JP3828653B2 - 貨車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送貨車に格納された長い溶接レールを引き降ろすべく、レール上を走行する貨車であって、軌道上台車に支持された貨車フレームと、長い溶接レールを把持し且つそのレールを貨車の長手方向に変位させるレール引張り装置とを備える、貨車に関する。
【0002】
【従来の技術】
レールを引き降ろすこの型式の貨車は、欧州特許第0467001B1号から公知であり、この場合、レール引張り装置は、案内ローラと、レールクランプとを有するクレーンアームと同様の設計とされている。引き降ろすべき長い溶接レールを把持する設計とされた、上記クランプは、駆動体によって引張り方向に向けて長手方向に変位可能である。この長い溶接レールは、レールクランプによって繰り返して把持され、その後、レール引張り装置を繰り返し戻すことにより、引張り装置に向けて段階的に変位される。上記の引張り装置により、レールは、軌道付設車輌の前端に向けて更に変位される。上記の公知のレール引張り装置は、余り効率的ではなく、特に、長い溶接レールをローラ上に摩擦無しに支持し、これにより、引き降ろしに対する抵抗力が最小となるようにする必要がある。
【0003】
独国特許第1208326B号、同第2734748B号から、互いに接続した複数のレール輸送貨車から成るレール積載車輌が公知である。輸送すべき長い溶接レールを支持するために、貨車の横断方向に向けて次々と配置された支持ローラを有するレール支持体が公知であり、該レール支持体は、貨車のフレームに締結され且つ貨車又はレールの長手方向に向けて互いに隔たった位置に配置されている。長い溶接レールを引き降ろすべく車輌の端部に配置された貨車(シュート貨車とも称される)は、隣接するレール輸送貨車と同様に、レール装填クレーンを駆動し得るように、長手方向側部の各々の領域内にて貨車の長手方向に伸長するクレーン・レールを備えている。ガントリー式の設計であるため、上記クレーンは、格納した長い溶接レールの上方に亙って動き、2つのクレーンアームを使用して、2本の長い溶接レールを把持し且つそれらのレールをシュート貨車に向けて変位させることができる。この端部領域内にて、ローラにより案内される、長い溶接レールは、次に、地面に接する迄、変位され、最終的に、軌道に定着される。これら2本の長い溶接レールは、レール積載車輌を前進させることにより更に引き降ろされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ローラ上に支持されていない場合であっても、問題なく、特別に長い長さの溶接レールを引き降ろすことのできる、レール上を走行する上記型式の貨車を形成することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は、レール引張り装置が駆動体が設けられ且つ2つの案内プーリー(互いに隔たっており且つ回転軸線を有する)の周りで案内可能な設計とされたカタピラ軌道から成っており、該カタピラ軌道は、長い溶接レールに作用し得るように引張り方向に向けて一方が他方の後になるように配置された接触板と、駆動体によりカタピラ軌道に対して調節可能であり且つ長い溶接レール上を転動し得る設計とされた支台部とを有する、上記型式の貨車によって達成される。
【0006】
このレール引張り装置のクランプ状動作のため、特別に強力な引張り力が利用可能となり、このため、例えば、長さが120mのレールであっても、問題なく引き降ろすことができる。これに対応して長い設計のカタピラ軌道により、その引張り力を増大させ、長い溶接レール(単に中間層の上に支持されるだけであり、変位に対する特に大きい抵抗力を不可避的に生じさせるレール)でさえも引き降ろすことを可能にする。少なくともレールの基部に対応する幅寸法にて設計されることが好ましい、接触板は、最大の接触領域、即ち圧力領域を形成し、これにより、約32トンという特別に強力な圧力が作用する場合であっても、長い溶接レールの損傷を確実に防止することができる。また、このレール引張り装置の特殊な更なる利点は、引っ張り作業を連続的に行うことが可能であり、レールの引き降ろしを行う間に、貨車に接続された軌道付設機械と協動して、枕木の連続的な付設、及びその付設した枕木の上に引き降ろした長い溶接レールを付設することを可能にする点である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の更なる利点は、従属請求項及び図面から明らかになるであろう。
【0008】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に関して詳細に説明する。
