JP3822133B2 - 旋回作業機の油圧配管構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー等の旋回作業機の油圧配管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バックホー等の旋回作業機には、バケット等の主作業具に代替してブレーカやオーガ等の副作業具を装備する場合があり、この副作業具を駆動するため油圧取出具が備えられている。この油圧取出具に備えられた油圧取出口に油圧取出ホース等を接続することで圧油を取り出し、前記油圧取出ホースを介して副作業具に油圧を供給するようにしている。
この油圧取出具に旋回台側から油圧を供給するための油圧配管は、従来、旋回台側からブームの側壁外側を這わせて油圧取出具に配管されていた。
【0003】
また、特開平8−134948号公報においては、ブームの背面を形成する背壁に開口が形成されており、この開口を介して、ブームシリンダの一端をブーム内に内装させるように配置することで、前記ブームを旋回台に対して上下動自在にした構成の旋回作業機が開示されている。この旋回作業機では、ブームシリンダ等の各シリンダへの油圧配管を、前記開口からブーム内に導入し、ブームシリンダの下方側に沿ってブーム長手方向に内装している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧配管がブームの側壁外側に這わされている配管構造であれば、作業中に、この油圧配管が他物に接触して破損することがあり、旋回作業機の作業効率を著しく低下させる原因となる。
また、特開平8−134948号公報に開示された配管構造であると、各シリンダへの油圧配管はブームに内装されて配管されるものの、ブーム背面にブームシリンダを内装させるための大きな開口が形成されることになり、ブームの剛性の低下が免れない。
【0005】
そこで本発明は、ブーム背面を背壁で閉塞することでブームの剛性を高めると共に、背壁の基端部側の基端開口部を介して油圧配管をブームに内装し、作業中における油圧配管の破損を防ぐことのできる旋回作業機の油圧配管構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、旋回台32の前面に設けられた受けブラケット4にスイングブラケット5を縦軸38回り揺動自在に枢支し、このスイングブラケット5にブーム2の基端とブーム2の背面外側に配置したブームシリンダ3の基端とをそれぞれ横軸6を介して枢支し、前記ブーム2の先端部2Cに設けた油圧取出具10に旋回台32側から油圧を供給する油圧配管12A,12Bをブーム2内に挿通し、ブーム2の背面を閉塞した背壁14の基端部2B側に前記油圧配管12A,12Bをブーム2内に導入する基端開口部15を形成していることである。
【0007】
これにより、ブーム2はその背面を背壁14で閉塞した構造となるため、幅狭でありながら、その剛性を十分確保できるものとなる。さらに、ブーム先端部2Cに配置された油圧取出具10に油圧を供給する油圧配管12A,12Bを、基端開口部15を介してブーム2内に内装し配管するため、旋回作業機1の作業中に、油圧配管12A,12Bが他物に接触して破損することが防げるようになる。
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、前記油圧取出具10は、ブーム2の先端部2Cの左右両側壁16A,16Bに開口した油圧取出口11A,11Bを有することである。
【0008】
これにより、ブレーカ66やオーガ等の副作業具に油圧を供給する油圧取出ホース13A,13Bがブーム2の両側にそれぞれ配置されるようになるため、油圧取出ホース13A,13Bが可撓性を有し且つ長寸であったとしても、互いが絡まったりすることが無くなる。
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、前記油圧取出具10をブーム先端部内側の底壁17内面から浮き上がらせて、前記底壁17内面との間に空間62を形成していることである。
【0009】
