JP3796983B2 - クラッチ断接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラッチ断接装置に係り、特に車両のクラッチの自動化を図り得るクラッチ断接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦クラッチを自動断接し得るいわゆるオートクラッチ装置が公知である。これにおいて変速機の変速を行う場合、運転手の変速意志に合わせてクラッチを自動断接する必要があり、変速意志を検知するための手段としてノブスイッチが用いられる。これは、シフト方向(前後方向)に揺動可能なシフトノブに内蔵されたスイッチで、シフトノブが一定以上の操作力で揺動されたとき、ON/OFFが切り替わる仕組みとなっている。ノブスイッチは前方操作時と後方操作時とで異なる電極が接する。これにより現在のギア段と絡めて、シフトノブがギアイン側に操作されたか、ギア抜き側に操作されたかを判断することができる。シフトノブは中立位置を境に前方又は後方に揺動可能で、通常はバネ力で中立位置に戻される。この前後への揺動時にノブスイッチが通常はOFF からONへと切替えられる。
【0003】
一方、ノブスイッチがギア抜き側に切り替わったとき、変速機がギアインなら変速意思ありとみなしてクラッチ自動分断を開始するようになっている。このギアイン状態を検知する手段としてシフトストロークセンサが用いられる。
【0004】
このように、従来は、上記2条件が整ったときクラッチ自動分断が開始されるようになっている。この制御は変速中のいかなるフェーズからでも割り込まれる。なぜなら、運転手がミスシフトしてギアインさせた後、クラッチ自動接続の途中でギアを抜くモードが予想されるからである。なおクラッチ分断後、シフトストロークセンサの出力から変速機がギアインされたと判断したとき、クラッチ自動接続が開始されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の制御方法では、運転手が正常にギアインした直後、一瞬、誤操作等でノブスイッチがギア抜き側に切り替わり、クラッチ接続が必要な状況であるにも拘らず、クラッチ分断が開始されてしまうという問題があった。
【0006】
この問題が生じる原因として、一つにギアイン時に手首を返すような動きがあること、一つにギアインの反動でシフトノブが中立位置を越えギア抜き側まで動いてしまうこと、一つにシフトアシスト装置を組み合わせた場合、そのアシスト力でレバー部の動きがシフトノブの動きを上回り、シフトレバーが引き込まれるような感じでギアインされ、シフトノブがレバー部に対しギア抜き側に倒れてしまうことなどが考えられる。
【0007】
なお、このギア抜き側スイッチが作動する時間は一瞬で、実験的には0.2sec程度である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、変速機がギアイン、シフトレバーのノブスイッチが該シフトレバーの変速操作によりギア抜き側に切り替えられたという2条件が成立したときクラッチ自動分断を開始し、クラッチ分断後、上記変速機が再度ギアインしたときにクラッチ自動接続を開始するクラッチ断接装置において、クラッチストロークを検知するクラッチストローク検知手段を設け、クラッチ自動接続を行う際に、上記2条件が成立していても上記クラッチストローク検知手段の出力に基づきクラッチが半クラッチ領域より断側にあると判断したときは、クラッチ自動接続を継続するためにクラッチ自動分断の開始を中止する自動分断開始中止手段を設けたものである。
【0009】
ここで、前記自動分断開始中止手段が、クラッチが半クラッチ領域より断側にあるか否かをクラッチストロークのニュートラル学習値に基づき判断するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0011】
図1は、本発明に係るクラッチ断接装置を示す全体構成図である。ここではクラッチ断接装置1が大型車両に適用されると共に、クラッチ8のマニュアル断接と自動断接とが可能な所謂セミオートクラッチ装置とされている。図示するようにクラッチ断接装置1は、空圧を供給するための空圧供給手段2を有する。空圧供給手段2は、エンジン91に駆動されて空圧(空気圧)を発生するコンプレッサ3と、コンプレッサ3からの空気を乾燥させるエアドライヤ4と、エアドライヤ4から送られてきた空気を貯留するエアタンク5と、エアタンク5の入口側に設けられた逆止弁6とから主に構成される。この空圧供給手段2からの空圧は倍力装置(クラッチブースタ、クラッチアクチュエータ)7に送られ、倍力装置7はその空圧の供給により摩擦クラッチ8を分断側Aに操作するようになっている。また倍力装置7は、詳しくは後述するが、マスタシリンダ10から油圧も供給されるようになっている。
【0012】
図2は倍力装置7の詳細を示す縦断面図である。倍力装置7は、そのボディ11に接続されたシリンダシェル12を有し、このシリンダシェル12内にピストンプレート(パワーピストン、倍力ピストン)13が、リターンスプリング14により空圧導入側(図中左側)に付勢されて設けられている。シリンダシェル12の一端には空圧ニップル15が取り付けられ、この空圧ニップル15が空圧導入口を形成してエアタンク5からの空圧を空圧配管35(図1)から導入する。空圧が導入されるとピストンプレート13が右側に押動され、こうなるとピストンプレート13はピストンロッド16、ハイドロリックピストン17、さらにはプッシュロッド18を押動してクラッチレバー8a(図1)を分断側Aに押し、クラッチ8を分断する。
【0013】
