JP3856261B2 - 同期検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
【0002】
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題(図18〜図21)
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)第1の実施の形態(図1〜図5)
(2)第2の実施の形態(図6及び図7)
(3)第3の実施の形態(図8及び図9)
(4)第4の実施の形態
(4−1)同期検出装置の全体構成(図10)
(4−2)相関係数発生器の構成(図11)
(4−2−1)PNデコーダのコード発生原理(図12〜図14)
(4−3)同期検出装置における動作手順(図15〜図17)
(4−4)動作及び効果
(5)他の実施の形態
発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明は同期検出装置に関し、特にDS−CDMA(Direct Sequence-Code Division Multiple Access :直接拡散・符号分割多重)方式による基地局間非同期のセルラー無線通信システムに適用して好適なものである。
【0004】
【従来の技術】
DS−CDMA方式は拡散符号を用いた多重化方式であり、次世代移動体通信方式の無線アクセス方式の1つとして、セルラー無線通信システムへの適用が盛んに検討されている。セルラー無線通信システムにおいては、通信サービスを提供するエリアを所望の大きさのセルに分割して当該セル内にそれぞれ固定局としての基地局を設置し、移動局である通信端末装置は通信状態が最も良好であると思われる基地局と無線接続するようになされている。
【0005】
このようなセルラー無線通信システムにおいて、移動局が接続する基地局を探すことは一般にセルサーチと呼ばれている。DS−CDMA方式のセルラー無線通信システムでは、各基地局が同一周波数を使用するためこのセルサーチと同時に受信信号に含まれる拡散符号のタイミングを捕捉しなければならない。
【0006】
ところでDS−CDMA方式を用いたセルラー無線通信システムは、全基地局間の時間同期を取る基地局間同期システムと、これを行わない基地局間非同期システムとの2種類に分類できる。基地局間同期システムはIS−95規格によつて規格化されているように、GPS(Global Positioning System )の電波を使用して各基地局で絶対基準時刻を設定するようになされており、これにより基地局間の時間的な同期を取るようになされている。このシステムの場合、各基地局では拡散符号として同一のロングコードをその絶対基準時刻を基準にして基地局毎に異なるタイミングで送信するようになされており、これによりセルサーチ時には移動局はロングコードのタイミングのみを捕捉するだけで接続先の基地局を探すことができる。
【0007】
これに対して基地局間非同期システムでは、基地局の識別のために各基地局毎に異なるロングコードを送信するようになされており、このためセルサーチ時には移動局はそのロングコードのタイミングを検出すると共にそのロングコードの種別を検出する必要がある。このため基地局間非同期システムの場合には、基地局間同期システムと比較するとセルサーチに要する時間が大きくなるといつたデメリツトがある。しかしその反面、基地局間非同期システムでは、GPSの電波を受信しなくても良いのでGPSの電波が届かないような場所に対してもサービスエリアを拡張することができ、セルサーチに関する問題を解決し得れば、非常に有効なシステムである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで基地局間非同期システムにおけるセルサーチ時間を早める方法として、いくつかの方法が考えられる。その1つは、ロングコードと共に、各基地局で共通のコモンシヨートコードとそのロングコードのグループを特定するためのグループ識別シヨートコードとを送り、これらのシヨートコードを基に送られてくるロングコードのタイミング及びコード種別を検出する方法が考えられる。なお、以降の説明では、コードのタイミング及びコード種別を検出することを単に同定と呼ぶ。
【0009】
この方法を具体的に説明すると、基地局は図18に示すような制御チヤネルの信号生成部1を有しており、この信号生成部1を使用してロングコード、コモンシヨートコード及びグループ識別シヨートコードを合成した送信データを生成し、これを制御チヤネルを介して送信するようになされている。まず第1の乗算器2では、入力される例えば値「1」でなる情報ビツトS1を各基地局で共通の比較的周期の短いコモンシヨートコードCSCで順次拡散し、その拡散データS2を第2の乗算器3に出力する。第2の乗算器3にはコモンシヨートコードCSCに比して周期の長いロングコードLCが入力されており、当該第2の乗算器3はこのロングコードLCを用いて拡散データS2を順次拡散し、その拡散データS3を加算器5に出力する。
【0010】
因みに、このロングコードLCは基地局毎に固有のものであり、このロングコードLCによつて基地局が識別される。またアンド回路4に対してはロングコードイネーブル信号LCEが入力されており、このロングコードイネーブル信号LCEを所定周期でレベル「L」にすることにより、第2の乗算器3に供給されるロングコードLCはそのレベル「L」の区間だけマスクされるようになされている。従つて第2の乗算器3から出力される拡散データS3はロングコードイネーブル信号LCEがレベル「L」の区間だけ、ロングコードLCで拡散されていないことになる。なお、以降の説明では、このロングコードLCがマスクされた区間を単にマスク区間と呼ぶ。
【0011】
一方、第3の乗算器6にはこの信号生成部1で使用するロングコードLCのグループを示すものであつてコモンシヨートコードCSCと周期が等しいグループ識別シヨートコードGISCが入力されており、当該第3の乗算器6は例えば値「1」でなる情報ビツトS4をこのグループ識別シヨートコードGISCで拡散し、その拡散データS5を加算器5に出力する。因みに、拡散データS5はロングコードLCのマスク区間だけ生成されるようになされている。
【0012】
加算器5ではこれらの拡散データS3及びS5を加算することにより制御チヤネルで送信する送信データS6を生成する。かくしてこの送信データS6を送信回路及びアンテナ(図示せず)を介して制御チヤネルで送信することにより、ロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが含まれた送信信号が基地局から送信される。
【0013】
ここで基地局から出力された送信信号に含まれるロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCのタイミングを図19に示す。この図19に示すように、送信信号内にはコモンシヨートコードCSCは繰り返し存在している。またロングコードLCも送信信号内に繰り返し存在している。但し、ロングコードLCは周期TMKでコモンシヨートコードCSCに同期した区間だけマスクされている。またロングコードLCのマスク区間においては、拡散データS5が加算されているので、そのマスク区間にはグループ識別シヨートコードGISCが存在している。
【0014】
このようなタイミングで各コード(CSC、GISC及びLC)が含まれている送信信号を移動局において受信してその受信信号の中に含まれているロングコードLCを同定する場合には、まず受信信号の中からマスク区間に存在するコモンシヨートコードCSCを検出してロングコードLCのタイミングを検出し、それが検出し得ると、続いてそのマスク区間に存在するグループ識別シヨートコードGISCの種別を判定する。この場合、グループ識別シヨートコードGISCは受信信号中に含まれるロングコードLCのグループを示しており、グループ識別シヨートコードGISCの種別を判定し得れば、ロングコードLCの候補をそのグループに特定することができる。
【0015】
従つてグループ識別シヨートコードGISCを判定し得た後は、そのグループ識別シヨートコードGISCが示すグループ内のロングコードLCに候補を絞つてその候補であるかどうかを順番に確認して行けば、受信信号中に含まれるロングコードLCの種別を判定することができる。このようにしてグループ識別シヨートコードGISCによつて候補数を減らすことができることから、単に全てのロングコードLCを候補とする場合に比してロングコードLCの種別を判定するまでの時間を短縮することができる。
【0016】
ここでこのような方法によつて受信信号に含まれるロングコードLCを同定する同期検出装置を図20に示す。この図20において、10は全体として移動局に設けられる同期検出装置を示し、アンテナ及び受信回路(図示せず)を介して受信した受信信号S10を受けて、当該受信信号S10の中に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングを検出すると共に、そのロングコードLCの種別を判定するものである。すなわちセルサーチ時において最も信号レベルが強いロングコードLCのタイミング及びコード種別を判定することにより基地局を判別するためのものである。
【0017】
まずマツチトフイルタ11は受信信号S10及びシヨートコードジエネレータ12で発生したコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC との相関値を順に検出し、その相関値データS11をメモリ13に格納する。なお、マツチトフイルタ11では、少なくともロングコード周期の3周期分程度の期間において相関値を検出するようになされている。
【0018】
最大相関検出回路14はメモリ13に蓄えられている相関値データS11を読出し、その中から最も相関値が大きいものを検出し、その最も大きい相関値が得られたタイミングを受信信号S10に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングであるとしてそのタイミングを示すタイミング情報S12を出力する。なお、このタイミング情報S12は、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコード及びロングコードLCのレプリカコードを発生するためのタイミング情報S12としてシヨートコードジエネレータ12及びロングコードジエネレータ15にも出力される。また最大相関検出回路14は検出した最も大きい値を有する相関値データS13を閾値決定回路18に出力する。
【0019】
シヨートコードジエネレータ12はタイミング情報S12を受けると、そのタイミング情報S12が示すタイミングで複数存在するグループ識別シヨートコードGISCのうち最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生し、これを乗算器16を介してスライデイング相関器17に出力する。
【0020】
一方、閾値決定回路18は、相関値データS13を基にグループ識別シヨートコードGISCの種別を判定するための第1の閾値及びロングコードLCの種別を判定するための第2の閾値をそれぞれ決め、これを閾値データS14として後述する判定部19に出力する。
【0021】
スライデイング相関器17は、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCと入力される受信信号S10とを順次乗算してその乗算結果をレプリカコードDGISCの1周期分積分して相関値を算出し、その相関値データS15を判定部19に出力する。
【0022】
判定部19はスライデイング相関器17から出力される相関値データS15の大きさが第1の閾値を越えたか否かを判断し、越えていなければシヨートコードジエネレータ12に制御信号S16を出力してグループ識別シヨートコードGISCの次候補のレプリカコードDGISCを発生させる。このようにして順次シヨートコードジエネレータ12によつてグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させ、そのレプリカコードDGISCの相関値データS15を順次スライデイング相関器17によつて求めて行く。
【0023】
その結果、スライデイング相関器17から出力される相関値データS15が第1の閾値を越えた場合には、そのときのレプリカコードDGISCを検出対象のロングコードLCのグループを示すグループ識別シヨートコードGISCであると判断し、そのグループ識別シヨートコードGISCが示すグループをグループ情報S17としてロングコードジエネレータ15に出力する。また判定部19は、相関値データS15が第1の閾値を越えた場合には、シヨートコードジエネレータ12に対して制御信号S18を出力して当該シヨートコードジエネレータ12に今度はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。
【0024】
ロングコードジエネレータ15はグループ情報S17を受けると、そのグループ情報S17が示すグループ内のロングコードLCの最初の候補であるレプリカコードDLCを、タイミング情報S12が示すタイミングで発生させる。このロングコードLCのレプリカコードDLCは、乗算器16においてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC と乗算された後、スライデイング相関器17に入力される。
【0025】
スライデイング相関器17は、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC が乗算されたロングコードLCのレプリカコードDLCと、入力される受信信号S10とを順次乗算して、その乗算結果をレプリカコードDLCの1周期分積分して相関値を算出し、その相関値データS19を判定部19に出力する。
【0026】
判定部19はスライデイング相関器17から出力される相関値データS19の大きさが第2の閾値を越えたか否かを判断し、越えていなければロングコードジエネレータ15に制御信号S20を出力してロングコードLCの次候補のレプリカコードDLCを発生させる。このようにして順次ロングコードジエネレータ15によつてロングコードLCのレプリカコードDLCを発生させ、そのレプリカコードDLCの相関値データS19を順次スライデイング相関器17によつて求めて行く。
【0027】
その結果、スライデイング相関器17から出力される相関値データS19が第2の閾値を越えた場合には、そのときのレプリカコードDLCを検出対象のロングコードLCであると判断し、当該ロングコードLCの種別を示す情報S21を出力する。このようにしてこの同期検出装置10では、第1段階でコモンシヨートコードCSCを検出することにより受信信号中に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングを検出し、続く第2段階では受信信号中に含まれグループ識別シヨートコードGISCを識別して検出対象のロングコードLCのグループを検出し、第3段階ではそのグループ内のロングコードLCを候補としてロングコードLCの種別を判定する。これによりこの同期検出装置10では、受信信号中に含まれる最も信号レベルが強いロングコードLCの同定を行うことができる。
【0028】
ここで図20に示したコモンシヨートコードCSCの相関値を検出するマツチトフイルタ11の構成を図21に示す。受信信号S10は通常QPSK変調(Quadrature Phase Shift Keying :4相位相変調)が施されているので、実際には、この図21に示すように、マツチトフイルタ11は4相構成を有している。まずマツチトフイルタ11においては、受信信号S10をそれぞれ乗算器20及び21に入力する。乗算器20には発振器22で発生したキヤリア信号S25を移相器23によつてπ/2遅延したキヤリア信号S26が入力されており、当該乗算器20はこのキヤリア信号S26と受信信号S10とを乗算することにより当該受信信号S10に含まれる同相成分Iの信号成分SIを取り出す。この同相成分Iの信号成分SIはローパスフイルタ24を介して不要成分が除去された後、アナログデイジタル変換回路25に入力され、ここでデイジタル変換されることによりデイジタルの同相データUI に変換される。
【0029】
一方、乗算器21には発振器22で発生したキヤリア信号S25が入力されており、当該乗算器21はこのキヤリア信号S25と受信信号S10とを乗算することにより当該受信信号S10に含まれる直交成分Qの信号成分SQを取り出す。この直交成分Qの信号成分SQはローパスフイルタ26を介して不要成分が除去された後、アナログデイジタル変換回路27に入力され、ここでデイジタル変換されることによりデイジタルの直交データUQ に変換される。
【0030】
相関器28〜31はそれぞれ各信号成分毎に相関値を検出するマツチトフイルタである。相関器28には上述した同相データUI とシヨートコードジエネレータ12から出力されるコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC のうちの同相成分のレプリカコードUIRが入力されており、当該相関器28は同相データUI と同相成分のレプリカコードUIRとの相関値UII(=UI *UIR)を算出し、これを加算器32に出力する。
【0031】
また相関器29には上述した同相データUI とシヨートコードジエネレータ12から出力されるコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC のうちの直交成分のレプリカコードUQRが入力されており、当該相関器29は同相データUI と直交成分のレプリカコードUQRとの相関値UIQ(=UI *UQR)を算出し、これを差分器33に出力する。
【0032】
同様に、相関器30には上述した直交データUQ と直交成分のレプリカコードUQRが入力されており、当該相関器30は直交データUQ と直交成分のレプリカコードUQRとの相関値UQQ(=UQ *UQR)を算出し、これを加算器32に出力する。また相関器31には上述した直交データUQ と同相成分のレプリカコードUIRが入力されており、当該相関器31は直交データUQ と同相成分のレプリカコードUIRとの相関値UQI(=UQ *UIR)を算出し、これを差分器33に出力する。
【0033】
加算器32は相関値UIIと相関値UQQを加算し、その加算結果を二乗回路34に出力する。一方、差分器33は相関値UQIと相関値UIQとの差分を算出し、その差分結果を二乗回路35に出力する。かくして二乗回路34及び35によつてそれぞれ加算結果及び差分結果を二乗し、その二乗結果を加算器36によつて加算することにより最終的にレプリカコードDCSC に対する相関値データS11(=(UII+UQQ)2 +(UQI−UIQ)2 )が算出される。
【0034】
ところで以上説明したようなロングコードLCの同定方法では、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出処理、グループ識別シヨートコードGISCによるロングコードLCのグループ識別処理及びその識別したグループに候補を絞つたロングコードLCの識別処理をマツチトフイルタとスライデイング相関器を用いて時系列的に行つており、各処理は基本的に異なるタイミングで行われている。これによりフエージング等によつて伝送路の状態が変化した場合には、ロングコードLCの同定ができなくなるおそれがある。このため上述した同定方法では、ロングコードLC全体の相関値を検出する等してロングコードLCの同定期間を長くすることによりこれを回避するようになされており、ロングコードLCを同定するまでに未だ時間がかかるといつた不都合がある。
【0035】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、検出対象のコードを高速に同定することができる同期検出装置を提案しようとするものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1のコードと、第1のコードのタイミングを検出するための既知の第2のコードと、第1のコードのグループを特定するための第3のコードとを含む信号を受信して、当該受信信号の中に含まれる第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する同期検出装置において、供給されるデータシフトクロツクに基づいて受信信号を順に取り込むと共に、第1、第2又は第3のコードに対応する第1、第2又は第3のレプリカコードを受けて当該第1、第2又は第3のレプリカコードと受信信号との相関値を検出するマツチトフイルタ手段と、第1、第2又は第3のレプリカコードを発生してマツチトフイルタ手段に供給する相関係数発生手段と、データシフトクロツクの供給を所望のタイミングで停止してマツチトフイルタ手段に受信信号をホールドさせると共に、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する制御手段とを設けるようにする。
【0037】
このようにしてマツチトフイルタ手段に与えるデータシフトクロツクを所望のタイミングで停止して受信信号をホールドし、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようにしたことにより、受信信号をホールドしながらマツチトフイルタ手段で高速に相関検出を行うことから各相関検出をほぼ同じようなタイミングで行うことができ、受信信号に含まれる第1のコードを従来に比して高速に同定することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0039】
(1)第1の実施の形態
図1において、40は全体として第1の実施の形態による同期検出装置を示し、コントローラ41によつて各回路ブロツクを制御することにより受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定するようになされている。なお、この場合も、受信信号S10の中には図19に示したタイミングでロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが含まれているものとする。
【0040】
まずマツチトフイルタ42は、図2に示すように、内部にコモンシヨートコードCSCのチツプ数と同じ段数のシフトレジスタ42Aと、当該シフトレジスタ42Bの段数と同じ数の乗算器を備えた係数乗算回路42Bと、係数乗算器42Bの各乗算器から出力される乗算結果を合成する合成回路42Cとを有しており、ビツト列からなる受信信号S10を順次シフトレジスタ42Aに入力するようになされている。またシフトレジスタ42Aはコントローラ41より動作クロツクDCLK を受けるようになされており、この動作クロツクDCLK に基づいて入力される受信信号S10のビツトを順にビツトシフトして行くようになされている。
【0041】
またマツチトフイルタ42は乗算器43を介して供給されるレプリカコードDR の各ビツトをそれぞれ1つずつ係数乗算回路42Bの各乗算器に入力するようになされており、これによりシフトレジスタ42Aの各レジスタから出力される各ビツトとレプリカコードDR の各ビツトとを係数乗算回路42Bにおいてそれぞれ乗算するようになされている。かくしてマツチトフイルタ42においては、この係数乗算器回路42Bの各乗算器から出力される乗算結果を合成回路42Cにおいて合成することにより相関値S30を求め、その求めた相関値S30を出力するようになされている。
【0042】
シヨートコードジエネレータ44はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するものであり、コントローラ41より出力される制御信号S31に基づいていずれか一方のレプリカコードDCSC 又はDGISCを発生する。このレプリカコードDCSC 又はDGISCは乗算器43を介して相関検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ42に入力される。
