JP6610333B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子 Download PDF

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Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子に関する。
液晶素子は、液晶セル中の液晶分子の配向を制御するための液晶配向膜を備えている。液晶素子の表示特性は、用いる液晶材料はもとより、その液晶を均一に配向させるための液晶配向膜が重要な役割を果たすことから、従来、配向膜材料について種々検討がなされている。また、配向膜材料の設計に際し、液晶素子の配向性及び電気特性等の各種特性を担保する観点や、液晶配向剤の貯蔵安定性を担保する観点、重合容易性の観点から、芳香族ジアミンを用いたポリアミック酸やポリイミドが一般に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
液晶表示素子を長時間動作させた場合、液晶の初期配向の方向が初期からずれてきてしまい、これにより残像(特に、交流電圧に起因する「AC残像」)が生じることがある。こうしたAC残像を低減させるべく、従来、種々の配向膜材料が提案されている(例えば特許文献2参照。)
特開2011−154100号公報 特開2015−194697号公報
近年、大画面で高精細の液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶パネルに対する高品質化の要求は更に高まりつつある。そのため、液晶素子において、表示品質に関わる重要な要素の一つであるAC残像特性をさらに向上させる必要がある。また、液晶素子の多用途化に伴い、過酷な使用環境にも耐え得る信頼性の高い液晶素子を得ることが可能な新たな配向膜材料を開発することが望まれている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、AC残像特性及び信頼性に優れた液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討した結果、特定の部分構造を有する重合体を配向膜材料に用いることにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下の手段が提供される。
<1> 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体[P]を含有する液晶配向剤。
Figure 0006610333
(式(1)及び式(2)中、Aは、Aに結合している4個の−CO−に対して脂環式構造又は鎖状構造で結合し、かつ前記4個の−CO−のα炭素の少なくとも1個が不飽和炭素原子である4価の有機基であり、Zは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<1>の液晶配向剤を用いて塗膜を形成する工程と、前記塗膜に液晶配向能を付与して液晶配向膜を得る工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
<4> 上記<2>に記載の液晶配向膜を備える液晶素子。
本開示の液晶配向剤によれば、AC残像特性及び信頼性に優れた液晶素子を得ることができる。
FFS型液晶表示素子の概略構成図。 光配向用のトップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。 4系統の駆動電極を示す図。 ラビング処理用のトップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。
以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
ここで、本明細書において、「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状又は分岐状の炭化水素基を意味し、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含む炭化水素基を意味し、飽和でも不飽和でもよい。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有していてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「有機基」とは、炭化水素基を含む基を意味し、構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
≪重合体[P]≫
本開示の液晶配向剤は、上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体[P]を含有する。
上記式(1)及び式(2)中のAは、Aに結合している式中の4個の−CO−に対して脂環式構造又は鎖状構造で結合しており、かつ、その4個の−CO−のそれぞれのα炭素の少なくとも1個が不飽和炭素原子である4価の有機基である。なお、上記「4個の−CO−」とは、テトラカルボン酸誘導体の酸部分(カルボキシル基又は−COX(Xはハロゲン原子))に由来する4個のカルボニル基を意味する。
は、脂環式構造及び鎖状構造のいずれかのみからなる基であってもよく、あるいは、脂環式構造と鎖状構造とを組み合わせてなる基であってもよい。Aに結合する4個の−CO−は、4個全てが脂環式構造に結合していてもよいし、4個全てが鎖状構造に結合していてもよい。また、Aが脂環式構造と鎖状構造とを組み合わせてなる基である場合、一部の−CO−が脂環式構造に結合し、残りの−CO−が鎖状構造に結合していてもよい。
が有する脂環式構造は、1個又は複数個の脂肪族環を有していれば特に限定されない。Aが脂環式構造のみからなる基である場合、不飽和脂環式炭化水素の環部分から4個の水素原子を取り除いた構造であることが好ましく、炭素数4〜8の不飽和脂環式炭化水素の環部分から4個の水素原子を取り除いた構造であることがより好ましい。これらの具体例としては、例えばシクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、1,3−シクロヘキサジエン環、1,4−シクロヘキサジエン環、1,3−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエン等の不飽和脂環式炭化水素の環部分から4個の水素原子を取り除いた構造等が挙げられる。中でも、炭素数4〜6の不飽和脂環式炭化水素から4個の水素原子を取り除いた構造が特に好ましい。
が有する鎖状構造は、例えば、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、当該鎖状炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−(ただし、Rは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は保護基である。以下同じ。)又は−S−で置き換えてなる2価の基等が挙げられる。Rが保護基である場合の具体例としては、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
の具体例としては、例えば下記式(ar−1−1)〜式(ar−1−5)及び式(ar−2−1)〜式(ar−2−4)のそれぞれで表される構造等が挙げられる。
Figure 0006610333
(式(ar−1−1)〜式(ar−1−5)及び式(ar−2−1)〜式(ar−2−4)中、Rは、それぞれ独立にハロゲン原子又は1価の有機基であり、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。Rは、2価の鎖状炭化水素基又は当該鎖状炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−又は−S−で置き換えてなる2価の基である。n2は0〜4の整数であり、n3は0〜6の整数であり、n4は0〜7の整数である。「*」は−CO−に結合する結合手であることを示す。)
上記Rの2価の鎖状炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜20のアルカンジイル基、又は当該アルカンジイル基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−又は−S−で置き換えてなる2価の基である。R及びRの1価の有機基は、炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。n2〜n7は、0〜2の整数が好ましい。Rは水素原子が好ましい。なお、式中に複数個のR、Rを有する場合、それら複数のR、複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。
上記のうち、AC残像をより低減できる点で、Aは、Aに結合している式(1)及び(2)中の4個の−CO−のα炭素のうち少なくとも2個が隣接し、その隣接する2個のα炭素によって不飽和結合が形成されていることが好ましい。こうした構造の具体例としては、例えば上記式(ar−1−1)〜式(ar−1−4)、及び式(ar−2−1)〜式(ar−2−4)のそれぞれで表される構造等が挙げられる。AC残像の低減効果が高い点で、Aは、中でも特に、4個の−CO−のα炭素を同一の環内に含む脂環式構造であることが好ましく、具体例としては、上記式(ar−1−1)〜式(ar−1−4)のそれぞれで表される構造等が挙げられる。
上記式(1)及び式(2)中、R及びRの1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、桂皮酸構造を有する基等が挙げられる。Zは、ジアミン化合物の2個の1級アミノ基を取り除いた残基である。
重合体[P]は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル又はポリイミドを主骨格とする重合体である。こうした重合体[P]は、例えばテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であるテトラカルボン酸誘導体と、ジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。以下、各重合体について説明する。
<ポリアミック酸>
重合体[P]としてのポリアミック酸(以下「ポリアミック酸[P]」という。)は、例えば、下記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物(以下「特定酸二無水物」という。)を含むテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させることによって得ることができる。
Figure 0006610333
(式(5)中、Aは、上記式(1)及び(2)中のAと同義である。)
上記式(5)のAの具体例及び好ましい例については、上記(1)及び(2)の説明が適用される。特定酸二無水物の具体例としては、例えば下記式(5−1−1)〜式(5−1−5)及び式(5−2−1)〜式(5−2−3)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。なお、特定酸二無水物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記式(1)及び式(2)中のAは、上記式(5)で表される化合物から2個の酸無水物基を取り除いた残基である。
Figure 0006610333
ポリアミック酸[P]の合成に際し、テトラカルボン酸二無水物としては特定酸二無水物のみを用いてもよいが、特定酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。その他のテトラカルボン酸二無水物は特に限定されないが、具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、ポリアミック酸[P]の合成に際し、その他のテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸[P]の合成に使用するジアミン化合物は特に制限されず、種々のジアミン化合物を用いることができる。その具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばドデカノキシジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシジアミノベンゼン、オクタデカノキシジアミノベンゼン、コレスタニルオキシジアミノベンゼン、コレステリルオキシジアミノベンゼン、ジアミノ安息香酸コレスタニル、ジアミノ安息香酸コレステリル、ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(E−1)
Figure 0006610333
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。ただし、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などの側鎖型ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−(4−アミノフェノキシカルボニル)−1−(4−アミノフェニル)ピペリジン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリンなどの非側鎖型ジアミンを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。なお、ポリアミック酸[P]の合成に際し、その他のジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記式(E−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(E−1−1)及び式(E−1−2)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006610333
ポリアミック酸[P]の合成に際し、特定酸二無水物の使用割合は、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全体量に対して、10モル%以上とすることが好ましく、30モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることがさらに好ましい。また、AC残像がより少ない液晶素子を得る観点から、上記合成に使用するジアミン化合物において芳香族ジアミンを含むことが好ましい。芳香族ジアミンの使用割合は、ポリアミック酸[P]の合成に使用するジアミン化合物の合計に対して、30モル%以上とすることが好ましく、50モル%以上とすることがより好ましい。
ポリアミック酸[P]は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。分子量調整剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調整剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましい。
ポリアミック酸[P]の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えばブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)との混合物を使用することが好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸[P]を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸[P]を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
<ポリアミック酸エステル>
重合体[P]としてのポリアミック酸エステルは、例えば、(I)上記合成反応により得られたポリアミック酸[P]とエステル化剤(例えばメタノールやエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールなど)とを反応させる方法、(II)テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを、有機溶媒中、適当な脱水触媒(例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、リン系縮合剤など)の存在下で反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを、有機溶媒中、適当な塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウムなど)の存在下で反応させる方法、などによって得ることができる。
得られるポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。ポリアミック酸エステルを溶解してなる反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
<ポリイミド>
重合体[P]としてのポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸[P]を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。反応に使用するポリイミドは、そのイミド化率が20〜99%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、反応時間は、好ましくは1.0〜120時間である。このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
重合体[P]の溶液粘度は、これを濃度10質量%の溶液としたときに10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、当該溶液粘度(mPa・s)は、これら重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体[P]のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。なお、本開示の液晶配向剤は、重合体[P]を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
≪その他の成分≫
本開示の液晶配向剤は、重合体[P]と共に、重合体[P]以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、上記式(1)で表される部分構造及び上記式(2)で表される部分構造のいずれも有さない重合体(以下「その他の重合体」という。)、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物、官能性シラン化合物、光重合性化合物、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。上記その他の重合体の主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらその他の成分の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
<溶剤>
本開示の液晶配向剤は、重合体[P]及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ−ト等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。すなわち、液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
本開示の液晶配向剤における重合体[P]の含有割合は、液晶配向剤中の固形成分(溶媒以外の成分)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。
なお、重合体[P]を含む液晶配向剤を用いた場合に良好なAC残像特性及び信頼性を兼ね備えた液晶素子が得られる理由は定かではないが、一つの仮説として、テトラカルボン酸誘導体の酸部分に由来する−CO−のα炭素の少なくとも1個が不飽和炭素原子であることにより、ポストベーク時の加熱によって配向膜中の重合体[P]のイミド化率を高くでき、これにより、液晶配向膜と液晶分子との相互作用が改良され、AC残像を低減できたことが推測される。また、テトラカルボン酸誘導体の酸部分に由来する−CO−が、脂環式構造又は鎖状構造に結合していることにより、液晶配向性や電気特性等を担保する観点から芳香族ジアミンを用いた場合にも共役長を短くでき、配向膜樹脂の光吸収を少なくできる結果、信頼性の高い液晶素子が得られたものと推測される。なお、上記の仮説はあくまでも推測であり、本開示を限定するものではない。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(fringe field switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
(工程1:塗膜の形成)
先ず基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmである。基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって、液晶配向膜、又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。
(工程2:配向処理)
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることによって塗膜に液晶配向能を付与するラビング処理、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与する光配向処理などが挙げられる。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
(工程3:液晶セルの構築)
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、(1)液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部を、シール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止する方法、(2)液晶配向膜を形成した一方の基板上の所定の場所にシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げる方法(ODF方式)等が挙げられる。製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレステリック液晶、カイラル剤、強誘電性液晶などを添加して使用してもよい。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせる。これにより、液晶素子が得られる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。なお、塗膜に対してラビング処理を行った場合には、2枚の基板は、各塗膜におけるラビング方向が互いに所定の角度、例えば直交又は逆平行となるように対向配置される。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム等に用いることができる。また、本開示の液晶配向剤を用いて形成された液晶素子は位相差フィルムに適用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合体溶液の溶液粘度及び重合体のイミド化率は以下の方法により測定した。
[重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)]:所定の溶媒を用い、重合体濃度10質量%に調製した溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[重合体のイミド化率(%)]:ポリイミドを含有する溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)を用いてイミド化率を求めた。
イミド化率(%)=(1−B/B×α)×100 …(1)
(数式(1)中、Bは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Bはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
以下の重合で使用したモノマーの略号及び構造を下記に示す。なお、以下では、「式(X)で表される化合物」を単に「化合物(X)」と略すことがある。
Figure 0006610333
<重合体の合成>
[合成例1−1]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(AN−1)を15.24g(合成に使用したジアミン化合物の全体量100モル部に対して93モル部)、及びジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルメタンを14.76g(同100モル部)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)85g及びγ−ブチロラクトン(GBL)85gの混合溶媒に溶解し、30℃で12時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、ポリアミック酸(以下、重合体(PA−1)とする。)を28.4g得た。得られた重合体(PA−1)をNMP:GBL=50:50(質量比)の溶媒組成にて15質量%となるように調製し、この溶液の粘度を測定したところ364mPa・sであった。また、この重合体溶液を20℃において3日間静置したところ、ゲル化することはなく、保存安定性は良好であった。
[合成例1−2〜合成例1−10]
反応に使用するテトラカルボン酸二無水物及びアミン化合物の種類及び量を下記表1の通り変更した以外は合成例1−1と同様にしてポリアミック酸を得た。合成例1−2〜合成例1−10で得た重合体溶液のそれぞれにつき、20℃で3日間静置したところ、いずれもゲル化することはなく、保存安定性は良好であった。
Figure 0006610333
表1中の数値は、テトラカルボン酸二無水物については、反応に使用したテトラカルボン酸二無水物の合計量に対する使用割合(モル%)を示し、ジアミン化合物については、反応に使用したジアミン化合物の合計量に対する使用割合(モル%)を示す。表1中のテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の略称は以下の通りである。
(テトラカルボン酸二無水物)
AN−5; 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−6; ピロメリット酸二無水物
AN−7; 上記式(AN−7)で表される化合物
AN−8; 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
(ジアミン化合物)
DA−1; パラフェニレンジアミン
DA−2; 4,4’−ジアミノジフェニルメタン
DA−3; ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸
DA−4; 1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
DA−5; 4,4’−ジアミノジフェニルアミン
DA−6; 3,5−ジアミノ安息香酸
DA−7; N−(2,4−ジアミノフェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンズアミド
DA−8; 4−(テトラデカオキシ)ベンゼン−1,3−ジアミン
DA−9; 3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
なお、重合体(PA−5)は特にTN型液晶表示素子に好適であり、重合体(PA−6)は特にVA型液晶表示素子(PSA表示方式を含む。)に好適である。
[合成例2−1]
テトラカルボン酸二無水物として化合物(AN−1)を26.06g(合成に使用したジアミン化合物の全体量100モル部に対して98モル部)、及びジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルメタンを23.94g(同100モル部)をNMP200gに溶解し、60℃で6時間反応を行った。次いで、NMP250gを追加し、ピリジン9.36g及び無水酢酸12.08gを添加して110℃で6時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、イミド化率約50%のポリイミド(以下、重合体(PI−1)とする。)を得た。得られた重合体(PI−1)をNMPにて15質量%となるように調製した。この溶液の粘度を測定したところ620mPa・sであった。また、得られた重合体溶液につき、20℃で3日間静置したところ、ゲル化することはなく、保存安定性は良好であった。
<液晶配向剤の調製及び評価>
[実施例1:光配向FFS型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
重合体として合成例1−3で得た重合体(PA−3)をγ−ブチロラクトン(GBL)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)からなる混合溶媒(GBL:NMP:BC=40:40:20(質量比))に溶解し、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R−1)を調製した。
(2)塗布性の評価
上記で調製した液晶配向剤(R−1)を、ガラス基板上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した200℃のオーブンで1時間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率100倍及び10倍の顕微鏡で観察して膜厚ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、100倍の顕微鏡で観察しても膜厚ムラ及びピンホールの双方とも観察されなかった場合を塗布性「良好」、100倍の顕微鏡では膜厚ムラ及びピンホールの少なくとも一方が観察されたが、10倍の顕微鏡では膜厚ムラ及びピンホールの双方とも観察されなかった場合を塗布性「可」、10倍の顕微鏡で膜厚ムラ及びピンホールの少なくとも一方が明確に観察された場合を塗布性「不良」とした。本実施例では、100倍の顕微鏡でも膜厚ムラ及びピンホールの双方とも観察されず、塗布性は「良好」であった。
(3)光配向法によるFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記(1)で調製した液晶配向剤(R−1)を、スピンナーを用いて塗布した。次いで、これを80℃のホットプレートで1分間プレベークを行うことで塗膜を形成した。次いで、これら塗膜の各表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、254nmの輝線を含む偏光紫外線300mJ/cmを基板法線方向から照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。その後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。
ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示す。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。なお、トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、用いた駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。また、塗膜に対する光照射処理は、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで、基板法線方向から偏光紫外線を照射することにより行った。
次いで、上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙にメルク社製液晶「MLC−6221」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
(4)液晶配向性の評価
上記(3)で製造したFFS型液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」とした。この液晶表示素子では液晶配向性は「良好」であった。
(5)電圧保持率の評価
上記(3)で製造したFFS型液晶表示素子につき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から1,000ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ98.5%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(6)信頼性の評価
上記(3)で製造したFFS型液晶表示素子につき、上記(5)と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶表示素子につき、LEDランプ照射下の80℃オーブン中で500時間静置した後、室温中に静置して室温まで自然冷却した。光照射後の液晶セルにつき、上記(5)と同様の方法により電圧保持率を測定し、この値を光ストレス後VHR(VHRAFB)とした。電圧保持率の減少量ΔVHRBL(%)を下記数式(2)から求め、液晶表示素子の信頼性を評価した。
ΔVHRBL=((VHRBF−VHRAFB)÷VHRBF)×100…(2)
ΔVHRBLが3%未満であった場合、信頼性を「良好」、3%以上5%未満であった場合を「可」、5%以上であった場合を「不良」と判断した。その結果、本実施例の液晶表示素子のΔVHRBLは1.2%であり、信頼性は「良好」であった。
(7)駆動ストレス後のコントラスト評価(AC残像特性の評価)
基板の外側両面に偏光板を貼り合わせなかった点以外は上記(3)と同様の操作を行い、FFS型液晶セルを作製した。このFFS型液晶セルにつき、交流電圧10Vで30時間駆動した後に、光源と光量検出器の間に偏光子と検光子を配置した装置を使用して、下記数式(3)で表される最小相対透過率(%)を測定した。
最小相対透過率(%)=(β−B)/(B100−B)×100 …(3)
(数式(3)中、Bは、ブランクでクロスニコル下の光の透過量である。B100は、ブランクでパラニコル下の光の透過量である。βは、クロスニコル下で偏光子と検光子の間に液晶セルを挟み最小となる光透過量である。)
暗状態の黒レベルは液晶セルの最小相対透過率で表され、FFS型液晶セルでは暗状態での黒レベルが小さいほどコントラストが優れる。最小相対透過率が1.0%未満のものをAC残像特性「良好」とし、1.0%以上1.5%未満のものを「可」とし、1.5%以上のものを「不良」とした。その結果、この液晶セルの最小相対透過率は0.1%であり、AC残像特性は「良好」と判断された。
[実施例2:ラビング配向FFS型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
重合体として合成例1−1で得た重合体(PA−1)をγ−ブチロラクトン(GBL)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)からなる混合溶媒(GBL:NMP:BC=40:40:20(質量比))に溶解し、固形分濃度が4.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(R−2)を調製した。
(2)塗布性の評価
上記で調製した液晶配向剤(R−2)を、ガラス基板上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した200℃のオーブンで1時間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。得られた塗膜を用いて、上記実施例1の(2)と同様にして塗布性の評価を行った。その結果、この塗膜の塗布性は「良好」であった。
(3)塗膜中の重合体成分のイミド化率の測定
上記(2)で得た塗膜につき、FT−IR測定における1381cm−1付近の吸収(C−N−C変角振動=イミド結合の吸収)と、1503cm−1付近の吸収(アミック酸結合の吸収)とのピーク面積比から、下記数式(4)によりイミド化率(%)を算出した。
イミド化率(%)={α1/(α1+α2)}×100 …(4)
(数式(4)中、α1は、1381cm−1付近の吸収のピーク面積であり、α2は、1503cm−1付近の吸収のピーク面積である。)
なお、α2は、塗膜を300℃のホットプレートで10分間加熱したものの1503cm−1付近の吸収を0として、ピーク面積を求めた値である。その結果、この塗膜のイミド化率は98%であった。
(4)ラビング処理によるFFS型液晶表示素子の製造
先ず、上記実施例1の(3)で使用したものと同様の一対のガラス基板11a,11bの各表面に、それぞれ上記(1)で調製した液晶配向剤(R−2)を、スピンナーを用いて塗布して塗膜を形成した。次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図4に示した。なお、図4(a)は、トップ電極13の上面図であり、図4(b)は、図4(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1を4μm、電極間の距離d2を6μmとした。トップ電極13としては、上記実施例1と同じく4系統の駆動電極を用いた(図3参照)。
次いで、ガラス基板11a,11b上に形成した塗膜の各表面にコットンにてラビング処理を実施し、液晶配向膜12とした。図4(b)に、ガラス基板11a上に形成した塗膜に対するラビング方向を矢印で示す。次に、一対の基板のうちの一方の基板における液晶配向膜を有する面の外縁にシール剤を塗布した後、これらの基板を、互いの基板11a,11bのラビング方向が逆並行となるように直径3.5μmのスペーサーを介して貼り合わせ、シール剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に液晶「MLC−6221」(メルク社製)を注入し、液晶層16を形成した。さらに、基板11a,11bの外側両面に、偏光板(図示略)を2枚の偏光板の偏光方向が互いに直交するように貼り合わせることにより液晶表示素子10を作製した。
(5)液晶配向性の評価
上記(4)で製造したラビング型のFFS型液晶表示素子につき、上記実施例1の(4)と同様にして液晶配向性の評価を行った。その結果、この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(6)電圧保持率の評価
上記(4)で製造したラビング型のFFS液晶表示素子につき、上記実施例1の(5)と同様にして電圧保持率を測定した。その結果、99.1%であった。
(7)信頼性の評価
上記(4)で製造したラビング型のFFS液晶表示素子につき、上記実施例1の(6)と同様にして信頼性を測定した。その結果、ΔVHRBLは1.1%であり、本実施例の液晶表示素子の信頼性は「良好」であった。
(8)駆動ストレス後のコントラスト評価(AC残像特性の評価)
基板の外側両面に偏光板を貼り合わせなかった点以外は上記(4)と同様の操作を行い、ラビング法によりFFS型液晶セルを作製した。このFFS型液晶セルにつき、上記実施例1の(7)と同様にしてAC残像特性を測定した。その結果、この液晶セルの最小相対透過率は0.2%であり、AC残像特性は「良好」と判断された。
[実施例3〜6、比較例1〜4]
上記実施例2において、液晶配向剤に含有させる重合体の種類を下記表2に示す通りに変更したほかは実施例2と同様にして液晶配向剤を調製するとともに、ラビング法によりFFS型液晶表示素子又は液晶セルを製造して各種評価を行った。評価結果は下記表2に示した。
Figure 0006610333
実施例1〜4,6では、液晶配向剤の塗布性、並びに液晶表示素子における液晶配向性、電圧保持率、信頼性及びAC残像特性について、いずれも「良好」の結果であり、各種特性のバランスが取れていた。また、実施例5では、AC残像特性が「可」の評価であり、また電圧保持率が98.2%とやや低かったものの、塗布性や液晶配向性、信頼性については他の実施例と同様に良好な結果であった。これに対し、比較例1〜4は、複数の評価項目において実施例より劣る結果であった。
10…液晶表示素子、11a,11b…ガラス基板、12…液晶配向膜、13…トップ電極、14…絶縁層、15…ボトム電極、16…液晶層

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される部分構造及び下記式(2)で表される部分構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種を有する重合体[P]を含有する液晶配向剤。
    Figure 0006610333
    (式(1)及び式(2)中、Aは、下記式(ar−1−1)〜式(ar−1−5)及び式(ar−2−1)〜式(ar−2−4)のいずれかで表される4価の有機基であり、Zは2価の有機基であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基である。)
    Figure 0006610333
    (式(ar−1−1)〜式(ar−1−5)及び式(ar−2−1)〜式(ar−2−4)中、R は、それぞれ独立にハロゲン原子又は1価の有機基であり、R は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基である。R は、2価の鎖状炭化水素基又は当該鎖状炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基を−O−、−CO−、−COO−、−NR −、−CONR −又は−S−で置き換えてなる2価の基である。R は水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は保護基である。n2は0〜4の整数であり、n3は0〜6の整数であり、n4は0〜7の整数である。「*」は−CO−に結合する結合手であることを示す。)
  2. 前記 に結合している4個の−CO−のα炭素の少なくとも2個が隣接し、該隣接する2個のα炭素により不飽和結合が形成されている、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記 に結合している4個の−CO−のα炭素によって環構造が形成されている、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて塗膜を形成する工程と、前記塗膜に液晶配向能を付与して液晶配向膜を得る工程と、を含む液晶配向膜の製造方法。
  6. 請求項4に記載の液晶配向膜を備える液晶素子。
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