JP3811831B2 - ビスフェノール型固形エポキシ樹脂、その製造方法及び塗料組成物 - Google Patents
ビスフェノール型固形エポキシ樹脂、その製造方法及び塗料組成物 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は金属缶の内面用エポキシ樹脂、その製造方法及びその組成物に関する。さらに詳しくは折り曲げ加工性、衛生性、フレーバー保持性に優れ、とりわけ缶蓋用の塗装剤として有用なエポキシ樹脂、その製造方法及び塗料組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食用缶詰、飲料缶等の所謂“食缶”用素材としてはアルミニウム、ブリキ、チンフリースチール等の金属素材が使用されているが、これらの金属はその内容物による腐食を防ぐために、通常、塗料により被覆がなされている。
食缶は通常、内容物を充填し、密封した後、高温加熱処理(レトルト処理)を行うが、このとき塗料成分の一部が溶出するという問題を生ずる。溶出した成分が多量の場合には衛生性の観点から好ましくなく、また極微量の場合でも内容物の味、風味(フレーバー保持性)を損なうという問題を生ずる。
【0003】
近年、食缶なかでも飲料缶の内容物が多様化している。なかでも日本茶、烏竜茶、紅茶等低糖または無糖の内容物が増加しており、これらに使用される飲料缶は特にフレーバー保持性が重要視される。これら耐レトルト性、衛生性、フレーバー保持性を満足させる塗料としてエポキシ/フェノール系塗料、エポキシ/アミノ樹脂系塗料、エポキシ/尿素樹脂系塗料が挙げられるが、これらは折り曲げ加工性が充分でなく、製缶加工時に金属露出を起こし、そのために製缶加工後に金属露出部を補修する必要がある。
一方、折り曲げ加工性に優れ製缶加工後の補修を必要としない塗料として塩ビオルガノゾル塗料が有用であるが、塩化ビニル中の残存モノマー及び可塑剤の衛生性、廃棄された缶の焼却時の塩素系ガスの発生等その環境性に問題があり代替塗料の出現が望まれている。
【0004】
これらの観点からエポキシ樹脂系塗料の折り曲げ加工性を改良する方法が種々検討されている。例えば特開昭59−8767号公報にはビスフェノールA型エポキシ樹脂にビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合して成る塗料組成物が、また特開平7−292072号公報にはビスフェノール型エポキシ樹脂がo−p(オルソーパラ)異性体でかつ二核体であるビスフェノールFを特定量含有したビスフェノール型エポキシ樹脂からなる成る塗料組成物が開示されている。
しかしながら、これらは折り曲げ加工性は改良されるものの未だ充分でなく、また、耐レトルト性、フレーバー保持性の観点から使用されるには至っていないのが現状である。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、未硬化エポキシ樹脂塗膜からのレトルト抽出水の過マンガン酸カリウム消費量を一定量以下に低減することにより衛生性、フレーバー保持性に優れ、且つ、数平均分子量とエポキシ当量を制御することにより、折り曲げ加工性、耐レトルト性に優れた塗膜を得ることを見出し、本発明を完成したもので、本発明は、製缶加工後の補修を必要としない折り曲げ加工性に優れ、且つ、耐レトルト性、衛生性、フレーバー保持性に優れた塗膜を形成することができるエポキシ樹脂及びその組成物を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、エポキシ基純度99.5当量%以上のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とビスフェノールFまたはビスフェノールAとビスフェノールFとの混合物を反応させて得られる数平均分子量が6,000乃至13,000で、且つエポキシ当量2,000乃至10,000g/eqの範囲であるビスフェノール型固形エポキシ樹脂であって、該ビスフェノール型固形エポキシ樹脂の乾燥膜厚約10μmの未架橋塗膜を塗膜面積5cm2当たり1mlの水を用い、125℃で1時間加圧加熱処理した抽出水の過マンガン酸カリウム消費量が5mgO/l以下である事を特徴とするビスフェノール型固形エポキシ樹脂である。
【0007】
本発明において、過マンガン酸カリウム消費量を測定することは、得られたビスフェノール型固形エポキシ樹脂中の低分子量のエポキシ樹脂や末端基不純物を持った低分子エポキシ樹脂が存在し、これが架橋反応に寄与しなかった時に、レトルト処理が行われると水側に溶出してしまう。この水側に溶出する量を過マンガン酸カリウムによって測定し、未架橋の低分子量のエポキシ樹脂や末端基不純物を持った低分子エポキシ樹脂の量をチェックするのである。
