JP3826529B2 - クラッチ断接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチ断接装置に係り、特に車両のクラッチの自動化を図り得るクラッチ断接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、大型車両の運転手の負担軽減等を図るため、摩擦クラッチを自動断接し得るクラッチ断接装置が開発されるに至っており、本出願人もこれについて幾つかの提案を行った(特開平9-53658 号公報等)。通常、このようなクラッチ断接装置では、空圧の給排に応じてクラッチの断接操作を行う倍力装置(クラッチブースタ)が備えられている。倍力装置は、空圧の給排に応じて内部の倍力ピストンを往復動させ、これによりクラッチを断接方向にストロークさせる。そして倍力装置への空圧の給排制御は電磁弁で行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、倍力装置への供給圧とクラッチストロークとの関係については、分断側と接続側とで静止摩擦に基づくヒステリシスがある。これを示したのが図9であるが、これから分かるように分断方向に操作する場合の方が接続方向に操作する場合より大きな空圧を要する。
【0004】
しかし、このヒステリシスがあるがために、従来はクラッチを切って次につなごうとした場合、倍力装置の接方向の動作の開始が遅れ、クラッチ接続時の応答性が悪いという問題があった。即ち、クラッチ接続は電磁弁を排出側に切替え、倍力装置から空圧を排出し、ピストンを戻り方向に動作させて行うが、電磁弁を排出側に切り替えたとしても、ヒステリシス分の空圧が抜けなければピストンが動かないため、このような遅れの問題が生じていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流体圧源と倍力装置とを結ぶ第1の配管と、該第1の配管の上流側と下流側とにそれぞれ直列に設けられた三方電磁弁と、前記第1の配管の前記三方電磁弁間の部分と下流側の前記三方電磁弁の排出ポートとを結ぶ第2の配管と、該第2の配管に直列に設けられたチェック弁及びチャンバとを備え、クラッチ分断は、いずれの前記三方電磁弁も供給側に切り替え、前記倍力装置に流体圧を供給することで行い、クラッチ分断後接続前には、上流側の前記三方電磁弁を供給側に、下流側の前記三方電磁弁を排出側に切替え、上流側の前記三方電磁弁を通過した流体圧で前記チェック弁を閉じつつ、前記倍力装置の流体圧の一部を排出させて前記チャンバに貯留するものである。
【0006】
本発明によれば、クラッチ接続前にヒステリシス分の流体圧をチャンバに貯留でき、これによりクラッチ接続時の応答性を改善できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
図1は、本発明に係るクラッチ断接装置を示す全体構成図で、ここでのクラッチ断接装置1はマニュアル断接と自動断接とが可能な所謂セミオートクラッチシステムの構成が採られている。図示するようにクラッチ断接装置1は、空圧(流体圧)を供給するための空圧供給手段2を有する。空圧供給手段2は、エンジンに駆動されて空圧を発生するコンプレッサ3と、コンプレッサ3からの空気を乾燥させるエアドライヤ4と、エアドライヤ4から送られてきた空気を貯留するエアタンク5(流体圧源)と、エアタンク5の入口側に設けられた逆止弁6とから主に構成される。この空圧供給手段2からの空圧は倍力装置(クラッチブースタ)7に送られ、倍力装置7はその空圧の供給により摩擦クラッチ8を分断側(右側)Aに操作するようになっている。また倍力装置7は、詳しくは後述するが、マスタシリンダ10から油圧も供給されるようになっている。
【0011】
図2は倍力装置7の詳細を示す縦断面図である。なおこの倍力装置7は従来同様に構成される。図示するように、倍力装置7は、そのボディ11に接続されたシリンダシェル12を有し、このシリンダシェル12内にピストンプレート(パワーピストン、倍力ピストン)13が、リターンスプリング14により空圧導入側(図中左側)に付勢されて設けられている。シリンダシェル12の一端には空圧ニップル15が取り付けられ、この空圧ニップル15が空圧導入口を形成してエアタンク5からの空圧を空圧配管35(図1)から導入する。空圧が導入されるとピストンプレート13が右側に押動され、こうなるとピストンプレート13はピストンロッド16、ハイドロリックピストン17、さらにはプッシュロッド18を押動してクラッチレバー8a(図1)を分断側Aに押し、クラッチ8を分断する。
【0012】
一方、ボディ11内部には油圧路20が形成され、油圧路20の油圧導入口は油圧ニップル19によって形成されている。油圧ニップル19には油圧配管54の一端が接続される。油圧路20は、ボディフランジ部11aの一端(下端)側に形成された孔21、ハイドロリックピストン17を収容するハイドロリックシリンダ(油圧シリンダ)22(ボディシリンダ部11bに形成される)、及びハイドロリックシリンダ22に小孔23aを介して連通する他端(上端)側の制御孔23によって主に形成される。油圧ニップル19から油圧が導入されると、その油圧は上記通路を通って制御孔23に到達し、制御ピストン24を制御シリンダ25に沿って右側に押動する。このようにボディフランジ部11aの上端側には、詳しくは後述するが、倍力装置7への空圧供給を制御するための制御バルブ部7a(油圧作動弁)が形成される。
【0013】
制御バルブ部7aは右側に突出する制御ボディ部26によって区画される。制御ボディ部26には、前述の制御シリンダ25に同軸に連通するコントロール室27及び空圧ポート28が形成される。コントロール室27には制御ピストン24のコントロール部29が、空圧ポート28にはポペットバルブ30がそれぞれ摺動可能に収容される。空圧ポート28にはニップル31が取り付けられ、このニップル31には空圧配管67(図1)が接続されて空圧が常に供給されている。
【0014】
通常、ポペットバルブ30は、空圧とポペットスプリング32とにより左側に付勢されていて、コントロール室27及び空圧ポート28を連通する連通ポート33を閉じている。よってニップル31からの空圧はポペットバルブ30の位置で遮断される。しかしながら、油圧配管54から油圧が供給されると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を右側に押動して連通ポート33を開く。こうなると、連通ポート33からコントロール室27に侵入した空圧は、詳しくは後述するが、コントロール室27に連通する空圧配管34,35(図1)を通じて前述のシリンダシェル12に入り、ピストンプレート13の左側の空圧作用面13aに作用してこれを右側に押動し、クラッチ8を分断側に操作する。
【0015】
ここで、倍力装置7は、供給された油圧の大きさに応じてクラッチ8を所定ストロークだけ操作することができる。即ち、例えば比較的小さい値だけ油圧が増加された場合、前述の空圧作用によりピストンプレート13が右側に押動され、これに連動してハイドロリックピストン17が所定ストロークだけ右側に押動される。すると、油圧路20の容積が増し制御孔23内の油圧が下がり、こうなると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を押し付けつつ、ポペットバルブ30が連通ポート33を閉鎖するバランス状態が生じ、これによりコントロール室27、空圧配管34,35、及びピストンプレート13の空圧作用面13a側となる空圧導入室12bにて所定の空圧が保持され、ピストンプレート13及びクラッチ8を所定のストローク位置に保持する。
【0016】
また、油圧が完全に抜かれると、制御孔23内の油圧がさらに下がって、図示の如く制御ピストン24が最も左側の原位置に戻される。こうなると、コントロール部29がポペットバルブ30から離れ、コントロール部29の内部に設けられた開放ポート36がコントロール室27等と連通するようになる。すると、保持されていた空圧は、一部が開放ポート36から大気圧ポート39を通じ空圧導入室12bと反対側の大気室12aに導入され、これによりピストンプレート13を右側に押していた空圧が、今度はリターンスプリング14と協同してそれを反対側の左側に押し、クラッチ8を接続側(左側)Bに操作する。そして残りの空圧は、ブリーザ37を通じ大気開放される。
【0017】
特にブリーザ37には、排気のみ可能なチェック弁が内蔵されている為、クラッチ接続時、大気室12aが負圧となり、クラッチ8の接続不良が生じてしまう。これを防止するため、空圧の一部を大気室12aに導き、残りをブリーザ37より排出する必要が有る。
【0018】
なお、倍力装置7において、38はシリンダ室12aとハイドロリックシリンダ22とを油密に仕切るシール部材、40は大気圧ポート、41は緩められたときに作動油のエア抜きを行えるブリーダである。
【0019】
このように、制御バルブ部7aは、クラッチペダル9の操作と連動するマスタシリンダ10からの信号油圧(マスタシリンダ油圧)に基づき、供給側又は排出側に切り替わる油圧作動弁を構成する。
【0020】
図3はマスタシリンダ10の詳細を示す縦断面図である。図示するように、マスタシリンダ10は、長手方向に延出されたシリンダボディ45を有する。シリンダボディ45はその内部に所定径のシリンダボア46を有し、シリンダボア46には特に二つのピストン47,48が独立して摺動可能に装入される。シリンダボア46の一端(左端)開口部には、クラッチペダル9の踏み込み或いは戻し操作に合わせて挿抜するプッシュロッド49の先端部が挿入され、さらにその開口部はダストブーツ50で閉止される。シリンダボア46内の他端側(右側)には、第1及び第2ピストン47,48をピストンカップ51を介して一端側に付勢するリターンスプリング52が設けられる。シリンダボア46の他端は、シリンダボディ45に形成された油圧供給ポート53に連通され、この油圧供給ポート53には図1に示す油圧配管54が接続される。53aはチェックバルブである。
【0021】
図示状態にあっては、クラッチペダル9の踏み込みがなされておらず第1及び第2ピストン47,48は一端側の原位置に位置されている。特にこのときのピストン47,48間に位置されて、シリンダボディ45には空圧導入ポート55が設けられている。このマスタシリンダ10においては、クラッチペダル9によるマニュアル操作のときは両方のピストン47,48が押動されて油圧を供給する。一方、自動操作による場合は、詳しくは後述するが、空圧導入ポート55から空圧が供給されて第2ピストン48のみが適宜押動されるようになっている。なおこのとき第1ピストン47の移動はスナップリング56によって規制される。またこのとき、第1ピストン47が移動しないのでクラッチペダル9は移動しない。57は、作動油のリザーバタンク58(図1)からの給油配管59に接続する給油ニップル、60及び61は、ピストンカップ51の右側及び第2ピストン48の位置にそれぞれ給油を行う小径及び大径ポートを示す。
【0022】
図1に示すように、エアタンク5からは空圧配管62が延出され、この空圧配管62の分岐63からは空圧配管67が分岐され、この空圧配管67は倍力装置7のニップル31に接続される。一方、空圧配管62は最終的にシャトル弁69に接続され、特にその途中には2ウェイ式の二つの三方電磁弁78,79が上流側と下流側とに直列に設けられている。ここで空圧配管62は、エアタンク5及び上流側三方電磁弁78を結ぶ上流部62aと、三方電磁弁78,79間を結ぶ中間部62bと、下流側三方電磁弁79及びシャトル弁69を結ぶ下流部62cとに分けられる。上流側三方電磁弁78の排出ポートには空圧配管64が接続され、この空圧配管64は倍力装置7のブリーザ37に接続されている。また下流側三方電磁弁79の排出ポートには空圧配管68(第2の配管)が接続され、この空圧配管68は中間部62bに接続されている。
【0023】
三方電磁弁78,79は、コンピュータ内蔵の制御装置或いはコントローラ72からのON/OFF信号(制御信号)に基づいて切替制御される。上流側の三方電磁弁78は、ONのときには供給側に切り替わって上流部62aと中間部62bとを接続すると共に空圧配管64を閉とし、OFF のときには排出側に切り替わって中間部62bと空圧配管64とを接続すると共に上流部62aを閉とする。また下流側の三方電磁弁79は、ONのときには供給側に切り替わって中間部62bと下流部62cとを接続すると共に空圧配管68を閉とし、OFF のときには排出側に切り替わって下流部62cと空圧配管68とを接続すると共に中間部62bを閉とする。
【0024】
シャトル弁(ダブルチェックバルブ)69は機械式三方弁であって、空圧配管62又は34の一方のみを互いの空圧差に基づき空圧配管35に接続する。
【0025】
空圧配管68には、その流路を絞るための絞り部66と、空圧の移動方向を一方向に規制するためのチェック弁75と、倍力装置7から排出された空圧の一部を貯留するためのチャンバ42とがそれぞれ直列に設けられている。特にチャンバ42は、後に分かるが、チェック弁75に対し、倍力装置7からの空圧排出方向上流側に設けられる。またチェック弁75は、空圧配管68において、下流側三方電磁弁79の排気側から中間部62bに向かうような空圧の移動のみを許容し、逆方向の移動を規制ないし禁止している。
【0026】
一方、空圧配管62の上流部62aにあって、三方電磁弁78の上流側では空圧配管70が分岐され、この空圧配管70がマスタシリンダ10に接続されてマスタシリンダ10への空圧供給を行えるようになっている。
【0027】
具体的には、空圧配管70は、マスタシリンダ10の空圧導入ポート55に接続されて第2ピストン48の背面側に空圧を供給する。そしてこの空圧の供給及び排出が三方電磁弁80により制御される。この三方電磁弁80も、ONのときには供給側に切り替わってマスタシリンダ10に空圧供給を行い、OFF のときには排出側に切り替わって自身の排出ポートからマスタシリンダ10の空圧を排出する。
【0028】
ここで、詳しくは後述するが、エアタンク5から三方電磁弁78,79、シャトル弁69及び倍力装置7の空圧ニップル15を順に結ぶ空圧配管62,35(第1の配管)は、クラッチ8の自動分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第1の空圧供給路aを形成する。
【0029】
また、エアタンク5から分岐63、制御バルブ部7a、シャトル弁69、及び倍力装置7の空圧ニップル15までを順に結ぶ空圧配管62,67,34,35は、クラッチ8のマニュアル分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第2の空圧供給路bを形成する。
【0030】
さらに、上流部62aからマスタシリンダ10までを結ぶ空圧配管70は、クラッチ8の自動分断操作時に、マスタシリンダ10に空圧供給を行うための第3の空圧供給路cを形成する。
【0031】
一方、コントローラ72には、アクセルペダル75に設けられたアクセルペダルストロークセンサ82及びアイドルスイッチ83、エアタンク5に設けられた圧力スイッチ86、クラッチペダル9に設けられたペダルスイッチ87及びクラッチペダルストロークセンサ89、及びクラッチ8に設けられたクラッチストロークセンサ88等が接続される。
【0032】
次に、上記装置の動作説明を行う。
【0033】
先ず、クラッチ8のマニュアル分断操作は以下のようにして行われる。クラッチペダル9を踏み込むと、マスタシリンダ10からは油圧が供給され、この油圧は、前述したように、制御バルブ部7aを供給側に切り替えて空圧配管67及び34を接続ないし連通させる。こうなると、配管34の空圧はシャトル弁69を切り替えて配管35に至り、倍力装置7の空圧導入室12bに移動する。そして、ピストンプレート13を押動し、クラッチ8を分断させる。このときクラッチ8はクラッチペダル9の操作に応じて適宜量だけ分断することができる。
【0034】
他方、クラッチ8のマニュアル接続操作時、クラッチペダル9の戻し操作により油圧が抜かれると、前述のように制御バルブ部7aが排出側に切り替わり、空圧配管34と大気圧ポート39とが連通されるようになる。こうなれば、空圧導入室12bの空圧が、配管35,34を経由して大部分が大気室12aに導入され、残りがブリーザ37から大気開放され、これによりクラッチ8の接続が達成される。
【0035】
なお、これらのマニュアル操作時にはペダルスイッチ87がONとなり、これを受けてコントローラ72は電磁弁78,79,80をOFF にする。
【0036】
ここで分かるように、制御バルブ部7aは、マスタシリンダ10からの油圧信号(パイロット油圧)を受けて、空圧配管34を空圧配管67或いは大気圧ポート39のいずれか一方に連通させる三方弁の如く機能する。また空圧供給手段2、第2の空圧供給路b、倍力装置7、制御バルブ部7a、マスタシリンダ10及び油圧通路54,20が、クラッチペダル操作によりクラッチのマニュアル断接を実行するマニュアル断接手段を構成する。なお後に分かるが、ここでは空圧供給手段2、第1の空圧供給路a、倍力装置7、電磁弁78,79、空圧配管35,62,64,68及び制御装置72が、クラッチ8の自動断接を実行する自動断接手段を構成している。
【0037】
特に本装置では、車両発進時にはマニュアル操作のみによってクラッチ8を接続することとしている。これによって大幅な制御の簡略化が図れ、発進時の複雑なクラッチ制御を行わなくて済む。
【0038】
次に、クラッチ8の自動断接操作について説明する。なお本装置ではクラッチ自動断接を車両走行中の変速時のみ行うようにしている。もっとも、制御の複雑化を容認するのであれば、車両発進時の制御を加えるようにしても構わない。
【0039】
図4は、変速時におけるクラッチ自動断接の様子を示したものであり、上段にはクラッチストロークが、下段には倍力装置7の空圧導入室12bに供給される空圧がそれぞれ示される。
【0040】
図示するように、運転手が時間T1 でシフトレバーを操作し、変速を開始したとする。するとシフトレバー内部に設けられたスイッチがONとなり、これを受けてコントローラ72は即座にクラッチ自動分断を開始する。具体的には電磁弁78,79,80をONにする。
【0041】
すると、前述の第1の空圧供給路aを通じて、倍力装置7の空圧導入室12bに空圧が供給され、ピストンプレート13の押動が開始されてクラッチ自動分断が開始される。ただし、前述のヒステリシスがあるため、ピストンプレート13が動作し、クラッチ8がストロークし始めるのは、電磁弁78,79がONとされた後、空圧導入室12bの空圧値がΔP1 だけ高まってからである。
【0042】
一方、これに伴ってマスタシリンダ10にも空圧が供給され、これによりマスタシリンダ10の第2ピストン48が押動されて油圧通路内が加圧される。即ち、図2を参照して、クラッチ自動分断が行われると、倍力装置7ではハイドロリックピストン17が右側に移動し、作動油が充填されているハイドロリックシリンダ22の容積が増し、これにより油圧路20及び油圧配管54内等の油圧通路内に負圧が生じて、作動油に気泡が混入する虞がある。そこで本装置1では、クラッチ8の自動分断操作時にマスタシリンダ10を作動させ、油圧通路内を加圧するようにしている。こうすると、油圧通路内の負圧化を未然に防止することができる。
【0043】
次に、倍力装置7のピストンプレート13がピストンストッパに突き当たってフルストロークし、クラッチ8が完断されると(時間T2 )、倍力装置7への空圧供給が停止される。具体的には、コントローラ72が、クラッチストロークセンサ88の出力信号を受けて、上流側の電磁弁78をONとしたまま下流側の電磁弁79をOFF にする。こうするとクラッチ8が断保持され、変速が許容される。電磁弁80はONのままとし、油圧通路内を加圧状態に保持しておく。
【0044】
ところで、実際には作動遅れがある関係で、電磁弁79にOFF 信号を送った直後でも空圧導入室12bの空圧が若干上がる。この余剰分の空圧を余剰エアといい、これに相当する空圧上昇分を図4のハッチングで示す。
【0045】
一方、電磁弁78をONのまま電磁弁79をOFF にすると、電磁弁78を通過した供給方向の空圧でチェック弁75を閉じられ、空圧配管68内での空圧の逆流を禁止でき、また、空圧導入室12bに供給した空圧を一部排出ないし逆流させ、チャンバ42に貯留することができる。これにより、空圧導入室12bの空圧を最大時の圧力より低い圧力P2 に保持できる。ここで、クラッチ8を分断方向に操作して完断するのに必要な圧力はP3 であるが、前述のヒステリシスΔP2 があるため、クラッチ8を接続方向に操作して完断位置から接続側にストロークさせるには、P3 より低い圧力P4 で済む。ここでは前述の圧力P2 がP4 <P2 <P3 の関係を満たしており、またそうなるようにチャンバ42の容量が定められている。これは、余剰エアとヒステリシス分の一部のエアとが予め排出されることを意味する。
【0046】
次に、変速が完了したらクラッチ8の接続を行う。具体的には、コントローラ72が変速機からギヤイン信号を受けた瞬間に電磁弁78,79を以下のように切り替える(時間T3 )。またこれに伴い、電磁弁80をOFF にしてマスタシリンダ10から空圧を排出させる。
【0047】
特に、ここでは車両の運転状態等に応じて高速と低速との2種類のクラッチ接続速度を選べるようになっている。即ち、高速接の場合は電磁弁78がOFF 、電磁弁79がONであり、低速の場合は電磁弁78がOFF 、電磁弁79がOFF である。
【0048】
高速接を選択した場合、倍力装置7の空圧は、空圧配管35、シャトル弁69、下流部62c、電磁弁79、中間部62b、電磁弁78、空圧配管64、ブリーザ37という経路で高速で排出される。これによりピストンプレート13が高速で復帰移動し、クラッチ8は高速接ないし急接される。このとき、中間部62bの圧力がチャンバ42の圧力より低くなった時点で、チェック弁75が開放され、これによりチャンバ42に貯留されていた空圧が、チェック弁75、絞り部66を通過し空圧配管68を逆流して、倍力装置7の排圧と同調されながら合流して排出されていく。
【0049】
一方、低速接を選択した場合には、倍力装置7の空圧が、空圧配管35、シャトル弁69、下流部62c、電磁弁79、空圧配管68、中間部62b、電磁弁78、空圧配管64、ブリーザ37という経路で排出される。このとき途中で絞り部66を通過するため、排出速度が低速となりクラッチ8が低速接ないし緩接される。またこのときチャンバ42も通過するので、チャンバ42に貯留されていた空圧は一緒に同調されながら排出されることとなる。
【0050】
ここで、クラッチ8の実際の接続方向へのストロークは、空圧導入室12bの空圧が圧力P4 に達した時(T4 )から開始される。特に、前述のように倍力装置7の空圧を予めチャンバ42に抜き出すようにしたので、電磁弁切替時T3 からクラッチ接続動作開始となる時T4 までの遅れ時間ΔTは極めて短時間で済む。
【0051】
このように、本装置では、倍力装置7の空圧の一部をクラッチ接続前に予め排出し、チャンバ42に貯留するようにしたので、電磁弁78,79を接続側に切替えた後の倍力装置7の動作開始タイミングを早められ、クラッチ接続時の応答性を大いに改善できる。
【0052】
また、チャンバ42の空圧を倍力装置7の排圧と同調、合流して排出させられるため、排出のための特別な空圧回路を設けないで済み、装置の簡略化等も図れる。
【0053】
ここで、図5はチャンバ42がないとした場合の例であるが、このときには電磁弁切替時T3 の圧力が最大のままとなっており、クラッチ接続動作開始となる時T4 までの比較的長時間の間、倍力装置7から空圧を排出しなければならず、遅れ時間ΔTが長くなって応答性が悪化する。本装置はこれに比べ短時間でクラッチ接続動作を開始することができる。
【0054】
なお、ここではクラッチ8を完断位置で接側に切り替える例を示したが、クラッチ8をいかなる位置で切り替えても、ヒステリシス分の空圧を予め排出させられるので前記同様の効果を達成することができる。ただしチャンバ42の容量は、クラッチ8が接方向に動作しないような範囲に設定する必要がある。しかしながら、クラッチ8が完断位置付近であれば、クラッチ8が多少接方向に動作してもクラッチがつながるまでには余裕があるので、このときに限ってはクラッチ8が多少接方向に動作するような容量に設定しても構わない。
【0055】
本発明については他の実施の形態も考えられ、その幾つかの例を図6乃至図8に示す。なお、図示例では空圧回路部分のみを簡略的に示し、同一部品には同一符号を付してある。また各電磁弁74,78,79は三方電磁弁であって、そのON/OFF時のルートが付記してある。図の下段に示された表は、各自動クラッチモードにおける各電磁弁の通電パターンである。これらの例では、高速、中速、低速の三種類の接続速度を選択できる。即ち、一方の絞り部66は他方の絞り部76より通路面積が大きく、前者を用いれば接続速度が中速、後者を用いれば接続速度が低速となる。
【0056】
以上、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。他の実施の形態も可能である。例えば、油圧式の倍力装置を使用してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上要するに本発明は、倍力装置の動作開始タイミングを早められ、クラッチ接続時の応答性を大いに改善できるという、優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ断接装置を示す全体構成図である。
【図2】倍力装置を示す縦断面図である。
【図3】マスタシリンダを示す縦断面図である。
【図4】クラッチ自動断接の様子を示すタイムチャートである。
【図5】チャンバがないとした場合の同タイムチャートである。
【図6】他の実施の形態を示す図である。
【図7】他の実施の形態を示す図である。
【図8】他の実施の形態を示す要部構成図である。
【図9】倍力装置のヒステリシスを示すグラフである。
【符号の説明】
1 クラッチ断接装置
5 エアタンク
7 倍力装置
8 クラッチ
35,62,68 空圧配管
42 チャンバ
72 コントローラ
74,78,79 電磁弁
75 チェック弁

Claims (1)

  1. 流体圧源と倍力装置とを結ぶ第1の配管と、該第1の配管の上流側と下流側とにそれぞれ直列に設けられた三方電磁弁と、前記第1の配管の前記三方電磁弁間の部分と下流側の前記三方電磁弁の排出ポートとを結ぶ第2の配管と、該第2の配管に直列に設けられたチェック弁及びチャンバとを備え、クラッチ分断は、いずれの前記三方電磁弁も供給側に切り替え、前記倍力装置に流体圧を供給することで行い、クラッチ分断後接続前には、上流側の前記三方電磁弁を供給側に、下流側の前記三方電磁弁を排出側に切替え、上流側の前記三方電磁弁を通過した流体圧で前記チェック弁を閉じつつ、前記倍力装置の流体圧の一部を排出させて前記チャンバに貯留することを特徴とするクラッチ断接装置。
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