【0043】
一方、ロングコードジエネレータ45はロングコードLCのレプリカコードDLCを発生するものであり、コントローラ41から出力される制御信号S32に基づいて当該レプリカコードDLCを発生し、これをアンド回路46に出力する。アンド回路46の他方の入力端にはコントローラ41からのマスク制御信号SMSK が入力されており、これにより当該マスク制御信号SMSK がレベル「H」のときのみアンド回路46からレプリカコードDLCが出力されるようになされている。なお、このアンド回路46からレプリカコードDLCが出力された場合には、レプリカコードDLCは乗算器43に入力され、ここでレプリカコードDCSC 又はDGISCと乗算された後、検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ42に入力されるようになされている。
【0044】
比較器47はコントーラ41から閾値データDTHを受け、この閾値データDTHの値とマツチトフイルタ42から出力される相関値S30の値とを比較し、その結果、相関値S30の値が閾値データDTHの値を越えると、検出データSDET をコントローラ41に出力するようになされている。なお、コントローラ41は、内部に記憶してある閾値VTH1 〜VTH3 又は相関値S30によつて決定した閾値VTH4 のうち所望の閾値を閾値データDTHとして比較器47に出力するようになされている。
【0045】
タイマ48は、図3に示すように、グループ識別シヨートコードGISCを識別してからコモンシヨートコードCSCの1周期分の長さT1だけ受信信号S10を取り込むための時間をカウントするためのものであり、コントローラ41からカウント開始指令S34を受けるとカウント動作を開始し、長さT1の時間だけカウントすると、カウント終了情報S35をコントローラ41に出力する。なお、このようにタイマ48によつてカウント動作を行つて受信信号S10を部分的に取り込む理由は、部分相関によつてロングコードLCを同定して、同定までに至るまでの時間を短縮するためである。
【0046】
ここでこの同期検出装置40において受信信号S10の中に含まれるロングコードLCを同定するまでの処理手順を図4及び図5に示す。なお、図4は、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を示しており、図5は、グループ識別シヨートコードGISCによるグループの同定からロングコードLCの識別までの処理を示している。
【0047】
図4に示すように、ロングコードLCのグループを識別する際には、まずステツプSP1から入つたステツプSP2において、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP3においては、コントローラ41はコモンシヨートコードCSCを検出するための第1の閾値VTH1 を比較器47に設定する。
【0048】
次のステツプSP4では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に対して動作クロツクDCLK を供給することにより当該マツチトフイルタ42のホールド状態を解除し、当該マツチトフイルタ42に相関値算出動作を開始させる。次のステツプSP5では、コントローラ41はマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えたか否か判断する。すなわちこの場合には、比較器47は相関値S30と第1の閾値VTH1 を比較し、当該相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えると、検出データSDET を出力するので、コントローラ41はこの検出データSDET が得られた否かによつてこの判断を行う。
【0049】
このステツプSP5における判断の結果、相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えると、コントローラ41はコモンシヨートコードCSCを検出したものとして次のステツプSP6に移る。ステツプSP6では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に供給する動作クロツクDCLK を停止することにより当該マツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aのビツトシフト動作を停止し、これによつてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をシフトレジスタ42A内にホールドする。
【0050】
次のステツプSP7では、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第2の閾値VTH2 を比較器47に設定する。次のステツプSP8では、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44に複数存在するグループ識別シヨートコードGISCのうちの最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生させる。これによりマツチトフイルタ42は、現在シフトレジスタ42Aにホールドされている受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値を算出する。
【0051】
次のステツプSP9では、コントローラ41は、ステツプSP5における判断処理と同様に、マツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断する。その結果、第2の閾値VTH2 を越えていないことが判定されれば、コントローラ41は、ステツプSP10に進んでここでグループ識別シヨートコードGISCの次候補であるレプリカコードDGISCをシヨートコードジエネレータ44に発生させ、再びステツプSP9に戻つて相関値S30の判定を行う。このようにしてグループ識別シヨートコードGISCの候補を順に発生してその相関値S30を判定した結果、当該相関値S30が第2の閾値VTH2 を越えると、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たものとしてステツプSP11に移つて処理を終了する。なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP9において肯定結果を得ることができたレプリカコードDGISCが受信信号S10に存在するグループ識別シヨートコードGISCとなる。またグループ識別シヨートコードGISCを検出し得れば、ロングコードLCに対してグループ識別シヨートコードGISCが挿入されている位置は既知であるので、ロングコードLCのタイミングを検出し得たことになるし、さらにグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たことによつて受信信号S10内に存在するロングコードLCの種類をグループ識別シヨートコードGISCが示すグループに特定し得たことになる。
【0052】
因みに、各シヨートコードの相関検出タイミングとしては、図3(D)及び(E)に示すようになる。すなわちレプリカコードDCSC の相関値S30は、マスク区間に存在するコモンシヨートコードCSCがマツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aに取り込まれた時点で大きくなり、そのタイミングで第1の閾値VTH1 を越えるような大きさの相関値S30が得られる。またこの場合、コモンシヨートコードCSCを検出した受信信号S10をマツチトフイルタ42にホールドして、マツチトフイルタ42Bの係数乗算回路42Bに与えるレプリカコードDGISCを候補順に高速に切り換えて行くので、レプリカコードDGISCの相関値S30はコモンシヨートコードCSCに対する相関値S30が検出し得たタイミングと時間的にほぼ大差なく検出し得る。
【0053】
次に図5を用いてロングコードLCを識別するまでの処理を説明する。但し、この図5においては、図4に示す処理によつて過去にグループ識別シヨートコードGISCが検出し得ているものとし、例えば間欠受信時にそのグループ識別シヨートコードGISCを使用してロングコードLCを識別するものとする。この図5に示すように、ステツプSP20から入つたステツプSP21において、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44に先に検出したグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させる。次のステツプSP22においては、コントローラ41はそのグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第3の閾値VTH3 を比較器47に設定する。
【0054】
次のステツプSP23では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に対して動作クロツクDCLK を供給することにより当該マツチトフイルタ42のホールド状態を解除し、当該マツチトフイルタ42に相関値算出動作を開始させる。次のステツプSP24では、コントローラ41は比較器47から出力される検出データDDET を基にマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第3の閾値VTH3 を越えたか否か判断する。
【0055】
この判断の結果、相関値S30が第3の閾値VTH3 を越えると、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを検出し得たものとして次のステツプSP25に移る。ステツプSP25では、コントローラ41はカウント開始指令S34を出力してタイマ48に時間T1をカウントさせる。なお、この時間T1はロングコードLCのレプリカコードDLCに対して部分相関を取るために必要な受信信号S10を取り込むまでの時間を表している。
【0056】
次のステツプSP26では、コントローラ41はタイマ48からのカウント終了情報S35を基に時間T1が経過したか否か判断し、経過したことが判定されると、続くステツプSP27に進む。ステツプSP27では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に供給する動作クロツクDCLK を停止することにより当該マツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aのビツトシフト動作を停止し、これによつて現在シフトレジスタ42A内にあるデータをホールドさせる。
【0057】
次のステツプSP28では、コントローラ41はロングコードLCを検出するための第4の相関値VTH4 をグループ識別シヨートコードGISCを検出したときの相関値S30を基に算出し、この第4の相関値VTH4 を比較器47に設定する。次のステツプSP29では、コントローラ41はシヨートコードジエネレータ44に制御信号S31を出力して当該シヨートコードジエネレータ44にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP30では、コントローラ41はロングコードジエネレータ45に制御信号S32を出力して当該ロングコードジエネレータ45にロングコードLCの最初の候補であるレプリカコードDLCを発生させる。そして次のステツプSP31では、コントローラ41はマスク制御信号SMSK をレベル「H」に切り換えることによりロングコードジエネレータ45で発生したレプリカコードDLCを乗算器43に出力する。これによりコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC とロングコードLCのレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードDR がマツチトフイルタ42に供給される。かくしてマツチトフイルタ42はこのレプリカコードDR と現在シフトレジスタ42A内に存在する受信信号S10との相関値を算出する。
【0058】
次のステツプSP32では、コントローラ41は比較器47からの検出データSDET を基にマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第4の閾値VTH4 を越えたか否か判断する。その結果、第4の閾値VTH4 を越えていないことが判定されれば、コントローラ41は、ステツプSP33に進んでここでロングコードLCの次候補であるレプリカコードDLCをロングコードジエネレータ45に発生させ、再びステツプSP32に戻つて相関値S30の判定を行う。このようにしてロングコードLCの候補を順に発生してその相関値S30を判定した結果、当該相関値S30が第4の閾値VTH4 を越えると、コントローラ41はロングコードLCを識別し得たものとしてステツプSP34に移つて処理を終了する。
【0059】
なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP32において肯定結果を得ることができたレプリカコードDLCが受信信号S10に存在するロングコードLCとなる。また図4に示した処理を行つた直後に引き続いてロングコードLCを識別する場合には、この図5に示した処理のうちステツプSP24までの処理は省略することが可能である。
【0060】
因みに、グループ識別シヨートコードGISCの相関検出タイミングとロングコードLCの相関検出タイミングの関係は、図3(E)及び(F)に示すようになる。すなわちレプリカコードDGISCの相関値S30を検出した後、時間T1分の受信信号S10を取り込み、この受信信号S10に対してロングコードLCのレプリカコードDLCとの相関値S30を算出するので、ロングコードLCの相関検出タイミングとしてはグループ識別シヨートコードGISCの相関を検出してからほぼ時間T1経過した時刻となる。
【0061】
以上の構成において、この第1の実施の形態では、まず始めにコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を使用して受信信号S10に存在するマスク区間のコモンシヨートコードCSCを検出することによりロングコードLCのタイミングを検出する。続いてそのコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をマツチトフイルタ42内にホールドし、その受信信号S10とグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCとの相関を順次検出して行くことにより受信信号S10内のグループ識別シヨートコードGISCを識別する。グループ識別シヨートコードGISCを検出し得ると、そのグループ識別シヨートコードGISCの後に続く受信信号S10を取り込んでその受信信号S10をマツチトフイルタ42にホールドし、その受信信号S10とロングコードLCのレプリカコードDLCとの相関を順次検出して行くことにより受信信号S10内のロングコードLCを識別する。
【0062】
この場合、コモンシヨートコードCSCの検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの間においては、コモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をマツチトフイルタ42内にホルードしておき、その受信信号S10に対して相関検出を行つてグループ識別シヨートコードGISCを識別するようにしたことにより、従来のようにコモンシヨートコードCSCを一通り検出した後、コモンシヨートコードCSCのタイミングで再び受信信号を取り込んでグループ識別シヨートコードGISCを同定するような方法に比して、各処理間で時間間隔が空かなくなり、グループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を時間的に短くすることができる。またその際、受信信号S10をホールドして同じ受信信号S10に対して検出処理を行うので、従来のように伝送路の状態変化を直接的に受けることはない。
【0063】
またグループ識別シヨートコードGISCの識別からロングコードLCの識別までの間においては、グループ識別シヨートコードGISCを識別したときの受信信号S10を基準として時間T1の長さの受信信号S10を取り込み、この受信信号S10に対してレプリカコードDLCによる部分相関を検出してロングコードLCを識別するようにしたことにより、従来のようにロングコードLC全体の相関を取る場合に比して、ロングコードLCの識別までの処理を高速に行うことができる。
【0064】
以上の構成によれば、マツチトフイルタ42内のデータをホールドし、そのデータに対してそれぞれレプリカコードDCSC 、DGISC及びDLCを切り換えて相関検出を行つて各コードの同定を行うようにしたことにより、従来に比してロングコードLCの同定までの処理を高速に行うことができる。
【0065】
(2)第2の実施の形態
図6において、50は全体としてコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの各シヨートコードの相関値を加算することによりロングコードLCのタイミングを高精度に求めるためのシヨートコード相関検出装置を示す。
【0066】
マツチトフイルタ51には相関検出の対象となる受信信号S10が入力されており、当該マツチトフイルタ51はこの受信信号S10を外部より供給されるデータシフトクロツクDCLK1に基づいて順次内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。そしてマツチトフイルタ51は、シヨートコードジエネレータ52より交互に供給されるコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDCSC 及びDGISCとこの受信信号S10との相関値S40を順次算出し、これを加算器55及びラツチ回路54に出力するようになされている。
【0067】
ラツチ回路54はコントローラ53より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいてマツチトフイルタ51より出力されるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCに関する相関値S40をラツチホールドし、これを相関値S41として加算器55に出力する。加算器55は、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC に関する相関値S40と、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCに関する相関値S41とを加算することにより合成相関値S42を算出し、これを検出相関値として出力する。
【0068】
シヨートコードジエネレータ52はコントローラ53より供給される制御信号S43に基づいてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 及びグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを交互に発生し、これをマツチトフイルタ51に出力する。
【0069】
ここでこのシヨートコード相関検出装置50における相関検出動作を図7に示すタイミングチヤートを用いて具体的に説明する。図7(A)及び(B)に示すように、このシヨートコード相関検出装置50においては、入力される受信信号S10の各ビツトのタイミングに対してほぼ中央のタイミングで立ち上がるようなデータシフトクロツクDCLK1を供給するようになされており、このデータシフトクロツクDCLK1の立ち上がりエツジで順次受信信号S10のビツトを内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0070】
またこのシヨートコード相関検出装置50では、図7(C)に示すように、データシフトクロツクDCLK1がレベル「L」の区間でコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生し、データシフトクロツクDCLK1がレベル「H」の区間でグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するようになさており、これによりデータシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互にレプリカコードDCSC 及びDGISCを発生するようになされている。
【0071】
マツチトフイルタ51は、このようなタイミングで発生するレプリカコードDCSC 及びDGISCとシフトレジスタに取り込んだ受信信号S10との相関値を順次算出することにより、図7(D)に示すように、レプリカコードDCSC 及びDGISCに関する相関値S40を交互に発生する。
【0072】
コントローラ53は、図7(E)に示すように、レプリカコードDGISCに関する相関値S40が発生するタイミングでレベル「H」になるデータラツチクロツクDCLK2を発生する。これによりラツチ回路54はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S40をラツチホールドすることによりレプリカコードDGISCに関する相関値S40をホールドし、これを相関値S41として出力する。
【0073】
かくして加算器55において、図7(F)に示すように、この相関値S41をレプリカコードDCSC に関する相関値S40が出力されるタイミングで当該相関値S40に加算することにより、レプリカコードDGISCに関する相関値とレプリカコードDCSC に関する相関値とを合成した合成相関値S42が得られる。この合成相関値S42を第1の実施の形態と同様に所定の閾値と比較してロングコードLCのタイミングを検出するようにすれば、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの両方を同時に考慮しながらロングコードLCのタイミング検出を行うことができ、ロングコードLCのタイミングをより高精度に検出することができる。
【0074】
なお、ここでは加算器55において単にレプリカコードDCSC に関する相関値S40とレプリカコードDGISCに関する相関値S41とを合成した場合について述べたが、合成相関値S42のみならず、その合成相関値S42内におけるレプリカコードDCSC 及びDGISCの相関値比率を算出し、この相関値比率も出力するようにしても良い。このようにすれば、その相関値比率に基づいてそれぞれの相関値の大きさを考慮したタイミング検出を行うことができることから、より高精度にロングコードLCのタイミングを検出することができる。また間欠受信時のように既にコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが分かつているときには、相関値比率による判定だけでも十分に希望局からの信号識別ができるため、パワーセーブからの立ち上がり時間を速くでき、より効率的にパワーセーブを行うことができる。
【0075】
以上の構成によれば、マツチトフイルタ51のデータシフトタイミングの間に複数のレプリカコードDCSC 及びDGISCを切り換えてほぼ同時に複数のレプリカコードに関する相関値を算出して合成相関値S42を算出するようにしたことにより、この合成相関値S42を使用してロングコードLCのタイミング検出を行えば、より高精度のタイミング検出を行うことができる。