これにより、バケット65等の主作業具を駆動するバスケットシリンダへ連通するバケットシリンダ油圧配管64A,64Bを、前記空間62を通して、ブーム先端部2Cからその先方へ配管することが可能となる。これにより、油圧取出具10に邪魔されることなくバケットシリンダ油圧配管64A,64Bを配管できるようになる。
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、前記油圧取出具10の略上方でブーム2の背壁14に、油圧取出具10を外部に露出させる開口部19を形成し、この開口部19を蓋体20により閉蓋しているることである。
【0010】
これにより、ブームに油圧取出具を取り付ける際、この開口部を介してその組み付け作業が容易に行える。また、油圧取出具10のメンテナンスを当該開口部19を介して容易に実施できる。加えて、この開口部19は蓋体20により閉蓋できるため、作業時などに油圧取出具10に土砂や汚水、埃等が付着することを防げる。
本発明における課題解決のための第5の具体的手段は、前記スイングブラケット5に前記基端開口部15と連通する油圧配管挿通穴22を形成し、この油圧配管挿通穴22と基端開口部15との間にブーム基端横軸6を配置して、前記油圧配管12A,12Bを旋回台32側から油圧配管挿通穴22を挿通させブーム基端横軸6上を通って基端開口部15へ配管していることである。
【0011】
これにより、前記油圧配管12A,12Bを、旋回台32側から油圧配管挿通穴22を挿通させブーム基端横軸6上を通って基端開口部15へ、最短距離で配管できるようになる。また、スイングブラケット5付近においても、油圧配管12A,12Bが外部にほとんど露出することなく配管されているため、旋回作業機1の作業中に、油圧配管12A,12Bが他物に接触して破損することが防げるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜5は本発明にかかる旋回作業機の油圧配管構造の実施の一形態を示すものである。
図1においては、旋回作業機1としてバックホーを例示しており、この旋回作業機1の左右クローラ走行装置29を有する走行機体30に、旋回台32を縦軸状の旋回軸31回りに旋回自在に支持している。この旋回台32の前部にはブーム2等から構成される掘削装置25を設けている。
【0013】
旋回台32は、後部にエンジン、燃料タンク、オイルタンク等(図示せず)を搭載し、それらをカバー35で覆い、その上方に運転席36を設けている。運転席36の前方でかつ旋回台32前部には、操縦ボックス33が配置されており、その内部に操縦に必要な略総てのものを収納している。なお、図1に例示したバックホーは、前記運転席等を包囲する日除けを備えていないが、日除けを備えたものであってもよい。
図1,2,5に示すように、旋回台32はその前部に受けブラケット4を有する。この受けブラケット4はその前部に上下に分離された受け部4U,4Dを前方突出状に有し、この上下受け部4U,4Dには縦軸38を挿通する穴が形成されている。
【0014】
前記掘削装置25は、受けブラケット4に縦軸38を介して枢支されたスイングブラケット5と、このスイングブラケット5に基端部2Bが枢支されたブーム2と、ブーム2の先端部2Cに横軸8を介して回動自在に枢支されたアーム24と、このアーム24の先端に横軸回り回動自在に枢支されたバケット65等の主作業具から構成されている。
前記スイングブラケット5は上下支持部5U,5Dを有しており、この上下支持部5U,5Dが前記受けブラケット4の上下受け部4U,4Dと係合することで、スイングブラケット5が受けブラケット4に左右揺動自在に連結している。
【0015】
前記スイングブラケット5の上下支持部5U,5Dの中間には、スイングブラケット5の左右両側壁4A,4Bと上下支持部5U,5Dとで囲まれた穴が形成されており、この穴は後述する油圧配管挿通穴22となっている。
ブーム基端部2Bは、前記スイングブラケット5に横軸6を介して枢支されているとともに、スイングブラケット5の上方に鶏冠状に突出したシリンダ支持部5Aに、油圧シリンダであるブームシリンダ3のロッド3Bが横軸7を介して連結されている。
【0016】
