JPH0812638A - フルオレノン誘導体の製造方法 - Google Patents

フルオレノン誘導体の製造方法

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JPH0812638A
JPH0812638A JP14655694A JP14655694A JPH0812638A JP H0812638 A JPH0812638 A JP H0812638A JP 14655694 A JP14655694 A JP 14655694A JP 14655694 A JP14655694 A JP 14655694A JP H0812638 A JPH0812638 A JP H0812638A
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reaction
group
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formula
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JP14655694A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Kawaguchi
博文 川口
Yasushi Mizuta
泰史 水田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】反応後の精製が容易で大量合成に適したフルオ
レノン誘導体の製造方法を提供すること。 【構成】2−ニトロフルオレノンまたは2,4,7−ト
リニトロフルオレノンとアニリン誘導体またはヒドラゾ
ン誘導体とを酢酸などの有機酸中で反応させることによ
ってフルオレノン誘導体を製造する。 【効果】有機酸が反応の溶媒と反応の触媒の役割を果た
すために、反応の出発物質を過剰に加えたり、反応触媒
を加える必要がなく、また、反応生成物の精製操作が簡
易になる。さらに、この反応は反応温度が低く、この結
果、反応の原料や後処理、工程管理などのコストを低く
抑えることができ、大量合成に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオレノン誘導体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機などの電子写真に用いる感
光体材料は有機感光体(OPC)が多く使用されてお
り、電荷を発生する層と電荷を輸送する層とに分離した
いわゆる機能分離型の積層型感光体が多く使用されてい
る。このような積層型感光体の場合、機械的強度の面か
ら最外層に電荷輸送層を設けることが多くなり、キャリ
ヤ移動度に優れた電荷輸送剤のほとんどが正孔輸送型で
あることから、負に帯電した感光体になる。しかし、負
帯電型の有機感光体は負極性コロナ放電を利用するため
にオゾンを多く発生し、感光体の劣化や環境汚染を招く
などの欠点を有している。
【0003】そこで、これらの問題を解決するために、
特開平5−279582号公報には、電子輸送型であ
り、かつキャリヤ移動度の高い電荷輸送剤である、N−
(2,4,7−トリニトロフルオレニリデン)−2−メ
チルアニリンなどのフルオレノン誘導体の使用が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この公報によれば、
2,4,7−トリニトロフルオレノンとアニリン誘導体
を塩化亜鉛などの酸性触媒の存在下で160〜180℃
で反応させることによってフルオレノン誘導体を得てい
る。その際、反応の出発物質であるアニリン誘導体は反
応の溶媒も兼ねている。
【0005】従って、アニリン誘導体が固体の場合は反
応に用いることができない。また、アニリン誘導体が液
体であっても、溶媒と兼ねているために他の出発物質に
対して過剰に必要となり、精製工程での除去が不便であ
ることやコストがかかるなどの問題点を生じる。さら
に、この方法での反応は高温下160〜180℃で行な
われるために、コストの面から好ましくない。
【0006】そこで本発明の目的は、上述の技術的課題
を解決し、比較的低温で反応が行われ、かつ反応後の精
製が容易であり、大量合成に適したフルオレノン誘導体
の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、前記の一般
式(1):
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R1 は水素原子またはニトロ基を
示す。)で表される化合物と、一般式(2):
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R2a〜R2eは同一または異なっ
て、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシル基、フェノキシ基、ピロリル基、ハロ
ゲン化アルキル基またはハロゲン原子を示す。これらの
