JP3823922B2 - 鋼管矢板および矢板壁 - Google Patents
鋼管矢板および矢板壁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3823922B2 JP3823922B2 JP2002381791A JP2002381791A JP3823922B2 JP 3823922 B2 JP3823922 B2 JP 3823922B2 JP 2002381791 A JP2002381791 A JP 2002381791A JP 2002381791 A JP2002381791 A JP 2002381791A JP 3823922 B2 JP3823922 B2 JP 3823922B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel pipe
- sheet pile
- joint
- corrosion
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
- Revetment (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海岸、湾岸、河川において岸壁や護岸の形成等に使用される鋼管矢板および矢板壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建造物を取り巻く環境に対する意識の高まり、建設コスト縮減等のニーズ等により、構造物の長寿命化が重要課題となっている。これまでは、構造物の供用年数を50年程度に設定しておけば十分とされたものでも、100年以上の供用年数を設定するケースも見受けられる。特に、港湾鋼構造物の場合、長期供用を図るためには、如何にして構造物の耐食性を高めるかが課題の一つとされ、これまで様々な研究がなされてきた。
【0003】
上記港湾鋼構造物建設において岸壁や護岸等として用いられる鋼管矢板は、流水の接触により激しい腐食環境に晒され、特に、腐食の激しい飛沫帯(スプラッシュゾーン)においては、土圧や水圧に抗する本体となる鋼管の表面に、ポリウレタン樹脂塗料を塗布する方法(例えば、非特許文献1参照)、水中不分離性コンクリートを被覆し保護カバーで覆う方法(例えば、特許文献1参照)などにより防食処理が施されている。特に、鋼管の表面を厚膜ウレタン樹脂塗装により重防食塗装した鋼管矢板を用いる方法が代表的であり、この重防食塗装された鋼管矢板は、工場塗装製品として、現地における塗覆による防食方法に比べ、品質的に安定し、比較的低コストで優れた製品として普及している。
また、その他の方法としては、鋼管矢板の本体となる鋼管にチタン層および鋼板からなる特定厚みのチタンクラッド鋼板を被覆するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【非特許文献1】
社団法人鋼材倶楽部編「海洋鋼構造物の防食Q&A」技報堂出版
【特許文献1】
特開2000−17681号公報
【特許文献2】
特開平11−293664号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記非特許文献1のように、鋼管の表面にポリウレタン塗装を施した場合、これら被覆塗装部分の表面に流木等が衝突すると損傷を受けやすいという問題がある。また、鋼管矢板を用いた矢板壁の場合、鋼管矢板の継手部が鋼管部分に比べて腐食の進行が遅いことに加えて、継手部は設計上は剛性に寄与しない部分とされるので、防食被覆はされるものの、一般的にその膜厚すら規定されておらず、長期の供用を図るには十分とはいえない。さらに、嵌合打設に伴う塗装被覆部分の損傷が発生したり、継手は内部まで塗装することが困難な形状なので、継手部に生じた塗装端面から剥離する恐れがあるという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1のように水中不分離性コンクリート等を被覆し保護板(カバー)で覆う方法は、その被覆層の上から保護板を取り付ける必要があるので、その作業に非常に手間がかかるという問題がある。
すなわち、上記特許文献1は、保護板を固定するためのアンカー金具を鋼管矢板へ離散的に設ける必要があるほか、アンカー金具の設置位置と保護板に設けられた金具定着のための孔の位置をしっかりと調整管理しておかなければ取り付けが困難となる。さらに、保護板を継手部を含む矢板壁の全面に設けるために複雑な接合継手が必要となる。また、鋼管矢板を打設し、矢板壁を形成した後で水中不分離性コンクリートを被覆し保護版を取り付けるという大掛かりな海中作業が必要となり作業性が劣るほか、工場で防食処理が施される製品に比べて、現場作業者の技量や管理の程度により耐食性が大きく影響されるという問題がある。
【0007】
これに対して、特許文献2では、鋼管の表面をチタンクラッド鋼板により金属被覆しているので、被覆層の表面が損傷しにくく耐衝撃性に優れており、被覆層の上から保護カバーを取り付ける等の作業を必要としていない点で、非特許文献1や特許文献1に比べて耐用期間にかかるコストの低廉化を図ることができる。
一方、特許文献2のチタンクラッド鋼板では、母材となる鋼板に接合されたチタン層の端面は、鋼板を鋼管の表面に溶接する際にチタン部が混合しないように、鋼板母材の端面より後退させる開先加工、つまりカットバック加工されることが一般的である。このため、特許文献2では、チタンクラッド鋼板を鋼管の表面に溶接しても、溶接部分は必然的に鋼部分が露出した構成となり、表面のチタンと露出する鋼部分との間で、異種金属接触腐食という問題が生じてしまう。