この過マンガン酸カリウム消費量の測定方法は、特許請求の範囲で規定した方法によって行うのであるが、具体的には、得られたビスフェノール型固形エポキシ樹脂を溶剤に溶かし、これを乾燥膜厚約10μmとなるように、例えばバーコーターで塗布した未架橋塗膜を所定の量の水を用い、所定の条件で加熱処理して得た抽出水を過マンガン酸カリウムによってその消費量を測定する。
【0008】
本発明におけるビスフェノール型固形エポキシ樹脂の数平均分子量が6,000乃至13,000で、且つエポキシ当量2,000乃至10,000g/eqの範囲であり、エポキシ樹脂のビスフェノールF骨格が0乃至40重量%の範囲含有されているものが好ましい。
そして、このようなビルフェノール型エポキシ樹脂は、エポキシ基純度99.5当量%以上の液状エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/またはビスフェノールFとを全量の20重量%以下の溶媒中で反応させ、反応終了後、残存溶媒が6重量%未満になるまで回収する事によって得られる。
【0009】
【発明の実施の態様】
先ず、本発明のビスフェノール型固形エポキシ樹脂の製造法の一例を述べると、エポキシ基純度99.5当量%以上の液状エポキシ樹脂とビスフェノールA及び/またはビスフェノールFとを触媒の存在下、通常80乃至220℃の温度において30分乃至20時間反応させることによって得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂の原料として、エポキシ基純度99.5当量%以上の液状エポキシ樹脂を使用する。ここで、エポキシ基純度は、次の式によって定義される。
【0010】
【数1】
【0011】
A:エポキシ当量(g/eq)
B:α−ジオール含有量(meq/100g)
C:加水分解性塩素分(wt%)
本発明のビスフェノール型固形エポキシ樹脂の原料となるエポキシ基純度99.5当量%以上の液状エポキシ樹脂は市販のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を分子蒸留、再結晶等の物理的方法により精製するか、或いは化学的方法として、ビスフェノールAと過剰のエピクロルヒドリンと苛性ソーダを反応させて液状エポキシ樹脂を製造する際に、例えば極性溶媒を添加して減圧下、低温で反応させる事によっても得る事ができる。
具体例としては、例えば東都化成社製の分子蒸留により高純度化したタイプであるエポトートYD−8125(エポキシ当量:175g/eq以下、α−ジオール含有量:1.0meq/100g以下、加水分解性塩素分:0.02wt%以下)のようにエポキシ基純度99.6当量%以上のものが使用できる。
【0012】
本発明のビスフェノール型固形エポキシ樹脂のもう一方の原料であるビスフェノール類としてはビスフェノールA、ビスフェノールF及びそれらの混合物が好ましい。
本発明のビスフェノール型固形エポキシ樹脂は、上述した高純度エポキシ樹脂とビスフェノール類とを付加重合反応させることによって得られる。この際、高純度エポキシ樹脂とビスフェノール類との使用割合は目的とするビスフェノールカ型固形エポキシ樹脂のエポキシ当量と数平均分子量にもよるが、高純度エポキシ樹脂100重量部に対しビスフェノール類40〜70重量部、好ましくは45〜65重量部である。ビスフェノール類として、ビスフェノールFを使用する場合においては得られるエポキシ樹脂中のビスフェノールF骨格の割合は0乃至40重量%の範囲である事が好ましい。ビスフェノールF骨格の割合が40重量%を越えると耐レトルト性が悪くなるからである。
【0013】
高純度エポキシ樹脂とビスフェノール類との付加重合反応において、触媒を使用することが好ましい。使用される触媒としては、苛性ソーダ、苛性カリ等のアルカリ金属水酸化物類、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムイオダイド等のホスホニウム塩類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの触媒は1種または必要に応じて2種以上組み合わせても良く、その使用量は使用する触媒の種類に応じて全量に対して0.005乃至3重量%の範囲である。
【0014】
また、この付加重合反応時に溶媒を使用することができる。使用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は1または必要に応じて2種以上組み合わせて使用しても良い。これらの溶媒のなかで特に芳香族炭化水素類が好ましい。また溶媒の使用量は全量の20重量%以下が好ましい。溶媒の使用量が20重量%を越えると反応時間が長くなり工業的に不利となる。またこれらの溶媒を使用した場合、反応終了後、残存溶媒が6重量%未満になるまで溶媒を回収する事で固形のエポキシ樹脂として得る事ができる。残存溶媒が6重量%以上となると固形樹脂としては得られ難くなる。
【0015】