うち、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコ
キシル基、フェノキシ基およびピロリル基は置換基を有
していてもよい。また、R2a〜R2eのうち隣接する2つ
の基は互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)
で表される化合物とを有機酸中で反応させて、一般式
(3):
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1 およびR2a〜R2eは前記と同
じである。)で表される化合物を得るときは、従来のフ
ルオレノン誘導体の製造方法よりも反応が低温で進行
し、生成物の精製が容易になるという事実を見出し、本
発明を完成するに至った。さらに本発明者らは、前記の
一般式(1)の化合物と、一般式(4):
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R3 およびR4 は同一または異な
って、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表さ
れる化合物とを有機酸中で反応させて、一般式(5):
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R1 、R3 およびR4 は前記と同
じである。)で表される化合物を得るときも、前述の反
応と同様に、従来のフルオレノン誘導体の製造方法より
も反応が低温で進行し、生成物の精製が容易になるとい
う事実を見出し、本発明を完成するに至った。本発明に
おける有機酸としては、反応の出発物質を溶解させるも
のであればいずれも用いることができ、例えば酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸が挙げられるが、特に酢酸を
用いるのが好ましい。この他にも、反応出発物質の溶剤
に使用することが可能であるならば、シクロペンタンカ
ルボン酸、アクリル酸などの他のカルボン酸あるいはス
ルホン酸、スルフィン酸等を使用することができる。
【0018】前記の一般式(1)の化合物は、R1 が水
素である2−ニトロフルオレノンおよびR1 がニトロ基
である2,4,7−トリニトロフルオレノンである。前
記の一般式(2)の化合物において、置換基R2a〜R2e
に相当するアルキル基としては、例えば炭素数が1〜6
のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、te
rt−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの基が、アリー
ル基としては、例えばフェニル、ナフチルなどの基が、
アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、
ベンズヒドリル、スチリル、シンナミル、トリチルなど
の基が、アルコキシル基としては、例えばメトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの基
が、ハロゲン化アルキル基としては、例えばクロロメチ
ル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、ジ
ブロモメチル、トリフルオロメチル、1,2−ジクロロ
エチル、パーフルオロtert−ブチル、1−クロロヘ
キシル、1,2−ジブロモペンチル、1,2,3,4,
5,6−ヘキサヨードヘキシルなどの基が、ハロゲン原
子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの
基がそれぞれ挙げられる。
【0019】また、置換基R2a〜R2eにはアルキル、ア
ルコキシル、ハロゲン原子等の置換基が1個または2個
以上置換していてもよく、その置換位置は限定されな
い。前記の一般式(3)で表されるフルオレノン誘導体
としては、例えば一般式(6)〜(12):
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】(式中、R5 およびR6 は同一または異な
って、アルキル基、アルコキシル基またはハロゲン原子
を示し、mは0〜4を示す。また、nおよびoはそれら
の総和が0〜9、pおよびqはそれらの総和が0〜4と
なる整数を示す。)で表される化合物が挙げられる。ま
た、前記一般式(2)の化合物において、置換基R2a
2eの隣接する2つの基は互いに縮合して縮合環を形成
してもよい。この場合、生成するフルオレノン誘導体と
しては、例えば一般式(13)〜(15):
【0023】
【化13】
【0024】(式中、R7 はアルキル基、アルコキシル
基またはハロゲン原子を示す。mは前記と同じであ
る。)などが挙げられる。さらに、前記一般式(2)で
表される他の化合物としては、一般式(16)および
(17):
【0025】
【化14】
【0026】(式中、R8 およびR9 は同一または異な
