JP3858960B2 - エンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は運転条件に応じてエンジンの自動停止と自動始動を行い、燃料を節約し、排気エミッションを向上させるエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機が走行レンジを選択していても車両停止中にはエンジンを停止させるアイドルストップ機能を備えた自動変速機が知られている。通常自動変速機は油圧により、クラッチ、ブレーキといった摩擦要素の締結、解放が制御され、その油圧源であるオイルポンプはエンジンにより駆動される。したがってアイドルストップ中はオイルポンプが駆動されず、油圧源として機能しない。よって油圧を維持することができず、アイドルストップ状態からの発進時に油圧の立ち上がりが遅れ、クラッチの締結が遅れ、セレクトショックの悪化が懸念される。
【0003】
この問題を解決するために本出願人が出願した特開平11−132321号がある。これは無段変速機の油圧制御回路にエンジンで駆動される第1オイルポンプと、モータで駆動される第2オイルポンプとを備えており、アイドルストップ中に第2オイルポンプから無段変速機構に油圧を供給するようになっている。加えて第2オイルポンプを備える場合には、第2オイルポンプの大型化を防止するために第2オイルポンプからの油圧が不必要な部分に漏れないように油圧切換弁を備えている。つまり第1オイルポンプと無段変速機構とを結ぶ油路の途中に第2オイルポンプからの油路を接続し、その接続箇所から第1オイルポンプ側に油圧切換弁を配置する。この油圧切換弁は、第1オイルポンプからの油圧に応じて開閉し、第1オイルポンプが油圧を供給するときは開き、供給しないときは閉じる。これによりアイドルストップ中に第2オイルポンプの油圧が第1オイルポンプ側に漏れることなく無段変速機構に供給されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような無段変速機の油圧制御回路を通常の有段自動変速機にそのまま適用する際に、第2オイルポンプと油圧切換弁を前進用クラッチに最も近い部分(前進用クラッチとマニュアル弁とを結ぶ油路上で、変速用クラッチとの接続箇所より下流)に配置することが望ましいが、この構成ではRレンジ選択時に前進用クラッチを解放(ドレン)できないという課題が生じる。
【0005】
本発明は、Rレンジ選択時に前進用クラッチの油圧をマニュアル弁からドレンできる油圧制御回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンを一時的に停止させるエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路において、エンジンによって駆動される第1オイルポンプと、エンジン停止時に作動する電動モータによって駆動される第2オイルポンプと、第1オイルポンプからの第1油路と第2オイルポンプからの第2油路とを前進用クラッチにつながる第3油路に選択的に接続する第1切換弁とを備え、前記第1切換弁は、第1オイルポンプからの第1油路に圧力が発生している時には前進用クラッチに第1オイルポンプからの作動油を供給し、また第2オイルポンプからの第2油路に圧力が発生している時には第2オイルポンプからの作動油を前進用クラッチに供給してそれぞれ前進用クラッチを締結し、第1、第2油路内の圧力が双方共に所定値以下の時には、第3油路内の作動油を第1油路内に排出し前進用クラッチを解放し、前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁は第1オイルポンプからの作動油を後進用クラッチに供給する場合には、前記第1切換弁とつながる第1油路の作動油をドレンする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1切換弁は第2油路の圧力によって変位するスプールと、このスプールを押し戻す方向に付勢するスプリングとを備え、第2油路の圧力が発生しない時はスプールを初期位置に保持して、第1油路と第3油路を接続し、第2油路の圧力が発生したときはスプールを変位して第2油路を第3油路に接続するように構成される。
【0008】
第3の発明は、エンジンを一時的に停止させるエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路において、エンジンによって駆動される第1オイルポンプと、エンジン停止時に作動する電動モータによって駆動される第2オイルポンプと、第1オイルポンプからの第1油路と第2オイルポンプからの第2油路とを前進用クラッチにつながる第3油路に選択的に接続する第1切換弁とを備え、前記第1切換弁は、第1オイルポンプからの第1油路に圧力が発生している時には前進用クラッチに第1オイルポンプからの作動油を供給し、また第2オイルポンプからの第2油路に圧力が発生している時には第2オイルポンプからの作動油を前進用クラッチに供給してそれぞれ前進用クラッチを締結し、第1、第2油路内の圧力が双方共に所定値以下の時には、第3油路内の作動油を第1油路内に排出し前進用クラッチを解放し、前記第1切換弁は板バネによって付勢され、第2油路のポートと第1油路のポートとを選択的に開閉するボール弁を備え、第2油路に圧力が発生しないときは第1油路と第3油路を接続し、第2油路に圧力が発生したときは第2油路と第3油路を接続する。
【0009】
第4の発明は、第3の発明において、前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁は第1オイルポンプからの作動油を後進用クラッチに供給する場合には、前記第1切換弁とつながる第1油路の作動油をドレンする。
【0010】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、車両が停止するとエンジンによって駆動されていた第1オイルポンプが停止し、前進用クラッチに供給されていた作動油の供給が停止する。これによって前進用クラッチに作用する作動油の油圧が低下することになるが、エンジン停止に代わって電動モータが始動し、第1切換弁が切り換わり第2オイルポンプから作動油が前進用クラッチに供給されるようになる。このため、前進用クラッチへの第3油路内の油圧低下を防止することができ、再び停止状態から走行状態に移行する際に油路内の油圧の低下によってクラッチの締結が遅れるという不具合を生じることなく、スムースに発進することができる。
また、前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁によって、第1オイルポンプからの作動油が後進用クラッチに供給される場合には、第1および第3油路の作動油をドレンするので、シフト位置を前進レンジから後進レンジに切換えたときに、第1、3油路内の油圧が速やかに低下し、前進用クラッチが解放される。よって車両の前進から後進への切り換わりがスムースに行われる。
【0011】
また第1、第2油路の内の油圧が上昇しない、例えば後進走行時では第3油路内の作動油が第1油路内に排出されて、前進用クラッチが解放されるので、円滑に後進発進を行うことができる。
【0012】
第2の発明では、前記第1切換弁は第2油路の圧力によって変位するスプールと、このスプールを押し戻す方向に付勢するスプリングとを備え、第2油路の圧力が発生しない時はスプールを初期位置に保持して、第1油路と第3油路を接続し、第2油路の圧力が発生したときはスプールを変位して第2油路を第3油路に接続するように構成されるので、極めて簡単な構成でありながら2つの油路の開閉制御を行うことができる。
【0013】
第3の発明では、車両が停止するとエンジンによって駆動されていた第1オイルポンプが停止し、前進用クラッチに供給されていた作動油の供給が停止する。これによって前進用クラッチに作用する作動油の油圧が低下することになるが、エンジン停止に代わって電動モータが始動し、第1切換弁が切り換わり第2オイルポンプから作動油が前進用クラッチに供給されるようになる。このため、前進用クラッチへの第3油路内の油圧低下を防止することができ、再び停止状態から走行状態に移行する際に油路内の油圧の低下によってクラッチの締結が遅れるという不具合を生じることなく、スムースに発進することができる。
また、前記第1切換弁は板バネによって付勢され、第2油路のポートと第1油路のポートとを選択的に開閉するボール弁を備え、第2油路に圧力が発生しないときは第1油路と第3油路を接続し、第2油路に圧力が発生したときは第2油路と第3油路を接続するので、極めて簡単な構成でありながら2つの油路の開閉制御を行うことができ、かつスプールを用いた弁に対してスプールが摺動する必要がないので、弁が固着するバルブスティックが起こりにくくなるという効果がある。
【0014】
第4の発明では、前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁によって、第1オイルポンプからの作動油が後進用クラッチに供給される場合には、第1および第3油路の作動油をドレンするので、シフト位置を前進レンジから後進レンジに切換えたときに、第1、3油路内の油圧が速やかに低下し、前進用クラッチが解放される。よって車両の前進から後進への切り換わりがスムースに行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1に本発明のエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路の全体構成を示す。図中1はエンジンで、エンジン1にはその運転時に同期的に回転駆動される第1オイルポンプ2が取り付けられている。
【0017】
第1オイルポンプ2から供給される作動油は、後述の切換弁6、11を介して変速用クラッチ3、前進用クラッチ4および後進用クラッチ5に供給され、これらの締結や解放を制御する。
【0018】
またこれとは別のオイルポンプとして、車両の停車中に油圧制御回路に一定の油圧を供給するための、電動モータ7により駆動される第2オイルポンプ8が設けられ、第2オイルポンプ8から供給される作動油は前進用クラッチ4にのみ供給される。
【0019】
エンジン1と電動モータ7はコントロールユニット10に接続され、コントロールユニット10は車速センサ40、アイドルスイッチセンサ41およびブレーキスイッチセンサ42からの出力信号に基づいてエンジン1と電動モータ7の作動を制御する。
【0020】
第1オイルポンプ2には4ポート3位置切換弁6(第2切換弁)のdポートに接続される油路32(第1油路)が接続され、4ポート3位置切換弁6の他のポートは、それぞれ、aポートに後進用クラッチ5につながる油路34が接続され、bポートは前進用クラッチ4に伸びる油路33が接続される。さらにcポートはドレンポートとして機能するためタンク50に接続する。4ポート3位置切換弁6の各ポジションでの機能については後述する。
【0021】
bポートから前進用クラッチ4に伸びる油路33には途中から変速用クラッチ3に接続する油路31が分岐しており、さらにこの分岐点の下流に油圧を感知して切換える3ポート2位置切換弁11(第1切換弁)が配置されている。3ポート2位置切換弁11のポートは、eポートには油路33が接続され、fポートに第2オイルポンプ8に接続するための油路36(第2油路)が接続され、gポートには前進用クラッチ4につながる油路35(第3油路)が接続される。
【0022】
3ポート2位置切換弁11のエンジン作動時に選択されるEポジションではeポートとgポートが連通し、第1オイルポンプ2からの作動油が前進用クラッチ4に供給され、fポートは遮断される。またアイドルストップ時に選択されるSポジションでは、fポートとgポートが連通し、eポートは遮断される。
【0023】
3ポート2位置切換弁11のポジションの切換えは油路33、36の油圧に対応して切り換わり、エンジン作動時に第1オイルポンプ2が作動し、油路33のみに油圧が作用するとき、あるいは油路33、36の両方に油圧が作用しないときにはスプリング16の付勢力によりEポジションになり、またアイドルストップ時に第2オイルポンプ8が作動し油路36のみに油圧が作用する時には、Sポジションとなる。
【0024】
引き続いて、4ポート3位置切換弁6の各ポジションでの機能について説明する。
【0025】
図1に示すようにポジションをR、N、Dの3つに区別する。各ポジションは自動変速機の変速シフト位置に対応しており、Rポジションは後進レンジ(通常Rで示される)、Nポジションは中立レンジ(通常Nで示される)、Dポジションは前進レンジ(通常Dで示される)にそれぞれ対応する。
【0026】
次に各ポートの接続関係を説明する。まずRポジションではaポートとdポートとが、またbポートとcポートとが連通される。すなわち第1オイルポンプ2の作動油は後進用クラッチ5に供給され、後進用クラッチ5が締結される。一方、bポートとcポートとが接続されることで、前進用クラッチ4に接続される油路33内の作動油がタンク50にドレンされ、車両が後進可能な状態になる。エンジン1が運転されてRポジションが選択されている場合には、油路33と36共に油路内に油圧が作用しない状態となっており、3ポート2位置切換弁11はEポジションで、油路35内の作動油が油路33に流出し、油路35内のドレンが実施され、前進用クラッチ4が解放される。
【0027】
また4ポート3位置切換弁6のNポジションでは、a、bポートはcポートに接続され、油路33と34内の作動油はタンク50に戻される。またdポートは閉鎖されており、よって第1オイルポンプ2からの作動油はいずれのクラッチにも供給されない。
【0028】
4ポート3位置切換弁6のDポジションでは、aポートとcポートとが、またbポートとdポートとが連通されることになり、第1オイルポンプ2の作動油が前進用クラッチ4に続く油路33に供給され、前進用クラッチ4が締結される。またaポートとcポートとが連通されるので後進用クラッチ5につながる油路34内の作動油がドレンされる。
【0029】
図2にはコントロールユニット10のエンジン自動停止の制御内容を説明するフローチャートが示されている。
【0030】
まずステップ1にて車速センサ40から車速データを入力し、車両が停止状態、すなわち車速が0の時にステップ2に進み、車両が移動している車速が0でない場合にはステップ5に進む。ステップ5では車両の走行状態を維持するためにエンジン1は作動状態を保持し、電動モータ7はオフの状態に制御される。
【0031】
ステップ2では車両がアイドル状態にあるかどうかを判定するためにアイドルスイッチ41の出力信号を用いて、車両のアイドル状態を判定する。車両がアイドル状態にある場合には、ステップ3に進み、アイドル状態でない場合には、ステップ5に進む。
【0032】
ステップ3では運転者がブレーキを踏んで、車両を制動状態にあるかどうかを判定するためにブレーキスイッチ42の出力信号を用いて、車両の制御状態を判定する。制動状態にある時にはステップ4に進み、ないときにはステップ5に進む。
【0033】
以上の判定を行った上で、ステップ4に進んだ場合にはエンジン1を停止し、電動モータ7を起動する。
【0034】
このような構成としたので、車両が前進走行状態から停止状態に入り、車速、アイドル状態およびブレーキ作動状態を判定し、前記の所定条件の場合にアイドルストップ機能が作動して、エンジン1が停止する。エンジン1が停止すると、エンジン1によって駆動される第1オイルポンプ2も作動を停止し、結果として前進用クラッチ4へ作動油を供給する油路32、33および35への作動油の供給が停止し、油路内の油圧が低下し始める。よって停止状態から走行状態に移行する時に、油圧が低下した分の作動油の補給が必要となるために油路内にクラッチの締結に遅れが生じることとなる。
【0035】
しかしながら本発明では前進用クラッチ4に作動油を供給する第2オイルポンプ8を油路33と35の接続部に設けた3ポート2位置切換弁11を介して接続したので、アイドルストップ時にはコントロールユニット10から電動モータ7の指令信号によって第2オイルポンプ8が起動し、前進用クラッチ4へ作動油を供給することができる。よって車両停止状態においても前進用クラッチ4へ供給される作動油の油圧が低下するようなことはなく、停止状態から走行状態に移行する際に前進用クラッチ4の締結が遅れるような不具合を生じることなく、スムースに発進することができる。
【0036】
またアイドルストップ時にDレンジからRレンジにシフトチェンジを行った場合には、4ポート3位置切換弁6はDポジションからRポジションに切り換わり、第1オイルポンプ2の作動油を前進用クラッチ4に供給していた油路33内の作動油がドレンされる。さらに油路33と36共に油路内に油圧が低い状態となっており、3ポート2位置切換弁11はEポジションとなるので、油路35内の作動油が油路33に流出し、油路35内のドレンが実施され、前進用クラッチ4が解放される。このようにして前進状態から後進状態への切換えがスムースに行われる。
【0037】
図3から図9には3ポート2位置切換弁11の別の実施形態を示す。
【0038】
図3と図4にはスプール弁タイプの3ポート2位置切換弁11の構造が記載されている。これについて説明すると、スプールハウジング18内には同一軸上の油路33、35に略垂直軸方向に摺動可能なスプール17が設けられ、この両端にはスプール17を軸方向に移動する油圧を作用させるための油室15と、軸方向に移動したスプール17に元の位置に戻る付勢力を作用させるスプリング16とが設けられる。
【0039】
スプールハウジング18は第2オイルポンプ8から作動油を供給する油路36から油室15内に作動油が供給され、スプール17の変位に伴い、前進用クラッチ4に接続される油路35に対して、第1オイルポンプからの作動油を供給する油路33と第2オイルポンプからの作動油を供給する油路36とを選択的に接続する。
【0040】
このように構成されて、車両が前進状態にある時には油室15の圧力が立たず、3ポート2位置切換弁11は作動油が油路33と35を通過する図3の状態にあり、第1オイルポンプ2からの作動油が油路33、35を通じて前進用クラッチ4に供給される。一方、車両が停止し、エンジン1が停止して、第1オイルポンプ2も作動を停止すると、第2オイルポンプ8が作動し、第2オイルポンプ8からの作動油が油路36を経由して油室15内に供給されるとともに、第1オイルポンプからの作動油の供給が停止した油路33内の油圧が低下する。その結果、図4に示すようにスプール17はスプリング16の付勢力に抗して軸方向に移動し、スプール17によって油室15と前進用クラッチ4につながる油路35とが連通する。このため第2オイルポンプ8からの作動油が前進用クラッチ4に供給されることで、エンジン停止時の前進用クラッチ4に供給される作動油の油圧低下を防止することができる。なお第2オイルポンプ8からの作動油が前進用クラッチ4に供給されると、3ポート2位置切換弁11は油路33への開口を閉鎖し、油路33への作動油の逆流を防いでいる。同様に第1オイルポンプ2から前進用クラッチ4に作動油が供給される時には、油路36への作動油供給は遮断されている。
【0041】
また油路33、36内の油圧が上昇しない例えば、エンジン1が運転して、4ポート3位置切換弁6がRポジションの場合には、スプリング16の付勢力によってスプール17が軸方向に移動し、油路35と33を連通し、油路35内の作動油が油路33に逆流し、前進クラッチ4を解放することができる。
【0042】
図5から図9には別の実施形態のボール弁タイプの3ポート2位置切換弁20の構造が示されている。
【0043】
図5および図6は作動油が第1オイルポンプ2から前進用クラッチ4へ流れる場合の3ポート2位置切換弁20(第1切換弁)の状態を示している。この3ポート2位置切換弁20について説明すると、油路33には有底円筒状をした第1シリンダ24が底部を下流側にして所定位置に嵌合されており、有底部の一部に開口孔24aが貫通している。
【0044】
第2オイルポンプ8からの作動油を供給する油路36が接続する油室15の油路35との接続部には、有底円筒状の第2シリンダ23が油路35への開口孔23aを設けた底部を下流側に嵌合される。第1シリンダ24の底部外周には板バネ22を介してボール21が取り付けられ、ボール21は板バネ22の付勢力によって第2オイルポンプ8からの作動油を前進用クラッチ4に供給するための開口孔23aを閉鎖するように構成されている。
【0045】
走行状態すなわち第1オイルポンプ2作動時には油路33から油路35を通じて作動油が前進用クラッチ4に供給され、このとき停止している第2オイルポンプ8からの作動油を供給する油室15はボール21によって開口孔23aが閉ざされている。
【0046】
車両が停止し、第1オイルポンプ2が作動を中止すると、第2オイルポンプ8が作動し、作動油が油路36を通じて油室15内に流入する。油室15内の作動油の圧力が開口孔23aを閉鎖するボール21に作用する付勢力より大きくなった場合にボール21は移動し、図7に示すように油室15内の作動油が開口孔23aから油路35を通じて前進用クラッチ4に供給される。このときボール21は第2オイルポンプ8からの作動油圧力によって移動し、第1シリンダ24の開口孔24aを閉鎖する。
【0047】
また油路33と35内の油圧が共に上昇しない時には板バネ22の付勢力によって開口孔23aが閉鎖されて、油路35内の作動油が油路33に逆流し、ドレンされて、前進用クラッチ4が解放される。
【0048】
なお図8から図11は第1と第2シリンダ23、24の詳細形状を示したものである。第1と第2シリンダ23、24の開口孔23a、24aの中心は板バネ22の支持中心から同一半径にその中心が有り、板バネ22の先端に取り付けられたボール21が移動して、双方の開口孔を閉鎖することができるように設けられる。なお3ポート2位置切換弁20はフリー時に板バネ22の付勢力によって開口孔23aが閉鎖されるようにしたが、開口孔24aを閉鎖するように設けられてもよい。
【0049】
第1と第2シリンダの開口孔23a、24aを閉鎖するボール21は必ずしも球状である必要はなく、開口孔23a、24aを閉鎖する幅を持った形状であればよく、例えば三角形であってもよい。
【0050】
以上のような構成を有するので、極めて簡単な構成でありながら2つの開口孔の開閉制御を行うことができ、かつスプールを用いた3ポート2位置切換弁11に対してスプール17が摺動する必要がないので、切換弁が固着するバルブスティックが起こりにくくなるという効果がある。
【0051】
なお本発明の実施例は、有段変速の自動変速機に基づいて説明を行ったが、特開平11−132321号の段落番号【0019】に開示されるように前後進切換機構の前進クラッチにも第2オイルポンプで油圧を供給しており、この油圧回路に本発明の3ポート2位置切換弁を設けることで、無段変速の変速機に用いることもできることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す構成図である。
【図2】同じく本発明の制御内容を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の3ポート2位置切換弁を示す断面図である(第1オイルポンプと前進用クラッチとを連通した状態)。
【図4】同じく3ポート2位置切換弁を示す断面図である(第2オイルポンプと前進用クラッチとを連通した状態)。
【図5】本発明の別の3ポート2位置切換弁を示す断面図である(第1オイルポンプと前進用クラッチとを連通した状態)。
【図6】同じく図5のX−X線に沿う3ポート2位置切換弁の断面図である。
【図7】同じく別の3ポート2位置切換弁を示す断面図である(第1オイルポンプと前進用クラッチとを連通した状態)。
【図8】同じく別の3ポート2位置切換弁の第1シリンダの詳細を示す正面図である。
【図9】同じく別の3ポート2位置切換弁の第1シリンダの詳細を示す平面図である。
【図10】同じく別の3ポート2位置切換弁の第2シリンダの詳細を示す正面図である。
【図11】同じく別の3ポート2位置切換弁の第2シリンダの詳細を示す側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 第1オイルポンプ
3 変速用クラッチ
4 前進用クラッチ
5 後進用クラッチ
6 4ポート3位置切換弁(第2切換弁)
7 電動モータ
8 第2オイルポンプ
10 コントロールユニット
11 3ポート2位置切換弁(第1切換弁)
15 油室
16 スプリング
17 スプール
20 3ポート2位置切換弁(第1切換弁)
21 ボール
22 板バネ
23 第1シリンダ
23a 開口孔
24 第2シリンダ
24a 開口孔
31、32、33、34、35、36 油路
Claims (4)
- エンジンを一時的に停止させるエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路において、
エンジンによって駆動される第1オイルポンプと、
エンジン停止時に作動する電動モータによって駆動される第2オイルポンプと、
第1オイルポンプからの第1油路と第2オイルポンプからの第2油路とを前進用クラッチにつながる第3油路に選択的に接続する第1切換弁とを備え、
前記第1切換弁は、第1オイルポンプからの第1油路に圧力が発生している時には前進用クラッチに第1オイルポンプからの作動油を供給し、また第2オイルポンプからの第2油路に圧力が発生している時には第2オイルポンプからの作動油を前進用クラッチに供給してそれぞれ前進用クラッチを締結し、第1、第2油路内の圧力が双方共に所定値以下の時には、第3油路内の作動油を第1油路内に排出し前進用クラッチを解放し、
前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁は第1オイルポンプからの作動油を後進用クラッチに供給する場合には、前記第1切換弁とつながる第1油路の作動油をドレンすることを特徴とするエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路。 - 前記第1切換弁は第2油路の圧力によって変位するスプールと、このスプールを押し戻す方向に付勢するスプリングとを備え、第2油路の圧力が発生しない時はスプールを初期位置に保持して、第1油路と第3油路を接続し、第2油路の圧力が発生したときはスプールを変位して第2油路を第3油路に接続するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路。
- エンジンを一時的に停止させるエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路において、
エンジンによって駆動される第1オイルポンプと、
エンジン停止時に作動する電動モータによって駆動される第2オイルポンプと、
第1オイルポンプからの第1油路と第2オイルポンプからの第2油路とを前進用クラッチにつながる第3油路に選択的に接続する第1切換弁とを備え、
前記第1切換弁は、第1オイルポンプからの第1油路に圧力が発生している時には前進用クラッチに第1オイルポンプからの作動油を供給し、また第2オイルポンプからの第2油路に圧力が発生している時には第2オイルポンプからの作動油を前進用クラッチに供給してそれぞれ前進用クラッチを締結し、第1、第2油路内の圧力が双方共に所定値以下の時には、第3油路内の作動油を第1油路内に排出し前進用クラッチを解放し、
前記第1切換弁は板バネによって付勢され、第2油路のポートと第1油路のポートとを選択的に開閉するボール弁を備え、第2油路に圧力が発生しないときは第1油路と第3油路を接続し、第2油路に圧力が発生したときは第2油路と第3油路を接続することを特徴とするエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路。 - 前記第1油路の途中にギアシフトの位置に対応して切換えを行う第2切換弁を設け、第2切換弁は第1オイルポンプからの作動油を後進用クラッチに供給する場合には、前記第1切換弁とつながる第1油路の作動油をドレンすることを特徴とする請求項3に記載のエンジン自動停止車両用自動変速機の油圧制御回路。
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