JP3876235B2 - コーヒーマシン用コーヒー注出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー注出装置に係り、より詳しくはコーヒーマシンに容易に着脱可能にモジュール化したコーヒー注出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、コーヒーマシンには、コーヒー粉末と水とが供給されて最終のコーヒー液を注出させるコーヒー注出部が内蔵される。かかるコーヒー注出部を独立させてモジュール化することにより装置本体に着脱可能としたコーヒー注出装置を構成することにより、コーヒー注出装置及びコーヒーマシンの内部の掃除を容易にし、コーヒー注出装置の故障の際、分離して簡便に修理することが可能となる。
【0003】
このようにモジュール化したコーヒー注出装置を備えたコーヒーマシンとして、米国特許第4,681,028号明細書に開示されたものがある。
【0004】
この明細書に開示されたコーヒーマシンは、コーヒー粉末を供給する供給装置と、温水を供給する温水供給装置と、温水をコーヒー粉末に供給し、コーヒー液からコーヒー残留物を分離させた後、コーヒー液を注出するコーヒー注出装置とからなる。
【0005】
コーヒー注出装置は、コーヒー粉末が投入されるホッパーと、コーヒー粉末を収納し、ホッパーの下部に設けられる可動シリンダと、この可動シリンダ内で進退し、上部に多数の小孔が形成されたピストンと、モータのような駆動源からの駆動力を受けて可動シリンダ及びピストンを駆動させるリンク手段と、コーヒー液を注出するため、下端部に濾過部材が設けられた注出ヘッドとを含んで、駆動源の1回転によりコーヒー液を注出することができる。
【0006】
このコーヒー注出装置において、ホッパーに投入されたコーヒー粉末は可動シリンダ内のピストンの上部に供給される。ここで、駆動装置を駆動すると、リンク手段を介して駆動装置に連結された可動シリンダがホッパーの下部から注出ヘッドの下部に旋回する。続いて、可動シリンダが注出ヘッド側に所定距離だけ上昇するにしたがって、注出ヘッドの下部が可動シリンダ内に挿入される。その後、ピストンが上昇して可動シリンダ内のコーヒー粉末を加圧する。
【0007】
この際、温水供給装置から所定の圧力で温水が可動シリンダの下部に供給される。温水は、ピストンの小孔を通過してコーヒー粉末と混合される。温水と混合されたコーヒー液は、注出ヘッドの下端の濾過部材に形成された微細孔を通過した後、注出ヘッドの一側に形成された排出通路を通じて最終的に外部に排出される。
【0008】
一方、ピストンの上面に残存するコーヒー残留物は、リンク手段の運動により可動シリンダが初期位置に復帰するにつれてホッパーの下端により掻き出されて除去される。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第4,681,028号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のコーヒー注出装置は、コーヒー粉末と混合される温水が相対的に下側に位置する可動シリンダ側からその上部に位置する注出ヘッド側に噴射される構造を有するので、コーヒー残留物が注出ヘッドの濾過部材に相当量残存することになる。かかるコーヒー残留物は濾過部材の微細孔を埋めてしまうため、コーヒー液が円滑に注出できない問題点がある。
【0011】
また、濾過部材に付着しているコーヒー残留物を除去するためには、使用者が直接残留物を除去しなければならないので、その管理が困難となってしまう問題点がある。
【0012】
本発明は、上述したような問題点を解決するために提案されれたもので、その目的は、コーヒーマシンに用いられるコーヒー注出装置の構造を改善し、コーヒー液を円滑に注出し、コーヒー残留物の除去を容易に行うことができるコーヒーマシン用コーヒー注出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために提案される本発明に係るコーヒー注出装置は、コーヒーマシンの本体に着脱可能に装着されるケースに設けられ、コーヒー粉末が投入されるホッパーと、前記ホッパーから投入されたコーヒー粉末を収納するシリンダを有するシリンダ部と、前記シリンダ側に温水を供給する温水部が設けられた上部ピストン部と、
前記シリンダ内で昇降し、コーヒー粉末と温水とが混合して生成されたコーヒー液を排出する排出部を有する下部ピストンと、前記シリンダ部、前記上部ピストン部及び前記下部ピストンの運動を案内するカム部材及びリンク部材と、前記コーヒーマシンの本体に設けられ、前記カム部材に動力を供給する駆動装置と、前記ホッパーの下端部に設けられ、前記下部ピストンの上面に残存するコーヒー残留物を除去するための除去部材とを備える。
【0014】
本発明に係るコーヒー注出装置において、前記シリンダ部は、前記ホッパーの下部で所定角度回動し、前記上部ピストン部は、前記シリンダ部材の上部で回動及び昇降し、前記除去部材は、コーヒー液の抽出後に前記シリンダ部が回動するとき、前記シリンダ内の上昇位置にある前記下部ピストン上を移動し、前記下部ピストンの上面に残存するコーヒー残留物を除去することを特徴とする
【0015】
カム部材は、駆動装置に回転可能に連結される第1のカム部材と、第1のカム部材に同心状に連結され、第1のカム部材とともに回転する第2のカム部材とを含み、リンク部材は、第1のカム部材と上部ピストン部との間に設けられ、上部ピストン部の運動を案内する第1のリンク部材と、第2のカム部材と下部ピストンとの間に設けられ、下部ピストンの運動を案内する第2のリンク部材と、第2のカム部材とシリンダ部との間に設けられ、シリンダ部の運動を案内する第3のリンク部材とを含むことができる。
【0016】
上部ピストン部の両側には、互いに対称の形状を有する一対の第1の案内ピンと、第1の案内ピンから上方に所定距離だけ離隔する互いに対称の形状の一対の第2の案内ピンとが設けられ、ケースには、第1の案内ピンを案内する第1の案内孔と、第2の案内ピンを案内する第2の案内孔とが形成され、第1のリンク部材には、第1のカム部材に軸支される第1のヒンジ部と、第1の案内ピンのなかで、第1のリンク部材側の第1の案内ピンに軸支される第2ヒンジ部とが設けられる。
【0017】
第1のカム部材の外側には第1のヒンジ部に連結される回転突起が突設され、コーヒー注出装置は、駆動装置から回転力を伝達するため、一端が駆動装置に連結され、他端が回転突起に連結される伝動部材をさらに含むことができる。
【0018】
第2のカム部材の内側面には第2のリンク部材の動作を案内する第1の案内路が設けられ、第2のリンク部材は、ケースに軸支される第3のヒンジ部と、下部ピストンに軸支される第4のヒンジ部と、第2のリンク部材を運動させるため、第1の案内路に沿って移動する第1の案内突起とを含むことができる。
【0019】
下部ピストンは下端が開口され、開口部の内側面には、シリンダ部の下端を貫通するコネクティングロッドが取り付けられ、コネクティングロッドの下端部には第4のヒンジ部が軸支される。
【0020】
シリンダ部の貫通部の周囲は、垂直方向に延長されてコネクティングロッドを案内することができる。
【0021】
シリンダ部材には所定の長さの第3の案内ピンが設けられ、ケースには第3の案内ピンを案内する第3の案内孔が形成され、第2のカム部材の外側面には第3のリンク部材の動作を案内する第2の案内路が設けられ、第3のリンク部材は、ケースに軸支される第5のヒンジ部と、第3の案内ピンに軸支される第6ヒンジ部と、第3のリンク部材を運動させるため、第2の案内路に沿って移動する第2の案内突起とを含むことができる。
【0022】
温水部は、上部ピストン部に設けられた温水供給流路を含むことができる。
【0023】
温水部は、温水供給流路を通過した温水をシリンダ部側に吐出する多数の温水吐出流路を含むことができる。
【0024】
温水吐出流路は、温水を放射状に吐出するため、上部ピストン部の半径方向に向かって傾斜して形成されることができる。
【0025】
下部ピストンに対向する上部ピストン部の端部には、温水を通過させながらコーヒー残留物の通過を阻止する多数の微細孔を有する第1のフィルタが設けられることができる。
【0026】
上部ピストン部に対向する下部ピストンの端部には、コーヒー残留物は捕捉するがコーヒー液は通過させる多数の微細孔を有する第2のフィルタを設けることができる。
【0027】
排出部は、下部ピストンに形成されるコーヒー排出流路と、コーヒー排出流路に連通して、コーヒー液を外部へ吐出するため、シリンダ部に設けられたコーヒー吐出管とを含むことができる。
【0028】
コーヒー排出流路は、下部ピストンの外周面に長手方向に形成された溝により構成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明に係るコーヒーマシンは、本体(図示せず)の内部に設けられ、コーヒー粉末を収容するコーヒー貯蔵部20と、温水を貯蔵する温水供給部30と、コーヒー粉末と温水を混合してコーヒー液を注出するコーヒー注出装置10と、コーヒー貯蔵部20内のコーヒー粉末をコーヒー注出装置10に供給するコーヒー供給管40と、温水供給部30内の温水をコーヒー注出装置10に供給する温水供給管50とを含む。
【0031】
温水供給部30は、その内部の温水を一定温度に維持するため、ヒーターのような加熱要素が設けられる。
【0032】
次に、図2及び図3に基づいてコーヒー注出装置10の構成を詳細に説明する。
【0033】
コーヒー注出装置10は、外筐を構成するケース110と、コーヒー粉末が投入されるホッパー120と、開口した上部に、コーヒー粉末が投入されるシリンダ151が設けられたシリンダ部150と、シリンダ151内に進入し且つ退出する上部ピストン部130と、シリンダ151内で昇降する下部ピストン140と、シリンダ部150、上部ピストン部130及び下部ピストン140の運動を案内するカム部材210、220及びリンク部材230、240、250と、カム部材210、220を駆動する駆動装置310とを含む。
【0034】
ケース110の上部には一対の第1の案内孔111及び第2の案内孔112が形成される。一対の第1及び第2の案内孔111、112は、ケース110の両側に互いに対称の形状に形成され、上部ピストン部130の諸動作を制御する。第1の案内孔111は、図2及び図3に示すように、上方に延長された後、前方に傾いてから所定距離だけ延長され、第2の案内孔112は、図2及び図3に示すように、上方に延長された後、後方に傾いてから所定距離だけ延長される。ケース110の一側面には第3の案内孔113が形成されるが、この第3の案内孔113はシリンダ部150の諸動作を制御する。
【0035】
ホッパー120は、コーヒー供給管40(図1参照。)から吐出されるコーヒー粉末をシリンダ151に効果的に案内するため、上部側を幅広とし、下部に向かって徐々に幅狭となる形状とされ、下端部には、コーヒー液を注出した後、残存するコーヒー残留物を除去するための除去部材121が設けられる。
【0036】
上部ピストン部130は、その相対向する両側面に、互いに対称な形状を有し、ケース110の第1の案内孔111に沿って移動する一対の第1の案内ピン131が設けられる。上部ピストン部130には、さらに相対向する両側面に、互いに対称な形状を有し、ケース110の第2の案内孔112に沿って移動する一対の第2の案内ピン132が設けられる。これら第2の案内ピン132は、第1の案内ピン131から上方に所定距離だけ離隔した位置に設けられている。そして、上部ピストン部130の内部には、温水をシリンダ151に案内するため、温水供給管50(図1参照。)に連通する温水部134が設けられる。
【0037】
シリンダ部150はシリンダ151を有するもので、ケース110に回動可能に結合される。シリンダ部150の下側後端には第3の案内ピン152が設けられる。この第3の案内ピン152はケース110の第3の案内孔113により案内されるので、シリンダ部150が所定角度の範囲内で回動することになる。
【0038】
下部ピストン140は下端の開放された円筒状を有し、その開口部を通じてコネクティングロッド141が挿入され下部ピストン140の内面に固定されている。このコネクティングロッド141は、シリンダ151の下面を貫通する。コネクティングロッド141の下端部は後述する第2のリンク部材240に軸支され、下部ピストン140の動作を制御する。下部ピストン140には、コーヒー粉末と温水の混合により生成されたコーヒー液が流動するコーヒー排出流路142が形成される。
【0039】
駆動装置310はカム部材210、220に回転力を供給するもので、コーヒーマシンの本体(図示せず)の内部に取り付けられる。この駆動装置310は、電源が供給されて回転する回転軸311と、回転軸311の端部に設けられるピニオン312とを含む。
【0040】
第1のカム部材210は所定の厚さを有する円盤状のもので、その中心部に一方の側に突出するようにして筒部210aが形成されている。第1のカム部材210は、筒部210aを一方のケース110の外側面に設けた軸部に挿通してこのケース111に回転可能に支持されている。第1のカム部材210の他方の面側の外縁部には、所定の長さの回転突起211が突設される。第1のカム部材210は、伝動部材320を介して駆動装置310に連結される。この伝動部材320は、第1のカム部材210の回転突起211を収容して保持する半円形の凹部を有する保持部321と、駆動装置310のピニオン312と噛み合うピニオン噛合部322とを含む。
【0041】
第2のカム部材220は、その中心部に一方の側に突出するようにして形成した図示しない筒部を他方のケース110の内側面に設けた軸部110bに挿通してこのケース111に回転可能に支持されている。第2のカム部材220の他方の面である内側面には、後述する第2のリンク部材240の運動を案内する第1の案内路221が設けられる。
【0042】
第1〜第3のリンク部材230、240、250のうち、第1のリンク部材230は上部ピストン部130の運動を案内し、第2のリンク部材240は下部ピストン140の運動を案内し、第3のリンク部材250はシリンダ部150の運動を案内する。
【0043】
第1のリンク部材230は、両端部に第1のヒンジ部231と第2ヒンジ部232がそれぞれ設けられる。第1のヒンジ部231は第1のカム部材210の回転突起211に軸支され、第2ヒンジ部232は上部ピストン部130の第1の案内ピン131に軸支される。
【0044】
第2のリンク部材240は、所定の厚さを有する三角板状のもので、各頂点には、ケース110に軸支される第3のヒンジ部241と、下部ピストン140のコネクティングロッド141の下端部に軸支される第4のヒンジ部242と、所定の長さの第1の案内突起243とが設けられる。第1の案内突起243は、第2のカム部材220の第1の案内路221により案内される。
【0045】
図3及び図4に示すように、第3のリンク部材250の両端部には、ケース110に軸支される第5のヒンジ部251と、シリンダ部150の第3の案内ピン152に軸支される第6のヒンジ部252が設けられる。第5のヒンジ部251と第6のヒンジ部252の中間地点には内側に所定の長さの第2の案内突起253が突設される。この第2の案内突起253は、第2のカム部材220の外側面に設けられた第2の案内路222により案内される。
【0046】
次に、図5を参照して上部ピストン部130の内部構造をより詳細に説明する。
【0047】
上部ピストン部130の内部には温水部134が設けられる。この温水部134は、温水が通過する流路形態の温水供給流路135と、温水を吐出する温水吐出流路136とを含む。
【0048】
温水供給流路135はその下端部が拡径されており、この拡径された部分に連通して多数の温水吐出流路136が設けられる。温水吐出流路136はシリンダ151側に温水を吐出するように形成されるが、温水を放射状に吐出するため、上部ピストン部130の半径方向に向かって所定角度傾斜するように形成されている。ここでは、具体的に、内周側から外周側に向かって所定角度傾斜して形成されている。
【0049】
上部ピストン部130の端部には、温水吐出流路136を覆うように、多数の微細孔を有する第1のフィルタ137が設けられている。この第1のフィルタ137は、温水を通過させながら、コーヒー残留物が上部ピストン部130に流入することを防止する機能を有する。
【0050】
また、上部ピストン部130の下端部の外周面には環状溝が形成され、この環状溝に気密用シール部材138が嵌合されている。このような構造により、温水供給流路135を通過した温水は温水吐出流路136を経由し第1のフィルタ137を通じて吐き出される。
【0051】
次に、図6を参照して下部ピストン140の内部構造を詳細に説明する。
下部ピストン140の上部ではコーヒー粉末と温水が混合されてコーヒー液が生成される。下部ピストン140の上端には、コーヒー残留物を捕捉しコーヒー液のみが通過するように多数の微細孔が形成された第2のフィルタ143が設けられ、シリンダ部151の内面と下部ピストン140の外面との間には気密用シール部材144が設けられる。
【0052】
第2のフィルタ143を通過したコーヒー液は、下部ピストン140内部のコーヒー排出流路142に供給される。このコーヒー排出流路142は、下部ピストン140の外周面に上端から下方に向かって溝を形成して構成されてなるものである。
【0053】
また、コーヒー排出流路142はシリンダ部150の下部に設けられたコーヒー吐出管153とともに排出部を構成し、コーヒー排出流路142を通過したコーヒー液はコーヒー吐出管153を介して装置外部に吐出される。
【0054】
下部ピストン140に結合されたコネクティングロッド141の揺れを防止するため、シリンダ部材150の下端部にはロッド案内部材154が設けられる。このロッド案内部材154の中心には、コネクティングロッド141を案内するため、上方に延長部155が設けられる。コネクティングロッド141の外面と延長部155の内面との間には気密用シール部材156が設けられる。
【0055】
以下、前述した本発明に係るコーヒー注出装置10の動作及び作用を説明する。
【0056】
図3は、本発明に係るコーヒー注出装置10の初期位置を示すものである。この状態でホッパー120にコーヒー粉末が投入される。ホッパー120に投入されたコーヒー粉末は、ホッパー120の下部からシリンダ部151に供給され下部ピストン140の上面に載置される。
【0057】
次いで、図7に示すように、第1のカム部材210が反時計方向におよそ60°回転するとともに、第1のカム部材210に軸支された第1のリンク部材230が回転し、第1のリンク部材230に軸支された上部ピストン部130がケース110の第1の案内孔111と第2の案内孔112により案内されながら所定距離下降するとともに後方に移動する。
【0058】
同時に、第2のカム部材220も反時計方向におよそ60°回転し、第2のカム部材220の回転により、第2のカム部材220の第2の案内路222(図4参照。)により案内される第3のリンク部材250が前方側に回動し、第3のリンク部材250に軸支されたシリンダ部150がケース110の第3の案内孔113により案内されて前方に所定距離回動する。したがって、上部ピストン部130とシリンダ部151が対向配置される。
【0059】
次いで、図8に示すように、第1のカム部材210が反時計方向におよそ100°さらに回転すると、第1のカム部材210に軸支された第1のリンク部材230の回転により、第1のリンク部材230に軸支された上部ピストン部130が所定距離下降してシリンダ部151の内部に挿入される。したがって、上部ピストン部130が下部ピストン140の上面に載置されたコーヒー粉末を圧縮するとともに、上部ピストン部130から吐出された温水と混合されたコーヒー液が下部ピストン140のコーヒー排出流路142及びシリンダ部150のコーヒー吐出管153を順次通過して外部へ吐出される。
【0060】
次いで、図9に示すように、第1のカム部材210が反時計方向にさらに100°回転すると、第1のカム部材210に軸支された第1のリンク部材230の回転により、第1のリンク部材230に軸支された上部ピストン部130が上昇しながら前方に所定距離回動する。
【0061】
その後、図10に示すように、第1のカム部材210が反時計方向にさらに20°回転すると、第2のカム部材220も反時計方向にさらに20°回転し、第2のカム部材220の回転により、第2のカム部材220の第2の案内路222(図4参照。)により案内される第3のリンク部材250が後方に回動し、第3のリンク部材250に軸支されたシリンダ部材150が後方に回動する。
【0062】
この際、下部ピストン140は上昇した状態であるので、シリンダ部150が回動するにつれて、ホッパー120の下端に設けられた除去部材121により、下部ピストン140の上面に残存するコーヒー残留物が除去される。
【0063】
その後、第1のカム部材210が反時計方向にさらに80°回転すると、第2のカム部材220も反時計方向にさらに80°回転し、第2のカム部材220の第1の案内路221により案内される第2のリンク部材240が下降し、第2のリンク部材240に軸支された下部ピストン140が下降して、図3に示すような初期位置に復帰する。このように、第1のカム部材210が反時計方向に360°回転する都度、1回分のコーヒー液が注出される。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコーヒーマシン用コーヒー注出装置は、駆動装置の回転軸が1回転したとき、カム部材及びリンク部材の運動により1回分のコーヒー液を注出する。本発明に係るコーヒー注出装置は、コーヒーマシン本体の内部に着脱可能にモジュール化されているので、掃除及び修理が容易である。
【0065】
また、本発明に係るコーヒー注出装置は、温水が相対的に上側に位置する上部ピストン部から下側に位置する下部ピストンに噴射される構造を有するので、上部ピストン部の下面にコーヒー残留物が付くことが防止され、下部ピストンの上面に残るコーヒー残留物はホッパーに設けられた除去部材により除去される。このように、コーヒー残留物をすっかり除去することができるので、コーヒー液の注出が円滑になり、上部ピストン部と下部ピストン間を別途に掃除することが不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーヒー注出装置が適用されるコーヒーマシンを示す概略図である。
【図2】本発明に係るコーヒーマシン用コーヒー注出装置を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示すコーヒー注出装置の断面図である。
【図4】図2に示すコーヒー注出装置の要部斜視図である。
【図5】図2に示すコーヒー注出装置の上部ピストン部の断面図である。
【図6】図2に示すコーヒー注出装置の下部ピストンの断面図である。
【図7】図2に示すコーヒー注出装置のシリンダ部が前方に回動した状態を示す断面図である。
【図8】図2に示すコーヒー注出装置の上部ピストン部が圧縮する状態を示す断面図である。
【図9】図2に示すコーヒー注出装置の下部ピストンが上昇した状態を示す断面図である。
【図10】図2に示すコーヒー注出装置のシリンダ部が後方に回動した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 コーヒー注出装置
20 コーヒー貯蔵部
30 温水供給部
40 コーヒー供給管
50 温水供給管
110 ケース
120 ホッパー
130 上部ピストン部
140 下部ピストン
150 シリンダ部
151 シリンダ
210、220 カム部材
230、240、250 リンク部材
310 駆動装置

Claims (15)

  1. コーヒーマシンの本体に着脱可能に装着されるケースに設けられ、コーヒー粉末が投入されるホッパーと、
    前記ホッパーから投入されたコーヒー粉末を収納するシリンダを有するシリンダ部と、
    前記シリンダ側に温水を供給する温水部が設けられた上部ピストン部と、
    前記シリンダ内で昇降し、コーヒー粉末と温水とが混合して生成されたコーヒー液を排出する排出部を有する下部ピストンと、
    前記シリンダ部、前記上部ピストン部及び前記下部ピストンの運動を案内するカム部材及びリンク部材と、
    前記コーヒーマシンの本体に設けられ、前記カム部材に動力を供給する駆動装置と、
    前記ホッパーの下端部に設けられ、前記下部ピストンの上面に残存するコーヒー残留物を除去するための除去部材とを備え、
    前記シリンダ部は、前記ホッパーの下部で所定角度回動し、
    前記上部ピストン部は、前記シリンダ部材の上部で回動及び昇降し、
    前記除去部材は、コーヒー液の抽出後に前記シリンダ部が回動するとき、前記シリンダ内の上昇位置にある前記下部ピストン上を移動し、前記下部ピストンの上面に残存するコーヒー残留物を除去することを特徴とするコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  2. 前記カム部材は、前記駆動装置に回転可能に連結される第1のカム部材と、前記第1のカム部材に同心状に連結され、前記第1のカム部材とともに回転する第2のカム部材とを含み、
    前記リンク部材は、前記第1のカム部材と前記上部ピストン部との間に設けられ、前記上部ピストン部の運動を案内する第1のリンク部材と、前記第2のカム部材と前記下部ピストンとの間に設けられ、前記下部ピストンの運動を案内する第2のリンク部材と、前記第2のカム部材と前記シリンダ部との間に設けられ、前記シリンダ部の運動を案内する第3のリンク部材とを含むことを特徴とする請求項1記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  3. 前記上部ピストン部の両側には、互いに対称の形状をなす一対の第1の案内ピンと、前記第1の案内ピンから上方に所定距離だけ離隔する互いに対称の形状をなす一対の第2の案内ピンとが設けられ、
    前記ケースには、前記第1の案内ピンを案内する第1の案内孔と、前記第2の案内ピンを案内する第2の案内孔とが形成され、
    前記第1のリンク部材には、前記第1のカム部材に軸支される第1のヒンジ部と、前記第1の案内ピンのなかで、前記第1のリンク部材側の第1の案内ピンに軸支される第2ヒンジ部とが設けられることを特徴とする請求項2記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  4. 前記第1のカム部材の外側には前記第1のヒンジ部に連結される回転突起が突設され、
    さらに、前記駆動装置から回転力を伝達するため、一端が駆動装置に連結され、他端が前記回転突起に連結される伝動部材を含むことを特徴とする請求項3記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  5. 前記第2のカム部材の一の面には前記第2のリンク部材の動作を案内する第1の案内路が設けられ、
    前記第2のリンク部材は、前記ケースに軸支される第3のヒンジ部と、前記下部ピストンに軸支される第4のヒンジ部と、前記第2のリンク部材を運動させるため、前記第1の案内路に沿って移動する第1の案内突起とを含むことを特徴とする請求項2記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  6. 前記下部ピストンは下端が開口され、前記開口部の内側面には、前記シリンダ部の下端を貫通するコネクティングロッドが取り付けられ、前記コネクティングロッドの下端部には前記第4のヒンジ部が軸支されることを特徴とする請求項5記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  7. 前記シリンダ部の貫通部の周囲は、垂直方向に延長されて前記コネクティングロッドを案内することを特徴とする請求項6記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  8. 前記シリンダ部材には所定の長さの第3の案内ピンが設けられ、
    前記ケースには前記第3の案内ピンを案内する第3の案内孔が形成され、
    前記第2のカム部材の外側面には前記第3のリンク部材の動作を案内する第2の案内路が設けられ、
    前記第3のリンク部材は、前記ケースに軸支される第5のヒンジ部と、前記第3の案内ピンに軸支される第6ヒンジ部と、前記第3のリンク部材を運動させるため、前記第2の案内路に沿って移動する第2の案内突起とを含むことを特徴とする請求項2記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  9. 前記温水部は、前記上部ピストン部に設けられた温水供給流路を含むことを特徴とする請求項1記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  10. 前記温水部は、前記温水供給流路を通過した温水を前記シリンダ部側に吐出する多数の温水吐出流路を含むことを特徴とする請求項9記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  11. 前記温水吐出流路は、温水を放射状に吐出するため、前記上部ピストン部の半径方向に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする請求項10記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  12. 前記下部ピストンに対向する前記上部ピストン部の端部には、温水を通過させながらコーヒー残留物の通過を阻止する多数の微細孔を有する第1のフィルタが設けられることを特徴とする請求項1記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  13. 前記上部ピストン部に対向する前記下部ピストンの端部には、コーヒー残留物を捕捉しながらコーヒー液を通過させる多数の微細孔を有する第2のフィルタが設けられることを特徴とする請求項1記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  14. 前記排出部は、前記下部ピストンに形成されるコーヒー排出流路と、前記コーヒー排出流路に連通して、コーヒー液を外部へ吐出するため、前記シリンダ部に設けられたコーヒー吐出管とを含むことを特徴とする請求項1記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
  15. 前記コーヒー排出流路は、前記下部ピストンの外周面に長手方向に形成された溝からなることを特徴とする請求項14記載のコーヒーマシン用コーヒー注出装置。
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