って、アルキル基、アルコキシル基またはハロゲン原子
を示し、rおよびsはそれらの総和が0〜8である整数
を示す。また、pおよびqは前記と同じである。R10
主鎖の炭素数が1〜6で分岐していてもよく、また、ハ
ロゲン原子が置換していてもよいアルキレン基またはア
ルケニレン基を示す。)で表されるジアミノ化合物が挙
げられる。
【0027】このジアミノ化合物(16)、(17)を
出発原料として反応させた場合に生成するフルオレノン
誘導体としては、一般式(18)および(19):
【0028】
【化15】
【0029】(式中、R8 〜R10およびp〜sは前記と
同じである。)で表されるフルオレノン誘導体が挙げら
れる。前記の一般式(6)〜(15)で表されるフルオ
レノン誘導体の合成は、反応式(I):
【0030】
【化16】
【0031】(式中、R1 は前記と同じである。また、
2a〜R2eは同一または異なって、水素原子、アルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、フェ
ノキシ基、ピロリル基、ハロゲン化アルキル基またはハ
ロゲン原子を示す。これらのうち、アルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルコキシル基、フェノキシ基お
よびピロリル基は置換基を有していてもよい。また、R
2a〜R2eのうち隣接する2つの基は互いに縮合して縮合
環を形成していてもよい。)で表される。
【0032】また、前記の一般式(18)および(1
9)のフルオレノン誘導体の合成は、反応式(II)およ
び(III):
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】(式中、R8 〜R10およびp〜sは前記と
同じである。)で表される。この反応式(I)におい
て、一般式(2)の化合物は一般式(1)の化合物に対
して0.8〜1.2倍モル量で混合すればよい。一方、
反応式(II)および(III)において、一般式(16)
および(17)の化合物は一般式(1)の化合物と反応
することのできるアミノ基を2つ有しているために、通
常、一般式(1)の化合物に対して0.4〜0.6倍モ
ル量で混合する。
【0036】反応式(I)〜(III)で表される合成反
応は、通常70〜110℃の温度で1〜2時間行なわれ
る。反応後、反応生成物を水に加えて得た析出物をろ過
して乾燥し、シリカゲルカラムで精製して目的化合物を
得る。前記の一般式(4)の化合物において、置換基R
3 およびR4 に相当するアルキル基、アリール基および
アラルキル基はR2a〜R2eで例示したものと同じであ
る。また、アリール基には、さらにアルキル、アルコキ
シル、ハロゲン原子などの基がさらに1個または2個以
上置換していてもよく、その置換位置は限定されない。
【0037】前記一般式(5)で表されるフルオレノン
誘導体の合成は、反応式(IV):
【0038】
【化19】
【0039】(式中、R1 、R3 およびR4 は前記と同
じである。)で表される。この反応式(IV)において、
一般式(4)の化合物は一般式(1)の化合物に対して
0.8〜1.2倍モル量で混合すればよい。反応式(I
V)で表される合成反応は、通常70〜110℃の温度
で1〜2時間行なわれる。反応後、反応生成物を水に加
えて得た析出物をろ過して乾燥し、シリカゲルカラムで
精製して目的化合物を得る。
【0040】
【作用】本発明のフルオレノン誘導体の製造方法は、反
応の溶媒として有機酸を使用しているために、反応の出
発物質を過剰に加える必要がない。さらに、有機酸が触
媒としての働きも示すため、塩化亜鉛などの触媒を加え
る必要がない。従って、反応後の系には生成物と反応の
出発物質以外の物質が少なく、反応後の生成物の精製が
容易である。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1 N−(2−イソプロピルフェニル)−2−ニトロフルオ
レノンイミンの製造 2−ニトロフルオレノン2.00g(8.88mmo
l)と2−イソプロピルアニリン1.80g(13.3
mmol)を酢酸50mlに溶解し、110℃で2時間
反応させた。反応後、水300mlに加え、析出した結
晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:ヘキ
サン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般式(6)
のmが1、R5 がイソプロピル基で、その置換位置がオ
ルト位である標記化合物を1.53g得た。生成物は暗
赤色の粉末で、融点は153℃、収率は24%であっ
た。生成物のIRスペクトル図を図1に示す。 実施例2 N−(2−イソプロピルフェニル)−2,4,7−トリ
ニトロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン25g(0.08
4mol)と2−イソプロピルアミン11.3g(0.