このようにして得られた本発明にかかるビスフェノール型固形エポキシ樹脂は数平均分子量6,000乃至13,000で、且つエポキシ当量2,000乃至10,000g/eqの範囲である事が好ましい。数平均分子量が6,000未満では得られた塗膜の折り曲げ加工性が十分でなく10,000を越えると塗料とした場合の粘度が高くなり、塗装性の観点から好ましくない。エポキシ当量が2,000g/eq未満では得られた塗膜の折り曲げ加工性が十分でなく、10,000g/eqを越えると耐レトルト性が悪くなる。
また、乾燥膜厚約10μmの未架橋エポキシ樹脂塗膜を塗膜面積5cm2当たり1mlの水を用い125℃で1時間加圧加熱処理した抽出水の過マンガン酸カリウム消費量が5mgO/l以下である事が必須であり、好ましくは3mgO/l以下、さらに好ましくは2mgO/l以下である。
過マンガン酸カリウム消費量を低減するには、a)本願発明のように高純度エポキシ樹脂を原料とする、b)高分子量エポキシ樹脂から蒸留、洗浄等により前述の2成分を除去する、等の方法が考えられるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂の使用に際しては架橋剤を配合する。架橋剤成分としてレゾール樹脂、アミノ樹脂が用いられる。レゾール樹脂としては例えばフェノール、アルキルフェノール類、ビスフェノール類等のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類との塩基性触媒の存在下での縮合物及びそれらのメタノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルキルエーテル化物等が挙げられる。一方、アミノ樹脂としては尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とホルムアルデヒドとの塩基性触媒の存在下での縮合物及びそれらのアルコール類とのアルキルエーテル化物等が挙げられる。
本発明においてはこれら架橋剤成分を1種または必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。またその配合量は組成物全量中1乃至50重量%の範囲である。配合量が1重量%未満では架橋が十分でなく塗膜の耐レトルト性が劣り、50重量%を越えると塗膜の折り曲げ加工性が劣るからである。
本発明組成物は無溶剤で或いは必要に応じて溶剤に溶解して使用する事ができる。使用できる溶剤としては組成物を均一に溶解する事ができる限り特に制限はない。
【0017】
また本発明組成物は該高分子エポキシ樹脂を公知の方法、例えばカルボキシル基を含有するアクリル樹脂とをエステル化触媒の存在下で部分エステル化する方法、或いはカルボキシル基含有不飽和単量体とフリーラジカル発生剤の存在下で共重合する方法で自己乳化性として水分散して使用することができる。
本発明塗料組成物は必要に応じて反応促進剤、例えば燐酸、パラトルエンスルホン酸等の硬化触媒を使用する事ができる。また本発明組成物は必要に応じて通常エポキシ樹脂塗料に使用される各種添加剤、例えば充填剤、補強剤、顔料、流動調整剤、表面調整剤等を添加することができる。
本発明塗料組成物を塗装する方法としては、スプレー、ロールコート、刷毛塗り、流し塗り等の公知の方法を用いることができる。
本発明塗料組成物は通常、120℃乃至300℃の温度で30秒乃至20分の範囲で焼き付けて塗膜を得ることができる。
【0018】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本文中「部」とあるのは重量部を意味する。また、エポキシ樹脂の分析及び塗膜の評価は以下の方法で行った。
エポキシ当量
JISK7236に従い過塩素酸滴定法で測定した。
数平均分子量
以下の条件によるGPC法で測定した。
装置 :HLC−8020(東ソー社製)
カラム:GMHXL2本+G2000XL1本(東ソー社製)
温度 :35℃
流量 :1ml/分
検出器:RI
較正法:標準ポリスチレンによる換算
不揮発分
JISK7235に従い200℃×1時間の加熱残分で測定した。
軟化点
JISK2207に従い環球法で測定した。
【0019】
加水分解性塩素分
ASTM D−1726に従い、エポキシ樹脂中にクロルヒドリン体として含有されている塩素分をKOHを加えて反応させ、生成したKClを硝酸銀水溶液で電位差滴定を行い測定した。
過マンガン酸カリウム消費量
試料をシクロヘキサノンに溶解して固形分25wt%のワニスとした。このワニスを厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで乾燥膜厚が10μmとなるように塗布し、200℃のオーブン中で10分間乾燥して試験板とした。試験板を耐圧ガラス瓶に入れ塗膜表面積と水との接触比が1ml/5cm2となるように活性炭処理した水道水を加え密閉した後、レトルト殺菌機にて125℃で1時間処理した。冷却後、処理水の過マンガン酸カリウム消費量を食品衛生法記載の方法で測定した。