【0008】
この異種金属接触腐食という問題を回避するために、海中部の異種金属接触部分に対しては、鋼面へ電気防食(カソード防食)を施すことが一般的である。ところが、純チタンは−0.7V vs. SCEより卑な電位では水素吸収による脆化が起こる。一方、鋼は−0.77V vs. SCEより卑な電位に保つことによってカソード防食される。したがって、純チタンと鋼材とでは、純チタンの水素吸収を避け、かつ鋼を防食するという両方の目的を満足する適正カソード防食電位域が存在しない。そのため、チタン材を用いる場合には、鋼材面に樹脂等を被覆した上にチタン材を貼り付け絶縁される方法が採用されているが、特許文献2のようにチタンクラッド材を鋼管矢板に溶接する方法は現実的でない。
【0009】
この特許文献2には、鋼管矢板に設けられた互いに係合可能な継手部のうち一方の継手部の先端から他方の継手部の根本部分までチタンクラッド鋼板によって被覆されたものが開示されている。このような構造では、チタンクラッド鋼板の端部となる部分(前記一方の継手部の先端および他方の継手部の根元部分)で異種金属接触腐食が発生するとともに、チタン部に比べて継手部付近の鋼面の表面積が小さくなっているので、面積的に大カソードと小アノードの組み合わせとなり、この部位における異種金属接触腐食の速度は非常に大きなものとなる。また、鋼管矢板の継手には種々の形状のものが用いられているので、この特許文献2のように、継手部材をクラッド鋼板で被覆するためには、継手の形状に応じて複雑な形状に加工する必要があるが、加工が容易ではなく、特に継手部近傍において鋼管矢板とクラッド鋼板との間に隙間が生じやすいという問題もある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、耐食性が鋼管矢板の形状に左右されることがなく、現場作業者の技量によらず長期的に安定して使用可能な鋼管矢板およびこの鋼管矢板により構成される矢板壁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の鋼管矢板は、鋼管と、該鋼管に設けられた継手とを有し、継手同士を連結することで矢板壁を形成可能な鋼管矢板であって、前記継手の長手方向の少なくとも一部は、下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材を用いた防食継手部により構成され、前記鋼管表面の一部は、下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材製の被覆材により被覆され、前記防食継手部と前記被覆材とが接合されていることを特徴とする。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
【0012】
請求項1に記載の発明においては、継手の少なくとも一部を構成する防食継手部と、鋼管表面の少なくとも一部を被覆する被覆材は、海水に対する耐食性能が極めて大きい上記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材を用いる。
したがって、防食継手部により構成された継手部分の耐食性能の向上を図ることができる。さらに、この防食継手部と被覆材とに同じ材質のステンレス鋼を用いれば、それらの部分では異種金属接触腐食が発生しない。
【0013】
このようにすることにより、流木等の衝突による被覆材の損傷が起きにくく、材質の異なる部材により接合されることで発生する被覆材の剥離現象も発生しない鋼管矢板を容易に得ることができる。さらに、この鋼管矢板を用いれば、被覆材の上から保護カバーなどを設ける必要もないので、高耐食性を有する矢板壁を容易に形成することができる。
【0014】
また、継手の長手方向の少なくとも一部が孔食指数が40以上のステンレス鋼材製の防食継手部を有するので、被覆材はこの防食継手部と接合するだけで良く、チタンクラッド鋼板により継手を被覆する従来のように複雑な加工をする必要がない。
【0015】
ここで、孔食指数が40以上のステンレス鋼材製の防食継手部は、継手において、鋼管矢板水底地盤に打ち込まれた際に、水に接する部位等、腐食しやすい部位に設けられていればよいが、継手の全体を防食継手部としてもよい。また、孔食指数が40以上のステンレス鋼材製の被覆材は、鋼管矢板水底地盤に打ち込まれた際に、水に接する部位等、腐食しやすい部位に設けられていればよいが、鋼管表面の全体を被覆したものとしてもよい。
【0016】
さらに、防食継手部と被覆材との接合は、当該接合部分からの水の侵入や酸素供給が遮断され容易に接合状態が解除されない構成であればどのように行われてもよく、例えば、溶接やボルトなどにより接合される構成が挙げられる。特に溶接により接合されることが好ましい。また、ボルトにより接合する場合には、ボルトも上記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼により形成されていることが好ましい。さらに、防食継手部と被覆材とは一体に成形されたものであってもよい。
また、防食継手部および被覆材の鋼管に対する接合は、防食継手部および被覆材がステンレス鋼からなるので、一般的に炭素鋼からなる鋼管に対する溶接と同様に、直接溶接により容易に行うことができ、鋼管矢板自体の製造作業が容易となっている。