一方、ボディ11内部には油圧路20が形成され、油圧路20の油圧導入口は油圧ニップル19によって形成されている。油圧ニップル19には油圧配管54の一端が接続される。油圧路20は、ボディフランジ部11aの一端(下端)側に形成された孔21、ハイドロリックピストン17を収容するハイドロリックシリンダ(油圧シリンダ)22(ボディシリンダ部11bに形成される)、及びハイドロリックシリンダ22に小孔23aを介して連通する他端(上端)側の制御孔23によって主に形成される。油圧ニップル19から油圧が導入されると、その油圧は上記通路を通って制御孔23に到達し、制御ピストン24を制御シリンダ25に沿って右側に押動する。このようにボディフランジ部11aの上端側には、詳しくは後述するが、倍力装置7への空圧供給を制御するための制御バルブ部7a(油圧作動弁)が形成される。
【0014】
制御バルブ部7aは右側に突出する制御ボディ部26によって区画される。制御ボディ部26には、前述の制御シリンダ25に同軸に連通するコントロール室27及び空圧ポート28が形成される。コントロール室27には制御ピストン24のコントロール部29が、空圧ポート28にはポペットバルブ30がそれぞれ摺動可能に収容される。空圧ポート28にはニップル31が取り付けられ、このニップル31には空圧配管67(図1)が接続されて空圧が常に供給されている。
【0015】
通常、ポペットバルブ30は、空圧とポペットスプリング32とにより左側に付勢されていて、コントロール室27及び空圧ポート28を連通する連通ポート33を閉じている。よってニップル31からの空圧はポペットバルブ30の位置で遮断される。しかしながら、油圧配管54から油圧が供給されると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を右側に押動して連通ポート33を開く。こうなると、連通ポート33からコントロール室27に侵入した空圧は、詳しくは後述するが、コントロール室27に連通する空圧配管34,35(図1)を通じて前述のシリンダシェル12に入り、ピストンプレート13の左側の空圧作用面13aに作用してこれを右側に押動し、クラッチ8を分断側Aに操作する。
【0016】
ここで、倍力装置7は、供給された油圧の大きさに応じてクラッチ8を所定ストロークだけ操作することができる。即ち、例えば比較的小さい値だけ油圧が増加された場合、前述の空圧作用によりピストンプレート13が右側に押動され、これに連動してハイドロリックピストン17が所定ストロークだけ右側に押動される。すると、油圧路20の容積が増し制御孔23内の油圧が下がり、こうなると、制御ピストン24のコントロール部29がポペットバルブ30を押し付けつつ、ポペットバルブ30が連通ポート33を閉鎖するバランス状態が生じ、これによりコントロール室27、空圧配管34,35、及びピストンプレート13の空圧作用面13a側となる空圧導入室12bにて所定の空圧が保持され、ピストンプレート13及びクラッチ8を所定のストローク位置に保持する。
【0017】
また、油圧が完全に抜かれると、制御孔23内の油圧がさらに下がって、図示の如く制御ピストン24が最も左側の原位置に戻される。こうなると、コントロール部29がポペットバルブ30から離れ、コントロール部29の内部に設けられた開放ポート36がコントロール室27等と連通するようになる。すると、保持されていた空圧は、一部が開放ポート36から大気圧ポート39を通じ空圧導入室12bと反対側の大気室12aに導入され、これによりピストンプレート13を右側に押していた空圧が、今度はリターンスプリング14と協同してそれを反対側の左側に押し、クラッチ8を接続側Bに操作する。そして残りの空圧は、ブリーザ37を通じ大気開放される。
【0018】
特にブリーザ37には、排気のみ可能なチェック弁が内蔵されている為、クラッチ接続時、大気室12aが負圧となり、クラッチ8の接続不良が生じてしまう。これを防止するため、空圧の一部を大気室12aに導き、残りをブリーザ37より排出する必要が有る。
【0019】
なお、倍力装置7において、38はシリンダ室12aとハイドロリックシリンダ22とを油密に仕切るシール部材、40は大気圧ポート、41は緩められたときに作動油のエア抜きを行えるブリーダである。
【0020】
このように、制御バルブ部7aは、クラッチペダル9の操作と連動するマスタシリンダ10からの信号油圧(マスタシリンダ油圧)に基づき、供給側又は排出側に切り替わる油圧作動弁を構成する。
【0021】
図3はマスタシリンダ10の詳細を示す縦断面図である。図示するように、マスタシリンダ10は、長手方向に延出されたシリンダボディ45を有する。シリンダボディ45はその内部に所定径のシリンダボア46を有し、シリンダボア46には特に二つのピストン47,48が独立して摺動可能に装入される。シリンダボア46の一端(左端)開口部には、クラッチペダル9の踏み込み或いは戻し操作に合わせて挿抜するプッシュロッド49の先端部が挿入され、さらにその開口部はダストブーツ50で閉止される。シリンダボア46内の他端側(右側)には、第1及び第2ピストン47,48をピストンカップ51を介して一端側に付勢するリターンスプリング52が設けられる。シリンダボア46の他端は、シリンダボディ45に形成された油圧供給ポート53に連通され、この油圧供給ポート53には図1に示す油圧配管54が接続される。53aはチェックバルブである。
【0022】
図示状態にあっては、クラッチペダル9の踏み込みがなされておらず第1及び第2ピストン47,48は一端側の原位置に位置されている。特にこのときのピストン47,48間に位置されて、シリンダボディ45には空圧導入ポート55が設けられている。このマスタシリンダ10においては、クラッチペダル9によるマニュアル操作のときは両方のピストン47,48が押動されて油圧を供給する。一方、自動操作による場合は、詳しくは後述するが、空圧導入ポート55から空圧が供給されて第2ピストン48のみが適宜押動されるようになっている。なおこのとき第1ピストン47の移動はスナップリング56によって規制される。またこのとき、第1ピストン47が移動しないのでクラッチペダル9は移動しない。57は、作動油のリザーバタンク58(図1)からの給油配管59に接続する給油ニップル、60及び61は、ピストンカップ51の右側及び第2ピストン48の位置にそれぞれ給油を行う小径及び大径ポートを示す。
【0023】
図1に示すように、エアタンク5からは空圧配管62が延出され、この空圧配管62の分岐63からは空圧配管67が分岐され、この空圧配管67は倍力装置7のニップル31に接続される。一方、空圧配管62は最終的にシャトル弁69に接続され、特にその途中には2ウェイ式の二つの三方電磁弁78,79が上流側と下流側とに直列に設けられている。ここで空圧配管62は、エアタンク5及び上流側三方電磁弁78を結ぶ上流部62aと、三方電磁弁78,79間を結ぶ中間部62bと、下流側三方電磁弁79及びシャトル弁69を結ぶ下流部62cとに分けられる。上流側三方電磁弁78の排気側には空圧配管64が接続され、この空圧配管64は倍力装置7のブリーザ37に接続されている。また下流側三方電磁弁79の排気側には空圧配管68が接続され、この空圧配管68は中間部62bに接続されている。
【0024】
三方電磁弁78,79は、コンピュータ内蔵の制御装置或いはコントローラ72からのON/OFF信号(制御信号)に基づいて切替制御される。上流側の三方電磁弁78は、ONのときには上流部62aと中間部62bとを接続して空圧配管64を閉とし、OFF のときには中間部62bと空圧配管64とを接続して上流部62aを閉とする。また下流側の三方電磁弁79は、ONのときには中間部62bと下流部62cとを接続して空圧配管68を閉とし、OFF のときには下流部62cと空圧配管68とを接続して中間部62bを閉とする。
【0025】
シャトル弁(ダブルチェックバルブ)69は機械式三方弁であって、空圧配管62又は34の一方のみを互いの空圧差に基づき空圧配管35に接続する。
【0026】
空圧配管68には、その流路を絞るための絞り部66と、空圧の移動方向を一方向に規制するためのチェック弁75とが直列に設けられている。絞り部66はチェック弁75に対し中間部62b側に設けられる。チェック弁75は、空圧配管68において、中間部62bから下流側三方電磁弁79の排気側に向かうような空圧の移動のみを許容し、逆方向の移動を規制ないし禁止している。
【0027】
一方、空圧配管62の上流部62aにあって、三方電磁弁78の上流側では空圧配管70が分岐され、この空圧配管70がマスタシリンダ10に接続されてマスタシリンダ10への空圧供給を行うようになっている。
【0028】
具体的には、空圧配管70は、マスタシリンダ10の空圧導入ポート55に接続されて第2ピストン48の背面側に空圧を供給或いは排出する。この配管70の下流部には分岐部42が設けられ、分岐部42のそれぞれの分岐管42a,42bに、空圧の移動方向を一方向に規制するためのチェック弁43a,43bが並列に設けられている。
【0029】
一方のチェック弁43aはマスタシリンダ10に向かう空圧移動を規制ないし禁止し、他方のチェック弁43bは逆にマスタシリンダ10から排出されるような空圧移動を規制ないし禁止する。そして例えば一方のチェック弁43aでいえば、内部のスプリングの作用により、マスタシリンダ10側の空圧が、空圧配管62側の空圧より大きくなったときのみ空圧の移動を許容する。
【0030】
さらに、空圧配管70において、分岐部42の上流側では空圧配管73が分岐され、さらにその分岐位置上流側には二方電磁弁80が設けられている。空圧配管73の末端は空圧配管62の下流部62cに接続される。二方電磁弁80は、前記電磁弁78,79と異なり、単純にONのときには開となり、OFF のときには閉となる二方弁である。
【0031】
ここで、詳しくは後述するが、エアタンク5から三方電磁弁78,79、シャトル弁69及び倍力装置7の空圧ニップル15を順に結ぶ空圧配管62,35と、空圧配管62の上流部62a及び下流部62cをバイパスして結ぶ空圧配管70,73とは、クラッチ8の自動分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第1の空圧供給路aを形成する。特に前者の空圧配管62,35は主空圧供給路dを形成し、後者の空圧配管70,73はバイパス空圧供給路eを形成する。
【0032】
また、エアタンク5から分岐63、制御バルブ部7a、シャトル弁69、及び倍力装置7の空圧ニップル15までを順に結ぶ空圧配管62,67,34,35は、クラッチ8のマニュアル分断操作時に、倍力装置7に空圧供給を行うための第2の空圧供給路bを形成する。
【0033】
さらに、上流部62aからマスタシリンダ10までを結ぶ空圧配管70の全体は、クラッチ8の自動分断操作時に、マスタシリンダ10に空圧供給を行うための第3の空圧供給路cを形成する。
【0034】
ところで、かかるクラッチ断接装置1には手動変速機76も備えられる。手動変速機76は通常のマニュアルトランスミッションで、シフトレバー95にリンク等を介して機械的に連結され、運転手のシフトレバー操作に連動して手動で変速されるようになっている。ただし大型車両用なので、後述のシフトアシスト力がなければシフトレバー95が極端に重く、通常の力ではギヤ入れ、ギヤ抜きできない。もっとも強制的に操作すれば変速可能である。シフトレバー95のシフトパターンは図1に示す通りである。1速、3速、5速が前方、ニュートラルが中央、2速、4速、リバースが後方である。
【0035】