【0020】
密着性
塗膜に100個の1mm×1mmの碁盤目を基板に至る深さでカッターナイフで切り込みを入れてからセロハンテープを貼って瞬間的にひきはがした。基板上に残った塗膜の碁盤目数を目視で測定した。
折り曲げ加工性
塗装板を塗装面が外側になるように折り曲げ20℃で20kg/cmの圧力でプレスした。次に折り曲げた部分をエナメルレーター(通電試験機)を用いて電流値を測定して塗膜の損傷程度を次の3段階で評価した。
○:電流値が1mA未満
△:電流値が1mA以上5mA未満
×:電流値が5mA以上
耐レトルト性
塗装板を125℃で30分間レトルト処理した後、塗膜の白化度合いを目視で次の3段階で評価した。
○:全く白化なし
△:一部白化
×:全面白化
フレーバー保持性
両面塗装した試験板を耐圧ガラス瓶に入れ塗膜表面積と水との接触比が1ml/5cm2となるように活性炭処理した水道水を加え密閉した後、レトルト殺菌機にて125℃で1時間処理した。冷却後、処理水のフレーバー性を試験板を入れないで処理した水との官能試験による比較を以下の評価で行った。
○:全く変化なし
△:若干変化あり
×:著しく変化あり
【0021】
【実施例】
【0022】
実施例1
攪拌機、温度計、窒素導入管及びコンデンサーを装備した5リッターガラス製セパラブルフラスコにエポトートYD−8125(東都化成社製分子蒸留BPA型液状エポキシ樹脂 エポキシ当量 :172g/eq、α−ジオール含有量:0.8meq/100g、加水分解性塩素分:0.015wt%):1,720部、BPA(三井東圧化学社製ビスフェノールA):570部、BPF−D(本州化学社製ビスフェノールF):390部、キシレン300部及びトリエチルアミン: 0.5部を仕込み窒素雰囲気下、攪拌しながら160℃まで昇温し、さらに160〜170℃で2時間反応を行った。反応終了後、キシレンを系外へ除去しながら200℃まで2時間かけて昇温した。内温が200℃になった時点で内容物を取り出しエポキシ当量:2,600g/eq(固形分値)、不揮発分:96%、軟化点:123℃、数平均分子量:9,200の固形エポキシ樹脂P−1を得た。
P−1:1000部にキシレン:1,400部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010(日立化成工業社製レゾール型フェノール樹脂 樹脂濃度50重量%):480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0023】
実施例2
実施例1と同様の反応装置にYD−8125:1,720部、BPF−D:900部及びトリエチルアミン:0.5部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら160℃まで昇温した。160℃で2時間反応を続け、さらに210℃まで昇温して210℃で4時間反応を行った。反応終了後、内容物を抜き出しエポキシ当量:3,500g/eq(固形分値)、不揮発分:100%、軟化点:132℃、数平均分子量:9,300の固形エポキシ樹脂P−2を得た。
P−2:960部にキシレン:1,440部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0024】
比較例1
実施例1と同様の反応装置にエポトートYD−128(東都化成社製BPA型液状エポキシ樹脂エポキシ当量:187g/eq、α−ジオール含有量:2.8meq/100g、加水分解性塩素分:0.01wt%):1,870部、BPA:992部、キシレン:300部及びトリエチルアミン:0.4部を仕込み窒素雰囲気下、攪拌しながら160℃まで昇温し、160〜170℃でさらに2時間反応を行った。反応終了後、キシレンを系外へ除去しながら200℃まで2時間かけて昇温した。内温が200℃になった時点で内容物を取り出しエポキシ当量:2,550g/eq(固形分値)、不揮発分:96%、軟化点:128℃、数平均分子量:7,300の固形エポキシ樹脂C−1を得た。
C−1:1,000部にキシレン:1,400部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0025】
比較例2
実施例1と同様の反応装置に仕込みをDER−331J(ダウケミカル社製BPA型液状エポキシ樹脂 エポキシ当量:187g/eq、α−ジオール含有量:3.4meq/100g、加水分解性塩素分:0.022ppm):1,870部、BPA:570部、BPF−D:390部、キシレン:300部及びトリエチルアミン:0.5部とした。同様に昇温して160〜170℃で3時間反応を行った。反応終了後、キシレンを系外に除去しながら200℃まで3時間かけて昇温した。内温が200℃になった時点で内容物を取り出しエポキシ当量:2,700g/eq(固形分値)、不揮発分:96%、軟化点:124℃、数平均分子量:9,000の固形エポキシ樹脂C−2を得た。
C−2:1,000部にキシレン:1,400部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0026】
比較例3
実施例1と同様の反応装置にYD−128:1,870部、BPF−D:900部及びトリエチルアミン:0.5部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら160℃まで昇温した。160℃で2時間反応を続け、さらに210℃まで昇温して210℃で4時間反応を行った。反応終了後、内容物を抜き出しエポキシ当量:3,300g/eq(固形分値)、不揮発分:100%、軟化点:131℃、数平均分子量:9,500の固形エポキシ樹脂C−3を得た。
C−3:960部にキシレン:1,440部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0027】
比較例4
実施例1と同様の反応装置にYD−8125:1,720部、BPF−D:990部、キシレン:220部及びトリエチルアミン:0.5部を仕込み窒素雰囲気下、攪拌しながら160℃まで昇温した。160〜170℃で2時間反応後、200℃まで3時間反応を行った。200℃でさらに4時間反応を続け内容物を抜き出しエポキシ当量:15,000g/eq(固形分値)、不揮発分:96%、軟化点:131℃、数平均分子量:12,000の固形エポキシ樹脂C−4を得た。
C−4:960部にキシレン:1,440部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
【0028】
比較例5
実施例1と同様の反応装置に仕込みをYD−8125:1,720部、BPF−D:870部、キシレン:220部及びトリエチルアミン:0.5部を仕込み窒素雰囲気下、撹拌しながら160℃まで昇温を行った。反応終了後、キシレンを系外へ除去しながら200℃まで2時間かけて昇温した。内温が200℃になった時点で内容物を取り出しエポキシ当量:2,550g/eq(固形分値)、不揮発分:96%、軟化点:122℃、数平均分子量:5,300の固形エポキシ樹脂C−5を得た。
C−5:960部にキシレン:1,440部及びシクロヘキサノン:1,440部に溶解し、樹脂濃度25重量%の溶液とした。この樹脂溶液にヒタノール4010:480部及び85%燐酸6部を加えて攪拌し、均一な塗料を得た。
得られた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコーターで塗布し、200℃で10分間焼き付けて膜厚10μmの塗膜を得た。
表1に実施例及び比較例の原料エポキシ樹脂及びビスフェノール型固形エポキシ樹脂の性状を、表2に実施例及び比較例の塗膜物性を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
本発明高ビスフェノール型固形エポキシ樹脂はレトルト抽出による過マンガン酸カリウム消費量が低く、且つ、折り曲げ加工性、フレーバー保持性に優れた塗膜を形成する事ができ、とりわけ缶内面用として有用な塗料組成物を提供する事ができる。
Claims (4)
- エポキシ基純度99.5当量%以上のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とビスフェノールFまたはビスフェノールAとビスフェノールFとの混合物を反応させて得られる数平均分子量が6,000乃至13,000で、且つエポキシ当量2,000乃至10,000g/eqの範囲であるビスフェノール型固形エポキシ樹脂であって、該ビスフェノール型固形エポキシ樹脂の乾燥膜厚約10μmの未架橋塗膜を塗膜面積5cm2当たり1mlの水を用い、125℃で1時間加圧加熱処理した抽出水の過マンガン酸カリウム消費量が5mgO/l以下である事を特徴とするビスフェノール型固形エポキシ樹脂。
- エポキシ基純度99.5当量%以上のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とビスフェノールFまたはビスフェノールAとビスフェノールFとの混合物とを全量の20重量%以下の溶媒中で反応させ、反応終了後、残存溶媒が6重量%未満になるまで回収する事を特徴とする請求項1に記載のビスフェノール型固形エポキシ樹脂の製造方法。
- 溶媒が芳香族炭化水素である事を特徴とする請求項2に記載のビスフェノール型固形エポキシ樹脂の製造方法。
- 請求項1または請求項2に記載のビスフェノール型固形エポキシ樹脂と硬化剤としてレゾール型フェノール樹脂、アミノ樹脂より選ばれた少なくとも1種以上の架橋剤を配合して成る缶内面溶剤型または水性塗料組成物。
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