084mol)を酢酸300mlに溶解し、70〜10
0℃で3時間反応させた。反応後、水1500mlに加
え、析出した沈澱物をろ過して水洗した。得られた粗生
成物を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒;クロロホルム:ヘキサン=1:2の混合溶
媒)で精製し、前記一般式(7)のmが1、R5 がイソ
プロピル基で、その置換位置がオルト位である標記化合
物を33.2g得た。生成物は暗赤色の粉末で、融点は
167℃、収率は91.4%であった。生成物のIRス
ペクトル図を図2に示す。 実施例3 N−(2−ビフェニリル)−2,4,7−トリニトロフ
ルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.7g(8.5
7mmol)と2−アミノビフェニル1.45g(8.
57mmol)とを酢酸50mlに溶解し、110℃で
2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析出
した結晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般
式(8)のnおよびoが0である標記化合物を0.95
g得た。生成物は暗赤色の粉末で、融点は205℃、収
率は24%であった。生成物のIRスペクトル図を図3
に、 1H−NMRスペクトル図を図4に示す。 実施例4 N−(4−ベンジルフェニル)−2,4,7−トリニト
ロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.62g(8.
31mmol)と4−ベンジルアニリン1.53g
(8.35mmol)を酢酸50mlに溶解し、110
℃で2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、
析出した結晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホ
ルム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一
般式(9)のnおよびoが0である標記化合物を1.3
g得た。生成物は暗赤色の粉末で、融点は189℃、収
率は32%であった。生成物のIRスペクトル図を図5
に示す。 実施例5 N−(4−スチリルフェニル)−2,4,7−トリニト
ロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.7g(8.5
7mmol)と4−アミノスチルベン1.68g(8.
60mmol)とを酢酸50mlに溶解し、110℃で
2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析出
した結晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般
式(10)のnおよびoが0である標記化合物を1.9
g得た。生成物は暗赤色の粉末で、融点は274℃、収
率は45%であった。生成物のIRスペクトル図を図6
に示す。 実施例6 N−(2−フェノキシフェニル)−2,4,7−トリニ
トロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.47g(1
1.0mmol)とo−フェノキシアニリン2.22g
(12.0mmol)を酢酸50mlに溶解し、110
℃で2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、
析出した結晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホ
ルム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一
般式(11)のnおよびoが0である標記化合物を1.
12g得た。生成物は暗赤色の粉末で、融点は148
℃、収率は21%であった。生成物のIRスペクトル図
を図7に示す。 実施例7 N−[2−(1−ピロリル)フェニル]−2,4,7−
トリニトロフルオレノンイミンの製造 2,4,7─トリニトロフルオレノン3.15g(1
0.0mmol)と1−(2−アミノフェニル)ピロー
ル1.90g(12.0mmol)とを酢酸50mlに
溶解し、110℃で2時間反応させた。反応後、水30
0mlに加え、析出した結晶を水洗した。得られた結晶
を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;クロロホルム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)で
精製し、前記一般式(12)のpおよびqが0である標
記化合物を680mg得た。生成物は暗赤色の粉末で、
融点は270℃(分解)、収率は15%であった。生成
物のIRスペクトル図を図8に示す。 実施例8 N−(5−インダニル)−2,4,7−トリニトロフル
オレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.15g(1
0.0mmol)と5−アミノインダン1.60g(1
2.0mmol)を酢酸50mlに溶解し、110℃で
2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析出
した結晶を水洗した。結晶を乾燥後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:ヘキサ
ン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般式(13)
のmが0である標記化合物を1.13g得た。生成物は
暗赤色の粉末で、融点は201℃、収率は26%であっ
た。生成物のIRスペクトル図を図9に示す。 実施例9 N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル)
−2,4,7−トリニトロフルオレノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.15g(1
0.00mmol)と1−アミノ−5,6,7,8−テ
トラヒドロナフタレン1.77g(12.00mmo
l)とを酢酸50mlに溶解し、110℃で2時間反応
させた。反応後、水300mlに加え、析出した結晶を
水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:ヘキサン
=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般式(14)の
mが0である標記化合物を1.46g得た。生成物は暗
赤色の粉末で、融点は241℃、収率は33%であっ
た。生成物のIRスペクトル図を図10に示す。 実施例10 N−(1−ナフチル)−2,4,7−トリニトロフルオ
レノンイミンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.86g(9.
