JP3871005B2 - 新規なアルデヒド化合物及びその製造法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体などに用いられる高分子型電荷輸送材料用原料モノマーとして有用な、新規なトリアリールアミン化合物を製造するための製造中間体である新規なアルデヒド化合物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式において使用される感光体の有機光導電性素材としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミン化合物(米国特許第3,180,730号)、べンジジン化合物(米国特許第3,265,496号、特公昭39−11546号公報、特開昭53−27033号公報)、スチルベン化合物(特開昭58−198425号公報、58−198043号公報、58−189145号公報、58−190953号公報)等のような数多くの提案がなされている。
【0003】
ここでいう「電子写真方式」とは、一般に光導電性の感光体を、先ず暗所で例えばコロナ放電などにより帯電せしめ、次いで画像状露光を行なって露光部の電荷を選択的に放電させることにより静電潜像を得、さらにこの潜像部をトナーなどを用いた現像手段で可視化して画像を形成するようにした画像形成法の一つである。このような電子写真方式における感光体に要求される基本的な特性としては、1)暗所において適当な電位に帯電されること、2)暗所における電荷の放電が少ないこと、3)光照射により速やかに電荷を放電すること、などが挙げられる。
しかしながら、従来の光導電性有機材料は、これらの要求を必ずしも満足していないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基本的な電子写真特性をすべて満足し、高分子型電荷輸送材料用原料モノマーとして有用な、新規なトリアリールアミン化合物を製造するための製造中間体である新規なアルデヒド化合物及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表されるアルデヒド化合物が提供される。
【化9】
(式中、R1は、フェニル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されたアルキル基;無置換のアルキル基;フェニル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されたアシル基又は無置換のアシル基を表し、アシル基は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基又はイソブチリル基である。R2、R3、R4、R5は、水素原子;ハロゲン原子;フェニル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されたアルキル基;無置換のアルキル基;フェニル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されたアルコキシ基又は無置換のアルコキシ基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Ar1、Ar2、Ar4は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されたフェニレン基又は無置換のフェニレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Ar3は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されたフェニル基又は無置換のフェニル基を表す。)
【0006】
また、本発明によれば、下記一般式(V)、(VI)、(VII)および(VIII)で表されるトリアリールアミン化合物をホルミル化することを特徴とする、それぞれ対応する前記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表されるアルデヒド化合物の製造方法が提供される。
【化10】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、Ar1、Ar3、Ar4は前記定義と同一であり、Ar2´は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されたフェニル基又は無置換のフェニル基を表す。)
【0007】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明のアルデヒド化合物は、一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)
【化11】
(式中、R 1 は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基を表す。R 2 、R 3 、R 4 、R 5 は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Ar 1 、Ar 2 、Ar 4 は置換もしくは無置換のアリレン基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Ar 3 は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される。該一般式(I)〜(IV)においてR1、R2、R3、R4及びR5のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、などの低級アルキル基が、またR1のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などの低級アシル基が、更にまたR2、R3、R4及びR5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの低級アルコキシ基が挙げられる。更にアルキル基、アシル基及びアルコキシ基における置換基としては、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。
【0008】
該一般式(I)〜(IV)においてAr1、Ar2、Ar4のアリレン基としてはフェニレン基が、また、Ar2′、Ar3のアリール基としてはフェニル基が挙げられる。更にまたアリレン基及びアリール基における置換基としては、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、エトキシ基、プロポキシ基など)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)及びハロゲン原子(例えば臭素、塩素、フッ素など)が挙げられる。
【0009】
本発明に係る前記一般式(I)で表されるアルデヒド化合物は、新規物質であり、このものは、前記一般式(V)で表されるトリアリールアミン化合物とヴィルスマイヤー試薬を反応させてインモニウム塩中間体を生成させた後に加水分解することにより製造される。
この場合、使用するヴィルスマイヤー試薬は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアニリド(MFA)などのアミド類と塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、塩化オギザリル、ホスゲン、塩化チオニル、トリフェニルホスフィン−臭素、ヘキサクロロトリホスファザトリエンなどの酸ハライド類を当モル反応させる公知の方法により得ることができる。また、一般式(V)で表されるトリアリールアミン化合物に対してヴィルスマイヤー試薬の使用量は理論量用いれば良いが、望ましくは、1モル当量以上が用いられる。
【0010】
本発明の製造方法は、あらかじめ調整したヴィルスマイヤー試薬と一般式(V)
【化12】
(式中、R 1 、Ar 1 、Ar 3 、Ar 4 は前記定義と同一であり、Ar 2 ´は前記Ar 2 の対応する置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表されるトリアリールアミン化合物を適当な溶媒中で反応させる方法、又は一般式(V)で表されるトリアリールアミン化合物と前記のアミド類の溶液中に酸ハライド類を滴下してヴィルスマイヤー試薬を生成させながら反応させる方法のいずれかが用いられる。反応溶媒には、ベンゼンなどの不活性な芳香族炭化水素やクロロホルム、ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼンなどの他に前記のアミド類をそのまま溶媒として用いることもできる。反応温度は、一般に0〜150℃であるが特に20〜80℃の間で反応が好適である。
【0011】
次いで一般式(V)で表されるトリアリールアミン化合物とヴィルスマイヤー試薬により生成したインモニウム塩を、水またはアルカリ水溶液で加水分解し、本発明の前記一般式(I)で表されるアルデヒド化合物に誘導する。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、酢酸ナトリウム水溶液、酢酸カリウム水溶液が用いられる。
【0012】
また本発明の前記一般式(II)〜(IV)で表されるアルデヒド化合物も該一般式(I)で表されるアルデヒド化合物と同様にして、一般式(VI)〜(VIII)
【化13】
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、Ar 3 、Ar 4 は前記定義と同一である。)
で表されるトリアリールアミン化合物をホルミル化することにより製造することができる。
【0013】
本発明の前記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表されるアルデヒド化合物の代表例を以下の表1に例示する。
【表1】
【0014】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表されるアルデヒド化合物は、新規化合物であり、電子写真感光体などに用いられる高分子型電荷輸送材料、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂の原料モノマーとして有用なジヒドロキシスチルベン化合物を製造するための中間体として有用である。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1
窒素気流下、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)27.33g(374.0mmol)にオキシ塩化リン52.14g(340.0mmol)を氷冷下3〜6℃で、30分かけて滴下し、ヴィルスマイヤー試薬を生成させた。これに4−(4−メトキシフェネチル)トリフェニルアミン64.51g(170.0mmol)をDMF150mlを用いて溶液とし、6℃で20分かけて滴下した。撹拌しながら30分かけて室温に戻し、更に81℃で1時間撹拌した。次に反応液を室温まで放冷した後、氷水1000mlに注ぎ、20%水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性として、室温で2時間撹拌を行った。こうして生成した黄色沈殿物をトルエンを用いて抽出し、更に抽出層を水洗し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥を行った。このトルエン溶液を減圧下留去して褐色油状物を得た。これをシリカゲルカラム処理(溶離液;トルエン)して、表1中の例示化合物No.1のアルデヒド化合物65.08g(収率94.0%)の油状物を得た。
元素分析値はC28H25NO2として下記の通りであった。
また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示す。該赤外吸収スペクトルにおいて、νC-H(アルデヒド)2820、2740cm-1、νC=O(アルデヒド)1690cm-1に吸収が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアルデヒド化合物の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。
Claims (8)
- 一般式(I)
で表されるアルデヒド化合物。 - 一般式(II)
で表されるアルデヒド化合物。 - 一般式(III)
で表されるアルデヒド化合物。
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