JP3540015B2 - ピレニルアミン化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真用の有機光導電性素材及び蛍光増白剤、特に電子写真用の有機光導電性材料として有用である、新規なピレニルアミン化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式において使用される感光体の有機光導電性素材としてポリ−N−ビニルカルバゾールをはじめ数多くの材料が提案されている。
ここにいう「電子写真方式」とは一般に光導電性の感光体を、まず暗所で例えばコロナ放電などにより帯電せしめ、ついで露光部のみの電荷を選択的に放電させることにより静電潜像を得て、この潜像部をトナーなどを用いた現像手段で可視化して画像を形成するようにした画像形成法を一つである。このような電子写真方式における感光体に要求される基本的な特性としては、1)暗所において適当な電位に帯電されること、2)暗所における電荷の放電が少ないこと、3)光照射により速やかに電荷を放電すること、などが挙げられる。しかし従来の光導電性有機材料はこれらの要求をかならずしも十分に満足していないのが実状である。
【0003】
一方、セレンや酸化亜鉛は光導電性無機材料として知られており、中でもセレンは広く実用に供されていることは事実である。しかし最近電子写真のプロセスの点から、感光体に対する種々の要求、すなわち一例として前述の基本的特性に加えて、例えばその形状についても可撓性のあるベルト状の感光体などが要求されるようになってきている。しかしセレンの場合は一般にこのような形状のものに作成することは困難である。
【0004】
近年、これらの無機物質の欠点を排除するためにいろいろな有機物質を用いた電子写真用感光体を提案され、実用に供されているものもある。例えば、スチルベン誘導体(特開昭58−198425号、特開昭58−189145号)やトリアリールアミン誘導体(特開昭58−65440号)などが挙げられるが、未だ充分に満足するものが得られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の感光体に於ける光導電性素材のもつ欠点を除去した、殊に電子写真用の光導電性素材として有用な新規なピレニルアミン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(I)(化1)で表される不飽和結合を有するピレニルアミン化合物
【化1】
(式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、同一でも異なっていてもよい。
R2は水素原子、アルコキシカルボニル基、アルキル基、又はフェニル基を表す。
Wは水素原子、アルキル基、フェニルチオ基、鎖状飽和炭化水素からなる2価の基、炭素環式芳香族基の1価もしくは2価の基、複素環からなる1価もしくは2価の基を表す。
lは0〜5、mは0または1、nは1または2の整数を表わす。
但し、R 1 がメチル基もしくはエチル基、R 2 が水素原子、Wが水素原子、m=0の組み合わせを除く。)
が提供され、また、
下記一般式(II)(化2)で表わされるピレニルアミン化合物を還元することを特徴とする下記一般式(化1)で表わされるピレニルアミン化合物が提供される。
【化2】
(式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、同一でも異なっていてもよい。
R2は水素原子、アルコキシカルボニル基、アルキル基、又はフェニル基を表す。
Wは水素原子、アルキル基、フェニルチオ基、鎖状飽和炭化水素からなる2価の基、炭素環式芳香族基の1価もしくは2価の基、複素環からなる1価もしくは2価の基を表す。
lは0〜5、mは0または1、nは1または2の整数を表わす。
但し、R 1 がメチル基もしくはエチル基、R 2 が水素原子、Wが水素原子、m=0の組み合わせを除く。)
【化1】
(式中、R1はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基を表し、同一でも異なっていてもよい。
R2は水素原子、アルコキシカルボニル基、アルキル基、又はフェニル基を表す。
Wは水素原子、アルキル基、フェニルチオ基、鎖状飽炭化水素からなる2価の基、炭素環式芳香族基の1価もしくは2価の基、複素環からなる1価もしくは2価の基を表す。
lは0〜5、mは0または1、nは1または2の整数を表わす。
但し、R 1 がメチル基もしくはエチル基、R 2 が水素原子、Wが水素原子、m=0の組み合わせを除く。)
【0007】
本発明に係る前記一般式(I)で表わされるピレニルアミン化合物は新規物質であり、前記一般式(II)で表わされる不飽和結合を有するピレニルアミン化合物を還元することによって製造される。
具体的には、前記一般式(II)で表わされる不飽和結合を有するピレニルアミン化合物から前記化1で表わされるピレニルアミン化合物を得るための還元反応として、例えば、水素添加法を挙げることができる。この反応は、例えば反応系を密閉系とし、気相部を1気圧の水素ガスで置換して、触媒の存在下、激しく撹拌もしくは振とうすることにより行なわれる。吸収された量に応じて水素ガスが供給される減圧弁を介して、水素ガスを供給する。理論量の水素ガスを吸収した時点で吸収が停止するので、反応終了とする。この場合、反応温度は室温でよいが、水素ガスの吸収が遅い場合は加温してもよい。また反応溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドなどを使用することができる。また、触媒としては、二酸化白金、ラネーニッケル、あるいは活性炭、アルミナ若しくは硫酸バリウムなどに担持された白金、パラジウム、ロジウム若しくはルテニウムなどが使用される。
【0008】
このようにして得られる本発明の前記一般式(I)(化1)で表わされるピレニルアミン化合物の具体例を以下の表1〜5に例示する。
【表1−(1)】
【0009】
【表1−(2)】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】
【0013】
【表5】
【0014】
本発明にかかわる新規なピレニルアミン化合物は、電子写真用感光体に於ける光導電性素材としてきわめて有用であり、染料やルイス酸などの増感剤によって光学的あるいは化学的に増感される。また有機顔料あるいは無機顔料を電荷発生物質とするいわゆる機能分離型感光体に於ける電荷移動物質としてとりわけ有用である。
【0015】
前記増感剤として例えばメチルバイオレット、クリスタルバイオレット等のトリアリルメタン染料、ローズベンガル、エリスロシン、ローダミンB等のキサンテン染料、メチレンブルー等のチアジン染料、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4−ジニトロ−9−フルオレノンが挙げられる。
また有機顔料としては、シーアイピグメントブルー25(C.l.No.21180)、シーアイピグメントレッド41(C.l.No.21200)、シーアイベージックレッド3(C.1.No.45210)等のアゾ系顔料、シーアイピグメントブルー16(C.l.No.74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(C.l.No.73410)、シーアイバットダイ(C.l.No.73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB、インダンスレンスカーレットR等のペリレン系顔料が挙げられる。また、セレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、α−シリコン等の無機顔料も使用できる。
【0016】
【実施例】
実施例1
1,4−ビス[N−(1−ピレニル)−N−(4−メチルフェニル)−4−アミノスチリル]ベンゼン1.01g(1.13mmol)と5%パラジウム−炭素0.20gをTHF300mlに加え、水素気流下、室温で40時間撹拌した。この反応液をセライトで濾過、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマト処理(溶離液;トルエン/シクロヘキサン:2/3vol)を2回行ない精製物0.81g(収率80.2%)を得た。これをトルエン−エタノール混合溶媒で再結晶して白黄色針状晶の1,4−ビス[N−(1−ピレニル)−N−(4−メチルフェニル)−4−アミノスチリル]ベンゼン0.76g(75.2%)を得た。融点は235.5〜239.0℃、元素分析値はC60H52N2として下記のとおりであった。
また、赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図1に示した。
【0017】
実施例2〜6
実施例1と同様に操作をし、本発明のピレニルアミン化合物を得た。結果を表6に示す。
【0018】
【表6】
【0019】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(化1)で表わされるピレニルアミン化合物は、新規であって、電子写真用の有機光導電性素材、蛍光増白剤として有用であり、特に電子写真用の有機光導電性材料として用いた場合、感光体に必要な基本的特性を十分満足しており、また可撓性の感光体等を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図2】実施例2得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図3】実施例3で得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図4】実施例4得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図5】実施例5で得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
【図6】実施例6得られたピレニルアミン化合物の赤外線吸収スペクトル図(KBr錠剤法)。
Claims (2)
- 下記一般式(II)(化2)で表わされるピレニルアミン化合物を還元することを特徴とする下記一般式(I)(化1)で表わされるピレニルアミン化合物の製造方法。
R2は水素原子、アルコキシカルボニル基、アルキル基、又はフェニル基を表す。
Wは水素原子、アルキル基、フェニルチオ基、鎖状飽和炭化水素からなる2価の基、炭素環式芳香族基の1価もしくは2価の基、複素環からなる1価もしくは2価の基を表す。
lは0〜5、mは0または1、nは1または2の整数を表わす。
但し、R 1 がメチル基もしくはエチル基、R 2 が水素原子、Wが水素原子、m=0の組み合わせを除く。)
R2は水素原子、アルコキシカルボニル基、アルキル基、又はフェニル基を表す。
Wは水素原子、アルキル基、フェニルチオ基、鎖状飽炭化水素からなる2価の基、炭素環式芳香族基の1価もしくは2価の基、複素環からなる1価もしくは2価の基を表す。
lは0〜5、mは0または1、nは1または2の整数を表わす。
但し、R 1 がメチル基もしくはエチル基、R 2 が水素原子、Wが水素原子、m=0の組み合わせを除く。)
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Applications Claiming Priority (3)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0761954A JPH0761954A (ja) | 1995-03-07 |
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JP3779505B2 (ja) | 1999-08-24 | 2006-05-31 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
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1994
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