JP3874945B2 - カメラ - Google Patents

カメラ Download PDF

Info

Publication number
JP3874945B2
JP3874945B2 JP29313598A JP29313598A JP3874945B2 JP 3874945 B2 JP3874945 B2 JP 3874945B2 JP 29313598 A JP29313598 A JP 29313598A JP 29313598 A JP29313598 A JP 29313598A JP 3874945 B2 JP3874945 B2 JP 3874945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens barrel
electric motor
rotation
camera
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29313598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000122142A (ja
Inventor
紘 大村
雅夫 中森
Original Assignee
富士フイルムホールディングス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士フイルムホールディングス株式会社 filed Critical 富士フイルムホールディングス株式会社
Priority to JP29313598A priority Critical patent/JP3874945B2/ja
Priority to US09/416,883 priority patent/US6198882B1/en
Publication of JP2000122142A publication Critical patent/JP2000122142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3874945B2 publication Critical patent/JP3874945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B17/00Details of cameras or camera bodies; Accessories therefor
    • G03B17/02Bodies
    • G03B17/04Bodies collapsible, foldable or extensible, e.g. book type

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Cameras Adapted For Combination With Other Photographic Or Optical Apparatuses (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ鏡胴を繰出し、沈胴させるレンズ鏡胴駆動機構を含む、正転、逆転自在な電動モータにより駆動される複数の機構を有するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラには、例えばレンズ鏡胴の繰出し、沈胴機構、ピント調節機構、フイルム給送機構、インスタント写真用カメラにおけるフイルム展開排出機構など、様々な機構を備えたものが知られており、それらの機構を内蔵したカメラの中には、さらに電動モータを内蔵して、その電動モータによりそれらの機構を駆動するように構成されたものもある。
【0003】
ここで、そのような電動モータを備えたカメラにおいて、電動モータの数を減らすために、1つの電動モータの回転方向を切り替えることによって、それぞれ別々の機構を駆動するという思想が従来から知られている。例えば、実用新案登録第1869801号公報によれば、1個の電動モータを使用し、その電動モータの、ある一方向への回転によって鏡胴の広角・望遠切替駆動を行ない、他方向への回転によって他の機構、例えばフイルム給送機構あるいはシャッタセット機構等を駆動する技術が開示されている。また、特開平9−236854号公報には、1個の電動モータをある一方向に回転させることによってフイルム給送、巻上げ、および巻戻しを行ない、他方向に回転させることによって、それとは異なる機構を動作させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に開示された思想は、いずれも、1個の電動モータの回転方向に応じて異なる機構を駆動するというものであるが、1個の電動モータのある回転方向でレンズ機構を駆動する、あるいはフイルム給送等の機構を駆動する、というように、駆動の対象を提案しているにとどまっており、その切替駆動機構を具体的に実施する場合における問題の解決については、何らの示唆を与えるものではない。
【0005】
例えば電動モータの正転と逆転とでそれぞれ別々の機構を駆動する場合、それらの機構の間に電動モータの回転駆動力の伝達を切り換える遊星機構が配置されるのが一般的であり、また、レンズ鏡胴の繰出し、沈胴の方式によっては、回転を伴って繰出し、沈胴を行なう回転移動筒を備えたものがあるが、そのような回転移動筒をもつレンズ鏡胴を備え、1つの電動モータの正転でそのレンズ鏡胴を駆動し逆転で別の機構が駆動されるように遊星機構を配置した場合、電動モータが正転してレンズ鏡胴が繰り出された後、その電動モータが逆転すると、レンズ鏡胴が繰り出されたままの状態で遊星機構とレンズ鏡胴を駆動する機構との間の係合が外れた状態となり、回転移動筒に手指が触れただけで回転し、レンズ鏡胴の繰出し位置が正しい位置から外れ、焦点の合わない撮影が成されるおそれがあるという問題がある。
【0006】
また、電動モータが正転してレンズ鏡胴が繰り出された後、その電動モータが逆転せずに停止したままであっても同様であり、その電動モータが逆転する方向に回転駆動筒に外力が加えられると、遊星機構とレンズ鏡胴を駆動する機構との間の係合が比較的容易に外れてしまい、その後は、電動モータが逆転した場合と同様の問題を生じることになる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、レンズ鏡胴の繰出し位置が正しい位置から不用意に外れてしまうことが防止されたカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のカメラは、