【0076】
(3)第3の実施の形態
通常、受信信号S10はQPSK変調(Quadrature Phase Shift Keying :4相位相変調)が施されているので、図1や図6に示したマツチトフイルタは実際には4相構成を有している。ここではこの4相構成のマツチトフイルタについて、図8を用いて説明する。
【0077】
図21との対応部分に同一符号を付して示す図8において、60は全体として本発明を適用した4相構成のマツチトフイルタを示し、受信信号S10より分離された同相成分SI及び直交成分SQをそれぞれデイジタル変換することにより得られた同相データUI 及び直交データUQ をそれぞれ相関器61、62に入力するようになされている。
【0078】
相関器61及び62はそれぞれ各信号成分毎に相関値を検出するマツチトフイルタである。この相関器61及び62にはデータシフトクロツクDCLK1が入力されており、当該相関器61及び62はこのデータシフトクロツクDCLK1に基づいて順次同相データUI 及び直交データUQ をそれぞれ内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0079】
相関係数発生器63はコントローラ64からの制御信号S50に基づいて相関検出対象のレプリカコードを発生する回路であり、当該レプリカコードのうちの同相成分のレプリカコードUIR及び直交成分のレプリカコードUQRを交互に発生し、これを相関係数として相関器61及び62にそれぞれ出力する。
【0080】
相関器61は相関係数として交互に供給されるレプリカコードUIR、UQRと同相データUI との相関値UII(=UI *UIR)及びUIQ(=UI *UQR)を交互に検出し、これを相関値S51として加算器65及びラツチ回路66に出力する。ラツチ回路66はコントローラ64より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S51のうちの相関値UIQをラツチホールドし、これを相関値S52として差分器67に出力する。
【0081】
一方、相関器62は相関係数として交互に供給されるレプリカコードUIR、UQRと直交データUQ との相関値UQI(=UQ *UIR)及びUQQ(=UQ *UQR)を交互に検出し、これを相関値S53として差分器67及びラツチ回路68に出力する。ラツチ回路68はコントローラ64より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S53のうちの相関値UQQをラツチホールドし、これを相関値S54として加算器65に出力する。
【0082】
加算器65は相関値S51のうちの相関値UIIと相関値S54として供給される相関値UQQとを加算し、その結果得られる相関値VI (=UII+UQQ) を二乗回路69に出力する。差分器67は相関値S53のうちの相関値UQIと相関値S52として供給される相関値UIQとの差分を算出し、その結果得られる相関値VQ (=UQI−UIQ)を二乗回路70に出力する。
【0083】
かくしてこのようにして求めた相関値VI 及びVQ をそれぞれ二乗回路69及び70を介して二乗し、その二乗結果VI 2 及びVQ 2 を加算器71によつて加算することにより受信信号S10と相関検出対象のレプリカコードとの相関値S55が得られる。
【0084】
ここでこの4相構成のマツチトフイルタ60における相関検出動作を図9に示すタイミングチヤートを用いて具体的に説明する。図9(A)及び(B)に示すように、このマツチトフイルタ60においては、入力される同相データUI 及び直交データUQ の各ビツトのタイミングに対してほぼ中央のタイミングで立ち上がるようなデータシフトクロツクDCLK1を各相関器61及び62に供給するようになされており、当該各相関器61及び62はそれぞれこのデータシフトクロツクDCLK1の立ち上がりエツジで順次同相データUI 及び直交データUQ を内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0085】
また相関係数発生器63では、図9(C)に示すように、データシフトクロツクDCLK1がレベル「L」の区間で同相成分のレプリカコードUIRを発生し、データシフトクロツクDCLK1がレベル「H」の区間で直交成分のレプリカコードUQRを発生するようになされており、これによりデータシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互に同相成分及び直交成分のレプリカコードUIR及びUQRを発生するようになされている。
【0086】
相関器61は、このようなタイミングで発生するレプリカコードUIR及びUQRとシフトレジスタに取り込んだ同相データUI との相関値を順次算出することにより、図9(D)に示すように、レプリカコードUIR及びUQRに関する相関値UII及びUIQを交互に発生する。同様に、相関器62は、このようなタイミングで発生するレプリカコードUIR及びUQRとシフトレジスタに取り込んだ直交データUQ との相関値を順次算出することにより、図9(E)に示すように、レプリカコードUIR及びUQRに関する相関値UQI及びUQQを交互に発生する。
【0087】
コントローラ64は、図9(F)に示すように、レプリカコードUQRに関する相関値UIQ及びUQQが発生するタイミングでレベル「H」になるデータラツチクロツクDCLK2を発生する。これによりラツチ回路66はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値UIQをホールドし、これを差分器67に出力する。同様に、ラツチ回路68はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値UQQをホールドし、これを加算器65に出力する。
【0088】
加算器65では、図9(G)に示すように、相関器61から相関値UIIが出力されるタイミングで当該相関値UIIに相関値UQQを加算することにより相関値VI (=UII+UQQ)を算出する。同様に、差分器67では、図9(H)に示すように、相関器62から相関値UQIが出力されるタイミングで当該相関値UQIから相関値UIQを減算することにより相関値VQ (=UQI−UIQ)を算出する。
【0089】
かくしてこの相関値VI 及びVQ をそれぞれ二乗回路69及び70で二乗した後、その二乗結果VI 2 及びVQ 2 を加算することにより、図9(I)に示すように、相関検出対象のレプリカコードに対応する相関値S55が得られる。
【0090】
このようにしてこのマツチトフイルタ60の場合には、同相データUI 及び直交データUQ のデータシフトタイミングの間に相関係数UIR及びUQRを切り換えて発生させ、この相関係数UIR及びUQRを用いて相関器61及び62で相関値UII、UIQ及びUQI、UQQを交互に発生するようにしたことにより、従来のように4つの相関器を個々に設けなくても、4つの相関値UII、UIQ、UQI及びUQQを発生することができ、従来に比して4相構成のマツチトフイルタの回路構成を低減することができる。
【0091】
以上の構成によれば、同相データUI 及び直交データUQ のデータシフトタイミングの間に相関係数UIR及びUQRを切り換えて相関器61及び62で相関値UII、UIQ及びUQI、UQQを発生するようにしたことにより、従来に比して4相のマツチトフイルタの回路構成を低減することができる。
【0092】
(4)第4の実施の形態
この第4の実施の形態では、第1及び第2の実施の形態において説明した構成を組み合わせた同期検出装置について説明する。
【0093】
(4−1)同期検出装置の全体構成
図10において、80は全体として第4の実施の形態による同期検出装置を示し、コントローラ81によつて各回路ブロツクを制御することにより受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定するようになされている。
【0094】
この実施の形態の場合にも、マツチトフイルタ82には受信信号S10が入力されており、当該マツチトフイルタ82はコントローラ81より供給されるデータシフトクロツクDCLK1に基づいてその受信信号S10を順次内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。そしてマツチトフイルタ82は、取り込んだ受信信号S10の各ビツトと相関係数発生器83で発生した相関検出対象のレプリカコードDR との相関値S60を順に算出し、これをコントローラ81、ラツチ回路84及び加算器85に出力するようになされている。
【0095】
相関係数発生器83は、コントローラ81からの制御信号S61に基づいて、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISC、或いはコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC とロングコードLCのレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードを発生し、これを相関検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ82に出力するようになされている。
【0096】
ラツチ回路84は、コントローラ81より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて、マツチトフイルタ82より出力される相関値S60のうち所望の相関値をラツチホールドし、それを相関値S62としてアンド回路86及びコントローラ81に出力する。アンド回路86の他方の入力端子にはコントローラ81からの制御信号S63が入力されており、当該アンド回路86は制御信号S63がレベル「H」のとき相関値S62を加算器85に出力するようになされている。
【0097】
加算器85はマツチトフイルタ82から出力される相関値S60とアンド回路86を介して出力される相関値S62とを加算し、その結果得られる相関値S64を比較器87及びコントローラ81に出力するようになされている。なお、アンド回路86から相関値S62が出力されない場合には、加算器85は相関値S60をそのまま相関値S64として出力する。
【0098】
比較器87はコントローラ81より閾値データDTHを受け、この閾値データDTHが示す閾値と入力される相関値S64とを比較し、当該相関値S64の大きさが閾値を越えていれば検出データSDET をコントローラ81に出力するようになされている。
【0099】
第1のタイマ88は、コントローラ81よりカウント開始指令S65を受けると、図3に示したロングコードLCのマスク周期TMKの時間をカウントし、カウントが終了すると、カウント終了情報S66をコントローラ81に出力するようになされている。また第2のタイマ89は、コントローラ81よりカウント指令S67を受けると、部分相関を検出するための受信信号S10を取り込む時間(具体的には図3に示したコモンシヨートコードCSCの1周期に対応した時間T1)をカウントし、カウントが終了すると、カウント終了情報S68をコントローラ81に出力するようになされている。
【0100】
(4−2)相関係数発生器の構成
ここで上述した同期検出装置80に設けられる相関係数発生器83について、図11を用いて具体的に説明する。図11に示すように、相関係数発生器83は、大きく分けて2つのPN(Pseudo Noise code :疑似雑音符号)デコーダ90、91によつて構成され、制御信号S61(具体的にはDSC-INT、DLC-INT、DCLK3及びSMSK )に基づいてこの2つのPNデコーダ90、91を動作させることによりレプリカコードDR を発生するようになされている。
【0101】
第1のPNデコーダ90はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するものであり、コントローラ81からコモンシヨートコードCSC又はグループ識別シヨートコードGISCの初期値DSC-INTを受けると、対応するシヨートコードCSC又はGISCの1周期分のデータコードを一挙に発生し、これをレプリカコードDCSC 又はDGISCとして出力するようになされている。
【0102】
一方、第2のPNデコーダ91は部分相関を検出するためのロングコードLCのレプリカコードDLCを発生するものであり、切換スイツチ93を介してコントローラ81から供給されるロングコードLCの第1の初期値DLC-INT又は切換スイツチ93を介してラツチ回路95から供給されるロングコードLCの第2の初期値DLC-INT′に基づいて、ロングコードLCのうち丁度シヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを一挙に発生するようになされており、これをロングコードLCのレプリカコードDLCとして出力するようになされている。
【0103】
データデコーダ94は、切換スイツチ93を介してロングコードLCの初期値DLC-INTを受けると、当該初期値DLC-INTに基づいて、次のシヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成し、これをラツチ回路94に出力する。ラツチ回路94は、コントローラ81より供給されるデータラツチクロツクDCLK3に基づいて、この初期値D1をホールドし、これを第2の初期値DLC-INTとして出力する。
【0104】
なお、データデコーダ94は、切換スイツチ93を介して第2の初期値DLC-INTを受けると、さらに次のシヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成して出力するようになされており、これを順次繰り返して行くことにより所望位相の部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成するようになされている。
【0105】
第2のPNデコーダ91で発生されたロングコードLCのレプリカコードDLCはアンド回路96に入力される。このアンド回路96の他方の入力端にはコントローラ81より出力されるマスク制御信号SMSK が入力されており、当該アンド回路96はマスク制御信号SMSK がレベル「H」のときのみレプリカコードDLCを出力するようになされている。
【0106】
エクスクルーシブオア回路97は、第1のPNデコーダ90から出力されるレプリカコードDCSC 又はDGISCとアンド回路96を介して出力されるレプリカコードDLCとの排他的論理和を演算を行い、その結果得られるコードをレプリカコードDR としてマツチトフイルタ82に出力する。なお、この場合、排他的論理和演算であることから、アンド回路96からレプリカコードDLCが出力されないときにはレプリカコードDCSC 又はDGISCがそのまま出力されることになる。
【0107】
(4−2−1)PNデコーダのコード発生原理
ここで上述したPNデコーダ90、91のレプリカコード発生原理について説明する。但し、ここでは説明を分かりやすくするため、PNデコーダで発生するコードをPN95とする。図12において、100はPN95のコードを発生する一般的なPNデコーダであり、9段のシフトレジスタ101とエクスクルーシブオア回路102によつて構成される。このPNデコーダ100では、レジスタD4の出力とレジスタD0の出力をエクスクルーシブオア回路102に入力し、ここで排他的論理和演算した結果をレジスタD8に入力することにより順次PNコードを出力するようになされている。
【0108】
ここでI8〜I0をレジスタD8〜D0の初期値とすると、T=0における出力O0はI0となり、T=1のときにはシフトレジスタ101の値が全体的に右に1つずつシフトするので出力O1はI1となる。またそのときレジスタD8に入力されるのは、I4とI0の排他的論理和演算結果である。
【0109】
同様に、T=2のときには出力O2はI2となり、レジスタD8への入力はI1とI5の排他的論理和演算結果となる。以下、これを順に繰り返して行くと、このPNデコーダ100から出力される出力コードは、初期値I0〜I8、もしくは所定時刻の出力値を排他的論理和演算した結果となる。このことを踏まえると、例えば時刻T=0〜19までの出力コードO0〜O19は、初期値I0〜I8を基準にした排他的論理和演算によつて表すことができる。従つて同時刻でO0〜O19までの出力コードを一挙に出力するようなPNデコーダ103は、図13に示すように、エクスクルーシブオア回路EX1〜EX11によるゲート回路で容易に構成することができる。なお、このPNデコーダ103においてはバツフアB1〜B9が用いられているが、これはエクスクルーシブオア回路EX1〜EX11における演算時間を吸収するための遅延時間を発生するためのものである。
【0110】
かくして上述した第1及び第2のPNデコーダ90、91はこの原理に基づいてエクスクルーシブオア回路によるゲート回路によつて生成されたものであり、第1のPNデコーダ90は初期値DSC-INTが与えられると、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを1周期分一挙に生成し、また第2のPNデコーダ91は初期値DLC-INT又はDLC-INT′が与えられると、それを入力としてシヨートコード1周期分の長さに相当する部分ロングコードのレプリカコードDLCを一挙に生成するようになされている。
【0111】
このような所定の長さのレプリカコードDCSC 、DGISC又はDLCを一挙に発生するPNデコーダ90、91を設けることにより、この同期検出装置80では、マツチトフイルタ82に相関係数を一挙に与えて高速に相関検出を行うことができる。なお、一般的なPNデコーダ100のように時系列的にコードを発生するようなものであれば、所定の長さのレプリカコードが発生するまでに時間がかかることから相関検出に時間がかかるといつた問題がある。
【0112】
ところでレプリカコードDLCはロングコードLCの部分コードである。ロングコートLCとの相関を検出する上では、ロングコードLCの所望位相の部分コードを発生できることが望まれる。ところでPNデコーダのコード発生原理を考えると、出力コードはシフトレジスタ内の値によつて決まる。従つて所定時刻におけるシフトレジスタ内の値を算出し、これを第2のPNデコーダ91の入力とすれば、回路構成を変更しなくても、容易に所望位相の部分コードを発生することができる。この所定時刻におけるシフトレジスタ内の値を算出するのが、上述したデータデコーダ95の役割である。
【0113】
ここでデータデコーダ95におけるデータ演算の原理を説明する。一般に所定時刻T=Xにおけるシフトレジスタ内の値は、シフトレジスタの初期値と当該シフトレジスタのシフト量に応じた行列との排他的論理和演算で求めることができる。例えば発生するコードをPN95とすると、T=9におけるシフトレジスタ内の値I8′〜I0′は、次式、
【0114】
【数1】
【0115】
に示すように表される。この変換行列を、次式、
【0116】
【数2】
【0117】
に示すようにAとすると、この変換行列Aは、基準時刻から時刻「9」だけ経過したときのシフトレジスタ内の値を求めるための行列である。従つて、時刻T=18のときのシフトレジスタ内の値I8″〜I0″を求める場合には、次式、
【0118】
【数3】
【0119】
に示すように、今度はT=9のときのシフトレジスタ内の値I8′〜I0′を初期値とした変換行列Aによる演算によつて求めることができる。
【0120】
従つてデータデコーダとしてはこの変換行列に対応する排他的論理和演算を行えば良く、時刻「9」だけ経過したときのシフトレジスタ内の値を求めるようなデータデコーダ105は、図14に示すように、エクスクルーシブオア回路EX20〜EX26のみによつて構成することができる。
【0121】
かくして上述したようなデータデコーダ95は、この原理に基づいてエクスクルーシブアオ回路のみによつて構成されたものであり、ある時刻の初期値DLC-INT又はDLC-INT′を入力として排他的論理和演算を行うことにより、次位相のロングコードLCの部分コードを発生するための初期値DLC-INT′を発生するようになされている。このようなデータデコーダ95を設けることにより、この同期検出装置80では、当該データデコーダ95によつて所望位相の初期値DLC-INT′を演算することによりPNデコーダ91の回路構成を変更することなく所望位相の部分コードを容易に発生することができる。
【0122】
(4−3)同期検出装置における動作手順
続いてこの項では、同期検出装置80における動作手順を図15及び図16を用いて説明する。なお、図15は、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を示しており、図16は、グループ識別シヨートコードGISCによるグループの同定からロングコードLCの識別までの処理を示している。
【0123】
図15に示すように、ロングコードLCのグループを識別する際には、まずステツプSP40から入つたステツプSP41において、コントローラ81は制御信号S61としてコモンシヨートコードCSCの初期値DSC-INTを相関係数発生器83内の第1のPNデコーダ90に与えることにより当該相関係数発生器83にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。
【0124】
次のステツプSP42では、コントローラ81は閾値データDTHとしてコモンシヨートコードCSCを検出するための第1の閾値VTH1 を比較器87に与えることにより当該比較器87に第1の閾値VTH1 を設定する。次のステツプSP43では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を供給することにより当該マツチトフイルタ82のホールド状態を解除し、順次受信信号S10を取り込ませる。これによりマツチトフイルタ82は、受信信号S10とレプリカコードDCSC との相関値算出を開始する。
【0125】
次のステツプSP44では、コントローラ81はマツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えたか否かを判断する。すなわちこの場合には、比較器87は加算器85を介して供給される相関値S64と第1の閾値VTH1 を比較し、当該相関値S64が第1の閾値VTH1 を越えると、検出データSDET を出力するので、コントローラ81はこの検出データSDET が得られた否かによつてこの判断を行う。
【0126】
このステツプSP44における判断の結果、マツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCを検出したものとして次のステツプSP45に移る。ステツプSP45では、コントローラ81は第1の閾値VTH1 を越えたときの相関値S60を取り込み、この相関値S60の値を第2の閾値VTH2 として比較器87に設定する。
【0127】
次のステツプSP46では、コントローラ81は、第1のタイマ88に対してカウント開始指令S65を出力することにより当該第1のタイマ88にロングコードLCのマスク周期TMKをカウントさせる。次のステツプSP47では、コントローラ81は第1のタイマ88からカウント終了情報S66が得られたか否かか判断することによりマスク周期TMKの時間が経過したか否か判断する。その結果、経過していなければステツプSP48に進み、経過したことが検出されればステツプSP49に進む。
【0128】