当該ブーム2の本体2Aは、鋼板製の断面コ字形部材に帯板を溶着して形成され、その断面は中空箱形となっている。この本体2Aの両端には、ブーム基端部2Bとなる基端部材26、及び、ブーム先端部2Cとなる先端部材27が挿入され固着されている。この基端部材26及び先端部材27はそれぞれ鋳造品、鍛造品又は鋼板製品である。
ブーム本体2Aは、くの字状に折曲されていて、その折曲部の背面外側に取り付け板9が固着されている。この取り付け板9にはブームシリンダ3のボトム3Aの先端が横軸回りに回動自在に枢支され、ブーム2の昇降動作を可能としている
このように、前記ブームシリンダ3は、ブーム2の背面外側において、その長手方向でブーム2に沿うように配置されるため、ブーム2はその背面を背壁14で閉鎖した構成とすることができる。したがって、ブーム2はその背面に大きな開口を有さず剛性の高いものとなっている。
【0017】
加えて、ブーム2の背壁14の基端部2B側には、後述の油圧取出具10に接続している油圧配管12A,12Bやブームシリンダ3に油圧を供給するブームシリンダ油圧配管43A,43B等をブーム2内に導入するための基端開口部15が設けられている。
詳しくは、前記基端部材26の上壁26Aに、ブーム2の長手方向を向く略長円形の穴が形成され、基端開口部15となっている。この基端開口部15は、油圧配管12A,12B等を通すに必要且つ十分な大きさのものであり、大口径のものではない。したがって、この基端開口部15によりブーム2の剛性が低下することはほとんどない。
【0018】
基端部材26は、前述の如く鋳造等で作られており、基端開口部15を穴開け作業等で形成しているものでないため、基端開口部15を形成することで基端部材26の剛性が低下することもない。加えて、基端開口部15の周辺部位の肉厚を厚くするように形成することで、さらに高い剛性を得ることも可能である。 なお、この基端開口部15は図5に示すように縁取り板50を溶着することにより補強されている。
ブームシリンダ3の略下方に位置する背壁14には、ブーム2の長手方向を向く略長円形の挿通穴44が形成されており、ブームシリンダ3へ油圧を供給するブームシリンダ油圧配管43A,43Bが挿通可能となっている。この挿通穴44がブーム長手方向の長穴であることにより、ブーム2に加わる曲げモーメントに対する剛性の低下を防ぐことができる。
【0019】
ブームシリンダ油圧配管43A,43Bには、ボトム側43Aとロッド側43Bの2系統があるが、ブーム背壁14には、それぞれの油圧配管43A,43Bを挿通させる2つの小径の挿通穴44が形成されており、さらに、それら2つの挿通穴44は可能な限り離れた位置に設けられている。この構成によってもブーム2の剛性が低下することを防いでいる。
ブーム先端部2Cには、副作業具であるブレーカ66やオーガに駆動用の油圧を供給する油圧取出具10が内装されている。その油圧取出具10に設けられた油圧取出口(サービスポート)11A,11Bがブーム2の左右両側壁16A,16Bに外側を向くように配置されている。
【0020】
さらに、ブーム先端部2Cには、アーム24が横軸8を介して起伏自在として装着され、アーム24の先端には、主作業具であるバケット65が着脱自在としてリンク等によって装備されている。前記アーム24は油圧シリンダであるアームシリンダ49によって上下揺動され、バケット65は油圧シリンダであるバケットシリンダ63によって掬いダンプ可能に動作される。
このアームシリンダ49は、そのボトム49Aの端が前記取り付け板33に横軸回り回動自在に支持されており、ブーム2前方の背面外側において、その長手方向でブーム2に沿うように配置されている。
【0021】
前記バケット65等の主作業具に代替して、ブレーカ66等の副作業具をアーム24に装着することもある。この場合、この副作業具を駆動するための圧油は、前記油圧取出口11A,11Bから油圧取出ホース13A,13Bを介して取り出すようになっている。
前記アームシリンダ49の略下方に位置するブーム背壁14にも、ブームシリンダ3の場合と略同様な、アームシリンダ油圧配管46A,46Bを挿通させる2つの挿通穴47が形成され、略同様の作用効果を奏している。
【0022】
なお、本実施形態では、ブーム2の背面がブームシリンダ3と略平行になる図1の状態が、ブームを上昇させて最も折り畳んだ状態である。この状態で操縦ボックス33がブームシリンダ3と接触しないように、操縦ボックス33が旋回台32に対して可能な限り前方に配置されると共に、旋回台32からの受けブラケット4の突出量を少なくし、操縦ボックス33の前面をスイングブラケット5の上下支持部5U,5Dと前後方向に近接させている。
これによって、必要最低限の居住空間やウオークスルー空間等を確保できると共に、旋回台32の前後バランスを良好に維持できる。また、ブーム2及びブームシリンダ3を可能な限り操縦ボックス33の前面に近づけながらもブーム2のスイング角度を十分な大きさに設定することができる。さらに、前述の構成により旋回台32の小型化も可能となる。
【0023】
次に、油圧取出具10、及び、油圧取出具10への油圧配管12A,12Bの配管構造について説明する。
図2〜5に示すように、ブーム先端部2Cを構成している先端部材27内でアーム24の支持横軸8の略後方側に、油圧取出具10が内装されている。油圧取出具10はL字形接続管53A,53Bを有しており、このL字形接続管53A,53Bは、先端部材27の底壁27D内面から浮き上がった状態で配置されている。詳しくは、底壁27Dから迫り上がる仕切壁57の略中央からブーム後方側に略水平に突出した支持壁58に前記L字形接続管53A,53BがL型金具59を介してボルトやネジ等の締結具で固定されている。これにより、油圧取出具10の下方で、底壁27D内面との間に空間62が形成されることになる。
【0024】
このL字形接続管53A,53Bのブーム基端部方向を向く接続口には、旋回台32側からの圧油を供給する油圧配管12A,12Bが螺合接続されている。また、このL字形接続管53A,53Bの他方の口は、先端部材27の左右両側壁27A,27B(すなわちブーム2の左右両側壁16A,16B)に面しており、左右両側壁27A,27Bの上下方向略中央に配置された、外方が雌口となる油圧カプラ54A,54Bに連通接続されている。この雌口の油圧カプラ54A,54Bが油圧取出口11A,11Bとなっている。
【0025】
油圧取出口11A,11Bには、圧油を取り出すための油圧取出ホース13A,13Bが連結される。詳しくは、油圧取出ホース13A,13Bの先端は、まず、L字形接続管68A,68Bの一方の口に螺合接続しており、L字形接続管68A,68Bの他方の口が油圧取出口11A,11Bに嵌り込む雄口の油圧カプラ55A,55Bとなっている。
この油圧カプラ55A,55Bが前記油圧取出口11A,11B(雌口の油圧カプラ54A,54B)に嵌り込むことで、油圧取出ホース13A,13Bに圧油が流出入することとなる。
【0026】
以上述べた油圧取出具10は、図3に示す如く、ブーム2内に2系統の油路を有しており、1系統は油圧供給用であり、もう1系統は油圧戻り用である。すなわち、前記油圧供給用の油圧取出口13A又は13Bから供給された圧油を取り出し、副作業具の駆動部(油圧モータ等)に供給した後、戻り油系統の油圧取出口13B又は13Aへ圧油を戻すことにより、かかる副作業具が駆動されることとなる。
本実施形態の場合、前述のように、油圧取出口11A,11Bはブーム先端部材27の左右両側に各各設けられているため、接続された油圧取出ホース13A,13Bはブーム2の両側にそれぞれ離れた状態で配置されることになる。したがって、油圧取出ホース13A,13Bが可撓性を有し且つ多少長い場合であっても、互いが絡まったりすることが無くなる。
【0027】
また、油圧取出ホース13A,13Bの先端がL字形接続管により屈曲する構造となっているため、油圧取出口11A,11Bに取り付けた場合、その取り回しが容易になるという作用効果を奏することになる。
前記油圧取出具10の下方に形成された空間62には、バケットシリンダ63へ油圧を供給するバケットシリンダ油圧配管64A,64Bを配管するようにしている。このような配置により、例えば、油圧取出具10の上方を迂回するようにシリンダ油圧配管64A,64Bを取り回す必要がなくなり、その配管が楽になる。加えて、油圧取出具10がシリンダ油圧配管64A,64Bで覆われるといったことが無くなるため、油圧取出具10自体のメンテナンスが行いやすくなる。
【0028】
加えて、前記油圧取出具10の略上方のブーム背壁14、すなわち先端部材27の上壁27Cには、図3に示すように、長円形状の開口部19を形成している。この開口部19は前記油圧取出具10と平面視略同じ大きさであり、この開口部19を通じて、油圧取出具10のブーム2への組み付け作業が容易に行える。また、油圧取出具10のメンテナンス作業も簡単に実施できるようになる。
先端部材27は、前述の如く鋳造等で作られており、前記開口部19を穴開け作業等で形成しているものでないため、開口部19を形成することで、先端部材27の剛性が低下することはない。加えて、開口部19の周辺部位の肉厚を厚くするように形成することで、さらに高い剛性を得ることも可能である。
【0029】
前記開口部19は、その開口より若干大きい蓋体20により着脱自在に閉蓋される。詳しくは、蓋体20は、開口部19より若干大きく、蓋体20の一方側の下面にL字形金具61が設けられ、他方側にはボルトやネジ等の締結具を貫通させる穴が設けられている。
前記蓋体20自身とL字形金具61で形成される隙間に、開口部19の縁を形成しているブーム背壁14が嵌り込むようにし、蓋体20の穴を介して締結具を前記仕切壁57に螺合させることにより、蓋体20で開口部19を閉蓋すると共に、蓋体20を固定するようになっている。
【0030】
このように開口部19を蓋体20で閉蓋しておくことで、油圧取出具10に土砂や水がかかったり、塵がたまることを防ぐことができる。また、前記蓋体20は締結具を外すだけで、取り外すことができるため、簡単に開蓋し油圧取出具10をメンテナンスできる。
以上述べた油圧取出具10に連通接続される油圧配管12A,12Bは、旋回台32からブーム2内にかけて、図2の如く配管されている。
すなわち、油圧配管12A,12Bは旋回台32内のコントロールバルブ(図示せず)に接続されている。さらに、油圧配管12A,12Bは、受けブラケット4内部を通って旋回台32から出て、スイングブラケット5の油圧配管挿通穴22を通り、この油圧配管挿通穴22からブーム基端横軸6の上方を通っている。その後、前記ブーム背壁14の基端部2B側に形成された基端開口部15を介して、ブーム2内部に入り、ブーム2内の底壁17に略沿う形で油圧取出具10まで配管されている。その上で、油圧取出具10のL字形接続管53A,53Bに螺合することで連通接続している。
【0031】
このように、油圧配管12A,12Bを基端開口部15からブーム2内に内装しているため、油圧配管12A,12Bが外部に露出する部分がほとんどなく、スイングブラケット5付近においても、油圧配管12A,12Bが内装され配管されているため、旋回作業機1の作業中に、油圧配管12A,12Bが他物に接触して破損することが防げるようになる。
ブームシリンダ3に油圧を供給するブームシリンダ油圧配管43A,43B、及び、アームシリンダ49に油圧を供給するアームシリンダ油圧配管46A,46Bにおいても、油圧配管12A,12Bと略同一の配管構造を有している。
【0032】
すなわち、各シリンダ油圧配管43,46は、旋回台32内のコントロールバルブから、受けブラケット4内を通って外部に出て、スイングブラケット5の油圧配管挿通穴22を通り、この油圧配管挿通穴22からブーム基端横軸6の上方を通り、基端開口部15を通り、ブーム2内に入り、ブーム2内の底壁17に略沿う形で配管されている。
その後、ブームシリンダ油圧配管43A,43Bは、ブームシリンダ3の略下方の背壁14に設けられた挿通穴44から外方に出てブームシリンダ3に接続されている。
【0033】
アームシリンダ油圧配管46A,46Bも、アームシリンダの略下方の背壁14に設けられた挿通穴47から外方に出てアームシリンダ49に接続されている。
油圧配管12A,12Bと同様に、このような配管構造とすることで、各シリンダ油圧配管43,46もブーム2に内装でき作業中の破損から保護できるようになる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。