カメラ本体と、
正転、逆転自在な電動モータと、
カメラ本体に対し繰出し、沈胴が自在であって、少なくとも繰出状態において外部に露出する部分に配設された、繰出し、沈胴に伴って回転する部材を有するレンズ鏡胴と、
電動モータの正転および逆転のうちの一方向の回転をレンズ鏡胴に伝達し、その一方向の回転により、レンズ鏡胴を沈胴状態と繰出状態との間で往復移動させるレンズ鏡胴駆動機構を含む、電動モータの正転と逆転に応じてそれぞれ駆動される複数の機構と、
電動モータの回転を、その回転方向に応じて、レンズ鏡胴駆動機構と、上記複数の機構のうちのレンズ鏡胴機構を除く別の機構とに伝達する遊星機構と、
レンズ鏡胴あるいはレンズ鏡胴駆動機構を構成する、電動モータの回転が伝達されて回転する回転伝達部材に、係合離脱自在に係合して、レンズ鏡胴の移動を阻止する係止ロック機構とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のカメラは、上記の係止ロック機構を備えたため、上記の、繰出し、沈胴に伴って回転する部材に回転方向に力が加わっても回転せず、したがってレンズ鏡胴の繰り出し位置が正しい位置から不用意に外れてしまうことが防止される。
【0010】
ここで、上記本発明のカメラにおいて、上記回転伝達部材が、レンズ鏡胴を構成する部材であることが好ましい。
【0011】
本発明にいう係止ロック機構により回転が阻止される回転伝達部材は、レンズ鏡胴駆動機構を構成する部材であってもよいが、その場合、ギア等のガタつきの分は、レンズ鏡胴が多少動いてしまう可能性がある。これに対して、係止ロック機構により回転が阻止される回転伝達部材がレンズ鏡胴を構成する部材である場合、そのレンズ鏡胴の移動が直接的に阻止されることとなり、ガタつきの少ない一層確実な動き防止が図られる。
【0012】
また、上記本発明のカメラにおいて、係止ロック機構が、電動モータがレンズ鏡胴駆動機構を駆動している間は回転伝達部材との係合が外れた状態を保つとともに、電動モータが停止している間および電動モータが上記別の機構を駆動している間は回転伝達部材に係合した状態を保つものであることが好ましい。
【0013】
係止ロック機構を作動させるにあたり、電動モータから駆動力を得、電動モータがレンズ鏡胴駆動機構とは別の機構を駆動する逆転の際は回転伝達部材に係合して回転伝達部材の回転を阻止し、電動モータがレンズ鏡胴駆動機構を駆動する正転の際は係合が外れレンズ鏡胴が駆動されるように構成してもよいが、その場合、電動モータが正転した後逆転せずにそのまま停止状態にあるときは係止ロック機構と回転伝達部材との係合が外れたままとなる。
【0014】
その場合であってもレンズ鏡胴はレンズ鏡胴駆動機構を介して電動モータと一応は連結された状態にあるため、電動モータが逆転した状態と比べるとレンズ鏡胴の繰出し位置は正しい位置に比較的保たれやすいものの、レンズ鏡胴の繰出し位置を正しい位置に確実に保持するには不安定さが残ることとなる。そこで上記のように、電動モータがレンズ鏡胴駆動機構を駆動している間だけ係止ロック部材と回転伝達部材との係合が外れた状態に保ち、それ以外の間、すなわち電動モータが別の機構を駆動している間および電動モータが停止している間は全て係止ロック機構と回転制御部材とを係合した状態に保つことにより、レンズ鏡胴の繰出し位置が確実に正しい位置に保たれることになる。
【0015】
さらに、上記本発明のカメラにおいて、上記係止ロック機構が、回転伝達部材に係合するロック爪と、そのロック爪を、回転伝達部材と係合した係合位置と、回転伝達部材との係合が外れた離脱位置との間で移動させる電磁石とを備えたものであることが好ましく、その場合にさらに、そのロック爪が、回転伝達部材と係合する方向にバネ付勢されたものであって、電磁石が、通電により、ロック爪を、バネ付勢に抗して回転伝達部材との係合が外れる方向に移動させるものであることが好ましい。
【0016】
係止ロック機構をロック爪とそのロック爪を移動させる電磁石を備えた機構とすると、比較的簡単な構成で済み、かつ小型化が図れるとともに、電動モータの回転とは独立に必要なタイミングでロック爪を回転伝達部材に係合させ、あるいはロック爪を回転制御部材との係合から外れた状態に移動させることができる。この場合において、ロック爪が係合方向にバネ付勢され、電磁石が通電によりロック爪と係合が外れる方向に移動させるように構成することにより、レンズ鏡胴を移動させる必要のある比較的短かい時間だけ電磁石に通電すればよく、電力消費が抑えられる。
【0017】
さらに、上記本発明のカメラにおいて、このカメラが、インスタント写真用の複数枚のフイルムが枠体内に積層されてなるインスタント写真用のフイルムパックが装填され、その枠体内に積層されたフイルムのうちの最上層のフイルムを露光し、その露光されたフイルムを、そのフイルム内に現像液を展開しながら排出するインスタント写真用のカメラであって、
上記複数の機構のうちのレンズ鏡胴駆動機構を除く別の機構が、露光済フイルム内に現像液を展開しながらその露光済フイルムをカメラ外部に排出するフイルム展開排出機構であってもよい。
【0018】
本発明は、1つの電動モータの回転方向に応じて、レンズ鏡胴駆動機構あるいはフイルム展開排出機構を駆動するインスタント写真用カメラに好適に適用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態のカメラを示す正面図である。
【0021】
このカメラ50は、インスタント写真用の複数枚のフイルムが枠体内に積層されてなるインスタント写真用のフイルムパックが装填され、その枠体内に積層されたフイルムのうちの最上層のフイルムを露光し、その露光されたフイルムを、その露光されたフイルム内に現像液を展開しながらカメラ外部に排出するタイプのインスタント写真用カメラである。
【0022】
このカメラ50は、図1に示すように、シャッタボタン53等を有するカメラ本体51を備えており、そのカメラ本体51前面にはレンズ鏡胴52が取り付けられている。このカメラ本体51には、正転、逆転自在に回転する電動モータ54が内蔵されている。
【0023】
また、このカメラ50の上部には、露光済フイルムが、そのフイルム内に現像液が展開されながらカメラ50内部から外部に排出されるフイルム排出口(図示せず)が形成されている。
【0024】
図2は、図1に示すカメラのレンズ鏡胴が沈胴状態にあるときの、そのレンズ鏡胴の光軸方向の縦断面図、図3は、そのレンズ鏡胴が繰出状態にあるときの、そのレンズ鏡胴の光軸方向の縦断面図である。
【0025】
レンズ鏡胴52は、主な構成要素として、図2に示すように、レンズシャッター組6が内蔵された直進移動筒5、沈胴状態においてその直進移動筒5を収納する回転移動筒3、さらに沈胴駆動リング2、固定カム筒1等を備えている。固定カム筒1はカメラ本体51(図1参照)に取り付け固定されており、この固定カム筒1の内壁面にはカム溝1aと、光軸方向に延びる3つのキー溝1bが形成されている(図2、図3には、3つのキー溝1bのうちの1つのキー溝1bのみが示されている)。カム溝1aの詳しい形状については後述する。また、このレンズ鏡胴52は鏡胴カバー10で覆われた沈胴駆動リング2を備えている。この沈胴駆動リング2は、固定カム筒1の外壁を取り巻く位置に、光軸方向には移動せず、かつ光軸を中心として回転自在に取り付けられている。この沈胴駆動リング2の外壁後端部には、カメラ本体51内部に配置された電動モータ54(図1参照)の駆動力が伝達される駆動ギア2aが形成されている。その電動モータ54の駆動力が沈胴駆動リング2の駆動ギア2aに伝達されると、その沈胴駆動リング2は光軸を中心として回転する。また、この沈胴駆動リング2の内壁面には、光軸方向に延びる3つの駆動溝2bが形成されており(図2、図3には、3つの駆動溝2bのうちの1つの駆動溝2bのみが示されている)、これら3つの駆動溝2bは、光軸を中心として120度間隔で設けられている。回転移動筒3の後部外壁には、沈胴駆動リング2の駆動溝2bに摺動自在に係合する3本の連結ピン3aと、固定カム筒1のカム溝1aに摺動自在に係合する3本のカムピン3bとが設けられている(図2、図3には、3本のカムピン3bのうちの1本のカムピン3bのみが示され、3本の連結ピン3aのうちの1本の連結ピン3aのみが示されている)。3本の連結ピン3aは、光軸を中心として120度間隔で設けられており、3本のカムピン3bも、光軸を中心として120度間隔で設けられている。また、回転移動筒3の内壁面にはカム溝3cが形成されている。このカム溝3cの詳しい形状については後述する。さらに、回転移動筒3内には、直進キーリング4が、その回転移動筒3に対し光軸方向の移動が禁止された状態で配置されている。その直進キーリング4の後端外壁には3つのキーピン4aが設けられており(図2、図3には、3つのキーピン4aのうちの1つのキーピン4aのみが示されている)、これら3つのキーピン4aは、それぞれ固定カム筒1の3つのキー溝1bそれぞれに摺動自在に係合している。尚、固定カム筒1のカム溝1aとキー溝1b、沈胴駆動リング2の駆動溝2b、回転移動筒3の連結ピン3aとカムピン3b、および直進キーリング4のキーピン4aは、回転移動筒3および直進キーリング4の繰出し、沈胴を行なうためのカム機構を構成している。回転移動筒3および直進キーリング4の繰出し、沈胴の様子については後述する。
【0026】
直進移動筒5内には、レンズカバーを開閉するためのレンズカバー開閉部材8が固定されており、そのレンズカバー開閉部材8の後端部には、直進キーリング4の直進ガイド溝4bに入り込むガイドピン8aが設けられている。また、この直進移動筒5の後端外周部には、直進キーリング4を貫通して回転移動筒3のカム溝3cに摺動自在に係合する3本のカムピン5aが設けられている(図2、図3には、3本のカムピン5aのうちの1本のカムピン5aのみが示されている)。これら3本のカムピン5aは、光軸を中心とした円周方向に120度間隔で設けられている。直進移動筒5のカムピン5a、レンズカバー開閉部材8のガイドピン8a、回転移動筒3のカム溝3c、および直進キーリング4の直進ガイド溝4bは、直進移動筒5を光軸方向に直進的に繰出し、沈胴させるカム機構を構成している。
【0027】
以下に、沈胴駆動リング2が回転することにより、回転移動筒3および直進移動筒5が、光軸方向に繰出し、沈胴するときの様子について、図4、図5を参照しながら説明する。
【0028】
図4は、固定カム筒および回転移動筒それぞれの内壁面を光軸方向に垂直な方向に展開して示した図である。ただし横軸は、内壁面の実寸比ではなく、光軸まわりの角度を示している。
【0029】
回転移動筒3には、直進移動筒5の3本のカムピン5a(例えば図3参照)が係合するカム溝3cが形成されている。このカム溝3cは、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向への前進と後退を三回繰り返す無端状のカム溝であり、このカム溝3cは、光軸方向前方を経由する部分に2つの段3dを有する。
【0030】
一方、固定カム筒1には、回転移動筒3の3本のカムピン3b(例えば図3参照)が係合するカム溝1aが形成されている。このカム溝1aは、撮影光軸を一周し一周の間に光軸方向に前進と後退を三回繰り返す無端状のカム溝であり、このカム溝1aは、回転移動筒3のカム溝3cの2つの段3d全域に対応する部分に、光軸方向に垂直な方向に延びる平坦部1cを有する。また、この固定カム筒1の、カム溝1aが有する平坦部1c後方には、光軸方向に延びるキー溝1bが形成されている。
【0031】
ここで、一旦、鏡胴の位置検出方法について説明し、その後、繰出し、沈胴動作の説明に戻る。
【0032】
図5は、沈胴駆動リングおよび鏡胴位置検出スイッチの正面図である。
【0033】
沈胴駆動リング2の外壁後端部には駆動ギア2aが形成されており、外壁前側面全周にわたってカム面2cが形成されている。このカム面2cは、回転移動筒3と直進移動筒5との双方の筒の、繰出状態と、沈胴状態と、これら繰出状態と沈胴状態との中間的な状態とに応じて異なる高さに形成されている。つまり、カム面2cは、繰出状態に対応した領域A、沈胴状態に対応した領域C、繰出状態と沈胴状態との中間的な状態に対応した領域Bを有する。ここでは、直進移動筒5の繰出状態には、繰出量が異なる第1の繰出位置および第2の繰出位置があり、カム面2cの、繰出状態に対応した領域Aは、この繰出量が異なる2つの位置に応じてさらに異なる高さに形成された、第1の繰出位置に対応した領域A1と、第2の繰出位置に対応した領域A2とを有する。従って、カム面2cは、互いに異なる高さに形成された4つの領域A1,A2,B,Cを有する。これら4つの領域A1,A2,B,Cは、カム面2cの、光軸の周回方向に3分割された領域それぞれに形成されている。鏡胴位置検出スイッチ212はこのカム面2cに接触しており、沈胴駆動リング2が回転することにより、カム面2cの、鏡胴位置検出スイッチ212のレバー212aと接触する部分の高さが変化し、そのレバー212aが矢印Y方向に回動する。このとき、その鏡胴位置検出スイッチ212の接点の状態が変化し、その接点の状態により、その鏡胴位置検出スイッチ212のレバー212aが、カム面2cの、異なる高さに形成された領域A1,A2,B,Cのうちのどの領域に接触しているかが検出され、回転移動筒3および直進移動筒5の状態およびピント位置が認識される。