ステツプSP48では、コントローラ81はマツチトフイルタ82より出力される相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断し、その結果越えていればステツプSP45に戻つてそのときの相関値S60の値を新たに第2の閾値VTH2 として設定し直して同様の処理を繰り返し、一方、相関値S60が越えていなければステツプSP47に戻つてタイマ終了までこの処理を繰り返す。すなわちステツプSP45〜ステツプSP48までの処理においては、最初に検出した相関値がマスク周期TMK内において最も大きい相関値であるか否か検出し、最も大きい相関値であればステツプSP49に進み、他に大きい相関値が存在する場合にはそれがマスク周期TMK内において最も大きい相関値であるか否かを検出するようになされている。
【0129】
かくしてマスク周期TMK内において最も大きい相関値が検出されると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCを検出し得たとしてステツプSP49に進む。ステツプSP49では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に供給するデータシフトクロツクDCLK1を停止することにより当該マツチトフイルタ82内のシフトレジスタのビツトシフト動作を停止、これによつてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をシフトレジスタ内にホールドする。
【0130】
次のステツプSP50では、コントローラ81は、最後に比較器87に設定した第2の閾値VTH2 の値を所定倍したものをグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第3の閾値VTH3 として新たに比較器87に設定する。次のステツプSP51では、コントローラ81は、最初の候補であるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するための初期値DSC-INTを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に供給することにより当該相関係数発生器83に最初の候補であるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させる。これによりマツチトフイルタ82は、現在シフトレジスタ内にホールドされている受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値算出を開始する。
【0131】
次のステツプSP52では、コントローラ81は、比較器87からの検出データSDET を基に、マツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えたか否か判断する。その結果、第3の閾値VTH3 を越えていなければ、コントローラ81はステツプSP53に進んでここでグループ識別シヨートコードGISCの次候補のレプリカコードDGISCを相関係数発生器83に発生させ、再びステツプSP52に戻つて相関値S60の判定を行う。
【0132】
このようにしてグループ識別シヨートコードGISCの候補を順に発生してその相関値S60を判定した結果、当該相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えると、コントローラ81はグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たものとしてステツプSP54に移つて処理を終了する。なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP52において肯定結果を得ることができたレプリカコードDGISCが受信信号S10に存在するグループ識別シヨートコードGISCとなる。またグループ識別シヨートコードGISCを検出し得れば、ロングコードLCに対してグループ識別シヨートコードGISCが挿入されている位置は既知であるので、ロングコードLCのタイミングを検出し得たことになるし、さらにグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たことによつて受信信号S10内に存在するロングコードLCの種類をグループ識別シヨートコードGISCが示すグループに特定し得たことになる。
【0133】
ここでこの図15における処理を行つたときのグループ識別までのタイミングチヤート例を図17に示す。まず時点t1おいてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生すると共に、マツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を供給すると、マツチトフイルタ82は受信信号S10を順次取り込んでレプリカコードDCSC との相関値S60を算出する。その結果、時点t2において、マツチトフイルタ82からの相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えると、そのときの相関値S60の値を第2の閾値VTH2 として設定すると共に、第1のタイマ88を起動し、再びマツチトフイルタ82から出力される相関値S60と第2の閾値VTH2 とを比較する。
【0134】
その結果、この図17に示すように、例えば第1のタイマ88が終了する前に時点t3において相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えると、そのときの相関値S60の値を再び第2の閾値VTH2 として設定し直すと共に、第1のタイマ88をリスタートする。その結果、今度は第1のタイマ88が終了するまでに第2の閾値VTH2 を越えるものがなければ、時点t4においてデータシフトクロツクDCLK の供給を停止してマツチトフイルタ82内に受信信号S10をホールドさせると共に、時点t3で検出したときの相関値S60の値を所定倍したものを第3の閾値VTH3 として設定し直し、さらに相関係数発生器83からグループ識別シヨートコードGISCの最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生させる。
【0135】
この状態でマツチトフイルタ82から出力される相関値S60の値を第3の閾値VTH3 と比較し、当該第3の閾値VTH3 を越えなければ次候補のレプリカコードDGISCを発生して同様に相関値S60を判定する。その結果、時点t5において相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えると、そのときのレプリカコードDGISCを受信信号S10内のグループ識別シヨートコードGISCであると判定し、処理を終了する。かくしてこの同期検出装置80では、このような経過を経てグループ識別シヨートコードGISCを識別するようになされている。
【0136】
次に図16を用いてロングコードLCを識別するまでの処理を説明する。但し、この図16においては、図15に示す処理によつて過去にグループ識別シヨートコードGISCが検出し得ているものとし、例えば間欠受信時にそのグループ識別シヨートコードGISCを使用してロングコードLCを識別するものとする。この図16に示すように、ステツプSP60から入つたステツプSP61において、まずコントローラ81はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させるための初期値DSC-INTとグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するための初期値DSC-INTとを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に交互に与えることにより当該相関係数発生器83にレプリカコードDCSC とレプリカコードDGISCとを交互に発生させる。
【0137】
次のステツプSP62では、コントローラ81はコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの両方を検出するための第4の閾値VTH4 を比較器87に設定する。次のステツプSP63では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を与えることにより当該マツチトフイルタ82のホールド状態を解除し、マツチトフイルタ82に相関算出動作を開始させる。これによりマツチトフイルタ82は、データシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互に供給されるレプリカコードDCSC 及びDGISCを受けて、当該レプリカコードDCSC 及びDGISCと受信信号S10との相関値を交互に算出し、相関値S60として出力する。このときコントローラ81は、ラツチ回路84に対してデータラツチクロツクDCLK2を与えると共に、アンド回路86に対してレベル「H」の制御信号S63を与えることにより、ラツチ回路84にレプリカコードDGISCの相関値S60をラツチさせ、その値を加算器85に供給するようにする。これにより加算器85はレプリカコードDCSC の相関値とレプリカコードDGISCの相関値とを加算した相関値S64を算出する。
【0138】
次のステツプSP64では、コントローラ81は、比較器87から出力される検出データSDET を基に、加算器85から出力される相関値S64が第4の閾値VTH4 を越えたか否か判断する。
【0139】
この判断の結果、相関値S64が第4の閾値VTH4 を越えると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCとグループ識別シヨートコードGISCを検出し得たものとして次のステツプSP65に移る。ステツプSP65では、コントローラ81はカウント開始指令S67を第2のタイマ89に出力して当該第2のタイマ89に部分相関を検出するための受信信号S10を取り込むまでの時間T1をカウントさせる。
【0140】
次のステツプSP66では、コントローラ81は第2のタイマ89からのカウント終了情報S68を基に時間T1が経過したか否か判断し、経過したことが判定されると、続くステツプSP67に進む。ステツプSP67では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に供給するデータシフトクロツクDCLK1を停止することにより当該マツチトフイルタ82内のシフトレジスタのビツトシフト動作を停止し、これによつて現在シフトレジスタ内にある受信信号S10をホールドさせる。
【0141】
次のステツプSP68では、コントローラ81はロングコードLCを検出するための第5の閾値VTH5 を比較器87に設定する。次のステツプSP69では、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させるための初期値DSC-INTを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に与えることにより当該第1のPNデコーダ90にレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP70では、最初の候補であるロングコードLCの部分コードを発生するための初期値DLC-INTを相関係数発生器83の第2のPNデコーダ91に与えることにより当該第2のPNデコーダ91に最初の候補のレプリカコードDLCを発生させる。次のステツプSP71では、コントローラ81はマスク制御信号SMSK をレベル「H」に設定することにより相関係数発生器83にレプリカコードDCSC とレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードDR を発生させる。これによりマツチトフイルタ82はホールドしている受信信号S10とこのレプリカコードDCSC 及びDLCからなるレプリカコードDR との相関値S60を算出する。
【0142】
次のステツプSP72では、コントローラ81は、比較器87から出力される検出データSDET を基にマツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第5の閾値VTH5 を越えたか否か判断する。その結果、第5の閾値VTH5 を越えていないことが判定されれば、コントローラ81は、ステツプSP73に進んでここで次候補のレプリカコードDLCを発生するための初期値DLC-INTを第2のPNデコーダ91にロードし、これによつて第2のPNデコーダ91から次候補のレプリカコードDLCを発生させて、再びステツプSP72に戻つて相関値S60の判定を行う。なお、厳密には、次候補に移る前に、まずその候補において順次位相のずれたレプリカコードDLCを発生して相関を調べて行き、その結果、その候補内に閾値を越えるものがなければ次候補に移るようになされている。これによりこの同期検出装置80では、ロングコードLCの同定と共にロングコードLCの位相も同定するようになされている。
【0143】
このようにしてロングコードLCの候補を順に発生してその相関値S60を判定した結果、当該相関値S60が第5の相関値VTH5 を越えると、コントローラ81はロングコードLCを識別し得たものとしてステツプSP74に移つて処理を終了する。
【0144】
なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP72において肯定結果を得ることができたレプリカコードDLCが受信信号S10内に存在するロングコードLCとなる。また図15に示した処理を行つた直後に引き続いてロングコードLCを識別する場合には、この図16に示した処理のうちステツプSP64までの処理は省略することができる。
【0145】
(4−4)動作及び効果
以上の構成において、この同期検出装置80では、まずロングコードLCのタイミングを規定するコモンシヨートコードCSCを検出するため当該コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生し、マツチトフイルタ82によつて順次受信信号S10を取り込んでこのレプリカコードDCSC との相関値S60を算出する。そしてこの同期検出装置80では、その相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えたか否かを判断することによつてコモンシヨートコードCSCを検出する。
【0146】
コモンシヨートコードCSCを検出し得ると、この同期検出装置80では、今度はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生すると共に、マツチトフイルタ82をホールド状態にしてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10を保持し、当該マツチトフイルタ82によつてその受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値S60を算出する。そしてグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを順次変えながら、その相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断することによりグループ識別シヨートコードGISCを同定する。
【0147】
グループ識別シヨートコードGISCを検出し得た後は、ロングコードLCの部分相関を算出するための受信信号S10をマツチトフイルタ82に取り込み、マツチトフイルタ82への取り込みが終了すると、当該マツチトフイルタ82をホールド状態にすると共に、ロングコードLCの部分的なレプリカコードDLCを発生し、マツチトフイルタ82によつてその受信信号S10とレプリカコードDLCとの相関値S60を算出する。そしてグループ識別シヨートコードGISCで特定されるグループ内においてロングコードLCのレプリカコードDLCを順次切り換え行き、その相関値S60が第5の閾値VTH5 を越えたか否か判断することによりロングコードLCを同定する。
【0148】
このようにしてこの同期検出装置80では、マツチトフイルタ82に受信信号S10をホールドしながら順次レプリカコードDR (DCSC 、DGISC又はDLC)を切り換えて行くことにより、各レプリカコードに対する相関値を高速に求めて各コードを高速に同定することができ、従来に比して受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定することができる。
【0149】
かくして以上の構成によれば、マツチトフイルタ82内に受信信号S10を保持し得るようにし、レプリカコードDCSC 、DGISC又はDLCを所定のタイミングで順次切り換えて相関値S60を算出して各コードを同定するようにしたことにより、受信信号S10に含まれているロングコードLCを高速に同定することができる。
【0150】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、DS−CDMA方式であつて基地局間非同期のセルラー無線通信システムに本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他のシステムに本発明を適用しても上述の場合と同様の効果を得ることができる。要は、第1のコードと、第1のコードのタイミングを検出するための既知の第2のコードと、第1のコードのグループを特定するための第3のコードとを含む信号が送信されており、その信号を受信して受信信号の中に含まれる第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようなとき、供給されるデータシフトクロツクに基づいて受信信号を順に取り込むと共に、第1、第2又は第3のコードに対応する第1、第2又は第3のレプリカコードを受けて当該第1、第2又は第3のレプリカコードと受信信号との相関値を検出するマツチトフイルタ手段と、第1、第2又は第3のレプリカコードを発生してマツチトフイルタ手段に供給する相関係数発生手段と、データシフトクロツクの供給を所望のタイミングで停止してマツチトフイルタ手段に受信信号をホールドさせると共に、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する制御手段とを設けるようにすれば、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0151】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、マツチトフイルタ手段に与えるデータシフトクロツクを所望のタイミングで停止して受信信号をホールドし、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようにしたことにより、受信信号をホールドしながらマツチトフイルタ手段で相関検出を行うことから各相関検出をほぼ同じようなタイミングで行うことができ、受信信号に含まれる第1のコードを従来に比して高速に同定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図2】マツチトフイルタの内部構成を概念的に示したブロツク図である。
【図3】受信信号内の各コードの構成及び各コードに対する相関値の検出タイミングを示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態におけるグループ識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図5】第1の実施の形態におけるロングコードの識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図6】第2の実施の形態によるシヨートコード相関検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】第2の実施の形態による相関値算出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図8】第3の実施の形態による4相構成のマツチトフイルタの構成を示すブロツク図である。
【図9】第3の実施の形態による相関値算出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図10】第4の実施の形態による同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図11】第4の実施の形態による相関係数発生器の構成を示すブロツク図である。
【図12】一般的なPNデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図13】本発明を適用したPNデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図14】本発明を適用したデータデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図15】第4の実施の形態によるグループ識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図16】第4の実施の形態によるロングコードの識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図17】グループ識別までの検出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図18】基地局に設けられた制御チヤネルの信号生成部を示すブロツク図である。
【図19】基地局から送信される送信信号内の各コードの構成を示す略線図である。
【図20】従来の同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図21】従来の4相構成のマツチトフイルタの構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1……信号生成部、2、3、6、16、20、21、43……乗算器、4、46、86……アンド回路、5、32、36、55、65、71、85……加算器、10、40、80……同期検出装置、11、42、51、60、82……マツチトフイルタ、12、44、52……シヨートコードジエネレータ、13……メモリ、14……最大相関検出回路、15、45……ロングコードジエネレータ、17……スライデイング相関器、18……閾値決定回路、19……判定部、22……発振器、23……移相器、24、26……ローパスフイルタ、25、27……アナログデイジタル変換回路、28〜31、61、62……相関器、33、67……差分器、34、35、69、70……二乗回路、41、53、64、81……コントローラ、42A……シフトレジスタ、42B……係数乗算回路、42C……合成回路、47、87……比較器、48、88、89……タイマ、50……シヨートコード相関検出装置、54、66、68、84、94……ラツチ回路、63、83……相関係数発生器、90、91……PNデコーダ、93……切換スイツチ、95……データデコーダ。
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
【0002】
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題(図18〜図21)
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)第1の実施の形態(図1〜図5)
(2)第2の実施の形態(図6及び図7)
(3)第3の実施の形態(図8及び図9)
(4)第4の実施の形態
(4−1)同期検出装置の全体構成(図10)
(4−2)相関係数発生器の構成(図11)
(4−2−1)PNデコーダのコード発生原理(図12〜図14)