【0009】
輸送貨車2に格納された長い溶接レール3を引き降ろす、図1及び図2に図示した貨車1には、長い溶接レール3を把持し且つ変位させる2つの独立的なレール引張り装置4が設けられている。該レール引張り装置4は、軌道上台車5に支持された貨車フレーム6に締結されており、該貨車フレーム6は、隣接する輸送貨車2と共に、更に図示しない軌道付設車輌内に組み込まれて、長い溶接レール3と、新品の枕木とから成る新たな軌道の付設を連続的に行う。
【0010】
2つのレール引張り装置4が、貨車の横断方向に向けて一方が他方の後になるようにある距離をおいて配置されており、また、その各々は、カタピラ軌道7(貨車の略長手方向に略伸長する軌道)と、その上方に配置された支台部8とから成っている。双方のレール引張り装置4は、垂直軸線20及び水平軸線46(機械の長手方向に対して垂直に伸長する)の周りで回動可能に取り付けられている。
【0011】
図3乃至図6によるレール引張り装置4の詳細な拡大図から特に理解し得るように、無端のカタピラ軌道7は、貨車の長手方向に向けて互いに隔たった案内プーリー9の上に支持されている。該案内プーリーの各々は、水平方向に且つ貨車の長手方向に対して垂直に伸長する回転軸線10の周りで回転可能に取り付けられている。支持フレーム13に取り付けられた2つの案内プーリー9の一方は液圧駆動体11により回転可能である。カタピラ軌道7を支持するより小さい複数の支持ローラー12が、2つの案内プーリー9の間にて、支持フレーム13に取り付けられている。上記カタピラ軌道7は、引張り又は搬送方向(矢印14ず示す)に向けて一方が他方の後になるように配置され且つ互いに関節式に接続された複数の接触板15から成っている。これらの接触板は、明確化のため、図4及び図5にのみ図示してある。カタピラ軌道7の上方領域にて、上記接触板15は、引き降ろすべき長い溶接レール3のレール基部面17に対して平行に伸長するレール接触面16を形成する(特に、図5参照)。
【0012】
特に、図3から明らかであるように、搬送方向に向けて一方が他方の後になるように配置され且つ回転軸線10に対して平行に伸長する軸線19を有する4つの二重フランジ付きローラ18から成る支台部8は、垂直方向に向けてカタピラ軌道7の上方に配置され且つ該カタピラ軌道に対して調節可能な設計とされている。4つの二重フランジ付きローラ18の内2つは、軸線19に対して平行に伸長する軸線21の周りで回動可能にヨーク22に取り付けられている。該ヨークは、その一部が、その一端にて支持フレーム13に回動可能にヒンジ止めされ、その他端にて駆動体23に接続されている。特に、図4から明らかであるように、貨車の横断方向に向けて互いに隔たった2つの駆動体23は、支台部8の各ヨーク22と協動するようにされており、該駆動体23の下端はレール引張り装置4の支持フレーム13に取り付けられている。二重フランジ付きローラ18の各々は、軸線19の方向に向けて互いに隔たった2つのフランジ24を備えている。このため、長い溶接レール3のレール頂部25をフランジ24の間の中心に配置するることが可能である。
【0013】
レール引張り装置4は、伸縮式ビーム26に取り付けられている。該伸縮式ビーム26は、駆動体27により水平方向に且つ貨車の長手方向に対して垂直方向に延長可能な設計とされ、また、貨車フレーム6に締結されている。更に、レール引張り装置4を含むビーム26は、回動駆動体28を介して、水平方向に且つ貨車の長手方向に対して垂直に伸長する軸線46の周りで回動可能である。レール引張り装置4をビーム26に対して垂直軸線20の周りで回動させることは、更なる回動駆動体29により行われる(図4参照)。
【0014】
図1及び図2から理解され得るように、2つのケーブルウィンチ30、及び引き降ろすべき2本の長い溶接レール3を支持する案内ローラ32が輸送貨車2に隣接する貨車1の一端に設けられている。該案内ローラ32は、垂直方向に且つ水平方向に伸長し、駆動体31により垂直方向に調節可能である。ケーブルウィンチ30に巻かれるプル・ケーブル33は、その端部にて締付けフック34及び引き込みケーブル35に接続されている。この引き込みケーブルは、図1にのみ図示したそれぞれのケーブルウィンチ36に巻き取ることができる。駆動体37により垂直方向に且つ横方向に調節可能に貨車フレーム6に取り付けられた2つのレールガイド38は、貨車の長手方向に対して2つのケーブルウィンチ30とレール引張り装置4との間に設けられている。
【0015】
次に、輸送貨車2に予め格納された長い溶接レール3を2つのレール引張り装置4により引き降ろす作用に関して詳細に説明する。
【0016】