07mmol)とα−ナフチルアミン1.3g(9.0
8mmol)とを酢酸50mlに溶解し、110℃で2
時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析出し
た結晶を水洗した。得られた結晶を乾燥後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:
ヘキサン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般式
(15)のmが0である標記化合物を1.7g得た。生
成物は暗赤色の粉末で、融点は131℃、収率は43%
であった。生成物のIRスペクトル図を図11に示す。 実施例11 N,N’−ビス(2,4,7−トリニトロフルオレニリ
デン)−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフ
ェニルの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.73g(8.
66mmol)と4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメ
チルビフェニル0.91g(4.33mmol)を酢酸
50mlに溶解し、110℃で2時間反応させた。反応
後、水300mlに加え、析出した結晶を水洗した。結
晶を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;クロロホルム:ヘキサン=1:2の混合溶媒)
で精製し、前記一般式(18)のrとsが1、R8 とR
9 がメチル基でその置換位置がビフェニル基の3位と
3’位である標記化合物を1.2g得た。生成物は暗赤
色の粉末で、融点は300℃以上、収率は35%であっ
た。生成物のIRスペクトル図を図12に示す。 実施例12 N,N’−ビス(2,4,7−トリニトロフルオレニリ
デン)−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフ
ェニルメタンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン6.15g(1
0.0mmol)と4,4’−ジアミノ−3,3’−ジ
メチルビフェニルメタン1.13g(5.0mmol)
を酢酸50mlに溶解し、110℃で2時間反応させ
た。反応後、水300mlに加え、析出した結晶を水洗
した。結晶を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒;クロロホルム:ヘキサン=1:2の混
合溶媒)で精製し、前記一般式(19)のpとqが1、
8 とR9 がメチル基でその置換位置がビフェニル基の
3位と3’位であり、さらにR10が炭素数1のメチレン
基である標記化合物を610mg得た。生成物は暗赤色
の粉末、融点は300℃以上(分解)、収率は14%で
あった。生成物のIRスペクトル図を図13に示す。 実施例13 2,2−ビス〔N−(2,4,7−トリニトロフルオレ
ニリデン)−3−アミノ−4−メチルフェニル〕ヘキサ
フルオロプロパンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.47g(1
1.0mmol)と2,2−ビス(3−アミノ−4−メ
チルフェニル)ヘキサフルオロプロパン1.64g
(4.5mmol)を酢酸50mlに溶解し、110℃
で2時間反応させた。反応後、水300mlに加え、析
出した結晶を水洗した。結晶を乾燥後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム:ヘキ
サン=1:2の混合溶媒)で精製し、前記一般式(1
9)のpとqが1、R8 とR9 がメチル基でその置換位
置がビフェニル基の4位と4’位であり、さらにR10
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピ
レン基である標記化合物を790mg得た。生成物は暗
赤色の粉末で、融点は300℃以上(分解)、収率は1
8%であった。生成物のIRスペクトル図を図14に、
1H−NMRスペクトル図を図15に示す。 実施例14 N−2,4,7−トリニトロフルオレノン−N’,N’
−ジメチルヒドラゾンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン3.54gとN,
N−ジメチルヒドラジン塩酸塩1.88gを酢酸70m
lに溶解し、110℃で2時間反応させた。反応後、水
400mlに加え、析出物をろ過して水洗した。得られ
た粗生成物を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、前記一般式(5)のR1がニトロ基、R
3 およびR4 がメチル基である標記化合物2.4gを得
た。生成物の収率は60%であった。生成物のIRスペ
クトル図を図16に示す。 実施例15 N−2,4,7−トリニトロフルオレノン−N’,N’
−ジフェニルヒドラゾンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.65g(8.