(4−3)同期検出装置における動作手順(図15〜図17)
(4−4)動作及び効果
(5)他の実施の形態
発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明は同期検出装置に関し、特にDS−CDMA(Direct Sequence-Code Division Multiple Access :直接拡散・符号分割多重)方式による基地局間非同期のセルラー無線通信システムに適用して好適なものである。
【0004】
【従来の技術】
DS−CDMA方式は拡散符号を用いた多重化方式であり、次世代移動体通信方式の無線アクセス方式の1つとして、セルラー無線通信システムへの適用が盛んに検討されている。セルラー無線通信システムにおいては、通信サービスを提供するエリアを所望の大きさのセルに分割して当該セル内にそれぞれ固定局としての基地局を設置し、移動局である通信端末装置は通信状態が最も良好であると思われる基地局と無線接続するようになされている。
【0005】
このようなセルラー無線通信システムにおいて、移動局が接続する基地局を探すことは一般にセルサーチと呼ばれている。DS−CDMA方式のセルラー無線通信システムでは、各基地局が同一周波数を使用するためこのセルサーチと同時に受信信号に含まれる拡散符号のタイミングを捕捉しなければならない。
【0006】
ところでDS−CDMA方式を用いたセルラー無線通信システムは、全基地局間の時間同期を取る基地局間同期システムと、これを行わない基地局間非同期システムとの2種類に分類できる。基地局間同期システムはIS−95規格によつて規格化されているように、GPS(Global Positioning System )の電波を使用して各基地局で絶対基準時刻を設定するようになされており、これにより基地局間の時間的な同期を取るようになされている。このシステムの場合、各基地局では拡散符号として同一のロングコードをその絶対基準時刻を基準にして基地局毎に異なるタイミングで送信するようになされており、これによりセルサーチ時には移動局はロングコードのタイミングのみを捕捉するだけで接続先の基地局を探すことができる。
【0007】
これに対して基地局間非同期システムでは、基地局の識別のために各基地局毎に異なるロングコードを送信するようになされており、このためセルサーチ時には移動局はそのロングコードのタイミングを検出すると共にそのロングコードの種別を検出する必要がある。このため基地局間非同期システムの場合には、基地局間同期システムと比較するとセルサーチに要する時間が大きくなるといつたデメリツトがある。しかしその反面、基地局間非同期システムでは、GPSの電波を受信しなくても良いのでGPSの電波が届かないような場所に対してもサービスエリアを拡張することができ、セルサーチに関する問題を解決し得れば、非常に有効なシステムである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで基地局間非同期システムにおけるセルサーチ時間を早める方法として、いくつかの方法が考えられる。その1つは、ロングコードと共に、各基地局で共通のコモンシヨートコードとそのロングコードのグループを特定するためのグループ識別シヨートコードとを送り、これらのシヨートコードを基に送られてくるロングコードのタイミング及びコード種別を検出する方法が考えられる。なお、以降の説明では、コードのタイミング及びコード種別を検出することを単に同定と呼ぶ。
【0009】
この方法を具体的に説明すると、基地局は図18に示すような制御チヤネルの信号生成部1を有しており、この信号生成部1を使用してロングコード、コモンシヨートコード及びグループ識別シヨートコードを合成した送信データを生成し、これを制御チヤネルを介して送信するようになされている。まず第1の乗算器2では、入力される例えば値「1」でなる情報ビツトS1を各基地局で共通の比較的周期の短いコモンシヨートコードCSCで順次拡散し、その拡散データS2を第2の乗算器3に出力する。第2の乗算器3にはコモンシヨートコードCSCに比して周期の長いロングコードLCが入力されており、当該第2の乗算器3はこのロングコードLCを用いて拡散データS2を順次拡散し、その拡散データS3を加算器5に出力する。
【0010】
因みに、このロングコードLCは基地局毎に固有のものであり、このロングコードLCによつて基地局が識別される。またアンド回路4に対してはロングコードイネーブル信号LCEが入力されており、このロングコードイネーブル信号LCEを所定周期でレベル「L」にすることにより、第2の乗算器3に供給されるロングコードLCはそのレベル「L」の区間だけマスクされるようになされている。従つて第2の乗算器3から出力される拡散データS3はロングコードイネーブル信号LCEがレベル「L」の区間だけ、ロングコードLCで拡散されていないことになる。なお、以降の説明では、このロングコードLCがマスクされた区間を単にマスク区間と呼ぶ。
【0011】
一方、第3の乗算器6にはこの信号生成部1で使用するロングコードLCのグループを示すものであつてコモンシヨートコードCSCと周期が等しいグループ識別シヨートコードGISCが入力されており、当該第3の乗算器6は例えば値「1」でなる情報ビツトS4をこのグループ識別シヨートコードGISCで拡散し、その拡散データS5を加算器5に出力する。因みに、拡散データS5はロングコードLCのマスク区間だけ生成されるようになされている。
【0012】
加算器5ではこれらの拡散データS3及びS5を加算することにより制御チヤネルで送信する送信データS6を生成する。かくしてこの送信データS6を送信回路及びアンテナ(図示せず)を介して制御チヤネルで送信することにより、ロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが含まれた送信信号が基地局から送信される。
【0013】
ここで基地局から出力された送信信号に含まれるロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCのタイミングを図19に示す。この図19に示すように、送信信号内にはコモンシヨートコードCSCは繰り返し存在している。またロングコードLCも送信信号内に繰り返し存在している。但し、ロングコードLCは周期TMKでコモンシヨートコードCSCに同期した区間だけマスクされている。またロングコードLCのマスク区間においては、拡散データS5が加算されているので、そのマスク区間にはグループ識別シヨートコードGISCが存在している。
【0014】
このようなタイミングで各コード(CSC、GISC及びLC)が含まれている送信信号を移動局において受信してその受信信号の中に含まれているロングコードLCを同定する場合には、まず受信信号の中からマスク区間に存在するコモンシヨートコードCSCを検出してロングコードLCのタイミングを検出し、それが検出し得ると、続いてそのマスク区間に存在するグループ識別シヨートコードGISCの種別を判定する。この場合、グループ識別シヨートコードGISCは受信信号中に含まれるロングコードLCのグループを示しており、グループ識別シヨートコードGISCの種別を判定し得れば、ロングコードLCの候補をそのグループに特定することができる。
【0015】
従つてグループ識別シヨートコードGISCを判定し得た後は、そのグループ識別シヨートコードGISCが示すグループ内のロングコードLCに候補を絞つてその候補であるかどうかを順番に確認して行けば、受信信号中に含まれるロングコードLCの種別を判定することができる。このようにしてグループ識別シヨートコードGISCによつて候補数を減らすことができることから、単に全てのロングコードLCを候補とする場合に比してロングコードLCの種別を判定するまでの時間を短縮することができる。
【0016】
ここでこのような方法によつて受信信号に含まれるロングコードLCを同定する同期検出装置を図20に示す。この図20において、10は全体として移動局に設けられる同期検出装置を示し、アンテナ及び受信回路(図示せず)を介して受信した受信信号S10を受けて、当該受信信号S10の中に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングを検出すると共に、そのロングコードLCの種別を判定するものである。すなわちセルサーチ時において最も信号レベルが強いロングコードLCのタイミング及びコード種別を判定することにより基地局を判別するためのものである。
【0017】
まずマツチトフイルタ11は受信信号S10及びシヨートコードジエネレータ12で発生したコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC との相関値を順に検出し、その相関値データS11をメモリ13に格納する。なお、マツチトフイルタ11では、少なくともロングコード周期の3周期分程度の期間において相関値を検出するようになされている。
【0018】
最大相関検出回路14はメモリ13に蓄えられている相関値データS11を読出し、その中から最も相関値が大きいものを検出し、その最も大きい相関値が得られたタイミングを受信信号S10に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングであるとしてそのタイミングを示すタイミング情報S12を出力する。なお、このタイミング情報S12は、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコード及びロングコードLCのレプリカコードを発生するためのタイミング情報S12としてシヨートコードジエネレータ12及びロングコードジエネレータ15にも出力される。また最大相関検出回路14は検出した最も大きい値を有する相関値データS13を閾値決定回路18に出力する。
【0019】
シヨートコードジエネレータ12はタイミング情報S12を受けると、そのタイミング情報S12が示すタイミングで複数存在するグループ識別シヨートコードGISCのうち最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生し、これを乗算器16を介してスライデイング相関器17に出力する。
【0020】
一方、閾値決定回路18は、相関値データS13を基にグループ識別シヨートコードGISCの種別を判定するための第1の閾値及びロングコードLCの種別を判定するための第2の閾値をそれぞれ決め、これを閾値データS14として後述する判定部19に出力する。
【0021】
スライデイング相関器17は、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCと入力される受信信号S10とを順次乗算してその乗算結果をレプリカコードDGISCの1周期分積分して相関値を算出し、その相関値データS15を判定部19に出力する。
【0022】
判定部19はスライデイング相関器17から出力される相関値データS15の大きさが第1の閾値を越えたか否かを判断し、越えていなければシヨートコードジエネレータ12に制御信号S16を出力してグループ識別シヨートコードGISCの次候補のレプリカコードDGISCを発生させる。このようにして順次シヨートコードジエネレータ12によつてグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させ、そのレプリカコードDGISCの相関値データS15を順次スライデイング相関器17によつて求めて行く。
【0023】
その結果、スライデイング相関器17から出力される相関値データS15が第1の閾値を越えた場合には、そのときのレプリカコードDGISCを検出対象のロングコードLCのグループを示すグループ識別シヨートコードGISCであると判断し、そのグループ識別シヨートコードGISCが示すグループをグループ情報S17としてロングコードジエネレータ15に出力する。また判定部19は、相関値データS15が第1の閾値を越えた場合には、シヨートコードジエネレータ12に対して制御信号S18を出力して当該シヨートコードジエネレータ12に今度はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。
【0024】
ロングコードジエネレータ15はグループ情報S17を受けると、そのグループ情報S17が示すグループ内のロングコードLCの最初の候補であるレプリカコードDLCを、タイミング情報S12が示すタイミングで発生させる。このロングコードLCのレプリカコードDLCは、乗算器16においてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC と乗算された後、スライデイング相関器17に入力される。
【0025】
スライデイング相関器17は、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC が乗算されたロングコードLCのレプリカコードDLCと、入力される受信信号S10とを順次乗算して、その乗算結果をレプリカコードDLCの1周期分積分して相関値を算出し、その相関値データS19を判定部19に出力する。
【0026】
判定部19はスライデイング相関器17から出力される相関値データS19の大きさが第2の閾値を越えたか否かを判断し、越えていなければロングコードジエネレータ15に制御信号S20を出力してロングコードLCの次候補のレプリカコードDLCを発生させる。このようにして順次ロングコードジエネレータ15によつてロングコードLCのレプリカコードDLCを発生させ、そのレプリカコードDLCの相関値データS19を順次スライデイング相関器17によつて求めて行く。
【0027】
その結果、スライデイング相関器17から出力される相関値データS19が第2の閾値を越えた場合には、そのときのレプリカコードDLCを検出対象のロングコードLCであると判断し、当該ロングコードLCの種別を示す情報S21を出力する。このようにしてこの同期検出装置10では、第1段階でコモンシヨートコードCSCを検出することにより受信信号中に含まれる最も信号レベルの強いロングコードLCのタイミングを検出し、続く第2段階では受信信号中に含まれグループ識別シヨートコードGISCを識別して検出対象のロングコードLCのグループを検出し、第3段階ではそのグループ内のロングコードLCを候補としてロングコードLCの種別を判定する。これによりこの同期検出装置10では、受信信号中に含まれる最も信号レベルが強いロングコードLCの同定を行うことができる。
【0028】
ここで図20に示したコモンシヨートコードCSCの相関値を検出するマツチトフイルタ11の構成を図21に示す。受信信号S10は通常QPSK変調(Quadrature Phase Shift Keying :4相位相変調)が施されているので、実際には、この図21に示すように、マツチトフイルタ11は4相構成を有している。まずマツチトフイルタ11においては、受信信号S10をそれぞれ乗算器20及び21に入力する。乗算器20には発振器22で発生したキヤリア信号S25を移相器23によつてπ/2遅延したキヤリア信号S26が入力されており、当該乗算器20はこのキヤリア信号S26と受信信号S10とを乗算することにより当該受信信号S10に含まれる同相成分Iの信号成分SIを取り出す。この同相成分Iの信号成分SIはローパスフイルタ24を介して不要成分が除去された後、アナログデイジタル変換回路25に入力され、ここでデイジタル変換されることによりデイジタルの同相データUI に変換される。
【0029】
一方、乗算器21には発振器22で発生したキヤリア信号S25が入力されており、当該乗算器21はこのキヤリア信号S25と受信信号S10とを乗算することにより当該受信信号S10に含まれる直交成分Qの信号成分SQを取り出す。この直交成分Qの信号成分SQはローパスフイルタ26を介して不要成分が除去された後、アナログデイジタル変換回路27に入力され、ここでデイジタル変換されることによりデイジタルの直交データUQ に変換される。
【0030】
相関器28〜31はそれぞれ各信号成分毎に相関値を検出するマツチトフイルタである。相関器28には上述した同相データUI とシヨートコードジエネレータ12から出力されるコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC のうちの同相成分のレプリカコードUIRが入力されており、当該相関器28は同相データUI と同相成分のレプリカコードUIRとの相関値UII(=UI *UIR)を算出し、これを加算器32に出力する。
【0031】
また相関器29には上述した同相データUI とシヨートコードジエネレータ12から出力されるコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC のうちの直交成分のレプリカコードUQRが入力されており、当該相関器29は同相データUI と直交成分のレプリカコードUQRとの相関値UIQ(=UI *UQR)を算出し、これを差分器33に出力する。
【0032】
同様に、相関器30には上述した直交データUQ と直交成分のレプリカコードUQRが入力されており、当該相関器30は直交データUQ と直交成分のレプリカコードUQRとの相関値UQQ(=UQ *UQR)を算出し、これを加算器32に出力する。また相関器31には上述した直交データUQ と同相成分のレプリカコードUIRが入力されており、当該相関器31は直交データUQ と同相成分のレプリカコードUIRとの相関値UQI(=UQ *UIR)を算出し、これを差分器33に出力する。
【0033】
加算器32は相関値UIIと相関値UQQを加算し、その加算結果を二乗回路34に出力する。一方、差分器33は相関値UQIと相関値UIQとの差分を算出し、その差分結果を二乗回路35に出力する。かくして二乗回路34及び35によつてそれぞれ加算結果及び差分結果を二乗し、その二乗結果を加算器36によつて加算することにより最終的にレプリカコードDCSC に対する相関値データS11(=(UII+UQQ)2 +(UQI−UIQ)2 )が算出される。
【0034】
ところで以上説明したようなロングコードLCの同定方法では、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出処理、グループ識別シヨートコードGISCによるロングコードLCのグループ識別処理及びその識別したグループに候補を絞つたロングコードLCの識別処理をマツチトフイルタとスライデイング相関器を用いて時系列的に行つており、各処理は基本的に異なるタイミングで行われている。これによりフエージング等によつて伝送路の状態が変化した場合には、ロングコードLCの同定ができなくなるおそれがある。このため上述した同定方法では、ロングコードLC全体の相関値を検出する等してロングコードLCの同定期間を長くすることによりこれを回避するようになされており、ロングコードLCを同定するまでに未だ時間がかかるといつた不都合がある。
【0035】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、検出対象のコードを高速に同定することができる同期検出装置を提案しようとするものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1のコードと、第1のコードのタイミングを検出するための既知の第2のコードと、第1のコードのグループを特定するための第3のコードとを含む信号を受信して、当該受信信号の中に含まれる第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する同期検出装置において、供給されるデータシフトクロツクに基づいて受信信号を順に取り込むと共に、第1、第2又は第3のコードに対応する第1、第2又は第3のレプリカコードを受けて当該第1、第2又は第3のレプリカコードと受信信号との相関値を検出するマツチトフイルタ手段と、第1、第2又は第3のレプリカコードを発生してマツチトフイルタ手段に供給する相関係数発生手段と、データシフトクロツクの供給を所望のタイミングで停止してマツチトフイルタ手段に受信信号をホールドさせると共に、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する制御手段とを設けるようにする。
【0037】
このようにしてマツチトフイルタ手段に与えるデータシフトクロツクを所望のタイミングで停止して受信信号をホールドし、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようにしたことにより、受信信号をホールドしながらマツチトフイルタ手段で高速に相関検出を行うことから各相関検出をほぼ同じようなタイミングで行うことができ、受信信号に含まれる第1のコードを従来に比して高速に同定することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0039】
(1)第1の実施の形態
図1において、40は全体として第1の実施の形態による同期検出装置を示し、コントローラ41によつて各回路ブロツクを制御することにより受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定するようになされている。なお、この場合も、受信信号S10の中には図19に示したタイミングでロングコードLC、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが含まれているものとする。
【0040】
まずマツチトフイルタ42は、図2に示すように、内部にコモンシヨートコードCSCのチツプ数と同じ段数のシフトレジスタ42Aと、当該シフトレジスタ42Bの段数と同じ数の乗算器を備えた係数乗算回路42Bと、係数乗算器42Bの各乗算器から出力される乗算結果を合成する合成回路42Cとを有しており、ビツト列からなる受信信号S10を順次シフトレジスタ42Aに入力するようになされている。またシフトレジスタ42Aはコントローラ41より動作クロツクDCLK を受けるようになされており、この動作クロツクDCLK に基づいて入力される受信信号S10のビツトを順にビツトシフトして行くようになされている。
【0041】
またマツチトフイルタ42は乗算器43を介して供給されるレプリカコードDR の各ビツトをそれぞれ1つずつ係数乗算回路42Bの各乗算器に入力するようになされており、これによりシフトレジスタ42Aの各レジスタから出力される各ビツトとレプリカコードDR の各ビツトとを係数乗算回路42Bにおいてそれぞれ乗算するようになされている。かくしてマツチトフイルタ42においては、この係数乗算器回路42Bの各乗算器から出力される乗算結果を合成回路42Cにおいて合成することにより相関値S30を求め、その求めた相関値S30を出力するようになされている。
【0042】
シヨートコードジエネレータ44はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するものであり、コントローラ41より出力される制御信号S31に基づいていずれか一方のレプリカコードDCSC 又はDGISCを発生する。このレプリカコードDCSC 又はDGISCは乗算器43を介して相関検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ42に入力される。
【0043】
一方、ロングコードジエネレータ45はロングコードLCのレプリカコードDLCを発生するものであり、コントローラ41から出力される制御信号S32に基づいて当該レプリカコードDLCを発生し、これをアンド回路46に出力する。アンド回路46の他方の入力端にはコントローラ41からのマスク制御信号SMSK が入力されており、これにより当該マスク制御信号SMSK がレベル「H」のときのみアンド回路46からレプリカコードDLCが出力されるようになされている。なお、このアンド回路46からレプリカコードDLCが出力された場合には、レプリカコードDLCは乗算器43に入力され、ここでレプリカコードDCSC 又はDGISCと乗算された後、検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ42に入力されるようになされている。