2つのケーブルウィンチ36を液圧作動させると、引き込みケーブル35が巻き上げられ、これと同時に、締付けフック34の各々が引き降ろすべき長い溶接レール3に向けて駆動される。この目的のため、2つのケーブルウィンチ30は、自由に作動するようにスイッチが入れられる。引き降ろすべきそれぞれの長い溶接レール3の上方にて締付けフック34を配置し得るようにするため、2本の引き込みケーブル35を偏向させる案内プーリー39が支持フレーム40上に横方向に横断状に変位可能に取り付けられている。急速係止機構を具備する締付けフック34の各々を長い溶接レール3に接続した後、それぞれのケーブルウィンチ30を作動させてプル・ケーブル33を引き込ませると直ちに、その長い溶接レール3は矢印14で示した引張り方向に引き出される。これと同時に、協動するケーブルウィンチ36が自由に作動するようにスイッチが入れられる。変位させた長い溶接レール3の前端が案内ローラ32に達すると直ちに、その案内ローラは、その2本の長い溶接レール3が支持される迄、駆動体31の作動によって持ち上げられる。長い溶接レール3が更に前進すると、そのレールの前端は、クランプとして設計されたレールガイド38により把持され、また、駆動体37の作動により、2つの前端がそれぞれ協動するカタピラ軌道7のレール接触面16上に休止するように案内される。これと同時に、レール引張り装置4は、必要であるならば、駆動体27、28、29の作動により回動させ、又は、横方向に調節し、カタピラ軌道7及び協動した支台部8をそれぞれ引き降ろすべき長い溶接レールの長手方向に対して平行に整合させ、また、二重フランジ付きローラ18のフランジ24の間にレール頂部25を確実に配置し得るようにする。
【0017】
次に、締付けフック34を取り外し、二重フランジ付きローラ18を長い溶接レール3上に押し付ける駆動体23と、及びカタピラ軌道7を回転させる駆動体11とを作動させる。これと同時に、駆動体28、29のスイッチを零圧力に入れる。例えば、長さ120mの長い溶接レールを引き出すためには、経験によれば、二重フランジ付きローラ18に対して32トンの加圧力が必要である。この長い溶接レール3を引き出すために必要とされる引張り力は約8トンである。板の材料及びカタピラ軌道7の長さを対応して選択することにより、カタピラ軌道7の接触板15によって伝達される引張り力を更に増大させることができる。2つのレール引張り装置4は、ケーブルウィンチ30から更に隔たった貨車の端部に配置し、輸送貨車2とレール引張り装置4との間にて適当な撓み曲線が形成されるようにすることが便宜である。
【0018】
更に続けて、2つの装置11を作動させることにより、2本の長い溶接レール3は、例えば、最初に記載した欧州特許第0467001B1号から既に公知である、軌道付設車輌まで輸送される。レール引張り装置4によって引き出された2本の長い溶接レール3の後端がカタピラ軌道7の直前に位置する(図1参照)と直ちに、引張り操作は一時的に停止される。次に、上記の長い溶接レール3の前端が既に2つのレール引張り装置4によって把持された長い溶接レール3の後端に接触する迄、締付けフック34及びケーブルウィンチ30の作用によって、別の2本の長い溶接レールが上述した方法にて輸送貨車2から引き出される。長い溶接レール3の直ぐ隣接する2つの端部が取り外し可能な継ぎ目板41により互いに接続されると直ちに、2つの締付けフック34が解放され、レール引張り装置4の支援を受けて駆動体11を作動させることで、細長い溶接レール3の引き降ろしが再開される。これを行う間、輸送貨車2から長い溶接レール3を引き出すのと同時に、その前の長い溶接レール3も約500mの長さに亙って対応するレールガイドまで押される。輸送貨車2から引き出された長い溶接レール3の2つの後端が2つのカタピラ軌道7の直前の位置に達すると直ちに、上述した方法にて別の2本の長い溶接レール3が再度、継ぎ目板41によって接続される。
【0019】
勿論、レール引張り装置4を有する上述した貨車1は、本明細書の導入部分に記載した、既に公知のレール積載車輌(独国特許第1208326B)と共に使用して、建設現場に輸送された長い溶接レールを引き出すことが可能である。
【0020】
図7に図示したレール引張り装置4の更に別の実施の形態において、同一の機能を有する部品は、簡略化のため、図1乃至図6に図示したものと同一の参照番号で示してある。図7に図示した上記の実施の形態において、支台部8は、選択随意的に、別個の回転装置を備えることができる、カタピラ軌道42として設計されている。上側のカタピラ軌道42は、レールを引っ張る間に、長い溶接レール3のレール頂部に接触し、駆動体23によって下側のカタピラ軌道7に向けて押される。この目的のため、上側のカタピラ軌道42は、支持フレーム43に垂直に変位可能に取り付けられる。この支持フレームは、下方支持フレーム44に締結されている。この下方支持フレームは、水平方向に且つ貨車の長手方向に対して垂直に伸長する軸線45の周りで回動可能に貨車フレーム6に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】輸送貨車に格納された長い溶接レールを引き降ろすべくレール上を走行する貨車の側面図である。
【図2】図1による貨車の平面図である。
【図3】レール引張り装置の拡大側面図である。
【図4】レール引張り装置の平面図である。
【図5】図4の矢印Vの方向へのレール引張り装置の図である。
【図6】図5の断面線VIに沿った簡略化した断面図である。
【図7】レール引張り装置の更なる実施の形態の側面図である。
【符号の説明】
1 貨車 2 輸送貨車
3 長い溶接レール 4 レール引張り装置
5 軌道上台車 6 貨車フレーム
7 カタピラ軌道 8 支台部
9 案内プーリー 10 回転軸線
11 液圧駆動体 12 支持ローラー
13 支持フレーム 15 接触板
16 レール接触面 17 レール基部面
18 二重フランジ付きローラ 22 支台のヨーク
23 駆動体 24 フランジ
25 レール頂部 26 伸縮式ビーム
27 駆動体 28、29 回動駆動体
30、36 ケーブルウィンチ 31、37 駆動体
32 案内ローラ 33 プル・ケーブル
34 締付けフック 35 引き込みケーブル
38 レールガイド 39 案内プーリー
41 継ぎ目板 42 カタピラ軌道
43 支持フレーム 44 下方支持フレーム

Claims (8)

  1. 軌道上台車(5)に支持された貨車フレーム(6)と、長い溶接レール(3)を把持し且つそのレールを貨車の長手方向に変位させるレール引張り装置(4)とを備え、輸送貨車(2)に格納された長い溶接レール(3)を引き出すべく、レール上を走行する貨車(1)にして、
    前記レール引張り装置(4)は、駆動体(11)が設けられると共に、離間配置され且つ回転軸線(10)を有する2つの案内プーリー(9)の周りで案内可能なカタピラ軌道(7)を備え、該カタピラ軌道(7)は、前記長い溶接レール(3)に作用し得るように引張り方向に向けて一方が他方の後になるように配置された接触板(15)と、駆動体(23)により前記カタピラ軌道(7)に対して調節可能であり且つ前記長い溶接レール(3)上を転動し得る支台部(8)とを有することを特徴とする貨車。
  2. 請求項1に記載の貨車にして、前記レール引張り装置(4)が、垂直軸線(20)の周りで回動し得るように前記貨車フレーム(6)に取り付けられることを特徴とする貨車。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の貨車にして、前記支台部(8)が、引張り方向に向けて一方が他方の後になるように配置され且つ前記回転軸線(10)に対して平行に伸長する軸線(19)を有する少なくとも2つの二重フランジ付きローラ(18)の形状として設計され、該支台部(8)が垂直方向に向けて前記カタピラ軌道(7)の上方に配置されることを特徴とする貨車。
  4. 請求項3に記載の貨車にして、前記カタピラ軌道(7)の2つの回転軸線(10)の間の中心に合計4つの二重フランジ付きローラ(18)が設けられることを特徴とする貨車。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の貨車にして、前記レール引張り装置(4)が、ビーム(26)に取り付けられ、該ビームが、駆動体(27)により水平方向に且つ貨車の長手方向に対して垂直に伸長し得る設計とされ且つ前記貨車フレーム(6)に締結されることを特徴とする貨車。
  6. 請求項5に記載の貨車にして、前記ビーム(26)が、水平方向に且つ前記貨車の長手方向に対して垂直に伸長する軸線(46)の周りで回動し得るように前記貨車フレーム(6)に取り付けられ且つ回転駆動体(28)に接続された特徴とする貨車。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の貨車にして、ケーブルウィンチ(30)と、長い溶接レール(3)を支持し得るように駆動体(31)により垂直に調節可能な案内ローラ(32)とが、前記貨車の一端に設けられることを特徴とする貨車。
  8. 請求項7に記載の貨車にして、2つの独立的なレール引張り装置(4)が、前記ケーブルウィンチ(30)から更に離れた距離の端部に配置されることを特徴とする貨車。
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