41mmol)とN,N−ジフェニルヒドラジン塩酸塩
1.83g(8.29mmol)を酢酸75mlに溶解
し、110℃で2時間反応させた。反応後、水400m
lに加え、析出物をろ過して水洗した。得られた粗生成
物を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し、前記一般式(5)のR1 がニトロ基、R3 および
4 がフェニル基である標記化合物を2.6g得た。生
成物の収率は65%であった。生成物のIRスペクトル
図を図17に示す。 実施例16 N−2,4,7−トリニトロフルオレノン−N’,N’
−ジベンジルヒドラゾンの製造 2,4,7−トリニトロフルオレノン2.48gとN,
N−ジベンジルヒドラジン1.66gとを酢酸70ml
に溶解し、110℃で2時間反応させた。反応後、水4
00mlに加え、析出物をろ過して水洗した。得られた
粗生成物を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、前記一般式(5)のR1 がニトロ基、R3
およびR4 がベンジル基である標記化合物を2.7g得
た。生成物の収率は68%であった。生成物のIRスペ
クトル図を図18に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明のフルオレノン誘導体の製造方法
によれば、反応の溶媒と出発物質とを兼用しないため
に、反応の出発物質を過剰に加えて、塩化亜鉛などの酸
性触媒をさらに加える必要がなく、コストを低くするこ
とができ、かつ、反応生成物の精製操作が簡易になる。
さらに、従来の方法に比べて反応温度が低いという特徴
を有しているため、工程管理の面のコストも低く抑える
ことができる。
【0043】従って、本発明のフルオレノン誘導体の製
造方法は大量合成に適している。かくして得られる一般
式(3)および(5)からなるフルオレノン誘導体は、
その電子輸送性が非常に優れており、電子写真感光体や
太陽電池などにおける電子輸送剤として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の生成物のIRスペクトル図である。
【図2】実施例2の生成物のIRスペクトル図である。
【図3】実施例3の生成物のIRスペクトル図である。
【図4】実施例3の生成物の 1H−NMRスペクトル図
である。
【図5】実施例4の生成物のIRスペクトル図である。
【図6】実施例5の生成物のIRスペクトル図である。
【図7】実施例6の生成物のIRスペクトル図である。
【図8】実施例7の生成物のIRスペクトル図である。
【図9】実施例8の生成物のIRスペクトル図である。
【図10】実施例9の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図11】実施例10の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図12】実施例11の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図13】実施例12の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図14】実施例13の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図15】実施例13の生成物の 1H−NMRスペクト
ル図である。
【図16】実施例14の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図17】実施例15の生成物のIRスペクトル図であ
る。
【図18】実施例16の生成物のIRスペクトル図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはニトロ基を示す。)で表
    される化合物と、一般式(2): 【化2】 (式中、R2a〜R2eは同一または異なって、水素原子、
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル
    基、フェノキシ基、ピロリル基、ハロゲン化アルキル基
    またはハロゲン原子を示す。これらのうち、アルキル
    基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、フェ
    ノキシ基およびピロリル基は置換基を有していてもよ
    い。また、R2a〜R2eのうち隣接する2つの基は互いに
    縮合して縮合環を形成していてもよい。)で表される化
    合物とを有機酸中で反応させて、一般式(3): 【化3】 (式中、R1 およびR2a〜R2eは前記と同じである。)
    で表される化合物を得ることを特徴とするフルオレノン
    誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(1)の化合物と、
    一般式(4): 【化4】 (式中、R3 およびR4 は同一または異なって、アルキ
    ル基、アリール基またはアラルキル基を示し、これらの
    基は置換基を有していてもよい。)で表される化合物を
    有機酸中で反応させて、一般式(5): 【化5】 (式中、R1 、R3 およびR4 は前記と同じである。)
    で表される化合物を得ることを特徴とするフルオレノン
    誘導体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100497364B1 (ko) * 2001-09-14 2005-06-23 삼성전자주식회사 전자사진 유기감광체

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