【0034】
図4において、回転移動筒3の3本のカムピン3b(例えば図2参照)が、それぞれ、固定カム筒1のカム溝1aの3つの沈胴位置Aそれぞれに位置し、直進移動筒5の3つのカムピン5a(例えば図2参照)が、それぞれ回転移動筒3のカム溝3cの3つの沈胴位置Dそれぞれに位置するときは、回転移動筒3および直進移動筒5は固定カム筒1内に沈胴している(図2参照)。このとき、鏡胴位置検出スイッチ212のレバー212aは、図5に示すように、沈胴駆動リング2のカム面2cの、高さが一番低い部分Aに接触している。ここで、カメラ本体51の電源をオンにすると、電動モータ54が正転し、沈胴駆動リング2が光軸を中心として矢印P方向(図4参照)に回転する。このとき、回転移動筒3の連結ピン3aが沈胴駆動リング2の駆動溝2b(例えば図2参照)に係合していることからその連結ピン3aを介して回転移動筒3も光軸を中心として回転する。ここで、その回転移動筒3の3本のカムピン3bが固定カム筒1のカム溝1aに係合していることから、それら3本のカムピン3bは、そのカム溝1aに案内されて、沈胴位置Aから、その回転移動筒3の繰出量を最大の繰出量に規定する第1の繰出位置Bに向かって移動し、回転移動筒3が繰り出される。このとき、直進キーリング4は、キーピン4aが固定カム筒1のキー溝1bに係合していることから、回転移動筒3が回転しながら繰り出されるのに伴って直進的に繰り出される。また、直進移動筒5のカムピン5aが回転移動筒3のカム溝3cに係合しており、その直進移動筒5内に配置されたレンズカバー開閉部材8のガイドピン8a(例えば図2参照)が直進キーリング4の直進ガイド溝4bに入り込んでいることから、その直進移動筒5のカムピン5aは、回転移動筒3のカムピン3bが沈胴位置Aから第1の繰出位置Bに向かって移動するに伴って、沈胴位置Dから第1の繰出位置Eに向かって移動し、直進移動筒5が直進的に繰り出される。回転移動筒3の3本のカムピン3b、および直進移動筒5の3本のカムピン5aが、それぞれ、第1の繰出位置B、Eに向かって移動しているときは、鏡胴位置検出スイッチ212のレバー212aは、沈胴駆動リング2のカム面2cの、互いに高さの異なる部分A1,A2,B,Cのうちの部分Bと摺動している。
【0035】
本実施形態では電源をオンにしたときのレンズシャッター組の焦点位置の初期設定として、近距離撮影用の位置が選択されており、沈胴駆動リング2の回転により、レバー212aが沈胴駆動リング2のカム面2cの、第1の繰出位置に対応した部分A1と接触したときに、電動モータ54の回転が停止し、沈胴駆動リング2が停止する。このとき、回転移動筒3のカムピン3b、および直進移動筒5のカムピン5aが、それぞれ、第1の繰出位置B、Eで停止し、回転移動筒3および直進移動筒5の繰出しが停止する。回転移動筒3のカムピン3b、および直進移動筒5のカムピン5aが、それぞれ、第1の繰出位置B、Eで停止することにより、レンズシャッター組の焦点は近距離撮影用の位置にセットされる。
【0036】
ここで、図示しない所定の遠近切替用操作スイッチを操作して、レンズシャッター組の焦点位置として遠距離撮影用の位置が選択された場合、電動モータ54はもう一度正転し、レバー212aが、沈胴駆動リング2のカム面2cの、第2の繰出位置に対応した部分A2と接触したときに、電動モータ54の回転が停止し、沈胴駆動リング2が停止する。このとき、回転移動筒3のカムピン3bが、第1の繰出位置Bと同一の繰出量の第2の繰出位置Cで停止するとともに、直進移動筒5のカムピン5aが、第1の繰出位置Eよりも直進移動筒5の繰出量をわずかに小さい繰出量に規定する第2の繰出位置Fで停止する。直進移動筒5のカムピン5aが第2の繰出位置Fで停止することにより、レンズシャッター組の焦点は遠距離撮影用の位置にセットされる。このように、このカメラ50は、近距離撮影および遠距離撮影に応じて、直進移動筒5の繰出量を2段階に変化させることにより、レンズシャッター組の焦点の位置調整を行なっている。カメラの電源がオフに操作されると、電源が実際にオフになる前に、電動モータ54がもう一度正転して沈胴駆動リング2がさらにP方向に回転し、回転移動筒3のカムピン3bは、第1の繰出位置Bもしくは第2の繰出位置Cから沈胴位置Aに向かって移動するとともに、直進移動筒5のカムピン5aが、第1の繰出位置Eもしくは第2の繰出位置Fから沈胴位置Dに向かって移動する。このとき、鏡胴位置検出スイッチ212のレバー212aは、図5に示す、沈胴駆動リング2のカム面2cの、繰出状態と沈胴状態との中間的な状態に対応した部分Bと摺動している。沈胴駆動リング2がさらに回転することにより、レバー212aがカム面2cの、沈胴状態に対応した部分Cに接触すると、電動モータ54の回転が停止し、沈胴駆動リング2が停止する。このとき、回転移動筒3のカムピン3b、および直進移動筒5のカムピン5aは、それぞれ沈胴位置A、Dに到達し、回転移動筒3および直進移動筒5の沈胴が完了する。
【0037】
尚、レンズシャッター組の焦点が遠距離撮影用の位置にセットされている状態で遠近切替用操作スイッチを操作し、近距離が選択された場合、電動モータ54が正転し、回転移動筒3および直進移動筒5は、一旦沈胴状態を経由して再度繰り出され、近距離撮影用の繰出し位置にセットされる。
【0038】
直進移動筒5の、レンズシャッター組6の前面には、レンズカバー組7が開閉自在に取り付けられており、そのレンズカバー組7のさらに前面には、開口部9aを有する飾銘板9が取り付けられている。レンズカバー組7は、直進移動筒5が繰り出されたときに開き、直進移動筒5が沈胴したときに閉じるように、レンズカバー開閉部材8で制御されている。
【0039】