シフトレバー95は図9に示すような構造となっている。即ち、変速機76に機械的に連結されるレバー部110の頂部に、シフトノブ111が揺動軸112を介して回動可能に取り付けられ、その揺動軸112回りをシフト方向ないし前後方向に揺動できるようになっている。なお図の右側が前方、左側が後方である。(b) 図はシフトノブ111が中立位置にあるときの状態、(a) 図はシフトノブ111が後方から押され前方に揺動したときの状態、(c) 図はシフトノブ111が前方から押され後方に揺動したときの状態をそれぞれ示す。
【0036】
シフトノブ111にノブスイッチ77が内蔵され、これはシフトノブ111に固定されたノブ電極112と、レバー部110の前後に設けられた前方電極113及び後方電極114とからなっている。各電極はコントローラ72に接続される。ノブ電極112に断面V字状のボール穴115が設けられ、このボール穴115にボール116がレバー部110側からバネ117で押し付けられる。これによりシフトノブ111は通常(b) 図に示すような中立位置に戻される。このときノブ電極112は前方電極113及び後方電極114のいずれにも接しておらず、ノブスイッチ77はOFF である。
【0037】
一方、(a) 図に示すように、シフトノブ111が後方から押されると、ボール116が先の中立状態から外れ、シフトノブ111がバネ117の力に逆らってレバー部110に対し前方に揺動し、ノブ電極112が前方電極113に接する。このようにノブスイッチ77が前方操作側にONされたことにより、コントローラ72はシフトレバー95が前方へと操作されたことを認識できる。バネ117はスイッチ反応荷重を決定し、これを越える力がシフトノブ111に加われば、シフトノブ111が揺動し、ノブスイッチ77がOFF からONへと切り替えられる。
【0038】
この後は、図示しないが、シフトノブ111がレバー部110に接触し、シフトノブ111に加えられた力がレバー部110に直接伝達され、レバー部110が動作して変速機76を変速できる。(c) 図に示すように、シフトノブ111が前方から押されたときも逆の動きをし、ノブ電極112が後方電極114に接し、コントローラ72がシフトレバー95が後方に操作されたことを認識できる。
【0039】
変速機76の変速操作部は図7に示すような構造となっている。即ち、変速機76の実質的な変速操作を行うシフターレバー100が設けられ、これはシフトレバー95のレバー部110に連結されると共に、レバー部110のシフト方向の動作に連動してシャフト101回りを回動される。シフトレバー95のニュートラル位置、前方のギアイン位置(1速、3速、5速)、後方のギアイン位置(2速、4速、リバース)にそれぞれ対応して、シフターレバー100は図中N、F、Rと表示された位置に位置される。
【0040】
シフターレバー100の回動量、即ち変速機76のシフトストロークがシフトストロークセンサ102で検知される。シフトストロークセンサ102は図8に示すようにシフトストロークSに比例した電圧Vを出力する。なお全ストロークΔSに対応した出力電圧がΔVである。変速機76がニュートラルのとき、シフトストロークはSN の範囲内、シフトストロークセンサ102の出力電圧はVN の範囲内にある。同様に、変速機76が前方のギアイン位置にあれば、シフトストロークはSF 、シフトストロークセンサ出力電圧はVF の範囲内にある。また変速機76が後方のギアイン位置にあれば、シフトストロークはSR 、シフトストロークセンサ出力電圧はVR の範囲内にある。よってコントローラ72はこれら電圧値に基づき、変速機76がニュートラル、前方のギアイン位置、後方のギアイン位置のいずれにあるかを判断できる。
【0041】
なお、これと同様、シフトレバー95のセレクト方向(左右方向)の動きに対応した変速機76のセレクトストロークも、図示しないセレクトストロークセンサで検知されるが、これの電圧値が変化しても変速機76は常にニュートラルなので、特に本発明には関係なく、ここでは説明を割愛する。
【0042】
一方、変速機76のニュートラルがニュートラルスイッチ103で検知される。即ち、シフターレバー100がニュートラル位置にあると、ニュートラルスイッチ103のディテントボール104がシフターレバー100のV字状ディテント溝105に嵌まり込み、ニュートラルスイッチ103がONとなる。これによってもコントローラ72は変速機76がニュートラルであることを判断できる。逆に、シフトレバー95がシフト操作され、シフターレバー100が回動してディテントボール104がディテント溝105から外れたときは、ディテントボール104が引っ込んでニュートラルスイッチ103がOFF となり、コントローラ72は変速機76をニュートラル外と判断する。
【0043】
ここで図1に戻って、シフトレバー95と変速機76との間には、シフトアシスト装置としての空圧アシスター71が介設されている。これは空圧が導入されたときに作動して、その空圧に比例するシフトアシスト力を発生し、シフトレバー操作力を軽減するものである。空圧アシスター71には、空圧を導入すべく、空圧配管67から分岐された空圧配管65が接続され、空圧配管65には、コントローラ72によりON/OFF制御される三方電磁弁90が設けられる。
【0044】
三方電磁弁90は、いわゆるノーマルクローズのものが採用され、ONのとき供給側に切り替わり、空圧配管67の上流側(エアタンク5側)と下流側(空圧アシスター71側)とを連通し、空圧アシスター71への空圧供給を実行する。逆にOFF のときには排出側に切り替わり、エアタンク5からの空圧を遮断すると共に、空圧配管65の下流側を、三方電磁弁90の排気ポートに接続された空圧配管81に連通し、空圧アシスター71の空圧をブリーザ37から大気開放する。
【0045】
一方、かかるクラッチ断接装置1は、ディーゼルエンジン91のエンジン制御を実行するエンジン制御手段をも有している。エンジン制御手段はコントローラ72からなり、コントローラ72は、各センサから受け取った各種信号に基づき、燃料噴射量を決定し、その燃料噴射量に見合った制御信号を燃料噴射ポンプ92の電子ガバナに出力する。特に、アクセルペダル99にはアクセルペダルストロークセンサ82が設けられ、コントローラ72は、そのセンサ82の出力信号からアクセルペダル開度を読取り、これに基づいてエンジン回転数を増減させるようになっている。詳しくは、コントローラ72は、実際のアクセルペダル開度を疑似的なアクセルペダル開度である制御アクセル開度に通常はそのまま置換し、これに基づきエンジン制御を実行している。なお、コントローラ72は、クラッチ8の自動断接時にはアクセルペダル開度とは無関係に、最適な制御アクセル開度を決定してこれのみに基づきエンジン制御を実行する。
【0046】
他、コントローラ72には、アクセルペダル99に設けられたアイドルスイッチ83、シフトレバー95付近に設けられた非常スイッチ84、変速機76の出力軸付近に設けられた車速センサ85、エアタンク5に設けられた圧力スイッチ86、クラッチペダル9に設けられたペダルスイッチ87及びクラッチペダルストロークセンサ89、及びクラッチ8に設けられたクラッチストロークセンサ88等が接続される。特にクラッチストロークセンサ88はクラッチストロークに比例した電圧信号を出力する。
【0047】
またコントローラ72には、エンジン回転数を検知するためのエンジン回転数センサ93や、クラッチ回転数を検知するためのクラッチ回転数センサ94も接続される。エンジン回転数センサ93はエンジン91の出力軸或いはクラッチ8の入力軸付近に設けられ、クラッチ回転数センサ94はクラッチ8の出力軸或いは変速機76の入力軸付近に設けられる。これらセンサ93,94は、クラッチ8の入力側回転数と出力側回転数とをそれぞれ検出するためのものでもある。なおコントローラ72は、クラッチ制御用、エンジン制御用といった各機能別の複数のコントローラ(ECU,CPU 等)から構成しても構わない。
【0048】
次に、上記装置の動作説明を行う。
【0049】
先ず、クラッチ8のマニュアル分断操作は以下のようにして行われる。クラッチペダル9を踏み込むと、マスタシリンダ10から油圧が供給され、この油圧は、前述したように、制御バルブ部7aを供給側に切り替えて空圧配管67及び34を接続ないし連通させる。こうなると、配管34の空圧はシャトル弁69を切り替えて配管35に至り、倍力装置7の空圧導入室12bに移動する。そして、ピストンプレート13を押動し、クラッチ8を分断させる。このときクラッチ8はクラッチペダル9の操作量に応じた量だけ分断される。
【0050】
他方、クラッチ8のマニュアル接続操作時、クラッチペダル9の戻し操作により油圧が抜かれると、前述のように制御バルブ部7aが排出側に切り替わり、空圧配管34と大気圧ポート39とが連通されるようになる。こうなれば、空圧導入室12bの空圧が、配管35,34を経由して大部分が大気室12aに導入され、残りがブリーザ37から大気開放され、これによりクラッチ8の接続が達成される。
【0051】
ここで分かるように、制御バルブ部7aは、マスタシリンダ10からの油圧信号(パイロット油圧)を受けて、空圧配管34を空圧配管67或いは大気圧ポート39のいずれか一方に連通させる三方弁の如く機能する。また空圧供給手段2、第2の空圧供給路b、倍力装置7、制御バルブ部7a、マスタシリンダ10、油圧配管54及び油圧路20が、クラッチペダル操作に基づきクラッチをマニュアル断接するマニュアル断接手段を構成する。
【0052】
特に本装置では、車両発進時にマニュアル操作のみによってクラッチ8を接続することとしている。これによって大幅な制御の簡略化が図れ、発進時の複雑なクラッチ制御を行わなくて済む。
【0053】
ここで、上述のマニュアル断接の様子を図示すると図4のようになる。まず、クラッチペダル9がその遊びの範囲内で僅かに踏まれ、ペダルスイッチ87がONとなった時、コントローラ72は運転手がマニュアル断接しようとしている意思を知り、電磁弁78,79,80を通常のOFF 状態に維持すると共に(図示せず)、電磁弁(M/V) 90をONにする。電磁弁90のONにより空圧アシスター71が作動し、シフトアシスト力が発生させ、変速機76が変速可能となる。
【0054】
ペダルスイッチ87のONからやや遅れてクラッチ8が分断側にストロークし始める。そしてクラッチペダル9が最後まで踏まれると、クラッチ8が完断される。このとき運転手はシフトレバー95を操作し、変速を行うこととなる。この後クラッチペダル9が戻されればクラッチ8が接続される。クラッチペダル9が完全に戻される直前でペダルスイッチ87がOFF となり、これを受けてコントローラ72は電磁弁90をOFF にし、空圧アシスター71を非作動とし、シフトアシスト力を解除する。こうするとシフトレバー95が極端に重くなり、変速機76の変速が実質禁止される。これによってシフトロックが達成される。
【0055】
次に、クラッチ8の自動断接操作について説明する。本装置ではクラッチ自動断接を車両走行中の変速時のみ行う。もっとも、制御の複雑化を容認するのであれば、車両発進時の制御を加えるようにしても構わない。
【0056】
図5は、変速時におけるクラッチ自動断接の様子を示したものである。図中に示すクラッチストロークの各制御値CS1 〜CS4 はコントローラ72が予め記憶している。なおクラッチストロークの値は実際にはクラッチストロークセンサ88により電圧値に置き換えられる。これらクラッチストロークないしセンサ電圧の値はクラッチ分断側ほど大きな値をとる。
【0057】
図示するように、運転手が時間T0 でシフトレバー95を操作し、変速を開始したとする。このとき電磁弁(M/V) 90はOFF であり、空圧アシスター71は作動されてない。よってアシスト力がないため、通常の操作力でシフトレバー95を操作しても、レバー自体は動かず、シフトノブが揺動してノブスイッチ77がONとなるのみである。
【0058】
こうしてノブスイッチ77がONされると、これを合図にコントローラ72はクラッチ8の自動分断を開始する。なおこの自動分断開始条件については後述する。クラッチ自動分断は電磁弁78,79,80をONにすることにより行う。
【0059】
こうすると、前述の第1の空圧供給路aを通じて、倍力装置7の空圧導入室12bに空圧が供給され、クラッチ自動分断が開始される。特にこのときの分断は、空圧が二つの空圧供給路、即ち主空圧供給路(配管62,35)とバイパス空圧供給路(配管70,73)とを通じて送られるため、最も速い速度で行われることとなる(クラッチ最速断)。
【0060】
一方、このときマスタシリンダ10にも空圧が供給され、これにより第2ピストン48が押動されて油圧通路内が適当に加圧される。ここで油圧通路とは作動油が満たされる全ての部位をいい、油圧配管54、油圧路20及びハイドロリックシリンダ22を含む。図2を参照して、クラッチ自動分断が行われると、ハイドロリックピストン17が右側に移動し、作動油が充填されているハイドロリックシリンダ22の容積が増し、これにより油圧通路内に負圧が生じて、作動油に気泡が混入する虞がある。そこで本装置1では、クラッチ8の自動分断時に空圧でマスタシリンダ10を作動させ、油圧通路内を加圧するようにしている。こうすると、油圧通路内の負圧化を未然に防止することができる。なおこのときには、チェック弁43bが開となって空圧供給を許容する。
【0061】
次に、クラッチ分断の過程で、クラッチ8が半クラッチ領域の接側境界位置の直前、具体的にはクラッチストロークが半クラッチ領域を規定する最小値より小さいアシストしきい値CS1 となった時(時間T1 )、コントローラ72は電磁弁90をONにし、空圧アシスター71の作動を開始する。このアシストしきい値CS1 は実験等に基づき決定される値である。こうした場合、実際には作動遅れがあるため、空圧アシスター71が十分なアシスト力を発生するのは、ある程度時間を経過した後、具体的にはクラッチ8が半クラッチ領域を過ぎ分断された後となる。また逆にそうなるようにアシストしきい値CS1 が設定されている。
【0062】
こうしてアシスト力が発生すると、シフトレバーが軽くなり、通常の操作力で操作可能となり、変速機76のギヤ抜きが行えるようになる。そこで運転手はアシスト力発生と同時に変速機76をギヤ抜きすることとなろう。このようにしたのはクラッチ8がつながっている限りシフトレバー95の操作感を重くし、シフトロックを達成するためである。これにより例えばクラッチ接続中の強制操作によるギヤ抜き等が防止できる。
【0063】
ところで、クラッチ8における半クラッチ領域の断側境界位置に対応するクラッチストロークの値CS2 は、後述のニュートラル学習によってコントローラ72が学習値として記憶している。クラッチ分断中、クラッチストロークが学習値CS2 に達した時、コントローラ72は電磁弁79をOFF にする。こうすると、バイパス空圧供給路(配管70,73)側からのみ倍力装置7への空圧供給がなされ、クラッチ分断速度は最速ではないが高速で分断されるようになる(クラッチ高速断)。つまりこの時点でクラッチ分断速度は若干低速側に切り替えられることになる。
【0064】
このようにクラッチ分断速度を遅くする理由は、最速のまま最後までクラッチ断すると、倍力装置7のピストンプレート13が停止時にピストンストッパに高速で突き当たってしまい、耐久性の面で問題が生じるからである。
【0065】
こうして、クラッチ8が完断されたらこの状態を保持する。この間運転手はシフトレバー95をセレクト、シフト操作し、次のギア段にギア入れを行うであろう。このとき電磁弁79がOFF で、空圧が電磁弁79を排出方向に流れるが、電磁弁78がONで、これを通過した供給方向の空圧がチェック弁75を閉じるので、倍力装置7からの空圧の排出は防止される。
【0066】
次に、変速機76がギアインされると、シフトストロークセンサ102からVF 又はVR の電圧信号がコントローラ72に送られる(時間T2 )。これを合図にコントローラ72はクラッチ8の接続を開始し、同時に電磁弁78をOFF 、電磁弁79をONにする。すると倍力装置7の空圧が配管35、シャトル弁69、下流部62c、電磁弁79、中間部62b、電磁弁78、配管64、ブリーザ37という経路で排出され、クラッチ8が急接(高速接)される。またこれに合わせてマスタシリンダ10からも空圧が排出され、この空圧はチェック弁43aを開かせた後、空圧配管73を通じて倍力装置7から排出された空圧と合流し、排出されていく。
【0067】
倍力装置7とマスタシリンダ10とからそれぞれ空圧が同調されながら排出されるので、互いの排出速度合わせをしなくて済み、油圧通路内の負圧化を防止できると共にセッティングが容易化する。またチェック弁43aによりマスタシリンダ10側の空圧が必ず高くなるので、油圧通路内の負圧化防止の完全化が図れる。
【0068】
このクラッチ8の接続過程で、クラッチストロークが接速度切替値CS3 に達すると、コントローラ72は電磁弁79をOFF にし、クラッチ接続速度を低速側に切り替える。ここで接速度切替値CS3 は先の学習値CS2 に一定値ΔCSを加えたものである。このようにクラッチストロークがCS2 になる手前で切り替えるのは作動遅れを考慮したためである。このタイミングで電磁弁79をOFF にすると、クラッチストロークが学習値CS2 になると同時か少なくともそれより断側でクラッチ接続速度が切り替えられる。よって半クラッチ接続の際は必ず低速接続でき、クラッチ接続ショックが確実に防げる。なおΔCSの値はクラッチの摩耗状況等に応じて変更され、複数記憶された値のうちから最適な一つが選択される。
【0069】
電磁弁79をOFF にすると、空圧が電磁弁79、チェック弁75、絞り部66、電磁弁78、ブリーザ37というルートを辿って排出される。よって絞り部66を通過するので、空気の移動速度が低速となりクラッチ8は緩接(低速接)される。
【0070】
次に、エンジン回転数センサ93とクラッチ回転数センサ94との出力から、コントローラ72がこれら回転数が一致しクラッチ同期と判断したならば、再度電磁弁79をONにし、クラッチ8を急接する。これにより接続時間の短縮が図れる。
【0071】
この後、クラッチストロークがアシストしきい値CS1 となったら電磁弁90をOFF する。すると空圧アシスター71に供給されていた空圧がブリーザ37から排出され、シフトアシスト力が解除され、シフト操作が実質不能となり、シフトロックが達成される。
【0072】
そしてクラッチストロークが完接直前の値CS4 に達したら、電磁弁79をOFF し元の待機状態に復帰する。以上により一連のクラッチ自動断接とマニュアル変速とが終了する。
【0073】
以上の説明で分かるように、上記構成においては、空圧供給手段2、第1の空圧供給路a(d,e)、倍力装置7、電磁弁78,79,80、空圧配管35,62,64,68,70,73及びコントローラ72が、所定の制御信号に基づきクラッチ8の自動断接を実行する自動断接手段を構成する。
【0074】
ここで、本装置では前記学習値CS2 を定めるため、以下の要領でニュートラル学習を行っている。このときのクラッチ接続の様子を図6に示す。
【0075】
まず、コントローラ72が、所定の学習開始条件を満足したと判断したとき、クラッチ8を最高速断、続けて高速断する。そしてクラッチ回転数センサ94の出力に基づき、クラッチ出力側の回転が停止するまで待ち、回転が停止したらクラッチ8を低速で自動接続させていく。クラッチがつながって連れ回りし始め、クラッチ出力側回転数が上昇して所定のしきい値に達した時、その時のクラッチストローク値CS2 を半クラッチ領域の断側境界値(連れ回り点)として学習する。以降はクラッチを自動で高速接し、学習を完了する。学習開始条件は以下の通りである。
【0076】
▲1▼ システムスイッチON
イグニッションキーがONされ、コントローラ72にバッテリ電力が供給された場合である。
【0077】
▲2▼ 車両停止
コントローラ72が車速センサ85の出力から車速ゼロと判断した場合である。
【0078】
▲3▼ エンジンが停止していない
コントローラ72がエンジン回転数センサ93の出力からエンジン回転中と判断した場合である。
【0079】
▲4▼ クラッチペダルが踏まれていない
コントローラ72がペダルスイッチ87がOFF と判断した場合である。
【0080】
▲5▼ ダイアグスイッチOFF
コントローラ72が自己の故障診断機能に基づきシステム正常と判断した場合である。
【0081】
▲6▼ クラッチが自動制御されていない
コントローラ72が、電磁弁78,79,80が全てOFF で、クラッチストロークがCS4 以下と判断した場合である。
【0082】
▲7▼ ギアポジション=ニュートラル
シフトストロークセンサ102の出力電圧がVN 、ニュートラルスイッチ103がONで、コントローラ72が変速機76がニュートラルと判断した場合である。
【0083】
▲8▼ 変速目標ギア=ニュートラル
コントローラ72が、ノブスイッチ77がOFF で現在シフト中でないと判断した場合である。
【0084】
▲9▼ 学習許可フラグが立っている
▲1▼〜▲8▼の条件が成立し、コントローラ72が学習許可フラグを立てた場合である。
【0085】
ところで、従来、図5に示したような変速を伴うクラッチ自動断接の過程において、変速機76が次のギアにギアインされた直後、誤操作でギア抜き側のノブスイッチ77が一瞬ONとなり、クラッチ8を接続しなければならないにもかかわらず自動分断が開始されてしまう問題があった。そこで本装置ではこれを以下のように解消している。
【0086】
図10は本装置におけるクラッチ自動分断開始制御の内容を示すフローチャートである。このフローはノブスイッチ77がONになったと同時に開始される。ここでノブスイッチ77がONとなるのは、図9(a) に示したようにシフトノブ111が前方に押され、ノブ電極112が前方電極113に接した場合と、図9(c) に示したようにシフトノブ111が後方に押され、ノブ電極112が後方電極114に接した場合とである。そこで前者でONとなるスイッチを「ノブスイッチ前側」、後者でONとなるスイッチを「ノブスイッチ後側」としてそれぞれ区別し、これらをコントローラ72で判別するようにしている。図10に示すフローは両者いずれの場合においても開始される。
【0087】
コントローラ72は、最初のステップ131でシフトストロークセンサ102の出力から変速機76がギアイン状態か否かを判断する。シフトストロークセンサ102の出力電圧がVF 又はVR の範囲内にあれば(図8参照)、変速機76がギアイン状態にあると判断し、次のステップ132に進む。出力電圧がそれら範囲内になければ本制御を終了する。
【0088】
ステップ132では、クラッチストロークセンサ88の出力から、クラッチ8が半クラッチ領域より接側にあるか否かを判断する。具体的には、クラッチストロークセンサ88の出力電圧が学習値CS2 に相当する値より大きいとき断側、その値以下のとき接側と判断する。接側のときはステップ133に進み、断側のときは本制御を終了する。特に断側のときは、従来技術の項で述べたように、運転手の誤操作によりギアイン直後、ノブスイッチ77がONされた場合とみなせるので、この場合はクラッチ自動分断の開始を中止する。
【0089】
ステップ133では、シフトストロークセンサ102の出力から、現在のギアポジションが1速、3速又は5速か否かを判断する。シフトストロークセンサ102の出力電圧がVF の範囲内にあればそれらギアポジションにあると判断し、ステップ134に進む。VR の範囲内にあればそれらギアポジションにないと判断し、ステップ135に進む。
【0090】
ステップ134ではノブスイッチ後側がONか否かを判断する。即ち、本制御開始のきっかけとなったノブスイッチ77のONが、シフトノブ111が後方に倒されてONになったのか、そうでないのかを判断している。本ステップにおけるギアポジションは1速、3速又は5速で、前方のギアポジションである。よってノブスイッチ後側がONされたということは、ノブスイッチ77がギア抜き側に切り替わり、正常に、運転手の変速意志によってギア抜き操作が開始されたことを意味する。そこで、この場合はステップ136に進み、直ちにクラッチ自動分断を開始する。
【0091】
逆に、ノブスイッチ後側によるONでないときは、前側つまりギアイン側がONされたことになり、誤操作によるスイッチONとみなすことができる。そこで、この場合はステップ137に進み、変速意志なしとみなしてクラッチ自動分断の開始を中止する。
【0092】
同様に、ステップ133でギアポジションが1速、3速又は5速でない、即ち後方のギアポジションにあり、ステップ135でノブスイッチ前側がONされたと判断したときは、正常な運転手の変速意志に基づく変速操作とみなせるので、ステップ136に進んでクラッチ自動分断を開始する。逆にステップ135でノブスイッチ後側によるONと判断したときは、運転手の誤操作とみなせるので、ステップ137に進み、クラッチ自動分断の開始を中止する。
【0093】
以上の本制御においては、特にステップ132を設けた点に特徴がある。これは、変速終了後のクラッチ接続過程で、クラッチストロークが完断値から学習値CS2 になるまでにある程度の時間、具体的には0.2sec程度を要するため、これを利用して運転手の変速意思を判断するようにしたものである。即ち、従来技術の項で述べたように、ギアイン直後から誤操作でノブスイッチ77がONされている時間は0.2sec以下と先の時間より短い。よって先の時間が経過するまでの間、ノブスイッチ77の信号を受け付けないようにすることで、誤操作に基づくクラッチ自動分断の開始を防止できる。
【0094】
このように、本制御においては、変速機がギアイン、ノブスイッチがギア抜き側にONされたという2条件が成立しても、クラッチストロークがニュートラル学習値CS2 より大きい断側のときは、クラッチ自動分断の開始を中止するので、誤操作等によるギアイン直後のクラッチ自動分断開始を防止できる。
【0095】
また、本制御においては、クラッチストロークがニュートラル学習値CS2 以下つまり接側のときは、クラッチ分断要求を受け付けるので、ミスシフト等でギアイン後ギア抜きする場合にも、従来通り問題なく対応できる。
【0096】
以上、本発明は上記実施の形態に限るものではない。例えば、ノブスイッチの信号に基づき手動変速機をアクチュエータで自動変速するものにおいても本発明は適用できる。
【0097】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、シフト誤操作等に基づくギアイン直後のクラッチ自動分断開始を防止できるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ断接装置を示す全体構成図である。
【図2】倍力装置を示す縦断面図である。
【図3】マスタシリンダを示す縦断面図である。
【図4】クラッチのマニュアル断接の様子を示すタイムチャートである。
【図5】クラッチの自動断接の様子を示すタイムチャートである。
【図6】ニュートラル学習時のクラッチ自動断接の様子を示すタイムチャートである。
【図7】変速機の変速操作部を示す図である。
【図8】シフトストロークとシフトストロークセンサ出力電圧との関係を示すグラフである。
【図9】シフトレバーの構造を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係るクラッチ自動分断開始制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 クラッチ断接装置
2 空圧供給手段
7 倍力装置
7a 制御バルブ部
8 クラッチ
9 クラッチペダル
10 マスタシリンダ
20 油圧路
34,35,62,64,65,67,68,70,73 空圧配管
54 油圧配管
72 コントローラ
76 手動変速機
77 ノブスイッチ
78,79,80,90 電磁弁
88 クラッチストロークセンサ
95 シフトレバー
102 シフトストロークセンサ
CS2 ニュートラル学習値
2 ,V3 ギアイン範囲の電圧
a 第1の空圧供給路
b 第2の空圧供給路
d 主空圧供給路
e バイパス空圧供給路

Claims (2)

  1. 変速機がギアイン、シフトレバーのノブスイッチが該シフトレバーの変速操作によりギア抜き側に切り替えられたという2条件が成立したときクラッチ自動分断を開始し、クラッチ分断後、上記変速機が再度ギアインしたときにクラッチ自動接続を開始するクラッチ断接装置において、クラッチストロークを検知するクラッチストローク検知手段を設け、クラッチ自動接続を行う際に、上記2条件が成立していても上記クラッチストローク検知手段の出力に基づきクラッチが半クラッチ領域より断側にあると判断したときは、クラッチ自動接続を継続するためにクラッチ自動分断の開始を中止する自動分断開始中止手段を設けたことを特徴とするクラッチ断接装置。
  2. 前記自動分断開始中止手段が、クラッチが半クラッチ領域より断側にあるか否かをクラッチストロークのニュートラル学習値に基づき判断する請求項1記載のクラッチ断接装置。
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