【0034】
例えば、バックホーは旋回台32の後端が左右クローラ走行装置29の最外端と略一致する後方小旋回型を例示したが、後端が左右クローラ走行装置29の最外端から突出する標準旋回型でもよく、また、旋回作業機1としてはパワーショベルであってもよい。
また、油圧取出具10として、L字形接続管53A,53Bを使用する必要は必ずしもなく、油圧配管12A,12Bの先端に雌口の油圧カプラ54A,54Bを取り付け、それを直接ブーム左右両側壁16A,16Bに外部と連通するように配置し、油圧取出口11A,11Bとしてもよい。
【0035】
また、油圧取出口11A,11Bを雌口の油圧カプラ54A,54Bとし、それに接続する油圧取出ホース13A,13Bの先端を雄口の油圧カプラ55A,55Bとしたが、雄雌が逆であってもかまわない。
さらに、油圧取出口11A,11Bとして油圧カプラ54A,54Bを用いているが、ネジ筒体に止油バルブが設けられているものを用いてもよい。この場合、油圧取出ホース13A,13Bの先端は、前記ネジ筒体に螺合するネジ体となる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ブーム背面を背壁14で閉塞することでブーム2の剛性を高めると共に、背壁14の基端部2B側の基端開口部15を介して油圧配管12A,12Bをブーム2に内装し、油圧配管12A,12Bの作業中の破損から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体側面図である。
【図2】本実施形態に係るブームの断面側面図である。
【図3】本実施形態に係るブームの先端部の平面図である。
【図4】本実施形態に係るブームの先端部の断面側面図である。
【図5】本実施形態に係るブームの基端部の平面図である。
【符号の説明】
1 旋回作業機
2 ブーム
2B ブーム基端部
2C ブーム先端部
3 ブームシリンダ
4 受けブラケット
5 スイングブラケット
6 横軸(ブーム基端横軸)
10 油圧取出具
11 油圧取出口
12 油圧配管
14 背壁
15 基端開口部
16 側壁
17 底壁
19 開口部
20 蓋体
22 油圧配管挿通穴
32 旋回台
38 縦軸
62 空間
Claims (4)
- 旋回台の前面に設けられた受けブラケットにスイングブラケットが縦軸回り揺動自在に枢支され、このスイングブラケットにブームの基端とブームの背面外側に配置したブームシリンダの基端とがそれぞれ横軸を介して枢支され、前記ブームの先端側であって当該ブームの底壁から迫り上がる仕切壁の左右方向略中央部にブームの基端側へと突出する支持壁が設けられ、この支持壁に対向するブームの背壁に開口部が設けられ、この開口部を通じて左右一対の油圧取出具が前記支持壁に取り付けられ、ブームの背壁の基端側に基端開口部が形成され、この基端開口部を介して旋回台側から油圧を供給する油圧配管がブーム内に挿通され、この油圧配管が前記油圧取出具に接続されていることを特徴とする旋回作業機の油圧配管構造。
- 前記油圧取出具は、前記開口部を介して支持壁に取り付けられるL字形接続管を有し、このL字形接続管のブーム基端側を向く接続口には前記油圧配管が接続され、L字形接続管の他方の口はブームの左右側壁に向けられており、前記他方の口が油圧取出口とされていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機の油圧配管構造。
- 前記油圧取出具をブーム先端部内側の底壁内面から浮き上がらせて、前記底壁内面との間に空間を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機の油圧配管構造。
- 前記開口部を閉鎖する蓋体が設けられており、蓋体の一方側は前記背壁に嵌め込みられ、蓋体の他方側は締結具を介して前記仕切壁に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の旋回作業機の油圧配管構造。
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