【0017】
請求項2に記載の鋼管矢板は、請求項1に記載の発明において、前記被覆材および前記防食継手部が、前記鋼管矢板が水底地盤に打ち込まれた際に干満帯近傍の水中部となる位置および飛沫帯となる位置に、設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明においては、水底地盤に打ち込まれた際に、海水などの水に接することで腐食しやすい、干満帯近傍の水中部および飛沫帯となる部分の腐食が防止され、長期間の供用年数を有し、長期的に安定して使用することができる。
すなわち、打設後の防食処理をすることなく鋼管矢板を打設するだけで、耐食性に優れた鋼製壁とすることができるので、現場での施工速度に優れコスト削減が図れるのみならず、海中作業による作業性の低下や現場作業者の技量のばらつきにより耐食性が損なわれることもない。
【0019】
請求項3に記載の鋼管矢板は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記防食継手部の陸側となる側に防食被覆がなされていることを特徴とする。
【0020】
陸側は土砂に接しており流木などの漂流物の衝突がないので、防食被覆の方法としては、ポリウレタン樹脂塗装等を用いれば良い。
【0021】
鋼管矢板打設後の陸側は、土砂等に接することにより海側に比べて酸素の供給が少ないので、腐食速度は遅く、通常は、防食の必要がないが、請求項3に記載の発明によれば、陸側の前記防食継手部を防食被覆で覆うことにより、カソードとなる面積をより小さくすることができるので、異種金属接触腐食がさらに発生し難いものとすることができる。
【0022】
請求項4に記載の矢板壁は、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管矢板の継手同士が連結され、水底地盤に打ち込まれて形成された矢板壁であって、電気防食が施されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明においては、前記防食継手部の下端や前記被覆材の下端が水中に位置する場合でも異種金属接触腐食を防ぐことができる。また、岸に沿って水底地盤に打ち込まれた鋼管矢板の水に接する鋼面部分には、電気防食が施されているので、チタン材で鋼管矢板を被覆する従来のもののように水素吸収による脆化が起こる恐れがなく、鋼面部分における腐食を防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図3に示す矢板壁10は、長尺の鋼管2と、該鋼管2に長手方向に沿って設けられた複数の継手3,4とを有する鋼管矢板1を、海岸7Aに沿って直立するように海底地盤(水底地盤)7に打ち込むとともに、それぞれの継手3,4同士を係合することで連結して形成されて成る。
矢板壁10を形成する鋼管矢板1の上端部1aは、それぞれ陸上に設けられる湾岸構造物のコンクリート製の基端部5に埋設されており、下端部1bは海底地盤7に埋め込まれ、さらに上端部1aと下端部1bとの間の部位は、それぞれ下方から海中に配置される海中部(水中部)1cと、海が干満した際の海面レベルSが変動する範囲(H.W.L〜L.W.Lの間)と略同レベルに位置する干満帯1dと、波の飛沫がかかる飛沫帯1eとなっており、1fは気中部となっている。
【0025】
鋼管矢板1は、本体となる長尺な鋼管2の外面に、軸心を中心に線対称となるように断面C字状の継手3,4が鋼管2の長手方向、ここでは上下方向に延在して設けられている。
継手3,4の長手方向の少なくとも一部、ここでは、鋼管矢板1において上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分が、下記▲1▼式で表される孔食指数(Pitting Index:PI)が40以上のステンレス鋼材を用いた防食継手部30,40により構成されており、継手3,4はそれぞれ、防食継手部30,40と、該防食継手部30,40の下方に接続された炭素鋼からなる継手下部31,41とから構成されている。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
なお、孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材は、自然海水慣用において孔食や隙間腐食が起こりにくいものであることは周知である。
防食継手部30,40と継手下部31,41とはそれぞれシーム溶接により接合されている。
【0026】
また、鋼管2は炭素鋼からなり、その海側の一部分つまり表面の長手方向の少なくとも一部は、上記式▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼材製の被覆材21により被覆されている。
被覆材21は、防食継手部30,40の長手方向の長さと略同様の長さを有し、鋼管2の表面の上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分を被覆しているとともに、その左右端部はそれぞれ、防食継手部30,40にシーム溶接により接合されている。また、被覆材21の下端部は、鋼管2に溶接により接合されている。
【0027】
ここで、防食継手部30,40および被覆材21を構成する孔食指数が40以上のステンレス鋼材としては、非特許文献1に挙げられている、フェライト系・オーステナイト系・二相系の耐海水性ステンレス鋼など、前記▲1▼式を満足する耐食性ステンレス鋼であれば良い。
ステンレス鋼は、その組成により大きく性質が異なるので、孔食指数を満足することに加えて、鋼管矢板の形状に応じて溶接性や加工性、コストという観点からも適当な材料を選定すれば良い。例えば、Cr含有量が高い高耐食性フェライト系ステンレスは、特にCやNを低減しておかないと耐衝撃特性が損なわれ易い他、溶接時には大気中のN2を吸収すると溶着鋼の靭性が低下するという問題がある。また、オーステナイト系ステンレスは、比較的Ni,Mo量が高く高価であり、かつ隙間腐食感受性があるという課題がある。すなわち、材料選定の際には、耐食性に加えて必要とされる曲げ加工等の加工性、接合時の溶接性、コスト等を勘案して最適材料を選定すれば良い。この観点より、本発明において用いる耐食性ステンレスとしてふさわしい材料としては、特開平5−132741号公報記載の高耐食・高強度二相ステンレス鋼が一例として挙げられる。
【0028】
特開平5−132741号公報記載の二相ステンレス鋼材は、重量%で、C:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、P:0.040%以下、S:0.008%以下、sol.Al:0.04%以下、Ni:5.0〜9.0%、Cr:23.0%〜27.0%、Mo:2.0〜4.0%、W:1.5%を超え5.0%まで、N:0.24〜0.32%、Fe及び不可避不純物:残部なる化学組織を有し、しかも前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上である高耐食・高強度二相ステンレス鋼である。この二相ステンレス鋼は、耐食性が極めて高く、強度が高いので、比較的薄い鋼板で被覆材を製造しても、流木等の浮遊物衝突による損傷の恐れが低い。さらに、σ相等の金属間化合物の析出が少なく熱的組織安定性に優れるので、溶接の熱影響による鋭敏化や脆化という問題もなく、加工性や溶接性に優れ、さらに、NiやMo量も少ないので、比較的安価であるという点で本発明の防食継手部や被覆材とするのに適している。
【0029】
上記鋼管矢板1において、継手下部31,41および被覆材21により被覆されていない鋼管表面部分2aのうち、海中部1cを構成する部分、海中に接触する鋼面部分には、流電陽極6が設けられ、この流電陽極6により前記鋼面部分の腐食が防止される電気防食処理がなされている。この電気防食により、防食継手部30と継手下部31との接合部分や防食継手部40と継手下部41との接合部分の異種金属接触腐食が防止される。鋼面の腐食を防止する(−0.77V vs. SCEより卑な電位に保つ)ため用いられる流電陽極としては、Al合金、Zn合金等が使用される。
【0030】
なお、前記の高耐食・高強度二相ステンレス鋼はフェライト相を含むため若干の水素脆化感受性を有する材料なので、防食継手部や被覆材に用いる場合には、-1.05V vs. SCEより卑な電位にはならないよう過防食に配慮する必要がある。流電陽極としてAL合金を用いた場合であっても、一般的に、−1.05Vvs. SCEより卑な電位にはならず、流電陽極の製品としてのばらつきを考えても、高々−1.10V vs. SCE程度である。なお、Zn合金を用いた場合には高々−1.0Vvs. SCE程度である。また、海中部の鋼面の腐食を防ぐ目的で取り付ける流電陽極は、あまり浅い位置に取り付けると、流木等の衝突により流電陽極自体が外れる等の懸念があることや、鋼面全体を効果的に防食すること等により、流電陽極は前記防食継手部や被覆材の下端よりさらに下に取り付けられる。
【0031】
一般的には、前記二相ステンレスを被覆材等に用いた場合であっても、二相ステンレスによる被覆材や防食継手部の下端位置の電位は、流電陽極取り付け位置よりも貴となり、−1.05V vs. SCEより十分に貴な電位となるので、前記二相ステンレスを被覆材等に用いても、実用上、水素脆化の恐れはない。つまり、適正カソード防食電位域がないチタン被覆の場合と異なり、流電陽極取り付け位置やZn合金による流電陽極を用いる等の配慮をするだけでよく、従来の電気防食と塗装との併用工法において、過防食に伴う塗膜の陰極剥離を防ぐため、防食電位に配慮するのと同様の配慮をするだけでよい。
【0032】
また、鋼管矢板1において、防食継手部30,40の陸側の土砂と接する面には、ポリウレタン塗装が施されている。一般的に、陸側の土砂と接触する鋼管2および防食継手部30,40の接合部分においては、酸素の供給が少なく腐食速度は小さく、さらに防食継手部30,40の表面積が鋼管2の表面積(ここでは裏面の面積)に比べ非常に小さいものであるため、異種金属接触による鋼管の腐食速度は海側のそれに比べて非常に遅いものとなっており、防食の必要はない。しかし、前記鋼管矢板1では、防食継手部30、40の陸側の土砂と接する面をポリウレタン塗装し、カソードとなる面積をより小さくすることにより、異種金属接触腐食がさらに発生し難いものとなっている。
なお、陸側の腐食速度も比較的早いと予想される場合には、異種金属接触腐食のみならず、鋼管2の鋼面も腐食することから、この場合には、海側と同様に鋼管2の陸側鋼面を被覆材21で覆えばよい。
【0033】
このように本実施の形態の矢板壁10によれば、矢板壁10を構成する鋼管矢板1の継手3,4の一部、詳細には鋼管矢板1において、上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分が、孔食指数が40以上のステンレス鋼材を用いた防食継手部30,40により構成されている。さらに、鋼管2表面の一部、詳細には鋼管矢板1において、上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分は、前記防食継手部と接合された上記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼材製の被覆材21より被覆されている。
よって、これら継手の一部と鋼管表面との接合部分は、海水に対する耐食性能が極めて大きい同材質の防食継手部30,40と被覆材21との接合により構成されることとなり、防食継手部30,40により構成された継手部分の耐食性能の向上を図ることができる。また、同材質のステンレス鋼材よりなる防食継手部30,40を有する継手3,4の一部と、被覆材21により被覆された鋼管の一部との接合部分では、異種金属接触腐食が発生しない。
【0034】
以上の通り、本発明によれば、主構造部材ではないという理由で、耐食性に十分な配慮がなされていなかった継手部に関して、塗装端面からの剥離の問題や継手部を耐食被覆するため必要となるクラッド鋼の複雑な加工の問題、さらには、クラッド鋼端部における異種金属接触腐食という様々な従来技術の課題を解決することが可能となる。また、鋼管矢板の主構造部材である鋼管本体に関しては、流木等の衝突による塗装被覆の損傷や、鋼管表面を被覆した水中不分離性コンクリート等の被覆材およびそれを保護するための保護板の設置という現場作業に起因する問題もない。
すなわち、工場で管理された状態で防食継手部と高耐食性ステンレス鋼材による被覆材を鋼管矢板本体に接合することにより継手部および本体部両者の防食処理が施され、この鋼管矢板を現場にて打設するのみでよいので、海中作業が伴うことによるコストアップの問題のみならず、現場作業者の技量のばらつきによる耐食性のばらつき発生の問題も生じない。
【0035】
なお、本実施の形態においては、防食継手部30,40それぞれの鋼管2との接合部近傍において被覆材21と防食継手部30,40が接合されているので、被覆材21の加工は半円状の単純な加工で済むほか、従来技術の課題であった継手部分や継手部材と鋼管の接合部付近の形状が複雑な個所(特に、継手部と鋼管の接合部近傍)において、被覆材と鋼管との間に隙間が生じることがない。板状の被覆材21は、鋼管の形状に合わせて加工するだけでよいので、継手の形状が異なる場合においても、継手取り付け位置や取り付け個所数が多い場合においても本発明は適用できる、極めて汎用性が高いものである。
【0036】
被覆材21と鋼管2については、完全に密着している必要はない。すなわち、被覆材21と鋼管2の間に若干の隙間が生じても、被覆材21と鋼管2および被覆材21と防食継手部30,40が溶接により接合される等、被覆材21と鋼管2の間の隙間へ酸素の供給が遮断されていれば、加工段階にて隙間に存在したわずかな酸素は、鋼管表面の酸化により消費されるため、その後は腐食も進行しない。
【0037】
被覆材21は、加工性のみならず流木等の浮遊物の衝突等に対する耐衝撃性を考慮してその厚さを決めればよく、概ね、0.3mm〜2.0mm程度の被覆材厚とするのが望ましい。さらに、被覆材21が万が一損傷し貫通孔が生じた場合をも想定すれば、貫通孔付近における異種金属接触腐食の発生リスクを限りなく小さくするため、被覆材21と鋼管2の間に、樹脂等の充填材を充填したり、あらかじめ樹脂シートを接着等により鋼管2に貼り付けておくことや、同様に鋼管2へあらかじめ樹脂塗装を施す対策を加えてもよい。すなわち、樹脂の充填等は損傷部における被覆材21と鋼管2の絶縁効果を果たすため、万が一の貫通孔発生に対しても、異種金属接触腐食を防ぐことができる他、損傷部から内部への酸素の供給を抑えることができ、損傷に伴う鋼管2の腐食も抑えることができる。
【0038】
前記充填材の充填については、被覆材21に注入孔および空気抜き孔(充填確認孔を兼ねる)を設けておけば、被覆材21を鋼管2および防食継手材30,40に接合した後、充填孔より樹脂の注入を行うことができる。この場合、注入孔および空気抜き孔については、例えば細いパイプ状としておけば、注入後、このパイプを溶接や機械的にかしめる等の方法で塞げばよい。
【0039】
また、樹脂シートを挟み込む場合あるいは予め鋼管2の表面に樹脂塗装をした後に被覆材21を取り付ける場合は、少なくとも流木の衝突等による損傷の恐れがある範囲の鋼管2の表面に樹脂シートの貼付や樹脂塗装を施しておけばよく、接合部分から数十cm離れた範囲内への樹脂シート添付等であれば、被覆材21を溶接で接合する場合であっても、熱による樹脂や塗装材の劣化損傷も避けられる。なお、これら被覆材21が引き波等により剥がされる方向に力が作用した際、被覆材21が鋼管2より離れないように、両者を接着する機能を有する前記樹脂シートや樹脂の注入等の方法が望ましい。
【0040】
以上のとおり、この容易に成形加工された高耐食性を具備する鋼管矢板1を連結してなる矢板壁10は、長期期間にわたって安定し供用することができる。さらに、被覆材21と鋼管2の間に樹脂を充填等すれば、長期供用という観点のみならず、万が一の損傷に対しても十分な配慮がなされているので、定期的な点検検査頻度を減らすことによるコスト低減にも貢献できる。
【0041】
なお、上述の実施の形態では、防食継手部30,40は、継手部3,4の、鋼管矢板1における上端部1aから海中部1cの干満帯1d直下の部分までに渡る部分に備えられ、被覆材21は、鋼管2の表面の、上端部1aから海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分を被覆した構成としたが、これに限らない。
【0042】
例えば、図4に示すように、鋼管矢板を構成してもよい。なお、図4に示す変形例おいて、図1〜図3と同一構成要素には同一符号を付してその説明を簡略化する。
矢板壁10Aを形成するこの鋼管矢板1Aにおいては、被覆部21は、鋼管2の海側の表面であって、鋼管矢板1Aの気中部、飛沫帯、干満帯および海中部の干満帯直下の部分までに渡る部分を被覆しており、湾岸構造物のコンクリート製の基端部5に埋設される上端部を被覆していない。また、鋼管2に長手方向に沿って設けられている継手3,4の上端は、鋼管2の被覆材21により被覆されていない上端部の半分程度の位置までしか延びていない。この継手3,4は、上端部から気中部、飛沫帯、干満帯および海中部の干満帯直下の部分に渡る部分が、防食継手部30,40により構成されており、この下方には継手下部31,41が接続されている。防食継手部30,40の上端部は、湾岸構造物のコンクリート製の基端部5に埋設される。前記被覆材21の上端部および下端部はそれぞれ、鋼管2に溶接により接合される。なお、図5において、コンクリート製の基端部5および海岸7Aを一部省略して図示しており、これにより鋼管矢板1Aの一部の上端部を露出させて図示している。
【0043】
また、例えば、図1〜図3の鋼管矢板1において、防食継手部30,40および被覆材21の下端部を、海底地盤に埋設される鋼管矢板1の下端部1b部分に至るように構成してもよい。つまり、防食継手部30,40により継手3,4全体を構成し、被覆材21を鋼管2の海側に面する表面全体を被覆するように構成してもよい。この場合、鋼管2と被覆材21の間に酸素や水の出入りが無い状態を確保することが可能であれば、両者の接合は不要となり、その分の作業工程の簡略化を図ることができる。特に、水深が浅い場合には、被覆範囲もさほど大きくないので、海底土中において、腐食速度が比較的遅く防食の必要がない深度まで被覆すれば、コスト的に安価でかつ耐食性能も十分となる場合もあるので、これらを考慮し、適宜下端位置を決定すればよい。
一方、鋼管矢板1のステンレス鋼材製の被覆材21や防食継手部30,40の上端はコンクリート中であれば、異種金属接触腐食がほとんど発生せず、鋼管2と被覆材21との間への酸素や水の出入りが遮られるため、このような場合も、鋼管2と被覆材21の接合は特段必要ない。
【0044】
また、上述の実施の形態では、鋼管矢板1の上端部1aは、コンクリート製の基端部5に埋め込まれた構成としたが、海面上比較的高い位置まで構築される構造物においては、気中部1fの範囲が非常に大きくなるので、気中部の比較的上方においては、さほどの耐食性が必要とない構造もある。このような構造に対しては、気中部の少なくとも高耐食性が求められる範囲において防食継手および被覆材による防食処理を行い、鋼管と被覆材との間に酸素や水の出入りがないようにする。さらに、鋼管と被覆材との接合部およびその近傍から上部の被覆されていない鋼管および炭素鋼による継手部をウレタン塗装等による防食処理を施しておけばよく、このような上方においては、流木等による損傷や継手部端面から剥離する懸念も少なく、海面から比較的離れているので、補修が必要となった際も容易に対応できる。
【0045】
さらに、防食継手部30,40と被覆材21の長さ(範囲)の関係については、上下端いずれにおいても略同一としたが、これに限らず、上端については、防食継手部30,40、被覆材21のいずれの部材も上部コンクリート中に位置する場合、下端については、いずれの部材も海中部に位置し、海中の鋼面部分に流電陽極による電気防食が施されている場合などには位置が異なってもよい。例えば、海中において防食継手部30,40の下端が被覆材21の下端より上方に位置する場合、被覆材の左右端は炭素鋼による継手材と溶接等による接合をすることとなるが、このような条件下では、継手材と鋼管あるいは継手材と被覆材との異種金属接触腐食の心配がない。
【0046】
なお、上述の実施の形態においては、鋼管矢板1により構成される矢板壁10は、海岸に設けられたものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、湾岸、川岸などにおいて岸壁や護岸として利用されるものであればどこに設けられていてもよい。
また、鋼管の形状および継手の形状、位置、個数等も任意であり、その他、具体的な構成要素等についても適宜に変更可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、防食継手部により構成された継手部分の耐食性能の向上を図ることができるとともに、この防食継手部と被覆材とに同じ材質のステンレス鋼を用いれば、それらの部分で異種金属接触腐食が発生しないので、長期間安定して使用することができる。
さらに、鋼管矢板の継手形状や継手の取り付け位置、ならびに取り付け個所数に左右されず、汎用性の高い鋼管矢板を提供することができるので、工業上も生産効率が高く、継手形状等に応じた特殊な設備も不要であり、製造コストも低い。
【0048】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、干満帯近傍の水中部および飛沫帯となる部分の腐食が防止され、長期間の供用年数を有し、長期的に安定して使用することができる。すなわち、打設後の防食処理をすることなく鋼管矢板を打設するだけで、耐食性に優れた鋼製壁とすることができるので、現場での施工速度に優れコスト削減が図れるのみならず、海中作業による作業性の低下や現場作業者の技量のばらつきにより耐食性が損なわれることもない。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、陸側の防食継手部を防食被覆で覆うことにより、カソードとなる面積をより小さくすることができるので、異種金属接触腐食がさらに発生し難いものとすることができる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、防食継手部の下端や被覆材の下端が水中に位置する場合でも異種金属接触腐食を防ぐことができる。また、岸に沿って水底地盤に打ち込まれた鋼管矢板の水に接する鋼面部分には、電気防食が施されているので、チタン材で鋼管矢板を被覆する従来のもののように水素吸収による脆化が起こる恐れがなく、鋼面部分における腐食を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る矢板壁の要部を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の矢板壁の横断面図である。
【図3】図1の矢板壁の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例に係る矢板壁の要部を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1,1A 鋼管矢板
1a 上端部
1b 下端部
1c 海中部(水中部)
1d 干満帯
1e 飛沫帯
1f 気中部
2 鋼管
3,4 継手
6 流電陽極
7 海底地盤(水底地盤)
10,10A 矢板壁
21 被覆材
30,40 防食継手部
Claims (4)
- 鋼管と、該鋼管に設けられた継手とを有し、継手同士を連結することで矢板壁を形成可能な鋼管矢板であって、
前記継手の長手方向の少なくとも一部は、下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材を用いた防食継手部により構成され、
前記鋼管表面の一部は、下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼材製の被覆材により被覆され、
前記防食継手部と前記被覆材とが接合されていることを特徴とする鋼管矢板。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。 - 前記被覆材および前記防食継手部が、前記鋼管矢板が水底地盤に打ち込まれた際に干満帯近傍の水中部となる位置および飛沫帯となる位置に、設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板。
- 前記防食継手部の陸側となる側に防食被覆がなされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鋼管矢板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管矢板の継手同士が連結され、水底地盤に打ち込まれて形成された矢板壁であって、
電気防食が施されていることを特徴とする矢板壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381791A JP3823922B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 鋼管矢板および矢板壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381791A JP3823922B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 鋼管矢板および矢板壁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004211379A JP2004211379A (ja) | 2004-07-29 |
JP3823922B2 true JP3823922B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=32817609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002381791A Expired - Fee Related JP3823922B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 鋼管矢板および矢板壁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3823922B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4569294B2 (ja) * | 2004-08-20 | 2010-10-27 | Jfeスチール株式会社 | 鋼管矢板および鋼管矢板壁 |
JP2010144207A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鋼管矢板および鋼管矢板壁 |
JP2010144209A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鋼材並びに鋼矢板、鋼管矢板および鋼管杭並びに鋼矢板壁および鋼管矢板壁 |
JP6855760B2 (ja) * | 2015-12-07 | 2021-04-07 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 自己昇降式水域プラットフォームおよびそれに用いる把持具ならびに水域構造物の施工方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2500162B2 (ja) * | 1991-11-11 | 1996-05-29 | 住友金属工業株式会社 | 耐食性に優れた高強度二相ステンレス鋼 |
JPH11293664A (ja) * | 1998-04-07 | 1999-10-26 | Nkk Corp | 防食鋼管矢板 |
JP2000265457A (ja) * | 1999-03-15 | 2000-09-26 | Nkk Corp | 防食耐久性の優れた矢板及び矢板壁 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381791A patent/JP3823922B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004211379A (ja) | 2004-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20170218589A1 (en) | Steel pipe piles and pipe pile structures | |
JP2010144209A (ja) | 鋼材並びに鋼矢板、鋼管矢板および鋼管杭並びに鋼矢板壁および鋼管矢板壁 | |
JP6823509B2 (ja) | ボルトが破損し難い構造を備える鋼矢板または鋼管矢板の防食構造体 | |
JP5271785B2 (ja) | 鋼矢板の防食構造および防食方法 | |
JP2010007108A (ja) | 重防食被覆鋼材並びに海洋構造物、鋼管杭、鋼矢板および鋼管矢板 | |
JP3823922B2 (ja) | 鋼管矢板および矢板壁 | |
JP4953887B2 (ja) | 継手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板の構造体及びその構造体に使用する鋼矢板 | |
JP3922569B2 (ja) | 鋼材および海洋鋼構造物 | |
JP5769302B2 (ja) | 鋼矢板の防食用保護カバーおよび防食方法 | |
JP2010144207A (ja) | 鋼管矢板および鋼管矢板壁 | |
US9689075B2 (en) | Cathodic protection device with joining mechanisms and articulated bars | |
JP2017053134A (ja) | 防護層を有する鋼製部材及び基礎構造物 | |
JP4823126B2 (ja) | 継手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板の構造体及びその構造体に使用する鋼矢板 | |
JPH06173287A (ja) | 海洋鋼構造物の防食構造 | |
JP3413515B2 (ja) | チタンクラッド鋼の水素吸収脆化緩衝工法 | |
JP3881417B2 (ja) | 長期耐久性に優れた海洋鋼構造物 | |
Schmitt et al. | Corrosion performance of constructional steels in marine applications | |
Francis | Iron and carbon steel | |
JP4569294B2 (ja) | 鋼管矢板および鋼管矢板壁 | |
JP4823122B2 (ja) | 継手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板の構造体 | |
JP3128801U (ja) | 鋼製矢板の防食用保護カバー | |
JP4827782B2 (ja) | 継手部防食性に優れる重防食被覆鋼矢板の構造体及びその構造体に使用する鋼矢板 | |
JP2006029065A (ja) | 海洋鋼構造物 | |
JP3107709U (ja) | 防食保護被膜を施した鉄鋼材 | |
JP2020111912A (ja) | 水域コンクリート構造物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060619 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3823922 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707 Year of fee payment: 7 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |