JPWO2019065646A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

配向制御能が安定して生じる広い光照射量の範囲を有し、高品質の液晶配向膜を効率よく得られる液晶配向剤を提供する。下記(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。(A)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの20〜100モル%が下記式(3)で表される構造であるポリイミド前駆体等である重合体(A)。(B)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの65〜100モル%が下記式(4)又は式(5)で表される構造であり、且つ、Yが下記式(3)で表される構造である繰り返し単位を含まない又は20モル%未満で含むポリイミド前駆体等である重合体(B)。[化1](式中、R1等は明細書において定義されたとおりである。)

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶テレビ、液晶ディスプレイなどに用いられる液晶表示素子は、通常、液晶の配列状態を制御するための液晶配向膜が素子内に設けられている。液晶配向膜には、液晶を基板に対して平行な方向など、一定の方向に配向させるという役割に加え、液晶のプレチルト角を制御するという役割を求められることがある。こうした液晶配向膜における、液晶の配向を制御する能力(配向制御能)は、液晶配向膜を構成する有機膜に対して配向処理を行うことによって与えられる。
従来、工業的に普及している配向処理の方法は、電極基板上に形成されたポリイミド系などの有機被膜の表面を、綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一方向に擦る、いわゆるラビング処理である。しかし、ラビング処理は、有機被膜と布とを物理的に擦り合わせるため、形成された配向膜の表面に削りカスが発生し、これが表示素子における不良の原因になることがあった。
ラビング処理に代わる方法としては、偏光された紫外線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。光配向法は、液晶表示素子の配向処理方法として従来から工業的に使用されてきたラビング法と比べてラビング工程そのものを不要とするため、大きな利点を備える。そして、ラビングによって配向制御能がほぼ一定となるラビング法に比べ、光配向法では、偏光した光の照射量を変化させて配向制御能を制御することができる。
例えば、特許文献1には、光配向法での露光に対する感度の高い液晶配向膜として、特定のシクロブタンテトラカルボン酸二無水物誘導体及び芳香族ジアミンから製造されるポリイミド前駆体及びポリイミドからなる露光に対する感度が高いとされる配向制御膜が提案されている。
日本特開2012−181527号公報
従来、光配向法によりポリイミド前駆体やポリイミドなどの有機被膜の配向処理を行う場合、本発明者の知見によると、光配向の効果は、用いる光の照射量に敏感であり、比較的範囲の狭い最適照射量が必要とされ、この最適範囲の照射量をはずれると、液晶配向膜の一部又は全体において配向が不完全になり、液晶の安定な配向が実現できない場合が生じるという問題があることが判明した。
そして、特に、寸法の大きなパネルを光配向法により処理する場合には、光照射量を均一に制御した光配向照射を行うことが困難になり、結果的に光配向法による安定な配向処理が困難になることを知見した。
そこで、本発明の目的は、良好な配向制御能が得られる光照射量の範囲(以下、最適照射量マージンともいう。)を拡大させ、広い照射量マージンをもたらしめることにより、特に寸法の大きいパネルの場合でも、品質のよい安定した配向能が得られる液晶配向剤を提供することにある。すなわち、本発明の目的は、配向制御能が安定して生じる広い光照射量の範囲を有し、高品質の液晶配向膜を効率よく得られる液晶配向剤を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を進めたところ、特定のポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドを2種類以上組み合わせて含有する液晶配向剤を使用することによって、良好な配向制御能が得られる最適照射量マージンを拡大させることを見出し、これに基づき上記の課題を達成しうる本発明に到達した。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、下記を要旨とするものである。
下記の(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの20〜100モル%が下記式(3)で表される構造であるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)。
(B)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの65〜100モル%が下記式(4)又は式(5)で表される構造であり、且つ、Yが下記式(3)で表される構造である繰り返し単位を含まない又は20モル%未満で含むポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)。
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(式(1)中、Xは4価の有機基であり;Yは2価の有機基であり;Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり;Z、Zはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、tert−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメトキシカルボニル基である。)
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(式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、又はフッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基である。)
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(式(3)中、Aは−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−又は、−O−(CH−O−(CH−O−である。但し、p、q、r、sはそれぞれ独立して1〜14の整数であり、酸素原子が隣り合わない条件で一つ以上の−CH−が−O−で置き換えられてもよい。Aは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、リン酸基、又は炭素数1〜20の1価の有機基である。aは1〜4の整数である。b、cは、それぞれ独立して1又は2の整数である。
式(4)中、Aは単結合、又は炭素数1又は2の2価の炭化水素基である。d、eはそれぞれ独立して1又は2の整数である。)
本発明の液晶配向剤により、従来困難であった優れた光配向処理をもたらす光照射量マージンの拡大が可能になり、且つ良好な残像特性を有する液晶配向膜を得ることができる。よって、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、液晶パネル製造における歩留りが高く、且つIPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する交流駆動による残像を低減することができ、残像特性に優れたIPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子が得られる。
本発明の液晶配向剤は、上記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの20〜100モル%が下記式(3)で表される構造であるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)、及び上記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの65〜100モル%が下記式(4)又は式(5)で表される構造であり、且つ、Yが下記式(3)で表される構造である繰り返し単位を含まない又は20モル%未満で含むポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)を含有する。
上記式(1)において、X、Y、Z、Z、及びRは、上記に定義した通りである。なかでも、X、Y、Z、Z、及びRは、それぞれ、下記のものが好ましい。
上記式(2)で表される構造が、下記式(X−1)〜(X−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
Figure 2019065646
上記式(3)で表される構造が、下記式(Y1−1)〜(Y1−13)からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
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上記式(4)で表される構造が、下記式(Y2−1)〜(Y2−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の2価の有機基であることが好ましい。なお、上記式(1)において、式(4)又は式(5)で表される構造の両方を有していてもよく、いずれか一方のみを有していてもよい。
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上記式(1)のRは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。加熱によるイミド化のしやすさの観点から、Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記式(1)のZ及びZは、水素原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はtert−ブトキシカルボニル基が好ましく、特に水素原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
なお、式(4)のAにおける「炭化水素基」とは、例えば、アルカンジイル基、アルケンジイル基、アルキンジイル基、又はアルキンジイル基である。
前記重合体(A)において、上記式(1)中のXが上記式(2)で表される構造である割合は、20〜100モル%であり、好ましくは、30〜100モル%である。また、上記式(1)中のYが、上記式(3)で表される構造である割合は、20〜100モル%であり、20〜100モル%であり、好ましくは、30〜100モル%である。
前記重合体(B)において、上記式(1)中のXが上記式(2)で表される構造である割合は、20〜100モル%であり、好ましくは、30〜100モル%である。また、上記式(1)中のYが、上記式(4)又は(5)で表される構造である割合は、65〜100モル%、好ましくは、70〜100モル%である。さらに、上記式(1)中のYが上記式(3)で表される構造である割合は、0〜20モル%であり、好ましくは、0〜10モル%である。
前記重合体(A)及び(B)において、上記式(1)中のXは、(X−1)〜(X−5)のほかに、任意で1種又は2種以上の他の構造を含有することができる。また、上記式(1)中のYは、(Y1−1)〜(Y1−13)及び(Y2−1)〜(Y2−6)のほかに、任意で1種又は2種以上の他の構造を含有することができる。かかる他の構造の具体例を示すならば、Xは下記の(X−6)〜(X−49)が挙げられ、Yは下記の(Y3−1)〜(Y3−151)が挙げられる。
Figure 2019065646
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上記式(X−6)は、(X−1)〜(X−5)を含まない構造であり、式(X−6)におけるR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、又はフェニル基である。
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ポリマーの溶解性が向上するという観点から、前記重合体(A)において、前記式(1)中のYは、(Y1−1)〜(Y1−13)のほかに、任意の構造として、式(5)及び下記式(6)で表される構造を含む2価の有機基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。また、前記重合体(B)において、前記式(1)中のYは、(Y2−1)〜(Y2−5)及び式(5)のほかに、任意の構造として、(Y1−1)〜(Y1−13)及び下記式(6)で表される構造を含む2価の有機基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
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上記式(6)において、Dは、好ましくは150〜230℃、より好ましくは180〜230℃で脱離する熱脱離性基である。上記式(6)で表される構造を含むYの具体例としては、(Y3−139)〜(Y3―144)が挙げられる。
本発明の液晶配向剤は、前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を25〜400質量部、好ましくは40〜235質量部、さらに好ましくは65〜150質量部を含有する。
前記(A)成分と前記(B)成分の合計が、全重合体成分の15〜100質量%であり、好ましくは20〜100質量%であり、さらに好ましくは25〜100質量%である。
電気特性及び液晶配向膜の機械強度の向上させるために、本発明の液晶配向剤には、前記(A)成分と前記(B)成分以外に、1種又は2種以上の他の重合体を含有していてもよい。かかる他の重合体はポリイミド前駆体又はそのイミド化重合体であることが好ましい。かかる他の重合体は、前記(A)成分及び前記(B)成分に比べて極性の大きな重合体であることが好ましく、具体的には、Yとして、上記式(6)で表される構造を有しないポリイミド前駆体又はそのイミド化重合体が好ましい。
<ポリアミック酸エステルの製造方法>
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸エステルは、例えば、以下に示す(1)、(2)又は(3)の方法で合成することができる。
(1)ポリアミック酸から合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリアミック酸をエステル化することによって合成することができる。
具体的には、ポリアミック酸とエステル化剤を有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜4時間反応させることによって合成することができる。
エステル化剤としては、精製によって容易に除去できるものが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジネオペンチルブチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジ−t−ブチルアセタール、1−メチル−3−p−トリルトリアゼン、1−エチル−3−p−トリルトリアゼン、1−プロピル−3−p−トリルトリアゼン、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンー2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドなどが挙げられる。エステル化剤の添加量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して、2〜6モル当量が好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、ポリマーの溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時のポリマー濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
(2)テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとの反応により合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンから合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとを、塩基及び有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜4時間反応させることによって合成することができる。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどが使用できるが、反応が穏和に進行するためにピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2〜4倍モルであることが好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、モノマー及びポリマーの溶解性からN−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時のポリマー濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることが好ましく、窒素雰囲気中で、外気の混入を防ぐのが好ましい。
(3)テトラカルボン酸ジエステルとジアミンからポリアミック酸エステルを合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを縮合剤、塩基、及び有機溶剤の存在下で0℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃において、30分〜24時間、好ましくは3〜15時間反応させることによって合成することができる。
前記縮合剤には、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニルなどが使用できる。縮合剤の添加量は、テトラカルボン酸ジエステルに対して2〜3倍モルが好ましい。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミンが使用できる。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、ジアミン成分に対して2〜4倍モルが好ましい。
また、上記反応において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量はジアミン成分に対して0〜1.0倍モルが好ましい。
上記3つのポリアミック酸エステルの合成方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、上記(1)又は上記(2)の合成法が特に好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
<ポリアミック酸の製造方法>
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、以下に示す方法により合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることによって合成できる。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマー及びポリマーの溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ポリマーの濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
上記のようにして得られたポリアミック酸は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させて回収することができる。また、析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで精製されたポリアミック酸の粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
<ポリイミドの製造方法>
本発明に用いられるポリイミドは、前記ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸などのポリイミド前駆体をイミド化することにより製造できる。ポリアミック酸エステルからポリイミドを製造する場合、前記ポリアミック酸エステル溶液、又はポリアミック酸エステル樹脂粉末を有機溶媒に溶解させて得られるポリアミック酸溶液に塩基性触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
化学的イミド化は、イミド化させたいポリアミック酸エステルを、有機溶媒中において塩基性触媒の存在下で撹拌することにより行うことができる。有機溶媒としては前述した重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。塩基性触媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもトリエチルアミンは反応を進行させるのに充分な塩基性を持つので好ましい。
イミド化反応を行うときの温度は、−20℃〜140℃、好ましくは0℃〜100℃であり、反応時間は1〜100時間で行うことができる。塩基性触媒の量はアミック酸エステル基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍である。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。イミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の液晶配向剤とすることが好ましい。
ポリアミック酸からポリイミドを製造する場合、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応で得られた前記ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の過程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
化学的イミド化は、イミド化させたい重合体を、有機溶媒中において塩基性触媒と酸無水物の存在下で攪拌することにより行うことができる。有機溶媒としては前述した重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
イミド化反応を行うときの温度は、−20℃〜140℃、好ましくは0℃〜100℃であり、反応時間は1〜100時間で行うことができる。塩基性触媒の量はアミック酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミック酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。
ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸のイミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の液晶配向剤とすることが好ましい。
上記のようにして得られるポリイミドの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び重合体(B)を含有する。本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び重合体(B)に加えて、その他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという観点から、塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤においても前記した重合体成分と、有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができる。上記重合体の濃度は、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から、1質量%以上が好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下が好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2〜8質量%である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを挙げることができる。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記のような溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒を併用した混合溶媒を使用することが好ましい。併用する有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、下記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒。
Figure 2019065646
上記式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す。
上記併用する有機溶媒は、なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び有機溶媒以外の成分を追加的に含有してもよい。このような追加成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための架橋剤、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質などが挙げられる。これら追加成分の具体例としては、国際公開公報2015/060357号の53頁[0105]〜55頁[0116]に開示されている成分などが挙げられる。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
液晶配向膜は、液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥、焼成して得られる膜である。本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の基板における塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷又はインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法又はスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために50〜120℃で1〜10分乾燥し、その後、150〜300℃で5〜120分焼成する条件が挙げられる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を配向処理する方法は、ラビング処理法でもよいが、本発明の液晶配向剤では、上記のように、拡大された照射量マージンで配向処理が得られるために光配向処理法が好適である。光配向処理法の好ましい例としては、液晶配向膜の表面に、100〜800nmの波長を有する放射線、好ましくは紫外線又は可視光線、好ましくは100〜400nm、より好ましくは、200〜400nmの波長を有する紫外線を照射する。
光配向処理法における光照射量は、1〜10,000mJ/cmが好ましく、なかでも100〜5,000mJ/cmがより好ましく、特に、100〜2000mJ/cmが好ましい。
従来の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、光配向処理法における最適な配向状態が得られる光照射量マージンが100mJ/cm未満と狭いが、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、光照射量マージンが100〜600mJ/cmに拡大する。本発明では、このように広い照射量マージンで効果的に配向処理を起こすことができる。
ラビング処理又は光配向処理による配向処理では、液晶配向性を改善するために、場合により、好ましくは、150〜250℃の温度で加熱処理を行った後に配向処理してもよく、また、液晶配向膜が塗膜された基板を50〜250℃で加熱しながら、配向処理をしてもよい。
また、光配向処理では、 偏光された紫外線の消光比が高いほど、より高い異方性が付与できるため、直線に偏光された紫外線の消光比は、10:1以上が好ましく、20:1以上がより好ましい。
更に、前記の方法で、偏光された放射線を照射した液晶配向膜に、溶媒を用いて、接触処理をすることもできる。
上記接触処理に使用する溶媒としては、放射線の照射によって液晶配向膜から生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2−プロパンール、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルが好ましく、水、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルがより好ましい。溶媒は2種類以上組み合わせてもよい。
上記の接触処理としては、浸漬処理や噴霧処理(スプレー処理ともいう)が挙げられる。これらの処理における処理時間は、放射線によって液晶配向膜から生成した分解物を効率的に溶解させる点から、10秒〜1時間が好ましい。なかでも、1分〜30分間浸漬処理をすることが好ましい。また、前記接触処理時の溶媒は、常温でも加温してもよいが、10〜80℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。加えて、分解物の溶解性の点から、必要に応じて、超音波処理などを行ってもよい。
前記接触処理の後に、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン又はメチルエチルケトンなどの低沸点溶媒によるすすぎ(リンスともいう)や液晶配向膜の焼成を行うことが好ましい。その際、リンスと焼成のどちらか一方を行っても、又は、両方を行ってもよい。焼成の温度は、150〜300℃が好ましく、180〜250℃がより好ましく、200〜230℃が特に好ましい。また、焼成の時間は、10秒〜30分が好ましく、1〜10分がより好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。本発明の液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製して得られる。
本発明の液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたSiO−TiOの膜とすることができる。
次に、各基板の上に液晶配向膜を形成し、一方の基板に他方の基板を互いの液晶配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておき、また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。次いで、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入し、その後、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。液晶材料は、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよいが、好ましいのは、ネガ型液晶材料である。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付ける。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下における化合物の略号及び各特性の測定方法は、次のとおりである。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、 GBL:γ―ブチロラクトン、
BCS:ブチルセロソルブ、DA−1:1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、
DA−2:p−フェニレンジアミン 、DA−3:下記式(DA−3)参照 、
DA−4:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン、DA−5:下記式(DA−5)参照、
DA−6:1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、
DA−7:下記式(DA−7)参照、 DA−8:下記式(DA−8)参照、
DA−9:下記式(DA−9)参照、 DA−10:下記式(DA−10)参照、
CA−1:下記式(CA−1)参照、 CA−2:下記式(CA−2)参照、
CA−3:下記式(CA−3)参照、 CA−4:下記式(CA−4)参照
Figure 2019065646
Figure 2019065646
[粘度]
E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)、カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)、カラム温度:50℃、溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/Lが含有される。)、流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定した。
<イミド化率>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
[液晶セルの作製]
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード液晶表示素子の構成を備えた液晶セルを作製する。
始めに、電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×50mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたITO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてITO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
第3層目の画素電極は、中央部分が屈曲したくの字形状の電極要素を複数配列して構成された櫛歯状の形状を有する。各電極要素の短手方向の幅は3μmであり、電極要素間の間隔は6μmである。各画素を形成する画素電極が、中央部分の屈曲したくの字形状の電極要素を複数配列して構成されているため、各画素の形状は長方形状ではなく、電極要素と同様に中央部分で屈曲する、太字の「くの字」に似た形状を備える。そして、各画素は、その中央の屈曲部分を境にして上下に分割され、屈曲部分の上側の第1領域と下側の第2領域を有する。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では画素電極の電極要素が−10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
次に、液晶配向剤を孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比10:1以上の直線偏光した波長254nmの紫外線を照射した。この基板を、水及び有機溶媒から選ばれる少なくとも1種類の溶媒に3分間浸漬させ、次いで純水に1分間浸漬させ、150〜300℃のホットプレート上で5分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶、ルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置してから各評価に使用した。
[長期交流駆動による残像評価]
上記した残像評価に使用した液晶セルと同様の構造の液晶セルを準備した。
この液晶セルを用い、60℃の恒温環境下、周波数60Hzで±5Vの交流電圧を120時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し同様の角度Δを算出した。
この角度Δが0.13°未満の時、良好な液晶配向性であるとした。また、この角度Δの最小値の±0.03°未満の場合、角度Δの最小値と同等の液晶配向性であるとした。
以下に、ポリアミック酸及びポリイミドの合成例を示す。なお、以下では、それぞれ、Aは(A)成分であること、Bは(B)成分であること、Cは(A)成分と(B)成分のいずれでもないこと、及びPIはポリイミドであることを表す。
<合成例1>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの3L四つ口フラスコに、DA−1を58.4g(540mmol)、DA−2を66.0g(270mmol)、及びDA−3を21.4g(90.0mmol)を取り、NMPを2103g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を192g(855mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを371g加え、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(A−1)(粘度:435mPa・s)を得た。ポリアミック酸のMnは12300であり、Mwは33000であった。
<合成例2〜11>
下記表1に示す、ジアミン成分、テトラカルボン酸成分、及びNMPを使用し、それぞれ、合成例1と同様に実施することにより、下記表1に示すポリアミック酸溶液(A−2)〜(A−4)、(B−1)〜(B−2)、又は(C−1)〜(C−5)を得た。得られたポリアミック酸の粘度、及び分子量を下記表1に示す。
Figure 2019065646
<合成例12>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの3L四つ口フラスコに、上記で得られたポリアミック酸溶液(A−3)を2250g取り、NMPを750g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を171g、ピリジンを35.4g加えて、55℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を14028mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、14028mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は66%であり、Mn=11000、Mw=28000であった。得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを100ml三角フラスコに取り、固形分濃度が12%になるようにNMPを26.4g加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド溶液(A−3−PI)を得た(下記表2参照)。
<合成例13>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに得られたポリアミック酸溶液(A−4)を67.0g取り、NMPを33.5g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を5.80g、ピリジンを1.50g加えて、55℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を472mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、472mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は62%であり、Mn=12200、Mw=30600であった。合成例12と同様に実施することで、ポリイミドの固形分濃度が12%のポリイミド溶液(A−4−PI)を得た(下記表2参照)。
Figure 2019065646
<実施例1>
合成例1で得られた12質量%のポリアミック酸溶液(A−1)3.13g、及び合成例2で得られた12質量%のポリアミック酸溶液(B−1)3.13gを100ml三角フラスコに取り、NMP1.25g及びGBL4.50g、BCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(1)を得た(下記表3参照)。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例2〜6>
下記表3のポリアミック酸溶液、及びポリイミド溶液を使用した以外は、実施例1と同様に実施することにより、液晶配向剤(2)〜(6)を得た。
<実施例7>
合成例1で得られた12質量%のポリアミック酸溶液(A−1)3.13g、合成例2で得られた12質量%のポリアミック酸溶液(B−1)3.13g、及び合成例9で得られた15質量%のポリアミック酸溶液(C−3)7.51gを100ml三角フラスコに取り、NMP3.75g、GBL9.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(7)を得た(下記表3参照)。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例8、9>
下記表3に示すポリアミック酸溶液及びポリイミド溶液を使用した以外は、実施例7と同様に実施することにより、液晶配向剤(8)、(9)を得た(下記表3参照)。
<比較例1〜10>
下記表3に示すポリアミック酸溶液及びポリイミド溶液を使用した以外は、実施例1と同様に実施することにより、液晶配向剤(10)〜(19)を得た(下記表3参照)。
Figure 2019065646
<実施例11>
実施例1で得られた液晶配向剤(1)を孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板と裏面にITO膜が成膜されている高さ4μmの柱状スペーサーを有するガラス基板に、スピンコート塗布にて塗布した。80℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を照射した後、230℃のホットプレート上で14分間乾燥させて、液晶配向膜付き基板を得た。
得られた上記2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。その後、得られた液晶セルを110℃で1時間加熱し、一晩放置して、長期交流駆動による残像評価を実施した。長期交流駆動後におけるこの液晶セルの角度Δの値は、上記紫外線の照射量が、0.4J/cmでの液晶セルの角度Δの値は、0.12°であり、0.7J/cmでの液晶セルの角度Δの値は、0.10°であり、0.9J/cmでの液晶セルの角度Δの値は、0.12°であった。角度Δの最小値が0.10°(すなわち、0.13°未満)であり、他の角度Δはこの角度Δの最小値から±0.03°未満であるから、液晶配向剤(1)によれば良好な液晶配向性が得られた。
<実施例12〜19及び比較例11〜20>
液晶配向剤(1)の代わりに、下記表4に示す液晶配向剤を用いたこと、及び下記の紫外線照射量を用いたことの以外は、実施例11と全く同様の方法でFFS駆動液晶セルを作製し、長期交流駆動による残像評価を実施した。それぞれにおける長期交流駆動後におけるこの液晶セルの角度Δの値を、表4及び表5に示す。
Figure 2019065646
Figure 2019065646
本発明の液晶配向剤を用いることで、交流駆動による残像を抑制し、かつ、シール剤及び下地基板との密着性を両立する液晶配向膜を得ることができる。本発明の液晶配向剤は、IPS駆動方式やFFS駆動方式などの広範な液晶表示素子における液晶配向膜の形成に有用である。
なお、2017年9月26日に出願された日本特許出願2017−185201号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    (A)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの20〜100モル%が下記式(3)で表される構造であるポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)。
    (B)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位からなり、Xの20〜100モル%が式(2)で表される構造であり、Yの65〜100モル%が下記式(4)又は式(5)で表される構造であり、且つ、Yが下記式(3)で表される構造である繰り返し単位を含まない又は20モル%未満で含むポリイミド前駆体、及び該ポリイミド前駆体のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)。
    Figure 2019065646
    (式(1)中、Xは4価の有機基であり;Yは2価の有機基であり;Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり;Z、Zはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、tert−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメトキシカルボニル基である。)
    Figure 2019065646
    (式(2)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、又はフッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基である。)
    Figure 2019065646
    (式(3)中、Aは−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−又は、−O−(CH−O−(CH−O−である。但し、p、q、r、sはそれぞれ独立して1〜14の整数であり、酸素原子が隣り合わない条件で一つ以上の−CH−が−O−で置き換えられてもよい。Aは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、リン酸基、又は炭素数1〜20の1価の有機基である。aは1〜4の整数である。b、cは、それぞれ独立して1又は2の整数である。
    式(4)中、Aは単結合、又は炭素数1〜2の2価の炭化水素基である。d、eはそれぞれ独立して1又は2の整数である。)
  2. 式(2)で表される構造が、下記式(X−1)〜(X−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019065646
  3. 式(3)で表される構造が、下記式(Y1−1)〜(Y1−13)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又2に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019065646
  4. 式(4)で表される構造が、下記式(Y2−1)〜(Y2−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019065646
  5. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を25〜400質量部を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  6. 前記(A)成分と前記(B)成分の合計が、全重合体成分の15〜100質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  7. 光配向処理用である請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  9. 請求項8に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  10. 横電界駆動方式である請求項9に記載の液晶表示素子。
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