JP3520875B2 - ピレン化合物及びその製造方法 - Google Patents
ピレン化合物及びその製造方法Info
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Description
電性素材及び蛍光増白剤、特に電子写真用の有機光導電
性材料として有用である、新規なピレン化合物及びその
製造方法に関する。
感光体の有機光導電性素材としてポリ−N−ビニルカル
バゾールをはじめ数多くの材料が提案されている。ここ
にいう「電子写真方式」とは一般に光導電性の感光体
を、まず暗所で例えばコロナ放電などにより帯電せし
め、ついで露光部のみの電荷を選択的に放電させること
により静電潜像を得て、この潜像部をトナーなどを用い
た現像手段で可視化して画像を形成するようにした画像
形成法を一つである。このような電子写真方式における
感光体に要求される基本的な特性としては、1)暗所に
おいて適当な電位に帯電されること、2)暗所における
電荷の放電が少ないこと、3)光照射により速やかに電
荷を放電すること、などが挙げられる。しかし従来の光
導電性有機材料はこれらの要求をかならずしも十分に満
足していないのが実状である。
料として知られており、中でもセレンは広く実用に供さ
れていることは事実である。しかし最近電子写真のプロ
セスの点から、感光体に対する種々の要求、すなわち一
例として前述の基本的特性に加えて、例えばその形状に
ついても可撓性のあるベルト状の感光体などが要求され
るようになってきている。しかしセレンの場合は一般に
このような形状のものに作成することは困難である。
ためにいろいろな有機物質を用いた電子写真用感光体を
提案され、実用に供されているものもある。例えば、ス
チルベン誘導体(特開昭58−198425号、特開昭
58−189145号)やトリアリールアミン誘導体
(特開昭58−65440号)などが挙げられるが、未
だ充分に満足するものが得られていないのが実状であ
る。
体に於ける光導電性素材のもつ欠点を除去した、殊に電
子写真用の光導電性素材として有用な新規なピレン化合
物及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明が提供される。 (1)下記化1で表わされるピレン化合物。
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。) (2)下記化2で表わされるアルデヒド化合物と下記化
3で表わされるホスホニウム塩とを反応させることを特
徴とする下記化1で表わされるピレン化合物の製造方
法。
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基及びエト
キシフェニル基から選ばれる原子又は基を表わす。)
表わし、Yは、ハロゲン原子を表わす。Xは、直接結
合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、
−O−、−S−を表わす。)
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。) (3) 下記式化2で表わされるアルデヒド化合物と下
記化4で表わされるジアルキル亜燐酸化合物とを反応さ
せることを特徴とする下記化1で表わされるピレン化合
物の製造方法。
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、、メトキシフェニル基及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表わす。)
結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH
−、−O−、又は−S−を表わす。)
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。)ここで、R
1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、トリル基、ブチルフェニル基、ベンジル基、ベンジ
ルオキシ基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、メトキシフェニル基及びエトキシフェニル基から選
ばれる原子又は基を表わす。前記のアルキル基には、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が、挙げられ
る。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基が挙げられる。又、R2、R3の低級アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
が挙げられ、Yのハロゲン原子としては、塩素、臭素等
が挙げられる。
化合物は新規物質であり、前記化2で表されるアルデヒ
ド化合物と前記化3で表わされるホスホニウム塩又は前
記化4で表わされるジアルキル亜リン酸とを塩基性触媒
の存在下、室温から100℃程度の温度において反応さ
せることにより製造される。塩基性触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアミド、水
素化ナトリウム及びナトリウムメチラート、カリウム−
t−ブトキサイドなどのアルコラートを挙げることがで
きる。また反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタ
ノール、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキ
シエチル)エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキ
シド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど
を挙げることができる。中でも極性溶媒、例えば、N,
N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド
が好適である。
媒に対する安定性、2)縮合成分の反応性、3)前記塩
基性触媒の溶媒中における縮合剤としての反応性によっ
て広範囲に選択することができる。例えば極性溶媒を用
いるときは、実際には室温から100℃、好ましくは室
温から80℃である。しかし、反応時間の短縮又は活性
の低い縮合剤を使用することは更に高い温度でもよい。
表わされるピレン化合物の代表例を以下の表1に例示す
る。
電子写真用感光体に於ける光導電性素材としてきわめて
有用であり、染料やルイス酸などの増感剤によって光学
的あるいは化学的に増感される。また有機顔料ある今は
無機顔料を電荷発生物質とするいわゆる機能力離型感光
体に於ける電荷移動物質としてとりわけ有用である。
ト、クリスタルバイオレット等のトリアリルメタン染
料、ローズベンガル、エリスロシン、ローダミンB等の
キサンテン染料、メチレンブルー等のチアジン染料、
2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4−
ジニトロ−9−フルオレノンが挙げられる。また有機顔
料としては、シーアイピグメントブルー25(C.l.
No.21180)、シーアイピグメントレッド41
(C.l.No.21200)、シーアイベージックレ
ッド3(C.1.No.45210)等のアゾ系顔料、
シーアイピグメントブルー16(C.l.No.741
00)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラ
ウン5(C.l.No.73410)、シーアイバット
ダイ(C.l.No.73030)等のインジゴ系顔
料、アルゴスカーレットB、インダンスレンスカーレッ
トR等のペリレン系顔料が挙げられる。また、セレン、
セレン−テルル、硫化カドミウム、α−シリコン等の無
機顔料も使用できる。
2g(5.50mmol)を乾燥ベンゼン10mlに溶
解させ撹拌下、N−(1−ピレニル)−N−フェニル−
4−アミノベンズアルデヒド1.99g(5.00mm
ol)と乾燥ベンゼン20mlの溶液を室温にて20分
間かけ滴下した。更に室温にて3.5時間撹拌を行なっ
た後、内容物を減圧濃縮し、赤橙色油状物を得た。これ
をシリカゲルカラム処理〔溶離液:トルエン/c−ヘキ
サン=(1/2)vol〕を行ないトルエンにて再結晶
して、橙黄色板状晶の下記構造式で表わされるピレン化
合物を1.54g(収率56.4%)得た。融点は25
9.5〜260.5℃であった。
図1に示す。
た。その結果を表2に示す。なお、実施例2で得られた
ピレン化合物の赤外線吸収ペクトル図(KBr錠剤法)
を図2に示す。
合物は、新規物質であって、電子写真用の有機光導電性
素材、蛍光増白剤として有用であり、特に電子写真用の
有機光導電性材料として用いた場合、感光体に必要な基
本的特定を十分満足しており、また可撓性の感光体等を
作成することができる。
スペクトル図(KBr錠剤法)
スペクトル図(KBr錠剤法)
Claims (3)
- 【請求項1】 下記化1で表わされるピレン化合物。 【化1】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。) - 【請求項2】 下記化2で表わされるアルデヒド化合物
と下記化3で表わされるホスホニウム塩とを反応させる
ことを特徴とする下記化1で表わされるピレン化合物の
製造方法。 【化2】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、、メトキシフェニル基及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表わす。) 【化3】 (式中、R2は、低級アルキル基もしくはフェニル基を
表わし、Yは、ハロゲン原子を表わす。Xは、直接結
合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、
−O−、−S−を表わす。) 【化1】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。) - 【請求項3】 下記式化2で表わされるアルデヒド化合
物と下記化4で表わされるジアルキル亜燐酸化合物とを
反応させることを特徴とする下記化1で表わされるピレ
ン化合物の製造方法。 【化2】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、、メトキシフェニル基及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表わす。) 【化4】 (式中、R3は、低級アルキル基を表わす。Xは、直接
結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH
−、−O−、又は−S−を表わす。) 【化1】 (式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ブチルフェニ
ル基、ベンジルオキシ基、メトキシフェニル基、及びエ
トキシフェニル基から選ばれる原子又は基を表す。X
は、直接結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH
=CH−、−O−、−S−を表わす。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33542392A JP3520875B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | ピレン化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33542392A JP3520875B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | ピレン化合物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06157431A JPH06157431A (ja) | 1994-06-03 |
JP3520875B2 true JP3520875B2 (ja) | 2004-04-19 |
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ID=18288397
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3520875B2 (ja) |
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1992
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