上記のように、このカメラ50は、電動モータ54を正転させることのみで、回転移動筒3および直進移動筒5の繰出し、沈胴を行うとともに、焦点調節も行なっている。また、このカメラ50は、電動モータ54の正転、逆転に応じてその電動モータ54の駆動力の伝達先を切り替える遊星機構(後述する)を備えている。このカメラ50では、この遊星機構は、電動モータ54が正転しているときはその電動モータ54の駆動力を沈胴駆動リング2に伝達し、電動モータ54が逆転しているときはその電動モータ54の駆動力をフイルム展開排出機構(後述する)に伝達している。このように、このカメラ50は、1つの電動モータ54が、レンズ鏡胴の繰出し、沈胴の駆動源に用いられるとともに、フイルム展開排出機構の駆動源としても用いられている。さらに、このカメラ50は、回転移動筒3に形成されているカム溝3cが、直進移動筒5を相互に繰出量の異なる第1の繰出位置Eおよび第2の繰出位置Fのいずれにも停止自在とするための2つの段3dを有しており、直進移動筒5のカムピン5aが第1の繰出位置Eおよび第2の繰出位置Fのうちのいずれかの繰出位置で停止するかによって焦点調節が行なわれる。
【0040】
図6は、電動モータの駆動力を、そのモータの回転方向に応じて、沈胴駆動リングおよびフイルム展開排出機構に伝達する駆動力伝達機構を示す図である。この図6は、遊星機構が電動モータの駆動力をレンズ鏡胴に伝達する側に切り替えられた状態を示している。 電動モータ54にはモータギア101が取り付けられている。この電動モータ54は、正転、逆転自在なモータであって、この図1に示す状態では矢印A方向に回転しており(以下、電動モータ54の矢印A方向の回転を正転と呼ぶ)、その電動モータ54の駆動力は、モータギア101から笠歯車102および笠歯車103を経由して遊星機構104に伝達される。遊星機構104を構成する太陽ギア104aは、電動モータ54の矢印A方向の回転に伴って矢印a方向の回転力を受け、その回転力に応じて遊星ギア104bが係合ギア105側に回動してその係合ギア105と噛合する。したがって、遊星機構104に伝達された駆動力は、その遊星機構104を構成する太陽ギア104a、遊星ギア104bを経由して係合ギア105に伝達され、さらに減速ギア列106に伝達される。この減速ギア列106に伝達された駆動力は、2つの笠歯車107,108を経由して減速ギア列109に伝達され、さらに、係合ギア110に伝達される。この係合ギア110は、沈胴駆動リング2の周縁部に形成された駆動ギア2aと噛合しており、その係合ギア110に伝達された駆動力は駆動ギア2aに伝達され、沈胴駆動リング2が回転する。また、この沈胴駆動リング2が回転すると、前述したように、回転移動筒3および直進移動筒5が繰り出され、同一方向にさらに回転すると再び沈胴する。
【0041】
尚、ギアの歯の凹凸は、係合ギア110と、沈胴駆動リング2の周縁部の駆動ギア2aの一部分のみ明示的に示されているが、これは図示の都合上そうしたのであり、他のギア、および沈胴駆動リング2の周縁部の駆動ギア2aの他の部分についても同様のギアの歯の凹凸が形成されている。
【0042】
ここで、沈胴駆動リング2は、本発明にいう回転伝達部材の一例に相当し、この沈胴駆動リング2に近接した位置には、その沈胴駆動リング2の周縁部に形成された駆動ギア2aに係合離脱自在に係合して、その沈胴駆動リング2の回転、すなわちレンズ鏡胴の移動を阻止する係止ロック機構56が配備されている。この係止ロック機構56は、電磁マグネット57、駆動軸58、係止ロックレバー59、および引っ張りバネ60によって構成されている。
【0043】
電磁マグネット57は、通電時に駆動軸58を内部に引き込む方向に吸引し、非通電時には、その駆動軸58が自由に動くようにその動きを開放する。
【0044】
駆動軸58は、その胴体部が電磁マグネット57の内部に挿入されており、先端のフォーク部58aのところで、係止ロックレバー59が、支軸58bによって回動自在に連結されている。
【0045】
係止ロックレバー59は、支軸59aによってカメラ本体に回動自在に軸支されており、またその先端には、沈胴駆動リング2の周縁部に設けられた駆動ギア2aに係合可能なロック爪59bが形成され、支軸59aを挟んだ後端部には引っ張りバネ60が係止しており、この係止ロックバー59は、反時計方向、すなわちロック爪59bが駆動ギア2aに係合する方向にバネ付勢されている。
【0046】
図6は、電磁マグネット57に通電された状態を示しており、このとき、駆動軸58は、電磁マグネット57への通電により引張りバネ60によるバネ付勢に抗して電磁マグネット57に吸引され、係止ロックレバー59が時計方向に回動し、ロック爪59bと駆動ギア2aとの係合が外れた状態にある。
【0047】
この時は、電動モータ54は正転方向に回転することが可能であって、その正転により沈胴駆動リング2が回転し、レンズ鏡胴が繰り出され、あるいは沈胴する。
【0048】
図7は、図6と同様に、電動モータの駆動力を、沈胴駆動リングおよびフイルム展開排出機構に伝達する駆動力伝達機構を示す図であり、この図7は、電動モータが正転後の停止状態にある場合を示している。
【0049】
このとき、係止ロック機構56を構成する電磁マグネット57は通電が断たれた状態にあり、したがって係止ロックレバー59は引っ張りバネ60の付勢力により反時計方向に付勢され、その先端のロック爪59bが沈胴駆動リング2の周縁部の駆動ギア2aに係合した状態にある。
【0050】
図8は、遊星機構が、モータの駆動力をフイルムを送り出す展開ローラに伝達する側に切り替えられた状態を示す図である。
【0051】
この図8では、電動モータ54は、矢印B方向に回転しており(以下、電動モータ54の矢印B方向の回転を逆転と呼ぶ)、電動モータ54の駆動力は、その電動モータ54が正転した場合(図6参照)と同様に、モータギア101から笠歯車102,103を経由して遊星機構104に伝達される。駆動力が遊星ギア104に伝達されるとその遊星ギア104を構成する太陽ギア104aが矢印b方向への回転力を受け、遊星ギア104bが係合ギア111側に回動してその係合ギア111と噛合する。したがってその遊星機構104に伝達された駆動力は、その遊星機構104を構成する太陽ギア104a、遊星ギア104b、さらに係合ギア111を経由して、その係合ギア111に噛合する展開ローラ駆動ギア113に伝達される。この展開ローラ駆動ギア113は支軸112に取り付けられ、さらにこの支軸112には駆動側展開ローラ114が取り付けられており、その展開ローラ駆動ギア113に駆動力が伝達されると、その駆動側展開ローラ114が回転する。また、この支軸112の、展開ローラ駆動ギア113と駆動側展開ローラ114との間には、係合ギア115が取り付けられており、この係合ギア115は、もう1つの係合ギア116と噛合している。この係合ギア116は、駆動側展開ローラ114と対向して配置された従動側展開ローラ117に取り付けられている。従って、係合ギア111に電動モータ54の駆動力が伝達されると、その駆動力は駆動側展開ローラ114だけでなく、係合ギア115,116を経由して従動側展開ローラ117にも伝達される。また、展開ローラ駆動ギア113と噛合する係合ギア111は、クロー駆動レバープレート118につながるギアトレイン(図示せず)と噛合している。従って、この図8に示すように、遊星機構104が係合ギア111に電動モータ54の駆動力を伝達する場合、その係合ギア111に伝達された電動モータ54の駆動力は、駆動側展開ローラ114および従動側展開ローラ117だけでなく、クロー駆動レバープレート118にも伝達される。そのクロー駆動レバープレート118に駆動力が伝達されると、そのクロー駆動レバープレート118は一旦上昇して下降し、その上昇に伴って、図示しないフイルムカートリッジ内の、露光済の最上層のフイルムが押し上げられ、そのフイルムの上端が駆動側展開ローラ114と従動側展開ローラ117との間に入り込む。そのフイルムの上端部には現像液が充填された部分があり、駆動側展開ローラ114および従動側展開ローラ117の回転により、フイルムがそれらのローラ114,117に挟まれてその現像液が充填された部分が破れ、これらのローラ114,117がさらに回転することにより現像液がフイルム内に展開されながらフイルムがカメラ外部に排出される。
【0052】
電動モータ54が逆転している間、および逆転後正転せずに停止している間も、電磁マグネット57は通電が断たれた状態にあり、したがってロック爪59bは沈胴駆動リング2の周縁部の駆動ギア2aに係合した状態にある。
【0053】
ここで、図6〜図8に示されている係止ロック機構56が備えられていない場合、図7に示す状態、すなわち遊星機構104がレンズ鏡胴駆動機構を構成する係合ギア105と係合し、かつ電動モータ54が停止した状態において、レンズ鏡胴を構成する回転移動筒3(図3参照)が逆回転方向に力を受けると、その力がレンズ鏡胴駆動機構を経由して遊星機構104にまで伝えられ、その逆回転はギアのバックラッシュの関係から遊びを持っている方向であるため電動モータ54の回転を伴わずに遊星機構もある程度逆方向に回転し、係合ギア105と遊星ギア104bとの係合が外れ、回転移動筒3に手指が触れただけでレンズ鏡胴の繰出し位置が変化して、例えば図4に示す繰出位置Eから繰出位置F、あるいは繰出状態と沈胴状態との中間の状態に動いてしまうおそれがあり、そのまま撮影を行なうとピントのあわないボケた写真となってしまうおそれがある。図8に示すように電動モータ54が逆転することにより遊星機構104とレンズ駆動機構との係合が外れている間も同様である。
【0054】
これに対し、本実施形態では、図6〜図8に示す係止ロック機構56を備えたため、レンズ鏡胴の回転移動筒3に不用意に回転方向の力が加わっても、その回転は阻止され、レンズ鏡胴の繰出し位置の不用意な変化が防止される。
【0055】
尚、上記実施形態では、係止ロック機構56は、レンズ鏡胴を構成する部材である沈胴駆動リング2と係合するように構成されている。この係止ロック機構56は、このように、レンズ鏡胴を構成する部材と係合するように配置してもよいが、電動モータ54の駆動力を沈胴駆動リング2に伝達する前のレンズ鏡胴駆動機構に係合するように配置してもよい。具体的には遊星機構104の遊星ギア104bと係合する係合ギア105から沈胴駆動リング2と係合する係合ギア110の間のいずれかのギアと係合するように係止ロック機構を配置してもよい。
【0056】
図9は、本実施形態のカメラの回路ブロック図である。
【0057】
内蔵電池200からの電力は直接にドライバIC201に供給されるとともに、レギュレータ202により安定化されてCPU203に供給される。レギュレータ202の出力電圧はリセット回路204でモニタされる。このリセット回路204は、レギュレータ202の出力電圧がCPU203が正常に動作することのできる最低電圧まで低下すると、このカメラの作動の暴走を防ぐためCPU203の動作を停止させるためのものである。 CPU203には、そのCPU203で実行される各種プログラムやデータが格納されたEEPROM205、内蔵電池200の残存容量をモニタするためのバッテリチェック回路206、ファインダ内に各種表示を行なうためのファインダ内液晶表示板(LCD)207、表示用LED208、前述した遠近切替用操作スイッチ等を含む各種の操作スイッチ209、ストロボ回路210、クロー駆動レバープレート118(図6,図7参照)の動きを検知する展開位置検出スイッチ211、および沈胴駆動リング2の回転位置(前部筒5および後部筒3の状態やピント位置)を検出するための鏡胴位置検出スイッチ212が接続されており、CPU203は、その接続先に応じ、指示や情報を受け取り、あるいは制御を行なっている。またCPU203には、そのCPU203が動作するのに必要となる基本クロックを生成するための水晶発振子213も接続されている。さらにCPU203には、前述したICドライバ201も接続されており、ドライバIC201はCPU203の指示を受けて2つの電動モータ54,55を駆動する。さらに、ドライバIC201には、シャッタが開き始めたタイミングを捉えるシャッタセンサ214、被写界の明るさを捉えるCdSセンサ215、係止ロック機構(図6〜図8参照)を構成する電磁マグネット57も接続されている。
【0058】
尚、図示の煩雑さを避けるため、図8に示した各種要素のうち、前掲の各図には図示省略されているものもある。
【0059】
ここで、ドライバIC201は、シャッタ開閉用の電動モータ55を駆動するためのシャッタ駆動ドライバを内蔵し、このシャッタ駆動ドライバは、CPU203からの指令を受けてシャッタ開閉用の電動モータ55を駆動し、シャッタセンサ214により検出されたシャッタ開のタイミングから、CdSセンサ215で検知された被写界の明るさの情報に応じたタイミングまでシャッタを開いて閉じる。こうすることにより、フイルムパック内の最上層のフイルムに、撮影レンズを経由した光による露光が行なわれる。
【0060】
また、ドライバIC201には、図6〜図8に示すフイルム展開排出機構、および沈胴駆動リング2を駆動する電動モータ54を駆動するための展開/鏡胴駆動ドライバが内蔵されている。この展開/鏡胴駆動ドライバは、CPU203の指示に応じて、このCPU203からの指示が沈胴駆動リング2を駆動する指示であったときは、電動モータ54に対し、その電動モータ54を正転させる正極性の電流を供給し、CPU203からの指示がフイルムの展開、排出の指示であったときは、電動モータ54に対し、その電動モータ54を逆転させる逆極性の電流を供給する。
【0061】
さらに、ドライバIC201には、図6〜図8に示す係止ロック機構56を構成する電磁マグネット57を駆動するための係止ロック用マグネット駆動ドライバが内蔵されている。この係止ロック用マグネット駆動ドライバは、CPU203からの指示に応じて電磁マグネット57に通電し、およびその通電を解除する。
【0062】
ここで、レンズ鏡胴が沈胴され電源がオフになっている状態において、電源がオンになると、先ず、係止ロック機構56の電磁マグネット57に通電され、ロック爪59bの、沈胴駆動リング2との係合が外れ、その後、沈胴駆動リング2を駆動する電動モータ54が正転して沈胴駆動リング2が駆動され、前述の機構に従ってレンズ鏡胴が繰り出される。レンズ鏡胴が所定位置まで繰り出されると電動モータ54が停止し、次いで電磁マグネット57への通電が断たれてロック爪59bが沈胴駆動リング2と係合し、これによりレンズ鏡胴の繰出し位置の不用意な変化が防止される。
【0063】
次に、シャッタが開閉して写真撮影が行なわれ、電動モータ54が逆回転して遊星機構104が図8に示すようにフイルム展開排出機構側に切り替わり、それに引き続いてフイルムの展開、排出が行なわれるが、このときには電磁マグネット57は通電が断たれた状態に保たれ、沈胴駆動リング2はその回転が阻止された状態に保たれ、レンズ鏡胴の繰出し位置の不用意な変化は引き続き防止された状態に保たれる。
【0064】
ピント位置の遠近を切り替える図示しない遠近切替用スイッチが操作されたときは、ピント位置切り替えのために沈胴駆動リング2を回転させる必要があり、また電源がオフにされたときは電源が実際にオフになる前にレンズ鏡胴を沈胴させる必要があり、これらの場合は、電動モータ54の回転(正転)に先立って先ず電磁マグネット57へ通電され沈胴駆動リング2へのロック爪59bの係合が外れて沈胴駆動リング2が回転可能な状態となり、その後電動モータ54が正転して沈胴駆動リング2が回転し、所定位置まで回転すると電動モータ54が停止し、電磁マグネット57への通電が断たれる。
【0065】
このようなシーケンスによって、沈胴駆動リング2の必要な回転を妨げることなく、外力によってレンズ鏡胴が動かされピント位置が不用意にずれてしまうことが防止される。 尚、上記実施形態は、二段沈胴式のレンズ鏡胴を備えたカメラの例であるが、本発明は、繰出し、沈胴に伴って回転する、外部から触れられるおそれのある部材を持った沈胴式のレンズ鏡胴を備えたカメラであれば、上記
【0066】
の実施形態と同様に適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズ鏡胴に手指が触れてもレンズ鏡胴の繰出し位置が不適切な位置にずれてしまうことが防止され、ピントの合った良質の写真が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のカメラを示す正面図である。
【図2】レンズ鏡胴を構成する回転移動筒および直進移動筒が沈胴状態にあるときの、そのレンズ鏡胴の光軸方向の縦断面図である。
【図3】レンズ鏡胴を構成する回転移動筒および直進移動筒が繰出状態にあるときの、そのレンズ鏡胴の光軸方向の縦断面図である。
【図4】固定カム筒および回転移動筒それぞれの内壁面を光軸方向に垂直な方向に展開して示した図である。
【図5】沈胴駆動リングおよび鏡胴位置検出スイッチの正面図である。
【図6】遊星機構が電動モータの駆動力をレンズ鏡胴に伝達する側に切り替えられた状態を示す図である。
【図7】遊星機構が電動モータの駆動力をレンズ鏡胴に伝達する側に切り替えられた状態を示す図である。
【図8】遊星機構が電動モータの駆動力をフイルム送出しローラに伝達する側に切り替えられた状態を示す図である。
【図9】本実施形態のカメラの回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 固定カム筒
1a,3c,13c カム溝
1b キー溝
1c,3e 平坦部
2,13 沈胴駆動リング
2a 駆動ギア
2b 駆動溝
2c,13b カム面
2d 外壁前側面
3 回転移動筒
3a 連結ピン
3b,5a,14a カムピン
1d,3d,13d 2つの段
4 直進キーリング
4a キーピン
4b,12c 直進ガイド溝
5 直進移動筒
6 レンズシャッター組
7 レンズカバー組
8 レンズカバー開閉部材
8a ガイドピン
9 飾銘板
9a 開口部
10 鏡胴カバー
50 カメラ
51 カメラ本体
52 レンズ鏡胴
53 シャッタボタン
54,55 電動モータ
56 係止ロック機構
57 電磁マグネット
58 駆動軸
58a フォーク部
58b 支軸
59 係止ロックレバー
59a 支軸
59b ロック爪
60 引っ張りバネ
104 遊星機構
105 係合ギア
106 減速ギア列
114 駆動側展開ローラ
117 従動側展開ローラ

Claims (5)

  1. カメラ本体と、
    正転、逆転自在な電動モータと、
    カメラ本体に対し繰出し、沈胴が自在であって、少なくとも繰出状態において外部に露出する部分に配設された、繰出し、沈胴に伴って回転する部材を有するレンズ鏡胴と、
    前記電動モータの正転および逆転のうちの一方向の回転を前記レンズ鏡胴に伝達し、該一方向の回転により、前記レンズ鏡胴を沈胴状態と繰出状態との間で往復移動させるレンズ鏡胴駆動機構を含む、前記電動モータの正転と逆転に応じてそれぞれ駆動される複数の機構と、
    前記電動モータの回転を、その回転方向に応じて、レンズ鏡胴駆動機構と、前記複数の機構のうちのレンズ鏡胴機構を除く別の機構とに伝達する遊星機構と、
    前記レンズ鏡胴あるいは前記レンズ鏡胴駆動機構を構成する、前記電動モータの回転が伝達されて回転する回転伝達部材に、係合離脱自在に係合して、前記レンズ鏡胴の移動を阻止する、前記電動モータが前記レンズ鏡胴駆動機構を駆動している間は前記回転伝達部材との係合が外れた状態を保つとともに、前記電動モータが停止している間および前記電動モータが前記別の機構を駆動している間は前記回転伝達部材に係合した状態を保つ係止ロック機構とを備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 前記回転伝達部材が、前記レンズ鏡胴を構成する部材であることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  3. 前記係止ロック機構が、前記回転伝達部材に係合するロック爪と、該ロック爪を、前記回転伝達部材と係合した係合位置と、前記回転伝達部材との係合が外れた離脱位置との間で移動させる電磁石とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  4. 前記ロック爪が、前記回転伝達部材と係合する方向にバネ付勢されたものであって、前記電磁石が、通電により、前記ロック爪を、バネ付勢に抗して前記回転伝達部材との係合が外れる方向に移動させるものであることを特徴とする請求項記載のカメラ。
  5. このカメラが、インスタント写真用の複数枚のフイルムが枠体内に積層されてなるインスタント写真用のフイルムパックが装填され、該枠体内に積層されたフイルムのうちの最上層のフイルムを露光し、露光されたフイルムを、該フイルム内に現像液を展開しながら排出するインスタント写真用のカメラであって、
    前記複数の機構のうちの前記レンズ鏡胴駆動機構を除く別の機構が、露光済フイルム内に現像液を展開しながら該露光済フイルムをカメラ外部に排出するフイルム展開排出機構であることを特徴とする請求項記載のカメラ。
JP29313598A 1998-10-15 1998-10-15 カメラ Expired - Fee Related JP3874945B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29313598A JP3874945B2 (ja) 1998-10-15 1998-10-15 カメラ
US09/416,883 US6198882B1 (en) 1998-10-15 1999-10-13 Camera

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29313598A JP3874945B2 (ja) 1998-10-15 1998-10-15 カメラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000122142A JP2000122142A (ja) 2000-04-28
JP3874945B2 true JP3874945B2 (ja) 2007-01-31

Family

ID=17790880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29313598A Expired - Fee Related JP3874945B2 (ja) 1998-10-15 1998-10-15 カメラ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6198882B1 (ja)
JP (1) JP3874945B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4727301B2 (ja) * 2005-06-01 2011-07-20 株式会社日立製作所 表示装置
CN110456596A (zh) * 2019-08-16 2019-11-15 苏州佳世达光电有限公司 驱动切换装置及应用其的成像设备

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6097329A (ja) * 1983-11-02 1985-05-31 Canon Inc カメラの電動可変焦点装置
DE3526688A1 (de) * 1984-07-27 1986-02-06 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd., Tokio/Tokyo Kamera
JPH07119870B2 (ja) * 1986-02-28 1995-12-20 株式会社精工舎 カメラにおける電磁駆動シヤツタ
JPH09236854A (ja) 1996-02-29 1997-09-09 Olympus Optical Co Ltd カメラの駆動切換機構

Also Published As

Publication number Publication date
US6198882B1 (en) 2001-03-06
JP2000122142A (ja) 2000-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3874945B2 (ja) カメラ
JPH06258699A (ja) カメラのカートリッジ室蓋ロック機構
US6375367B2 (en) Optical apparatus
US6343880B1 (en) Camera loadable with photo film cassette
JP3749385B2 (ja) カメラ
JPH09281569A (ja) カメラ
JP2000330177A (ja) カートリッジ室蓋ロック装置
JP2002195313A (ja) 過負荷クラッチ装置
JPH06103375B2 (ja) レンズカバ−付きカメラ
JP4228126B2 (ja) プレビュー機構を有するカメラ
JP4679761B2 (ja) ズーム駆動装置
JP2000330169A (ja) カメラ
JPH03290638A (ja) カメラ
JP2000089280A (ja) カメラ
JP3196359B2 (ja) カメラの駆動機構
JP2001005050A (ja) レンズバリア付きカメラ
JP2001005083A (ja) カメラ
JP2000089321A (ja) カメラ
JP2004198613A (ja) カメラ
JPH117069A (ja) フィルムカートリッジ遮光扉開閉装置付きカメラ
JP2000089276A (ja) レンズ移動装置
JP2003035859A (ja) ズーム駆動装置
JP2000089281A (ja) カメラ
JP2002207237A (ja) カメラの駆動伝達機構
JPH03289639A (ja) 磁気データ記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees