トリフルオロエチル基がより好ましい。
上記式(1)及び式(2)におけるRは2価の有機基である。その一例を挙げるならば、例えば2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−,−COO−、−NH−、−NHCO−、−Si(R30−、−Si(OR30−等で置き換えてなる基、複素環を有する基などが挙げられる。なお、Rにおいて、炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子が、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等で置換されていてもよい。
25及びR26は、水素原子又は1価の有機基である。当該1価の有機基としては、例えば炭素数1〜18の1価の炭化水素基、炭素数1〜18の1価の炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を、−O−、−CO−,−COO−、−NR−、−NRCO−(ただし、Rはアルキル基)、−Si(R30−、−Si(OR30−等で置き換えてなる基、炭素数1〜18の1価の炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子をハロゲン原子やアルキルシリル基、アルコキシシリル基等で置換してなる基などが挙げられる。R25及びR26は、互いに同じでも異なっていてもよい。
なお、本発明の液晶配向剤に含有される重合体(A)において、Rが上記特定原子含有基を有さない場合には、R25及びR26の少なくともいずれかは上記特定原子含有基を有する。R25及びR26が有する上記特定原子含有基の例示及び好ましい具体例については、上記Rの説明を適用することができる。
上記重合体(A)は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体である。
[ポリアミック酸]
重合体(A)としてのポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸(A)」とも称する。)は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
(テトラカルボン酸二無水物)
ポリアミック酸(A)の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、上記式(3A)で表される化合物(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」とも称する。)を含むことが好ましい。なお、上記式(3A)中のR31については、上記Rが、特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基である場合の説明を適用することができる。
特定テトラカルボン酸二無水物の好ましい具体例としては、例えば下記式(3−1)〜式(3−14)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定テトラカルボン酸二無水物はこれらの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2015222387
ポリアミック酸(A)の合成に際しては特定テトラカルボン酸二無水物のみを用いてもよいが、特定テトラカルボン酸二無水物とともにその他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
ここで使用することができるその他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などを;
それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物等を用いることができる。なお、上記その他のテトラカルボン酸二無水物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸(A)の合成に際し、特定テトラカルボン酸二無水物の使用割合は、電圧保持率の改善効果を十分に得る観点から、ポリアミック酸の合成に用いるテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましく、20モル%以上とすることがさらに好ましく、30モル%以上とすることが特に好ましい。
(ジアミン)
ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。
これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2−(4−アミノフェニル)エチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、{4−[2−(3,5−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−エタノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、{4−[2−(3,5−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−メタノン、{4−[2−(2,4−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−p−トルイル−メタノン、2,7−ジアミノフルオレノン、2,7−ジアミノフルオレン、及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、下記式(D−1)
Figure 2015222387
(式(D−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などのほか、
3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−2,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3−カルボン酸、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸等のカルボキシル基含有ジアミン:
2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、下記式(d−1)〜(d−3)
Figure 2015222387
のそれぞれで表される化合物等の窒素含有複素環ジアミン:下記式(d−4)〜式(d−7)
Figure 2015222387
のそれぞれで表される化合物などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルシランジイル)]ビス(1−プロパンアミン)などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
上記式(D−1)における「−X−(R−XII−」で表される2価の基は、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。基「−C2c+1」は直鎖状であることが好ましい。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(D−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(D−1−1)〜(D−1−5)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2015222387
ポリアミック酸(A)の合成に際し、ジアミンはこれらを一種単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。なお、上記式(1)及び式(2)中のRは、これらのジアミンに由来する2価の有機基である。
<ポリアミック酸の合成>
ポリアミック酸(A)は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、必要に応じて分子量調節剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸(A)の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
分子量調節剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(第一群の有機溶媒)から選択される一種以上、又は、第一群の有機溶媒から選択される一種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第二群の有機溶媒)から選択される一種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第二群の有機溶媒の使用割合は、第一群の有機溶媒及び第二群の有機溶媒の合計量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
特に好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される一種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの一種以上と他の有機溶媒との混合物を、上記割合の範囲で使用することが好ましい。
有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン並びに必要に応じて使用される分子量調節剤の合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
[ポリアミック酸エステル]
上記重合体(A)としてのポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸(A)と、エステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、などによって得ることができる。
ここで、方法[I]で使用するエステル化剤としては、例えば水酸基含有化合物、アセタール系化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等が挙げられる。これらの具体例としては、水酸基含有化合物として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール類などを;アセタール系化合物として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセタールなどを;ハロゲン化物として、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化ステアリル、塩化メチル、塩化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタンなどを;エポキシ基含有化合物として、例えばプロピレンオキシドなどを、それぞれ挙げることができる。
方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、テトラカルボン酸二無水物をアルコール類と反応させて開環する方法、テトラカルボン酸をエステル化する方法、等により得ることができる。また、方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当なハロゲン化剤と反応させることにより得ることができる。上記部分構造(a)を有するポリアミック酸エステルを合成する場合、上記式(4A)で表される化合物を好ましく使用することができる。
方法[II]及び[III]で使用するジアミンは、ポリアミック酸(A)の合成に使用するジアミンとして例示した化合物などが挙げられる。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
<化合物の合成>
上記式(3A)で表される化合物及び上記式(4A)で表される化合物は、有機化学の定法を適宜組み合わせて合成することができる。その一例としては、光二量化反応を用いる方法を挙げることができ、具体的には、例えば上記式(3A)中のR31がシクロブタン環を有する化合物は、無水マレイン酸誘導体に対し、溶媒中にて波長250nm以上の光を照射する方法によって得ることができる。また、上記式(3A)で表される化合物を、例えばメタノールやエタノール、フェノール等のアルコール類又はフェノール類で開環することにより、上記式(4A)で表されるテトラカルボン酸ジエステルを得ることができる。また、上記の如くして得られたテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応させることにより、上記式(4A)で表されるテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を得ることができる。ただし、上記式(3A)で表される化合物及び上記式(4A)で表される化合物の合成方法は上記に限定されるものではない。
[ポリイミド]
上記重合体(A)としてのポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸(A)を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。上記重合体組成物を用いて液晶配向膜を製造する場合、ポリイミドは、電気特性の観点からすると、30%以上とすることが好ましく、50%以上とすることがより好ましく、65%以上とすることがさらに好ましい。一方、重合体の溶解性を確保し、塗布性を高める観点からすると、イミド化率は、65%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくは(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、又は(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)の方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が進行しにくく、反応温度が200℃を超えると、得られる重合体の分子量が低下することがある。反応時間は、好ましくは1.0〜24時間であり、より好ましくは1.0〜12時間である。
上記(ii)の方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、所望とするイミド化率によるが、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。
脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
重合体(A)は、これを濃度10重量%の溶液としたときに、それぞれ10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、500〜500,000であることが好ましく、1,000〜300,000であることがより好ましい。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。
(重合体成分の組成)
本発明の液晶配向剤は、重合体成分として、重合体(A)のうちの一種のみを含んでいてもよいし、重合体(A)のうちの二種以上を含んでいてもよい。あるいは、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる重合体として、重合体(A)とともに、上記部分構造(a)を有さない重合体(B)を含んでいてもよい。
