JP3262313B2 - 電荷輸送化合物の製造方法及び得られた電荷輸送化合物を含有する電子写真感光体 - Google Patents

電荷輸送化合物の製造方法及び得られた電荷輸送化合物を含有する電子写真感光体

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JP3262313B2 JP06251496A JP6251496A JP3262313B2 JP 3262313 B2 JP3262313 B2 JP 3262313B2 JP 06251496 A JP06251496 A JP 06251496A JP 6251496 A JP6251496 A JP 6251496A JP 3262313 B2 JP3262313 B2 JP 3262313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体や
有機電界発光素子に用いる電荷輸送化合物の新規な製造
方法及び得られた該電荷輸送化合物を含有する電子写真
感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体や有機電界発光素
子に用いる電荷輸送化合物として数多くの研究開発がな
され、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、トリアリー
ルアミン化合物、ブタジエン化合物等、数多くの化合物
が提案されている。そのなかでも本発明に係わるフルオ
レン骨格を有する電荷輸送化合物は、例えば特開昭62
−208054号、特開平2−230255号、特開平
5−313386号、特開平5−300220号、特開
平5−27463号公報等に提案されている。それらの
化合物の合成法の一つとして対応するハロゲン化された
フルオレン化合物と対応するジアリールアミン化合物の
Ullmann反応により合成されている。
【0003】通常、これらの製造方法は、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性触媒と
銅、ハロゲン化銅あるいは酸化銅のような金属触媒存在
下で、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、p−シメン、o−ジクロロベンゼン、N−メチ
ルピロリドン、ニトロベンゼン等の反応溶媒を使用し、
ハロゲン化合物に対してアリルアミン化合物を等モルか
ら多くて2倍モル程度使用し150〜200℃位の高温
で反応される。
【0004】このような反応では、高温での反応時間が
長く、原料や反応生成物の分解や副反応がかなり生じて
しまい、電子写真特性に悪影響を及ぼす着色性の不純物
や分解物がかなりの量生成し、かつ十分満足する収率が
得られていないのが現状である。更に、これらの副生成
物や分解物を除去するため、再結晶法やカラムクロマト
法の精製手法がとられているが、再結晶法では副生成物
や着色成分の除去が十分でなかったり、それらの不純物
を除去するために、かなり目的化合物の電荷輸送化合物
をも溶解する溶剤での再結晶や数回におよぶ再結晶等を
余儀なくされ、収率が低くなったりした。また、カラム
クロマト法では、高価なクロマト用シリカやアルミナを
使用し、かつ引火性等で危険な有機溶媒を大量に使用す
る等コスト及び安全性等の面で問題がある。
【0005】上記の様に、反応の収率が低くかつ反応で
生じた副生成物や分解物等を更に除く精製段階が主要因
として、電荷輸送化合物のコストは高くなっているのが
現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決する
ために、Ullmann反応で電子写真特性に悪影響を
及ぼす副生成物や分解物等の不純物の生成を極力抑え、
高収率な反応を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、下記一般式(2)の
ハロゲン化合物と下記一般式(3)のジアリールアミン
化合物とのUllmann反応により下記一般式(1)
の電荷輸送化合物を合成する電荷輸送化合物の製造方法
において、n=0の場合、ハロゲン化合物に対し3倍モ
ル量以上のジアリールアミン化合物を使用し、n=1の
場合、ハロゲン化合物に対し4倍モル量以上のジアリー
ルアミン化合物を使用して合成することが上記課題を解
決するのに極めて有効であることを見い出し本発明に至
った。
【0008】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は水素原子、置換基を有してもよ
いメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、
置換基を有してもよいベンジル、フェネチル等のアラル
キル基または置換基を有してもよいフェニル、ナフチル
等のアリール基を示し、R3 は水素原子、ヨウ素、臭
素、塩素等のハロゲン原子、置換基を有してもよいメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、置換基
を有してもよいベンジル、フェネチル等のアラルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基
を示す。尚、R1 とR2 は閉環し環を形成してもよい。
【0009】Ar1 及びAr2 は置換基を有してもよい
フェニル、ナフチル、アンスリル、ピレニル等のアリー
ル基を示し、Xはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子
を示す。また、nは0または1の何れかである。) また、R1 ,R2 ,R3 ,Ar1 及びAr2 が有しても
よい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル等のアルキル基、ベンジル、フェネチル等のアラルキ
ル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ
基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ト
リフロロメチル基等が挙げられる。
【0010】反応は通常、銅粉、酸化銅あるいはハロゲ
ン化銅等の存在下、反応で生ずるハロゲン化水素を中和
するために水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ塩と共に溶媒中ま
たはジアリールアミンを溶媒として150〜200度程
度の温度で反応させることにより製造する。この場合、
反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、p−シメン、キノリン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ニトロベンゼ
ン等が挙げることができる。
【0011】但し、反応は上記溶媒を用いるよりジアリ
ールアミンを反応溶媒として使用した方が、反応温度を
広範囲に設定でき、かつ副生成物や分解物等の不純物生
成量が少なくかつ反応時間も短いという利点があり特に
好ましい。
【0012】反応温度は200℃以上であることが好ま
しく、特には200〜250℃が特に好ましく、更には
窒素あるいはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で反応を
行う方が更に好ましい。
【0013】また、使用したジアリールアミンは反応終
了後、減圧下で濃縮することにより回収再利用が可能で
有り、使用するジアリールアミン化合物は1バッチの得
量や回収等を考慮すると、ハロゲン化合物に対してn=
0の場合は4〜20倍モル量、n=1の場合は5〜30
倍モル量が特に好ましい。
【0014】また、一般式(2)のハロゲン化合物は反
応性の点で常圧で反応できるヨウ素である場合が特に好
ましい。
【0015】本発明の方法で製造すれば従来の方法に比
べ、副生成物や分解物等の不純物の生成が極めて抑えら
れ、高収率でかつ精製容易な電荷輸送化合物を提供する
ことができる。
【0016】以下に一般式(1)で示される電荷輸送化
合物の具体例を示すがこれらの化合物に限定される訳で
はない。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明する。 (実施例1) [例示化合物No.(7)の合成]2−ヨード−9,9
−ジメチルフルオレン10g(31.2mmol)、4
−メチルジフェニルアミン45.8g(250mmo
l)、炭酸カリウム10.8g(78.1mmol)及
び銅粉9.9g(156mmol)を窒素気流下210
℃で加熱撹拌を行った。反応液を30分ごとに採取し、
高速液体クロマトグラフ(HPLC)で反応の経過を追
跡した。そしてHPLCでの転化率[例示化合物No.
(7)Area/例示化合物No.(7)Area+ヨ
ード体Area]が98%を超えた時点で反応を終了し
た。反応時間は2時間であった。反応液を室温まで冷却
後、トルエン20mlを加えた後不溶物を濾過除去し、
減圧下でトルエン及び過剰の4−メチルジフェニルアミ
ンを留去、回収した。残留物にトルエン100mlを加
え、そこにアルミナ10gを加え30分撹拌後濾過し、
濾液のトルエンを減圧下で除去後、残留物にアセトン7
0mlを加え結晶を晶析させ目的化合物を10.7g得
た(HPLC純度:99.7%、融点:103℃、収
率:91.3%)。結果を表1にも示す。
【0022】(実施例2)実施例1で反応溶媒としてニ
トロベンゼンを40ml使用した以外は実施例1と同様
の手法で反応及び後処理を行った。その結果を表1に示
す。
【0023】(実施例3)実施例1での4−メチルジフ
ェニルアミンの仕込み量を22.9g(125mmo
l)にした以外は実施例1と同様の手法で反応及び後処
理を行った。その結果を表1に示す。
【0024】(実施例4)実施例1で4−メチルジフェ
ニルアミンの仕込み量を34.3g(187mmol)
にし、更に反応温度を185℃にした以外は実施例1と
同様の手法で反応及び後処理を行った。その結果を表1
に示す。
【0025】(実施例5)実施例4で反応溶媒としてジ
クロロベンゼンを30ml使用した以外は実施例4と同
様の手法で反応及び後処理を行った。その結果を表1に
示す。
【0026】(比較例1)実施例2で4−メチルジフェ
ニルアミンの仕込み量を11.4g(62mmol)に
した以外は実施例2と同様の手法で反応及び後処理を行
った。その結果を表1に示す。
【0027】(比較例2)実施例5で4−メチルジフェ
ニルアミンの仕込み量を8.6g(47mmol)にし
た以外は実施例5と同様の手法で反応及び後処理を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(比較例3)比較例1で得られた化合物5
gをメチルエチルケトン15mlで2回再結晶を行い
3.1g得た(HPLC純度:98.6%)。
【0030】(実施例6) [例示化合物No.(29)の合成]2,7−ジヨード
−9,9−ジメチルフルオレン20g(44.8mmo
l)、3−メチルジフェニルアミン82.5g(450
mmol)、炭酸カリウム20g(145mmol)及
び銅粉14.2g(223mmol)を窒素気流下21
0℃で加熱撹拌を行った。反応液を30分ごとに採取
し、HPLCで反応の経過を追跡した。そしてHPLC
での転化率[例示化合物No.(29)Area/例示
化合物No.(29)Area+ジヨード体Area+
2−ヨード−7−(3′−メチルジフェニルアミノ)−
9,9−ジメチルフルオレンArea]が98%を超え
た時点で反応を終了した。反応時間は2.5時間であっ
た。反応液を室温まで冷却後、トルエン50mlを加え
た後不溶物を濾過除去し、減圧下でトルエン及び過剰の
3−メチルジフェニルアミンを留去、回収した。残留物
にトルエン300mlを加え、そこに活性炭10gを加
え30分撹拌後濾過し、濾液のトルエンを減圧下で除去
後、残留物にメチルエチルケトン250mlを加え結晶
を晶析させ目的化合物を22.0g得た(HPLC純
度:99.6%、融点:193℃、収率:88.1
%)。結果を表2にも示す。
【0031】(実施例7)実施例6での3−メチルジフ
ェニルアミンの仕込み量を41.1g(224mmo
l)にした以外は実施例1と同様の手法で反応及び後処
理を行った。その結果を表2に示す。
【0032】(実施例8)実施例7で反応溶媒としてト
リクロロベンゼンを50ml使用した以外は実施例7と
同様の手法で反応及び後処理を行った。その結果を表2
に示す。
【0033】(比較例4)実施例8で4−メチルジフェ
ニルアミンの仕込み量を20.5g(112mmol)
にした以外は実施例8と同様の手法で反応及び後処理を
行った。その結果を表2に示す。
【0034】(比較例5)比較例4で反応溶媒をニトロ
ベンゼンにした以外は実施例6と同様の手法で反応及び
後処理を行った。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】(比較例6)比較例4で得られた化合物1
0gをトルエン/ヘキサン(2/1)50mlで再結晶
を行い7.9g得た(HPLC純度:98.3%)。
【0037】(実施例9) [例示化合物No.(5)の合成]2−ヨード−9,9
−ジメチルフルオレン10g(31.2mmol)、
4,4′−ジメチルジフェニルアミン30.8g(15
6mmol)、炭酸カリウム8.6g(62.2mmo
l)及び銅粉9.9g(156mmol)をジクロロベ
ンゼン30mlに加え、窒素気流下190℃で加熱撹拌
を行った。反応液を30分ごとに採取し、HPLCで反
応の経過を実施例1と同ような手法で追跡し、転化率が
98%を超えた時点で反応を終了した。反応時間は3.
5時間であった。反応液を室温まで冷却後、トルエン2
0mlを加えた後不溶物を濾過除去し、減圧下でトルエ
ン、ジクロロベンゼン及び過剰の4,4′−ジメチルジ
フェニルアミンを留去、回収した。残留物にトルエン1
00mlを加え、シリカゲル10gを充填したカラム
(20mmΦ)を通した。更に20mlのトルエンでシ
リカを洗い流し、先のカラム通過液と合わせ、減圧下で
トルエンを除去した。残留物にアセトン50mlを加え
目的化合物を10.4g得た(HPLC純度:99.2
%、融点:143℃、収率:85.5%)。結果を表3
にも示す。
【0038】(実施例10)実施例9でジクロロベンゼ
ンを用いなかった以外は実施例9と同様の手法で反応及
び後処理を行った。その結果を表3に示す。
【0039】(比較例7)実施例9での4,4′−ジメ
チルジフェニルアミンの仕込み量を7.4g(37.5
mmol)にした以外は実施例9と同様の手法で反応及
び後処理を行った。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例11) [例示化合物No.(35)の合成]2,7−ジヨード
−9,9−ジメチルフルオレン10g(22.4mmo
l)、4−メチル−3′−エチルジフェニルアミン2
3.7g(112mmol)、炭酸カリウム9.3g
(67.3mmol)及び銅粉5.7g(90mmo
l)を窒素気流下200℃で加熱撹拌を行った。反応液
を30分ごとに採取し、HPLCで反応の経過を実施例
6と同ような手法で反応を追跡し、HPLCでの転化率
が98%を超えた時点で反応を終了した。反応時間は3
時間であった。反応液を室温まで冷却後、トルエン30
mlを加えた後不溶物を濾過除去し、減圧下でトルエン
及び過剰の4−メチル−3′−エチルジフェニルアミン
を留去、回収した。残留物にトルエン100mlを加
え、そこに活性炭8gを加え30分撹拌後濾過し、濾液
のトルエンを減圧下で除去後、残留物にアセトン100
mlを加え結晶を晶析させ目的化合物を11.8g得た
(HPLC純度:99.1%、融点:129℃、収率:
85.9%)。結果を表4にも示す。
【0042】(実施例12)実施例11での4−メチル
−3′−エチルジフェニルアミンの仕込み量を47.4
g(224mmol)にし且つ反応温度を210℃にし
た以外は実施例11と同様に手法で反応及び後処理を行
った。その結果を表4に示す。
【0043】(実施例13)実施例11で反応溶媒とし
て1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを30ml
使用した以外は実施例11と同様の手法で反応及び後処
理を行った。その結果を表4に示す。
【0044】(比較例8)実施例13での4−メチル−
3′−エチルジフェニルアミンの仕込み量を14.2g
(67mmol)にした以外は実施例13と同様の手法
で反応及び後処理を行った。その結果を表4に示す。
【0045】(比較例9)比較例8での反応溶媒をニト
ロベンゼン30mlにした以外は比較例6と同様の手法
で反応及び後処理を行った。その結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】(比較例10)比較例8で得られた化合物
5gをメチルエチルケトン20mlで再結晶を行い3.
6g得た(HPLC純度:98.7%)。
【0048】(実施例14) [例示化合物No.(10)の合成]2−ヨード−7−
エチル−9,9−ジメチルフルオレン10g(28.7
mmol)、3,4−ジメチル−4′−メトキシジフェ
ニルアミン30.4g(144mmol)、炭酸カリウ
ム6.5g(47mmol)及び銅粉9.9g(156
mmol)を窒素気流下220℃で加熱撹拌を行った。
実施例1と同ような手法で反応を追跡し、HPLCでの
転化率が98%を超えた時点で反応を終了した。反応時
間は2時間であった。反応液を室温まで冷却後、トルエ
ン20mlを加えた後不溶物を濾過除去し、減圧下でト
ルエン及び過剰の3,4−ジメチル−4′−メトキシジ
フェニルアミンを留去、回収した。残留物にトルエン1
20mlを加え、そこに活性炭5gを加え30分撹拌後
濾過し、濾液のトルエンに活性白土20gを加え30分
撹拌後濾過し、濾液のトルエンを減圧下で除去後、残留
物にアセトン/メタノール(1/1)100mlを加え
結晶を晶析させ目的化合物を10.8g得た(HPLC
純度:99.0%、融点:137℃、収率:84.0
%)。結果を表5にも示す。
【0049】(比較例11)実施例14の3,4−ジメ
チル−4′−メトキシジフェニルアミンの仕込み量を1
2.1g(57.3mmol)にし、反応溶媒としてジ
クロロベンゼン30mlを使用し且つ反応温度を190
℃にした以外は実施例14と同様の手法で反応及び後処
理を行った。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】(実施例15)アルミ基盤上に、N−メト
キシメチル化ナイロン樹脂(重量平均分子量:35,0
00)5gとアルコール可溶性重合ナイロン樹脂(重量
平均分子量:30,000)10gをメタノール90g
に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が
1μmの下引き層を設けた。
【0052】次に、下記構造式で示されるビスアゾ顔料
15gをブチラール樹脂(ブチラール化度60mol
%)7.5gをシクロヘキサノン280mlにて溶解し
た液とともにサンドミルで24時間分散し、塗工液を調
整した。
【0053】
【化7】
【0054】この塗工液をアルミシート上に乾燥後の膜
厚が0.15μmとなるようにマイヤーバーで塗布し電
荷発生層を作製した。
【0055】次に、電荷輸送物質として前記実施例
(1)で得られた化合物8gとポリカーボネートZ型樹
脂(重量平均分子量:25,000)12.5gをモノ
クロロベンゼン80gに溶解し、この液を先の電荷発生
層の上にマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が20μ
mの電荷輸送層を設け、3層の電子写真感光体を作製し
た。
【0056】このようにして作製した電子写真感光体を
川口電気(株)製静電複写紙試験装置Model−SP
−428を用いてスタチック方式で−5KVでコロナ帯
電し、暗所で1秒間保持したあと表面電位(V0 )、次
いでタングステンランプの光を感光体表面における照度
が20Luxで露光し帯電特性を調べた。帯電特性とし
ては、表面電位(V0 )と1秒間暗減衰させた時の電位
(V1 )を1/5にさせるのに必要な露光量(E1/5
並びに30Lux・secの露光量で照射した後の表面
電位(Vr )を各々測定した。
【0057】更に、繰り返し使用した時の明部電位と暗
部電位の変動を測定するために、本実施例で作製した感
光体を、キヤノン(株)製PPC複写機NP−3825
の感光体ドラム用シリンダーに貼つけて、同機で3,0
00枚複写を行い、初期と3,000枚複写後の明部電
位(VL )の変動分ΔVL 及び暗部電位(VD )の変動
分ΔVD を測定した。
【0058】尚、初期のVD とVL はそれぞれ−700
V、−200Vとなるように設定した。その結果を表6
に示す。
【0059】(実施例16〜23)実施例11で用いた
電荷輸送化合物を、実施例(2)、(3)、(5)、
(6)、(8)、(9)、(10)及び(14)で得ら
れた電荷輸送化合物に変えた以外は実施例11と同よう
な方法で感光体を作製し、同ような評価を行った。その
結果を表6に示す。
【0060】(比較例12〜18)実施例11で用いた
電荷輸送化合物を比較例(1)、(2)、(3)、
(4)、(6)、(7)及び(11)で得られた電荷輸
送化合物に変えた以外は実施例11と同ような方法で感
光体を作製し、同ような評価を行った。その結果を表6
に示す。
【0061】
【表6】
【0062】(実施例24)チタニルオキシフタロシア
ニン5gをシクロヘキサノン180gフェノシキ樹脂4
gを溶かした液に加えてボールミルで36時間分散し
た。この分散液をアルミシート上にブレードコーティン
グ法により塗布乾燥後の膜厚が0.15μmの電荷発生
層を形成した。
【0063】次に、電荷輸送物質として前記実施例
(7)で得られた化合物8gとポリカーボネート樹脂
(重量平均分子量:30,000)9.0gをモノクロ
ロベンゼン80gに溶解し、この液を先の電荷発生層の
上にブレードコーティング法で塗布し、乾燥後の膜厚が
22μmの電荷輸送層を設け、2層の電子写真感光体を
作製した。
【0064】得られた感光体をレーザービームプリンタ
ー(商品名:LBP−SX、キヤノン製)の改造機のシ
リンダーに貼つけて暗部電位が−700(V)になるよ
うに帯電設定し、これに802nmのレーザー光を照射
して−700(V)の電位を−100(V)迄に下げる
のに必要な光量を測定し感度とした。更に、20μJ/
cm2 の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr
として測定した。その結果を表7に示す。
【0065】(実施例25〜26)実施例24で用いた
電荷輸送化合物を、実施例(11)及び(13)で得ら
れた電荷輸送化合物に変えた以外は実施例24と同よう
な方法で感光体を作製し、同ような評価を行った。その
結果を表7に示す。
【0066】(比較例19〜22)実施例24で用いた
電荷輸送化合物を、比較例(4)、(8)、(9)及び
(10)で得られた電荷輸送化合物に変えた以外は実施
例24と同ような方法で感光体を作製し、同ような評価
を行った。その結果を表7に示す。
【0067】
【表7】
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、従来の方法に比べ
本発明の合成法を用いると、反応時間の短縮は勿論、高
収率であり且つ純度も高い電荷輸送化合物を得ることが
できた。
【0069】また、本発明の合成を用いると、電子写真
特性に悪影響を及ぼす副生成物や分解物等の不純物の生
成が少なく、極めて簡便な精製法により電子写真感光体
に用いる電荷輸送化合物を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−313386(JP,A) 特開 平3−282478(JP,A) 特開 平5−303220(JP,A) 特開 平5−27463(JP,A) 特開 平4−78859(JP,A) 特開 平6−11868(JP,A) 特開 平7−43920(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(2)のハロゲン化合物と下
    記一般式(3)のジアリールアミン化合物とのUllm
    ann反応により下記一般式(1)の電荷輸送化合物を
    合成する電荷輸送化合物の製造方法において、n=0の
    場合、ハロゲン化合物に対し3倍モル量以上のジアリー
    ルアミン化合物を使用し、n=1の場合、ハロゲン化合
    物に対し4倍モル量以上のジアリールアミン化合物を使
    用して合成することを特徴とする電荷輸送化合物の製造
    方法。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子、アルキル基、アラル
    キル基またはアリール基を示し、R3 は水素原子、ハロ
    ゲン原子、アルキル基、アラルキル基またはアルコキシ
    基を示す。Ar1 及びAr2 はアリール基を示し、Xは
    ハロゲン原子を示す。また、nは0または1の何れかで
    ある。)
  2. 【請求項2】 Ullmann反応の際の温度が200
    ℃以上である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ジアリールアミン化合物を反応溶媒とし
    て使用する請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の製造方
    法により得られた電荷輸送化合物を含有する感光層を有
    することを特徴とする電子写真感光体。
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