【0044】
比較器47はコントーラ41から閾値データDTHを受け、この閾値データDTHの値とマツチトフイルタ42から出力される相関値S30の値とを比較し、その結果、相関値S30の値が閾値データDTHの値を越えると、検出データSDET をコントローラ41に出力するようになされている。なお、コントローラ41は、内部に記憶してある閾値VTH1 〜VTH3 又は相関値S30によつて決定した閾値VTH4 のうち所望の閾値を閾値データDTHとして比較器47に出力するようになされている。
【0045】
タイマ48は、図3に示すように、グループ識別シヨートコードGISCを識別してからコモンシヨートコードCSCの1周期分の長さT1だけ受信信号S10を取り込むための時間をカウントするためのものであり、コントローラ41からカウント開始指令S34を受けるとカウント動作を開始し、長さT1の時間だけカウントすると、カウント終了情報S35をコントローラ41に出力する。なお、このようにタイマ48によつてカウント動作を行つて受信信号S10を部分的に取り込む理由は、部分相関によつてロングコードLCを同定して、同定までに至るまでの時間を短縮するためである。
【0046】
ここでこの同期検出装置40において受信信号S10の中に含まれるロングコードLCを同定するまでの処理手順を図4及び図5に示す。なお、図4は、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を示しており、図5は、グループ識別シヨートコードGISCによるグループの同定からロングコードLCの識別までの処理を示している。
【0047】
図4に示すように、ロングコードLCのグループを識別する際には、まずステツプSP1から入つたステツプSP2において、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP3においては、コントローラ41はコモンシヨートコードCSCを検出するための第1の閾値VTH1 を比較器47に設定する。
【0048】
次のステツプSP4では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に対して動作クロツクDCLK を供給することにより当該マツチトフイルタ42のホールド状態を解除し、当該マツチトフイルタ42に相関値算出動作を開始させる。次のステツプSP5では、コントローラ41はマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えたか否か判断する。すなわちこの場合には、比較器47は相関値S30と第1の閾値VTH1 を比較し、当該相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えると、検出データSDET を出力するので、コントローラ41はこの検出データSDET が得られた否かによつてこの判断を行う。
【0049】
このステツプSP5における判断の結果、相関値S30が第1の閾値VTH1 を越えると、コントローラ41はコモンシヨートコードCSCを検出したものとして次のステツプSP6に移る。ステツプSP6では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に供給する動作クロツクDCLK を停止することにより当該マツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aのビツトシフト動作を停止し、これによつてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をシフトレジスタ42A内にホールドする。
【0050】
次のステツプSP7では、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第2の閾値VTH2 を比較器47に設定する。次のステツプSP8では、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44に複数存在するグループ識別シヨートコードGISCのうちの最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生させる。これによりマツチトフイルタ42は、現在シフトレジスタ42Aにホールドされている受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値を算出する。
【0051】
次のステツプSP9では、コントローラ41は、ステツプSP5における判断処理と同様に、マツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断する。その結果、第2の閾値VTH2 を越えていないことが判定されれば、コントローラ41は、ステツプSP10に進んでここでグループ識別シヨートコードGISCの次候補であるレプリカコードDGISCをシヨートコードジエネレータ44に発生させ、再びステツプSP9に戻つて相関値S30の判定を行う。このようにしてグループ識別シヨートコードGISCの候補を順に発生してその相関値S30を判定した結果、当該相関値S30が第2の閾値VTH2 を越えると、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たものとしてステツプSP11に移つて処理を終了する。なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP9において肯定結果を得ることができたレプリカコードDGISCが受信信号S10に存在するグループ識別シヨートコードGISCとなる。またグループ識別シヨートコードGISCを検出し得れば、ロングコードLCに対してグループ識別シヨートコードGISCが挿入されている位置は既知であるので、ロングコードLCのタイミングを検出し得たことになるし、さらにグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たことによつて受信信号S10内に存在するロングコードLCの種類をグループ識別シヨートコードGISCが示すグループに特定し得たことになる。
【0052】
因みに、各シヨートコードの相関検出タイミングとしては、図3(D)及び(E)に示すようになる。すなわちレプリカコードDCSC の相関値S30は、マスク区間に存在するコモンシヨートコードCSCがマツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aに取り込まれた時点で大きくなり、そのタイミングで第1の閾値VTH1 を越えるような大きさの相関値S30が得られる。またこの場合、コモンシヨートコードCSCを検出した受信信号S10をマツチトフイルタ42にホールドして、マツチトフイルタ42Bの係数乗算回路42Bに与えるレプリカコードDGISCを候補順に高速に切り換えて行くので、レプリカコードDGISCの相関値S30はコモンシヨートコードCSCに対する相関値S30が検出し得たタイミングと時間的にほぼ大差なく検出し得る。
【0053】
次に図5を用いてロングコードLCを識別するまでの処理を説明する。但し、この図5においては、図4に示す処理によつて過去にグループ識別シヨートコードGISCが検出し得ているものとし、例えば間欠受信時にそのグループ識別シヨートコードGISCを使用してロングコードLCを識別するものとする。この図5に示すように、ステツプSP20から入つたステツプSP21において、コントローラ41は制御信号S31を出力してシヨートコードジエネレータ44に先に検出したグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させる。次のステツプSP22においては、コントローラ41はそのグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第3の閾値VTH3 を比較器47に設定する。
【0054】
次のステツプSP23では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に対して動作クロツクDCLK を供給することにより当該マツチトフイルタ42のホールド状態を解除し、当該マツチトフイルタ42に相関値算出動作を開始させる。次のステツプSP24では、コントローラ41は比較器47から出力される検出データDDET を基にマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第3の閾値VTH3 を越えたか否か判断する。
【0055】
この判断の結果、相関値S30が第3の閾値VTH3 を越えると、コントローラ41はグループ識別シヨートコードGISCを検出し得たものとして次のステツプSP25に移る。ステツプSP25では、コントローラ41はカウント開始指令S34を出力してタイマ48に時間T1をカウントさせる。なお、この時間T1はロングコードLCのレプリカコードDLCに対して部分相関を取るために必要な受信信号S10を取り込むまでの時間を表している。
【0056】
次のステツプSP26では、コントローラ41はタイマ48からのカウント終了情報S35を基に時間T1が経過したか否か判断し、経過したことが判定されると、続くステツプSP27に進む。ステツプSP27では、コントローラ41はマツチトフイルタ42に供給する動作クロツクDCLK を停止することにより当該マツチトフイルタ42のシフトレジスタ42Aのビツトシフト動作を停止し、これによつて現在シフトレジスタ42A内にあるデータをホールドさせる。
【0057】
次のステツプSP28では、コントローラ41はロングコードLCを検出するための第4の相関値VTH4 をグループ識別シヨートコードGISCを検出したときの相関値S30を基に算出し、この第4の相関値VTH4 を比較器47に設定する。次のステツプSP29では、コントローラ41はシヨートコードジエネレータ44に制御信号S31を出力して当該シヨートコードジエネレータ44にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP30では、コントローラ41はロングコードジエネレータ45に制御信号S32を出力して当該ロングコードジエネレータ45にロングコードLCの最初の候補であるレプリカコードDLCを発生させる。そして次のステツプSP31では、コントローラ41はマスク制御信号SMSK をレベル「H」に切り換えることによりロングコードジエネレータ45で発生したレプリカコードDLCを乗算器43に出力する。これによりコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC とロングコードLCのレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードDR がマツチトフイルタ42に供給される。かくしてマツチトフイルタ42はこのレプリカコードDR と現在シフトレジスタ42A内に存在する受信信号S10との相関値を算出する。
【0058】
次のステツプSP32では、コントローラ41は比較器47からの検出データSDET を基にマツチトフイルタ42から出力される相関値S30が第4の閾値VTH4 を越えたか否か判断する。その結果、第4の閾値VTH4 を越えていないことが判定されれば、コントローラ41は、ステツプSP33に進んでここでロングコードLCの次候補であるレプリカコードDLCをロングコードジエネレータ45に発生させ、再びステツプSP32に戻つて相関値S30の判定を行う。このようにしてロングコードLCの候補を順に発生してその相関値S30を判定した結果、当該相関値S30が第4の閾値VTH4 を越えると、コントローラ41はロングコードLCを識別し得たものとしてステツプSP34に移つて処理を終了する。
【0059】
なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP32において肯定結果を得ることができたレプリカコードDLCが受信信号S10に存在するロングコードLCとなる。また図4に示した処理を行つた直後に引き続いてロングコードLCを識別する場合には、この図5に示した処理のうちステツプSP24までの処理は省略することが可能である。
【0060】
因みに、グループ識別シヨートコードGISCの相関検出タイミングとロングコードLCの相関検出タイミングの関係は、図3(E)及び(F)に示すようになる。すなわちレプリカコードDGISCの相関値S30を検出した後、時間T1分の受信信号S10を取り込み、この受信信号S10に対してロングコードLCのレプリカコードDLCとの相関値S30を算出するので、ロングコードLCの相関検出タイミングとしてはグループ識別シヨートコードGISCの相関を検出してからほぼ時間T1経過した時刻となる。
【0061】
以上の構成において、この第1の実施の形態では、まず始めにコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を使用して受信信号S10に存在するマスク区間のコモンシヨートコードCSCを検出することによりロングコードLCのタイミングを検出する。続いてそのコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をマツチトフイルタ42内にホールドし、その受信信号S10とグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCとの相関を順次検出して行くことにより受信信号S10内のグループ識別シヨートコードGISCを識別する。グループ識別シヨートコードGISCを検出し得ると、そのグループ識別シヨートコードGISCの後に続く受信信号S10を取り込んでその受信信号S10をマツチトフイルタ42にホールドし、その受信信号S10とロングコードLCのレプリカコードDLCとの相関を順次検出して行くことにより受信信号S10内のロングコードLCを識別する。
【0062】
この場合、コモンシヨートコードCSCの検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの間においては、コモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をマツチトフイルタ42内にホルードしておき、その受信信号S10に対して相関検出を行つてグループ識別シヨートコードGISCを識別するようにしたことにより、従来のようにコモンシヨートコードCSCを一通り検出した後、コモンシヨートコードCSCのタイミングで再び受信信号を取り込んでグループ識別シヨートコードGISCを同定するような方法に比して、各処理間で時間間隔が空かなくなり、グループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を時間的に短くすることができる。またその際、受信信号S10をホールドして同じ受信信号S10に対して検出処理を行うので、従来のように伝送路の状態変化を直接的に受けることはない。
【0063】
またグループ識別シヨートコードGISCの識別からロングコードLCの識別までの間においては、グループ識別シヨートコードGISCを識別したときの受信信号S10を基準として時間T1の長さの受信信号S10を取り込み、この受信信号S10に対してレプリカコードDLCによる部分相関を検出してロングコードLCを識別するようにしたことにより、従来のようにロングコードLC全体の相関を取る場合に比して、ロングコードLCの識別までの処理を高速に行うことができる。
【0064】
以上の構成によれば、マツチトフイルタ42内のデータをホールドし、そのデータに対してそれぞれレプリカコードDCSC 、DGISC及びDLCを切り換えて相関検出を行つて各コードの同定を行うようにしたことにより、従来に比してロングコードLCの同定までの処理を高速に行うことができる。
【0065】
(2)第2の実施の形態
図6において、50は全体としてコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの各シヨートコードの相関値を加算することによりロングコードLCのタイミングを高精度に求めるためのシヨートコード相関検出装置を示す。
【0066】
マツチトフイルタ51には相関検出の対象となる受信信号S10が入力されており、当該マツチトフイルタ51はこの受信信号S10を外部より供給されるデータシフトクロツクDCLK1に基づいて順次内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。そしてマツチトフイルタ51は、シヨートコードジエネレータ52より交互に供給されるコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDCSC 及びDGISCとこの受信信号S10との相関値S40を順次算出し、これを加算器55及びラツチ回路54に出力するようになされている。
【0067】
ラツチ回路54はコントローラ53より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいてマツチトフイルタ51より出力されるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCに関する相関値S40をラツチホールドし、これを相関値S41として加算器55に出力する。加算器55は、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC に関する相関値S40と、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCに関する相関値S41とを加算することにより合成相関値S42を算出し、これを検出相関値として出力する。
【0068】
シヨートコードジエネレータ52はコントローラ53より供給される制御信号S43に基づいてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 及びグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを交互に発生し、これをマツチトフイルタ51に出力する。
【0069】
ここでこのシヨートコード相関検出装置50における相関検出動作を図7に示すタイミングチヤートを用いて具体的に説明する。図7(A)及び(B)に示すように、このシヨートコード相関検出装置50においては、入力される受信信号S10の各ビツトのタイミングに対してほぼ中央のタイミングで立ち上がるようなデータシフトクロツクDCLK1を供給するようになされており、このデータシフトクロツクDCLK1の立ち上がりエツジで順次受信信号S10のビツトを内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0070】
またこのシヨートコード相関検出装置50では、図7(C)に示すように、データシフトクロツクDCLK1がレベル「L」の区間でコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生し、データシフトクロツクDCLK1がレベル「H」の区間でグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するようになさており、これによりデータシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互にレプリカコードDCSC 及びDGISCを発生するようになされている。
【0071】
マツチトフイルタ51は、このようなタイミングで発生するレプリカコードDCSC 及びDGISCとシフトレジスタに取り込んだ受信信号S10との相関値を順次算出することにより、図7(D)に示すように、レプリカコードDCSC 及びDGISCに関する相関値S40を交互に発生する。
【0072】
コントローラ53は、図7(E)に示すように、レプリカコードDGISCに関する相関値S40が発生するタイミングでレベル「H」になるデータラツチクロツクDCLK2を発生する。これによりラツチ回路54はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S40をラツチホールドすることによりレプリカコードDGISCに関する相関値S40をホールドし、これを相関値S41として出力する。
【0073】
かくして加算器55において、図7(F)に示すように、この相関値S41をレプリカコードDCSC に関する相関値S40が出力されるタイミングで当該相関値S40に加算することにより、レプリカコードDGISCに関する相関値とレプリカコードDCSC に関する相関値とを合成した合成相関値S42が得られる。この合成相関値S42を第1の実施の形態と同様に所定の閾値と比較してロングコードLCのタイミングを検出するようにすれば、コモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの両方を同時に考慮しながらロングコードLCのタイミング検出を行うことができ、ロングコードLCのタイミングをより高精度に検出することができる。
【0074】
なお、ここでは加算器55において単にレプリカコードDCSC に関する相関値S40とレプリカコードDGISCに関する相関値S41とを合成した場合について述べたが、合成相関値S42のみならず、その合成相関値S42内におけるレプリカコードDCSC 及びDGISCの相関値比率を算出し、この相関値比率も出力するようにしても良い。このようにすれば、その相関値比率に基づいてそれぞれの相関値の大きさを考慮したタイミング検出を行うことができることから、より高精度にロングコードLCのタイミングを検出することができる。また間欠受信時のように既にコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCが分かつているときには、相関値比率による判定だけでも十分に希望局からの信号識別ができるため、パワーセーブからの立ち上がり時間を速くでき、より効率的にパワーセーブを行うことができる。
【0075】
以上の構成によれば、マツチトフイルタ51のデータシフトタイミングの間に複数のレプリカコードDCSC 及びDGISCを切り換えてほぼ同時に複数のレプリカコードに関する相関値を算出して合成相関値S42を算出するようにしたことにより、この合成相関値S42を使用してロングコードLCのタイミング検出を行えば、より高精度のタイミング検出を行うことができる。
【0076】
(3)第3の実施の形態
通常、受信信号S10はQPSK変調(Quadrature Phase Shift Keying :4相位相変調)が施されているので、図1や図6に示したマツチトフイルタは実際には4相構成を有している。ここではこの4相構成のマツチトフイルタについて、図8を用いて説明する。
【0077】
図21との対応部分に同一符号を付して示す図8において、60は全体として本発明を適用した4相構成のマツチトフイルタを示し、受信信号S10より分離された同相成分SI及び直交成分SQをそれぞれデイジタル変換することにより得られた同相データUI 及び直交データUQ をそれぞれ相関器61、62に入力するようになされている。
【0078】
相関器61及び62はそれぞれ各信号成分毎に相関値を検出するマツチトフイルタである。この相関器61及び62にはデータシフトクロツクDCLK1が入力されており、当該相関器61及び62はこのデータシフトクロツクDCLK1に基づいて順次同相データUI 及び直交データUQ をそれぞれ内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0079】
相関係数発生器63はコントローラ64からの制御信号S50に基づいて相関検出対象のレプリカコードを発生する回路であり、当該レプリカコードのうちの同相成分のレプリカコードUIR及び直交成分のレプリカコードUQRを交互に発生し、これを相関係数として相関器61及び62にそれぞれ出力する。
【0080】
相関器61は相関係数として交互に供給されるレプリカコードUIR、UQRと同相データUI との相関値UII(=UI *UIR)及びUIQ(=UI *UQR)を交互に検出し、これを相関値S51として加算器65及びラツチ回路66に出力する。ラツチ回路66はコントローラ64より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S51のうちの相関値UIQをラツチホールドし、これを相関値S52として差分器67に出力する。
【0081】
一方、相関器62は相関係数として交互に供給されるレプリカコードUIR、UQRと直交データUQ との相関値UQI(=UQ *UIR)及びUQQ(=UQ *UQR)を交互に検出し、これを相関値S53として差分器67及びラツチ回路68に出力する。ラツチ回路68はコントローラ64より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値S53のうちの相関値UQQをラツチホールドし、これを相関値S54として加算器65に出力する。
【0082】
加算器65は相関値S51のうちの相関値UIIと相関値S54として供給される相関値UQQとを加算し、その結果得られる相関値VI (=UII+UQQ) を二乗回路69に出力する。差分器67は相関値S53のうちの相関値UQIと相関値S52として供給される相関値UIQとの差分を算出し、その結果得られる相関値VQ (=UQI−UIQ)を二乗回路70に出力する。
【0083】
かくしてこのようにして求めた相関値VI 及びVQ をそれぞれ二乗回路69及び70を介して二乗し、その二乗結果VI 2 及びVQ 2 を加算器71によつて加算することにより受信信号S10と相関検出対象のレプリカコードとの相関値S55が得られる。
【0084】
ここでこの4相構成のマツチトフイルタ60における相関検出動作を図9に示すタイミングチヤートを用いて具体的に説明する。図9(A)及び(B)に示すように、このマツチトフイルタ60においては、入力される同相データUI 及び直交データUQ の各ビツトのタイミングに対してほぼ中央のタイミングで立ち上がるようなデータシフトクロツクDCLK1を各相関器61及び62に供給するようになされており、当該各相関器61及び62はそれぞれこのデータシフトクロツクDCLK1の立ち上がりエツジで順次同相データUI 及び直交データUQ を内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。
【0085】
また相関係数発生器63では、図9(C)に示すように、データシフトクロツクDCLK1がレベル「L」の区間で同相成分のレプリカコードUIRを発生し、データシフトクロツクDCLK1がレベル「H」の区間で直交成分のレプリカコードUQRを発生するようになされており、これによりデータシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互に同相成分及び直交成分のレプリカコードUIR及びUQRを発生するようになされている。
【0086】
相関器61は、このようなタイミングで発生するレプリカコードUIR及びUQRとシフトレジスタに取り込んだ同相データUI との相関値を順次算出することにより、図9(D)に示すように、レプリカコードUIR及びUQRに関する相関値UII及びUIQを交互に発生する。同様に、相関器62は、このようなタイミングで発生するレプリカコードUIR及びUQRとシフトレジスタに取り込んだ直交データUQ との相関値を順次算出することにより、図9(E)に示すように、レプリカコードUIR及びUQRに関する相関値UQI及びUQQを交互に発生する。
【0087】
コントローラ64は、図9(F)に示すように、レプリカコードUQRに関する相関値UIQ及びUQQが発生するタイミングでレベル「H」になるデータラツチクロツクDCLK2を発生する。これによりラツチ回路66はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値UIQをホールドし、これを差分器67に出力する。同様に、ラツチ回路68はこのデータラツチクロツクDCLK2に基づいて相関値UQQをホールドし、これを加算器65に出力する。
【0088】
加算器65では、図9(G)に示すように、相関器61から相関値UIIが出力されるタイミングで当該相関値UIIに相関値UQQを加算することにより相関値VI (=UII+UQQ)を算出する。同様に、差分器67では、図9(H)に示すように、相関器62から相関値UQIが出力されるタイミングで当該相関値UQIから相関値UIQを減算することにより相関値VQ (=UQI−UIQ)を算出する。
【0089】
かくしてこの相関値VI 及びVQ をそれぞれ二乗回路69及び70で二乗した後、その二乗結果VI 2 及びVQ 2 を加算することにより、図9(I)に示すように、相関検出対象のレプリカコードに対応する相関値S55が得られる。
【0090】
このようにしてこのマツチトフイルタ60の場合には、同相データUI 及び直交データUQ のデータシフトタイミングの間に相関係数UIR及びUQRを切り換えて発生させ、この相関係数UIR及びUQRを用いて相関器61及び62で相関値UII、UIQ及びUQI、UQQを交互に発生するようにしたことにより、従来のように4つの相関器を個々に設けなくても、4つの相関値UII、UIQ、UQI及びUQQを発生することができ、従来に比して4相構成のマツチトフイルタの回路構成を低減することができる。
【0091】
以上の構成によれば、同相データUI 及び直交データUQ のデータシフトタイミングの間に相関係数UIR及びUQRを切り換えて相関器61及び62で相関値UII、UIQ及びUQI、UQQを発生するようにしたことにより、従来に比して4相のマツチトフイルタの回路構成を低減することができる。
【0092】
(4)第4の実施の形態
この第4の実施の形態では、第1及び第2の実施の形態において説明した構成を組み合わせた同期検出装置について説明する。
【0093】
(4−1)同期検出装置の全体構成
図10において、80は全体として第4の実施の形態による同期検出装置を示し、コントローラ81によつて各回路ブロツクを制御することにより受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定するようになされている。
【0094】
この実施の形態の場合にも、マツチトフイルタ82には受信信号S10が入力されており、当該マツチトフイルタ82はコントローラ81より供給されるデータシフトクロツクDCLK1に基づいてその受信信号S10を順次内部のシフトレジスタに取り込むようになされている。そしてマツチトフイルタ82は、取り込んだ受信信号S10の各ビツトと相関係数発生器83で発生した相関検出対象のレプリカコードDR との相関値S60を順に算出し、これをコントローラ81、ラツチ回路84及び加算器85に出力するようになされている。
【0095】
相関係数発生器83は、コントローラ81からの制御信号S61に基づいて、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 、グループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISC、或いはコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC とロングコードLCのレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードを発生し、これを相関検出対象のレプリカコードDR としてマツチトフイルタ82に出力するようになされている。
【0096】
ラツチ回路84は、コントローラ81より供給されるデータラツチクロツクDCLK2に基づいて、マツチトフイルタ82より出力される相関値S60のうち所望の相関値をラツチホールドし、それを相関値S62としてアンド回路86及びコントローラ81に出力する。アンド回路86の他方の入力端子にはコントローラ81からの制御信号S63が入力されており、当該アンド回路86は制御信号S63がレベル「H」のとき相関値S62を加算器85に出力するようになされている。
【0097】
加算器85はマツチトフイルタ82から出力される相関値S60とアンド回路86を介して出力される相関値S62とを加算し、その結果得られる相関値S64を比較器87及びコントローラ81に出力するようになされている。なお、アンド回路86から相関値S62が出力されない場合には、加算器85は相関値S60をそのまま相関値S64として出力する。
【0098】
比較器87はコントローラ81より閾値データDTHを受け、この閾値データDTHが示す閾値と入力される相関値S64とを比較し、当該相関値S64の大きさが閾値を越えていれば検出データSDET をコントローラ81に出力するようになされている。
【0099】
第1のタイマ88は、コントローラ81よりカウント開始指令S65を受けると、図3に示したロングコードLCのマスク周期TMKの時間をカウントし、カウントが終了すると、カウント終了情報S66をコントローラ81に出力するようになされている。また第2のタイマ89は、コントローラ81よりカウント指令S67を受けると、部分相関を検出するための受信信号S10を取り込む時間(具体的には図3に示したコモンシヨートコードCSCの1周期に対応した時間T1)をカウントし、カウントが終了すると、カウント終了情報S68をコントローラ81に出力するようになされている。
【0100】
(4−2)相関係数発生器の構成
ここで上述した同期検出装置80に設けられる相関係数発生器83について、図11を用いて具体的に説明する。図11に示すように、相関係数発生器83は、大きく分けて2つのPN(Pseudo Noise code :疑似雑音符号)デコーダ90、91によつて構成され、制御信号S61(具体的にはDSC-INT、DLC-INT、DCLK3及びSMSK )に基づいてこの2つのPNデコーダ90、91を動作させることによりレプリカコードDR を発生するようになされている。
【0101】
第1のPNデコーダ90はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するものであり、コントローラ81からコモンシヨートコードCSC又はグループ識別シヨートコードGISCの初期値DSC-INTを受けると、対応するシヨートコードCSC又はGISCの1周期分のデータコードを一挙に発生し、これをレプリカコードDCSC 又はDGISCとして出力するようになされている。
【0102】
一方、第2のPNデコーダ91は部分相関を検出するためのロングコードLCのレプリカコードDLCを発生するものであり、切換スイツチ93を介してコントローラ81から供給されるロングコードLCの第1の初期値DLC-INT又は切換スイツチ93を介してラツチ回路95から供給されるロングコードLCの第2の初期値DLC-INT′に基づいて、ロングコードLCのうち丁度シヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを一挙に発生するようになされており、これをロングコードLCのレプリカコードDLCとして出力するようになされている。
【0103】
データデコーダ94は、切換スイツチ93を介してロングコードLCの初期値DLC-INTを受けると、当該初期値DLC-INTに基づいて、次のシヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成し、これをラツチ回路94に出力する。ラツチ回路94は、コントローラ81より供給されるデータラツチクロツクDCLK3に基づいて、この初期値D1をホールドし、これを第2の初期値DLC-INTとして出力する。
【0104】
なお、データデコーダ94は、切換スイツチ93を介して第2の初期値DLC-INTを受けると、さらに次のシヨートコード1周期分の長さに対応する部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成して出力するようになされており、これを順次繰り返して行くことにより所望位相の部分ロングコードを発生するための初期値D1を生成するようになされている。
【0105】
第2のPNデコーダ91で発生されたロングコードLCのレプリカコードDLCはアンド回路96に入力される。このアンド回路96の他方の入力端にはコントローラ81より出力されるマスク制御信号SMSK が入力されており、当該アンド回路96はマスク制御信号SMSK がレベル「H」のときのみレプリカコードDLCを出力するようになされている。
【0106】
エクスクルーシブオア回路97は、第1のPNデコーダ90から出力されるレプリカコードDCSC 又はDGISCとアンド回路96を介して出力されるレプリカコードDLCとの排他的論理和を演算を行い、その結果得られるコードをレプリカコードDR としてマツチトフイルタ82に出力する。なお、この場合、排他的論理和演算であることから、アンド回路96からレプリカコードDLCが出力されないときにはレプリカコードDCSC 又はDGISCがそのまま出力されることになる。
【0107】
(4−2−1)PNデコーダのコード発生原理
ここで上述したPNデコーダ90、91のレプリカコード発生原理について説明する。但し、ここでは説明を分かりやすくするため、PNデコーダで発生するコードをPN95とする。図12において、100はPN95のコードを発生する一般的なPNデコーダであり、9段のシフトレジスタ101とエクスクルーシブオア回路102によつて構成される。このPNデコーダ100では、レジスタD4の出力とレジスタD0の出力をエクスクルーシブオア回路102に入力し、ここで排他的論理和演算した結果をレジスタD8に入力することにより順次PNコードを出力するようになされている。
【0108】
ここでI8〜I0をレジスタD8〜D0の初期値とすると、T=0における出力O0はI0となり、T=1のときにはシフトレジスタ101の値が全体的に右に1つずつシフトするので出力O1はI1となる。またそのときレジスタD8に入力されるのは、I4とI0の排他的論理和演算結果である。
【0109】
同様に、T=2のときには出力O2はI2となり、レジスタD8への入力はI1とI5の排他的論理和演算結果となる。以下、これを順に繰り返して行くと、このPNデコーダ100から出力される出力コードは、初期値I0〜I8、もしくは所定時刻の出力値を排他的論理和演算した結果となる。このことを踏まえると、例えば時刻T=0〜19までの出力コードO0〜O19は、初期値I0〜I8を基準にした排他的論理和演算によつて表すことができる。従つて同時刻でO0〜O19までの出力コードを一挙に出力するようなPNデコーダ103は、図13に示すように、エクスクルーシブオア回路EX1〜EX11によるゲート回路で容易に構成することができる。なお、このPNデコーダ103においてはバツフアB1〜B9が用いられているが、これはエクスクルーシブオア回路EX1〜EX11における演算時間を吸収するための遅延時間を発生するためのものである。
【0110】
かくして上述した第1及び第2のPNデコーダ90、91はこの原理に基づいてエクスクルーシブオア回路によるゲート回路によつて生成されたものであり、第1のPNデコーダ90は初期値DSC-INTが与えられると、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC 又はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを1周期分一挙に生成し、また第2のPNデコーダ91は初期値DLC-INT又はDLC-INT′が与えられると、それを入力としてシヨートコード1周期分の長さに相当する部分ロングコードのレプリカコードDLCを一挙に生成するようになされている。
【0111】
このような所定の長さのレプリカコードDCSC 、DGISC又はDLCを一挙に発生するPNデコーダ90、91を設けることにより、この同期検出装置80では、マツチトフイルタ82に相関係数を一挙に与えて高速に相関検出を行うことができる。なお、一般的なPNデコーダ100のように時系列的にコードを発生するようなものであれば、所定の長さのレプリカコードが発生するまでに時間がかかることから相関検出に時間がかかるといつた問題がある。
【0112】
ところでレプリカコードDLCはロングコードLCの部分コードである。ロングコートLCとの相関を検出する上では、ロングコードLCの所望位相の部分コードを発生できることが望まれる。ところでPNデコーダのコード発生原理を考えると、出力コードはシフトレジスタ内の値によつて決まる。従つて所定時刻におけるシフトレジスタ内の値を算出し、これを第2のPNデコーダ91の入力とすれば、回路構成を変更しなくても、容易に所望位相の部分コードを発生することができる。この所定時刻におけるシフトレジスタ内の値を算出するのが、上述したデータデコーダ95の役割である。
【0113】
ここでデータデコーダ95におけるデータ演算の原理を説明する。一般に所定時刻T=Xにおけるシフトレジスタ内の値は、シフトレジスタの初期値と当該シフトレジスタのシフト量に応じた行列との排他的論理和演算で求めることができる。例えば発生するコードをPN95とすると、T=9におけるシフトレジスタ内の値I8′〜I0′は、次式、
【0114】
【数1】
【0115】
に示すように表される。この変換行列を、次式、
【0116】
【数2】
【0117】
に示すようにAとすると、この変換行列Aは、基準時刻から時刻「9」だけ経過したときのシフトレジスタ内の値を求めるための行列である。従つて、時刻T=18のときのシフトレジスタ内の値I8″〜I0″を求める場合には、次式、
【0118】
【数3】
【0119】
に示すように、今度はT=9のときのシフトレジスタ内の値I8′〜I0′を初期値とした変換行列Aによる演算によつて求めることができる。
【0120】
従つてデータデコーダとしてはこの変換行列に対応する排他的論理和演算を行えば良く、時刻「9」だけ経過したときのシフトレジスタ内の値を求めるようなデータデコーダ105は、図14に示すように、エクスクルーシブオア回路EX20〜EX26のみによつて構成することができる。
【0121】
かくして上述したようなデータデコーダ95は、この原理に基づいてエクスクルーシブアオ回路のみによつて構成されたものであり、ある時刻の初期値DLC-INT又はDLC-INT′を入力として排他的論理和演算を行うことにより、次位相のロングコードLCの部分コードを発生するための初期値DLC-INT′を発生するようになされている。このようなデータデコーダ95を設けることにより、この同期検出装置80では、当該データデコーダ95によつて所望位相の初期値DLC-INT′を演算することによりPNデコーダ91の回路構成を変更することなく所望位相の部分コードを容易に発生することができる。
【0122】
(4−3)同期検出装置における動作手順
続いてこの項では、同期検出装置80における動作手順を図15及び図16を用いて説明する。なお、図15は、コモンシヨートコードCSCによるロングコードLCのタイミング検出からグループ識別シヨートコードGISCの識別までの処理を示しており、図16は、グループ識別シヨートコードGISCによるグループの同定からロングコードLCの識別までの処理を示している。
【0123】
図15に示すように、ロングコードLCのグループを識別する際には、まずステツプSP40から入つたステツプSP41において、コントローラ81は制御信号S61としてコモンシヨートコードCSCの初期値DSC-INTを相関係数発生器83内の第1のPNデコーダ90に与えることにより当該相関係数発生器83にコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させる。
【0124】
次のステツプSP42では、コントローラ81は閾値データDTHとしてコモンシヨートコードCSCを検出するための第1の閾値VTH1 を比較器87に与えることにより当該比較器87に第1の閾値VTH1 を設定する。次のステツプSP43では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を供給することにより当該マツチトフイルタ82のホールド状態を解除し、順次受信信号S10を取り込ませる。これによりマツチトフイルタ82は、受信信号S10とレプリカコードDCSC との相関値算出を開始する。
【0125】
次のステツプSP44では、コントローラ81はマツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えたか否かを判断する。すなわちこの場合には、比較器87は加算器85を介して供給される相関値S64と第1の閾値VTH1 を比較し、当該相関値S64が第1の閾値VTH1 を越えると、検出データSDET を出力するので、コントローラ81はこの検出データSDET が得られた否かによつてこの判断を行う。
【0126】
このステツプSP44における判断の結果、マツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCを検出したものとして次のステツプSP45に移る。ステツプSP45では、コントローラ81は第1の閾値VTH1 を越えたときの相関値S60を取り込み、この相関値S60の値を第2の閾値VTH2 として比較器87に設定する。
【0127】
次のステツプSP46では、コントローラ81は、第1のタイマ88に対してカウント開始指令S65を出力することにより当該第1のタイマ88にロングコードLCのマスク周期TMKをカウントさせる。次のステツプSP47では、コントローラ81は第1のタイマ88からカウント終了情報S66が得られたか否かか判断することによりマスク周期TMKの時間が経過したか否か判断する。その結果、経過していなければステツプSP48に進み、経過したことが検出されればステツプSP49に進む。
【0128】
ステツプSP48では、コントローラ81はマツチトフイルタ82より出力される相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断し、その結果越えていればステツプSP45に戻つてそのときの相関値S60の値を新たに第2の閾値VTH2 として設定し直して同様の処理を繰り返し、一方、相関値S60が越えていなければステツプSP47に戻つてタイマ終了までこの処理を繰り返す。すなわちステツプSP45〜ステツプSP48までの処理においては、最初に検出した相関値がマスク周期TMK内において最も大きい相関値であるか否か検出し、最も大きい相関値であればステツプSP49に進み、他に大きい相関値が存在する場合にはそれがマスク周期TMK内において最も大きい相関値であるか否かを検出するようになされている。
【0129】
かくしてマスク周期TMK内において最も大きい相関値が検出されると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCを検出し得たとしてステツプSP49に進む。ステツプSP49では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に供給するデータシフトクロツクDCLK1を停止することにより当該マツチトフイルタ82内のシフトレジスタのビツトシフト動作を停止、これによつてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10をシフトレジスタ内にホールドする。
【0130】
次のステツプSP50では、コントローラ81は、最後に比較器87に設定した第2の閾値VTH2 の値を所定倍したものをグループ識別シヨートコードGISCを検出するための第3の閾値VTH3 として新たに比較器87に設定する。次のステツプSP51では、コントローラ81は、最初の候補であるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するための初期値DSC-INTを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に供給することにより当該相関係数発生器83に最初の候補であるグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生させる。これによりマツチトフイルタ82は、現在シフトレジスタ内にホールドされている受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値算出を開始する。
【0131】
次のステツプSP52では、コントローラ81は、比較器87からの検出データSDET を基に、マツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えたか否か判断する。その結果、第3の閾値VTH3 を越えていなければ、コントローラ81はステツプSP53に進んでここでグループ識別シヨートコードGISCの次候補のレプリカコードDGISCを相関係数発生器83に発生させ、再びステツプSP52に戻つて相関値S60の判定を行う。
【0132】
このようにしてグループ識別シヨートコードGISCの候補を順に発生してその相関値S60を判定した結果、当該相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えると、コントローラ81はグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たものとしてステツプSP54に移つて処理を終了する。なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP52において肯定結果を得ることができたレプリカコードDGISCが受信信号S10に存在するグループ識別シヨートコードGISCとなる。またグループ識別シヨートコードGISCを検出し得れば、ロングコードLCに対してグループ識別シヨートコードGISCが挿入されている位置は既知であるので、ロングコードLCのタイミングを検出し得たことになるし、さらにグループ識別シヨートコードGISCを識別し得たことによつて受信信号S10内に存在するロングコードLCの種類をグループ識別シヨートコードGISCが示すグループに特定し得たことになる。
【0133】
ここでこの図15における処理を行つたときのグループ識別までのタイミングチヤート例を図17に示す。まず時点t1おいてコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生すると共に、マツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を供給すると、マツチトフイルタ82は受信信号S10を順次取り込んでレプリカコードDCSC との相関値S60を算出する。その結果、時点t2において、マツチトフイルタ82からの相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えると、そのときの相関値S60の値を第2の閾値VTH2 として設定すると共に、第1のタイマ88を起動し、再びマツチトフイルタ82から出力される相関値S60と第2の閾値VTH2 とを比較する。
【0134】
その結果、この図17に示すように、例えば第1のタイマ88が終了する前に時点t3において相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えると、そのときの相関値S60の値を再び第2の閾値VTH2 として設定し直すと共に、第1のタイマ88をリスタートする。その結果、今度は第1のタイマ88が終了するまでに第2の閾値VTH2 を越えるものがなければ、時点t4においてデータシフトクロツクDCLK の供給を停止してマツチトフイルタ82内に受信信号S10をホールドさせると共に、時点t3で検出したときの相関値S60の値を所定倍したものを第3の閾値VTH3 として設定し直し、さらに相関係数発生器83からグループ識別シヨートコードGISCの最初の候補であるレプリカコードDGISCを発生させる。
【0135】
この状態でマツチトフイルタ82から出力される相関値S60の値を第3の閾値VTH3 と比較し、当該第3の閾値VTH3 を越えなければ次候補のレプリカコードDGISCを発生して同様に相関値S60を判定する。その結果、時点t5において相関値S60が第3の閾値VTH3 を越えると、そのときのレプリカコードDGISCを受信信号S10内のグループ識別シヨートコードGISCであると判定し、処理を終了する。かくしてこの同期検出装置80では、このような経過を経てグループ識別シヨートコードGISCを識別するようになされている。
【0136】
次に図16を用いてロングコードLCを識別するまでの処理を説明する。但し、この図16においては、図15に示す処理によつて過去にグループ識別シヨートコードGISCが検出し得ているものとし、例えば間欠受信時にそのグループ識別シヨートコードGISCを使用してロングコードLCを識別するものとする。この図16に示すように、ステツプSP60から入つたステツプSP61において、まずコントローラ81はコモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させるための初期値DSC-INTとグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生するための初期値DSC-INTとを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に交互に与えることにより当該相関係数発生器83にレプリカコードDCSC とレプリカコードDGISCとを交互に発生させる。
【0137】
次のステツプSP62では、コントローラ81はコモンシヨートコードCSC及びグループ識別シヨートコードGISCの両方を検出するための第4の閾値VTH4 を比較器87に設定する。次のステツプSP63では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に対してデータシフトクロツクDCLK1を与えることにより当該マツチトフイルタ82のホールド状態を解除し、マツチトフイルタ82に相関算出動作を開始させる。これによりマツチトフイルタ82は、データシフトクロツクDCLK1の1周期のうちに交互に供給されるレプリカコードDCSC 及びDGISCを受けて、当該レプリカコードDCSC 及びDGISCと受信信号S10との相関値を交互に算出し、相関値S60として出力する。このときコントローラ81は、ラツチ回路84に対してデータラツチクロツクDCLK2を与えると共に、アンド回路86に対してレベル「H」の制御信号S63を与えることにより、ラツチ回路84にレプリカコードDGISCの相関値S60をラツチさせ、その値を加算器85に供給するようにする。これにより加算器85はレプリカコードDCSC の相関値とレプリカコードDGISCの相関値とを加算した相関値S64を算出する。
【0138】
次のステツプSP64では、コントローラ81は、比較器87から出力される検出データSDET を基に、加算器85から出力される相関値S64が第4の閾値VTH4 を越えたか否か判断する。
【0139】
この判断の結果、相関値S64が第4の閾値VTH4 を越えると、コントローラ81はコモンシヨートコードCSCとグループ識別シヨートコードGISCを検出し得たものとして次のステツプSP65に移る。ステツプSP65では、コントローラ81はカウント開始指令S67を第2のタイマ89に出力して当該第2のタイマ89に部分相関を検出するための受信信号S10を取り込むまでの時間T1をカウントさせる。
【0140】
次のステツプSP66では、コントローラ81は第2のタイマ89からのカウント終了情報S68を基に時間T1が経過したか否か判断し、経過したことが判定されると、続くステツプSP67に進む。ステツプSP67では、コントローラ81はマツチトフイルタ82に供給するデータシフトクロツクDCLK1を停止することにより当該マツチトフイルタ82内のシフトレジスタのビツトシフト動作を停止し、これによつて現在シフトレジスタ内にある受信信号S10をホールドさせる。
【0141】
次のステツプSP68では、コントローラ81はロングコードLCを検出するための第5の閾値VTH5 を比較器87に設定する。次のステツプSP69では、コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生させるための初期値DSC-INTを相関係数発生器83の第1のPNデコーダ90に与えることにより当該第1のPNデコーダ90にレプリカコードDCSC を発生させる。次のステツプSP70では、最初の候補であるロングコードLCの部分コードを発生するための初期値DLC-INTを相関係数発生器83の第2のPNデコーダ91に与えることにより当該第2のPNデコーダ91に最初の候補のレプリカコードDLCを発生させる。次のステツプSP71では、コントローラ81はマスク制御信号SMSK をレベル「H」に設定することにより相関係数発生器83にレプリカコードDCSC とレプリカコードDLCとを乗算したレプリカコードDR を発生させる。これによりマツチトフイルタ82はホールドしている受信信号S10とこのレプリカコードDCSC 及びDLCからなるレプリカコードDR との相関値S60を算出する。
【0142】
次のステツプSP72では、コントローラ81は、比較器87から出力される検出データSDET を基にマツチトフイルタ82から出力される相関値S60が第5の閾値VTH5 を越えたか否か判断する。その結果、第5の閾値VTH5 を越えていないことが判定されれば、コントローラ81は、ステツプSP73に進んでここで次候補のレプリカコードDLCを発生するための初期値DLC-INTを第2のPNデコーダ91にロードし、これによつて第2のPNデコーダ91から次候補のレプリカコードDLCを発生させて、再びステツプSP72に戻つて相関値S60の判定を行う。なお、厳密には、次候補に移る前に、まずその候補において順次位相のずれたレプリカコードDLCを発生して相関を調べて行き、その結果、その候補内に閾値を越えるものがなければ次候補に移るようになされている。これによりこの同期検出装置80では、ロングコードLCの同定と共にロングコードLCの位相も同定するようになされている。
【0143】
このようにしてロングコードLCの候補を順に発生してその相関値S60を判定した結果、当該相関値S60が第5の相関値VTH5 を越えると、コントローラ81はロングコードLCを識別し得たものとしてステツプSP74に移つて処理を終了する。
【0144】
なお、この場合、当然のことながら、ステツプSP72において肯定結果を得ることができたレプリカコードDLCが受信信号S10内に存在するロングコードLCとなる。また図15に示した処理を行つた直後に引き続いてロングコードLCを識別する場合には、この図16に示した処理のうちステツプSP64までの処理は省略することができる。
【0145】
(4−4)動作及び効果
以上の構成において、この同期検出装置80では、まずロングコードLCのタイミングを規定するコモンシヨートコードCSCを検出するため当該コモンシヨートコードCSCのレプリカコードDCSC を発生し、マツチトフイルタ82によつて順次受信信号S10を取り込んでこのレプリカコードDCSC との相関値S60を算出する。そしてこの同期検出装置80では、その相関値S60が第1の閾値VTH1 を越えたか否かを判断することによつてコモンシヨートコードCSCを検出する。
【0146】
コモンシヨートコードCSCを検出し得ると、この同期検出装置80では、今度はグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを発生すると共に、マツチトフイルタ82をホールド状態にしてコモンシヨートコードCSCを検出したときの受信信号S10を保持し、当該マツチトフイルタ82によつてその受信信号S10とレプリカコードDGISCとの相関値S60を算出する。そしてグループ識別シヨートコードGISCのレプリカコードDGISCを順次変えながら、その相関値S60が第2の閾値VTH2 を越えたか否か判断することによりグループ識別シヨートコードGISCを同定する。
【0147】
グループ識別シヨートコードGISCを検出し得た後は、ロングコードLCの部分相関を算出するための受信信号S10をマツチトフイルタ82に取り込み、マツチトフイルタ82への取り込みが終了すると、当該マツチトフイルタ82をホールド状態にすると共に、ロングコードLCの部分的なレプリカコードDLCを発生し、マツチトフイルタ82によつてその受信信号S10とレプリカコードDLCとの相関値S60を算出する。そしてグループ識別シヨートコードGISCで特定されるグループ内においてロングコードLCのレプリカコードDLCを順次切り換え行き、その相関値S60が第5の閾値VTH5 を越えたか否か判断することによりロングコードLCを同定する。
【0148】
このようにしてこの同期検出装置80では、マツチトフイルタ82に受信信号S10をホールドしながら順次レプリカコードDR (DCSC 、DGISC又はDLC)を切り換えて行くことにより、各レプリカコードに対する相関値を高速に求めて各コードを高速に同定することができ、従来に比して受信信号S10に含まれるロングコードLCを高速に同定することができる。
【0149】
かくして以上の構成によれば、マツチトフイルタ82内に受信信号S10を保持し得るようにし、レプリカコードDCSC 、DGISC又はDLCを所定のタイミングで順次切り換えて相関値S60を算出して各コードを同定するようにしたことにより、受信信号S10に含まれているロングコードLCを高速に同定することができる。
【0150】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、DS−CDMA方式であつて基地局間非同期のセルラー無線通信システムに本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他のシステムに本発明を適用しても上述の場合と同様の効果を得ることができる。要は、第1のコードと、第1のコードのタイミングを検出するための既知の第2のコードと、第1のコードのグループを特定するための第3のコードとを含む信号が送信されており、その信号を受信して受信信号の中に含まれる第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようなとき、供給されるデータシフトクロツクに基づいて受信信号を順に取り込むと共に、第1、第2又は第3のコードに対応する第1、第2又は第3のレプリカコードを受けて当該第1、第2又は第3のレプリカコードと受信信号との相関値を検出するマツチトフイルタ手段と、第1、第2又は第3のレプリカコードを発生してマツチトフイルタ手段に供給する相関係数発生手段と、データシフトクロツクの供給を所望のタイミングで停止してマツチトフイルタ手段に受信信号をホールドさせると共に、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する制御手段とを設けるようにすれば、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0151】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、マツチトフイルタ手段に与えるデータシフトクロツクを所望のタイミングで停止して受信信号をホールドし、相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの相関値を調べることにより、第2のコード、第3のコード及び第1のコードを順に検出して第1のコードのタイミング及びコード種別を検出するようにしたことにより、受信信号をホールドしながらマツチトフイルタ手段で相関検出を行うことから各相関検出をほぼ同じようなタイミングで行うことができ、受信信号に含まれる第1のコードを従来に比して高速に同定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図2】マツチトフイルタの内部構成を概念的に示したブロツク図である。
【図3】受信信号内の各コードの構成及び各コードに対する相関値の検出タイミングを示す略線図である。
【図4】第1の実施の形態におけるグループ識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図5】第1の実施の形態におけるロングコードの識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図6】第2の実施の形態によるシヨートコード相関検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】第2の実施の形態による相関値算出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図8】第3の実施の形態による4相構成のマツチトフイルタの構成を示すブロツク図である。
【図9】第3の実施の形態による相関値算出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図10】第4の実施の形態による同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図11】第4の実施の形態による相関係数発生器の構成を示すブロツク図である。
【図12】一般的なPNデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図13】本発明を適用したPNデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図14】本発明を適用したデータデコーダの説明に供するブロツク図である。
【図15】第4の実施の形態によるグループ識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図16】第4の実施の形態によるロングコードの識別までの処理手順を示すフローチヤートである。
【図17】グループ識別までの検出タイミングの説明に供するタイミングチヤートである。
【図18】基地局に設けられた制御チヤネルの信号生成部を示すブロツク図である。
【図19】基地局から送信される送信信号内の各コードの構成を示す略線図である。
【図20】従来の同期検出装置の構成を示すブロツク図である。
【図21】従来の4相構成のマツチトフイルタの構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
1……信号生成部、2、3、6、16、20、21、43……乗算器、4、46、86……アンド回路、5、32、36、55、65、71、85……加算器、10、40、80……同期検出装置、11、42、51、60、82……マツチトフイルタ、12、44、52……シヨートコードジエネレータ、13……メモリ、14……最大相関検出回路、15、45……ロングコードジエネレータ、17……スライデイング相関器、18……閾値決定回路、19……判定部、22……発振器、23……移相器、24、26……ローパスフイルタ、25、27……アナログデイジタル変換回路、28〜31、61、62……相関器、33、67……差分器、34、35、69、70……二乗回路、41、53、64、81……コントローラ、42A……シフトレジスタ、42B……係数乗算回路、42C……合成回路、47、87……比較器、48、88、89……タイマ、50……シヨートコード相関検出装置、54、66、68、84、94……ラツチ回路、63、83……相関係数発生器、90、91……PNデコーダ、93……切換スイツチ、95……データデコーダ。
Claims (4)
- 第1のコードと、上記第1のコードのタイミングを検出するための既知の第2のコードと、上記第1のコードのグループを特定するための第3のコードとを含む信号を受信して、当該受信信号の中に含まれる上記第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する同期検出装置において、
供給されるデータシフトクロツクに基づいて上記受信信号を順に取り込むと共に、上記第1、第2又は第3のコードに対応する第1、第2又は第3のレプリカコードを受けて当該第1、第2又は第3のレプリカコードと上記受信信号との相関値を検出するマツチトフイルタ手段と、
上記第1、第2又は第3のレプリカコードを発生して上記マツチトフイルタ手段に供給する相関係数発生手段と、
上記データシフトクロツクの供給を所望のタイミングで停止して上記マツチトフイルタ手段に上記受信信号をホールドさせると共に、上記相関係数発生手段で発生するレプリカコードを所望のタイミングで上記第1、第2又は第3のレプリカコードに切り換えてそのときの上記相関値を調べることにより、上記第2のコード、上記第3のコード及び上記第1のコードを順に検出して上記第1のコードのタイミング及びコード種別を検出する制御手段と
を具えることを特徴とする同期検出装置。 - 上記相関値が所定の閾値を越えたか否かを検出する比較手段をさらに具え、
上記制御手段は、上記レプリカコードの切り換えに応じて上記比較手段の上記閾値を所定の値に設定することにより上記相関値を調べる
ことを特徴とする請求項1に記載の同期検出装置。 - 上記制御手段は、
始めに上記第2のレプリカコードを上記相関係数発生手段によつて発生させると共に、上記マツチトフイルタ手段に上記データシフトクロツクを供給することにより、上記第2のレプリカコードに関する相関値を上記マツチトフイルタ手段に検出させ、当該相関値が第1の閾値を越えたか否かを判断することにより上記第2のコードを検出して上記第1のコードのタイミングを検出し、
上記第2のコードが検出されると、上記データシフトクロツクの供給を停止して上記マツチトフイルタ手段に上記受信信号をホールドさせると共に、候補として考え得る上記第3のレプリカコードを順に上記相関係数発生手段によつて発生させ、そのときに上記マツチトフイルタ手段から出力される上記相関値が第2の閾値を越えたか否かを調べて行くことにより上記第3のコードの種別を検出し、上記第3のコードが検出されると、所定時間上記データシフトクロツクを供給して上記マツチトフイルタ手段に所定の長さの上記受信信号を取り込ませてホールドし、上記第3のコードによつて特定される候補の上記第1のレプリカコードを順に上記相関係数発生手段によつて発生させ、そのときに上記マツチトフイルタ手段から出力される上記相関値が第3の閾値を越えた否かを調べて行くことにより上記第1のコードの種別を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の同期検出装置。 - 上記第1のレプリカコードは上記第1のコードに対応する部分コードであり、上記第1のコードの種別を検出する際には、上記マツチトフイルタ手段によつて部分相関を検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の同期検出装置。
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