本発明の液晶配向剤を、二種以上の重合体を配合したブレンド系とする場合、当該液晶配向剤が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる重合体として、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかである特定原子の含有率(ただし、フッ素原子及びケイ素原子を共に有する場合にはその合計量)が異なる二種の重合体を含むものとしてもよい。一般に、上記特定原子の含有率が異なる複数種の重合体をブレンドして塗膜を形成した場合、表面エネルギーの相違によって、特定原子の含有率が高い方の重合体が上層に偏在し、特定原子の含有率が低い方の重合体が下層に偏在することが知られている。こうした現象に鑑み、特定原子の含有率が異なる二種以上の重合体を配合することにより、液晶配向膜中で重合体の分布の偏りを生じさせることができるものと推測される。
液晶配向剤の重合体成分を二種以上とする場合の好ましい態様としては、例えば、
[1]重合体(A)として少なくとも二種の重合体を含み、それら二種の重合体における上記特定原子の含有率が互いに異なる態様。
[2]重合体(A)と重合体(B)とを含み、重合体(B)の上記特定原子の含有率が重合体(A)よりも低い態様。
等が挙げられる。なお、以下では、上記特定原子の含有率が異なる二種の重合体のうち、特定原子の含有率が高い方の重合体を重合体(F1)と称し、特定原子の含有率が低い方の重合体を重合体(F2)と称することがある。
重合体(F1)は、上記部分構造(a)を有する。重合体(F1)において、上記部分構造(a)の含有割合は、液晶配向膜中での重合体の分布の偏りを十分に生じさせる観点から、重合体(F1)が有する全部分構造に対して、20モル%以上とすることが好ましく、30モル%以上とすることがより好ましく、40モル%以上とすることがさらに好ましい。
また、重合体(F2)は、上記[1]の態様では重合体(A)であり、上記[2]の態様では重合体(B)である。上記[1]の態様において、重合体(F2)が有する部分構造(a)の含有割合は、重合体(F2)が有する全部分構造に対して、20モル%以下とすることが好ましく、1〜15モル%とすることがより好ましく、1〜10モル%とすることがさらに好ましい。
液晶配向剤の重合体成分としてフッ素原子の含有率が異なる重合体を配合する場合、上記特定原子の含有率が低い方の重合体(F2)は、液晶表示素子の電気特性を改善する観点から、下記式(4−1)で表される構造、下記式(4−2)で表される構造(ただし、モノマーの重合によって形成されるアミド結合中に含まれるものを除く。)及び窒素含有複素環よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造(Z)を有することが好ましい。
Figure 2015222387
(式(4−1)中、R27は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、r1は1又は2であり、r2は0〜3の整数であり、r1+r2≦4を満たす。複数のR27は同じでも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。式(4−2)中、R28は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。「*」は結合手を示す。)
上記R27の炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。また、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルキル基と酸素原子とが結合してなる基を挙げることができ、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
r1は1が好ましく、r2は0又は1が好ましい。
上記R28は、電気特性の改善効果が高い点で、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
上記窒素含有複素環としては、例えばピペリジン環、ピロリジン環、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、ピリミジン環、ホモピペラジン環等が挙げられる。これらのうち、蓄積した残留電荷を緩和させる効果が高い点で、ピペリジン環又はピペラジン環が好ましく、ピペリジン環がより好ましい。
上記構造(Z)としては、電気特性の改善効果が高い点で、中でも上記式(4−2)で表される構造又は窒素含有複素環であることが好ましい。
上記構造(Z)を有する重合体は、有機化学の定法を適宜組み合わせることにより合成することができる。例えば、重合体の合成に際しカルボキシル基含有ジアミンを用いることにより、上記式(4−1)で表される構造を有する重合体を得ることができる。また、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン及び上記式(d−4)で表される化合物等といった、「−NR28−」を有するジアミンをモノマー組成に含む重合により、上記式(4−2)で表される構造を有する重合体を得ることができる。また、上記の窒素含有複素環ジアミンをモノマー組成に含む重合により、窒素含有複素環を有する重合体を得ることができる。
重合体(F2)の合成に際し、構造(Z)を含むモノマーの使用割合は、合成に使用するモノマーの合計量に対して、1〜25モル%であることが好ましく、2〜20モル%であることがより好ましい。
上記重合体(B)がポリアミック酸である場合、重合体(B)は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。このとき使用するテトラカルボン酸二無水物としては、上記重合体(A)の合成に使用することができるその他のテトラカルボン酸二無水物として例示した化合物等が挙げられる。これらの中でも、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、及びピロメリット酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。なお、重合体(B)の合成に際しては、上記のテトラカルボン酸二無水物の一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合体(B)の合成に使用するジアミンとしては、上記重合体(A)の合成に使用することができるジアミンとして例示した化合物等が挙げられる。重合体(B)としてのポリアミック酸を合成する際の各種反応条件については、上記重合体(A)の説明を適用することができる。また、重合体(B)としてのポリアミック酸エステル及びポリイミドについても、上記重合体(A)で説明した方法に従って得ることができる。なお、液晶配向剤に含有させる重合体(B)は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合体(B)の溶液粘度、重量平均分子量及び数平均分子量の好ましい数値範囲については、上記重合体(A)の説明を適用することができる。
重合体の配合態様が上記[1]の場合、上記特定原子の含有率が異なる二種の重合体(A)の配合割合は、光に対する感度、電気特性、残像特性及びコントラスト特性をバランス良く改善する観点から、重量比(F1/F2)で2/8〜8/2とすることが好ましく、3/7〜7/3とすることがより好ましい。また、上記[2]の態様の場合、同様の理由から、液晶配向剤中における重合体(A)と重合体(B)との含有割合は、重量比(A/B)で2/8〜8/2とすることが好ましく、3/7〜7/3とすることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、必要に応じてさらにその他の成分を含有していてもよい。当該液晶配向剤に配合してもよいその他の成分としては、例えば、重合体(A)及び重合体(B)以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という。)、官能性シラン化合物等が挙げられる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えばポリオルガノシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他の重合体を液晶配向剤に添加する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
[エポキシ基含有化合物]
エポキシ基含有化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性や電気特性を向上させるために使用することができる。このようなエポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を好ましいものとして挙げることができる。その他、エポキシ基含有化合物の例としては、国際公開第2009/096598号記載のエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを用いることができる。
これらエポキシ化合物を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下とすることが好ましく、0.1〜30重量部とすることがより好ましい。
[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これら官能性シラン化合物を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、2重量部以下とすることが好ましく、0.02〜0.2重量部とすることがより好ましい。
なお、その他の成分としては、上記のほか、分子内に少なくとも一つのオキセタニル基を有する化合物や酸化防止剤、界面活性剤、光増感剤などを挙げることができる。
<溶剤>
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
上記液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1重量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法などによって異なる。例えばスピンナー法により基板に塗布する場合には、固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)が1.5〜4.5重量%の範囲であることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
本発明の液晶配向膜は、上記で説明した液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程を含む方法によって製造することができる。また、本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を具備する。本発明の液晶表示素子の動作モードは特に限定せず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型を含む。)、IPS型、FFS型、OCB型など種々の動作モードに適用することができる。
本発明の液晶表示素子は、例えば以下の工程(1)〜(3)を含む工程により製造することができる。工程(1)は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程(2)及び工程(3)は各動作モード共通である。
[工程(1):塗膜の形成]
先ず、上記液晶配向剤を基板上に塗布し、次いで塗布面を好ましくは加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−2)IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を好ましくは加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、並びに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1)及び(1−2)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって液晶配向膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、塗膜形成後に更に加熱することによって、液晶配向剤に配合されるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(2):配向処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して光を照射する光配向処理などが挙げられる。これらのうち、重合体(A)の光分解性が高いこと、及び光照射によって良好な液晶配向性を示すことを考慮すると、光配向処理によることが好ましい。一方、垂直配向型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向処理における光照射は、[1]ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、[2]プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、[3]プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、などにより行うことができる。
塗膜に照射する光は、偏光又は非偏光の放射線とすることができる。放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。光の照射量は、好ましくは100〜50,000J/mであり、より好ましくは300〜20,000J/mである。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
なお、ラビング処理後の液晶配向膜に対して更に、液晶配向膜の一部に放射線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにしてもよい。この場合、得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。VA型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜は、PSA(Polymer sustained alignment)型の液晶表示素子にも好適に用いることができる。
[工程(3):液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第1の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール材を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール材により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。また、第2の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。この手法では、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール材を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール材としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球及び硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの表示装置に用いられる液晶表示素子として好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
合成例における各重合体の重量平均分子量及び各重合体溶液の溶液粘度は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度[mPa・s]は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、重合体濃度10重量%に調製した溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
≪重合体の合成≫
重合体は、各実施例において下記の化合物を用いてそれぞれ合成した。なお、以下では、式Xで表される化合物を単に「化合物X」と記すことがある。
<特定テトラカルボン酸二無水物>
Figure 2015222387
<その他のテトラカルボン酸二無水物>
Figure 2015222387
<ジアミン>
Figure 2015222387
<重合体(A)の合成>
[実施例1:重合体(A−1)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(a−1)を100モル部、ジアミンとして化合物(b−1)を100モル部、をNMPに溶解し、室温で8時間反応させた。これにより、固形分濃度15重量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸を重合体(A−1)とした。重合体(A−1)の重量平均分子量Mwは80,000であった。
[実施例2〜9:重合体(A−2)〜(A−9)の合成]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表1の通り変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分濃度15重量%のポリアミック酸溶液を得た。各重合体の重量平均分子量Mwを下記表1に併せて示した。
Figure 2015222387
表1中、化合物の各欄の括弧内の数値は、使用したテトラカルボン酸二無水物の合計100モル部に対する配合割合(モル部)を示す。「−」は、その化合物を使用しなかったことを意味する(以下の表についても同じ)。
<重合体(B)の合成>
[合成例1,2:重合体(B−1)〜(B−7)の合成]
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表2の通り変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分濃度15%のポリアミック酸溶液を得た。各重合体の重量平均分子量Mwを下記表2に併せて示した。
Figure 2015222387
≪液晶配向剤の調製、並びに液晶表示素子の製造及び評価≫
[実施例10]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、上記実施例1で得た重合体(A−1)を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.光照射処理により配向処理した液晶表示素子の製造
櫛歯状にパターニングされたクロムからなる2系統の金属電極(電極A及び電極B)を有し、それら電極A及び電極Bに対して独立に電圧の印加が可能なガラス基板を準備した。このガラス基板と、電極が設けられていない対向ガラス基板とを一対とし、ガラス基板の電極を有する面と対向ガラス基板の一面とに、上記で調製した液晶配向剤を、スピンコーターを用いてそれぞれ塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行い、庫内を窒素置換したオーブンにて250℃で1時間加熱(ポストベーク)した。その後、液晶配向剤を塗布した側の基板表面に対し、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて偏光紫外線1,000J/mを基板面の垂直方向から照射した。これにより、膜厚0.1μmの液晶配向膜を有する一対の基板を得た。
次いで、一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線を照射した際の各基板の向きが逆になるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ液晶配向膜の偏光紫外線の光軸の基板面への射影方向と直交するように貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。また、上記の一連の操作を、ポストベーク後の紫外線照射量を1,000〜5,000J/mの範囲でそれぞれ変更して実施することにより、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子を製造した。
3.液晶表示素子の評価
上記で製造した液晶表示素子を用いて以下の(1)〜(5)の評価を行った。なお、(2)〜(4)では、(1)の感度の評価結果に基づき、紫外線照射量が異なる3個以上の液晶表示素子の中から最適感度のものを選び出し、その最適感度の液晶表示素子の評価結果を示した。
(1)紫外線に対する感度の評価
上記で製造した液晶表示素子を用い、5Vの電圧を印加/解除したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を光学顕微鏡により観察した。液晶配向性が見られた時(異常ドメインが観察されなかった時)の紫外線照射量が少ないほど、塗膜の紫外線に対する感度が良好であると言える。評価は、いずれの紫外線照射量でも異常ドメインが観察されなかった場合を感度「優良(◎)」、1,000J/mの紫外線照射量では異常ドメインが観察されたが、2,000J/m及び3,000J/mの紫外線照射量では異常ドメインが観察されなかった場合を感度「良好(○)」、1,000J/m及び2,000J/mの紫外線照射量では異常ドメインが観察されたが、3,000J/m及び5,000J/mの紫外線照射量では異常ドメインが観察されなかった場合を感度「可(△)」、いずれの紫外線照射量でも異常ドメインが観察された場合を感度「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子の紫外線に対する感度は「優良」と判断された。
(2)電圧保持率の評価
上記で製造した液晶表示素子を用い、60℃で5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製「VHR−1」を使用した。この液晶表示素子の電圧保持率は99%であった。
(3)電荷蓄積量(RDC)の測定
上記で製造した液晶表示素子を用い、71℃で2Vの直流電圧を10分間印加した後、0.2秒間ショートし、その後に10分間、開放状態に保ったときの液晶表示素子内に蓄積した電圧を誘電吸収法により測定した。評価は、電荷蓄積量が0.1V以下であった場合を「良好(◎)」、電荷蓄積量が0.1Vよりも大きく、かつ0.2V以下であった場合を「可(○)」、電荷蓄積量が0.2Vよりも大きかった場合を「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子の電荷蓄積量の評価は「可」であった。
(4)AC残像特性の評価
上記で製造した液晶表示素子を用い、AC残像特性(焼き付き特性)を評価した。まず、液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下におき、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧4Vを2時間印加した。その直後、電極A及び電極Bの双方に交流4Vの電圧を印加した。両電極に交流4Vの電圧を印加し始めた時点から、電極A及び電極Bの光透過性の差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定した。この時間が60秒未満であった場合に焼き付き特性「良好(○)」、60秒以上100秒未満であった場合に焼き付き特性「可(△)」、100秒以上であった場合に焼き付き特性「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子は焼き付き特性が「良好」であった。
(5)駆動ストレス後のコントラストの評価
上記で製造した液晶表示素子を、交流電圧10Vで30時間駆動した後に光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(2)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=(β−B)/(B100−B)×100 …(2)
(数式(2)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶表示素子を挟み、最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶表示素子の最小相対透過率で表され、暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が0.5%未満のものを「良好(○)」とし、0.5%以上1.0%未満のものを「可(△)」とし、1.0%以上のものを「不良(×)」とした。その結果、この液晶表示素子のコントラスト評価は「良好」と判断された。
[実施例11,12及び比較例1,2]
使用する重合体の種類をそれぞれ下記表3のとおり変更したほかは実施例10と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例10と同様に行った。それらの評価結果を下記表3に示した。
Figure 2015222387
[実施例13]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、実施例8で得た重合体(A−8)を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.ラビング処理により配向処理した液晶表示素子の製造
実施例10と同様に電極A,Bを備える一対のガラス基板を準備し、ガラス基板の電極を有する面と対向ガラス基板の一面とに、上記で調製した液晶配向剤を、スピンコーターを用いてそれぞれ塗布した。次いで、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、250℃のホットプレートで10分間ポストベークして、膜厚約0.1μmの塗膜を形成した。形成された塗膜面に対し、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて、ロールの回転数1,000rpm、ステージの移動速度25mm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmにてラビング処理を行い、液晶配向能を付与した。さらにこの基板を超純水中で1分間超音波洗浄し、100℃クリーンオーブンで10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。
次いで、一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、メルク社製液晶「MLC−7028」を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜のラビング方向に貼り合わせることにより液晶表示素子を製造した。
この実施例で製造した液晶表示素子の各種評価については、実施例10の評価項目の(2)〜(5)を実施した。それぞれの評価結果を下記表4に示した。
Figure 2015222387
[比較例3]
使用する重合体の種類を上記表4のとおり変更したほかは実施例13と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様の方法により行った。それらの評価結果を上記表4に示した。
[実施例14]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、上記実施例1で得た重合体(A−2)を50重量部、及び上記合成例1で得た重合体(B−1)を50重量部、を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.液晶表示素子の製造及び評価
上記で調製した液晶配向剤を用いた以外は実施例10と同様に、光照射処理により配向処理して液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例10と同様に実施した。それらの評価結果を下記表5に示した。
Figure 2015222387
表5中、重合体の配合量の欄の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体の合計100重量部に対する各重合体の配合割合(重量部)を示す(以下の表6についても同じ)。
[実施例15〜17及び比較例4,5]
使用する重合体の種類をそれぞれ上記表5のとおり変更したほかは実施例14と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例10と同様に行った。それらの評価結果を上記表5に示した。
[実施例18]
1.液晶配向剤の調製
重合体成分として、上記実施例8で得た重合体(A−8)を50重量部、及び上記合成例1で得た重合体(B−1)を50重量部、を含有する溶液に、NMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶媒組成がNMP:BC=70:30(重量比)、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤を調製した。
2.液晶表示素子の製造及び評価
上記で調製した液晶配向剤を用いた以外は実施例13と同様にして、ラビング処理により配向処理して液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様に実施した。それらの評価結果を下記表6に示した。
[比較例6]
使用する重合体の種類及び量を下記表6のとおり変更したほかは実施例18と同様にして液晶配向剤を調製し、液晶表示素子を製造した。また、製造した液晶表示素子の各種評価を実施例13と同様に行った。それらの評価結果を下記表6に示した。
Figure 2015222387
重合体成分を一種のみ含有する液晶配向膜では、配向処理方法に関わらず、電圧保持率がいずれも99%以上であった(実施例10〜13)。また、電荷蓄積量、AC残像特性、コントラスト特性に関しては「良好」、紫外線に対する感度についても「優良」の評価であり、各種特性のバランスが取れていた。
また、重合体成分として二種の重合体を含有する液晶配向膜においても、配向処理方法に関わらず、電圧保持率がいずれも99%以上であった(実施例14〜18)。また、電荷蓄積量がいずれも0.1V以下と少なく、さらにAC残像特性、コントラスト特性に関しては「良好」、紫外線に対する感度についても「優良又は良好」の評価であった。
これに対し、重合体成分を一種のみとした比較例1〜3では、電圧保持率が96%以下と低かった。また、重合体成分として二種の重合体を含有する系のうち、比較例4では、電圧保持率が93%であり、比較例5及び6では97%と低かった。また、比較例では、AC残像特性、コントラスト特性及び紫外線に対する感度がそれぞれ低い結果となった。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(a)を有する重合体(A)を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 2015222387
    (式(1)及び式(2)中、Rは脂環式構造を有する4価の基であり、Rは2価の有機基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。ただし、R,R25及びR26の少なくともいずれかに、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び−Si(OR30(ただし、R30は炭素数1〜4のアルキル基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定原子含有基を有する。)
  2. 前記Rは、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記Rは、下記式(3−1)〜式(3−4)のそれぞれで表される基よりなる群から選ばれる一種である、請求項2に記載の液晶配向剤。
    Figure 2015222387
    (式(3−1)〜式(3−4)中、R〜R23は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。ただし、R〜Rの少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R〜R11の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R12〜R17の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基であり、R18〜R23の少なくとも1個は上記特定フッ素含有基である。「*」は結合手を示す。)
  4. 前記Rが上記式(3−1)で表される基である、請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 重合体成分として少なくとも二種の重合体を含み、
    前記二種の重合体として、前記重合体(A)と、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体であって、前記部分構造(a)を有さない重合体(B)とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 前記重合体(A)と前記重合体(B)との含有比率が、重量比(A/B)で2/8〜8/2である、請求項5に記載の液晶配向剤。
  7. 前記重合体(B)は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、及びピロメリット酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をモノマー組成に含む重合により得られる重合体である、請求項5又は6に記載の液晶配向剤。
  8. 重合体成分として少なくとも二種の重合体を含み、
    前記二種の重合体として、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかである特定原子の含有率(ただし、フッ素原子及びケイ素原子を共に有する場合にはその合計量)が異なる二種の前記重合体(A)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  9. 前記二種の重合体として、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかである特定原子の含有率(ただし、フッ素原子及びケイ素原子を共に有する場合にはその合計量)が異なる重合体を含有し、
    該二種の重合体のうち、前記特定原子の含有率が低い方の重合体は、下記式(4−1)で表される構造、下記式(4−2)で表される構造(ただし、モノマーの重合によって形成されるアミド結合中に含まれるものを除く。)及び窒素含有複素環よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造(Z)を有する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2015222387
    (式(4−1)中、R27は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、r1は1又は2であり、r2は0〜3の整数であり、r1+r2≦4を満たす。r2が2又は3の場合、複数のR27は同じでも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。式(4−2)中、R28は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。「*」は結合手を示す。)
  10. 前記構造(Z)を有する重合体において、該重合体の合成に使用する前記構造(Z)を有するモノマーの使用割合が、全モノマーに対して1〜25モル%である、請求項9に記載の液晶配向剤。
  11. 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(a)を有する重合体(A)を含有する液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記基板上に形成した塗膜に光照射を行って前記塗膜に液晶配向能を付与する工程と、を含むことを特徴とする液晶配向膜の製造方法。
    Figure 2015222387
    (式(1)及び式(2)中、Rは脂環式構造を有する4価の基であり、Rは2価の有機基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。ただし、R,R25及びR26の少なくともいずれかに、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基及び−Si(OR30(ただし、R30は炭素数1〜4のアルキル基である。)よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定原子含有基を有する。)
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜。
  13. 請求項12に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  14. 下記式(1A)で表される部分構造及び下記式(2A)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体。
    Figure 2015222387
    (式(1A)及び式(2A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基であり、Rは2価の有機基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
  15. 下記式(3A)で表される化合物。
    Figure 2015222387
    (式(3A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基である。)
  16. 下記式(4A)で表される化合物。
    Figure 2015222387
    (式(4A)中、R31は、フッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基及びフッ化アルキルエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定フッ素含有基が結合した脂環式構造を有する4価の基であり、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、Xは、水酸基又はハロゲン原子である。)
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